JP4890081B2 - ガラクトマンナン酵素分解物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラクトマンナン酵素分解物の製造方法に関するものである。
ガラクトマンナンは、主鎖のβ−(1→4)マンナン鎖のO−6位からα−ガラクトシル基が結合した櫛状の分岐構造を有する物質であって、飲食品、食品添加物、飼料、飼料添加物、医薬品、工業用資材等の素材として、従来からよく利用されている。また、加水分解処理により低分子化されたガラクトマンナン(即ちガラクトマンナン分解物)は、高分子状態のガラクトマンナンにはない種々の生理作用を有するため、近年特に注目を浴びている(例えば、特許文献1〜3参照)。
例えば、特許文献1には、ガラクトマンナン分解物を有効成分とする腸内環境改善剤に関する技術が開示されている。特許文献2には、ガラクトマンナン分解物を粉末飲料向け腸内有用菌増殖用組成物の製造に用いる技術が開示されている。特許文献3には、ガラクトマンナン分解物を有効成分とする鉄吸収促進剤に関する技術が開示されている。
ところで、ガラクトマンナン分解物はガラクトマンナンを部分的に加水分解することによって得られるが、その一般的な方法としては酵素を用いる方法や希酸を用いる方法等がある。しかし、希酸を用いる方法では、糖鎖がランダムに分解されるので、単糖類、二糖類、オリゴ糖類といった低分子が多く生成されてしまう。それゆえ、所望とする平均分子量及び粘度を有する分解物を得ることができず、目的とする生理作用を得ることができない。これに対して、酵素を用いる方法であれば、ある程度決まった位置で糖鎖が切断されることから、所望とする平均分子量及び粘度の分解物が希酸を用いる方法に比べて得やすくなる。
このような事情の下、上記特許文献1〜3においても、酵素を用いたガラクトマンナン分解物の製造方法が開示されている。具体的には以下のとおりある。まず、水に対して加水分解酵素であるガラクトマンナナーゼと基質であるガラクトマンナンとを添加混合し、pH3.0に調整して40〜45℃で24時間酵素を作用させる。所定時間酵素を作用させた後、加熱して酵素を失活させ、反応を停止させる。その後、濾過分離、減圧濃縮及び噴霧乾燥を順次行って、ガラクトマンナン酵素分解物の粉末を得る。
ちなみに、特許文献1〜3に開示されたものとは異なるガラクトマンナン酵素分解物の製造方法も従来知られている(例えば、特許文献4参照)。具体的にその一例を挙げると以下のとおりである。まず、水に対して加水分解酵素であるβ−マンナナーゼと基質であるガラクトマンナンとを添加混合し、pHをアルカリ性域に調整して約50℃で48時間酵素を作用させる。所定時間酵素を作用させた後、塩酸の添加によって反応液を中和処理して中性域とし、その後加熱して酵素を失活させ、反応を停止させる。この後、濾過、脱塩、濃縮及び凍結乾燥を順次行って、ガラクトマンナン酵素分解物の粉末を得る。
特許第3008138号公報 特許第3441756号公報 特開平6−247860号公報 特許第2753726号公報
ところで、特許文献1〜4には、ガラクトマンナン酵素分解物の生理作用に関する有効性は開示されているが、そのような有効なガラクトマンナン酵素分解物を効率よく製造するための方法が十分に開示されていない。しかしながら、工業的にこれらの技術を利用するためには、所望とする平均分子量及び粘度のものを多く含有するガラクトマンナン酵素分解物の効率的な製造方法の実現が必要不可欠となる。
また、ガラクトマンナン酵素分解物をある程度効率よく製造できたとしても、その品質がよくなければ結局は商品価値に乏しいものとなる。従って、高品質化の達成のためには、例えば分解物粉末の白度の向上、無臭化、無味化、保存性の向上などが必須課題となる。しかし、特許文献1〜4には、高品質なガラクトマンナン酵素分解物を製造するための方法が十分に開示されていない。とりわけ、ガラクトマンナンはマメ科植物種子から採取される材料であるため、植物体が土壌細菌に汚染されていることがあり、仮にその土壌細菌が殺菌されにくい耐熱性細菌である場合もありうる。この場合にはガラクトマンナン酵素分解物の保存性が悪くなり、早期のうちに腐敗等して品質が劣化してしまうおそれがある。とりわけ、特許文献4に記載の製造方法にて得られたガラクトマンナン酵素分解物は保存性が十分であるとはいい難かった。
さらに、製品である酵素分解物が酸性またはアルカリ性である場合、そのまま使用するとなると、使用可能な食品等の範囲が狭くなる(即ち汎用性が低くなる)おそれがある。よって、使用時にpH調整する必要性が生じ、使い勝手が悪くなる。
以上のように、従来のガラクトマンナン酵素分解物の製造方法には多くの課題があったので、これらの課題を解決するための対策が必要とされていた。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、保存性等の品質に優れるとともに所望とする平均分子量及び粘度を有するガラクトマンナン酵素分解物を確実にかつ効率よく得ることが可能なガラクトマンナン酵素分解物の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ガラクトマンナンを含有するマメ科植物種子の胚乳部分をヘミセルラーゼ製剤により酸性域で酵素的に加水分解する第1工程と、前記第1工程を経て得られた溶液の加水分解反応を所定温度に加熱して停止させる第2工程と、前記第2工程の実施後に前記溶液の遠心分離処理を行って未反応物を除去し、次いで精製処理、加熱殺菌処理及び冷却処理をこの順序で行った後、中和処理を行う第3工程とを含み、前記精製処理は、前記遠心分離処理後の溶液に濾過助剤を添加して攪拌した後に濾過を行う処理であり、前記加熱殺菌処理は、前記精製処理後の溶液を120℃〜150℃で1秒間〜6秒間加熱する超高温瞬間殺菌処理であり、前記冷却処理は、前記超高温瞬間殺菌処理後に直ちに常温まで冷却する強制冷却であることを特徴とするガラクトマンナン酵素分解物の製造方法をその要旨とする。
従って、請求項1に記載の発明によると、第1工程を経て得られた溶液の加水分解反応を第2工程にて停止させた後に遠心分離処理を行うことにより、反応液から未反応物が除去されて清澄液が得られる。次に、得られた清澄液を精製処理することにより液中の不純物がさらに除去され、その結果として所望とするガラクトマンナン酵素分解物の純度が高められるとともに、脱臭・脱色が図られる。次に、前記溶液を加熱殺菌処理してから冷却処理することにより、液中に含まれる土壌細菌等の雑菌の繁殖が効果的に抑えられる。そして最後に前記溶液を中和処理することにより、所望とするガラクトマンナン酵素分解物が得られる。このようにして得られたガラクトマンナン酵素分解物はpHが中性域であるため、使用時にpH調整する必要がなくて使い勝手がよく、また、使用可能な範囲も広い。
