JP4890262B2 - チタン合金微細構造の精製方法および高温、高い歪み速度でのチタン合金の超塑性の形成 - Google Patents

チタン合金微細構造の精製方法および高温、高い歪み速度でのチタン合金の超塑性の形成 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
(関連出願の相互参照)
本願は、2003年12月11日に出願された、「チタン合金微細構造の精製方法および高温−高い歪み速度でのチタン合金の超塑性の形成」と表題された米国特許仮出願番号60/528、660(その全体が本明細書中に参考として援用される。)に対して権利を主張する。
(連邦政府によって資金援助された研究に関する記述)
本発明は、その少なくとも一部が、契約番号F33615−03−D−5801の元で米国空軍によってなされたものである。合衆国政府は、本発明における正当な権利を有し得る。
(発明の背景)
多くの適用のために、チタン合金の粒径は、小さくなければいけない。しかし、チタン合金の粒径を減少させるプロセスは、多くの反復した処理工程が必要とされ、時間と経費との両面において不利益なものである。これらのチタン合金の半完成品および完成品を製造するために慣用的に使用されるTMP工程の手順を、TMP工程によって作製される微細構造と共に図1に示す。TMP工程は、インゴット崩壊、変換および仕上げの代表的な3つの処理を包含する(図1(a))。インゴット崩壊の目的は、粗悪な鋳放し微細構造を崩壊させ、精製されたプリβ(prior beta)の粒径を有する層状構造を得ることである。変換処理は、層状微細構造(図1(b))の等軸粒子(図1(c))への崩壊と同時に生じる、インゴットの粉砕生成物(例えば、ビレット状の生成物、板状の生成物、および桿状の生成物)への変換を包含する。これは、図1(d)に示したコギング(展伸鍛錬)のような処理を用いる大規模な変形(75%を超える減少)によって達成される。ビレットが単一のコギング工程において損傷することなく耐え得る変形量は、上記の量より非常に少ない。そのため、α+β相領域において、この機械的な加工工程を数多く反復することが求められる。仕上げ処理は、所望の最終的な微細構造を得るために適切な加熱処理を用いるα+β処理またはβ処理を包含する。インゴット崩壊の後に生成される層状微細構造は、高強度および高い破壊靱性を示すのに対し、変換工程の後に生成される等軸微細構造は、低周期で疲労を負荷する条件下でのクラック発生に対する、優れた延性および抵抗性を有する。その延性および抵抗性のいずれもが、破壊−臨界構造の成分に必要である。このように、チタン合金の大多数に使用されるTMP手順でのインゴット崩壊工程および変換工程は、不可欠であるが、かなりの時間(14〜16時間)を浪費する。したがって、微細構造の精製のための改善された方法が必要とされている。この改善された方法は、多数の反復処理工程を減少または削除し、それにより、成分の製造における費用およびリードタイムを削減するが、必要な微細構造の制御を維持する。このようなプロセスは、改善された微細構造の精製を提供し、より手ごろなチタン成分の製造を行うことができる。
超塑性は、造詣物が伸長(伸び率200%を超える)における大きな変形に対して破損することなく耐えるための、物質の有する能力であり、典型的には、微細な粒径(10μm未満)の物質によって示される。チタン合金は、急速な粒子成長のために、モノリシックなβ相領域における高温での細粒の超塑性を示さない。チタン合金においてより高い温度で超塑性を達成する能力が必要である。これによって、より小さな容量のプレスを用いて、増強された機械的特性を有する複雑な形状(網状または網状に近い形状)を効果的に形成することが可能になる。さらに、慣用的な超塑性と比較してより高速での超塑性を達成することが必要である。これによって、精製したチタン合金生成物の生成率がかなり向上する。
(発明の概要)
(チタン合金における微細構造の精製)
チタン合金における微細構造を精製する方法が、本明細書中に提供される。本発明の方法は、ホウ素含有チタン合金を熱加工処理(TMP)に供する工程を包含し;チタン合金においてきめの細かい微細構造が、単一のTMP工程の後に達成される。生じたチタン合金は、微細でありかつ等軸の粒子構造を有しており、次いで、所望の形状を生成するために、1回以上のさらなるTMP工程に供され得る。TMP工程は、慣用的なTMP工程であってもよい。しかし、本発明の方法は、以下の点で従来の方法と異なる:細粒でありかつ等軸の構造を達成するために単一のTMP工程のみが必要とされるが、従来の方法は、同様の粒子構造を達成するためにTMP工程の多くの反復が必要である。本明細書中に記載される方法において使用され得るチタン合金は、従来のチタン合金および新たなチタン合金を含んでいる。
別の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、(a)ホウ素含有チタン合金を生成するためにチタン合金にホウ素を添加する工程と、(b)ホウ素含有チタン合金を熱加工処理(TMP)に供する工程と、を包含し;チタン合金におけるきめの細かい微細構造が、単一のTMP工程の後に達成される。チタン合金は、TMP工程の後に、細粒でありかつ等軸の構造を有する。従来は、この構造は、繰り返しTMP工程を行ってのみ達成され得た。1つの実施形態において、ホウ素は、液体状態でチタン合金に添加され得る。このとき、ホウ素は、液体のチタン合金に完全に溶解される。第2の実施形態において、ホウ素は、原料粉末のような固形粉末の混合を介してチタン合金に添加され得る。チタン合金にホウ素を添加するために用いられるプロセスに関わらず、ホウ素は、ホウ素元素、TiB、またはホウ素を含む適当なマスター合金として添加される。ホウ素は0.01重量%〜18.4重量%の範囲内で添加され得る。いくつかの実施形態において、ホウ素は、0.5重量%〜1.6重量%の範囲内でチタン合金に添加される。
さらに、β相での超塑性を達成するための方法が提供され、本方法は、β相での歪み速度および温度の条件下で合金を変形させる工程を包含し、この条件は、特定のチタン合金およびホウ素の量に相関する。変形条件、すなわち、温度および歪み速度は、特定のホウ素含有チタン合金についての微細構造メカニズムマップを準備することによって、当業者によって容易に決定され得る。また、チタン合金部品を形成する方法も提供され、本方法は、ホウ素含有チタン合金を選択する工程と、β超塑性を達成するために必要な温度および歪み速度を決定する工程と、所望の形状に合金を変形するために十分な温度および歪み速度をホウ素含有チタン合金に適用する工程と、を包含する。これらの方法によって調製される部品もまた提供される。
