JP4891623B2 - X線ct装置 - Google Patents

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本発明は、X線管球とX線検出器とを含むスキャン系を複数備えている多管球型のX線CT装置に関する。
特許文献1には、従来の多管球型のX線CT装置の一例が開示されている。各スキャン系のX線管球とX線検出器は、被検体を挟んで互いに対峙して配設されている。各スキャン系は、被検体の周囲を回転しつつX線管球からX線を出力し、被検体を透過したX線をX線検出器が検出する。
X線CT装置は、各スキャン系のX線検出器が検出したデータ(オブジェクトデータ、純生データなどと呼ばれる。)をそれぞれ収集し、たとえば360°分又は180°+ファン角度(X線管球から出力されるX線ファンビームの角度)分のオブジェクトデータに基づいて、被検体の画像を再構成する。
このような多管球型のX線CT装置を用いることにより、時間分解能の向上やスキャン時間の短縮などのメリットを享受することができる。
特開2005−177260号公報
多管球型のX線CT装置は、上記のメリットを有する一方、被検体体軸方向におけるスキャン系の位置ずれが画質に悪影響を与えるという問題を有している。すなわち、従来の多管球型のX線CT装置においては、各スキャン系の体軸方向の位置を調整することはできるが、実際にどの程度の位置ずれが生じているかを把握することができないため、各スキャン系からのオブジェクトデータの被検体体軸方向の位置ずれを効果的に補正できない。そのため、画像再構成処理において、この位置ずれが介在した状態のオブジェクトデータを合成することとなり、分解能の低下やアーチファクトの発生など、再構成画像の画質の劣化を招いていた。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、複数のスキャン系の被検体体軸方向への位置ずれに起因する画質の劣化を防止することが可能な多管球型のX線CT装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、X線管球とX線検出器とが被検体を挟んで互いに対峙して配設されてなるスキャン系が複数個前記被検体の体軸方向に配列されたX線CT装置であって、該複数のスキャン系のそれぞれを前記被検体の周囲にて回転させる回転駆動手段と、該回転される前記複数のスキャン系のそれぞれにより得られるX線のオブジェクトデータを収集する複数のデータ収集手段と、該複数のデータ収集手段によりそれぞれ収集された前記X線のオブジェクトデータに基づいて画像を再構成する画像再構成手段と、前記複数のスキャン系の前記被検体の体軸方向の相対的な変位を検出する変位検出手段と、被検体について前記複数のデータ収集手段のそれぞれにより収集された前記X線のオブジェクトデータの体軸方向における変位を、前記検出された前記相対的な変位に基づいて補正するデータ補正手段と、を備え、前記画像再構成手段は、前記補正された前記X線のオブジェクトデータから得られる投影データを合成して、前記被検体の画像を再構成し、前記変位検出手段は、前記複数のスキャン系のそれぞれにより前記検出された前記X線のオブジェクトデータを基に前記再構成された画像に基づいて、前記複数のスキャン系のそれぞれに対応する、前記体軸方向におけるCT値の分布を算出するCT値算出手段を備え、該算出された前記複数の前記CT値の分布におけるCT値の最大値の前記体軸方向における相対的な変位に基づいて、前記複数のスキャン系の前記相対的な変位を検出する、ことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、X線管球とX線検出器とが被検体を挟んで互いに対峙して配設されてなるスキャン系が複数個前記被検体の体軸方向に配列されたX線CT装置であって、該複数のスキャン系のそれぞれを前記被検体の周囲にて回転させる回転駆動手段と、該回転される前記複数のスキャン系のそれぞれにより得られるX線のオブジェクトデータを収集する複数のデータ収集手段と、該複数のデータ収集手段によりそれぞれ収集された前記X線のオブジェクトデータに基づいて画像を再構成する画像再構成手段と、前記複数のスキャン系を被検体の体軸方向にそれぞれ独立に移動させる複数の移動手段と、前記複数のスキャン系の前記被検体の体軸方向の相対的な変位を検出する変位検出手段と、該検出された前記相対的な変位に基づいて前記複数の移動手段を制御し、前記複数のスキャン系の前記体軸方向における位置ずれを補正する制御手段とを備え、前記変位検出手段は、前記複数のスキャン系のそれぞれにより前記検出された前記X線のオブジェクトデータを基に前記再構成された画像に基づいて、前記複数のスキャン系のそれぞれに対応する、前記体軸方向におけるCT値の分布を算出するCT値算出手段を備え、該算出された前記複数の前記CT値の分布におけるCT値の最大値の前記体軸方向における相対的な変位に基づいて、前記複数のスキャン系の前記相対的な変位を検出する、ことを特徴とする。
請求項1に記載のX線CT装置によれば、複数のX線検出手段(スキャン系)の相対的な変位を検出し、この検出された相対的な変位に基づいて、データ収集手段により収集されたX線の検出データの体軸方向における変位を補正するとともに、この補正された検出データに基づいて被検体の画像を再構成するように構成されているので、複数のスキャン系の被検体体軸方向への位置ずれに起因する分解能の低下やアーチファクトの発生などの画質の劣化を防止することができる。