本発明では、加水分解の後に、遠心分離処理、精製処理、加熱殺菌処理、冷却処理、中和処理等の処理を行うのではなく、それらに先立ってまず加水分解反応を停止させる。このように反応停止を早いタイミングで行うことにより、所望とする平均分子量及び粘度のガラクトマンナン酵素分解物が得やすくなり、その収率を向上させることができる。また、本発明では加水分解から冷却処理までの間、溶液を酸性域に保持しておき最終的に中和処理を行って中性域に戻すようにしている。つまり、中和処理を早いタイミングで行うと雑菌が繁殖しやすくなるが、上記のように中和処理を遅いタイミングで行うことにより、マメ科植物種子に含まれている土壌細菌等の繁殖を確実に抑えることができ、得られるガラクトマンナン酵素分解物の保存性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記マメ科植物種子はグアー豆であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2において、前記ガラクトマンナン酵素分解物は、平均分子量が5000〜30000であり、マンノース直鎖の鎖長が30単位〜200単位の範囲内に80%以上分布しており、かつ、5%水溶液の粘度が、ブルックフィールド粘度計を用いて5℃,60rpmで、Lowローターにて測定したときに5mPa・s〜20mPa・sであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項において、前記第1工程では、pH2.0〜pH6.0で加水分解を行うことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項において、前記第1工程では、50℃〜80℃で8時間〜24時間、または60℃〜80℃で3時間〜12時間加水分解を行うことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項において、前記第2工程では、85℃以上で15分間〜60分間加熱して加水分解反応を停止させることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか1項において、前記第1工程の加水分解を開始してから前記第3工程の冷却処理が完了するまでの間、溶液を酸性域に保つことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか1項において、前記第3工程の実施後に、前記第3工程を経て得られた溶液を濃縮する第4工程を行うことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項において、前記第4工程の実施後に、前記第4工程を経て得られた溶液を乾燥して粉末化する第5工程を行うことを特徴とする。
以上詳述したように、請求項1〜に記載の発明によると、保存性、白度、臭い、味等といった品質に優れるため付加価値が高いとともに、所望とする平均分子量及び粘度を有するガラクトマンナン酵素分解物を確実にかつ効率よく得ることが可能なガラクトマンナン酵素分解物の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を詳細に説明する。
ガラクトマンナンとは、人の消化酵素で消化されない難消化性の粘質多糖類のことを指す。ガラクトマンナンは、例えば、グアービーン、ローカストビーン、タラビーン等といった一部のマメ科植物の種子中に多く含有される成分としてよく知られている。本発明の製造方法では、コスト性等の観点から原料としてグアービーン(グアー豆)を用いることが好ましく、特にはその胚乳部分を選択的に用いることがより好ましい。即ち、種皮などをあらかじめ除去した原材料を用いたほうが、酵素反応を効率よく実施できるとともに、遠心分離処理や精製処理等を確実にかつ少ない負担で行うことができるからである。また、雑菌による汚染のリスクも確実に低減でき、しかも臭い、味、色の低減にも有効だからである。
本発明のガラクトマンナン酵素分解物は、種々の有用な生理作用を有している必要があるため、平均分子量及び粘度の値がそれぞれ所定範囲内であることが望ましい。具体的にいうと本発明のガラクトマンナン酵素分解物は、平均分子量が5000〜30000であり、マンノース直鎖の鎖長が30単位〜200単位の範囲内に80%以上分布しており、かつ、5%水溶液の粘度が、ブルックフィールド粘度計を用いて5℃,60rpmで、Lowローターにて測定したときに5mPa・s〜20mPa・sであることが望ましい。
その理由は、この条件を満たすガラクトマンナン酵素分解物には各種の有用な生理作用が認められるからである。平均分子量が5000未満の場合には、所望とする有用な生理作用を発揮できなくなる。また、平均分子量が30000を越える場合には、所望とする有用な生理作用を発揮できなくなるばかりでなく、粘性が増すことで大量摂取が困難になりかつ水に対する溶解性も小さくなる。それゆえ、ガラクトマンナン酵素分解物の平均分子量は、13000以上かつ27000以下がより好ましく、15000以上かつ25000以下がさらに好ましい。なお、平均分子量の測定方法は特に限定されないが、高速液体クロマトグラフ法を用いて分子量分布を測定する方法等が好適である。この方法によれば分子量分布を比較的簡単にかつ正確に求めることができる。好ましい具体例としては、酵素分解物を水に溶解し、803D型(東ソー株式会社製)の高速液体クロマトグラフィーを用い、水を移動相にしてG3000PW(東ソー株式会社製)のカラムにてゲル濾過を行い、示差屈折計にて検出するという測定方法を挙げることができる。
また、ガラクトマンナン酵素分解物の好ましい鎖長は種類により異なるが、例えば、グアー豆胚乳部分の酵素分解物ではマンノース直鎖の鎖長の範囲が30単位〜200単位、特には30単位〜100単位の範囲内に80%以上分布していることが好適である。このような条件を満たす酵素分解物は、得られる生理作用の程度及び持続性が一般的に高いと考えられるからである。なお、ガラクトマンナン酵素分解物の鎖長とは、当該酵素分解物の主鎖であるマンノースの結合している数を指す。それらの測定法は特に限定されないが、基本的に上記の「平均分子量の測定方法」と同様の方法を採用することができる。例えば、高速液体クロマトグラフ法を用いた測定方法等によれば、当該酵素分解物の鎖長を比較的簡単にかつ正確に求めることができる。
また、上記のようにガラクトマンナン酵素分解物の粘度を5mPa・s未満にしようとすると、平均分子量を好適範囲内に設定することが困難になる場合があるため、好ましくない。また、20mPa・sを超えると、粘性が高くなるため大量に摂取し辛くなり、水に対する溶解性も小さくなる。ゆえに、飲食品、食品添加物、飼料、飼料添加物、医薬品、工業用資材等の素材としての利用を考慮すると、やはり粘度は5mPa・s〜20mPa・sの範囲内であることが望ましい。