本明細書において、チタン合金中にTiB凝結物を形成させる方法が提供される。1つの方法において、ホウ素は、液体状態で合金に添加される。ホウ素溶液は、ホウ素元素、TiB、ホウ素含有合金、およびこれらの組合せからなる群より選択され得る。次いで、この溶液は、生成物の型またはビレットにキャストされても、粉末に変換されてもよい。ホウ素含有チタン合金粉末は、単一方向圧縮、真空ホットプレス成形法、熱間等静圧圧縮成形などのような慣用的な圧縮技術、または他の新たな圧縮技術を介して固められ得る。
第2の方法では、固形ホウ素粒子を固形チタン合金粒子と混合することによって、ホウ素含有チタン合金が形成され、本方法は、ホウ素−チタン合金混合物中において粒子が均一に分布するまで固形チタン合金粒子と固形ホウ素粒子とを混合する工程と、均一に分布したホウ素−チタン合金混合物をガス抜きする工程と、ホウ素をチタンと反応させるために、均一に分布したホウ素−チタン合金混合物を加熱する工程と、反応後の粉末を固める工程と、を包含する。ホウ素粉末は、ホウ素元素、TiB、ホウ素含有合金、およびこれらの組合せからなる群より選択される。生成したホウ素含有チタン合金は、適切な温度および歪み速度の適用によって、β相において超塑性に変形し得る。
チタン合金中のホウ素の量は、0.01重量%〜18.4重量%の範囲内であり得る。いくつかの実施形態において、ホウ素は、1.6重量%〜2.9重量%のレベルで合金中に存在している。本明細書中に記載される、チタン合金のβ相における超塑性を達成する方法は、ホウ素含有チタン合金を用いて開始することによって、ホウ素添加工程なしに行われ得る。
本明細書中に記載される方法によって作成されるチタン部品もまた、提供される。
(発明の詳細な説明)
(チタン合金微細構造を精製する手ごろな方法)
チタン合金における微細構造精製は、強度の均衡、延性、および損傷に対する耐性のバランスを得るために、チタン合金成分の形状を形成する際に不可欠な工程である。従来、上記バランスを得ることは、粗悪な鋳放し微細構造を崩壊させるため、およびビレット変換の間に層状微細構造を等軸形態に変換するために、数時間にわたる高温で大規模な機械的加工により達成されている。本明細書において、ホウ素の添加を最小限の熱加工処理と組み合わせることによる、チタン合金微細構造を精製するための新たな方法が、提供される。ホウ素の添加は、微細なほう化チタン(TiB)凝結物の形成を生じさせ、ホウ素の添加は、高温での粒子成長を制限するだけでなく、熱加工処理の間の微細な等軸の粒子の核生成および成長を補助する。本明細書中に記載される方法は、合金微細構造の成長(evolution)に対するTiB凝結物の影響を、最小限の熱加工変形処理と組み合わせて利用することによって微細構造の精製を達成した。これによって、典型的には、従来のインゴット崩壊およびビレット変換の操作の間に必要とされた、いくつかの長い処理工程を減少または削除することが可能である。本発明は、リードタイムを顕著に減少させ、精製したチタン合金製品の価格を改善して安価にする。
チタン合金は、力学的特性および物質的特性の独特な組合せを示し、これらの特性は、チタン合金を種々の重要な用途に対して好適にする。チタン合金の鋳放し微細構造は、極めて粗悪であり、構造的用途に求められる特性(強度、延性、および損傷耐性など)に適合させるために精製されなければならない。特性の所望のバランスは、微細構造の制御によって得られ、慣用的には、多くの熱加工処理(TMP)手順(ビレット加熱および機械的変形を含む)を数時間にわたって何度も繰り返すことによって達成される。本明細書中に記載される方法の目的は、ビレットを長く、反復性のTMPに供することなく、微細構造の精製を達成するための、先行技術に対する新たな改善を説明することである。本明細書に記載される方法は、少量のホウ素をTi合金に添加する工程を包含する。この工程は、微細なTiB金属間化合物の凝結物の形成を引き起こし、引き続く熱加工処理の間の合金微細構造の成長に対する該凝結物の影響を利用する。TiB凝結物は、高温での粒子成長を制限し、単一のTMP工程を用いてきめの細かい微細構造を生成するためにチタン相転移動力学を改変することを補助する。この新たな方法は、再現性および一貫性について首尾よく検証されている。スケールアップした押し出し成形実験および鍛造実験が、複雑な製作条件下で、より大きな成分中にて新しい工程の有効性を実証するために行われている。
本明細書中に記載される方法は、慣用的なチタン合金に関連しかつ新たに開発された合金のために機能することもまた期待されている、微細構造を精製する方法である。合金の組成の全てが、重量パーセントで提供される。これらのチタン合金における半完成品および完成品を製造するために慣用的に使用されるTMP工程についての先行技術の手順が、これらの工程によって生成された微細構造と共に図1に示されている。これらの工程は、インゴット崩壊、変換、および仕上げの代表的な3つの処理を含む(図1(a))。インゴット崩壊の目的は、粗悪な鋳放し微細構造を崩壊させ、精製されたプリβの粒径の層状構造を得ることである。変換処理は、層状の微細構造(図1(b))の等軸粒子(図1(c))への崩壊を併発する、インゴットの粉砕生成物(例えば、ビレット状、板状、および桿状の生成物)への変換を包含する。この変換処理は、図1(d)に例示するように、コギングのような処理を用いる大規模な変形(75%を超える減少)によって達成される。単一のコギング処理においてビレット缶が損傷することなく耐え得る変形量は上記量よりはるかに少ない。そのため、α+β相領域において、この機械的な加工工程を数多く繰り返すことが求められる。仕上げ工程は、所望の最終的な微細構造を得るために適切な加熱処理を用いる、α+β処理またはβ処理のいずれかを包含する。インゴット崩壊後に生成される層状微細構造は、高強度および高い破壊靱性を示すのに対し、変換工程の後に生成される等軸の微細構造は、低周期の疲労負荷条件下でのクラック発生に対して優れた延性および抵抗性を有する。この延性および抵抗性のいずれもが、破壊−臨界構造の成分に必要である。このように、チタン合金の大多数に使用されるTMP手順でのインゴット崩壊工程および変換工程は、不可欠であるが、かなりの時間(14〜16時間)を浪費する。したがって、微細構造の精製のための改善された方法が必要とされている。この改善された方法は、多数の反復処理工程を減少または削除し、それにより、成分の製造における費用およびリードタイムを削減するが、必要な微細構造の制御を維持する。このようなプロセスは、改善された微細構造の精製を提供し、より手ごろなチタン成分の製造を行うことができる。
本明細書中において、本発明者らは、ホウ素修飾後の単一の熱加工処理(TMP)工程によって、精製した微細構造形態をチタン合金中に得る新たな方法を示す。この合金修飾は、慣用的なチタン合金に従来技術を用いる大規模な変形処理工程によってのみ得られた微細構造形態に類似した、精製した微細構造形態の天然の成長を引き起こす。
