JP4892114B2 - 藻類粉体の乾熱殺菌方法 - Google Patents

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Description

本発明は、藻類原末の殺菌方法に関する。より詳しくは、食品及び医薬品原料に用いられる藻類の乾燥粉体に含まれる有用成分である光合成色素の分解を低減しつつ、該乾燥粉体を乾熱殺菌する方法に関する。
機能性食品の一つとして藍藻類が近年注目されている。藍藻類アルスロスピラ属スピルリナ(Cyanobacteria Arthrospira platensis(Spirulina))は、幅が0.005〜0.008mm、長さが0.3〜0.5mm程度のらせん形をした濃緑色の単細胞微細藻類藍藻であり、アフリカ等の赤道近辺の湖に自生している。その湖は強アルカリ性であり、強い太陽光線が当たるために水温が30〜35℃にもなる。このような特殊環境に育つスピルリナを培養することが可能であり、大日本インキ化学工業株式会社(現DIC株式会社)が量産化に成功している。
スピルリナには、フィコシアニン(フィコシアノビリン)、クロロフィルa、カロテノイド類(ゼアキサンチン)等の抗酸化作用がある光合成色素の他、各種アミノ酸、ビタミン・ミネラル類、食物繊維、多糖体、リノール酸、γ−リノレイン酸、イノシトール、SOD、核酸等の栄養素が豊富に含まれている。このスピルリナの藻体を乾燥させた粉体(原末)は、顆粒状又は錠剤に成形されたサプリメント(栄養補助食品)あるいは食品素材などとして市場に流通している。
自然界とほぼ同様の環境で培養されているため、屋外の培養槽で大量に培養されたスピルリナを回収した藻体及び原末には、一般に、スピルリナ以外の微生物(細菌類)が含まれる。該細菌類のほとんどは、乾燥した粉体の状態にすることによって死滅するが、一部には芽胞を形成することによって乾燥状態であっても死滅せずに残るものがある。残存した細菌類は、通常の栄養補助食品用途としては全く問題にならない量である。しかし、例えば医薬品原料として使用する場合には強力な殺菌処理によって、これらの芽胞を除去することが必要である。
一般には、芽胞を殺菌する方法として、例えば飽和水蒸気圧下、121℃で20分以上処理するオートクレーブ殺菌法や、180℃30分以上または160℃1時間以上で処理する乾熱殺菌法等が知られる。また、食品用原料に含まれる芽胞の殺菌法として、アルコール及び食品用乳化剤による殺菌法も提案されている(特許文献1参照)。
特許第3096825号公報
しかしながら、前記オートクレーブ殺菌法では、水蒸気によって原末の乾燥粉体が湿ってしまうので、品質の劣化を招く恐れがあり、余計な再乾燥工程が必要となる。また、前記乾熱殺菌法では、原末の乾燥粉体を乾燥雰囲気下で殺菌できる利点があるが、高温加熱処理によって、前記栄養素が分解してしまう問題がある。また、前記特許文献1にて提案されている殺菌方法では、原末の乾燥粉体にアルコール溶液を添加することにより、原末に含まれる前記栄養素がアルコール溶液に抽出されてしまう問題も生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、藻類の乾燥粉末が有する光合成色素の分解を低減しつつ、該乾燥粉体に含まれる当該藻類以外の細菌を殺菌することができる乾熱殺菌方法を提供することを課題とする。
本発明の請求項1に記載の乾熱殺菌方法は、藻類の乾燥粉末を処理室内で乾熱殺菌する方法であって、該処理室の酸素分圧を大気酸素分圧よりも低くし、且つ100〜150℃の加熱処理を行うことを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の乾熱殺菌方法は、請求項1において、前記処理室を減圧することを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の乾熱殺菌方法は、請求項1において、前記処理室に不活性ガスを導入することを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の乾熱殺菌方法は、請求項1において、前記処理室を減圧した後、不活性ガスを導入することを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の乾熱殺菌方法は、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記藻類が、藍藻類アルスロスピラ属スピルリナ(Cyanobacteria