本発明の製造方法により得られるガラクトマンナン酵素分解物において、水溶性食物繊維の含有量は、AOAC 985.29に記載の酵素重量法による測定値で65%以上、好ましくは75%以上、最も好ましくは80%以上を示すことがよい。その理由は、水溶性食物繊維の含有量が65%未満であると、種々の生理作用が十分に得られないからである。
本発明の製造方法により得られるガラクトマンナン酵素分解物の性状は特に限定されず、粉末や顆粒等のような固体であってもよく、液体であってもよい。
固体状のガラクトマンナン酵素分解物は通常白色を呈しているが、より好ましくは白度が色差計で測定したときにL値が80〜110、a値が−5〜5、b値が0〜15、特に好ましくはL値が85〜100、a値が−3〜2、b値が3〜10であることがよい。白度が高いと製品自体の外観がよくなることに加え、添加物として使用したときでも被添加物に好ましくない色、味、臭いを着ける心配がないからである。つまり、白度が高くなると確実に付加価値が上がるからである。ここで白度の測定法は限定されないが、例えば従来公知の色差計による測定値に基づいて定める方法等が好適である。この方法によれば白度を比較的簡単にかつ正確に求めることができる。
また、固体状のガラクトマンナン酵素分解物の嵩比重は特に限定されないが、例えば粗密度として0.30g/mL〜0.60g/mL、好ましくは0.35g/mL〜0.55g/mLであることがよい。その理由は、嵩比重が小さすぎると水に対する溶解性が悪くなり、嵩比重が大きすぎると添加量を多くする必要があるため、いずれの場合も生産性低下の原因となるからである。
以下、本発明のガラクトマンナン酵素分解物の製造方法を工程順に詳細に説明する。
第1工程では、マメ科植物種子の胚乳部分を酸性域で酵素的に加水分解する。
この工程で用いられる酵素は、マンノース直鎖を加水分解するヘミセルラーゼ製剤であり、この条件を満たしていれば、市販のものでも天然物由来のものでも構わない。好適なヘミセルラーゼ製剤としては、β−ガラクトマンナナーゼを挙げることができる。なお、β−ガラクトマンナナーゼに他の酵素、例えば、α−ガラクトシダーゼ、酸性プロテアーゼ、β−マンノシダーゼなどを混合してなる製剤を用いて加水分解を行わせてもよい。この場合、具体的にはβ−ガラクトマンナナーゼ、α−ガラクトシダーゼ、酸性プロテアーゼ及びβ−マンノシダーゼの比活性が、2500〜5000:1:2.5〜5:20〜40の比率であることが好ましい。
先に列挙した酵素群(即ち、β−ガラクトマンナナーゼ、α−ガラクトシダーゼ、酸性プロテアーゼ及びβ−マンノシダーゼ)は、Rhizopus属、Aspergillus属、Tricohderma属、Penicillium属、Streptomyces属、Enterococcus属、Vibrio属、Aeromonas属、Bacillus属及びClostridium属のうちから選択される1種又は2種以上の微生物に由来することが好ましい。さらに、上記酵素群は、Rhizopus niveus、Aspergillus niger、Trichoderma reesei、Penicillium purpurogenam、Streptomyces属、Enterococcus caseliflavas、Vibrio属、Aeromonas属、Bacillus属及びClostridium tertiumのうちから選択される1種又は2種以上の微生物に由来することがより好ましく、特にはAspergillus nigerに由来することが最も好ましい。当該微生物を培養するときの培地は固体培地及び液体培地のいずれでもよいが、生産性等の観点から液体培地のほうが好ましい。好適な液体培地としては、小麦粉、小麦ふすま、コーンスターチ、デキストリン及びガラクトマンナンを含有する液体培地を例示することができる。この組成の液体培地を用いた場合には各々の酵素を生産する微生物を効率よく繁殖させることができ、当該微生物を高い収率で得ることが可能となる。
ここで、本発明で酵素として用いるβ−ガラクトマンナナーゼの比活性とは、β−ガラクトマンナナーゼがガラクトマンナンであるローカストビーンガムに37℃、pH5.0で作用するとき、反応初期の1分間に1マイクロモルのマンノースに相当する還元力の増加をもたらす試料1g中の酵素量のことを指す。β−ガラクトマンナナーゼの分子量は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動後にクーマシーブルー染色(CBB染色)した結果、20kDa〜60kDaを示すことがよい。当該分子量のより好ましい範囲は30kDa〜50kDaであり、最も好ましい範囲は35kDa〜45kDaである。
本発明で酵素として用いるα−ガラクトシダーゼの比活性とは、当該α−ガラクトシダーゼがp−ニトロフェニル−α−ガラクシドに37℃、pH5.5で作用するとき、反応初期の1分間に1マイクロモルのp−ニトロフェニルを遊離する試料1g中の酵素量のことを指す。
本発明で酵素として使用する酸性プロテアーゼの比活性とは、当該酸性プロテアーゼが乳製カゼインに30℃、pH3.0で作用するとき、反応初期の1分間に1マイクログラムのチロシンに相当する非蛋白性のフォリン試液呈色物質の増加をもたらす試料1g中の酵素量のことを指す。
本発明で酵素として使用するβ−マンノシダーゼの比活性とは、当該β−マンノシダーゼがp−ニトロフェニル−β−マンノシドに37℃、pH5.5で作用するとき、反応初期の1分間に1マイクロモルのp−ニトロフェニルを遊離する試料1g中の酵素量のことを指す。
第1工程では、上記の酵素または酵素群を用いて酸性域で加水分解を行うことがよく、より具体的にはpH2.0〜pH6.0の範囲内で加水分解を行うことが好ましい。その理由は、上記の酵素または酵素群の至適pHは酸性域にあるからである。当該工程においてpHが6.0を超えていると(即ち中性域になると)、加水分解反応が効率よく進まないため、ガラクトマンナン酵素分解物の収率が低下してしまう。しかも、基質を含む溶液に土壌細菌等の雑菌が繁殖しやすくなり、保存性の悪化や臭いの付着といった問題が起こりやすくなる。また、当該工程においてpHが2.0未満であると、雑菌の繁殖といった問題は起こらない反面、加水分解反応の効率が悪くなり、ガラクトマンナン酵素分解物の収率が低下してしまう。なお、加水分解はpH3.0〜pH5.0の範囲内で行うことがより好適であり、pH4.0〜pH5.0の範囲内で行うことが最も好適である。
第1工程では、50℃〜80℃で8時間〜24時間、または60℃〜80℃で3時間〜12時間加水分解を行うことがよい。つまり、酵素の作用温度を高くすることで加水分解の反応時間を短く設定することが可能となり、ひいては生産性の向上を達成しやすくなる。
ちなみに、作用温度を50℃〜80℃とした場合において、反応時間が8時間未満のとき、または24時間を越えるようなときには、所望とする平均分子量及び粘度のガラクトマンナン酵素分解物の収率が低下してしまう。同様に、作用温度を60℃〜80℃とした場合において、反応時間が3時間未満のとき、または12時間を越えるようなときにも、所望とする平均分子量及び粘度のガラクトマンナン酵素分解物の収率が低下してしまう。
