JP4893662B2 - パーキングロック機構 - Google Patents

パーキングロック機構 Download PDF

Info

Publication number
JP4893662B2
JP4893662B2 JP2008052459A JP2008052459A JP4893662B2 JP 4893662 B2 JP4893662 B2 JP 4893662B2 JP 2008052459 A JP2008052459 A JP 2008052459A JP 2008052459 A JP2008052459 A JP 2008052459A JP 4893662 B2 JP4893662 B2 JP 4893662B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parking lock
parking
contact
pole
sleeve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008052459A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009208568A (ja
Inventor
祐紀 桑本
年弘 平尾
正人 寺島
広康 原田
由行 牧原
明 中田
裕一 木田
祐介 根本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2008052459A priority Critical patent/JP4893662B2/ja
Publication of JP2009208568A publication Critical patent/JP2009208568A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4893662B2 publication Critical patent/JP4893662B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H63/00Control outputs from the control unit to change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion or to other devices than the final output mechanism
    • F16H63/02Final output mechanisms therefor; Actuating means for the final output mechanisms
    • F16H63/30Constructional features of the final output mechanisms
    • F16H63/34Locking or disabling mechanisms
    • F16H63/3416Parking lock mechanisms or brakes in the transmission

Description

この発明は、車輪の回転を規制してパーキング状態に維持するなど、所定の回転部材の回転を選択的に阻止するパーキングロック機構に関するものである。
この種のパーキング装置の一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されている装置は、走行中に誤ってパーキングシフトされ、かつ所定の速度以上である場合に、パーキングロック可能な停車判定用設定車速に達するまで、車両の自動ブレーキを使用するように構成されている。すなわち所定の車速以上でパーキングシフトされた場合に、従来パーキングロック機構が受けていた車両の運動エネルギを、先ず自動ブレーキによって受け、パーキングロック機構への負荷を低減するように構成されている。その結果、高速度域においてパーキングロックされた際のショックを抑制あるいは低減でき、パーキングロック機構の過強度を抑えることが図れ、コストメリットが生じるとされている。また、ラチェッティング状態を極力抑えることができるために、ラチェッティング音によるトランスミッションの商品価値の低下問題を解決できるとされている。
特開2001−153225号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載されている自動ブレーキを併用して減速しても、所定速度に達した場合、または停車した場合には、パーキングロック機構によるトランスミッションのロックが行われる。したがってパーキングロック時において、パーキングロックポールがパーキングロックギアに弾かれた場合、パーキングロックポールがパーキングロックスリーブへ衝突(当接)することは不可避である。言い換えると、車両の運動エネルギに応じた力によってパーキングロックスリーブを叩くことになる。