また、請求項2に記載のX線CT装置は、複数のX線検出手段を体軸方向にそれぞれ独立に移動させる複数の移動手段を備えており、複数のX線検出手段の相対的な変位を検出し、この検出された相対的な変位に基づいて複数の移動手段を制御して複数のX線検出手段の体軸方向における位置ずれを補正するように構成されている。このように体軸方向への位置ずれが補正された状態でX線の検出データ収集を行うとともに、収集された検出データに基づいて被検体の画像の再構成を行うことで、複数のスキャン系の被検体体軸方向への位置ずれに起因する分解能の低下やアーチファクトの発生などの画質の劣化を防止することができる。
本発明に係る多管球型のX線CT装置の好適な実施の形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
〈第1の実施の形態〉
本発明に係るX線CT装置の第1の実施の形態は、被検体の体軸方向における複数のスキャン系(X線管球とX線検出器を含む)の相対的な変位を検出し、この検出された相対的な変位に基づいて、被検体を透過したX線の検出データ(オブジェクトデータ)の体軸方向における変位を補正し、この補正されたオブジェクトデータを合成して被検体の画像を再構成することにより、複数のスキャン系の被検体体軸方向への位置ずれに起因する再構成画像の画質の劣化を防止するものである。以下、この第1の実施形態のX線CT装置について詳しく説明する。
[装置構成]
まず、本実施形態に係る多管球型のX線CT装置の構成について、図1〜図3を参照しつつ説明する。図1は、このX線CT装置の全体構成の一例を表す。図2は、このX線CT装置の複数のスキャン系の配設形態の一例を表す。図3は、このX線CT装置の制御系の詳細構成の一例を表す。
図1に示すように、本実施形態のX線CT装置は、ガントリ(架台)1、スリップリング機構2、制御装置3及び寝台5を含んで構成される。図示しない被検体は、寝台5の天板(図示せず)に横たわるようにして載置される。寝台5には、被検体の体軸方向に天板を移動させる天板駆動機構が設けられている。この天板駆動機構は、制御装置3のスキャン制御部50の制御によって天板を移動させる。
ガントリ1は、この被検体に対してX線を曝射してオブジェクトデータを収集するための装置である。収集されたオブジェクトデータは、スリップリング機構2を介して制御装置3に入力される。制御装置3は、入力されたオブジェクトデータに基づいて、被検体の画像を再構成する。以下、ガントリ1と制御装置3について詳しく説明する。なお、スリップリング機構2、回転駆動部4、寝台5については、従来のX線CT装置と同様の構成を有しているので、詳細な説明は省略する。
〔ガントリの構成〕
図1、図2を参照してガントリ1の構成を説明する。このガントリ1には、複数(たとえば3つ)のX線管球12、22、32が設けられている。各X線管球12、22、32には、出力されるX線のファン角を設定するX線絞り(図示せず)が設けられている。このX線管球12、22、32は、本発明の「X線源」の一例に相当する。
X線管球12、22、32は、図2に示すように、円環状の回転フレーム6にたとえば等しい角度間隔で配設されている。本実施形態では、回転フレームの円周に沿って360°÷3(管球数)=120°の角度間隔を介して配設されている。また、回転フレーム6は、回転駆動部4により駆動されて回転軸RAを中心に回転する(被検体の周囲を回転する)ように構成されている。回転駆動部4は、本発明の「回転駆動手段」の一例に相当するものである。
X線管球12、22、32は、それぞれ、高電圧発生部11、21、31からフィラメント加熱電流の供給及び高電圧の印加を受けてX線を発生する。高電圧発生部11、21、31は、たとえば回転フレーム6に取り付けられる。この高電圧発生部11、21、31としては、たとえば高周波インバータ方式、すなわち、50/60Hzの交流電源を整流して直流とし、それを数kHz以上の高周波の交流に変換して変圧器で昇圧するとともに、それを再度整流してX線管球12、22、32に印加する方式のものが適用される。
高電圧発生部11、21、31は、それぞれ独立にスキャン制御部50からパルス信号を受けて、所定のパルス継続時間(パルス幅)を有する高電圧パルスを発生し、対応するX線管球12、22、32の陰極陽極間にそれぞれ印可する。フィラメント加熱電流により加熱された陰極フィラメントで発生した熱電子は、高電圧により加速されて陽極のターゲットに衝突し、X線を発生する。
また、回転フレーム6には、上記のX線管球12、22、32及び高電圧発生部11、21、31とともに、多チャンネル型のX線検出器13、23、33が搭載されている。このX線検出器13、23、33はそれぞれ、被検体を挟んでX線管球12、22、32に対向する位置、つまりX線管球12、22、32がX線を出力する方向に配設されている。X線検出器13、23、33はそれぞれ、対向するX線管球12、22、32から出力されて被検体を透過したX線(透過X線)を検出し、その検出データ(オブジェクトデータ)を電流信号としてデータ収集部14、24、34にそれぞれ出力する。X線管12、22、32及びX線検出器13、23、33(スキャン系)は、本発明の「X線検出手段」の一例を形成している。
データ収集部14、24、34は、対応するX線検出器13、23、33から入力されるオブジェクトデータを収集し、スリップリング機構2を介して制御装置3に出力する。より詳細には、データ収集部14、24、34は、それぞれ、対応するX線検出器13、23、33の各チャンネルからの電流信号を電圧信号に変換するI−V変換器と、この電圧信号をX線の曝射周期に同期して周期的に積分する積分器と、この積分器の出力信号を増幅するプリアンプと、このプリアンプの出力信号をデジタル信号に変換するアナログ・ディジタル・コンバータ(A/D変換器)とを、各チャンネルごとに備えている。このデータ収集部14、24、34は、本発明の「データ収集手段」の一例に相当するものである。