続く第2工程では、第1工程を経て得られた未精製の溶液の加水分解反応を停止させる。仮に加水分解反応の停止を遅いタイミングで行ったとすると、反応が必要以上に進んでガラクトマンナンが過度に低分子化するおそれがあり、所望とする平均分子量及び粘度のガラクトマンナン酵素分解物が得にくくなる。これに対して本発明の製造方法では、反応停止を早いタイミングで行うため、反応を適時に停止させることができ、所望とする平均分子量及び粘度のガラクトマンナン酵素分解物を確実にかつ高い収率で得ることができる。
加水分解反応を停止させる具体的手法としては、例えば、基質から酵素を分離除去する方法や、基質における酵素を熱や薬品で失活させる方法などがある。ただし、本発明の製造方法においては、酵素を熱で失活させる方法が工程的に有利である。具体的には、85℃以上で15分間〜60分間加熱して酵素を失活させ、加水分解反応を停止させることがよい。加熱による方法は、薬品等の添加を伴わず比較的簡単に実施できることに加え、熱により反応液をある程度殺菌することもできる点で好ましい。ただし、反応液中には不純物が残っているので、後工程において液中の不純物を除去する処理が必要となる。
なお、加熱温度が85℃未満であったり加熱時間が15分間未満である場合には、加水分解反応が十分に進まず、所望とする平均分子量及び粘度のガラクトマンナン酵素分解物が得にくくなる。逆に、加熱時間が60分間を超える場合には、加水分解反応が過度に進んでしまう結果、所望とする平均分子量及び粘度のガラクトマンナン酵素分解物が得にくくなる。ここで好ましい加熱温度は85℃〜100℃であり、特には85℃〜95℃である。即ち、沸点を超える温度に加熱しなくても反応を停止させることは十分可能だからである。また、沸点を超えるような温度に加熱しようとすると、専用の容器や加熱装置が必要になり、設備コスト高の原因になるからである。
続く第3工程では、第2工程を経た溶液(反応液)の遠心分離処理を行って未反応物を除去し、次いで精製処理、加熱殺菌処理及び冷却処理を行った後、中和処理を行う。
第3工程において最初になされる遠心分離処理は、従来周知の遠心分離装置等を用いて実施される。この処理を行うことにより、反応液から未反応物が除去されて清澄液が得られる。この段階の清澄液は、ガラクトマンナン酵素分解物を含有する酸性の溶液となっている。
精製処理は遠心分離処理後かつ中和処理前に行われる。この精製処理では、前記清澄液中の不純物がさらに除去され、その結果として所望とする平均分子量及び粘度を有するガラクトマンナン酵素分解物の純度が高められる。また、不純物が除去される結果、脱臭・脱色が図られ、高品質化を達成しやすくなる。
精製処理の方法は特に限定されず、溶媒沈殿法、限外濾過法、ゲル濾過、イオン交換樹脂法、電気泳動法などが挙げられるが、前記溶液に濾過助剤を添加して攪拌した後に濾過を行う方法が好ましい。このような処理方法によると、溶液中の不純物が濾過助剤に吸着されるため、当該溶液を濾過して濾過助剤とともに取り除くことにより、溶液中のガラクトマンナン酵素分解物の純度を比較的容易に高めることができるからである。また、前記溶液に濾過助剤及び活性炭を添加して攪拌した後に濾過を行うことが、より好ましい。このような処理方法によると、濾過助剤のみを使用した場合に比べて確実に脱臭・脱色・脱味を図ることができる。ここで、濾過助剤としては、例えば珪藻土系の濾過助剤などが好適である。濾過助剤の使用量は溶液に対して1.5重量%〜5.0重量%であることがよく、活性炭の使用量は溶液に対して0.5重量%〜3.0重量%であることがよい。
さらに、第3工程の精製処理は1段階のみで行ってもよいが、より確実な精製を達成するためには、異なる複数の濾過手段を用いて多段階で行うことが望ましい。その具体例を挙げると、第3工程の精製処理は、前記溶液に濾過助剤及び活性炭を添加して攪拌した後に、第1濾過手段を用いて濾過を行う粗精製と、粗精製された前記溶液に濾過助剤を添加して攪拌した後に、前記第1濾過手段よりも目の細かい第2濾過手段を用いて濾過を行う本精製とからなることが特に好適である。
また、精製処理と同様に加熱殺菌処理及び冷却処理は遠心分離処理後かつ中和処理前に行われるが、これらの処理は精製処理後に行われることが好ましい。その理由は以下のとおりである。仮に精製処理前の状態、つまり不純物が含まれた状態で加熱殺菌処理及び冷却処理を行うとすると、相対的に多量の液体を加熱殺菌装置に通じる必要があるため設備コストが高くなり、しかも殺菌の確実性が低下する可能性がある。それに対して、精製処理後に加熱殺菌処理及び冷却処理を行えば、設備コスト高や殺菌の確実性低下といった心配がないからである。
ここで、加熱殺菌処理は、従来周知の超高温瞬間殺菌装置(UHT殺菌装置)を用いて、前記溶液を120℃〜150℃で1秒間〜6秒間加熱する超高温瞬間殺菌処理であることが好ましい。このような処理であれば、溶液が100℃を超える高温に晒されるため、溶液中の微生物を確実に死滅させることができ、雑菌の繁殖を効果的に抑えることができる。しかも、極めて短い時間で処理できるため生産効率の低下も来たさない。また、加熱殺菌処理の後になされる冷却処理は自然冷却であってもよいが、生産効率の低下防止という観点からすれば、強制冷却であることが望ましい。つまり、強制的にごく短時間のうちに常温まで冷却すれば、次の中和処理に速やかに移行できるからである。
中和処理は、精製処理、加熱殺菌処理及び冷却処理を行った後に実施される。この中和処理では、これまでpHが酸性域に保たれていた溶液をアルカリで中和して中性域にする。このようにして得られた液状のガラクトマンナン酵素分解物は、使用時に特にpH調整する必要がないため、使い勝手がよい。また、使用可能な範囲も広いため、汎用性に優れている。さらに、本発明の製造方法では中和処理を遅いタイミングで行っているため、マメ科植物種子に含まれている土壌細菌等の繁殖を確実に抑えることができる。よって、得られるガラクトマンナン酵素分解物の保存性を向上させることができる。
第3工程の実施後には、さらに従来周知の濃縮装置を用いて前記溶液を濃縮する第4工程を行ってもよい。この工程を行うと、ガラクトマンナン酵素分解物を高濃度で含む溶液を得ることができる。ここで濃縮法としては、例えば、凍結濃縮法、蒸発濃縮法、減圧蒸留濃縮法、膜濃縮法などを採用することができる。
第4工程の実施後には、さらに前記溶液を乾燥して粉末化する第5工程を行ってもよい。この工程を行うと、液状のガラクトマンナン酵素分解物を固体状にすることができ、保存や取扱いに適した形態とすることができる。ここで乾燥法としては、加熱乾燥法、噴霧乾燥法、凍結乾燥法、減圧乾燥法、造粒乾燥法などを採用することができる。