従来、パーキングロックスリーブはこのようなパーキングロックポールの衝突(当接)を想定して、その衝突(当接)エネルギによる応力集中を避けるために、また組付姿勢を自動調整するために、設計上、トランスミッションケースに固定せず、回転自に設けられている。したがって組付状態では、パーキングロックスリーブが回し、当接面が平行にならずに傾いている場合がある。
そのためにパーキングロックポールのパーキングロックスリーブへの衝突(当接)の際、条件によって少なくとも最初の1回目は、パーキングロックポールとパーキングロックスリーブとの対となる当接面ではなく、パーキングロックスリーブの縁へのパーキングロックポールの片当たりが生じやすい。また、条件によってはラチェッティング状態が継続している間、パーキングロックスリーブへのパーキングロックポールの片当たりが連続して生じる可能性がある。その結果、パーキングロックポールのパーキングロックスリーブへの衝突(当接)によって、パーキングロックスリーブに応力集中が生じて、その耐久性を低下させる虞がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、パーキングロックポールのパーキングロックスリーブへの片当たりを抑制または減少させることにより、パーキングロックスリーブに応力集中が生じるのを抑制または低減させて、パーキングロックスリーブの耐久性の向上を図れるパーキングロック機構を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、変速機の出力軸と一体回転可能かつ選択的に回転が止められる被ロック回転体と、その被ロック回転体側に移動可能な係合開始部材と、その係合開始部材の移動に伴って前記被ロック回転体に接近させられて前記被ロック回転体に選択的に係合する係合部材とを備えているパーキングロック機構において、前記被ロック回転体の回転が前記係合部材によって止められていない場合に、前記係合部材に対向し、かつ前記係合部材を当接させる受け面を備えた受け部材が、前記係合部材を挟んで前記被ロック回転体とは反対側に配置されるとともに、前記受け面が前記係合部材と平行になるように回転自在に前記変速機のケーシングに保持され、前記ケーシングと前記受け部材との間に前記受け部材の回転動作を許容し、かつその回転動作に摩擦力や粘性抵抗によって抵抗力を与えることにより前記回転動作を減衰あるいは抑制させて収束する減衰機構が設けられ、前記受け部材の回動の中心軸線と平行な方向に、記係合開始部材が移動可能に構成されていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記減衰機構は、前記回転動作のエネルギを減衰するショックアブソーバを含むことを特徴とするパーキングロック機構である。
したがって、この発明によれば、走行中に誤って、あるいは意図的にパーキングシフトして、パーキングロックポールがパーキングロックスリーブに片当たりした場合に、減衰機構は、その衝撃(当接)のエネルギによって回動させられたパーキングロックスリーブの回動に対する抵抗力を与えるので、パーキングロックスリーブが回動して両(面)当たり、すなわち互いの当接面によって、パーキングロックポールの衝撃(当接)を受け止める姿勢に落ち着かせることができる。すなわち、相対的な傾きが矯正され、片当たりが解消される。その結果、パーキングロックスリーブの回動が規制されるので、2回目以降のパーキングロックポールの片当たりが防止または減少させることができる。これにより連続した片当たりによって生じるパーキングロックスリーブへの応力集中を抑え、または低減させることができる。その結果、パーキングロックスリーブの耐久性の向上を図ることができる。
また、この発明によれば、減衰機構は摩擦あるいは粘性によって、パーキングロックスリーブの回動に対する抵抗力を与えるので、大がかりな機構、装置を必要としない。また減衰機構として、例えば摩擦材やグリスなどを用いた場合には、組付も容易である。さらにまた、パーキングロックポールがパーキングロックスリーブに片当たりした場合に、その衝撃(当接)のエネルギによって回動させられたパーキングロックスリーブに、その回動に対する抵抗力を摩擦あるいは粘性によって与えるので、パーキングロックスリーブが回動して両(面)当たり、すなわち互いの当接面によって、パーキングロックポールの衝撃(当接)を受け止める姿勢に落ち着かせることができる。すなわち、相対的な傾きが矯正され、片当たりが解消される。その結果、パーキングロックスリーブの回動が規制されるので、2回目以降のパーキングロックポールの片当たりが防止または減少させることができる。これにより連続した片当たりによって生じるパーキングロックスリーブへの応力集中を抑え、または低減させることができる。その結果、パーキングロックスリーブの耐久性の向上を図ることができる。
つづいて、この発明に係るパーキングロック機構の一例を図1および図2を用いて説明する。この発明に係るパーキングロック機構は、車輪の回転を規制する装置であり、例えば車両の停車時に変速機の出力軸を回転不能にロックするように構成されている。図1は、そのパーキングロック機構の構成の概要を模式的に示す断面図であって、パーキングロック機構が非動作状態の場合を示す。図2は、パーキングロック機構が動作状態の場合を示す模式的な断面図である。