Arthrospira platensis(Spirulina))であることを特徴とする。
本発明の乾熱殺菌方法によれば、藻類の乾燥粉末が有する光合成色素の分解を低減しつつ、該乾燥粉体中の芽胞菌を含めた一般生菌を殺菌することができる。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明の乾熱殺菌方法は、自然界に自生する藻類又は人工的に培養された藻類を回収した藻体を乾燥することによって得られた乾燥粉体を乾熱殺菌することにより、該乾燥粉体が有する光合成色素(フィコシアニン(PC)、クロロフィル(Chl)、ゼアキサンチン等のカロテノイド類(TC))の分解を低減しつつ、該乾燥粉体に含まれる当該藻類以外の細菌類(以下では、一般生菌という。)を殺菌するものである。
前記藻類としては、光合成色素として、フィコシアニン、クロロフィル、及びカロテノイド類のうち何れか1つ以上を含むものであれば特に制限されない。例えば、藍藻類に属するスピルリナ、およびスイゼンジノリ、紅藻類に属するアサクサノリ、テングサ、およびフノリ、緑藻類に属するアオノリ、およびクロレラ、褐色類に属するコンブ、ワカメ、ヒジキ、およびモズク等が挙げられる。
これらのなかでも、本発明の効果が優れることから、少なくともフィコシアニンを含有する藻類が好ましく、少なくともフィコシアニンを含有する藍藻がより好ましく、少なくともフィコシアニンを含有するアルスロスピラ属の藍藻がさらに好ましく、フィコシアニン、クロロフィル、及びカロテノイド類を含有するスピルリナが最も好ましい。
前記乾燥粉体を得る方法としては、公知の方法で行えば良く、例えば前記藻類を含む溶液又はスラリーを霧状にして熱風中に噴霧することによって、該藻類を数秒のうちに乾燥させるスプレードライ法などが適用される。このとき、藻類の有する前記光合成色素の分解を抑制するために、スプレードライヤーの排風温度は70〜100℃の範囲に設定される。なお、前記藻類のうち、コンブ等の大きな藻類は予め細かく粉砕した状態で前記溶液又はスラリーに含まれるようにしておくことで、前記スプレードライ法を適用することができる。
このようにして得られた乾燥粉体1g中には、通常、一般生菌が1〜10万個程度含まれている。強力な殺菌処理を必要とする芽胞菌は、この内、数千〜2万個程度である。
本発明の乾熱殺菌方法に用いうる乾熱殺菌装置としては、後述する機能をもつ処理室(処理容器)を備えるものであって、該処理室の温度を室温〜160℃に制御することが可能であれば特に制限されない。
前記処理室は、その内部の雰囲気を低酸素分圧にすることができる機能をもつ。
ここで、該低酸素分圧とは、大気の酸素分圧よりも低い酸素分圧であることをいう。大気圧は101.3kPaであり、一般に、大気中の酸素濃度は20〜21%であるから、大気の酸素分圧は約20.3kPa〜21.3kPaである。
本発明の乾熱殺菌法は、前記処理室の酸素分圧を前記大気の酸素分圧よりも低くして行うものである。該処理室の酸素分圧としては、前記光合成色素の分解を低減する効果が優れることから、4.5kPa以下が好ましく、0.1kPa以下がより好ましく、0.02kPa以下がさらに好ましい。
上記酸素分圧とした処理室内において、前記乾燥粉体を100〜150℃、好ましくは110〜150℃、より好ましくは120〜150℃で加熱処理することによって、該乾燥粉体内に含まれる一般生菌を乾熱殺菌することができる。このとき、該乾燥粉体全体を100〜150℃とすることができれば、どのような態様で殺菌してもよいが、加熱による昇温を均一かつ迅速に行うためには、例えば該乾燥粉体をステンレス製のバットに広げて加熱する方法が好ましい。