以上述べた本発明の製造方法により得られるガラクトマンナン酵素分解物は、上記のように飲食品、食品添加物、飼料、飼料添加物、医薬品、工業用資材等の素材として幅広く応用できるが、特に人が手軽に摂食できる飲食品の素材として利用されることが好ましい。
ガラクトマンナン酵素分解物が利用可能な飲食品の形態は限定されず、溶液、懸濁物、粉末、固体成形物のいずれでもよく、経口摂取可能な形態であればよい。飲食物の具体例としては、例えば、即席麺、レトルト食品、缶詰、電子レンジ食品、即席スープ・みそ汁類、フリーズドライ食品等の即席食品類、清涼飲料、果汁飲料、野菜飲料、豆乳飲料、コーヒー飲料、茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、栄養飲料、アルコール飲料等の飲料類、パン、パスタ、麺、ケーキミックス、から揚げ粉、パン粉等の小麦粉製品、飴、キャラメル、チューイングガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、デザート菓子等の菓子類、ソース、トマト加工調味料、風味調味料、調理ミックス、たれ類、ドレッシング類、つゆ類、カレー・シチューの素等の調味料、加工油脂、バター、マーガリン、マヨネーズ等の油脂類、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料、アイスクリーム類、クリーム類等の乳製品、冷凍食品、魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品等の水産加工品、畜肉ハム・ソーセージ等の畜産加工品、農産缶詰、ジャム・マーマレード類、漬け物、煮豆、シリアル等の農産加工品、栄養食品、錠剤、カプセル等を挙げることができる。
ガラクトマンナン酵素分解物を素材として飲食品等を加工する際には、各種栄養成分を強化することができる。
強化できる栄養成分としては、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナイアシン(ニコチン酸)、パントテン酸、葉酸等のビタミン類、リジン、スレオニン、トリプトファン等の必須アミノ酸類や、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅等のミネラル類、及び、例えば、α−リノレン酸、EPA、DHA、月見草油、オクタコサノール、カゼインホスホペプチド(CPP)、カゼインカルシウムペプチド(CCP)、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維、オリゴ糖、ビフィズス菌・乳酸菌等の生菌等の人の健康に寄与する物質類、その他の食品や食品添加物として認可されている有用物質の1種または2種以上が使用できる。
以下、本発明の実施形態をより具体化したいくつかの実施例を用いて詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
[実施例1]ガラクトマンナン酵素分解物の製造1
ここでは、小麦粉、小麦ふすま、コーンスターチ、デキストリン及びガラクトマンナンを含む液体培地中でAspergillus nigerを所定期間培養し、ガラクトマンナンの加水分解反応に用いる酵素群をあらかじめ採取しておいた。このようにして採取したAspergillus niger由来の酵素群は、β−ガラクトマンナナーゼ、α−ガラクトシダーゼ、酸性プロテアーゼ及びβ−マンノシダーゼの混合物であり、その比活性は1250:1:3.5:30であった。
次に、水900部に塩酸を加えてpHを4.5に調整した後、その水に上記の酵素群0.2部とグアー豆(Cyamopsis tetragonolobus)の胚乳100部とを添加混合し、55℃〜65℃で24時間酵素を作用させた。その結果、グアー豆に含まれるガラクトマンナンを酵素的に加水分解した(第1工程、図1のS10参照)。
次に、反応液を90℃,30分間加熱することにより酵素を失活させ、加水分解反応を停止させた(第2工程、図1のS20参照)。
次に、加水分解物を含む反応液を遠心分離装置(石川島播磨重工業社製、商品名HS−50L)で3000rpm,供給量6m/hで遠心分離処理し、反応液を未反応物と清澄液とに分離させるとともに、清澄液のみを採取した(第3工程における遠心分離処理、図1のS30参照)。
次に、採取した溶液(清澄液)に珪藻土系濾過助剤及び活性炭を添加して60分間攪拌した後、第1濾過手段である濾過装置(昭和製作所社製、商品名202B、濾過圧:250kg/cm)を用いて濾過する粗精製を行った。その結果、前記溶液中に含まれる不純物をある程度吸着除去した。さらに、粗精製された前記溶液に珪藻土系濾過助剤のみを添加して60分間攪拌した後、第1濾過手段よりも目の細かい第2濾過手段である精密濾過装置(中央製作所社製、商品名FS−50B、流量:300L/h)を用いて濾過する本精製を行った。その結果、前記溶液中に含まれる不純物をほぼ完全に吸着除去し、ガラクトマンナン酵素分解物を含有する無色透明で臭いのない溶液を得た(第3工程における精製処理、図1のS40参照)。
次に、UHT殺菌装置(日阪製作所社製、商品名FX−05)を用いて、前記溶液をUHT殺菌処理しかつ直ちに強制冷却した(第3工程における加熱殺菌処理及び冷却処理、図1のS50参照)。なお、この処理では、入り口温度を140℃に設定し、出口温度を4℃に設定し、殺菌時間を4秒に設定した。
次に、第1工程以降、pHが酸性域に保持されていた溶液をNaOHで中和してpH=約7.0にする(第3工程における中和処理、図1のS60参照)。
さらに、得られた中性の溶液を遠心式薄膜濃縮装置(アルファ・ラバル社製、商品名CT−6)を用いて固形分として20%になるように所定時間減圧濃縮した(第4工程、図1のS70参照)。
その後、噴霧乾燥装置(大川原化工機社製、商品名OC−35)を用いて90分間噴霧乾燥を行い、ガラクトマンナン酵素分解物の白色粉末70部を得た(第5工程、図1のS80参照)。
そして、得られた粉末状のガラクトマンナン酵素分解物をサンプルとして下記の測定を行った。具体的には、カラムにG3000PW(東ソー株式会社製)を充填したものを固定相として用い、高速液体クロマトグラフィーを行った。このような測定の結果、ポリガラクトマンナンの糖鎖の80%以上はマンノースの重合度が30〜40単位の範囲内に包含されていた。なお、このとき糖鎖単位の標準試薬として、グルコース重合度が既知の直鎖デキストリン(グルコースの重合度:50,100,150)を用いた。
本実施例のガラクトマンナン酵素分解物の平均分子量、食物繊維含量及び5%溶液の粘度を測定したところ、平均分子量が20000、食物繊維含量が82%、粘度が8mPa・sであった。ゆえに、本実施例のガラクトマンナン酵素分解物は、所望とする平均分子量、食物繊維含量及び粘度を確実に有しており、各種の生理作用を十分に発揮しうるものであった。