図1において、この発明における被ロック回転体であるパーキングロックギア1は、例えば変速機の出力軸やプロペラシャフトなど、車輪とともに常時回転する動力伝達部材(それぞれ図示せず)と一体回転・停止するように構成されていて、その外周部には、凸部(すなわち歯)と凹部(すなわち歯溝)とが円周方向に交互に形成されている。すなわち、パーキングロックギア1は、凹部と凸部とから構成される外歯1aを有している。
パーキングロックギア1の外周と対向する位置に、この発明における係合部材であるパーキングロックポール2が設けられている。このパーキングロックポール2には、パーキングロックギア1の各外歯1a間の歯溝に嵌り込むもしくは噛み合うことが可能な噛み合い部2aが形成されている。そしてこのパーキングロックポール2は、噛み合い部2aが各外歯1a間の歯溝に選択的に噛み合うことが可能なように、パーキングロックポール2がパーキングロックギア1に接近・離脱する方向、すなわち図1において矢印St1で示す方向に回動できるように構成されている。なお、パーキングロックポール2は、噛み合い部2aが各外歯1a間の歯溝に噛み合った状態、すなわちパーキングロックポール2がパーキングロックギア1に噛みあった状態でパーキングロックギア1が回転しないように、例えば車体に固定されている変速機のケースなどに保持されている。
具体的には、パーキングロックポール2がパーキングロックギア1に近づけられて噛み合い部2aが各外歯1a間の歯溝に噛み合った状態、すなわちパーキングロックギア1の回転がパーキングロックポール2によってロックされた状態と、パーキングロックポール2がパーキングロックギア1から離れさせられて噛み合い部2aが各外歯1a間の歯溝に噛み合わない状態、すなわちパーキングロックポール2によるパーキングロックギア1の回転のロックが解除された状態とが選択的に設定できる位置にパーキングロックポール2が設けられている。図1および図2に示す例においては、パーキングロックギア1の下側に設けられている。
図1および図2に示す例において、例えば、噛み合い部2aと所定の間隔を有するパーキングロックポール2の長手方向の一方の端部に、パーキングロックギア1の回転軸方向と平行もしくはほぼ平行な回転軸線を有する支軸(図示せず)が設けられている。そしてその支軸を中心としてパーキングロックポール2を回動させることによって、噛み合い部2aを各外歯1aに選択的に噛み合わせることができる。
図1は、パーキングロックギア1の各外歯1aとパーキングロックポール2の噛み合い部2aとが噛み合わない「非噛合い」状態を表している。図2はパーキングロックギア1の各外歯1a間とパーキングロックポール2の噛み合い部2aとが噛み合った「噛合い」状態を表している。
また、パーキングロックポール2の噛み合い部2aを挟み、長手方向の反対の端部には、いわゆる係合開始部材であるパーキングロックカム3のガイド面3aおよび当接面3bと当接する当接部2bが形成されている。
ここで係合開始部材であるパーキングロックカム3は、例えば円錐状の部材により形成されていて、例えば他の部材との当接や衝突の際に受ける荷重、あるいは他の部材から押圧される際に受ける荷重などを考慮した所定の剛性を持った部材により構成されている。パーキングロックカム3の外周部には、パーキングロックポール2と接し、パーキングロックポール2をパーキングロックギア1側へ押し上げるガイド面3aと、押し上げたパーキングロックポール2の位置を維持する当接面3bとが構成されている。ガイド面3aは、パーキングロックカム3の円錐状部分の面であり、当接面3bはパーキングロックカム3の円筒状部分であって、ほぼ同一外径に設定されている。
またパーキングロックカム3には、その中心軸と重なるようにパーキングロッド4が挿通されている。その軸線方向は、パーキングロックギア1の回転軸と平行もしくはほぼ平行になるように配置され、パーキングロックカム3がパーキングロッド4の軸に沿って移動自在に保持されている。
すなわちパーキングロックカム3が図1および図2に示すSt3方向に移動すると、パーキングロックカム3のガイド面3aによって押し上げられたパーキングロックポール2が次第にパーキングロックギア1に近づく方向、すなわち、図1および図2に示すSt1方向に移動する。するとパーキングロックポール2がパーキングロックギア1に押しつけられ、ロック状態へと移行する。ついで、パーキングロックカム3の当接面3bによってパーキングロックポール2の位置が維持されて、パーキングロックカム3の移動が停止してパーキングロックギア1のロックが完了する。
いわゆる係合開始部材の一部であってパーキングロックカム3の支軸でもあるパーキングロッド4には、パーキングロッド4に一体化されて固定されるスプリングストッパ5が設けられているとともに、そのスプリングストッパ5とパーキングロックカム3との間に、例えば圧縮コイルばねなどの弾性部材であるカムスプリング6が設けられている。このカムスプリング6の内径はパーキングロックカム3の中空部分の最大内径よりも大きく設定されており、また外径はスプリングストッパ5の外径よりも小さく構成されている。したがって、パーキングロックカム3はカムスプリング6の弾性力によりパーキングポールに向けて、すなわち図1および図2に示すSt3の方向に押圧される。