〔制御装置の構成〕
図1、図3を参照して制御装置3の構成を説明する。制御装置3は、図示は省略するが、CPU等のマイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ等を有するコンピュータと、FPGA(Field Programmable Gate Array)、CPU、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等により形成されて画像再構成処理を行う再構成基板などを含んで構成される。
制御装置3は、図1に示すように、主制御部40、スキャン制御部50、補正処理部60、前処理部70、画像再構成部80、表示部91及び操作入力部92を備えている。
スキャン制御部50は、オブジェクトデータの収集を行うときのX線スキャンの制御を行う。より詳細には、スキャン制御部50は、回転フレーム6を所定の速度で回転させるためのパルス信号を回転駆動部4に送信し、各X線管球12、22、32に所定の時間間隔でX線を発生させるためのパルス信号を高電圧発生部11、21、31に送信し、X線の発生タイミングに同期して透過X線を検出するためのパルス信号をデータ収集部14、24、34に送信する。また、スキャン制御部50は、寝台5の天板を被検体体軸方向に移動させるためのパルス信号を前述の天板駆動機構に送信する。スキャン制御部50は、たとえば、マイクロプロセッサやRAM等を含んで構成される。
補正処理部60は、各データ収集部14、24、34により収集されたオブジェクトデータに対して、複数のスキャン系の被検体体軸方向への位置ずれに基づく補正を施す。この補正処理の詳細については後述する。補正処理部60は、たとえばマイクロプロセッサやRAM等を含んで構成される。この補正処理部60は、本発明の「データ補正手段」の一例として作用する。
なお、補正処理部60には、データ収集部14からのオブジェクトデータに補正を施すデータ補正部61と、データ収集部24からのオブジェクトデータに補正を施すデータ補正部62と、データ収集部34からのオブジェクトデータに補正を施すデータ補正部63とが設けられている。
ただし、特定のスキャン系の体軸方向の位置を基準として、他のスキャン系の位置を補正する構成を採用する場合には、当該他のスキャン系のそれぞれにより検出されたオブジェクトデータに対してのみ補正を施すように、補正処理部60を構成することができる。たとえば、図1において、X線管球12及びX線検出器13の位置を基準として他のスキャン系の位置を補正する場合には、データ収集部14からのオブジェクトデータを補正するデータ補正部61を設ける必要はない。
前処理部70は、補正処理部60による補正が施されたオブジェクトデータに対して、いわゆる前処理と呼ばれる処理を施す。この前処理は、画像再構成に先だって行う処理であり、その一例としては、オブジェクトデータの対数の計算、リファレンス補正、水補正、ビームハードニング補正、体動補正などの処理がある。このような処理が施されたデータは、投影データ若しくは生データなどと呼ばれる。前処理部70によって形成された投影データは、主制御部40に送られて画像記憶部41(図3参照)に記憶される。
画像再構成部80は、所定の画像再構成法により、投影データに基づいて被検体の画像を再構成する処理を行う。この画像再構成法としては、たとえば、2次元フーリエ変換法、コンボリューション・バックプロジェクション法、ファンビーム・コンボリューション・バックプロジェクション法、360度補間法、180度内挿補間法、180度外挿補間法、フィルタ法などの任意の方法を採用することができる。再構成された被検体の画像は、主制御部40に送られて画像記憶部41に記憶される。
表示部91は、このX線CT装置により形成される被検体の画像や、操作画面等の各種の画面などを表示するもので、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等の任意のディスプレイ装置によって構成される。
操作入力部92は、このX線CT装置に対する動作要求やデータ入力などを行うために使用されるもので、キーボード、マウス、トラックボール、ジョイスティック、コントロールパネル、ペンタブレットなどの任意の操作デバイスや入力デバイスを含んで構成される。また、各種のボタンやスイッチ等を含んで構成されていてもよい。
ユーザは、表示部91と操作入力部92を用いて、X線CT装置に対する動作要求、各種の設定入力、被検体の画像の観察などを行うことができる。
主制御部40は、X線CT装置の各部の制御を行うとともに、本発明に特徴的な後述の処理を行う。主制御部40は、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ等を含んで構成される。主制御部40は、図3に示すように、画像記憶部41、変位検出部42及び情報記憶部46を備えている。
画像記憶部41は、前処理部70による前処理が施されたオブジェクトデータや、画像再構成部80により再構成された画像の画像データを記憶する。この画像記憶部41は、たとえばハードディスクドライブ等の大容量の記憶装置を含んで構成される。
情報記憶部46は、変位検出部42によって取得される情報を記憶する。また、情報記憶部46には、水ファントムを用いて水に対応するCT値を設定する水キャリブレーションや、空気に対応するCT値を設定する空気キャリブレーションなどのキャリブレーション結果(キャリブレーションデータ)や、前処理において参照される各種のデータなども記憶される。
変位検出部42は、複数のスキャン系の被検体体軸方向における相対的な変位を検出する処理、すなわち、X線管12及びX線検出器13(第1のスキャン系)と、X線管22及びX線検出器23(第2のスキャン系)と、X線管32及びX線検出器33(第3のスキャン系)との被検体体軸方向における相対的な変位を検出する処理を行う。