また、本実施例のガラクトマンナン酵素分解物について白度を測定するとともに、味及び臭いに関する官能評価を行った。その結果、当該酵素分解物の白度は色差計で測定するとL値が93、a値が−1、b値が5となり、従来品に比べて極めてよい結果を示した。また、官能評価によると、当該酵素分解物は殆ど無味、無臭であり、これらの事項についても従来品よりも優れていた。さらに、当該酵素分解物を長期間保存(30日、60日、90日、120日)した後、上記の測定及び評価を行ったところ、全く同様の結果が得られた。このため、保存性についても優れていることがわかった。
以上の結果を総合すると、本実施例のガラクトマンナン酵素分解物は、品質に優れていて付加価値が高いと言いうるものであった。
[実施例2]ガラクトマンナン酵素分解物の製造2
ここでは、小麦粉、小麦ふすま、コーンスターチ、デキストリン及びガラクトマンナンを含む液体培地中でAspergillus nigerを所定期間培養し、ガラクトマンナンの加水分解反応に用いる酵素群をあらかじめ採取しておいた。このようにして採取したAspergillus niger由来の酵素群は、β−ガラクトマンナナーゼ、α−ガラクトシダーゼ、酸性プロテアーゼ及びβ−マンノシダーゼの混合物であり、その比活性は1280:1:3.2:25であった。
次に、水900部に塩酸を加えてpHを4.5に調整した後、その水に上記の酵素群0.15部とグアー豆(Cyamopsis tetragonolobus)の胚乳100部とを添加混合し、50℃〜55℃で24時間酵素を作用させた。その結果、グアー豆に含まれるガラクトマンナンを酵素的に加水分解した(第1工程、図1のS10参照)。この後、実施例1の方法に従って第2工程から第5工程までを順次実施し(図1のS20〜S80参照)、最終的にガラクトマンナン酵素分解物の白色粉末70部を得た。
得られた粉末状のガラクトマンナン酵素分解物について、実施例1と同様の測定及び評価を行った。その結果、ポリガラクトマンナンの糖鎖の80%以上は、マンノースの重合度が30〜40単位の範囲内に包含されていた。また、本実施例のガラクトマンナン酵素分解物の平均分子量は22000、食物繊維含量は83%、粘度は9mPa・sであった。ゆえに、本実施例のガラクトマンナン酵素分解物は、所望とする平均分子量、食物繊維含量及び粘度を確実に有しており、各種の生理作用を十分に発揮しうるものであった。また、当該酵素分解物の白度は色差計で測定するとL値が94、a値が0、b値が4となり、従来品に比べて極めてよい結果を示した。また、官能評価によると、当該酵素分解物は殆ど無味、無臭であり、これらの事項についても従来品よりも優れていた。さらに、当該酵素分解物の長期間保存性も優れていた。
以上の結果を総合すると、本実施例のガラクトマンナン酵素分解物も、実施例1と同様に品質に優れていて付加価値が高いと言いうるものであった。
[実施例3]ガラクトマンナン酵素分解物の製造3
ここでは、小麦粉、小麦ふすま、コーンスターチ、デキストリン及びガラクトマンナンを含む液体培地中でAspergillus nigerを所定期間培養し、ガラクトマンナンの加水分解反応に用いる酵素群をあらかじめ採取しておいた。このようにして採取したAspergillus niger由来の酵素群は、β−ガラクトマンナナーゼ、α−ガラクトシダーゼ、酸性プロテアーゼ及びβ−マンノシダーゼの混合物であり、その比活性は1240:1:2.9:20であった。
次に、水900部に塩酸を加えてpHを4.5に調整した後、その水に上記の酵素群0.1部とグアー豆(Cyamopsis tetragonolobus)の胚乳100部とを添加混合し、60℃〜65℃で16時間酵素を作用させた。その結果、グアー豆に含まれるガラクトマンナンを酵素的に加水分解した(第1工程、図1のS10参照)。この後、実施例1の方法に従って第2工程から第5工程までを順次実施し(図1のS20〜S80参照)、最終的にガラクトマンナン酵素分解物の白色粉末70部を得た。
得られた粉末状のガラクトマンナン酵素分解物について、実施例1と同様の測定及び評価を行った。その結果、ポリガラクトマンナンの糖鎖の80%以上は、マンノースの重合度が30〜40単位の範囲内に包含されていた。また、本実施例のガラクトマンナン酵素分解物の平均分子量は21000、食物繊維含量は82.3%、粘度は10mPa・sであった。ゆえに、本実施例のガラクトマンナン酵素分解物は、所望とする平均分子量、食物繊維含量及び粘度を確実に有しており、各種の生理作用を十分に発揮しうるものであった。また、当該酵素分解物の白度は色差計で測定するとL値が93、a値が−1、b値が5となり、従来品に比べて極めてよい結果を示した。また、官能評価によると、当該酵素分解物は殆ど無味、無臭であり、これらの事項についても従来品よりも優れていた。さらに、当該酵素分解物の長期間保存性も優れていた。
以上の結果を総合すると、本実施例のガラクトマンナン酵素分解物も、実施例1と同様に品質に優れていて付加価値が高いと言いうるものであった。
[実施例4]ガラクトマンナン酵素分解物の製造4
ここでは、小麦粉、小麦ふすま、コーンスターチ、デキストリン及びガラクトマンナンを含む液体培地中でAspergillus nigerを所定期間培養し、ガラクトマンナンの加水分解反応に用いる酵素群をあらかじめ採取しておいた。このようにして採取したAspergillus niger由来の酵素群は、β−ガラクトマンナナーゼ、α−ガラクトシダーゼ、酸性プロテアーゼ及びβ−マンノシダーゼの混合物であり、その比活性は1240:1:2.9:20であった。
次に、水900部に塩酸を加えてpHを4.5に調整した後、その水に上記の酵素群0.1部とグアー豆(Cyamopsis tetragonolobus)の胚乳100部とを添加混合し、70℃〜75℃で8時間酵素を作用させた。その結果、グアー豆に含まれるガラクトマンナンを酵素的に加水分解した(第1工程、図1のS10参照)。この後、実施例1の方法に従って第2工程から第5工程までを順次実施し(図1のS20〜S80参照)、最終的にガラクトマンナン酵素分解物の白色粉末70部を得た。
得られた粉末状のガラクトマンナン酵素分解物について、実施例1と同様の測定及び評価を行った。その結果、ポリガラクトマンナンの糖鎖の80%以上は、マンノースの重合度が30〜40単位の範囲内に包含されていた。また、本実施例のガラクトマンナン酵素分解物の平均分子量は16000、食物繊維含量は76%、粘度は5mPa・sであった。ゆえに、本実施例のガラクトマンナン酵素分解物は、所望とする平均分子量、食物繊維含量及び粘度を確実に有しており、各種の生理作用を十分に発揮しうるものであった。また、当該酵素分解物の白度は色差計で測定するとL値が93、a値が−1、b値が5となり、従来品に比べて極めてよい結果を示した。また、官能評価によると、当該酵素分解物は殆ど無味、無臭であり、これらの事項についても従来品よりも優れていた。さらに、当該酵素分解物の長期間保存性も優れていた。