パーキングロッド4の自由端であって、パーキングロッド4のパーキングロックポール2側の端部に、カムストッパ7がパーキングロッド4に一体化されて設けられている。このカムストッパ7は、例えば円柱状の部材により形成されていて、例えば他の部材との当接や衝突の際に受ける荷重、あるいは他の部材から押圧される際に受ける荷重などを考慮した所定の剛性を持った部材により形成されている。カムストッパ7の外径はパーキングロックカム3の中空部分(パーキングロッド連通孔)の最大内径よりも大きく設定されている。したがって、このカムストッパ7は、パーキングロックカム3の図1および図2に示すSt3の方向における前進端面3cの位置を規制することができる。なお、パーキングロッド4の他方の端部は、例えば図示しない変速機のシフトレバーのシフト操作に連動する他の部材に連結されていて、シフト操作に連動して、パーキングロッド4をその軸線方向(図1および図2に示すSt3あるいはSt4方向)に動作させるように構成されている。
パーキングロックポール2の下側には、この発明における受け部材であるパーキングロックスリーブ8が設けられている。このパーキングロックスリーブ8は、パーキングロックギア1をロックする場合に、パーキングロックポール2を押し上げるパーキングロックカム3の移動を支持するように設けられている。パーキングロックスリーブ8は、例えばアルミニウム合金や鋳鉄などの金属材料により形成され、ケーシング9に回転自在に保持されている。なお、パーキングロックスリーブ8はパーキングロック機構が非動作状態にある場合に、パーキングロックポール2の端部を支持する受け面8aが設けられている。また、パーキングロックスリーブ8にはパーキングロックカム3の移動を支持するガイド部10が構成されている。
パーキングロックスリーブ8とケーシング9との間には、この発明における減衰機構11が設けられている。図1および図2に示す例において、この減衰機構11は、例えばパーキングロックスリーブ8の回動エネルギを吸収あるいは減衰または緩和して収束し、その回動を規制することができるように調質されたゴムやジェルなどの摩擦力を生じる摩擦材あるいは弾性力を生じる弾性体により構成されている。
つぎに、この発明に係るパーキングロック機構の動作例を説明する。パーキングロッド4は、変速機のシフトレバーのシフト操作に連動するように構成されており、シフトレバーがパーキングポジションに切り換えられると、パーキングロッド4がパーキングロックポール2に近づく方向に移動する。またパーキングロッド4の移動に伴って、パーキングロックカム3も同様にパーキングロックポール2に近づく方向、すなわち図1に示すSt3の方向に移動する。
パーキングロックカム3が図1に示すSt3の方向に移動すると、パーキングロックカム3のガイド面3aが、パーキングロックポール2の当接部2bと接する。さらにパーキングロッド4とパーキングロックカム3とが図1に示すSt3の方向に移動すると、当接部2bがガイド面3aの傾斜に沿って移動しながら、パーキングロックポール2がパーキングロックギア1に近づく方向、すなわち図1に示すSt1の方向に移動する。
したがってパーキングロック機構が動作すると、パーキングロックポール2の噛み合い部2aが、パーキングロックギア1の外歯1aに近接する。このとき、各外歯1a間の歯溝と噛み合い部2aとが同一の位相になると、噛み合い部2aが各外歯1a間の歯溝に入り込み、パーキングロックポール2の回動、すなわち図1および図2に示す例において矢印St1方向への回動が停止する。すなわちパーキングロックポール2がパーキングロックギア1側に押し付けられ、パーキングロックギア1とパーキングロックポール2とが噛み合わされる。
その結果、パーキングシフトされた際にパーキングロックポール2の噛み合い部2aがパーキングロックギア1の各外歯1a間の歯溝に噛み合い、パーキングロックギア1の回転がパーキングロックポール2によってロックされた状態となって、パーキングロックギア1および出力軸の回転が規制される。いわゆる「噛み合い」状態になる。
これに対して、パーキングロックギア1の外周側において、各外歯1a間の歯溝と噛み合い部2aとが異なる位相にある場合には、パーキングロックギア1の外歯1aの歯先面と噛み合い部2aとの対向する側の先端面とが当接する(図示せず)。すなわちパーキングシフトされた際にパーキングロックポール2の噛み合い部2aがパーキングロックギア1の各外歯1a間の歯溝に噛み合わない、いわゆる「非噛み合い」状態になる。
このような「非噛み合い」状態になると、パーキングロックポール2の、符号St1で示す方向における移動が停止するとともに、パーキングロックカム3のガイド面3aがパーキングロックポール2の当接部2bに接したまま停止し、パーキングロッド4とパーキングロックカム3とが相対移動して、パーキングロックカム3とスプリングストッパ5とによってカムスプリング6が圧縮される。