本明細書中に記載されるように、ホウ素は、微細構造を精製するため、およびこの精製した微細構造を引き続くTMPの間にわたって保持するために、任意のチタン合金に添加される。Ti−B合金生成物を生成するために用いられるいくつかの経路を図2の流れ図に示す。ホウ素は、液体状態で、または粉末冶金もしくは関連した技術を介した固形粒子の混合によって、チタン合金に添加され得る。液体状態で添加される場合、ホウ素は液化チタン合金に完全に溶解され、冷却の際に、固形チタン合金からTiB合金相が凝結する。引き続いて、ホウ素修飾された合金は、液体状態からビレットまたは生成型にキャストされても、従来の任意の粉末変換技術または新たな粉末変換技術を介して粉末に変換されてもよい。この方法において生成されたホウ素含有チタン合金粉末は、慣用的な技術または改変された技術によって圧縮および/または形成され得る。ホウ素が固形粒子の混合物にて添加される場合、ホウ素を確実に均一に分布させるために、適切な混合処理が要求される。次いで、混合された粉末は、(不純物を除去するための)適切なガス抜き工程、(安定なTiB粒子の形成を可能にするための)熱処理工程、および圧縮(consolidation)工程に供される。上記の処理のいずれにおいても、圧縮されたホウ素含有チタン合金ビレットは、所望の形状に生成するために、さらなるTMPに供され得る。しかし、望ましい微細構造を生成するために要求されるTMPの回数は、従来の方法と比較して劇的に減少している。
液体状態処理または粉末冶金技術のいずれにおいて、ホウ素は、ホウ素元素、TiB、またはホウ素を含む任意の適切なマスター合金として添加され得る。本明細書中に記載される粒子精製効果は、合金Ti−6Al−4V中の大部分において0.5〜1.6%のホウ素レベルが確認されている。本明細書中に記載される方法にしたがって、添加されるホウ素の量は、合金の組成のような因子に依存して、最低0.01%〜最高18.4%であり得る。
いくつかの実施形態において、チタン合金に添加されるホウ素の量はほんの微量である。ほとんどの実施形態において、添加されるホウ素の量は0.01%から18.4%の範囲内である。いくつかの実施形態において、添加されるホウ素の量は0.01%から0.05%の範囲内である。他の実施形態では、添加されるホウ素の量は0.01%から0.1%の範囲内である。他の実施形態では、添加されるホウ素の量は0.1%から0.5%の範囲内である。他の実施形態では、添加されるホウ素の量は0.5%から1.6%の範囲内である。さらに他の実施形態では、添加されるホウ素の量は1.6%から2.9%の範囲内である。さらに、チタン合金に添加されるホウ素の量は、0.01%から18.4%の範囲内(0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、18.4%までを含む。)であり得る。本明細書中に記載される方法を用いて、特定の合金についての適切なホウ素の量は、当業者によって直ちに決定され得る。
例えば、合金Ti−xBのいくつかの実施形態において、xは0.02%から0.4%の範囲内であり;1つの実施形態においては、xが0.02%であり;別の実施形態においては、xが0.1%であり、なお別の実施形態においては、xが0.4%である。Ti−64−xBのいくつかの実施形態において、xは0.02%から1.0%の範囲内であり;ここで、特定の実施形態では、xが0.02%、0.05%、1.0%、0.4%、1%である。別の実施形態は。
これらの実施形態が、例示された。
(鋳造方法)
本発明の実施例として、900℃で1時間のトリプルコンシューマブル(triple consumable)アーク溶解および平衡押圧により作製された鋳造Ti−6Al−4V−0.5Bは、PPC Structurals,Inc.,Portland,ORから供給された。ホウ素を、液体の融解物中に完全に溶解しかつ凝固する間にインサイチュでTiBを形成するTiBの形態で、合金融解物に添加した。鋳造ビレットの寸法は、直径75mm、高さ125mmである。生じた微細構造を、図3(a)に示す。図3(a)は、完全な層状チタン合金微細構造においてTiB凝結物が均一に分散していることを示す。このビレットを、1100℃に加熱し、1時間均熱均熱し、260℃に加熱したチャンバー内で6.35mm s−1のラム速度で押し出し比が16.5:1の円錐状の金型を用いて押し出し成形した。押し出し成形後の微細構造を図3(b)に示す。図3(b)は、2μmの粒径を有する完全に等軸の形態を示している。等軸の微細構造を、本発明の方法における鋳造後のちょうど約1時間の処理時間で得る。一方で、同様の微細構造を生成するために従来の方法を用いると、数時間かかる。
(プレ合金化粉末方法)
不活性ガス(アルゴン)噴霧によって調製したTi−6Al−4V−1.6Bのプレ合金化粉末を、Crucible Reaserch Corporation, Pittsburgh, PAから調達した。融解物へのホウ素の添加を、液体の融解物中に完全に溶解しかつ凝固する間にインサイチュでTiBを形成するTiBの形態で行なった。溶解手順は、適量の原料(Ti、Al−V、およびTiB)が溶解している、水冷した銅製のるつぼにスカル(チタン合金製)を導入する工程を包含した。Ti−6Al−4V−1.6B粉末をふるいにかけて、−100メッシュサイズの画分(150μmのメッシュ開口サイズ)を得た。粉末粒子の代表的なミクロ構造の切断面を図4(a)に示す。図4(a)は、短いほお髭形態の微細なTiB凝結物の存在を示している。
約1kgの入手した粉末を、直径70mm、長さ130mmの厚肉(6.35mm)のTi−6Al−4V缶の内側に詰めた。粉末を、300℃で24時間真空ガス抜きし、密封した。缶を、減摩、および酸化による損害を最小限とするためにガラスで覆い、1200℃まで加熱し、1時間均熱し、次いで260℃に加熱した押し出しチャンバー内で出口のない金型での圧縮(blind−die compaction)(BC)に供した。ビレットの高さは、6.35mm s−1のラム速度にて約30%減少した。この圧縮を、180秒間にわたって1400MPaの圧力で維持し、次いで、室温にまで空冷した。粉末圧縮後の微細構造を、図4(b)に示す。図4(b)は、等軸の粒子構造を示す。従来の方法でこの精製したミクロ構造を得るためには、圧縮後の2つの相領域において多数の処理が必要であるが、この新たな方法では、圧縮工程自体が微細構造精製だけでなく完全な密度を達成するに十分である。
圧縮したビレットを、以下の処理スケジュールを用いる押し出し成形に供した;1100℃に加熱し、1時間均熱し、6.35mm s−1のラム速度で押し出し比が16.5:1の円錐状の金型を用いてラウンドトゥラウンド(round−to−round)押し出し成形し、そして室温にまで空冷した。押し出し成形する前のビレット、押し出し成形した桿状物、および押し出し成形した後の微細構造を図5に示す。図5(c)に示す押し出し成形したTi−6Al−4V−1.6B微細構造は、完全な等軸微細構造であり、一方、同一の処理条件に供したTi−6Al−4V缶素材の微細構造は、2〜3mmのプリβの粒径の有する非常に粗悪な層状微細構造を示す。図5(c)は、明らかに、最小限の回数のTMPにて微細かつ等軸の粒子構造を生成しかつ安定化することにおいて、少量のホウ素の添加による効果を示している。
