JP4896240B2 - 遊技機 - Google Patents
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ところで、遊技球が遊技盤の広い範囲を流下する構成のパチンコ機のように、スロットマシンのような遊技機に比して遊技盤の各部位のうち遊技者が注目する箇所が多い遊技機では、透過式の表示器を遊技機のいかなる部位に配置するかについては、より一層の技術的探求が要請される。
請求項1に記載の遊技機は、少なくとも入賞装置、可動部材、透過式の表示手段を備えている。
本明細書でいう「入賞装置」とは、遊技盤面に発射された遊技球を装置内に受け入れて当該遊技球が装置内において流下することが可能な各種の装置を広く含む主旨であり、典型的には、遊技球の流下に影響を及ぼすことが可能な役物、例えば、内部に遊技球の入賞領域を有する構成の役物や、単に遊技球の通過を許容する構成の役物などを包含する。より具体的には、内部に遊技球の入賞領域を有し、遊技球の入賞によって賞球を付与することが可能な入賞装置が本発明における「入賞装置」の一例である。
また、本明細書でいう「入賞」とは、入賞口、あるいは特定入賞口、また入賞口以外の各種球受口(領域)に遊技球が流入した状態をいう。
なお、本明細書でいう「可動部材の近傍」とは、可動部材よりも前面側の各領域のうち当該可動部材の前面およびその周辺領域を広く含む主旨である。遊技者からみて、可動部材が少なくとも透過式の表示手段に表示される表示情報の一部に重なり得る領域が、ここでいう「可動部材の近傍」の典型例である。従って、表示情報が可動部材の前面側を完全に覆うことが可能な透過式の表示手段の配置態様のみならず、当該表示情報が可動部材の一部の前面側を覆うことが可能な表示手段の配置態様であっても、本発明における「可動部材よりも前面側に配置され、可動部材の近傍に遊技に関与する情報を表示する透過式の表示手段」の配置態様の範疇に含まれる。
本発明では、前記構成の透過式の表示手段を、遊技盤の前面側に配置されるガラス板に配置する態様や、入賞装置側に一体的に配置する態様等を用いることができる。
本発明では、透過式の表示手段によって表示される情報として、例えば可動部材の所定の動作タイミングのように可動部材の動作に関する情報、遊技球が所定の入賞領域へ入賞するタイミングに関する情報、所定の入賞領域へ入賞した遊技球の数、ラウンド数のように遊技の進行状態を示す情報等、遊技全般に関する各種の情報が広く用いられる。これら各種の情報は、画像、図形、図柄、文字、またはこれらを適宜組み合わせた種々の表示演出(静止画、動画など)として表示される。
本発明によれば、「遊技盤の各部位のうち遊技者の注目度が高い可動部材よりも前面側に透過式の表示手段を配置し、当該透過式の表示手段によって可動部材の近傍に遊技に関する情報を表示するようにしたため、視覚的な演出効果をより高めることができる。」という効果を奏することとなる。
なお、本実施の形態は、本発明を「遊技機」のひとつであるパチンコ機に適用したものである。
図1に示すパチンコ機101は、いわゆる「第2種パチンコ機」と呼称される機種である。このパチンコ機101の遊技盤103の表面に形成された遊技領域105には、第2種始動口108,109、電動役物装置110、その他、特に符号を付さない入賞口、風車、多数の遊技釘等が配置されている。本実施の形態では、1つの第2種始動口108の左右両側に第2種始動口109が配置されている。第2種始動口108に入賞した遊技球(パチンコ玉)は、始動口センサ150によって検出され、第2種始動口109に入賞した遊技球は、始動口センサ151によって検出されるようになっている。
図2に示すように、電動役物装置110は、当該電動役物装置110の上部の左右に大入賞口111、およびこれらの大入賞口111,111を開閉する左右1対の開閉羽根112,112を備えている。本実施の形態では、これら開閉羽根112,112は透明樹脂によって形成されている。これら開閉羽根112,112は、大入賞口111,111への遊技球の入賞が可能な開放状態と遊技球の入賞が不可能な閉鎖状態とを切り替え可能な透明樹脂製の部材であり、本発明における「入賞装置への遊技球の入賞確率を変化させる可動部材」、および後述する態様14における「透明材料によって構成された可動部材」に対応している。また、大入賞口111,111に入賞した遊技球は、大入賞口センサ152によって検出されるようになっている。この電動役物装置110が、本発明における「入賞装置」に対応している。