以上の結果を総合すると、本実施例のガラクトマンナン酵素分解物も、実施例1と同様に品質に優れていて付加価値が高いと言いうるものであった。
[実施例5]ガラクトマンナン酵素分解物を含有する飲食品の製造1
強力粉(日清製粉株式会社製)642g、砂糖35g、スキムミルク13g、食塩11g、無塩バター33g、パン酵母10g及び実施例3で得られた粉末状ガラクトマンナン酵素分解物30gに水465gを添加した。これを原料として自動製パン機(象印株式会社製)を用いて製パンを行い、ガラクトマンナン酵素分解物を含有する食パンを調製した。
[実施例6]ガラクトマンナン酵素分解物を含有する飲食品の製造2
準強力粉1000g(日清製粉株式会社製)に対し、実施例1で得られた粉末状ガラクトマンナン酵素分解物30g、粉末かんすい10g、食塩10g、水330g、99%エタノール20gを配合し、ミキサーで15分間混捏した。これを原料として用い、常法により圧延、切出し(最終麺帯厚1.4mm、切刃#20角)を行った。このようにして得られた中華麺120gをポリ袋で密封し、20℃で24時間麺線熟成を行い、ガラクトマンナン酵素分解物を含有する生中華麺を得た。
[実施例7]ガラクトマンナン酵素分解物を含有する飲食品の製造3
デュラム小麦粉1000g(日清製粉株式会社製)に実施例2で得られた粉末状ガラクトマンナン酵素分解物30g及び水300gを加えた。これを原料として用いて、常法に従って製麺を行うことで、ガラクトマンナン酵素分解物を含有するスパゲティの乾燥麺線(水分13%)を調製した。
[実施例8]ガラクトマンナン酵素分解物を含有する飲食品の製造4
精白米(商品名:三重コシヒカリ、松阪米穀株式会社製)800g及び実施例2で得た粉末状ガラクトマンナン酵素分解物30gに水1200gを添加したものを、電気式炊飯器(三洋電気株式会社製)で炊飯し、ガラクトマンナン酵素分解物を含有する米飯を得た。
[実施例9]ガラクトマンナン酵素分解物を含有する飲食品の製造5
実施例2で得られた粉末状ガラクトマンナン酵素分解物100gにアップルフレーバー2g及び水を加えて、全容2リットルの液体とした。この液体を滅菌済褐色ビン(110ミリリットル)に100ミリリットルずつ充填し、アルミキャップで密封した。その後、120℃、30分間殺菌し、ガラクトマンナン酵素分解物を含有するりんご風味飲料20本を得た。
[実施例10]ガラクトマンナン酵素分解物を含有する飲食品の製造6
ブドウ糖528g、果糖85.4g、粉末クエン酸15.8g、クエン酸ナトリウム11.2g、乳酸カルシウム1.3g、塩化マグネシウム1.3g、粉末天然香料13.2g、ビタミンCおよび実施例4で得られた粉末状ガラクトマンナン酵素分解物550gに水を加えて、11リットルの液体とした。この液体を乾熱減菌済110ミリリットル褐色ビンに100ミリリットルずつ充填し、アルミキャップで密封した。その後、120℃、30分間殺菌し、ガラクトマンナン酵素分解物を含有するドリンク剤100本を得た。
[実施例11]ガラクトマンナン酵素分解物を含有する飲食品の製造7
ガムベース20.0%、砂糖60.0%、結晶ブドウ糖18.9%、香料1.0%、実施例4で得られた粉末状ガラクトマンナン酵素分解物1%を混合してガム用原料を作製した。この原料を用いて、常法により圧延、切り出し工程等を行うことにより、ガラクトマンナン酵素分解物を含有するチューインガムを製造した。
[実施例12]ガラクトマンナン酵素分解物を含有する飲食品の製造8
アラビアガム6.0%、ブドウ糖72.0%、モノフルオロリン酸ナトリウム0.7%、ゼラチン1.0%、乳糖19.0%、香料1.0%、実施例3で得られた粉末状ガラクトマンナン酵素分解物1.5%、ステアリン酸マグネシウム適量を混合して、トローチ用原料を作製した。この原料を用いて、常法により成形工程等を行うことにより、ガラクトマンナン酵素分解物を含有するトローチを製造した。
[実施例13]ガラクトマンナン酵素分解物を含有する飲食品の製造9
脱脂粉乳32.1%、小麦粉29.9%、パン粉7.0%、大豆粕5.0%、魚粉5.0%、砂糖4.0%、ブドウ糖9.0%、油脂2.0%、ビタミン・ミネラル類3.0%、実施例2で得られた粉末状ガラクトマンナン酵素分解物1.0%を混合して、飼料用原料を作製した。この原料を用いて、常法により成形、乾燥工程等を行うことにより、ガラクトマンナン酵素分解物を含有する養豚用飼料を製造した。
[実施例14]ガラクトマンナン酵素分解物を含有する飲食品の製造10
トウモロコシ58.0%、大豆粕15.9%、ふすま5.0%、魚粉6.0%、アルファルファ3.0%、炭酸カルシウム7.0%、リン酸カルシウム1.6%、食塩0.4%、ビタミン・ミネラル類0.1%、大豆油2.0%、実施例3で得られた粉末状ガラクトマンナン酵素分解物0.025%を混合して、飼料用原料を作製した。この原料を用いて、常法により成形、乾燥工程等を行うことにより、ガラクトマンナン酵素分解物を含有する養鶏用飼料を製造した。
[実施例15]ガラクトマンナン酵素分解物を含有する飲食品の製造11
魚粉6.4kg、小麦グルテン1.0kg、デキストリン0.8kg、ビタミン・ミネラル類0.5kg、セルロース0.3kg、タラ肝油0.5kg、実施例4で得た粉末状ガラクトマンナン酵素分解物1kgを混合し、飼料用原料を作製した。この原料を用いて湿式造粒した後に乾燥することにより、ガラクトマンナン酵素分解物を含有する養殖魚用飼料10.0kgを得た。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)ガラクトマンナンを含有するマメ科植物種子の胚乳部分をヘミセルラーゼ製剤により酸性域で酵素的に加水分解する第1工程と、前記第1工程を経て得られた溶液の加水分解反応を停止させる第2工程と、前記第2工程の実施後に精製処理を行い、次いで加熱殺菌処理及び冷却処理を行った後、中和処理を行う第3工程とを含むことを特徴とするガラクトマンナン酵素分解物の製造方法。
(2)ガラクトマンナンを含有するマメ科植物種子の胚乳部分をヘミセルラーゼ製剤により酸性域で酵素的に加水分解する第1工程と、前記第1工程を経て得られた溶液を所定温度に加熱して前記溶液の加水分解反応を停止させる第2工程と、前記第2工程の実施後に前記溶液の遠心分離処理を行って未反応物を除去し、次いで精製処理を行い、さらに前記第2工程における加熱温度よりも高い温度での加熱殺菌処理及び冷却処理を行った後、中和処理を行う第3工程とを含むことを特徴とするガラクトマンナン酵素分解物の製造方法。
(3)平均分子量が5000〜30000であり、マンノース直鎖の鎖長が30単位〜200単位の範囲内に80%以上分布しており、かつ、5%水溶液の粘度が、ブルックフィールド粘度計を用いて5℃,60rpmで、Lowローターにて測定したときに5mPa・s〜20mPa・sであるガラクトマンナン酵素分解物の製造方法であって、ガラクトマンナンを含有するマメ科植物種子の胚乳部分をヘミセルラーゼ製剤により酸性域で酵素的に加水分解する第1工程と、前記第1工程を経て得られた溶液の加水分解反応を停止させる第2工程と、前記第2工程の実施後に前記溶液の遠心分離処理を行って未反応物を除去し、次いで精製処理、加熱殺菌処理及び冷却処理を行った後、中和処理を行う第3工程とを含むことを特徴とするガラクトマンナン酵素分解物の製造方法。