変位検出部42は、本発明の「変位検出手段」の一例として作用するものである。変位検出部42は、マイクロプロセッサ、RAM等を含んで構成される。変位検出部42により取得されるスキャン系の体軸方向における相対的な変位の情報(体軸方向変位情報)は、情報記憶部46に記憶される。
以下、変位検出部42の構成の詳細について、スキャン系の相対的変位の測定作業とともに説明する。変位検出部42には、CT値算出部43、特徴値抽出部44及び変位算出部45が設けられている。
スキャン系の変位測定はファントムを用いて行う。この変位測定では、たとえば図4に示すディスク状のコインファントムFが使用される。一般に、コインファントムは、被検体体軸方向に依存する装置特性に関する測定や調整を行うときに使用されるファントムである。コインファントムFは、その厚さ方向を被検体体軸方向に向けて配置されてX線スキャンされる。
なお、図4に示すROI(Region Of Interest;関心領域)Faは、コインファントムFの画像に対して適宜に設定された画像領域である。ユーザは、このコインファントムFを寝台5の天板に装着する。
続いて、第1〜第3のスキャン系を用いてコインファントムFのX線スキャンを行う。このときのX線スキャンの方式としては、たとえばヘリカルスキャン(寝台5の天板を被検体体軸方向に移動させつつ、スキャン系を被検体周囲にて回転させて行うスキャン方式)が適用される。
制御装置3は、各データ収集部14、24、34により収集されたオブジェクトデータに対し、個別に前処理及び再構成処理を施す。それにより、各スキャン系に対応するコインファントムの再構成画像が得られる。
次に、各スキャン系に対応する再構成画像について、同じ画像領域にROIFaを指定する。
変位検出部42のCT値算出部43は、各スキャン系に対応する再構成画像に基づいて、被検体体軸方向におけるCT値の分布を各スキャン系ごとに算出する。より詳しく説明すると、CT値算出部43は、各スキャン系に対応する再構成画像のROIFaについて、ROIFaに含まれる画素のCT値を、被検体体軸方向に直行する方向に加算することにより、被検体体軸方向におけるCT値の分布を各スキャン系ごとに算出する。
第1〜第3のスキャン系は、図5に示すように被検体体軸方向(z方向)に相対的に位置がずれている。このとき、CT値算出部43により算出される第1〜第3のスキャン系に対応するCT値の分布は、図6のようになる。すなわち、第1のスキャン系に対応するCT値の分布D1、第2のスキャン系に対応するCT値の分布D2、第3のスキャン系に対応するCT値の分布D3は、図6に示すように、同様の分布のグラフを各スキャン系の相対的な位置ずれに応じた距離だけz方向に平行移動させたものとなる。
変位検出部42の特徴値抽出部44は、第1〜第3のスキャン系に対応するCT値の分布のそれぞれについて、所定の特徴値を抽出する。この特徴値としては、たとえば、図6に示すように、各分布D1、D2、D3におけるCT値の最大値P1、P2、P3を採用することができる。なお、コインファントムF以外の形態のファントムを用いる場合などには、CT値の分布の最小値、極大値、極小値、変曲点など、任意の特徴値を抽出するように構成することができる。
変位検出部43の変位算出部45は、第1〜第3のスキャン系に対応するCT値の分布D1〜D3からそれぞれ抽出された特徴値P1〜P3の体軸方向における相対的な変位を求める。そのために、変位算出部45は、各特徴値P1〜P3の体軸方向の座標値(z座標値z1、z2、z3)を求め、或る特徴値のz座標値に対する他の特徴値のz座標値の変位を求める。たとえば特徴値P1のz座標z1を基準とする場合、このz座標値z1に対する特徴値P2のz座標値z2の変位Δz2=z2−z1と、特徴値P3のz座標値z3の変位Δz3=z3−z1とを求める。
このとき、特定のスキャン系に対応する特徴値を常に基準とするようにしてもよいし、変位検出の度毎に基準にする特徴値を決定するようにしてもよい(たとえば中央に位置する特徴値を基準にするなど)。また、抽出された特徴値の一つを基準にする代わりに、或るz座標値z0に対する各特徴値のz座標値の変位を求めるようにしてもよい。このz座標値z0についても、常に同じであってもよいし、変位検出の度毎に決定するようにしてもよい。
変位算出部45による算出結果は、体軸方向変位情報として情報記憶部46に記憶される。
なお、図6に示すような各スキャン系に対応するCT値の分布のグラフを表示部91に表示させてもよい。その場合、CT値の分布の特徴値をユーザが手動操作で指定することができる。また、特徴値抽出部44により抽出された特徴値をユーザが手動操作で修正することができる。このときの操作は、操作入力部92により行う。
[動作]
以上のような構成を有する本実施形態のX線CT装置の動作について、図7を参照しつつ説明する。同図に示すフローチャートは、このX線CT装置の動作の一例を表している。
まず、準備段階として、キャリブレーションデータの作成を行うとともに(S1)、体軸方向変位情報の作成を行う(S2)。作成されたキャリブレーションデータと体軸方向変位情報は、主制御部40の情報記憶部46に記憶される(S3)。
被検体を寝台5に横たわらせて所定の検査開始操作を行うと(S4)、第1〜第3のスキャン系は、回転駆動部4により回転されつつオブジェクトデータを検出し、データ収集部14、24、34は、対応するX線検出器23、33、43が検出したオブジェクトデータを収集する(S5)。データ収集部14、24、34により収集されたオブジェクトデータは、それぞれ、データ補正部61、62、63に入力される。