本発明の乾熱殺菌法における処理時間としては、該一般生菌を充分に殺菌できる処理時間であることが望ましい。具体的には、前記バットに広げられた乾燥粉体のかさ密度や該乾燥粉体の粒径にもよるが、通常1〜50時間、好ましくは1〜24時間、より好ましくは1〜8時間の処理時間で、該乾燥粉体に当初含まれていた1万個以上の菌を、2000個以下に殺菌することができる。
一方、処理時間を上記よりも長くした場合は、殺菌効果を高めることはできても、該乾燥粉体が有する前記光合成色素の分解が進んでしまう。すなわち、芽胞菌を含む一般生菌の殺菌効果と、光合成色素の分解低減効果とは、トレードオフの関係にあるため、該処理時間としては、充分に一般生菌を殺菌できる限りにおいてなるべく短い方が好ましい。
本発明の乾熱殺菌法において、前記処理室の酸素分圧を前記大気の酸素分圧よりも低くする好適な方法として、前記処理室を減圧する方法が挙げられる。具体的には、例えば真空ポンプによって前記処理室の空気を排気して減圧すればよい。このとき、該処理室の真空度を例えば20kPaとした場合、該処理室の酸素分圧を約4kPa(20×0.2)とすることができる。したがって、該酸素分圧を低くすることにより、前記光合成色素の分解低減効果を高めることができるため、該真空度としては、20kPa以下が好ましく、0.5kPa以下がより好ましく、0.1kPa以下がさらに好ましい。
このような減圧方法によれば、前記処理室内の酸素分圧を低下させることができるほか、該乾燥粉体に残存する水分を蒸発させて、該乾燥粉体の乾燥度をより高めることができる。
また、前記処理室の酸素分圧を前記大気の酸素分圧よりも低くする別の好適な方法として、前記処理室に不活性ガスを導入する方法が挙げられる。該不活性ガスとしては、窒素ガスやヘリウム・アルゴンガスが好ましい。
前記処理室に不活性ガスを導入することにより、該処理室の空気を追い出し置換して、該処理室の酸素分圧を低下させることができる。
この不活性ガスの導入方法によれば、前記減圧方法を行う場合に必要となる耐圧性処理室及び真空ポンプ等を必要とせず、より単純な装置構成を有する乾熱殺菌装置で行うことができる。
さらに、前記処理室の酸素分圧を前記大気の酸素分圧よりも低くする他の好適な方法として、前記処理室を減圧した後、不活性ガスを導入する方法が挙げられる。
この方法によれば、該処理室を前述の方法等によって減圧して真空(0.1kPa以下)とした後、該処理室を不活性ガスでパージすることによって、真空を引いた後に該処理室に残存する酸素ガスを該不活性ガスパージによりさらに除くことができる。
本発明の乾熱殺菌方法は、低い酸素分圧雰囲気下で前記乾燥粉体を加熱処理することによって、前記光合成色素の分解を低減しつつ前記一般生菌を殺菌することができるという、本発明者らの鋭意研究により見出された事実に基づくものである。このような顕著な効果が得られるメカニズムは未解明であるが、酸素による光合成色素の酸化分解が加熱処理によって促進されることを抑制できるためであると考えられる。
上述した本発明の乾熱殺菌方法によれば、カロテノイド、フィコシアニン、及びクロロフィルの分解を低減しつつ前記一般生菌の殺菌を行うことができるが、その分解の低減の度合は、各光合成色素によって異なる。通常、本発明の乾熱殺菌の前後において残存する各色素の残存率は、カロテノイドの残存率が70質量%以上、フィコシアニンの残存率が50質量%以上、クロロフィルの残存率が60質量%以上となる。
本発明の乾熱殺菌法において、充分に殺菌した後で最も残存率の高い光合成色素はカロテノイド類であり、次いでクロロフィルがフィコシアニンよりも微差で残存率が高い傾向が見られる。この原因の詳細は不明であるが、フィコシアニンは蛋白質とフィコシアノビリンとから構成される複雑な光合成色素であるため、比較的単純な化学構造のカロテノイド類やクロロフィルよりも分解されやすいためであると考えられる。