微細構造の精製が本明細書において記載される方法において達成されることのメカニズムは、従来使用されているものと大きく異なる。第1に、βトランザス(β変態点)を超える温度を含む非常に高い温度で処理した後の粒子成長の欠如は、明らかに、ホウ素化合物が粒子境界を効果的に固定していることを示している。ホウ素化合物の非存在において、βトランザスより高い温度にて迅速な結晶粒粗悪化が発生する。第2に、βトランザスを超える温度から冷却した後でさえ、他の方法を用いた際に典型的に観察される層状微細構造以外の等軸の粒子形態は、明らかに、チタン合金における動的な相変態に対するホウ化物の影響を示している。微細な第2相の凝結物(本発明の場合はほう化チタン)が、異種の核形成部位として機能するだけではなく、マトリクス中で多数の転位を生成し、α相でさらなる異種の核形成を刺激して等軸の粒子の形成を導く、と考えられる。
本明細書中に記載される微細構造の新たな精製処理を首尾よく実施することは、チタン合金における微細構造の成長に対するホウ素の影響を適切に理解することに依存する。本明細書において請求する微細構造精製を生成する温度および歪み速度の特定の条件は、各合金の組成、開始する微細構造、および利用される特定の金属加工工程によって変動する。歪み速度パラメータおよび温度パラメータは、チタン合金中に精製した微細構造をえるためにの、具体的な各構成および開始する微細構造に対して当業者によって容易に最適化され得る。チタン合金に最低限0.01%のホウ素を添加することによって、熱加工処理中に微細構造精製が可能であるTiB凝結物の形成を引き起こす。チタン合金中に精製した微細構造を得るために添加されるべきホウ素の量は、合金の組成および熱加工処理パラメータに依存し、当業者によって容易に最適化され得る。
(検証実験)
新たな微細構造精製処理を検証するために、10000kNの効力を有する水圧プレスを用いて鍛造試験を行った。Ti−6Al−4V−1.6Bプレ合金化粉末を、直径70mm、長さ130mmのTi−6Al−4V缶に充填し、ガス抜きし、そして真空封入した。この粉末を、1200℃で単一方向に圧縮することによって固め、ビレットの高さを約30%減少した。圧縮後、缶素材を、機械加工により除き、ビレットを鍛造試験に用いた。ビレットを1100℃に加熱し、1時間均熱し、そして直径133mm、厚さ19mmの円盤状を得るために8.5mm s−1のラム速度で鍛造した。ビレットおよび鍛造した円盤の写真を、この鍛造物の微細構造と共に図6に示す。全く欠損のない、非常にきめの細かい、等軸微細構造が記録されている。この実験は、製造環境に存在する複雑な条件下で、より大きなサイズの成分を生成するために行われ得るホウ素修飾チタン合金の熱加工処理による、新たな微細構造精製法を示している。
この新たな方法は、いくつかの、冗長かつ高価なインゴット崩壊工程および変換処理工程を、減少または削除している。これにより、チタン合金成分製造の処理費用およびリードタイムは、大きく減少する。
本明細書中に記載される方法は、単一の熱加工処理工程において精製した微細構造を得る能力を有し、小さなサイズの鋳放しインゴット(cast ingot)を用いて網状に近い形状を作製することができ、これにより、材料の消耗を最小化し、さらなる費用節約を提供する。
ホウ素は、単に、他の合金化元素と同様に、チタン合金融解物に添加され得るので、素材費用を増加させない。さらに、従来の熱加工処理技術は、微細構造精製を得るために用いられ得る。
高温で処理する能力は、より小さな容量のプレスおよび低価格な金型を用いる高温加工操作を行うために有利に用いられ得る変形応力を顕著に低減する。
(チタン合金の高温−高い歪み速度での超塑性の形成)
超塑性は、造詣物が伸長(伸び率200%を超える)における大きな変形に対して破損することなく耐えるための、物質の有する能力であり、典型的には、微細な粒径(10μm未満)である物質によって示される。一般に、チタン合金は、急速な粒子成長のために、モノリシックなβ相領域における高温での細粒の超塑性を示さない。本明細書中に記載される方法を使用して、超塑性は、モノリシックなβ相領域における粒子成長を制限することによって、チタン合金のβ相領域において達成される。本明細書中に記載される手順は、熱処理工程中における合金微細構造に対するホウ素添加の影響を利用する。ホウ素添加に起因して形成するほう化チタン(TiB)凝結物は、β粒子成長を制限し、変形温度での微細な等軸のβ粒径を安定化し、これにより、超塑性を可能にする。より高温で超塑性を達成する能力は、より小さな容量のプレスを用いて、増強された機械的特性を備えた、網状または網状に近い複雑な形状の効果的な形成を可能にする。β超塑性もまた、従来の超塑性と比較して、2〜3桁高い歪み速度で生じ、精製したチタン合金製造物の生成速度をかなり増加させる。
多くの工業用の処理は、広範な適用についてのチタン合金構造部品を製造するために超塑性形成を使用する。超塑性形成は、中程度のプレス容量を用いて、精密な寸法公差を有する複雑な形状を形成する能力を提供する。多くのチタン合金が超塑性を示すことは周知である。しかし、これらの合金が超塑性を示す温度は、比較的低温であり、したがって、形成速度は低い。これにより、超塑性形成の適用は、わずかな高性能の適用に限定されている。βトランザスと呼ばれる、チタン合金がモノリシックなβ相に変態する温度より高温では、原子の分散速度が異常に高いために、極度に急速な粒子成長が生じ、これにより、これらの合金を超塑性の流動(superplastic flow)について不適切なものとする[1]。本明細書中に記載される超塑性を可能にする方法の目的は、ホウ素の添加によりチタン合金のβトランザス以上の温度で細粒構造を保つこと、ならびにより速い形成速度、より低い変形応力、よりよい化学的な均質性、および欠損が全くないよりよい微細構造制御というさらなる利点を有して超塑性変形を可能にするように調整された処理条件の組合せに基づいて形成することである。
