JP4891960B2 - ポリプロピレン系樹脂発泡成型体及び自動車内装材 - Google Patents
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吸熱ピーク熱量(A)−吸熱ピーク熱量(B)≧10J/g (1)
[吸熱ピーク熱量(A)および吸熱ピーク熱量(B)の測定方法]
基材樹脂を試料とし、試料量2〜4mgを示差走査熱量計によって室温から220℃まで昇温速度10℃/分で昇温し、次いで220℃から降温速度10℃/分で40℃まで降温し、続いて昇温速度10℃/分で40℃から220℃まで昇温して得られる2回目のDSC曲線の吸熱ピーク熱量(B)とピーク温度(C)を測定する。
次に別に用意した基材樹脂を試料とし、試料量2〜4mgを示差走査熱量計によって室温からピーク温度(C)より5℃低い温度まで昇温速度10℃/分で昇温後、該温度で20分間保持し、その後、降温速度10℃/分で40℃まで降温し、次いで昇温速度10℃/分で220℃まで昇温したときに得られる2回目のDSC曲線の吸熱ピーク熱量(A)を測定する。
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡成型体(以下、「発泡成型体」と略称する。)の基材樹脂は、プロピレンと、エチレンとを共重合して得られたポリプロピレン系ランダム共重合体を主成分とする。該プロピレン系共重合体は、重合条件を適宜調整して共重合することによって得ることができる。
該他の樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンや低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂等の各種熱可塑性樹脂を挙げることができる。
尚、上記示差走査熱量計は、株式会社島津製作所製「島津流束示差走査熱量計DSC−50」を使用した(以下のDSC曲線の測定においても同様である。)。
尚、本発明においては、後述する基準により選択したポリプロピレン系ランダム共重合体を使用することにより、上記吸熱ピークの差を8J/g以上にすることができる。
尚、実施例1〜3の評価結果を示す表2から、上記吸熱ピークの差が8J/g以上の範囲にある実施例1〜3の発泡成形体は、耐熱性が顕著に向上してることがたわみ量(mm)の評価により確認されている。
このような物性を示すプロピレン系ランダム共重合体としては、例えば、出光石油化学株式会社製の「出光ポリプロF714NP」、「出光ポリプロJ740GP」を挙げることができる。
発泡成型体の密度(g/cm3)=W/V
1回目のDSC曲線の一例を示す図2において、低温側に現れている吸熱ピーク(以下、「固有ピーク」という。)aは、基材樹脂の主成分であるポリプロピレン共重合体の融解時の吸熱によるものである。一方、上記高温側に現れている吸熱ピーク(以下、「高温ピーク」という。)bは、1回目のDSC曲線には現れるが2回目のDSC曲線には現れないという特異的な性質を有する。
尚、図2には2つの吸熱ピークa,bが滑らかな曲線で描かれているが、DSC曲線は必ずしもこのように滑らかな曲線になるとは限らず、複数の吸熱ピークの重なりがDSC曲線に現れ、全体として、固有ピークと高温ピークとの2つの吸熱ピークが、DSC曲線上に現れる場合もある。
尚、発泡樹脂粒子の高温ピーク熱量は発泡成型体の高温ピーク熱量を求めるのと同様の方法で発泡樹脂粒子の1回目のDSC曲線から求めることができ、その値は発泡成型体の高温ピーク熱量と略等しい値を示す。
尚、上記発泡樹脂粒子の内圧付与は、密閉容器内において加圧空気を供給して発泡樹脂粒子の内圧を所定の圧力にまで高めることによって行う。
〔実施例1〜3〕
表1に示す特性の各種ポリプロピレン系ランダム共重合体に、発泡助剤として富田製薬株式会社製「ホウ酸亜鉛2335」を500ppm含まれるように添加して押出機内で溶融混練し、これをダイからストランド状に押し出して水中で急冷し、次に所定の長さに切断してペレット状(1ペレット当たり約2mg)に造粒した。尚、表1には、プロピレンと共重合させたα−オレフィンの種類、該α−オレフィンの含量(重量%)、MFR(g/10分)、融点Tm(℃)、及び上記吸熱ピーク熱量(A)−吸熱ピーク熱量(B)(「吸熱ピーク熱量差(A)−(B)」と表記した。)を示す。