データ補正部61、62、63は、情報記憶部46に記憶された体軸方向変位情報に基づいて、収集されたオブジェクトデータの体軸方向における変位を補正する(S6)。すなわち、各オブジェクトデータには、そのオブジェクトデータが検出されたときの体軸方向の座標値(z座標値)が付与されているが、データ補正部61、62、63は、このz座標値を、体軸方向変位情報に示す相対的な変位に基づいて補正する。
たとえば、上記の例においては、データ補正部62は、データ収集部24から入力された各オブジェクトデータに付与されたz座標値を−Δz2だけ補正し、データ補正部63は、データ収集部34から入力された各オブジェクトデータに付与されたz座標値を−Δz3だけ補正する。なお、本例では、データ補正部61はオブジェクトデータの補正は行わない。
データ補正部61、62、63によりz座標値が補正された各スキャン系に対応するオブジェクトデータは、それぞれ前処理部70に入力される。前処理部70は、各オブジェクトデータに対して前処理を施して、各スキャン系に対応する投影データを作成する(S7)。作成された各スキャン系の投影データは、主制御部40に送られて画像記憶部41にそれぞれ記憶される。
画像再構成部80は、各スキャン系の投影データを合成し、再構成処理を施して、被検体の画像を形成する(S8)。再構成された画像は、主制御部40に送られて画像記憶部41に記憶される。また、この再構成画像は、ユーザの要求により若しくは自動的に表示部91に表示される。
[作用効果]
本実施形態のX線CT装置の作用及び効果について説明する。このX線CT装置は、複数のスキャン系を有する多管球型のX線CT装置であって、この複数のスキャン系の被検体体軸方向における相対的な変位を検出し、この相対的変位に基づいて、各スキャン系にて検出されたオブジェクトデータの体軸方向における変位を補正し、この補正されたオブジェクトデータに前処理を施して得られる投影データを合成し、被検体の画像を再構成するように構成されている。それにより、複数のスキャン系の被検体体軸方向への位置ずれに起因する分解能の低下やアーチファクトの発生などの画質の劣化を防止することができる。
[変形例]
本実施形態に係るX線CT装置の変形例を説明する。なお、以下の変形例は、後述の第2の実施形態に係るX線CT装置にも適宜に適用可能である。
上記の実施形態では、ガントリ1で収集されたオブジェクトデータの体軸方向への変位を補正してから前処理を行っているが、前処理を行ってから変位補正を行うようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、各スキャン系に対応するオブジェクトデータを投影データに変換して、各投影データを別々に画像記憶部41に記憶させるように構成されているが、前処理部70により形成された投影データを合成してから画像記憶部41に記憶させるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、スキャン系の相対的変位の測定をヘリカルスキャン方式で行っているが、他のスキャン方式を適宜に採用することが可能である。たとえば、X線検出器13、23、33が多列型のX線検出器である場合などには、コンベンショナルスキャン方式を適用することができる。
図8のブロック図は、上記実施形態の一変形例の構成を表している。このX線CT装置は、上記変形例とほぼ同様に構成されているが、直線駆動部7A〜7Cを有する点が異なっている。
直線駆動部7Aは、高電圧発生部11、X線管球12、X線検出器13及びデータ収集部14のうちの少なくともX線管球12及びX線検出器13(第1のスキャン系)を、被検体体軸方向に移動させるように作用する。直線駆動部7Bは、高電圧発生部21、X線管球22、X線検出器23及びデータ収集部24のうちの少なくともX線管球22及びX線検出器23(第2のスキャン系)を、被検体体軸方向に移動させるように作用する。直線駆動部7Cは、高電圧発生部31、X線管球32、X線検出器33及びデータ収集部34のうちの少なくともX線管球32及びX線検出器33(第3のスキャン系)を、被検体体軸方向に移動させるように作用する。なお、直線駆動部7A〜7Cは、それぞれ個別に構成された機構を有している。
各直線駆動部7A〜7Cは、スキャン制御部50から入力されるパルス信号に基づき、その入力パルス数に応じた距離だけスキャン系を移動させる。直線駆動部7A〜7Cは、本発明の「移動手段」の一例に相当する。
このX線CT装置の制御装置3の主制御部40の情報記憶部46(図3参照)には、直線駆動部7A〜7Cのそれぞれによるスキャン系の単位移動量を示す情報、すなわち一つのパルス信号に対応するスキャン系の移動距離を示す情報(移動量情報)があらかじめ記憶されている。
移動量情報は、たとえば、一つ若しくは複数のパルス信号を各直線駆動部7A〜7Cに印可したときのスキャン系の移動量を実測することにより取得することができる。
直線駆動部7A〜7Cは、前述のようにそれぞれ個別に構成されているので、一つのパルス信号に対応する移動距離が機差により異なっている。移動量情報は、この機差を示す情報である。直線駆動部7A、7B、7Cの単位移動量をそれぞれd1、d2、d3とする。この機差は、直線駆動部7A〜7Cを構成するパルスモータ等の駆動装置や、その駆動力を伝達する機構を製造するときの不可避的な誤差によって生じるものである。
このように、各スキャン系は、単位移動量の整数倍の距離しか体軸方向(z方向)に移動することができない。換言すると、連続的に移動することはできず離散的にしか移動することができない。したがって、全てのスキャン系を同じz座標位置に配置させることは一般に困難又は不可能である。