超塑性は、造詣物が伸長(伸び率200%を超える)における大きな変形に対して破損することなく耐えるための、物質の有する能力である。このふるまいは、通常10μm未満の微細な粒径の物質によって示され、これらの物質は、0.5Tより高い温度で緩やかな歪み速度(10−3−1未満)にて変形される。Tは、ケルビン温度における融点である。低い変形応力および塑性変形の高い均一性によって特徴付けられる超塑性変形は、塑性の形成のために発達した技術と類似した技術を用いて成分を形成することに、工業的な興味をかなり導いている。超塑性により形成した部品は、とりわけ航空宇宙産業において多く用いられている。例えば、F15E戦闘機後部の再設計は、従来のシート形成およびリベットデザインに代わって超塑性形成された構造および分散結合された構造が用いられている。これによって、726個の細かい部品および1000個の締め具が削除された。したがって、航空機の価格は安価になり、保全性が向上した[2]。超塑性形成は、航空エンジンの中空のファンやコンプレッサーの刃および宇宙船の球体の燃料タンクのような複雑な形状の製造にも首尾よく使用される[2]。表1は、いくつかの従来のTi合金の超塑性特性である[1]。従来のチタン合金における超塑性は、βトランザス未満の温度においてのみ見られ得た。βトランザスより高温では、急速な粒子成長が生じ、超塑性のための重要な必須条件(すなわち、微細な粒径)を無効にする。チタン合金における従来の超塑性もまた、表1に示すような低い歪み速度の範囲に制限されている。高い歪み速度の超塑性(10−2−1より速い)は、改善された特性を有する生成速度の顕著な増加に起因する、工学材料の形状形成に大きな技術的重要性を有している。精製された微細構造をモノリシックなβ相領域に導入および保持する能力、ならびにチタン合金のβ相領域における高温条件および高い歪み速度条件での超塑性は、本明細書中に記載される方法を用いて達成され得る。
本明細書中に記載される方法を用いて、チタン合金は、ホウ素添加によってβ相領域において超塑性を変形させることができ、合金微細構造の安定性および熱加工応答に対する超塑性の影響の利点を得ることができる。これらの方法を用いて、超塑性は、従来の方法において観察される歪み速度より2〜3桁高い歪み速度で達成され得る。ここで、本発明者らは、Ti−6Al−4V(全成分は重量%で示している)に1.6〜2.9%のホウ素で修飾した、最も重要なチタン合金の具体的な観察に基づいて、超塑性がβ相領域においてどのようにして実現し得るのか、そして特定の温度−歪み速度条件下で超塑性がどのようにして変形しているのかを説明する。本明細書中に記載される方法は、ホウ素添加は最低0.01%〜最高18.4%であり、広範な種々のチタン合金に適用可能である。なお、ホウ素添加の割合は、合金の組成および合金の熱加工応答に依存して決定する。
いくつかの実施形態では、チタン合金に添加されるホウ素はほんの微量である。ほとんどの実施形態において、添加されるホウ素の量は0.01%から18.4%の範囲内である。一部の実施形態において、添加されるホウ素の量は0.01%から0.05%の範囲内である。他の実施形態において、添加されるホウ素の量は0.01%から0.1%の範囲内である。他の実施形態において、添加されるホウ素の量は0.1%から0.5%の範囲内である。他の実施形態において、添加されるホウ素の量は0.5%から1.6%の範囲内である。さらに他の実施形態において、添加されるホウ素の量は1.6%から2.9%の範囲内である。さらに、チタン合金に添加されるホウ素の量は、0.01%から18.4%の範囲内(0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、18.4%までを含む。)であり得る。
ホウ素は、液体状態で、または粉末冶金もしくは関連した技術を介した固形粒子の混合によって、チタン合金に添加される。液体状態で添加される場合、ホウ素は、液状チタン合金に完全に溶解され、冷却の際に固形チタン合金からTiB合金相が凝結する。引き続いて、ホウ素修飾された合金は、液体状態からビレットまたは生成型にキャストされても、従来の任意の粉末変換技術または新たな粉末変換技術を介して粉末に変換されてもよい。この方法において生成されたホウ素含有チタン合金粉末は、慣用的な技術(例えば、単一方向圧縮、真空ホットプレス成形法、および熱間等静圧圧縮成形など)によって圧縮され得る。ホウ素が固形粒子の混合物にて添加される場合、ホウ素を確実に均一に分布させるために、適切な混合処理が要求される。次いで、混合された粉末は、(不純物を除去するための)適切なガス抜き工程、(安定なTiB粒子の形成するためにチタン合金とホウ素を反応させるための)熱処理工程、および圧縮工程に供される。液体状態処理または粉末冶金技術のいずれにおいても、ホウ素は、ホウ素元素、TiB、およびホウ素を含有する適切なマスター合金として添加され得る。上記技術のいずれかによって生成されるチタン合金ビレットは、所望の形状を作製するために、ここで同定された超塑性条件下にて熱加工処理に供され得る。
Ti−6Al−4Vの2つの標準的な合金は、プレ合金化粉末手順によって作製された1.6Bを有するものと、混合元素手順によって作製された2.9Bを有するものであり、これらを使用して、本明細書中に記載される方法を実証する。前者の場合は、TiB粉末を合金融解物に添加し、続いて不活性ガス(アルゴン)噴霧によって粉末を変換することによって作製した。後者の場合は、Ti−6Al−4V粉末、二ほう化チタンおよび工業用純度のTiを必要とされる割合で混合した。プレ合金化粉末および混合した粉末混合物の両方を、直径70mm、長さ130mmの従来のTi−6Al−4V製の厚肉(6.35mm)の缶に詰めることによって圧縮し、300℃で24時間真空ガス抜きし、気密封止した。缶を、1200℃にまで加熱し、1時間均熱し、次いで、260℃に加熱された押し出しチャンバー内で出口のない金型で圧縮した。圧縮を、1400MPaの圧力を180秒間維持し、次いで室温にまで空冷した。圧縮後、高さが30%減少した。混合粉末の場合、インサイチュでの化学反応を確実に完了するために、圧縮したビレットを、次いで、1300℃で6時間のアニーリングに供した。
Figure 0004890262
プレ合金化粉末圧縮の場合は、得た粉末中でのTiB凝結物の形成において、ホウ素がすでに存在している必要はない。図7は、圧縮した物質の後方散乱電子イメージ(BEI)モードにおける走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す。図10(a)は、プレ合金化粉末法によって作製したTi−6Al−4V−1.6Bの微細構造を示し、図10(b)は、混合元素方法によって作製したTi−6Al−4V−2.9Bの微細構造を示す。いずれの場合においても、微細な等軸のα+β微細構造および針状形態のTiB凝結物を観察することができる。粒子成長の制限におけるTiBの効果は、図11に示した顕微鏡写真から明らかである。Ti−6Al−4V−1.6B圧縮物の横断面は、Ti−6Al−4Vのβトランザス(1000℃)を超える1100℃で押し出し成形したことが示されている。この図はまた、ホウ素含有合金の微細構造と同一の圧力条件に供された缶素材(Ti−6Al−4V)の微細構造を示している。この缶素材において、粒子は、非常に大きなサイズ(約1mm)に成長しており、完全な層状微細構造が形成されているであるのに対して、ホウ素含有合金においては、微細構造が約3μmのサイズの等軸α粒子からなる。