表1に示す特性のポリプロピレン系ランダム共重合体を使用して、実施例1〜3と同様に、表1に示す条件で基材樹脂粒子を発泡せしめて発泡樹脂粒子を得た。次に、実施例1〜3と同様に乾燥した後、表2に示す圧力の過熱水蒸気を金型内に圧入して加熱を行ない成型した後、成型体を60℃のオーブン内で24時間乾燥して発泡成型体を得た。
図3に示すように、センター間の距離が150mmとなるように平行に立設され、且つ上端が曲率半径R=1mmとなるように丸められた縦85mm、横60mm、厚み2mmの2枚の支持板2、2を用意した。次に、該支持板2、2に、得られた発泡成型体の表層部分から縦200mm、横40mm、厚み10mmで切り取った試験片1を、成型体の表面であった面が上側となり、且つその長手方向が支持板2、2と直交するように均等に跨がせた。次いで、上記試験片1上において、2枚の支持板2、2の間の略中央となる位置に、半径3mm、長さ60mmの円柱状錘3(重量5g)を各支持板2、2と平行になるように横にねかせて載置し、130℃の温度雰囲気下で22時間放置した。
D=L1 −L2
但し、L2 は上記高温雰囲気下で22時間放置した直後の、支持板2、2間の中央部における試験片の下面と、水平面を有する台座4の上面との最短長さ、L1 は高温雰囲気下におく直前の同最短長さである。又、本実施例、比較例及び後述する参考例におけるL1 はいずれも85mmとした。
尚、図3(b)は図3(a)に示す状態を上から見た図面である。
b 発泡成型体の1回目のDSC曲線に現れる高温側の吸熱ピークである。
c 発泡成型体の2回目のDSC曲線に現れる吸熱ピークである。
Claims (4)
- プロピレンとエチレンとを共重合して得られた、エチレン含有率が0.1〜5.0重量%のポリプロピレン系ランダム共重合体を基材樹脂の主成分とし、下記条件式(1)を満足し、且つ融点が145℃〜160℃である基材樹脂を原料として発泡せしめた発泡樹脂粒子を、加熱成型して得たポリプロピレン系樹脂発泡成型体であって、該発泡成型体の1回目のDSC曲線における吸熱ピーク(但し、試料量2〜4mgの発泡成型体を示差走査熱量計によって、最初に10℃/分の昇温速度で220℃まで昇温したときに得られるDSC曲線の吸熱ピーク)熱量から、2回目のDSC曲線における吸熱ピーク(但し、上記220℃まで昇温した試料量2〜4mgの発泡成型体を示差走査熱量計によって10℃/分の降温速度にて40℃まで降温した後、再度10℃/分の昇温速度で220℃まで昇温したときに得られるDSC曲線の吸熱ピーク)熱量を差し引いた値が8J/g以上であり、上記示差走査熱量測定によって得られる1回目のDSC曲線において、2回目のDSC曲線の吸熱ピークより高温側に、2回目のDSC曲線には現れない吸熱ピークが現れる結晶構造を有し、且つ該高温側の吸熱ピークの熱量が4J/g以上、40J/g以下であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡成型体。
吸熱ピーク熱量(A)−吸熱ピーク熱量(B)≧10J/g (1)
[吸熱ピーク熱量(A)および吸熱ピーク熱量(B)の測定方法]
基材樹脂を試料とし、試料量2〜4mgを示差走査熱量計によって室温から220℃まで昇温速度10℃/分で昇温し、次いで220℃から降温速度10℃/分で40℃まで降温し、続いて昇温速度10℃/分で40℃から220℃まで昇温して得られる2回目のDSC曲線の吸熱ピーク熱量(B)とピーク温度(C)を測定する。
次に別に用意した基材樹脂を試料とし、試料量2〜4mgを示差走査熱量計によって室温からピーク温度(C)より5℃低い温度まで昇温速度10℃/分で昇温後、該温度で20分間保持し、その後、降温速度10℃/分で40℃まで降温し、次いで昇温速度10℃/分で220℃まで昇温したときに得られる2回目のDSC曲線の吸熱ピーク熱量(A)を測定する。 - 130℃の温度雰囲気下で22時間放置による該発泡成型体のたわみ量が、2.4mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成型体。
- 密度が0.02〜0.45g/cm3である請求項1または2に記載のポリプロピレン系樹脂発泡成型体。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか記載のポリプロピレン系樹脂発泡成型体の表面に、表皮材を積層または接着したことを特徴とする自動車内装材。
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