(4)平均分子量が5000〜30000であり、マンノース直鎖の鎖長が30単位〜200単位の範囲内に80%以上分布しており、かつ、5%水溶液の粘度が、ブルックフィールド粘度計を用いて5℃,60rpmで、Lowローターにて測定したときに5mPa・s〜20mPa・sであり、水溶性食物繊維の含有量がAOAC 985.29に記載の酵素重量法による測定値で65%以上であるガラクトマンナン酵素分解物の製造方法であって、ガラクトマンナンを含有するマメ科植物種子の胚乳部分をヘミセルラーゼ製剤により酸性域で酵素的に加水分解する第1工程と、前記第1工程を経て得られた溶液の加水分解反応を停止させる第2工程と、前記第2工程の実施後に前記溶液の遠心分離処理を行って未反応物を除去し、次いで精製処理、加熱殺菌処理及び冷却処理を行った後、中和処理を行う第3工程とを含むことを特徴とするガラクトマンナン酵素分解物の製造方法。
(5)平均分子量が5000〜30000であり、マンノース直鎖の鎖長が30単位〜200単位の範囲内に80%以上分布しており、かつ、5%水溶液の粘度が、ブルックフィールド粘度計を用いて5℃,60rpmで、Lowローターにて測定したときに5mPa・s〜20mPa・sであり、白度が色差計で測定したときにL値が80〜110、a値が−5〜5、b値が0〜15、好ましくはL値が85〜100、a値が−3〜2、b値が3〜10である粉末状または顆粒状のガラクトマンナン酵素分解物の製造方法であって、ガラクトマンナンを含有するマメ科植物種子の胚乳部分をヘミセルラーゼ製剤により酸性域で酵素的に加水分解する第1工程と、前記第1工程を経て得られた溶液の加水分解反応を停止させる第2工程と、前記第2工程の実施後に前記溶液の遠心分離処理を行って未反応物を除去し、次いで精製処理、加熱殺菌処理及び冷却処理を行った後、中和処理を行う第3工程と、前記第3工程の実施後に前記溶液を濃縮する第4工程と、前記第4工程の実施後に前記溶液を乾燥して粉末化または顆粒化する第5工程とを含むことを特徴とするガラクトマンナン酵素分解物の製造方法。
(6)前記ヘミセルラーゼ製剤はβ−ガラクトマンナナーゼ、α−ガラクトシダーゼ、酸性プロテアーゼ及びβ−マンノシダーゼからなることを特徴とする上記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載のガラクトマンナン酵素分解物の製造方法。
(7)前記ヘミセルラーゼ製剤はβ−ガラクトマンナナーゼ、α−ガラクトシダーゼ、酸性プロテアーゼ及びβ−マンノシダーゼからなり、それらの比活性が2500〜5000:1:2.5〜5:20〜40の比率であることを特徴とする上記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載のガラクトマンナン酵素分解物の製造方法。
(8)上記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載の製造方法により得られたガラクトマンナン酵素分解物を含有する飲食品。
(9)上記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載の製造方法により得られたガラクトマンナン酵素分解物を含有する飼料。
本発明のガラクトマンナン酵素分解物の製造方法を説明するためのフローチャート。

Claims (9)

  1. ガラクトマンナンを含有するマメ科植物種子の胚乳部分をヘミセルラーゼ製剤により酸性域で酵素的に加水分解する第1工程と、
    前記第1工程を経て得られた溶液の加水分解反応を所定温度に加熱して停止させる第2工程と、
    前記第2工程の実施後に前記溶液の遠心分離処理を行って未反応物を除去し、次いで精製処理、加熱殺菌処理及び冷却処理をこの順序で行った後、中和処理を行う第3工程と
    を含み、
    前記精製処理は、前記遠心分離処理後の溶液に濾過助剤を添加して攪拌した後に濾過を行う処理であり、
    前記加熱殺菌処理は、前記精製処理後の溶液を120℃〜150℃で1秒間〜6秒間加熱する超高温瞬間殺菌処理であり、
    前記冷却処理は、前記超高温瞬間殺菌処理後に直ちに常温まで冷却する強制冷却である
    ことを特徴とするガラクトマンナン酵素分解物の製造方法。
  2. 前記マメ科植物種子はグアー豆であることを特徴とする請求項1に記載のガラクトマンナン酵素分解物の製造方法。
  3. 前記ガラクトマンナン酵素分解物は、
    平均分子量が5000〜30000であり、
    マンノース直鎖の鎖長が30単位〜200単位の範囲内に80%以上分布しており、かつ、
    5%水溶液の粘度が、ブルックフィールド粘度計を用いて5℃,60rpmで、Lowローターにて測定したときに5mPa・s〜20mPa・sである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のガラクトマンナン酵素分解物の製造方法。
  4. 前記第1工程では、pH2.0〜pH6.0で加水分解を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガラクトマンナン酵素分解物の製造方法。
  5. 前記第1工程では、50℃〜80℃で8時間〜24時間、または60℃〜80℃で3時間〜12時間加水分解を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガラクトマンナン酵素分解物の製造方法。
  6. 前記第2工程では、85℃以上で15分間〜60分間加熱して加水分解反応を停止させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のガラクトマンナン酵素分解物の製造方法。
  7. 前記第1工程の加水分解を開始してから前記第3工程の冷却処理が完了するまでの間、溶液を酸性域に保つことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のガラクトマンナン酵素分解物の製造方法。
  8. 前記第3工程の実施後に、前記第3工程を経て得られた溶液を濃縮する第4工程を行うことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のガラクトマンナン酵素分解物の製造方法。
  9. 前記第4工程の実施後に、前記第4工程を経て得られた溶液を乾燥して粉末化する第5工程を行うことを特徴とする請求項に記載のガラクトマンナン酵素分解物の製造方法。
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