この変形例の情報記憶部46には、全てのスキャン系を可能な限り同じz座標位置に配置させたときの、これらスキャン系の体軸方向における相対的な変位を示す体軸方向変位情報があらかじめ格納されている。この体軸方向変位情報の測定方法は、全スキャン系を可能な限り同じz座標位置に配置させた状態で、上記の実施形態と同様の変位測定(変位検出部42による)を行うことにより取得することができる。なお、上記実施形態における体軸方向変位情報は、このように複数のスキャン系を可能な限り同じz座標位置に配置させてX線スキャンを行うときのスキャン系の体軸方向への相対的変位を示すものである。
主制御部40は、被検体のX線スキャンを行ったときの各スキャン系のz座標位置から、各スキャン系をほぼ同じz座標位置(上記機差による誤差がある。)に配置させるための移動距離を求める。この各スキャン系の移動距離は、たとえば、X線スキャンを行うときにスキャン制御部50から各直線駆動部7A〜7Cに入力されたパルス信号の個数と、移動量情報とに基づいて算出される。
たとえば、図9に示すように、第1のスキャン系と第2のスキャン系を、第3のスキャン系のz座標位置に合わせるように移動させる場合、第1、第3のスキャン系にそれぞれ入力されたパルス数と、移動量情報に示す直線駆動部7A、7Cの単位移動量とに基づいて、第1のスキャン系の移動距離ΔD1を算出でき、第2、第3のスキャン系にそれぞれ入力されたパルス数と、移動量情報に示す直線駆動部7B、7Cの単位移動量とに基づいて、第2のスキャン系の移動距離ΔD2を算出できる。
データ補正部61は、このように算出された第1のスキャン系の移動距離ΔD1と、情報記憶部46に記憶された第1のスキャン系と第3のスキャン系との相対的変位Δd13とに基づいて、データ収集部14から入力されたオブジェクトデータのz座標値を補正する。
このとき、第1のスキャン系をΔD1だけ移動させたときの位置と、第1のスキャン系の相対的変位d13の位置とが、第3のスキャン系のz座標位置に対して同じ方向にある場合には、オブジェクトデータのz座標値の補正量はΔD1+Δ13とされる。一方、これらの位置が、第3のz座標位置に対して反対の方向にある場合には、オブジェクトデータのz座標値の補正量は|ΔD1−Δ13|とされる。
たとえば、双方の位置が、第3のスキャン系のz座標位置に対して+z方向(又は−z方向)にある場合には前者の補正量が適用される。また、一方の位置が第3のスキャン系のz座標位置の+z方向(−z方向)にあり、他方の位置が−z方向(+z方向)にある場合には、後者の補正量が適用される。
同様に、データ補正部62は、算出された第2のスキャン系の移動距離ΔD2と、情報記憶部46に記憶された第2のスキャン系と第3のスキャン系との相対的変位Δd23とに基づいて、データ収集部24から入力されたオブジェクトデータのz座標値の補正を行う。なお、本例においては、第3のスキャン系を基準としてオブジェクトデータを補正するので、データ補正部63による補正は行わない。
このような変形例のX線CT装置によれば、スキャン系が体軸方向に移動されている場合であっても、スキャン系の被検体体軸方向への位置ずれに起因する分解能の低下やアーチファクトの発生などの画質の劣化を防止することができる。
〈第2の実施形態〉
本発明に係るX線CT装置の第2の実施の形態は、複数のスキャン系をそれぞれ独立に被検体体軸方向に移動可能なX線CT装置であって、体軸方向における複数のスキャン系の相対的な変位を検出し、この検出された相対的な変位に基づいて、スキャン系の体軸方向における位置ずれを補正するように構成される。そして、この状態で被検体のX線スキャンを行って画像を再構成することにより、複数のスキャン系の被検体体軸方向への位置ずれに起因する再構成画像の画質の劣化を防止するものである。以下、この第2の実施形態のX線CT装置について詳しく説明する。
まず、本実施形態に係る多管球型のX線CT装置の構成について、図10を参照しつつ説明する。図10に示すX線CT装置は、第1の実施形態の変形例(図8参照)とほぼ同様の構成を有するが、補正処理部60を有さない点が当該変形例と異なっている。また、制御装置3は、第1の実施形態と同様の構成を備えている(図3参照)。
図11のフローチャートを参照しつつ、本実施形態のX線CT装置の動作の一例を説明する。
まず、準備段階として、第1の実施形態と同様に、キャリブレーションデータの作成を行うとともに(S11)、体軸方向変位情報の作成を行う(S12)。作成されたキャリブレーションデータと体軸方向変位情報は、主制御部40の情報記憶部46に記憶される(S13)。
スキャン制御部50は、主制御部40の制御にしたがい、体軸方向変位情報に基づいて直線駆動部7A〜7Cにパルス信号を送信してスキャン系を移動させることにより、複数のスキャン系の体軸方向における位置ずれを補正する(S14)。
たとえば、図9に示したように、第1、第2のスキャン系を第3のスキャン系のz座標位置に合わせる場合、スキャン制御部50は、第1のスキャン系を距離ΔD1だけ移動させるのに必要な数のパルス信号を直線駆動部7Aに印可するとともに、第2のスキャン系を距離ΔD2だけ移動させるのに必要な数のパルス信号を直線駆動部7Bに印可する。それにより、第1〜第3のスキャン系は、(ほぼ)同じz座標位置に配置される。なお、主制御部40とスキャン制御部50は、本発明の「制御手段」の一例として作用するものである。
被検体を寝台5に横たわらせて所定の検査開始操作を行うと(S15)、第1〜第3のスキャン系は、回転駆動部4により回転されつつオブジェクトデータを検出し、データ収集部14、24、34は、対応するX線検出器23、33、43が検出したオブジェクトデータを収集する(S16)。データ収集部14、24、34により収集されたオブジェクトデータは、それぞれ前処理部70に入力される。