ところで、「非噛み合い」状態が継続されている間はパーキングロックギア1および出力軸の回転が規制されていないため、例えば、各外歯1a間の歯溝と噛み合い部2aとが異なる位相にある状態において、車両が坂路の途中で停車した場合に、車両が坂路を降下することによって、あるいは、変速機から車輪に至る動力伝達系統内における例えばイナーシャトルクや捩りなどのトルクの残留分の影響によって、出力軸すなわちパーキングロックギア1が回転する場合がある。
このような「非噛み合い」状態となった場合に、前述のようにパーキングロックギア1が回転すると、噛み合い部2aが各外歯1a間の歯溝に嵌り込んだ「噛み合い」状態に移行する場合がある。すなわち、「非噛み合い」状態の場合にパーキングロックギア1が回転すると、各外歯1a間の歯溝と噛み合い部2aとが異なる位相にある状態から、各外歯1a間の歯溝と噛み合い部2aとが同一の位相にある状態に変化することによって、噛み合い部2aの先端面と外歯1aの歯先面とが当接していた状態(図示せず)から、噛み合い部2aが各外歯1a間の歯溝に噛み合った状態に変化する場合がある。
すなわち噛み合い部2aが各外歯1a間の歯溝に噛み合う場合には、パーキングロックポール2との当接状態が解消されることによって、パーキングロックポール2と当接してカムスプリング6を圧縮した状態で停止していたパーキングロックカム3が、カムスプリング6の弾性力により図1および図2に示すSt3の方向に向かって急激に移動することになる。
なお、パーキングシフトされた際に「非噛み合い」状態が継続される条件としては、例えば、前述した各外歯1aの歯先面と噛み合い部2aの先端面との対向面が一致して当接した場合、また、対向面の一部分のみが当接した場合が考えられる。さらに各外歯1a間の歯溝に噛み合い部2aが完全に噛み合う前に、パーキングロックギア1によってパーキングロックポール2が図1および図2に示すSt2の方向へ弾かれる、すなわちパーキングロックギア1の回転速度が十分に大きいために、ラチェッティング状態が生じている場合が考えられる。
ここで言うラチェッティング状態とは、パーキングロックギア1とパーキングロックポール2とが当接を繰り返すことを言う。また同時に、パーキングロックギア1によって弾かれたパーキングロックポール2に当接するパーキングロックカム3も、その影響を受けて図1および図2に示すSt4の方向に戻され、さらにまたカムスプリング6の弾性力によってパーキングロックカム3が図1および図2に示すSt3の方向へ戻されて、パーキングロックポール2をパーキングロックギア1へ向けて回動させる一連の状態(図示せず)の繰り返しを表している。
すなわち、パーキングロック機構が例えばラチェッティング状態を繰り返す過程において、パーキングロックスリーブ8が、パーキングロックギア1に弾かれたパーキングロックポール2の衝突(当接)エネルギを受ける場合に、パーキングロックポール2の当接面2bとパーキングロックスリーブ8の受け面8aとが、互いに平行あるいはほぼ平行である場合においては、パーキングロックスリーブ8はその衝突(当接)エネルギを面で受けることができ、その衝突(当接)エネルギをせん断応力として受けることができる。この状態を図示したのが図3(a)である。
しかしながら車両の振動などによって、パーキングロックスリーブ8の受け面8aと、パーキングロックポール2の当接面2bとが互いに平行あるいはほぼ平行でない場合において、パーキングロックスリーブ8はその端部8b(縁)がパーキングロックポール2の衝突(当接)エネルギを受け、パーキングロックスリーブ8自身の慣性力と、パーキングロックポール2の当接による衝撃力からパーキングロックスリーブ8に応力集中が生じる。この状態を図示したのが図3(b)である。
前述の減衰機構11の動作例を簡略して図示したのが図4ないし図6である。図4は、減衰機構11にゴムやジェルなどを使用した一例である。例えば走行中の誤ったシフト操作などによって、前述のようにパーキングロック機構が動作し、ラチェッティング状態が生じた場合、パーキングロックスリーブ8の受け面8aとパーキングロックポール2の当接面2bとが互いに平行あるいはほぼ平行でない場合には、先ずパーキングロックスリーブ8の端部8b(縁)がパーキングロックポール2の衝突(当接)エネルギを受ける(図4(a))。すると、パーキングロックスリーブ8の慣性力とパーキングロックポール2の衝突(当接)エネルギによって、パーキングロックスリーブ8に応力集中が生じる。しかしながら同時に、当接の際の衝突(当接)エネルギによって回動したパーキングロックスリーブ8は、ゴムあるいはジェルなどによって構成された減衰機構11によって、回動が減衰されて、図4の(b)のように受け面8aがパーキングロックポール2の当接面2bと互いに平行あるいはほぼ平行な状態に変化する。その結果、2回目以後のラチェッティングによるパーキングロックポール2とパーキングロックスリーブ8との当接は、互いの当接面が平行あるいはほぼ平行な状態となって、パーキングロックポール2によるパーキングロックスリーブ8への片当たりが矯正されて、応力集中が抑制または低減される。