等温圧縮試験を、直径10mm、高さ15mmの円筒形の試料を用いて、900〜1200℃の温度の範囲および10−3−1の一定の歪み速度で行った。異なる温度、歪み、および歪み速度で得られた変形応力を、研究された温度範囲および歪み速度の範囲を超える変形メカニズムを確認するために、物質造形の様々な方法[3]を用いて分析した。これらのメカニズムは、変形した試料に対して詳細な微細構造観察を行うことによって検証される。これらの分析に基づいて、Ti−6Al−4V−1.6BおよびTi−6Al−4V−2.9Bの熱処理についての微細構造メカニズムマップが作製し、それぞれ図12(a)および図12(b)に示す。β相領域における超塑性は、ホウ素修飾Ti−6Al−4V合金の両方において確認された。超塑性ドメインは、β領域でのより高い温度だけでなく、チタン合金における超塑性のための従来の歪み速度と比較して、より高い歪み速度(10−1−1以下)にわたっている(表1)。
〔表1:超塑性を示すチタン合金の例[1]〕
Figure 0004890262
超塑性は、細粒サイズが変形温度で維持されることを必要とする粒子境界滑りのメカニズムによって、大部分が生じている。チタン合金へホウ素を添加することにより、TiBチタン凝結物による粒子境界を効果的に固定することを介して、β相領域において安定した細粒が供給されこのことは、変形温度および歪み速度の正しい組合せの下で、粒子境界滑りを可能にする。粒子境界滑りの間の粒子適合性は、チタン合金のβ相領域において例外的に高い、同時発生する適応処理(例えば、分散)によって維持されている。
本明細書中に記載される方法は、モノリシックなβ相領域において、細粒微細構造を作製しかつ維持するために、従来のチタン合金または新たなチタン合金を改変する方法であり、これによって、特定の温度−歪み速度の組合せの下での変形の間に超塑性を可能にする。この細粒サイズの維持は、β相領域において従来のチタン合金または新たなチタン合金の超塑性形成を可能にし、その結果、より低い押力および高い歪み速度の両方が実現される。この向上は、従来のチタン合金または新たなチタン合金に対する、制御されたレベルでのホウ素の添加によって達成される。本明細書中に記載される、最適な超塑性応答を生成する温度および歪み速度の特定の組合せは、各合金の組成、開始時の微細構造および具体的に使用した金属加工工程に応じて変動する。上述した2つの組成において見られるように、超塑性ドメインは、ホウ素含有量、TiB凝結物サイズ、および開始時の粒径に依存して、また、合金を作製するために利用した処理方法に依存して、種々の温度制限および歪み速度制限に広がる。それゆえに、歪み速度パラメータおよび温度パラメータは、チタン合金におけるβ超塑性を達成すために、特定の各構成および開始時の微細構造が最適化されることが必要である。最低0.01%のホウ素のチタン合金への添加は、合金の熱加工応答に対するこれらの凝結物の影響に依存して高温および高い歪み速度での超塑性を可能にする、TiB凝結物の形成を引き起こす。チタン合金におけるβ超塑性を可能にするために添加されるべきホウ素の量は、本明細書中に記載される方法を再生するために最適化された、合金の組成および処理条件に依存する。
(検証試験)
超塑性は、典型的には、伸長において大きな伸び率(約200%)によって特徴付けられる。β相における超塑性の発現を検証するために、犬の骨形状の平坦な試料を用いて、開始時の歪み速度10−3−1および種々の温度で、両方の合金組成について、熱間引張試験を行った。Ti−6Al−4V−1.6Bの破壊される温度に対する伸び率の変動、および試料の写真を、図13に示す。1150℃でのβ相領域において、最大270%の伸び率を記録し、目的のβ超塑性であることを確認した。図14は、異なる2つの開始時の微細構造状態(すなわち、層状および等軸状)における、ホウ素を含有しない従来のTi−6Al−4V合金と比較したTi−6Al−4V−2.9Bの温度の作用として、伸び率を示している。Ti−6Al−4Vの開始時の微細構造はいずれも、βトランザスを超える温度に上昇することで、伸び率が急速に落ちているが、Ti−6Al−4V−2.9Bは、βトランザスを超える温度に上昇することで伸び率が増加する(1200℃で164%の最大伸び率)ことが示されている。これらの検証試験は、チタン合金にホウ素を添加すること、ならびに特定の温度条件下および歪み速度条件下での変形によって、超塑性が、β相領域において高い歪み速度で可能となることを示している。
チタン合金のβ相領域において超塑性を達成する能力は、任意の他の手順では不可能である複雑な形状の形成を可能にする。
β相領域において超塑性を形成する能力は、素材の変形応力を大きく減少することができ、中程度の容量プレスおよび安価な金型を用いて形成操作を有利に行い得る。他の利点としては、均一な金属変形、機械加工の減少、合成した後の残留応力の消失、およびスプリングバックの消失が挙げられる。
β相領域における処理は、増強した分散速度に起因して化学的均一性を改善する。
従来の方法よりも高い歪み速度でのβ超塑性の発生は、処理時間を大幅に短縮し、チタン合金成分の製造の費用を改善する。
チタンに対する超塑性形成処理の汎用性は、これを拡散接合法(固相接合)と組み合わせることによって、増強され得る。
(Ti−B合金)
少量のホウ素の添加で修飾したチタン合金は、室温および中程度に上昇した温度において、特定の高い剛性および強度を要求する構造構成物と置換するための、潜在的な候補として出現する。特性の増強は、微細でありかつ分散したTiB凝結物の形成を介する。ホウ素修飾合金におけるこれらの凝結物は、チタンマトリクスにおいて髭結晶(whisker)(TiBw)がインサイチュで形成される。この髭結晶は、均一にかつ不連続に分布しており、ほぼ等方性の特性、反応性のない(reaction−free)界面、および加工容易性を有する。近年の合成技術の進歩は、これらの合金のコスト効率がよい作製を可能にしている。従来の鋳造、粉末冶金、急速凝固、およびメカニカルアロイングのような様々な技術が、これらの金属の生成に用いられ、そして最終的な微細構造特性(例えば、粒径および形態、TiBのサイズ、形態、ならびに分布)は、処理方法に依存する。変形処理は、捜査する成分の形状形成において不可欠な工程であるだけでなく、微細構造において著しい改変を引き起こし、これらの物質において、広範な増強された力学的性質の組合せが獲得され得る。この章において、異なる2つの粉末冶金方法によって調製された、最も重要なチタン合金であるホウ素修飾Ti−6Al−4Vの変形処理が、記載されている。
900〜1200℃の範囲および10−3〜10s−1の範囲でのプレ合金化粉末方法によって生成したTi−6Al−4V−1.6B圧縮物(等量TiBw体積分率=10%)の熱処理についての処理マップを、図12(a)に示す。このマップは、α+β領域における低歪み速度にて、Ti−6Al−4V−1.6Bが、破壊するまでの大きな伸び率によって特徴付けられる超塑性を示し、その性質は、Ti−6Al−4Vにとてもよく似ている、ということを明らかにする。950℃(開始歪み速度=10−3−1)で335%のピーク延性を記録した。この温度は、この合金に超塑性を形成するために最適な温度である。β相領域において、Ti−6Al−4V−1.6Bはまた、中程度に高い伸び率を有する超塑性のふるまいを示す(1150℃で250%のピーク延性)。TiBwの存在は、細粒サイズを安定化することによりβ超塑性を可能にし、さもなければ、Ti−6Al−4V中において数mmの大きに急速に成長する。粒子境界滑り、およびα/TiBwまたはβ/TiBwの境界面滑りは、同時発生する分散の適応と共に、超塑性メカニズムに寄与すると考えられる。高い歪み速度(>1s−1)では、Ti−6Al−4V−1.6Bは、1000℃未満の温度で断熱歪み帯、1150℃を超える温度で境界面にてキャビテーションを示し、これらの処理条件は、避けるべきである。