また、電動役物装置110において開閉羽根112,112の上方に表示部120が設けられており、この表示部120には、後述するように、大当たり後の特別遊技状態において通常ラウンドおよび技術介入ラウンドに関する抽選結果が表示される構成になっている。
図3および図4に示すように、遊技領域105の前面側、すなわち遊技領域105を挟む遊技盤103の対向面にはガラス板106が配置され、このガラス板106のうち遊技盤103の反対側の面、すなわち図4中においてガラス板106の左側には、開閉羽根112,112よりも前面側に透過式の表示装置200を構成する透明ELパネル220が配置されている。この透明ELパネル220は、ガラス板106の表面にフォトレジスト等の手法を用いて透明配線及び透明電極を形成し、その上にシート状の有機ELシート220aを積層し、更に透明配線及び電極が形成された電極ガラス板220bを積層した構成になっている。すなわち、ガラス板106および電極ガラス板220bの2枚によって有機ELシート220aがサンドイッチ状に挟まれるようになっている。このような構成によれば、既設のガラス板106を用いて透明ELパネル220を構成することができるため、有機ELシートを2枚のガラス板によってサンドイッチ状に挟んだパネルを、その後にガラス板106に取り付ける構成に比して、構成を簡素化することが可能となる。
この透明ELパネル220の有機ELシート220aは、電流を流すことによって発光する材料である自発光式のEL(エレクトロスミネッセンス)を用いたものであり、本実施の形態では、電動役物装置110の各部位のうち少なくとも開閉羽根112,112を覆うことが可能な大きさを有する。
このような透明ELパネル220は、液晶パネルのようなバックライト(光源)を必要としないため、より薄く、より省電力なディスプレイが可能となるうえ、液晶パネルと比べ、素子自体が発光するため、見る角度による輝度変化がなく、応答速度が速いため、滑らかな動画再生が可能となる。また、透明ELパネル220は、構造がシンプルなため、製造コストを低く抑えることが可能となる。
図5に示すように、この表示装置200は、遊技盤103の右上に配置された電流供給装置210、前記の透明ELパネル220、これら電流供給装置210と透明ELパネル220とを電気的に接続する透明の電流供給配線230等によって構成されている。電流供給配線230は、水平ドット数および垂直ドット数に対応する数の配線によって構成されている。この電流供給配線230が、後述する態様11における「電流供給配線」に対応している。
なお、この電流供給配線230はガラス板106に配設される構成上、遊技中における遊技者の視界を極力妨げない構成であるのが好ましい。電流供給配線230が透明であっても、当該電流供給配線230は通常のガラスに比して光の透過性が悪くなる。そこで、本実施の形態ではこのような点を勘案し、遊技盤103の各部位のうち遊技者からみて右側(図5中の右側)の位置に前記の透明の電流供給配線230を配設している。すなわち、電流供給配線230は、いずれもガラス板106のうち透明ELパネル220の右側の領域において延在するように構成されている。電流供給配線230のこのような配置態様が、後述する態様11における「電流供給配線は、透視窓のうち遊技領域の側方に対応した位置において延在するように配置される。」との態様に相当する。
一般に、遊技盤103の各部位のうち遊技者からみて右側の領域は、左側の領域に比して遊技球の流下頻度が低いため、本実施の形態の電流供給配線230のこのような配設態様は、遊技中における遊技者の視界を極力妨げ難い構成として有効である。
図6に示すように、本実施の形態に係るパチンコ機101は、概略的に見て、AC電源に接続された電源装置140に中継基板142を介して接続されたメイン制御部160を主体として構成される。メイン制御部160内には、特に図示しないもののCPU(中央演算処理装置)、メモリ、入力処理回路および出力処理回路が適宜設定されている。さらにメイン制御部160には、始動口センサ150,151、大入賞口センサ152、特定入賞口センサ(V入賞センサ)154、および一般入賞口センサ156が接続され、これら各センサ150,151,152,154,156からの検出信号が適宜入力される。またメイン制御部160には、サブ制御基板162、ソレノイド170、表示制御部172、音制御部174、賞球制御部176がそれぞれ接続されている。サブ制御基板162は、各種の検出情報に基づく処理、判断を行い、表示制御部172および音制御部174へ制御信号を出力する。また、表示制御部172には更に前記の表示部120および表示装置200が接続されており、賞球制御部176には更に賞球の払出しを実行する賞球装置178が接続されている。