前処理部70は、各オブジェクトデータに対して前処理を施して、各スキャン系に対応する投影データを作成する(S17)。作成された各スキャン系の投影データは、主制御部40に送られて画像記憶部41にそれぞれ記憶される。
画像再構成部80は、各スキャン系の投影データを合成し、再構成処理を施して、被検体の画像を形成する(S18)。再構成された画像は、主制御部40に送られて画像記憶部41に記憶される。また、この再構成画像は、ユーザの要求により若しくは自動的に表示部91に表示される。
本実施形態のX線CT装置の作用及び効果について説明する。このX線CT装置は、複数のスキャン系を有する多管球型のX線CT装置であって、この複数のスキャン系の被検体体軸方向における相対的な変位を検出し、この相対的変位に基づいて、複数のスキャン系の被検体体軸方向における変位を補正するように構成されている。そして、この変位が補正された状態で被検体のX線スキャンを行ってオブジェクトデータを収集し、そのオブジェクトデータを投影データに変換し、各スキャン系に対応する投影データを合成して被検体の画像を再構成するようになっている。それにより、複数のスキャン系の被検体体軸方向への位置ずれに起因する分解能の低下やアーチファクトの発生などの画質の劣化を防止することが可能になる。
[変形例]
本実施形態に係るX線CT装置の変形例を説明する。この変形例のX線CT装置は、第2の実施形態と同様の構成を備えている(図10参照)。
このX線CT装置の制御装置3の主制御部40の情報記憶部46(図3参照)には、第1の実施形態の変形例と同様の移動量情報と体軸方向変位情報があらかじめ格納されている。
主制御部40は、第1の実施形態と同様に、X線スキャンを行うときにスキャン制御部50から各直線駆動部7A〜7Cに入力されたパルス信号の個数と、移動量情報とに基づいて、被検体のX線スキャンを行ったときの各スキャン系のz座標位置から、各スキャン系をほぼ同じz座標位置に配置させるための移動距離を算出する。
スキャン制御部50は、この算出された移動距離と体軸方向変位情報とに基づいて直線駆動部7A〜7Cを制御し、全てのスキャン系が(ほぼ)同じz座標位置に配置されるように、スキャン系を体軸方向に移動させる。
以下、図12を更に参照し、第1のスキャン系と第2のスキャン系を第3のスキャン系のz座標位置に合わせるように移動させる場合について説明する。図12のグラフF1は、スキャン制御部50から直線駆動部7Aに入力されるパルス信号のパルス数と、このパルス信号に対応して移動される第1のスキャン系のz方向位置との関係を示している。このグラフF1の傾きは、移動量情報に含まれる第1のスキャン系の単位移動量に相当する。
また、グラフF2は、スキャン制御部50から直線駆動部7Bに入力されるパルス信号のパルス数と、このパルス信号に対応して移動される第2のスキャン系のz方向位置との関係を示している。このグラフF2の傾きは、移動量情報に含まれる第2のスキャン系の単位移動量に相当する。
なお、各直線駆動部7A〜7Cは、一つのパルス信号に応じた移動量を移動距離の単位としているので、グラフF1、F2は実際には離散的グラフになる。
パルス数0に対応するグラフF1の値A1とグラフF2の値A2との差は、第1のスキャン系と第2のスキャン系とを可能な限り同じz座標位置に配置させたときの誤差であり、変位検出部42により事前に検出された体軸方向変位情報に相当する。
主制御部40は、図12の関係を参照することにより、第1、第2のスキャン系を第3のスキャン系のz座標位置に合わせるために必要なパルス数をそれぞれ算出する。スキャン制御部50は、主制御部40の制御にしたがい、それぞれ算出された数のパルス信号を直線駆動部7A、7Bにそれぞれ入力する。それにより、第1、第2のスキャン系が、それぞれ第3のスキャン系のz座標位置(の近傍位置)に移動され、スキャン系の相対的な位置ずれが補正される。
この状態でX線スキャンを行ってオブジェクトデータを収集し、前処理及び再構成処理を行うことにより、スキャン系の被検体体軸方向への位置ずれに起因する画質の劣化が無い(又は少ない)被検体の画像を取得することができる。
本発明に係るX線CT装置の第1の実施の形態の全体構成の一例を表す概略ブロック図である。 本発明に係るX線CT装置の第1の実施の形態における複数(3つ)のスキャン系の配設態様の一例を表す概略図である。 本発明に係るX線CT装置の第1の実施の形態の制御装置の構成の一例を表す概略ブロック図である。 本発明に係るX線CT装置の第1の実施の形態によるスキャン系の変位検出において使用されるコインファントムの形態を表す概略斜視図である。 本発明に係るX線CT装置の第1の実施の形態によるスキャン系の変位検出を説明するための概略説明図である。 本発明に係るX線CT装置の第1の実施の形態によるスキャン系の変位検出を説明するための概略説明図である。 本発明に係るX線CT装置の第1の実施の形態の動作の一例を表すフローチャートである。 本発明に係るX線CT装置の第1の実施の形態の変形例の全体構成の一例を表す概略ブロック図である。 本発明に係るX線CT装置の第1の実施の形態の変形例の動作を説明するための概略説明図である。 本発明に係るX線CT装置の第2の実施の形態の全体構成の一例を表す概略ブロック図である。 本発明に係るX線CT装置の第2の実施の形態の動作の一例を表すフローチャートである。 本発明に係るX線CT装置の第2の実施の形態の変形例の動作を説明するための概略説明図である。
符号の説明
1 ガントリ
2 スリップリング機構
3 制御装置
4 回転駆動部
5 寝台
7A〜7C 直線駆動部
11、21、31 高電圧発生部
12、22、32 X線管球