粉末混合によって生成したTi−6Al−4V−2.9B圧縮物(等量TiBw体積分率=20%)の熱処理についての処理マップを、図12(b)に示す。皮肉なことに、この合金の変形処理についての安全な処理領域(window)は、非常に制限されている。この合金を熱加工する唯一の領域は、低歪み速度で、β相領域であり、その変形メカニズムは、Ti−6Al−4V−1.6Bと同様に、超塑性または動的回復のいずれかである。TiBw端部でのキャビテーションの形態で出現し、いくつかの環境において髭結晶構造を導く、大きな型の不安定性(a large regimen of instability)が生じる。これらの欠点の強度は、歪み速度の増加および温度の低下を伴って増加する。Ti−6Al−4V−2.9Bと、Ti−6Al−4V−1.6Bとの間の重要な差異は、前者において、TiBの容量比、粗悪なTiBサイズ、および粗悪なα粒径が増加されることである。Ti−6Al−4V−2.9Bにおけるキャビテーションおよび髭結晶の出現は、基質変形によって硬いTiBwで生成した圧力の不十分な適応の結果であると考えられる。したがって、微細構造特性に気を配ることにより、ホウ素修飾したチタン合金を処理する間に注意を払うべきである。
本明細書中に提供される実施例は、例証の目的のみで提供され、いかなる場合においても特許請求の範囲を制限することは意図されない。
(a)は、チタン合金に使用される典型的な熱加工処理の手順であり、(b)は、インゴット崩壊後に生じる層状微細構造であり、(c)は、変換後に生成される等軸微細構造であり、(d)は、チタン合金変換に使用される典型的なコギング手順である。 Ti−B合金生成物を作製するための典型的な手順を示すフローチャートである。 Ti−6Al−4V−0.5Bの後方散乱SEM顕微鏡写真であり、(a)は、鋳放し+HIPであり、(b)は、1100℃での押し出し成形後である。 Ti−6Al−4V−1.6Bの後方散乱SEM顕微鏡写真であり、(a)は、得られた粉末粒子の切断面であり、(b)は、1200℃での粉末圧縮後である。 (a)は、圧縮したTi−6Al−4V−1.6Bの写真であり、(b)は、桿状に押し出したものの写真であり、(c)は、押し出し成形物の横方向における後方散乱SEM顕微鏡写真である。 鍛造検証試験を示し、(a)は、缶にTi−6Al−4V−1.6B粉末を充填し、ガス抜き後に真空にて封入したものであり、(b)は、ビレット状に固めたものであり、(c)は、缶素材の機械加工後であり、(d)は、鍛造後であり、(e)は、鍛造切断面の微細構造の後方散乱SEM顕微鏡写真である。 鋳造したいくつかのTi−B合金の、調製した組成を示す表である。 CP Ti−xBの微細構造の顕微鏡写真であり、0.02%B、0.1%B、および0.4%Bを示す。 左は、B添加を介したTi−64における粒子精製を示す顕微鏡写真であり、右は、ホウ素の重量%濃度に対するβ粒径(マイクロ単位)を示すグラフである。 SEM BEI顕微鏡写真であり、(a)は、プレ合金化粉末経路によって作製したTi−6Al−4V−1.6Bであり、(b)は、混合元素経路によって作製したTi−6Al−4V−2.9Bである。これらの画像の両方が、圧縮した素材における微細で等軸の粒径およびTiB凝結物を示す。 βトランザスより高い温度での処理の間に、粒子成長を阻害するホウ素添加の潜在的な能力を示す、押し出し成形したTi−6Al−4V−1.6Bおよび隣接したTi6Al−4V缶のSEM BEI顕微鏡写真である。 (a)はTi−6Al−4V−1.6Bの高温加工のための微細構造メカニズムマップであり、(b)はTi−6Al−4V−2.9Bの高温加工のための微細構造メカニズムマップである。 プレ合金化粉末法によって作製したTi−6Al−4V−1.6Bについての、破損するまでに伸ばすことのできる伸び率の、温度による変動である。 (a)は、混合粉末法によって作製したTi−6Al−4V−2.9B、ならびに層状および等軸の始めの微細構造を有するTi−6Al−4Vについての、破損するまでに伸ばすことのできる伸び率の、温度による変動であり、(b)は、伸ばすことのできる試料であるTi−6Al−4V−2.9Bの、変形前および変形後の写真である。 (a)は、900〜1200℃の範囲内および10−3〜10s−1の範囲内において、プレ合金化粉末方法によって作製したTi−6Al−4V−1.6B成形物(等量TiBw体積分率=10%)の熱加工についての処理マップであり、(b)は、粉末の混合によって作製されたTi−6Al−4V−2.9B成形物(等量TiBw体積分率=20%)の熱加工についての処理マップである。

Claims (25)

  1. 等軸の粒子構造を有し、強度、延性、および損傷耐性のバランスがとれたチタン合金を製造する方法であって、
    チタン合金中に微細なTiB金属間化合物の凝結物が形成されるように、Ti−6Al−4V合金にホウ素を添加する工程、
    上記TiB金属間化合物の凝結物が粒子境界を固定し、粒子成長を制限するように、得られたホウ素含有チタン合金をβトランザス温度を超える温度まで加熱する工程、および
    8.5mm s −1 以下のラム速度で、上記ホウ素含有チタン合金を変形させる工程を含み、
    上記ホウ素含有チタン合金は、0.5重量%〜1.6重量%のホウ素を含むことを特徴とする方法。
  2. 上記ホウ素は、溶融しているチタン合金に添加され、その融成物が、上記ホウ素含有チタン合金の粉末を得るために粉化されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 上記ホウ素含有チタン合金の粉末が、単一方向圧縮、真空ホットプレス成形法、または熱間等静圧圧縮成形によって圧縮および/または成形されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 上記ホウ素が、液体状態または粉末状態であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  5. 上記βトランザス温度を超える温度まで加熱された上記ホウ素含有チタン合金を冷却する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 上記ホウ素含有チタン合金を加熱する工程と、上記ホウ素含有チタン合金を変形させる工程とが同時に行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 上記ホウ素含有チタン合金を変形させる工程は、上記ホウ素含有チタン合金を鍛造すること、押出しすること、および圧縮することの少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 上記ホウ素含有チタン合金中の炭素含有量が、0.03重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. チタン合金中に等軸の粒子構造を形成するためにチタン合金を処理する方法であって、