また図5は、パーキングロックスリーブ8のケーシング9との接触側に凸部を形成し、パーキングロックスリーブ8とケーシング9との隙間に潤滑油12を満たし、パーキングロックスリーブ8とケーシング9との摩擦力のみでなく、パーキングロックスリーブ8の凸部と潤滑油との粘性抵抗をも利用した減衰機構の一例である。前述のようにパーキングロック機構が動作し、ラチェッティング状態が生じ、かつパーキングロックスリーブ8の受け面8aとパーキングロックポール2の当接面2bとが互いに平行あるいはほぼ平行でない場合(図5(a))には、当接の初回はパーキングロックポール2による片当たりが生じるためにパーキングロックスリーブ8に応力集中が生じる。しかしながら同時に、当接の際の衝突(当接)エネルギによって回動したパーキングロックスリーブ8は、減衰機構によって、回動が減衰されて、図5の(b)のように受け面8aがパーキングロックポール2の当接面2bと互いに平行あるいはほぼ平行な状態に変化する。したがって図4に示す例と同様に、2回目以後のラチェッティングによるパーキングロックポール2とパーキングロックスリーブ8との当接は、互いの当接面が平行あるいはほぼ平行な状態となって、パーキングロックポール2によるパーキングロックスリーブ8への片当たりが矯正されて、応力集中が抑制または低減される。
さらにまた図6は、パーキングロックスリーブ8とケーシング9との間にショックアブソーバー13を設けた減衰機構の一例である。前述のようにパーキングロック機構が動作し、ラチェッティング状態が生じ、かつパーキングロックスリーブ8の受け面8aとパーキングロックポール2の当接面2bとが互いに平行あるいはほぼ平行でない場合(図6(a))には、当接の初回はパーキングロックポール2による片当たりが生じるためにパーキングロックスリーブ8に応力集中が生じるが、同時に、当接の際の衝突(当接)エネルギによって回動したパーキングロックスリーブ8は、ショックアブソーバー13によって、回動が減衰されて、図6の(b)のように受け面8aがパーキングロックポール2の当接面2bと互いに平行あるいはほぼ平行な状態に変化する。したがって図4および図5に示す例と同様に、2回目以後のラチェッティングによるパーキングロックポール2とパーキングロックスリーブ8との当接は、互いの当接面が平行あるいはほぼ平行な状態となって、パーキングロックポール2によるパーキングロックスリーブ8への片当たりが矯正されて、応力集中が抑制または低減される。
なお、パーキングロックポール2のパーキングロックスリーブ8への片当たりは、前述したラチェッティング状態が発生した場合に限ったことではなく、停車時にパーキングシフトした場合においても、車両の振動などによってパーキングロックスリーブ8が回動した場合には、パーキングロックポール2による片当たりが生じてパーキングロックスリーブ8に応力集中が生じる可能性がある。しかしながら図4ないし図6に図示したこの発明における減衰機構によれば、2回目以後のパーキングロックポール2によるパーキングロックスリーブ8への片当たりは回避されて、応力集中が抑制または低減される。
付言すると、車両の振動によって起こりうるパーキングロックスリーブ8の回動が、パーキングロックポール2の片当たりを生じさせる一要因となることは否定できないとしても、一旦パーキングロックポール2とパーキングロックスリーブ8との当接面が平行あるいはほぼ平行な状態となれば、減衰機構を有することにより、極端なパーキングロックポール2の片当たり、すなわち応力集中を生じさせる頻度を減少させることができる。
したがって、この発明における減衰機構は、パーキングロックポール2とパーキングロックスリーブ8とが当接する場合に、車両の振動などによってパーキングロックスリーブ8が回動して、パーキングロックポール2のパーキングロックスリーブ8への片当たりを防止または抑制させる部材として機能する。また、パーキングロックポール2とパーキングロックスリーブ8とが当接した場合に、その衝突(当接)エネルギによってパーキングロックスリーブ8が回動するのを防止または低減させる、あるいは矯正させる部材として機能する。
すなわち減衰機構は、例えば前述のようなラチェッティング状態において、パーキングロックスリーブ8の回動を防止または抑制することによって、パーキングロックポール2のパーキングロックスリーブ8への片当たりを抑えるあるいは減少させることができる。その結果、パーキングロックスリーブ8に応力集中が生じず、パーキングロックスリーブ8の耐久性の向上が図れる。
なお、この発明は上記の動作例に限定されないのであって、例えば減衰機構は、サラバネや接着剤など、この発明を実施でき得る程度にパーキングロックスリーブ8の回動を規制できる部材であればよい。
この発明のパーキングロック機構の構成例を示す模式図である。 この発明のパーキングロック機構の他の構成例を示す模式図である。 当接時の状態の一例を示す図である。 この発明の減衰機構の構成例を示す模式図である。 この発明の減衰機構の他の構成例を示す模式図である。 この発明の減衰機構のさらに他の構成例を示す模式図である。
符号の説明
2…パーキングロックポール、 3…パーキングロックカム、4…パーキングロッド、8…パーキングロックスリーブ、 9…ケーシング、 11…減衰機構。