興味深いことに、前記処理室の酸素分圧を大気酸素分圧よりも低くする方法として、該処理室を減圧することにより真空度0.1kPa以下において加熱処理を行った場合には、カロテノイド類の残存率と遜色の無いフィコシアニンの残存率とを得ることができる。一方、該真空度が20kPa以上の大気圧側に近い条件において加熱処理を行った場合、又は該処理室を減圧した後に若しくは該処理室を減圧せずに不活性ガスを導入して加熱処理を行った場合には、カロテノイド類の残存率よりもフィコシアニンの残存率の方が明らかに劣る傾向が見られる。
したがって、前記光合成色素のうち、フィコシアニンの分解を低減することを主眼においた場合には、当該処理室の真空度を0.1kPa以下にして加熱処理を行うことが好ましい。
また、本発明の乾熱殺菌方法は、光合成色素を含む乾燥粉末であれば広く適用可能であり、藻類由来の乾燥粉末のほか、野菜ジュースを乾燥粉末としたもの等にも用いられる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
スピルリナの培養液から藻体(生菌)をろ布(120メッシュ)で濾過して回収し、該藻体を蒸留水で洗浄した後、排風温度90℃に設定したスプレードライ法によって乾燥粉体とした。該乾燥粉体を用いて、以下の実施例及び比較例を試験した。
また、該乾燥粉体の光合成色素の含有量は、財)日本健食・栄養食品協会「スピルリナ食品品質規格基準」(平成21年3月6日改定)に記載の「総カロテノイドの定量」、「クロロフィルa分析法」、及び「フィコシアニン分析法」に従って分析した。
さらに、該乾燥粉体に含まれる一般生菌数は、標準寒天平板培養法(35℃、48時間培養)にて測定した。その結果を表2の比較例1として示す。
[実施例1〜9、11、および12]
前記乾燥粉体100gをステンレス製の丸型バット(φ140mm)に均一に広げて、該バットを乾熱殺菌装置の処理室へ設置した。つぎに、真空ポンプを用いて、該処理室を表1に示す真空度に減圧し、その真空度を維持しながら該乾燥粉体を表1に示す温度および時間で加熱処理した。
乾熱殺菌後に得られた乾燥粉体の光合成色素の含有量、及び該乾燥粉体に含まれる一般生菌数を、それぞれ前述の方法によって分析した。その結果を表1に併記する。
[実施例10]
前記処理室の真空度を0.1kPa未満に減圧した後、窒素ガスを充分に導入して大気圧(101.3kPa)に戻し、該処理室を窒素雰囲気にして加熱処理を行った以外は、実施例1と同様の方法で乾熱殺菌を行い、得られた乾燥粉体を分析した。その結果を表1に併記する。
Figure 0004892114
以上の実施例1〜12の結果から、本発明に係る乾熱殺菌法により、乾燥粉体1g当たりの一般生菌数を2000個以下に殺菌できることが確認された。また、カロテノイド類(TC:総カロテノイド)の残存率は70%以上であり、フィコシアニン(PC)の残存率は55%以上であり、クロロフィルa(Chl)の残存率は60%以上であった。
また、実施例1〜11では、TCの残存率が、PC及びChlの残存率よりも高かった。また、PC及びChlの残存率については、実施例1〜8の方が実施例9〜10よりも顕著に優れていた。
[比較例1〜8]
前記乾燥粉体100gをステンレス製の丸型バット(φ140mm)に均一に広げて、該バットを乾熱殺菌装置の処理室へ設置した。つぎに、該乾燥粉体を表2に示す温度および時間で加熱処理した。
乾熱殺菌後に得られた乾燥粉体の光合成色素の含有量、及び該乾燥粉体に含まれる一般生菌数を、それぞれ前述の方法によって分析した。その結果を表2に併記する。
[比較例9〜11]
前記処理室の真空度を0.1kPa未満に減圧し、その真空度を維持しながら該乾燥粉体を表2に示す温度および時間で加熱処理した。
乾熱殺菌後に得られた乾燥粉体の光合成色素の含有量、及び該乾燥粉体に含まれる一般生菌数を、それぞれ前述の方法によって分析した。その結果を表2に併記する。