    得られたホウ素含有チタン合金融成物が冷却されたとき、チタン合金中に微細なTiB金属間化合物の凝結物が形成されるように、溶融しているTi−6Al−4V合金にホウ素を添加してホウ素含有チタン合金融成物を形成する工程、
    ホウ素含有チタン合金粉末を形成するために上記ホウ素含有チタン合金融成物を粉化する工程
    上記TiB金属間化合物の凝結物が粒子境界を固定し、粒子成長を制限するように、上記ホウ素含有チタン合金粉末を、当該ホウ素含有チタン合金粉末のβトランザス温度を超える温度まで加熱する工程、および
    上記ホウ素含有チタン合金粉末を加熱する工程は、圧縮されたホウ素含有チタン合金粉末を提供するために、6.35mm s −1 以下のラム速度で上記ホウ素含有チタン合金粉末を圧縮する工程を含み、
    上記ホウ素含有チタン合金は、0.5重量%〜1.6重量%のホウ素を含むことを特徴とする方法。
  10. 上記ホウ素含有チタン合金粉末中の炭素含有量が、0.03重量%以下であることを特徴とする請求項に記載の方法。
  11. 上記ホウ素含有チタン合金粉末を、上記βトランザス温度を超える温度から冷却する工程をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  12. 上記ホウ素含有チタン合金粉末を圧縮する工程は、単一方向圧縮、真空ホットプレス成形法、および熱間等静圧圧縮成形の少なくとも何れか一つを含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  13. 8.5mm s −1 以下のラム速度で上記圧縮されたホウ素含有チタン合金粉末を熱加工処理する工程をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
  14. 上記圧縮されたホウ素含有チタン合金粉末を熱加工処理する工程は、上記圧縮されたホウ素含有チタン合金粉末を鍛造すること、および押出しすることの少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. チタン合金中に等軸の粒子構造を形成するためにチタン合金を処理する方法であって、
    得られたホウ素含有チタン合金融成物が冷却されたとき、チタン合金中に微細なTiB金属間化合物の凝結物が形成されるように、溶融しているTi−6Al−4V合金にホウ素を添加してホウ素含有チタン合金融成物を形成する工程、
    ホウ素含有チタン合金粉末を形成するために上記ホウ素含有チタン合金融成物を粉化する工程、
    上記TiB金属間化合物の凝結物が粒子境界を固定し、粒子成長を制限するように、上記ホウ素含有チタン合金粉末を、当該ホウ素含有チタン合金粉末のβトランザス温度を超える温度まで加熱する工程、および
    上記ホウ素含有チタン合金粉末を上記βトランザス温度を超える温度まで加熱する工程の後に、6.35mm s −1 以下のラム速度で上記ホウ素含有チタン合金粉末を圧縮する工程を含み、
    上記ホウ素含有チタン合金は、0.5重量%〜1.6重量%のホウ素を含むことを特徴とする法。
  16. 上記ホウ素含有チタン合金粉末を圧縮する工程は、単一方向圧縮、真空ホットプレス成形法、および熱間等静圧圧縮成形の少なくとも何れか一つを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. 8.5mm s −1 以下のラム速度で圧縮されたホウ素含有チタン合金粉末を熱加工処理する工程をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
  18. 上記圧縮されたホウ素含有チタン合金粉末を熱加工処理する工程は、上記圧縮されたホウ素含有チタン合金粉末を鍛造すること、および押出しすることの少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 上記ホウ素が、液体状態または粉末状態であることを特徴とする請求項に記載の方法。
  20. チタン合金中に等軸の粒子構造を形成するためにチタン合金を処理する方法であって、
    得られたホウ素含有チタン合金融成物が冷却されたとき、チタン合金中に微細なTiB金属間化合物の凝結物が形成されるように、溶融しているTi−6Al−4V合金にホウ素を添加してホウ素含有チタン合金融成物を形成する工程、
    ホウ素含有チタン合金粉末を形成するために上記ホウ素含有チタン合金融成物を粉化する工程、
    圧縮されたホウ素含有チタン合金粉末を形成するために、上記ホウ素含有チタン合金粉末を圧縮する工程
    上記TiB金属間化合物の凝結物が粒子境界を固定し、粒子成長を制限するように、上記圧縮されたホウ素含有チタン合金粉末を、当該圧縮されたホウ素含有チタン合金粉末のβトランザス温度を超える温度まで加熱する工程、および
    8.5mm s −1 以下のラム速度で上記圧縮されたホウ素含有チタン合金粉末を熱加工処理する工程を含み、
    上記ホウ素含有チタン合金は、0.5重量%〜1.6重量%のホウ素を含むことを特徴とする方法。
  21. 上記ホウ素含有チタン合金粉末中の炭素含有量が、0.03重量%以下であることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  22. 上記圧縮されたホウ素含有チタン合金粉末を、上記βトランザス温度を超える温度から冷却する工程をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
  23. 上記圧縮されたホウ素含有チタン合金粉末を上記βトランザス温度を超える温度まで加熱する工程と、上記圧縮されたホウ素含有チタン合金粉末を熱加工処理する工程とが、同時に行われることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  24. 上記圧縮されたホウ素含有チタン合金粉末を熱加工処理する工程は、上記圧縮されたホウ素含有チタン合金粉末を鍛造すること、および押出しすることの少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
  25. 上記ホウ素が、液体状態または粉末状態であることを特徴とする請求項20に記載の方法。
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