Claims (2)

  1. 変速機の出力軸と一体回転可能かつ選択的に回転が止められる被ロック回転体と、その被ロック回転体側に移動可能な係合開始部材と、その係合開始部材の移動に伴って前記被ロック回転体に接近させられて前記被ロック回転体に選択的に係合する係合部材とを備えているパーキングロック機構において、
    前記被ロック回転体の回転が前記係合部材によって止められていない場合に、前記係合部材に対向し、かつ前記係合部材を当接させる受け面を備えた受け部材が、前記係合部材を挟んで前記被ロック回転体とは反対側に配置されるとともに、前記受け面が前記係合部材と平行になるように回転自在に前記変速機のケーシングに保持され、
    前記ケーシングと前記受け部材との間に前記受け部材の回転動作を許容し、かつその回転動作に摩擦力や粘性抵抗によって抵抗力を与えることにより前記回転動作を減衰あるいは抑制させて収束する減衰機構が設けられ、
    前記受け部材の回動の中心軸線と平行な方向に、記係合開始部材が移動可能に構成されている
    ことを特徴とするパーキングロック機構。
  2. 前記減衰機構は、前記回転動作のエネルギを減衰するショックアブソーバを含むことを特徴とする請求項1に記載のパーキングロック機構。
JP2008052459A 2008-03-03 2008-03-03 パーキングロック機構 Expired - Fee Related JP4893662B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008052459A JP4893662B2 (ja) 2008-03-03 2008-03-03 パーキングロック機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008052459A JP4893662B2 (ja) 2008-03-03 2008-03-03 パーキングロック機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009208568A JP2009208568A (ja) 2009-09-17
JP4893662B2 true JP4893662B2 (ja) 2012-03-07