13、23、33 X線検出器
14、24、34 データ収集部
40 主制御部
41 画像記憶部
42 変位検出部
43 CT値算出部
44 特徴値抽出部
45 変位算出部
46 情報記憶部
50 スキャン制御部
60 補正処理部
61、62、63 データ補正部
70 前処理部
80 画像再構成部
91 表示部
92 操作入力部
F コインファントム
Fa ROI
D1、D2、D3 CT値の分布
P1、P2、P3 特徴値

Claims (6)

  1. X線管球とX線検出器とが被検体を挟んで互いに対峙して配設されてなるスキャン系が複数個前記被検体の体軸方向に配列されたX線CT装置であって、
    該複数のスキャン系のそれぞれを前記被検体の周囲にて回転させる回転駆動手段と、
    該回転される前記複数のスキャン系のそれぞれにより得られるX線のオブジェクトデータを収集する複数のデータ収集手段と、
    該複数のデータ収集手段によりそれぞれ収集された前記X線のオブジェクトデータに基づいて画像を再構成する画像再構成手段と、
    前記複数のスキャン系の前記被検体の体軸方向の相対的な変位を検出する変位検出手段と、
    被検体について前記複数のデータ収集手段のそれぞれにより収集された前記X線のオブジェクトデータの体軸方向における変位を、前記検出された前記相対的な変位に基づいて補正するデータ補正手段と、
    を備え、
    前記画像再構成手段は、前記補正された前記X線のオブジェクトデータから得られる投影データを合成して、前記被検体の画像を再構成し、
    前記変位検出手段は、
    前記複数のスキャン系のそれぞれにより前記検出された前記X線のオブジェクトデータを基に前記再構成された画像に基づいて、前記複数のスキャン系のそれぞれに対応する、前記体軸方向におけるCT値の分布を算出するCT値算出手段を備え、
    該算出された前記複数の前記CT値の分布におけるCT値の最大値の前記体軸方向における相対的な変位に基づいて、前記複数のスキャン系の前記相対的な変位を検出する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  2. X線管球とX線検出器とが被検体を挟んで互いに対峙して配設されてなるスキャン系が複数個前記被検体の体軸方向に配列されたX線CT装置であって、
    該複数のスキャン系のそれぞれを前記被検体の周囲にて回転させる回転駆動手段と、
    該回転される前記複数のスキャン系のそれぞれにより得られるX線のオブジェクトデータを収集する複数のデータ収集手段と、
    該複数のデータ収集手段によりそれぞれ収集された前記X線のオブジェクトデータに基づいて画像を再構成する画像再構成手段と、
    前記複数のスキャン系を被検体の体軸方向にそれぞれ独立に移動させる複数の移動手段と、
    前記複数のスキャン系の前記被検体の体軸方向の相対的な変位を検出する変位検出手段と、
    該検出された前記相対的な変位に基づいて前記複数の移動手段を制御し、前記複数のスキャン系の前記体軸方向における位置ずれを補正する制御手段と
    を備え、
    前記変位検出手段は、
    前記複数のスキャン系のそれぞれにより前記検出された前記X線のオブジェクトデータを基に前記再構成された画像に基づいて、前記複数のスキャン系のそれぞれに対応する、前記体軸方向におけるCT値の分布を算出するCT値算出手段を備え、
    該算出された前記複数の前記CT値の分布におけるCT値の最大値の前記体軸方向における相対的な変位に基づいて、前記複数のスキャン系の前記相対的な変位を検出する、
    ことを特徴とするX線CT装置。
  3. 前記変位検出手段は、ファントムについて前記複数のデータ収集手段のそれぞれにより収集されたX線のオブジェクトデータに基づいて、前記複数のスキャン系の前記相対的な変位を検出する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のX線CT装置。
  4. 前記ファントムは、前記体軸方向に厚さ方向を向けて配置されるコインファントムである、
    ことを特徴とする請求項に記載のX線CT装置。
  5. 前記複数のスキャン系をパルス信号によって、前記体軸方向にそれぞれ独立に移動させる複数の移動手段と、
    該複数の移動手段のそれぞれによる前記スキャン系の単位パルス信号に対応する移動距離で算出される単位移動量を示す移動量情報をあらかじめ記憶する記憶手段と、
    を更に備え、
    前記データ補正手段は、前記変位検出手段により検出された前記相対的な変位と、前記記憶手段に記憶された前記移動量情報とに基づいて、前記収集された前記X線のオブジェクトデータの前記変位を補正する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  6. 前記複数のスキャン系をパルス信号によって前記体軸方向にそれぞれ独立に移動させる複数の移動手段と、
    前記複数の移動手段のそれぞれによる前記スキャン系の単位パルス信号に対応する移動距離で算出される単位移動量を示す移動量情報をあらかじめ記憶する記憶手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記変位検出手段により検出された前記相対的な変位と、前記記憶手段に記憶された前記移動量情報とに基づき前記複数の移動手段を制御し、前記複数のスキャン系の前記位置ずれを補正する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のX線CT装置。
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