Figure 0004892114
比較例1では、単にスプレードライ乾燥したスピルリナ乾燥粉体には、一般生菌が10,000個以上存在していた。
比較例2,3,6では、一般生菌数は2000個以下となり十分に殺菌できているが、TCの残存率が70質量%を下回っていた。また、比較例9では、十分に殺菌できているが、Chlの残存率は60質量%を下回っており、PCの残存率が50質量%を下回って著しく低いものであった。
比較例4,5,7,8では、一般生菌数が2000個を超えているため不十分な殺菌である。比較例7,8は比較例4,5よりも殺菌できているが、TC残存率が70質量%を下回っている。なお、比較例4,8の光合成色素残存率は測定しなかった。
比較例10および11では、殺菌が不十分であった。これは処理時間が長いものの、処理温度が低いためであると思われる。
[実施例13]
実施例1〜12とは異なるロットのスピルリナ乾燥粉体100gをステンレス製の丸型バット(φ140mm)に均一に広げて、該バットを乾熱殺菌装置の処理室へ設置した。
つぎに、該処理室を真空ポンプを用いて真空度0.1kPa未満に減圧し、その真空度を維持しながら該乾燥粉体を130℃3時間で加熱処理した。
乾熱殺菌後に得られた乾燥粉体の光合成色素の含有量、及び該乾燥粉体に含まれる一般生菌数を、それぞれ前述の方法によって分析した。その結果を表3に併記する。
[実施例14]
前記処理室の真空度を20kPaに変更した以外は、実施例13と同様の方法で乾熱殺菌を行い、得られた乾燥粉体を分析した。その結果を表3に併記する。
[実施例15]
前記処理室を減圧せず、窒素ガスを充分に導入して窒素雰囲気とした状態で加熱処理を行った以外は、実施例13と同様の方法で乾熱殺菌を行い、得られた乾燥粉体を分析した。その結果を表3に併記する。
[実施例16]
前記処理室の真空度を0.1kPa未満に減圧した後、窒素ガスを充分に導入して大気圧に戻した状態で加熱処理を行った以外は、実施例13と同様の方法で乾熱殺菌を行い、得られた乾燥粉体を分析した。その結果を表3に併記する。
Figure 0004892114
以上の実施例13〜16結果から、本発明に係る乾熱殺菌法により、乾燥粉体1g当たりの一般生菌数を2000個以下に殺菌できることが確認された。また、カロテノイド類(TC:総カロテノイド)の残存率は70質量%以上であり、フィコシアニン(PC)の残存率は50質量%以上であり、クロロフィルa(Chl)の残存率は60質量%以上であった。また、実施例13と実施例14〜16とを比べると、PC及びChl残存率に関しては実施例13が顕著に優れていた。
以上の結果を総合すると、本発明に係る乾熱殺菌方法によって、藻類の乾燥粉末の有する光合成色素の分解を低減しつつ、該乾燥粉体に含まれる芽胞菌を含む一般生菌を殺菌できることが確認された。
本発明の乾熱殺菌方法は、藻類の乾燥粉末を食品用途や医薬品原料用途に用いる際に広く利用することが可能である。

Claims (5)

  1. 藻類の乾燥粉末を処理室内で乾熱殺菌する方法であって、
    該処理室の酸素分圧を大気酸素分圧よりも低くし、且つ
    100〜150℃の加熱処理を行うことを特徴とする藻類粉体の乾熱殺菌方法。
  2. 前記処理室を減圧することを特徴とする請求項1記載の藻類粉体の乾熱殺菌方法。
  3. 前記処理室に不活性ガスを導入することを特徴とする請求項1記載の藻類粉体の乾熱殺菌方法。
  4. 前記処理室を減圧した後、不活性ガスを導入することを特徴とする請求項1記載の藻類粉体の乾熱殺菌方法。
  5. 前記藻類が、藍藻類アルスロスピラ属スピルリナ(Cyanobacteria Arthrospira platensis(Spirulina))であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の藻類粉体の乾熱殺菌方法。
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