図1に示すパチンコ機101において、発射ハンドル装置(図示省略)によって遊技盤103表面の遊技領域105に射出された遊技球は、遊技盤103面に多数配置された遊技釘等によって流下態様を変えつつ遊技領域105を流下していく。遊技球が第2種始動口108,109のいずれかに入賞すると、当該入賞した遊技球が始動口センサ150あるいは始動口センサ151によって検出される。これにより始動口センサ150,151からの検出信号がメイン制御部160に送られる。なお、第2種始動口108,109への遊技球の入賞は、パチンコ機101における「特別の遊技状態(特典遊技状態)」の開始条件に対応する。
この第2の表示画像222を視認した遊技者がそのまま速やかに開閉羽根112,112に向けて遊技球を発射することによって、発射された遊技球は当該開閉羽根112,112の開放動作タイミングにあわせて当該開閉羽根112,112に到達し大入賞口111,111に入賞し易くなる。
なお、開閉羽根112,112が開放状態にある場合には、図9に示すように、第1の表示画像221の開閉羽根の図形に、さらに遊技球の好適な流下方向(入賞室114内へ向かう方向)を示す矢印を付すことによって、遊技者に遊技球の好適な流下方向を示唆することが可能となる。
遊技者に付与されるこのような「特別の遊技状態」の特典は、遊技球が特定入賞口115に入賞したときにのみ付与され、遊技球が一般入賞口116に入賞した場合には付与されない。すなわち、遊技球が特定入賞口115に入賞した場合と、一般入賞口116に入賞した場合とで、遊技者に付与される特典が異なる。
この点に関し、本実施の形態に係るパチンコ機101では、二種類のラウンドを設定し、それぞれのラウンドにおいて各権利の確保の容易性を適宜変化させることで遊技の趣向性を向上させている。このうち、一方のラウンドは「通常ラウンド」として定義され、他方のラウンドは「技術介入ラウンド」として定義される。通常ラウンドでは、上述の次ラウンド移行権とラウンド満了権の双方が比較的容易に確保され易く設定される一方、技術介入ラウンドでは、両者を確保するのに遊技者の高度な技量が要求されるように設定されている。この技術介入ラウンドが、後述する態様9における「当該ラウンドが次ラウンドへ移行する移行難度の高いラウンド」に相当する。
上記した通常ラウンドでは、遊技球がその遊技球流通路の途上にて保持されるように設定される。この状態では、保持された遊技球は、特定入賞口115への入賞が保留された状態とされる。この状態を「V入賞保留モード」と定義することとする。
通常ラウンドにおいては、当該ラウンドの満了までV入賞保留モードが継続されるよう設定されている。そして当該ラウンドの満了の際には、特定入賞口115への遊技球の入賞を許容するように設定される。この状態を「V入賞許容モード」と定義することとする。このV入賞許容モードでは、遊技球が高確率で特定入賞口115へ入賞され易く設定するのみであり、特定入賞口115への入賞を確実に保証するものではない。
通常ラウンドでは、上記V入賞保留モードが継続されるとともに、開閉羽根112,112が所定回数だけ開放動作されるか、あるいは遊技球が所定数だけ入賞するかのいずれかの条件が充足されることによって当該ラウンドが満了する際に、V入賞保留モードを解除し、V入賞許容モードに移行する。これにより、それまで保留されていた遊技球が特定入賞口115に入賞することが許容されるので、次ラウンド移行権を高確率で確保しつつ、ラウンド満了権をも確保することが可能とされる。
一方、技術介入ラウンドでは、遊技球流通路の有効断面積が減少し、遊技球の通過および滞留を許容しない状態とされる。この状態を「V入賞規制モード」と定義することとする。V入賞規制モードでは、特定入賞口115への入賞の確率が非常に小さく設定され、一般入賞口116に入賞することとなる。
技術介入ラウンドの実行中、所定の条件を充足することにより、V入賞規制モードからV入賞許容モードに短時間だけ移行するように設定される。本実施の形態では、技術介入ラウンド実行中において、開閉羽根112,112の所定回数目の開閉動作の際に、V入賞規制モードからV入賞許容モードに移行するように設定されている。従って遊技者は、このV入賞許容モードに移行したタイミングを見計らって特定入賞口115への遊技球の入賞を狙わないと次ラウンド移行権を確保することができなくなる。すなわち、「技術介入」ラウンドとは、遊技者の遊技球入賞技術を介入させないと次ラウンドへの移行が確保できないラウンドとして定義される。
なお、上記のように特定入賞口115へ遊技球が入賞し易いタイミングを報知する場合に、「GO!」のような文字情報を表示する前に、「カウントダウン表示」を行うように構成することもできる。例えば、透明ELパネル220に「3」、「2」、「1」の文字情報を順次表示したのちに、「GO!」を表示する。このような構成によれば、「GO!」の表示タイミングが遊技者に判り易くなる。
すなわち、本実施の形態により、遊技盤103の各部位のうち遊技者の注目度が高い開閉羽根112,112よりも前面側に配置された透明ELパネル220を用いて遊技に関与する情報を開閉羽根112,112の近傍に表示するため、表示された情報を遊技者の視界に入り易くすることができ、視覚的な演出効果や遊技者に対する報知効果をより高めるのに有効である。
特に、本実施の形態では、透明ELパネル220に開閉羽根112,112よりも大きな開閉羽根を模式的に示す第1の表示画像221を表示するように構成したため、開閉羽根112,112の位置を誇張して示すことが可能となるとともに、実際の開閉羽根112,112の開閉動作を実際よりも遊技者に大きく見せることが可能となる。そのうえ、第1の表示画像221の開閉羽根は、実際の開閉羽根112,112と連動して変動するように構成したため、遊技者の注目度の高い開閉羽根112,112の開閉動作が遊技者に判り易い。
また、本実施の形態のように、透明ELパネル220を電動役物装置110に配置する構成によれば、遊技全般に関与する各種の表示情報を、遊技者の視界に入り易い位置に集約して表示することができ、これにより表示器の設置数を減らすのに有効である。
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、本実施の形態に基づいた種々の応用例や変更例を想到することができる。例えば、本実施の形態を応用した以下の形態を実施することもできる。
例えば、図4中の透明ELパネル220の設置位置に関する別の実施の形態を示す断面図が図10に示される。図10に示す実施形態では、ガラス枠にはまっているガラス板、すなわちガラス板106(内ガラス)のさらに前面側に配置される保護ガラス板107(外ガラス)の遊技盤103側に透明ELパネル220が配置される構成になっている。すなわち、透明ELパネル220は、開閉羽根112,112よりも前面側に配置されることとなる。
本実施の形態では、保護ガラス板107の表面にフォトレジスト等の手法を用いて透明配線及び透明電極を形成し、その上にシート状の有機ELシートを積層し、更に透明配線及び電極が形成されたガラス板を積層した構成になっている。この保護ガラス板107が、後述する態様10における「透視窓」に対応している。また、透明ELパネル220のこのような配置態様が、後述する態様10における「透視窓において可動部材の前面側の部分に透過式の表示手段が配置されている。」との態様に相当する。このような構成によれば、既設の保護ガラス板107を用いて透明ELパネル220を構成することができるため、有機ELシートを2枚のガラス板によってサンドイッチ状に挟んだパネルを、その後に保護ガラス板107に取り付ける構成に比して、構成を簡素化することが可能となる。
なお、保護ガラス板107はガラス板106(内ガラス)とは異なり遊技者が直に接触するおそれがあるため、透明ELパネル220は、図4に示すようにガラス板106(内ガラス)に設けるのが好ましい。
図11および図12に示す実施形態では、ガラス板106とその前面側に配置される保護ガラス板107との間に、さらに透明ガラス製ないし透明樹脂製の別の透明板340を介在させ、この透明板340の遊技盤103側に透明ELパネル320が配置される構成になっている。すなわち、透明ELパネル320は、開閉羽根112,112よりも前面側に配置されることとなる。この表示装置300は、電流供給装置210と同様の電流供給装置310、透明ELパネル220と同様の透明ELパネル320、電流供給配線230と同様の電流供給配線330等によって構成されている。本実施の形態では、透明板340の表面にフォトレジスト等の手法を用いて透明配線及び透明電極を形成し、その上にシート状の有機ELシートを積層し、更に透明配線及び電極が形成されたガラス板を積層した構成になっている。
なお、透明板340が、後述する態様10における「透視窓」に対応している。また、透明ELパネル320のこのような配置態様が、後述する態様10における「透視窓において可動部材の前面側の部分に透過式の表示手段が配置されている。」との態様に相当する。
図5中の表示装置200の構成に関し、透明ELパネル220が2分割されて配置される例が図13に示される。図13に示す実施形態では、開閉羽根112,112のような可動部材が遊技盤103面の左右両側の計2箇所に配置された構成であり、当該可動部材の各々よりも前面側に透明ELパネル220が配置されるようになっている。
また、同様に図11および図12に示す表示装置300の構成に関し、透明ELパネル220が2分割されて配置される例が図14に示される。図14に示す実施の形態では、開閉羽根112,112のような可動部材が遊技盤103面の左右両側の計2箇所に配置された構成であり、当該可動部材の各々よりも前面側に透明ELパネル320が配置されるようになっている。
透明ELパネル220におけるこのような表示態様が、後述する態様7における「透過式の表示手段は、遊技球が前記特定入賞口に入賞する可能性に関する情報を、可動部材および介在部材の動作に基づいて表示する。」との態様に相当する。
なお、本実施の形態では、開閉羽根112,112のように入賞装置(電動役物装置110)への遊技球の入賞が可能な状態と遊技球の入賞が不可能な状態とに切り替える開閉動作に関連した情報を透明ELパネル220に表示する場合について記載したが、「チューリップ」のように常に入賞装置への遊技球の入賞が可能な状態において当該入賞装置の入口部分の開口幅を変化させる拡開動作に関連した情報を透明ELパネル220に表示する構成を用いてもよい。
なお、第1の表示画像221の表示色や点滅態様を異ならせる具体的な態様としては、具体的には、開閉羽根112,112が開閉動作を1回行う場合に第1の表示画像221を所定の色(例えばオレンジ色)で表示し、開閉羽根112,112が開閉動作を2回行う場合に第1の表示画像221を異なる色(例えば赤色)で表示する第1の態様、開閉羽根112,112が開閉動作を1回行う場合に第1の表示画像221を点灯させておき、開閉羽根112,112が開閉動作を2回行う場合に第1の表示画像221を点灯から点滅に切り替える第2の態様、開閉羽根112,112が開閉動作を1回行う場合に第1の表示画像221を所定の点滅速度に設定しておき、開閉羽根112,112が開閉動作を2回行う場合に第1の表示画像221を異なる点滅速度(例えば、前記の点滅速度よりも速い点滅速度)に切り替える第3の態様、第1の態様と、第2または第3の態様とを組み合わせた態様などがある。
図15に示す実施の形態では、2枚の電極ガラス板220b,220c間に有機ELシート220aを有する透明ELパネル220がブラケット110aを介して電動役物装置110自体に一体的に形成されるようになっている。すなわち、本実施の形態では、開閉羽根112,112よりも前面側であって、当該開閉羽根112,112とガラス板106との間に透明ELパネル220が配置されることとなる。このような構成によっても、図4に示す実施の形態の構成と同様の作用効果を奏する。また、本構成によれば、透明ELパネル220の配線や電極をガラス板106に配置する必要がないため、当該透明ELパネル220の配線や電極が遊技者の視界を妨げるのを防止することが可能となる。
本発明では、「請求項1に記載の遊技機であって、
前記透過式の表示手段は、前記可動部材の近傍の領域であって、遊技者からみて遊技に関する情報の全部または一部が前記可動部材に重なるような領域に当該情報を表示するように構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様1)を採り得る。
本態様1に記載のこのような構成によれば、遊技に関する情報の全部または一部が可動部材に重なるように表示されるため、表示された情報が遊技者の視界により入り易くなる。
本発明では、「請求項1または態様1に記載の遊技機であって、
前記透過式の表示手段は、前記可動部材よりも前面側において当該可動部材の動作に関与する情報を表示するように構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様2)を採り得る。
本態様2に記載のこのような構成によれば、透過式の表示手段によって、可動部材の動作に関与する情報を、当該可動部材自体の前面側に表示させることができるため、表示情報が、当該表示情報の対象である可動部材に関するものであることが遊技者に判り易い。
本発明では、「態様2に記載の遊技機であって、
前記透過式の表示手段は、前記可動部材の動作に関与する情報を当該可動部材の動作と連動させて表示するように構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様3)を採り得る。
本態様3に記載のこのような構成によれば、表示情報が、当該表示情報の対象である可動部材の動作に関するものであることが遊技者に判り易くなる。
また、本発明では、「態様2または態様3に記載の遊技機であって、
前記透過式の表示手段は、前記可動部材が動作するタイミングを報知する表示を行うように構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様4)を採り得る。
本態様4に記載のこのような構成によれば、透過式の表示手段を、可動部材が所定動作するタイミングを遊技者に報知する手段として用いることができる。
また、本発明では、「態様2〜態様4のいずれかに記載の遊技機であって、
前記透過式の表示手段は、前記可動部材を模した可動部材画像を用いて当該可動部材の動作に関与する情報の表示を行うように構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様5)を採り得る。
本態様5に記載のこのような構成によれば、可動部材画像が、当該可動部材画像の対象である可動部材の動作に関するものであることが遊技者に判り易くなる。
また、本発明では、「態様5に記載の遊技機であって、
前記透過式の表示手段は、前記可動部材画像として前記可動部材よりも大きな画像を用いるように構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様6)を採り得る。
本態様6に記載のこのような構成によれば、実際の可動部材よりも大きい可動部材画像を表示することによって、実際の可動部材の動作を実際よりも遊技者に大きく見せることが可能となる。
また、本発明では、「請求項1、態様1〜態様6のいずれかに記載の遊技機であって、
前記入賞装置は、遊技球の入賞によって遊技者に特典を付与する特定入賞口と、当該入賞装置内に入った遊技球が前記特定入賞口へ至るまでの間に介在する介在部材とを備えており、
前記透過式の表示手段は、遊技球が前記特定入賞口に入賞する可能性に関する情報を、前記可動部材および介在部材の動作に基づいて表示するように構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様7)を採り得る。
本態様7に記載のこのような構成によれば、透過式の表示手段を、遊技球が入賞装置内に入りしかも特定入賞口に入り易いタイミングを遊技者に報知する手段として用いることができる。
また、本発明では、「請求項1、態様1〜態様7のいずれかに記載の遊技機であって、
前記入賞装置内に特定入賞口を備え、前記特定入賞口への遊技球の入賞によって複数のラウンドが順次実行され、ラウンド中に前記特定入賞口へ遊技球が入賞することによって当該ラウンドが次ラウンドへと移行する構成であり、
前記透過式の表示手段は、所定のラウンド中には、遊技盤面に発射された遊技球が前記特定入賞口へ入賞し易い発射タイミングに関する情報を表示するように構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様8)を採り得る。
本態様8に記載のこのような構成によれば、透過式の表示手段を、特別の遊技状態においてラウンドが次ラウンドへと継続され易いタイミングを遊技者に報知する手段として用いることができる。
また、本発明では、「態様8に記載の遊技機であって、
前記特定入賞口への遊技球の入賞によって複数のラウンドが順次実行されるとともに、前記複数のラウンドには、当該ラウンドが次ラウンドへ移行する移行難度の異なるラウンドが含まれる構成であり、
前記透過式の表示手段は、当該ラウンドが次ラウンドへ移行する移行難度の高いラウンド中に遊技盤面へ発射された遊技球が前記特定入賞口へ入賞し易い発射タイミングに関する情報を表示するように構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様9)を採り得る。
本態様9に記載のこのような構成によれば、特に遊技者の高度な技量が要求されるラウンドにおいて、透過式の表示手段を、ラウンドが次ラウンドへと継続され易いタイミングを遊技者に報知する手段として用いることができる。
また、本発明では、「請求項1、態様1〜態様9のいずれかに記載の遊技機であって、
遊技領域を透視可能な透明部材で構成される透視窓を備え、前記透視窓において前記可動部材の前面側の部分に前記透過式の表示手段が配置されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様10)を採り得る。