Family

ID=41182149

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008052459A Expired - Fee Related JP4893662B2 (ja) 2008-03-03 2008-03-03 パーキングロック機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4893662B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20120061665A (ko) * 2010-12-03 2012-06-13 현대자동차주식회사 전기 차량용 감속기의 파킹 시스템의 레이아웃
JP5821870B2 (ja) * 2013-02-18 2015-11-24 トヨタ自動車株式会社 パーキングロック装置
JP6939745B2 (ja) * 2018-09-26 2021-09-22 トヨタ自動車株式会社 車両用パーキングロック装置
CN110219981B (zh) * 2019-05-31 2024-01-02 陕西法士特齿轮有限责任公司 一种自动变速器换挡机构

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4947376B1 (ja) * 1969-07-24 1974-12-16
JPS4947378B1 (ja) * 1969-07-24 1974-12-16
JPS4919377B1 (ja) * 1969-07-24 1974-05-17
JPS4947377B1 (ja) * 1969-07-24 1974-12-16
US3690416A (en) * 1969-07-24 1972-09-12 Nissan Motor Parking brake for automatic transmission
JPH03124068A (ja) * 1989-10-06 1991-05-27 Taiyo Yuden Co Ltd 薄膜素子およびその製造方法
JP3606714B2 (ja) * 1997-07-23 2005-01-05 ジヤトコ株式会社 自動変速機のパーキング機構
JP2003185018A (ja) * 2001-12-14 2003-07-03 Exedy Corp 自動変速機用ギアセレクタのアクチュエータ及びパーキング装置
JP2007016830A (ja) * 2005-07-06 2007-01-25 Nissan Motor Co Ltd ゴムブッシュ
JP4361519B2 (ja) * 2005-08-10 2009-11-11 Thk株式会社 減衰装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009208568A (ja) 2009-09-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101509952B1 (ko) 프로펠러 샤프트
JP5850912B2 (ja) プーリダンパ
JP5338616B2 (ja) ダンパ装置
KR101459959B1 (ko) 차량용 프로펠러 샤프트
JP4893662B2 (ja) パーキングロック機構
CN111094806B (zh) 用于阻止传动机构的装置
EP2160526B1 (fr) Embrayage a friction equipe d'un pre-amortisseur comportant des systemes de frottement a hysteresis et a tiroir dependant
EP0366073B1 (en) Pinion clutch for starter
JP2009226977A (ja) パーキングロック機構
EP2160525B1 (fr) Dispositif d'amortissement d'oscillation de torsion notamment pour embrayage a friction, par exemple pour vehicule automobile
EP0814280A1 (fr) Volant double amortisseur muni d'un limiteur de couple à montage simple
JP2016156385A (ja) トランスミッションのパーキングロック装置
WO2003072936A1 (fr) Demarreur electrique a butee d'amortissement pour le lanceur
EP2174031A2 (fr) Embrayage a friction equipe d'un pre-amortisseur comportant des systemes de frottement a hysteresis et a tiroir dependant
JPS6041232B2 (ja) スタ−タ
JP2012201169A (ja) ステアリングロック装置
JP2006131109A (ja) 車両用パーキング装置
FR3044064A1 (fr) "dispositif de blocage mecanique d'un arbre de transmission d'un vehicule automobile"
EP2024659B1 (fr) Embrayage a friction, en particulier pour vehicule automobile, comportant un pre-amortisseur perfectionne, et pre-amortisseur pour cet embrayage
JP7385676B2 (ja) 変速機
KR20090043285A (ko) 듀얼매스플라이휠의 파손방지장치
FR3050497A1 (fr) Dispositif de transmission de couple
EP2160521B1 (fr) Dispositif d'amortissement d'oscillation de torsion pour embrayage a friction, notamment pour vehicule automobile
JPH051649A (ja) エンジン始動装置
KR101411180B1 (ko) 오조립 방지 구조를 구비한 조향 샤프트

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110311

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110322

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110809

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111122

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111205

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150106

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees