JP4889876B2 - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表面光沢が抑えられたポリアセタール樹脂組成物に関する。更に詳しくは、特定のポリアセタール樹脂にポリアミド系樹脂及び含窒素重合体より選ばれる樹脂を配合してなる、ポリアセタール樹脂が本来有する機械的物性、押出し加工性等を保持しながら成形品表面の光沢を著しく抑制したポリアセタール樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ポリアセタール樹脂は、機械的性質、電気的性質などの物理的性質、或いは耐薬品性、耐熱性などの化学的特性が優れた代表的なエンジニアリング樹脂として、近年極めて広汎な分野において利用されている。しかし、ポリアセタール樹脂が利用される分野の拡大に伴い、その材料としての性質にも、更に特殊性が要求される場合がある。
【0003】
このような特殊性の一つとして、成形品表面の光沢の低下が要望されている。例えば、自動車等の内外装品や光学機械等の分野においては、光の反射による目に対する刺激を抑え、高級感を出すこと、光の反射による機器の誤動作を防止すること等を目的として、光沢の少ない、即ち光の反射の少ない成形品が要求される場合がある。また、一般の電気機器、建材等の分野においても、その目的に応じて各種材料を組み合わせて使用する機会が増加しているが、ポリアセタール樹脂は他の一般的樹脂材料に比べて表面光沢が良好であるが故に、各種材料が組み込まれた製品においては、他種材料との調和感に乏しく、表面外観を重視する分野での使用は少なからず制限されていた。この要求に応えるため、従来よりポリアセタール樹脂に対して炭酸カルシウム、タルク、ケイ酸カルシウム等の無機フィラー系を添加する方法が知られている。しかし、これらの方法で望ましい光沢低減の効果を得るためにはタルク等を多量に配合する必要があり、その結果、機械的特性、特に伸度、靱性が低下し、成形品の後加工や組立等の応力或いは成形品の取り扱い時に落下させる等の衝撃が加わると容易に破損するという欠点を有している。また、表面光沢の低減の目的で、金型表面にシボ加工を施し成形品表面に転写する方法が一般的に用いられているが、ポリアセタール樹脂の場合、表面光沢度が高く、また、高結晶性である為か、金型への転写性が悪く、十分な効果が得られていないのが現状である。
【0004】
そこで、機械的特性に優れ、且つ優れた押出し加工性を有しながら、表面光沢が抑えられたポリアセタール樹脂材料の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリアセタール樹脂本来の特性を犠牲にすることなく、成形品表面の光沢が著しく抑えられたポリアセタール樹脂を提供すべく鋭意研究の結果、カルボキシル基を導入することにより変性した変性ポリアセタール樹脂の使用が、ポリアミド系樹脂及び含窒素重合体との相溶性を改善するために有効であり、ポリアセタール樹脂とかかる変性ポリアセタール樹脂からなるポリアセタール系樹脂成分にポリアミド系樹脂及び含窒素重合体より選ばれる樹脂を配合することにより前記の欠点が解消され、表面光沢が抑えられ、機械的特性に優れ、且つ優れた押出し加工性を有するポリアセタール樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0006】
即ち本発明は、ポリアセタール系樹脂成分(A)99〜40重量%に、ポリアミド系樹脂(B1)及び含窒素重合体(B2)より選ばれる樹脂(B)1〜60重量%を配合してなるポリアセタール樹脂組成物であって、該ポリアセタール系樹脂成分(A)が、(A1)ポリアセタール樹脂99.9〜0重量部と(A2)分子中に1〜200mmol/kgのカルボキシル基を有する変性ポリアセタール樹脂0.1〜100重量部とからなることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のポリアセタール樹脂組成物を詳細に説明する。本発明に用いられるポリアセタール樹脂(A1)はオキシメチレン基(−CH2O−)を主たる構成単位とする高分子化合物で、ポリオキシメチレンホモポリマー、オキシメチレン基以外に他の構成単位を含有するコポリマー(ブロックコポリマーを含む)、ターポリマーの何れにてもよく、また分子が線状のみならず分岐、架橋構造を有するものであってもよい。
【0008】
一般に、ホモポリマーは、無水ホルムアルデヒドの重合、もしくはホルムアルデヒドの環状三量体であるトリオキサンの重合により製造される。通常、末端キャップにより、熱分解に対して安定化されている。
【0009】
コポリマーは−CH2O−反復基約85〜99.9%に、一般式:
【0010】
【化1】
Figure 0004889876
【0011】
(式中、R1〜R4はそれぞれ水素、低級アルキル及びハロゲン置換低級アルキル基よりなる群から選ばれ各々同一でも異なっていても良い。R5はアルキレン、オキシアルキレン、低級アルキル及びハロアルキル置換メチレン、ならびにアルキル及びハロアルキル置換オキシアルキレン基よりなる群がら選ばれ、mは0〜3の整数である。)で示される基が散在してなる、メルトインデックスが0.1〜1000g/10minの高分子化合物であり、一般的には、ホルムアルデヒド又は一般式(CH2O)n[但し、nは3以上の整数]で表されるホルムアルデヒドの環状オリゴマー、例えばトリオキサンと環状エーテル及び/又は環状ホルマールとを共重合することによって製造され、通常、加水分解によって末端の不安定部分を除去して熱分解に対して安定化される。共重合のための環状エーテル又は環状ホルマールとしては、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、オキセパン、エチレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール等が用いられる。
【0012】
また、通常、上記共重合においては、メチラール等の従来公知である低分子量アセタール化合物等の分子量を調整する成分を併用する。また、上記共重合において、更にジグリシジルエーテル化合物等の従来公知の分岐・架橋を形成しうる多官能性化合物を加えて重合することも可能である。
【0013】
次に、本発明において用いられる変性ポリアセタール樹脂(A2)は、上記のようなポリアセタールの製造において、更にカルボキシル基含有化合物を加え共重合するか、あるいは、上記のようにして得られたポリアセタールの末端にカルボキシル基含有化合物を反応させることにより、分子中にカルボキシル基を導入して変性したものであり、少なくとも1mmol/kg以上、好ましくは2〜200mmol/kgのカルボキシル基を有し、メルトインデックスが0.1〜1000g/10minのものである。カルボキシル基の定量は、例えば、NMR測定によって行うことができる。
【0014】
特に好ましい変性ポリアセタール樹脂(A2)は、1分子中にカルボキシル基とアルコール性水酸基を有する化合物(b)の存在下で、ホルムアルデヒド又はトリオキサン等の一般式(CH2O)n、[但し、nは3以上の整数]で表されるホルムアルデヒドの環状オリゴマーを単独重合するか或いはホルムアルデヒド又はその環状オリゴマーとエチレンオキサイド、ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール等の環状エーテルや環状アセタールを共重合し、分子中にカルボキシル基を導入したものである。
【0015】
変性のため用いられる1分子中にカルボキシル基とアルコール性水酸基を有する化合物(b)としては、脂肪族オキシカルボン酸、脂環族オキシカルボン酸、芳香族オキシカルボン酸等が挙げられる。その中でも、特に脂肪族オキシカルボン酸が好ましい。また、脂肪族オキシカルボン酸として更に具体的には、モノオキシモノカルボン酸、モノオキシジカルボン酸、モノオキシトリカルボン酸、ジオキシモノカルボン酸、ジオキシジカルボン酸、ジオキシトリカルボン酸、トリオキシモノカルボン酸、トリオキシジカルボン酸、トリオキシトリカルボン酸等が上げられる。具体的な化合物を以下に例示する。
【0016】
モノオキシモノカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、α−オキシ−n−酪酸、α−オキシイソ酪酸、α−オキシ−n−吉草酸、α−オキシイソ吉草酸、2−オキシ−2−メチルブタン酸、α−オキシ−n−カプロン酸、α−オキシイソカプロン酸、2−エチル−2−オキシブタン酸、2−エチル−3,3−ジメチルブタン酸、2−オキシ−2−メチルペンタン酸、2−オキシ−2−メチルヘキサン酸、2−オキシ−2,4−ジメチルペンタン酸、2−オキシドコサン酸、2−オキシテトラコサン酸、2−オキシヘキサコサン酸、ヒドロアクリル酸、β−オキシ酪酸、β−オキシイソ酪酸、β−オキシ−n−吉草酸、β−オキシイソ吉草酸、α−エチルヒドロアクリル酸、オキシピバル酸、3−オキシ−2−メチルペンタン酸、3−オキシ−2−テトラデシルオクタデカン酸、11−オキシテトラデカン酸、11−オキシヘキサデカン酸、14−オキシヘキサデカン酸、12−オキシドデカン酸、12−オキシステアリン酸、16−オキシヘキサデカン酸、22−オキシドコサン酸、α−オキシアクリル酸、ビニルグリコール酸、プロベニルグリコール酸、3−オキシ−2−メチレンブタン酸、3−オキシ−2−テトラデシル−11−オクタデセン酸、12−オキシ−9−オクタデセン酸、9−オキシ−12−オクタデセン酸、18−オキシ−9,11,13−オクタデカントリエン酸、8−オキシ−11−オクタデセン−9−イン酸、12−オキシ−9−オクタデシン酸、13−オキシ−10−ノナデシン酸、が挙げられる。
【0017】
モノオキシジカルボン酸としては、オキシマロン酸、イソリンゴ酸、1−オキシプロパン−1,1−ジカルボン酸、1−オキシブタン−1,1−ジカルボン酸、1−オキシ−2−メチルプロパシ−1,1−ジカルボン酸、2−オキシエタン−1,1−ジカルボン酸、2−オキシ−3−メチルプロパン−1,1−ジカルボン酸、1−(オキシメチル)プロパン−1,1−ジカルボン酸、リンゴ酸、α−メチルリンゴ酸、α−オキシ−α’−メチルコハク酸、α−オキシ−α’,α’−ジメチルコハク酸、α−オキシ−α,α’−ジメチルコハク酸、α−オキシ−α’−エチルコハク酸、α−オキシ−α’−メチル−α−エチルコハク酸、トリメチルリンゴ酸、α−オキシグルタル酸、β−オキシグルタル酸、β−オキシ−β−メチルグルタル酸、β−オキシ−α,α−ジメチルグルタル酸、β−オキシ−α,α,γ−トリメチルグルタル酸、α−オキシスベリン酸、α−オキシセバシン酸、2−オキシ−2−オクチルデカン二酸、2−オキシ−2−オクチルテトラデカン二酸、が挙げられる。
【0018】
モノオキシトリカルボン酸としては、クエン酸、イソクエン酸、2−オキシヘプタデカン−1,2,3−トリカルボン酸、2−オキシノナデカン−1,2,3−トリカルボン酸、が挙げられる。
【0019】
ジオキシモノカルボン酸としては、グリセリン酸、2,3−ジオキシブタン酸、2,3−ジオキシ−2−メチルプロピオン酸、3−オキシ−2−オキシメチルプロピオン酸、3,4−ジオキシブタン酸、2,4−ジオキシ−3,3−ジメチルブタン酸、2,3−ジオキシ−2−(1’−メチルエチル)ブタン酸、3,11−ジオキシテトラデカン酸、15,16−ジオキシヘキサデカン酸、9,10−ジオキシオクタデカン酸、9,14−ジオキシ−10,12−オクタデカンジエン酸、12,13−ジオキシ−9−オクタデセン酸、が挙げられる。
【0020】
ジオキシジカルボン酸としては、酒石酸、メチル酒石酸、ジメチル酒石酸、α,β−ジオキシグルタル酸、α,γ−ジオキシグルタル酸、α,γ−ジオキシ−β−メチルグルタル酸、α,γ−ジオキシ−β−エチル−β−メチルグルタル酸、α,γ−ジオキシ−α,γ−ジメチルグルタル酸、α,δ−ジオキシアジピン酸、β,γ−ジオキシアジピン酸、2,5−ジオキシ−5−イソプロピル−2−メチルヘキサン二酸、6,7−ジオキシドデカン二酸、7,8−ジオキシヘキサデカン二酸、9,10−ジオキシオクタデカン二酸、ジオキシフマル酸、ジオキシマレイン酸、が挙げられる。
【0021】
ジオキシトリカルボン酸としては、1,2−ジオキシエタン−1,2,2−トリカルボン酸、1,2−ジオキシプロパシ−1,2,3−トリカルボン酸、1,3−ジオキシプロパン−1,1,3−トリカルボン酸、が挙げられる。
【0022】
トリオキシモノカルボン酸としては、トリオキシ酪酸、トリオキシイソ酪酸、3,4,5−トリオキシヘキサン酸、9,10,16−トリオキシヘキサデカン酸、2,15,16−トリオキシヘキサデカン酸、9,10,12−トリオキシオクタデカン酸、9,10,16−トリオキシオクタデカン酸、が挙げられる。また、トリオキシジカルボン酸としては、トリオキシグルタル酸、が挙げられる。
【0023】
その中でも特に好ましくは、グリコール酸、乳酸、α−オキシイソ酪酸、β−オキシイソ酪酸、オキシピバル酸、12−オキシステアリン酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸である。
【0024】
本発明は、使用するポリアセタール系樹脂成分(A)が、上記の如きポリアセタール樹脂(A1)と変性ポリアセタール樹脂(A2)とからなることを特徴とする。
【0025】
本発明において、ポリアセタール樹脂(A1)と変性ポリアセタール樹脂(A2)の重量比はA1/A2=99.9〜0重量部/0.1〜100重量部である。変性ポリアセタール樹脂(A2)が0.1重量部未満では、ポリアセタール系樹脂(A)と後述するポリアミド系樹脂及び含窒素重合体との混和性が不充分となり、押出し加工性や表面光沢の改善が乏しくなる。A1/A2のより適正な割合を判断するにあたっては、使用する変性ポリアセタール樹脂(A2)の変性度(カルボキシル基の導入率)と分子量を勘案する必要がある。すなわち、一般に変性ポリアセタール樹脂(A2)は、その変性度(カルボキシル基の導入率)が低いほど分子量の高い重合体を得やすく、変性度の増大に伴って分子量が低下する傾向がある。従って、変性度が低く分子量の高い変性ポリアセタール樹脂(A2)を使用する場合には、その配合比率を多くしてポリアセタール系樹脂成分(A)が有するカルボキシル基量を適度に確保するのが好ましく、逆に変性度が高く分子量の低い変性ポリアセタール樹脂(A2)を使用する場合には、その配合比率を少なくしてポリアセタール系樹脂成分(A)が適度の分子量を保持するように調整するのが好ましい。
【0026】
次に本発明において用いられるポリアミド系樹脂(B1)及び含窒素重合体(B2)より選ばれる樹脂(B)としては、特に制約はなく、公知のポリアミド系樹脂及び含窒素重合体が何れも使用できる。
【0027】
本発明で使用する成分(B)のポリアミド系樹脂(B1)には、ジアミンとジカルボン酸とから誘導されるポリアミド;アミノカルボン酸、必要に応じてジアミン及び/又はジカルボン酸を併用して得られるポリアミド;ラクタム、必要に応じてジアミン及び/又はジカルボン酸を併用して得られるポリアミドが含まれる。ポリアミドには、2種以上の異なったポリアミド形成成分により形成される共重合ポリアミドも含まれる。
【0028】
上記ジアミンとしては、例えば、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;フェニレンジアミン、メタキシリレンジアミン等の芳香族ジアミン;ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン等の脂環族ジアミンが挙げられる。これらジアミンは1種又は2種以上使用できる。
【0029】
上記ジカルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、オクタデカン二酸等の炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸;二量体化脂肪酸(ダイマー酸);シクロヘキサン1,4−ジカルボン酸やシクロヘキサン1,3−ジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸やテレフタル酸、ナフタレンカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。これらジカルボン酸も1種又は2種以上使用できる。
【0030】
上記アミノカルボン酸としては、例えば、アミノカルボン酸、アミノノナン酸、アミノウンデカン酸等の炭素数4〜20のアミノカルボン酸が挙げられる。これらアミノカルボン酸も1種又は2種以上使用できる。
【0031】
上記ラクタムとしては、例えばブチロラクタム、ピバロラクタム、カプロラクタム、カプリルラクタム、エナントラクタム、ウンデカノラクタム、ドデカラクタム等の炭素数4〜20のラクタムが挙げられる。これらラクタムも1種又は2種以上使用できる。
【0032】
本発明に用いられる具体的なポリアミド系樹脂としては、ポリアミド46、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12等の脂肪族ポリアミド、芳香族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸)と脂肪族ジアミン(例えば、ヘキサメチレンジアミン)とから得られるポリアミド、脂肪族ジカルボン酸(例えば、アジピン酸)と芳香族ジアミン(例えば、メタキシリレンジアミン)とから得られるポリアミド、芳香族及び脂肪族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸とアジピン酸)と脂肪族ジアミン(例えば、ヘキサメチレンジアミン)とから得られるポリアミド及びこれらの共重合体等が挙げられる。
【0033】
また、ポリアミドエラストマー樹脂もポリアミド系樹脂として使用することができる。ポリアミドエラストマー樹脂としては、ポリアミドハードセグメントと他のソフトセグメントが結合した曲げ弾性率が10000kgf/cm2以下(50%相対湿度、23℃)のポリアミド系ブロックコポリマーが好ましい。かかるエラストマーのソフトセグメントとしては、ポリアルキレンオキシド(アルキレン基の炭素数2〜6)が代表的な例である。かかるポリアミドエラストマーの合成法については、数多くの報告があるが、通常は、ポリアミドオリゴマーの生成とエステル化による高分子量化の2段階に分けて行われている。ここで、ハードセグメントとしてのポリアミド成分としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12等のポリアミドが挙げられ、ソフトセグメントとしてのポリエーテル成分としては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0034】
本発明で使用するのに特に好ましいポリアミド系樹脂は、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12及びこれらの共重合体、及びこれらのポリアミド単位を主体とするハードセグメントとポリアルキレンオキシド単位を主体とするソフトセグメントとからなるポリアミドエラストマーであり、これらは単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。
【0035】
本発明で使用する成分(B)の含窒素重合体(B2)としては、重合或いは高分子反応により分子中にアミノ基或いはアミド基等の含窒素置換基が導入された従来公知の樹脂が全て包含される(もちろん、上記(B1)として提示したポリアミド系樹脂は(B2)には含まれない)。
【0036】
重合によりアミノ基等が導入された含窒素重合体としては、下記式で示される構造単位を有する樹脂がその代表例である。
【0037】
【化2】
Figure 0004889876
【0038】
式中、Rは水素原子、アルキル基、フェニル基、アルキル置換フェニル基または−X−NH2を表し、Xはアルキレン基、カルボニル基、カルボキシアルキレン基、アルキレンオキシカルボニルアルキル基、フェニレン基、アルキル置換フェニレン基、アミド基またはアルキレンアミド基を表し、存在しない場合をも含む。又、重合により導入された含窒素重合体としては、上記以外にもポリビニルピロリドンの如き、側鎖に環状含窒素構造を持つ重合体等の使用も可能である。
【0039】
高分子反応によりアミノ基等が導入された含窒素重合体としては、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂等の高分子と、アミド基を有する化合物、アミノ基を有する化合物、イミド基を有する化合物、ニトリル基を有する化合物、イソシアネート基を有する化合物、シクロアルキル基またはアリール基を有する化合物、または複素環基を有する化合物等との高分子反応重合体が挙げられる。
【0040】
アミド基を有する化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミドとその誘導体;ビニルスルホンアミド、ビニルスルホンアニリド、ビニルスルホンメチルアニリド、ビニルスルホンアセトアニリド等のビニルスルホンアミド類が挙げられる。アミド基を有する重合性化合物として好ましいものは、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミドである。
【0041】
アミノ基を有する化合物としては、例えば、アリルアミン、ジアリルアミン等のアリル化合物;4−ビニルアニリン、N−ビニルジフェニルアミン等のビニル化合物;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類が挙げられる。
【0042】
イミド基を有する化合物としては、例えば、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、ビスマレイミド等のマレイミドとその誘導体;N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルグルタルイミド、N−ビニルフタルイミド等のN−ビニル多価カルボン酸イミド等が挙げられる。イミド基を有する重合性化合物として好ましいものは、マレイミドとその誘導体である。
【0043】
ニトリル基を有する化合物としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−シアノエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。ニトリル基を有する重合性化合物として好ましいものは、(メタ)アクリロニトリルである。
【0044】
イソシアネート基を有する化合物としては、例えば、ビニルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネート、m−(2−イソシアノ−2−プロピル)―α―メチルスチレン等が挙げられる。
【0045】
シクロアルキル基またはアリール基を有する化合物としては、例えば、ビニルシクロヘキサン、2−ビニル−1−ノネン、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタリン、ビニルアントラセン等が挙げられる。
【0046】
複素環基を有する化合物としては、例えば、2−ビニルキノリン、3−ビニルピペリジン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロール、N−ビニルインドール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。また、かかる複素環基を有する重合性化合物には、オキサゾロン基を有する化合物(例えば、2−ビニル−5−オキサゾロン等)等の環状イミノエステル、オキサゾリン基を有する化合物(例えば、2−ビニル−5−オキサゾリン等)等の環状イミノエーテル等も含まれる。好ましい複素環基を有する重合性化合物には、ヘテロ原子としての窒素原子にビニル基が結合した複素環化合物、環状イミノエステル基や環状イミノエーテル基等のようにヘテロ原子として窒素原子と共に酸素原子を有する複素環基を有するビニル化合物が含まれる。
【0047】
上記の高分子反応によりアミノ基等が導入された含窒素重合体を製造する場合に、ラジカル発生剤を用いると効率よく導入することができる。ラジカル発生剤は、フリーラジカルを発生し、重合性化合物の重合を開始する重合開始剤としての機能を有する化合物であれば、その種類は特に制限されず、有機過酸化物等の過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩、その他公知のラジカル重合開始剤が使用できる。これらのラジカル発生剤は単独で使用してもよく、同種又は異種のものを組み合わせて使用してもよい。
【0048】
又、含窒素重合体(B2)としては、上記以外に、分子鎖の末端がアミノ基或いはアミド基等で置換された、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂等であってもよい。その中で好ましい含窒素重合体としては、重合によりアミノ基或いはアミド基等が導入されたものであり、その構造単位としては、アリルアミン、アクリル酸アミド、アクリル酸ヒドラジド、メタクリル酸ヒドラジド、アミノアルキルアクリレート、アミノアルキルメタクリレート、ビニルアルキルアミン等を有する単独重合体、共重合体、架橋重合体、或いはこれらの成分とエチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等との共重合体である。これらの含窒素重合体は単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。その中でも特に好ましいものは、アリルアミン又はアクリル酸アミドを構造単位として有する単独重合体、共重合体及び架橋重合体である。
【0049】
本発明において、かかるポリアミド系樹脂及び含窒素重合体より選ばれる樹脂(B)の配合量は、前述したポリアセタール樹脂(A1)と変性ポリアセタール樹脂(A2)からなるポリアセタール系樹脂成分(A)99〜40重量%に対し、1〜60重量%であり、好ましくは、ポリアセタール系樹脂成分(A)97〜50重量%に対し、3〜50重量%である。ポリアミド系樹脂及び含窒素重合体より選ばれる樹脂(B)の配合量が過少の場合、表面光沢の十分な改善(光沢の抑制)は期待できず、逆に過大になるとポリアセタール樹脂が本来有する諸特性が損なわれるのみならず、本発明の特徴である変性ポリアセタール樹脂(A2)の併用によってもなお樹脂(B)との混和性が不充分となり、押出し加工性や表面光沢の改善が乏しくなる。
【0050】
本発明の特徴は、上記の如く、ポリアセタール系樹脂成分として特定の変性ポリアセタール樹脂(A2)を含む点にあり、上記の如き組成だけでも表面光沢の改善等に対し十分な効果が得られるが、これに更に、イソシアネート基、イソチオシアネート基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、オキサゾリン基及びビニル基から選ばれた反応性基を有する反応性化合物(C)を、組成物全量に対し0.01〜10重量%配合するのが好ましく、特にその存在下で溶融混練することにより、本発明の目的である表面光沢の改善等に対して、より一層の効果が発現する。
【0051】
かかる反応性化合物(C)としては、例えば、エポキシシラン化合物、アミノシラン化合物、メルカプトシラン化合物、ビニルシラン化合物の如く、上記の反応性基を通常1個しか有しないものも使用できるが、好ましいのは、少なくとも2個の反応性基、中でも、イソシアネート基、イソチオシアネート基、オキサゾリン基、又はエポキシ基を有するものである。その具体例としては、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート又はこれらに対応するジイソチオシアネート及びこれらの二量体、三量体、さらにはイソシアネート基(−NCO)が何らかの形で保護されている化合物等、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2モル付加物のジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、トリメリツト酸トリグリシジルエステル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、ビスオキサゾリン、1,3−フェニレンビスオキサゾリン等が挙げられる。これらの反応性化合物はいずれも有効であるが、特にイソシアネート基、イソチオシアネート基を有するものがより有効であり、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートならびにこれらの二量体、三量体等の変性体(又は誘導体)が特に好ましい。
【0052】
かかる反応性化合物(C)の添加効果は、樹脂の粘度増大(メルトインデックスの低下)よりみて、反応性化合物(C)が溶融処理時にポリアセタール系樹脂成分(A)、特にカルボキシル基が導入された変性ポリアセタール樹脂(A2)及び/又はポリアミド系樹脂及び含窒素重合体より選ばれる樹脂(B)と反応し、場合により、一部三次元化構造をとり、ポリアセタール系樹脂成分(A)と上記樹脂(B)の両者の親和性を高めあるいは界面の密着性向上に寄与しているものと推察される。
【0053】
本発明の組成物は、さらに公知の各種安定剤を添加して安定性を補強することが望ましい。使用される安定剤としては酸化防止剤、耐熱安定剤(分解防止剤)、耐候(光)安定剤等が特に重要である。
【0054】
酸化防止剤としては、立体障害性フェノール又はアミン類等、耐熱安定剤としては、金属の水酸化物や無機塩、脂肪酸の金属塩、アミジン化合物やアミド化合物の如き窒素含有化合物等、耐候(光)安定剤としては、ベンゾトリアゾール系物質、ベンゾフェノン系物質、芳香族ベンゾエート系物質、ヒンダードアミン系物質(立体障害性基を有するピペリジン誘導体)等が一般的に用いられる。
【0055】
更に本発明の組成物には目的とする用途に応じてその物性を改善するため、公知の各種の添加物を配合し得る。添加物の例を示せば、各種の着色剤、滑剤、離型剤、核剤、界面活性剤、異種ポリマー、有機高分子改良剤及び無機、有機、金属等の繊維状、粉粒状、板状の充填剤が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合使用できる。
【0056】
本発明の組成物又はその成形品の調製法としては、特に制約はないが、基本的には(A1)、(A2)及び(B)成分を溶融混練処理することによって調製される。特に(C)成分を更に配合する場合においては、該成分の存在下で溶融混練することが有効である。処理条件は(A1)及び(A2)の融点以上、270℃以下の温度で少なくとも30秒以上混練することが望ましい。調製法の具体的態様は特に限定するものではなく、一般に合成樹脂組成物又はその成形品の調製法として公知の設備と方法こより調製することができる。即ち、必要な成分を混合し、1軸又は2軸の押出機又はその他の溶融混練装置を使用して混練し、成形用ペレットとした後成形することができる。また、各成分の分散混合をよくするため樹脂成分の一部又は全部を微粉砕し、混合して溶融押出した後、そのペレットを形成する方法、或いは組成物を構成する成分の一部(例えば(C)成分と(A1)又は(A2)成分の一部)を予め溶融混練し(マスターバッチ)、これを残りの他の成分と更に混練して所定の成分の組成物又は成形品とする方法等は更に本発明の効果を高める為、好ましい。
【0057】
また、本発明の組成物又は成形品はそのままでも前記の如く優れた物性を示すものであるが、組成物調製後、又は成形後、80℃以上の温度にて熱処理すれば更にその物性を改良し安定化するのに有効である。
【0058】
また、前記安定剤、添加剤等の配合は任意のいかなる段階で加えてもよく、また最終成形品を得る直前で、添加、混合することも勿論可能である。
【0059】
本発明の組成物を成形してなる成形品表面の光沢の度合いは、実用上好ましくは後記測定法による光沢度が20%以下のもの、特に好ましくは15%以下のものである。また最近の自動車内装の高級化に伴い、また手触りを良くするために内装部品の大部分に皮シボ、梨地シボと呼ばれるシボ加工が施されており、鏡面での低光沢化をすると同時に、シボ加工面への高い転写性が必要となってくる。本発明の組成物においてはポリアセタール樹脂表面を改質することにより鏡面の光沢が著しく低下すると同時にシボ加工面への転写性が非常に良くなり、シボ加工面での光沢は更に一層低下する。
【0060】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(変性ポリアセタール樹脂A2−1の調製)
トリオキサン96mo1%と1,3−ジオキソラン4mo1%の混合物に、グリコール酸を0.2mol%、及び、分子量調整剤のメチラールを0.01mol%添加し、三フッ化ホウ素(BF3)を反応開始触媒として重合し、常法によって安定化処理した。得られた変性ポリアセタール樹脂は、メルトインデックス25g/10minで20mmol/kgのカルボキシル基を有するものであった。尚、メルトインデックスは190℃、荷重2160gの条件下で測定し、カルボキシル基は、溶液再沈処理をした変性ポリアセタール樹脂を重水素化ヘキサフルオロイソプロパノール溶液としてプロトンNMR測定を行い、カルボキシル基隣接メチレンのプロトンピークを基に算出した。
(変性ポリアセタール樹脂A2−2の調製)
トリオキサン96mol%と1,3−ジオキソラン4mol%の混合物に、オキシピバル酸を0.2mol%、及び、分子量調整剤のメチラールを0.01mol%添加し、三フッ化ホウ素(BF3)を反応開始触媒として重合した。得られた変性ポリアセタール樹脂は、メルトインデックス28g/10minで17mmo1/kgのカルボキシル基を有するものであった。尚、カルボキシル基は、溶液再沈処理をした変性ポリアセタール樹脂を重水素化ヘキサフルオロイソプロパノール溶液としてプロトンNMR測定を行い、カルボキシル基隣接メチルのプロトンピークを基に算出した。
(ポリアセタール樹脂A1の調製)
グリコール酸を添加しないこと以外は(A2−1)と同様にしてポリアセタール共重合体を調製した。得られたポリアセタール樹脂はメルトインデックスて14g/10minのコポリマーであった。
実施例1〜8、比較例1〜4
表1に示す如く、ポリアセタール樹脂(A1)、変性ポリアセタール樹脂(A2−1、A2−2)及びポリアミド系樹脂又は含窒素重合体(B−1、B−2、B−3)を混合した後、2軸押出機を用いて、樹脂温度210℃で溶融混練処理し、ペレット状の組成物を調製した。
【0061】
尚、B−1、B−2、B−3はそれぞれ、下記の通りである。
【0062】
B−1:ポリアミド6、66、610共重合体(エルブアミド;デュポン社製)
B−2:ポリアミドエラストマー(ダイアミドE40;ダイセル・ヒュルス社製)
B−3:ポリアリルアミン(分子量50000)
また、更に反応性化合物(C)(イソシアネート化合物)を添加したものについても、同様にしてペレット状の組成物を調製した(実施例7)。
【0063】
一方、比較のため、変性ポリアセタール樹脂(A2)を添加しない場合についても同様にしてペレット状の組成物を調製し、評価を行った。結果を表1に示す。
【0064】
尚、評価項目及び評価方法は、下記の通りである。
(1) 押出し加工性(組成物ペレット調製時所見)
内径30mmのベント付二軸押出機を使用して押出しを行い、押出し状況を観察した。押出し性は1〜3ランクに分け、評価した。数字が小さい程、押出し性が良好である。
【0065】
1…通常の方法にて、容易に押出しが可能である
2…押出しが困難であり、ストランドが切れやすい
3…押出しが不可能である
(2) 表面状態(成形外観)および表面光沢度の測定
鏡面金型を用いて下記条件にて成形した試験片(70mm×40mm×3mm厚さ)を用いて表面状態および表面光沢度を測定した。
【0066】
(イ)表面状態は、1〜4のランクに分け、艶消し状態および成形表面の均一性を評価した。数字が小さい程、均一性が良く、かつ艶消し状態が良い。
【0067】
1…表面が均一であり、かつ艶消し状態も良い
2…表面の艶は、低下しているが、表面の凹凸は不均一で荒れている
3…表面の艶が、消えている部分と消えていない部分が不均一にまだら模様になっている
4…表面の艶がほとんど低下していない。または、表面のまだら模様が大きく、艶の低下していない部分が大きい
(ロ)表面光沢度はJIS K7105 の光沢度測定に準拠してデジタル変角光沢計(スガ試験機(株)製 UGV-40 )にて45度−45度反射における光沢度を測定した。
【0068】
Figure 0004889876
(3) 引張試験
ASTM D638 に準拠して引張強度を測定した。
【0069】
【表1】
Figure 0004889876
【0070】
【発明の効果】
以上の説明及ぴ実施例により明らかなように、特定のポリアセタール樹脂に、ポリアミド系樹脂及び含窒素重合体より選ばれる樹脂を添加配合してなる本発明の組成物は、押出し加工性・成形性に優れ、ポリアセタール樹脂のバランスのとれた機械的物性を保持しながら、成形品表面の光沢を著しく低下させ、落ち着きのある表面を形成するという顕著な効果を示した。従って、本発明の低光沢性を有するポリアセタール樹脂組成物は、高級感を出し、光の反射が嫌われる自動車内装品(例えばレギュレーターハンドル、内装クリップ、ベンチレーターノブ等)、および光学器械、建材、家庭用品等の用途に好適に使用し得る。

Claims (6)

  1. ポリアセタール系樹脂成分(A)99〜40重量%に、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12及びこれらの共重合体、及びこれらのポリアミド単位を主体とするハードセグメントとポリアルキレンオキシド単位を主体とするソフトセグメントとからなるポリアミドエラストマーから選ばれたポリアミド系樹脂(B1)及びアリルアミン、アクリル酸アミド、アクリル酸ヒドラジド、メタクリル酸ヒドラジド、アミノアルキルアクリレート又はビニルアルキルアミンを構造単位として有する単独重合体、共重合体、架橋重合体、或いはこれらの成分とエチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共重合体から選ばれた含窒素重合体(B2)より選ばれる樹脂(B)1〜60重量%を配合してなるポリアセタール樹脂組成物であって、該ポリアセタール系樹脂成分(A)が、(A1)ポリアセタール樹脂99.9〜0重量部と(A2)分子中に1〜200mmol/kgのカルボキシル基を有する変性ポリアセタール樹脂0.1〜100重量部とからなることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。
  2. ポリアセタール樹脂(A1)が、ホルムアルデヒド又は一般式(CHO)[但し、nは3以上の整数]で表されるホルムアルデヒドの環状オリゴマーを単独重合するか、あるいは、ホルムアルデヒド又はその環状オリゴマーと環状エーテル及び/又は環状ホルマールを共重合することによって得られる(共)重合体である請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 変性ポリアセタール樹脂(A2)が、1分子中にカルボキシル基とアルコール性水酸基を有する化合物(b)の存在下で、ホルムアルデヒド又は一般式(CHO)[但し、nは3以上の整数]で表されるホルムアルデヒドの環状オリゴマーを単独重合するか、あるいは、ホルムアルデヒド又はその環状オリゴマーと環状エーテル及び/又は環状ホルマールを共重合することによって得られる(共)重合体である請求項1又は2記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 変性ポリアセタール樹脂(A2)を構成する1分子中にカルボキシル基とアルコール性水酸基を有する化合物(b)が脂肪族オキシカルボン酸である請求項3記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. 変性ポリアセタール樹脂(A2)を構成する1分子中にカルボキシル基とアルコール性水酸基を有する化合物(b)が、グリコール酸、乳酸、α−オキシイソ酪酸、β−オキシイソ酪酸、オキシピバル酸、12−オキシステアリン酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸より選ばれる少なくとも1種である請求項3記載のポリアセタール樹脂組成物。
  6. 更に、イソシアネート基、イソチオシアネート基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、オキサゾリン基及びビニル基から選ばれた反応性基を有する反応性化合物(C)を組成物全量に対し0.01〜10重量%配合してなる請求項1〜5の何れか1項記載のポリアセタール樹脂組成物。
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