本態様10に記載のこのような構成によれば、可動部材の前面側において透過式の表示手段の合理的な取り付け態様を実現することが可能となる。
また、本発明では、「態様10に記載の遊技機であって、
前記透過式の表示手段には、電流供給配線を通じて電流が供給される構成であり、
前記電流供給配線は、前記透視窓のうち遊技領域の側方に対応した位置において延在するように配置されることを特徴とする遊技機。」という構成(態様11)を採り得る。
一般に、遊技盤の各部位のうち側方の領域は、中央の領域に比して遊技中における遊技者の視界を極力妨げ難い領域であるため、本態様11に記載のこのような構成は、遊技中における遊技者の視界を極力妨げ難い構成として有効である。なお、より好ましくは、電流供給配線を、透視窓のうち遊技者からみて右側の領域に配置する。遊技者からみて右側の領域は、左側の領域に比して遊技球の流下頻度が特に低いため、遊技中における遊技者の視界を極力妨げ難い構成としてより有効である。
また、本発明では、「請求項1、態様1〜態様11のいずれかに記載の遊技機であって、
前記透過式の表示手段は、透明ELパネルを用いて構成されることを特徴とする遊技機。」という構成(態様12)を採り得る。
本態様12に記載のこのような構成によれば、ELパネルが自発光式であるため、液晶パネルに必要なバックライトの構成を省略することができ、より薄く、より省電力なディスプレイが可能となる。また、ELパネルは、素子自体が発光するため、見る角度による輝度変化がなく、応答速度が速いため、滑らかな動画再生が可能となる。また、ELパネルは、構造がシンプルなため、製造コストを低く抑えることが可能となる。
また、本発明では、「請求項1、態様1〜態様11のいずれかに記載の遊技機であって、
前記透過式の表示手段は、透明液晶パネルを用いて構成されることを特徴とする遊技機。」という構成(態様13)を採り得る。
本態様13に記載のこのような構成によれば、透過式の表示手段を透過型の透明液晶パネルを用いて構成することが可能となる。
また、本発明では、「態様1〜態様13のいずれかに記載の遊技機であって、
前記可動部材は、透明材料によって構成されていることを特徴とする遊技機。」という構成(態様14)を採り得る。
本態様14に記載のこのような構成によれば、透過式の表示手段に可動部材の動作に関与する情報が表示された場合に、可動部材を遊技者に見えにくくさせることができ、遊技者は、可動部材の動作に関与する情報の表示に集中することができるという効果がある。
103 遊技盤
105 遊技領域
106 ガラス板
107 保護ガラス板
108,109 第2種始動口
110 電動役物装置
110a ブラケット
111 大入賞口
112 開閉羽根
114 入賞室
115 特定入賞口
116 一般入賞口
120 表示部
140 電源装置
150,151 始動口センサ
152 大入賞口センサ
154 特定入賞口センサ
156 一般入賞口センサ
160 メイン制御部
162 サブ制御基板
170 ソレノイド
172 表示制御部
174 音制御部
176 賞球制御部
178 賞球装置
180 ホールコンピュータ
200 表示装置
210 電流供給装置
220 透明ELパネル
220a 有機ELシート
220b,220c 電極ガラス板
221 第1の表示画像
222 第2の表示画像
230 電流供給配線
Claims (3)
- 遊技盤面に発射された遊技球が入賞可能な入賞装置と、
前記入賞装置への遊技球の入賞確率を変化させる可動部材と、
前記可動部材よりも前面側に配置される透過式の表示手段と
を備えるものであって、
前記透過式の表示手段にて表示画像が現れるときにはその背面側にて位置する可動部材これ自体が視認し難くされるように当該可動部材を透明材料によって形成した上で、
この透明材料によって形成された可動部材が前記入賞装置への遊技球の入賞確率を変化させるように開閉動作するときは、その前面側にて配置される前記透過式の表示手段において前記可動部材を模した表示画像を表示するにあたり、当該表示画像を、
その背面側にて配置される透明材料の可動部材よりも大きな形態をもった表示画像として、且つ
その背面側にて配置される透明材料の可動部材に重複されるかたちで
出現させるようにした
ことを特徴とする遊技機。 - 前記可動部材は、一対の羽部材からなる
請求項1に記載の遊技機。 - 前記可動部材は、前記一対の羽部材を同時に動作させることによって、前記入賞装置への遊技球の入賞確率を変化させるように開閉動作するものである
請求項2に記載の遊技機。
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