JP4898042B2 - 焦点調節装置、焦点調節方法及び撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は撮像装置、特にデジタルスチルカメラにおける焦点調節装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、急速に普及しつつあるデジタルスチルカメラは、従来の銀塩カメラが被写体像をフィルム面上に結像させ、画像を化学的にアナログ記録するのに対し、CCDセンサなどで撮像した画像をメモリカードなどの記録媒体に電気的にデジタル記録するものである。
【0003】
図7はコンパクトタイプのデジタルカメラの正面図であり、カメラ本体1、撮影レンズ2、レリーズ釦3、ファインダ4、アクティブAF投光窓5、アクティブAF受光窓6、メインスイッチ7からなっている。このデジタルカメラの外見は、従来の銀塩フィルムを用いるカメラと大差ない。
【0004】
このようなカメラの自動焦点調節機構(Auto Focus:以下、AFと略記する)としては、『アクティブAF』と『ビデオAF』の2方式がある。
図8は、『アクティブAF 』の原理を示す。赤外線LED(以降『IRED』と略記する)11から投光された赤外光は、投光レンズ12、投光窓5を経て被写体15a,15bに投光され、その反射光は受光窓6、受光レンズ14を経て受光センサ13上に結像する。
【0005】
受光センサとしては、センサ上に結像したスポット光の位置変位を検出し、電圧で出力する『光入射位置検出素子:PSD(Positions−Sensitive Detectors)』が適当である。
【0006】
被写体15aが遠方の場合は、その反射光16aによるスポット光は、受光センサ13上の結像部位17aに結像する。被写体15bが近距離になると、その反射光16bによるスポット光は、受光センサ13上では結像部位17bに結像する。したがって、この結像するスポット光の位置を検出することができれば、被写体までの距離を検出することができ、それに応じて撮影レンズ2を駆動することにより被写体に焦点合わせを行うことができる。この方式は、赤外光を能動的(アクティブ)に投光するため、『アクティブAF』と称している。
【0007】
つぎに、図9は、『ビデオAF』の原理を示す。ビデオカメラやデジタルカメラでは、被写体23の像を撮影レンズ22を介して撮像用センサ21上に結像させる。そして、その光電変換信号を電気的に磁気テープや半導体メモリに記憶する撮像装置である。ビデオAFは、特に焦点検出のための専用部材を設けることなく、この光電変換信号から被写体の焦点を検出する方法である。
【0008】
光電変換信号には、被写体23の空間周波数成分が含まれている。その高周波成分に着目すると、ピントが合っているときには高周波成分が多く、ピントが外れるに従って高周波成分が減少するという性質がある。この性質を利用して、図10(a)のように撮影レンズを至近から無限方向へ移動させながら、被写体の光電変換信号の高周波成分24を抽出する。そして、図10(b),(c)のようにそのピーク位置25を探せば、そのときのレンズ位置26が最もピントが合っているレンズ位置ということになる。
【0009】
この光電変換信号は『ビデオ信号』と呼ぶこともあるため、このAF方式を『ビデオAF 』と称している。ビデオAF方式においてコントラストの低い被写体の場合、当然高周波成分も乏しい。その成分の変化は、たとえば図11(a)の高周波成分27や、さらにコントラストが低い場合は、図11(b)の高周波成分28のようになる。このような場合はピークの検出も困難となり、焦点調節の信頼性も低くなる。
【0010】
ビデオAF方式は撮像センサそのもので焦点検出するため、最終的にはセンサ面上に最もピントの合った被写体像が結像される。このため精度が高く、また撮像センサが何らかの原因で光軸方向に変動しても、その影響を受けないAF方式である。しかし、レンズを細かく移動させながら撮像するため、レンズの移動時間が長くかかる。また、被写体のコントラスト、すなわち高周波成分が低いと焦点検出が実質的に困難となる。
【0011】
一方、アクティブAF方式では、焦点(実際には被写体距離)の検出に可動部がないため、検出時間が短い。また、能動的に赤外光を投光するので、被写体のコントラストに依存することなく、焦点調節が可能な方式である。しかしながら検出系と撮像系が別れているため、精度的にはビデオAF方式よりも劣り、また上述した撮像センサの変動には対応することができない。製造工程でも精度を向上させるための工程が必要となり、コストアップになる。
【0012】
アクティブAFはピントを検出するのではなく、被写体距離を検出するため、その検出動作は『測距』と呼ばれる。また、撮像光学系とは別の検出系で焦点検出あるいは測距するAFは『外測AF』とも称される。このように同じ外測AFでありながら、赤外光を投光せずに被写体の自然照明光の反射光を利用するものは、受動的という意味で『パッシブAF』とも呼ぶことがある。
【0013】
さて、デジタルカメラの撮像センサはCCDセンサ等の半導体でできている。このため銀塩フィルム並みの大きさのものは、現状では極めて高価になり、従来の銀塩フィルムよりも小さなサイズが使用される。その場合イメージサイズが小さくなると、それを引き伸ばしたときピントはずれが拡大され、従来よりも高いピント精度が要求される。
【0014】
焦点調節の観点では、精度的にはビデオAFが好ましいが、応答性ではアクティブAFが望ましいと言える。したがって、両方式を組み合わせることで焦点調節の精度と応答性を兼ね備えた、いわゆる『ハイブリッドAF方式』がデジタルカメラ用のAF方式として本出願人から提案されている(特開平5−64056号公報)。すなわち、まず外測のアクティブAFで焦点調節を行い、撮影レンズの駆動まで実行する。この状態ではデジタルカメラのピント精度としては確実でないので、つぎに、そのレンズ位置を中心にビデオAFを用いて最終的なピント調整をするというものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようにハイブリッドAFを採用することで、これまでのビデオAFに比べ、かなり短い時間でピントの保証されたAFが可能となった。しかしながら、アクティブAF単独の場合と比較すると、ビデオAFを追加する分だけ余分に時間がかかってしまう。そしてアクティブAFだけで充分な銀塩カメラの軽快な操作感に及ばないという問題があった。
【0016】
本発明はかかる実情に鑑み、応答性および精度の双方に優れた焦点調節装置および方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の焦点調節装置は、撮像装置における焦点調節装置であって、被写体までの距離に対応する情報を検出する測距手段と、前記測距手段の検出結果に従って、撮像装置の撮影レンズを駆動するよう制御するレンズ駆動制御手段と、前記撮影レンズの位置に対応する距離情報を示す距離環でなる距離情報表示手段と、前記撮像装置の撮像センサを用いて被写体像のコントラストを検出するコントラスト検出手段と、前記コントラスト検出手段の検出結果に応じて前記撮影レンズの位置を調節した後、前記撮影レンズの位置に対応する前記距離情報表示手段の距離情報表示の補正を、前記測距手段の検出結果に応じて行う補正手段と、を有することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の焦点調節装置において、前記補正手段は、前記撮像装置の所定の操作部材に応じて、前記距離情報表示手段の距離情報の補正を行わないことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の焦点調節装置において、前記補正手段は、前記撮像装置の周囲温度の変化に応じて、前記距離情報表示手段の距離情報の補正を行わないことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の焦点調節装置において、前記補正手段は、補正実行後からの経過時間に応じて、前記距離情報表示手段の距離情報の補正を行わないことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の撮像装置は、上記いずれかの焦点調節装置、および前記撮像センサを有することを特徴とする。
【0022】
また、本発明の焦点調節方法は、撮像装置における焦点調節方法であって、被写体までの距離に対応する情報を検出する測距工程と、前記測距工程の検出結果に従って、撮像装置の撮影レンズを駆動するよう制御するレンズ駆動制御工程と、前記撮影レンズの位置に対応する距離情報を示す距離環による距離情報表示工程と、前記撮像装置の撮像センサを用いて被写体像のコントラストを検出するコントラスト検出工程と、前記コントラスト検出工程の検出結果に応じて前記撮影レンズの位置を調節した後、前記撮影レンズの位置に対応する前記距離情報表示工程の距離情報表示の補正を、前記測距工程の検出結果に応じて行う補正工程と、を有することを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、上記課題を解決するために、まずアクティブAFで焦点調節を行い、そのレンズ位置を中心にビデオAFを最終的なピント調整をする。そして特に、ビデオAFでの検出結果をアクティブAFのレンズ調整機構にフィードバックさせる。そのフィードバック結果が有効な期間は、すなわち周囲温度の変化があまりない、あるいは時間があまり経っていない間はアクティブAFのみで焦点調節を済ませ、これにより銀塩カメラと同様な応答性で、しかも精度の高いAFを実現する。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基き、従来例と実質的に同一または対応する部材には同一符号を用いて、本発明の好適な実施の形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施形態におけるデジタルスチルカメラ、特に図7に示したコンパクトタイプのカメラの電気ブロック図を示す。カメラ制御用マイクロコントローラ(以下、「MCU」と略記する)31にはレリーズ釦スイッチ3、メインスイッチ7、アクティブAF用のIRED11とその駆動回路33、被写体距離検出のための光入射位置検出素子(PSD)13、温度センサ18、撮影レンズ駆動用モータ34、その駆動回路35、レンズ位置検出部材36が接続されている。なお、レンズ位置検出部材36は、この実施形態ではポテンショメータを用いているが、エンコーダを用いてもよい。
【0027】
カメラ制御用MCU31内には、カメラ動作を実行するプログラムを格納したROM、変数を記憶するためのRAM、上述の補正データやその他のパラメータを記憶するためのEEPROM(電気的消去・書込み可能なメモリ)が内蔵されている。カメラ制御用MCU31は通信線120で撮像制御用MCU304に接続され、このMCU304はカメラ制御用MCU31の指示に従ってデジタル画像の撮像動作を制御する。撮像制御用MCU304は、フラッシュメモリ306に予め格納されているプログラムに従って、撮像に関わる各種デバイスの制御を行う。
【0028】
レリーズ釦スイッチ3の押下によるレリーズ動作により、カメラ制御用MCU31の指示を受け、撮像センサ21(たとえばCCDあるいはCMOSエリアセンサなど)上に形成された被写体像が光電変換され、その画像信号はA/D変換器302でA/D変換され、画像信号処理IC303で色補間処理やフィルタリング処理を行った後、データバス311を介して、一旦DRAM308に格納される。DRAM308に格納されたデジタル画像データは、必要に応じてカラーモニタ305に表示される。デジタル画像データは、JPEGIC307でデータ圧縮され、メモリカード・インタフェース(I/Fと略する)310を介して、着脱可能なメモリカード313に書き込まれる。また、画像データはシリアルI/F309を介して、シリアルバス312へも出力でき、ネットワークでの画像データの配布も容易に行うことができるようになっている。
【0029】
さて、図2は本発明の第1の実施形態におけるデジタルカメラ動作のフローチャートであり、図3および図4の撮影レンズの制御を説明する図と合わせて説明する。
【0030】
図2のフローチャートにおいて、カメラのレリーズ釦3がオンされるとステップS100を経て、ステップS101にてまず最初に外測AF(この実施形態ではアクティブAF)で測距を行う。この状態でのカメラの撮影レンズ22は、図3(a)のように無限側の被写体にピントが合う初期位置にある。距離環41のどの位置に撮影レンズ22が位置しているかは、前述のポテンショメータ36で検出することができる。同図では、本来のピント面42に対して撮像センサ21は、製造工程の誤差あるいは温度や姿勢差等の環境変化が原因で、若干後方にずれた状態が表されている。ここでは撮影レンズ22は距離環41の無限側の位置にあるので、たとえばカメラから3m離れた場所にいる被写体の像は、図のようにピント面42後方の位置43に結像する。
【0031】
つぎのステップS102では、外測AFでの測距が可能であったか否かを判別する。アクティブAFでは測距不能になることはあまりないが,同じ外測AFでもパッシブAFでは被写体輝度が低い場合や被写体のコントラストが乏しい場合に測距不能になることがある。
【0032】
測距可能の場合には、ステップS103に移行し、外測AFの結果に基づいて撮影レンズ22の制御を行う。この状態を図8(b)で説明する。すなわち、撮影レンズ22を距離環41の3mの目盛り位置に移動させる。その結果、距離3mに位置する被写体の像はピント面42と同じ位置44に結像する。しかしながら、いま撮像センサ21は本来のピント面42に対して若干後方にずれた位置にあるので、撮影レンズ22のピント調節は正しくても、ピントのあった画像が得られないことになる。本発明では、このずれた量を補正して正しいピント調節が行えるようにしたものである。
【0033】
図2において、つぎのステップS104では、『距離環補正』が有効か否かを判別する。まだ『距離環補正』は有効でないので、つぎのステップS105では、前述のビデオAFを用いてピントの微調を行う。すなわち、図8(c)のように撮像センサ21からの像信号を直接検知することで、最もピントが合う位置にレンズを移動させる。このとき被写体像は位置45、正に撮像センサ21のセンサ面上に結像することができる。
【0034】
さて、被写体のコントラストが低くてビデオAFが不能という場合がある。この場合、ステップS106ではそれを判別し、不能な場合にはステップS109へ移行して、ピント調節を完了する。ビデオAFによるピントの微調が可能であった場合は、ステップS107へ移行し、外測AFの『距離環』を補正し、『距離環補正』を有効とする。
【0035】
ビデオAFによる微調の結果、距離3mの被写体が撮像センサ21上にピントを結ぶ距離環位置は本来の3mの目盛りからずれたところとなる。図9(a)のようにそれに合わせて距離環41の方を移動することで、距離環41の目盛りを正しいレンズ位置に補正することができる。
【0036】
ここに述べた撮像センサ21と撮影レンズ22の相対関係によるピント位置は、長期的にはカメラの経時変化、また短期的には姿勢差や温度変化によって変化する。短期間あるいは姿勢差や温度変化がない場合は所定関係が持続され、この間『距離環補正』は有効となる。このようにして外測AFによるピント制御とビデオAFによる微調が完了して、ステップS109でピント調節を終了する。
【0037】
何らかの原因によって外測AFでの測距が不可能であった場合は、ステップS102からステップS108へ移行して、レンズ駆動可能域全域を通常のビデオAFでピント調整を行う。この状態で再度撮影する場合の焦点調節について説明する。
【0038】
『距離環補正』が有効な間に再びピント調節が要求されると、外測AFが測距可能であった場合は、ステップS103で外測AFによるピント調節が行われる。たとえば再び3mの距離の被写体に対してピント調節を実行すると、図9(b)の初期位置から同図(c)へ撮影レンズ22が駆動される。いま、『距離環補正』が有効となっているから、距離環3mの目盛りに合うように撮影レンズ22を移動すれば、距離3mの被写体のピント46は撮像センサ21上にきちんと結像する。『距離環補正』が有効な場合は、ビデオAFによる微調は必要がないので、その制御に余分な時間をかけることなく、ステップS104からステップS109に移行してピント調節を終了する。
【0039】
カメラのメインスイッチ7がオフされた場合は、ステップS110を経てステップS111にて『距離環有効』を無効とし、つぎのステップS112で電源オフシーケンスを実行する。したがって、メインスイッチがオフされるような状況では、つぎのAFまで時間が経過するということにし、今回の『距離環補正』は無効とする。このようにビデオAFによるピントの補正が有効である場合には、改めてビデオAFを実行する必要がなく、その分高速なピント調節が可能となる。
【0040】
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態における動作を説明するフローチャートである。この実施形態では、温度変化による焦点調節機構や撮像センサのずれに着目する。そして距離環補正実行後に、あまり温度変化がない場合はその補正を有効とするというものである。なお、図2の場合と共通の部分の説明は省略する。
【0041】
レリーズ釦押下による外測AFが測距可能で、その結果で撮影レンズ22のピント調節が行われた後(ステップS203)、ステップS204では『距離環補正』が有効であるか否かを判別する。未だ有効でない場合は、つぎのステップS205でビデオAFを用いてピントの微調を行う。被写体のコントラストが低くてビデオAFが不能という場合には、ステップS206からステップS212へ移行してピント調節を完了する。
【0042】
ビデオAFによるピントの微調が可能であった場合は、ステップS207へ移行し、外測AFの『距離環』を補正し、『距離環補正』を有効とする。同時にステップS208でその時の温度に関する情報を記憶しておく。この温度情報は、図7の温度センサ18の出力に基づいて検出する。
【0043】
つぎの撮影で再びピント調節が要求されると、まずステップS203で外測AFによるピント調節が行われる(外測AFによる測距が可能な場合)。いま『距離環補正』が有効であるから、ステップS204からステップS210に移行し、現在の温度情報を検知し、それとステップS208で記憶しておいた温度情報を比較する。この変化が所定の値よりも小さい場合は、ビデオAFによる距離環補正を行った時点からの温度変化に起因するピント変動は少ないものとみなし、そのままステップS212へ移行してピント調節動作を終了する。
【0044】
温度変化が大きい場合は、それに起因するピント変動が無視できないものとして、ステップS211で『距離環補正』を無効とし、ステップS205以降のビデオAFによるピントの微調を試みる。
【0045】
以上説明した第2の実施形態では温度変化が少なく、それに起因するピント変動が無視できる場合には改めてビデオAFを実行することなく、その分高速なピント調節が可能となる、
【0046】
(第3の実施形態)
図6は、本発明の第3の実施形態における動作を説明するフローチャートである。この実施例では、距離環補正実行後からの経過時間を実測し、あまり時間経過がない場合はその補正を有効にするというものである。なお、ここでは第2の実施形態に対して、特徴的なステップを説明する。
【0047】
ステップS308では『距離環補正』を実行したときの時刻を記憶する。時刻の計測には専用のタイマを設けてもよいが、機能的には相対時刻が判れば充分であるので、カメラ制御用MCUに内蔵される簡便なタイマ機能を利用してもよい。
【0048】
そして外測AFによるピント調節後、ステップS310で現在時刻とステップS308で記憶した時刻を比較し、経過時間が所定の時間よりも短い場合には(たとえば10分)ピントの変動はあまりないものとみなし、ステップS312へ移行してピント調節を終了する。経過時間が大きい場合は、距離環補正が有効でないとし、ステップS305以降のビデオAFによるピントの微調を実行する。
【0049】
以上の説明では外測AFとして、赤外線を投光するタイプの『アクティブAF』を説明してきたが、いわゆる『パッシプAF』を適用しても同様の効果を得ることができる。
また本発明の構成は,上述の実施例での具体的な記述に限定されるものではなく、カメラの仕様や想定ユーザ層などによって様々な実施例が考えられることは言うまでもない。
【0050】
ここで、上記様々な実施形態に示した各機能ブロックおよび処理手順は、ハードウェアにより構成してもよいし、CPUあるいはMPU、ROMおよびRAM等からなるマイクロコンピュータシステムによって構成し、その動作をROMやRAMに格納された作業プログラムに従って実現するようにしてもよい。また、上記各機能ブロックの機能を実現するように当該機能を実現するためのソフトウェアのプログラムをRAMに供給し、そのプログラムに従って上記各機能ブロックを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0051】
この場合、上記ソフトウェアのプログラム自体が上述した各実施形態の機能を実現することになり、そのプログラム自体およびそのプログラムをコンピュータに供給するための手段、たとえばかかるプログラムを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムを記憶する記憶媒体としては、ROMやRAMの他にたとえばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−I、CD−R、CD−RW、DVD、zip、磁気テープ、あるいは不揮発性のメモリカード等を用いることができる。
【0052】
また、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより、上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等の共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0053】
さらに、供給されたプログラムがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、まず外測AFで焦点調節を行い、さらにビデオAFで最終的なピント調整をする際にビデオAFでの検出結果を外測AFのレンズ調整機構にフィードバックさせる。そのフィードバック結果が有効な期間あるいは条件下では外測AFのみで焦点調節を済ませることで、従来の銀塩カメラと同様な応答性で精度の高いAFを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデジタルスチルカメラの電気ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における動作を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の焦点調節方式を説明する図である。
【図4】本発明の焦点調節方式を説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施形態における動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第3の実施形態における動作を説明するフローチャートである。
【図7】デジタルスチルカメラの正面図である。
【図8】アクティブAFの原理を説明するための図である。
【図9】ビデオAFの原理を説明するための図である。
【図10】ビデオAFの原理を説明するための図である。
【図11】ビデオAFの原理を説明するための図である。
【符号の説明】
1 デジタルスチルカメラ本体
2 撮影レンズ
3 レリーズ釦
4 ファインダ
5 赤外光投光窓
6 赤外光受光窓
7 メインスイッチ
11 赤外LED
12 投光レンズ
13 PSD
14 受光レンズ
18 温度検出用センサ
21 撮像センサ
31 カメラ制御用MCU
33 IRED駆動回路
34 撮影レンズ駆動用モータ
35 モータ駆動回路
36 レンズ位置検出部材
120 MCU間通信線
301 撮像センサ
302 A/D変換器
303 像信号処理IC
304 デジタルMCU
306 フラッシュメモリ
308 DRAM
311 データバス
Claims (6)
- 撮像装置における焦点調節装置であって、
被写体までの距離に対応する情報を検出する測距手段と、
前記測距手段の検出結果に従って、撮像装置の撮影レンズを駆動するよう制御するレンズ駆動制御手段と、
前記撮影レンズの位置に対応する距離情報を示す距離環でなる距離情報表示手段と、
前記撮像装置の撮像センサを用いて被写体像のコントラストを検出するコントラスト検出手段と、
前記コントラスト検出手段の検出結果に応じて前記撮影レンズの位置を調節した後、前記撮影レンズの位置に対応する前記距離情報表示手段の距離情報表示の補正を、前記測距手段の検出結果に応じて行う補正手段と、を有することを特徴とする焦点調節装置。 - 前記補正手段は、前記撮像装置の所定の操作部材に応じて、前記距離情報表示手段の距離情報表示の補正を行わないことを特徴とする請求項1に記載の焦点調節装置。
- 前記補正手段は、前記撮像装置の周囲温度の変化に応じて、前記距離情報表示手段の距離情報表示の補正を行わないことを特徴とする請求項1に記載の焦点調節装置。
- 前記補正手段は、補正実行後からの経過時間に応じて、前記距離情報表示手段の距離情報表示の補正を行わないことを特徴とする請求項1に記載の焦点調節装置。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の焦点調節装置、および前記撮像センサを有する撮像装置。
- 撮像装置における焦点調節方法であって、
被写体までの距離に対応する情報を検出する測距工程と、
前記測距工程の検出結果に従って、撮像装置の撮影レンズを駆動するよう制御するレンズ駆動制御工程と、
前記撮影レンズの位置に対応する距離情報を示す距離環による距離情報表示工程と、
前記撮像装置の撮像センサを用いて被写体像のコントラストを検出するコントラスト検出工程と、
前記コントラスト検出工程の検出結果に応じて前記撮影レンズの位置を調節した後、前記撮影レンズの位置に対応する前記距離情報表示工程の距離情報表示の補正を、前記測距工程の検出結果に応じて行う補正工程と、を有することを特徴とする焦点調節方法。
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