JP4888777B2 - 水素貯蔵材料の製造方法 - Google Patents

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この発明は、水素吸蔵量に優れた水素貯蔵材料の製造方法に関するものである。
環境問題や化石燃料の枯渇問題が叫ばれている中、化石燃料の代替エネルギーとして、燃焼しても水しか発生しない水素が注目を浴びている。水素を有効かつ簡便に貯蔵、輸送、供給可能な材料の開発が活発に行われており、水素を貯蔵する材料としては水素吸蔵合金があるが、質量やコストなどの課題が残されている。
最近では、水素貯蔵量が10wt%以上と高いことからAlHが注目されている。
このAlHを得る簡単な合成方法としては、
式(1):3LiAlH+AlCl→4AlH+3LiCl
で示すように、(CO中で、LiAlHとAlClを反応させて合成する方法が古くから知られている(非特許文献1)。
しかし、上記反応式では得られるAlHは溶媒和物、すなわちジエチルエーテル和物となって析出するため、水素貯蔵材料として用いるためには、ジエチルエーテルを除去しなければならない。
F.M.BrowerらはAlHジエチルエーテル和物を単純に真空加熱しただけでは、AlHとして残らず、Alまで分解してしまうが、
式(2):4LiAlH+AlCl→4AlH+3LiCl+LiAlH
のように、原料の配合モル比(LiAlH/AlCl)を4にして式(1)より1モル分過剰にし、反応後もLiAlHを存在させることで、ジエチルエーテル和物をほとんど含まないAlHが得られると報告している(非特許文献2)。その理由は明らかではないが、未反応のLiAlHが存在すると、AlHジエチルエーテル和物からジエチルエーテルが分離しやすくなり、ジエチルエーテルをほとんど含まないAlHが得られると推察される。
以下に、上記したAlHの製造方法について説明する。
1.十分な量のジエチルエーテル中で、式(2)で示されるように原料の配合モル比(LiAlH/AlCl)を4として、合成反応を起こす。このときLiClは析出するが、AlHはジエチルエーテル和物として存在し、未反応のLiAlHとともにジエチルエーテル中に溶解している。
2.反応後の溶液をろ過してLiClを除去する。ろ過後の溶液にはAlHジエチルエーテル和物とLiAlHが溶解している。
3.真空処理によりジエチルエーテルを蒸発させ、AlHジエチルエーテル和物と未反応のLiAlHを析出させる。
4.AlHジエチルエーテル和物とLiAlHが混ざった状態で、60℃で加熱真空処理することにより、AlHジエチルエーテル和物からジエチルエーテルを除去し、結晶AlHに変化させる。この方法では、LiAlHを過剰に存在させるために原料の配合モル比(LiAlH/AlCl)を4以上にする必要がある。
5.上記結晶AlHとLiAlHが混ざったものをフィルターにのせ、未反応のLiAlHをジエチルエーテルで洗い流す。LiAlHはジエチルエーテルに溶けてフィルターの下に落ちるが、AlHはほとんど溶解しないので、フィルターの上に残る。
6.もう一度真空処理を行い、結晶AlHに付着したジエチルエーテルを除去し、AlHを得る。
”J.Am.Chem.Soc.69”、1947年発行、p1199 ”J.Am.Chem.Soc.98”、1976年発行、p2450
前記したように、配合する原料のモル比(LiAlH/AlCl)=3においてAlHの合成は可能であるが、AlHジエチルエーテル和物からのジエチルエーテルの除去が非常に困難であるため、従来法では(LiAlH/AlCl)=4として、合成反応後に未反応のLiAlHを存在させることにより、ジエチルエーテルの除去を容易にしている。
しかし、LiAlHを過剰に用いる条件での合成であるため、合成後に多量のLiAlHが無駄になってしまう。このLiAlHは非常に高価であり、状況によっては原料費の90%を占めるので、無駄なLiAlHの使用はAlHの製造コストを高めてしまうという問題がある。したがって製造コストを削減するためにはLiAlHの使用量を少なくすることが必要となる。
また、AlHからのジエチルエーテル除去が不十分であると、放出する水素にジエチルエーテルが混入するため、高純度水素を必要とする燃料電池などには好ましくない。
したがって、ジエチルエーテルを除去するためにはLiAlHを多く投入した方が良いが、コストを削減するためにはLiAlHを少なくした方が良いという相反することが要求される。
この発明は上記課題を解決するためになされたもので、従来法よりLiAlHの使用量を減らし、無駄になるLiAlHを低減するとともに、ジエチルエーテルの含有量が少ない高純度のAlHを得ることができる方法を提供することを目的としている。
すなわち、本発明の水素貯蔵材料の製造方法のうち、請求項1記載の発明は、ジエチルエーテル中でLiAlHとAlClとを、3<(LiAlH/AlCl)<4の配合モル比で反応させてAlHを合成し、該反応によって得られたAlHを含むジエチルエーテル和物を真空下において60℃を超え、90℃以下となる温度範囲、好ましくは70℃以上90℃以下の温度範囲で加熱してAlHを分離回収することを特徴とする。
請求項2記載の水素貯蔵材料の製造方法の発明は、請求項1記載の発明において、前記加熱は、前記AlHを含むジエチルエーテル和物が全体での温度差が3℃以内となるように均一に行われることを特徴とする。
請求項3記載の水素貯蔵材料の製造方法の発明は、請求項2記載の発明において、前記均一での加熱は、粉末化されたAlHを含むジエチルエーテル和物に良伝熱性の材料を混合して加熱することにより行われることを特徴とする。
本発明によれば、AlHの製造に用いるLiAlHの使用量を従来よりも少なくするとともに、AlH結晶からジエチルエーテルを除去する際に、AlHの分解を招くことなくジエチルエーテルを効果的に除去することを可能にする。
ここで、LiAlHとAlClとの配合比を、3<(LiAlH/AlCl)<4としたのは、3以下では、AlH結晶からジエチルエーテルを除去する際に過剰のLiAlHの存在が期待されず、ジエチルエーテルの除去効率が低下する。一方、配合比が4以上になると、無駄になるLiAlHの量が多くなり、製造コストをアップさせてしまう。
また、AlH結晶からジエチルエーテルを除去する際の加熱温度は、60℃以下では脱エーテル速度が小さく脱エーテルに時間がかかりすぎる。またジエチルエーテル和物が十分に分解されずジエチルエーテルの除去が不十分となる。60℃以上で脱エーテルが起こるが、130℃以上になると脱エーテル化したAlHが急激に水素を放出してしまうので、温度範囲は60℃を超え、130℃未満の温度範囲とする必要がある。好ましくは上限を100℃を超えない温度範囲とする。さらに好ましくは70℃以上90℃以下の温度範囲で加熱する方が良い。
なお、ジエチルエーテル下でLiAlHとAlClとを上記配合比で反応させる際には、雰囲気を不活性雰囲気にして雰囲気中の水分及び酸素量を厳密に管理するのが望ましい。不活性雰囲気としては、窒素、ヘリウム、アルゴンなどのガスを用いることができる。また、雰囲気中の水分管理は、露点を−70℃以下にすることにより行うのが望ましい。また、雰囲気中の酸素濃度は、0.2ppm以下とするのが望ましい。これは雰囲気中の水分および酸素は、LiAlHや AlClと反応してしまうので、その反応を抑制するためである。
上記反応においては、LiClが副生成物として生成されるので、フィルターなどによって除去し、ジエチルエーテルを真空排気によって蒸散させることができる。残ったAlHジエチルエーテル和物は、僅かにLiAlHを含んでおり、これを上記したように真空下で60℃を超え、130℃未満となる温度範囲、好ましくは上限を100℃を超えない温度範囲、さらに好ましくは70℃以上90℃以下の温度範囲で加熱する。この際に、ジエチルエーテル和物を均一に加熱することが望ましく、これによりジエチルエーテル和物を部分的に必要以上に高い温度で加熱したり、部分的に加熱が不十分になったりすることがない。全体の中の温度が3℃以上の差を有するに至ると、部分的に、加熱が不均一になってジエチルエーテルの除去が不十分になったり、AlHの分解が生じてしまったりする。
なお、ジエチルエーテル和物を均一に加熱する方法としては、良伝熱性の材料をジエチルエーテル和物中に混合し、これを加熱することによって加熱の均一性を高めることができる。良伝熱性材料の材質は、本発明としては特に限定されるものではないが、伝熱性がジエチルエーテル和物よりも十分に高く、かつジエチルエーテル和物との反応が生じない化学的に安定なものが望ましく、例えば、銅、アルミニウム、銀、金などを例示することができる。なお、前記における金属は純金属、合金のいずれであってもよい。この良伝熱性の材料は、粉粒状にして、同じく粉粒状としてジエチルエーテル和物と混合することで加熱均一性を一層高めることができる。
また、ジエチルエーテル和物を均一に加熱する方法としては、この他に、真空加熱する際、試料を入れる容器(例えばフラスコなど)の形に合わせたヒーターを用いたり、或いは、銅やアルミニウムなどの熱伝導性の良い材料で作られた容器にジエチルエーテル和物を収容して加熱したりする方法が挙げられる。さらに、この他に、雰囲気を汚染しないよう蒸気圧の低いオイルバスを用いる方法が挙げられる。これらの方法は、いずれを採用しても良く、また、複数を組み合わせるようにしてもよい。また、均一加熱方法がこれらに限定されるものでもない。なお、加熱中に粉粒状にしたジエチルエーテル和物を連続的または間欠的に撹拌すれば、加熱の均一性を向上させることができる。
以上説明したように、本発明の水素貯蔵材料の製造方法によれば、ジエチルエーテル中でLiAlHとAlClとを、3<(LiAlH/AlCl)<4の配合モル比で反応させてAlHを合成し、該反応によって得られたAlHを含むジエチルエーテル和物を真空下において60℃を超え、90℃以下となる温度範囲、好ましくは70℃以上90℃以下の温度範囲で加熱してAlHを分離回収するので、LiAlHの無駄な使用を極力少なくするとともに、合成されたAlHジエチルエーテル和物からジエチルエーテルを確実に除去して効率よく良質のAlHを得ることができる。
具体的には、(LiAlH/AlCl)<4としたことにより、以下の効果が期待できる。
1.LiAlHの使用量の低減により、原料コストの削減効果がある。削減量xは0%<x<25%である
2.LiAlHの使用量の低減により、未反応のLiAlHの洗い流し作業の容易性の改善効果がある。
3.LiAlHの使用量の低減により、AlH中に含まれるLiAlH量の低減効果がある。
4.AlH中に含まれるジエチルエーテルの量を1wt%以下にすることができる。
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
ジエチルエーテルに、LiAlHとAlClとを、3<(LiAlH/AlCl)<4の配合比で溶かし、望ましくは水分および酸素量を厳密に管理した不活性ガス(例えば窒素)雰囲気下で反応を生じさせた。この際に、溶液の温度が30℃を超えないように、溶質の混合等を行うのが望ましい。これは溶液の温度が34.5℃を超えるとジエチルエーテルが沸騰、蒸発することによる未反応の原料の析出を抑制するためである。
上記反応が十分に進行した後、溶液をろ過して、反応によって生じた副生成物であるLiClを除去する。LiClは溶液中に溶解せず沈殿するので、該ろ過によって容易に除去することができる。
上記ろ過の後、真空雰囲気にしてジエチルエーテル液を蒸発させて除去する。この結果、AlHジエチルエーテル和物と溶液に過剰に含まれていたLiAlHとが析出する。ジエチルエーテルは、ジエチルエーテル和物を構成するもの以外は残らないように蒸発をさせる。
得られた析出物は、所望により適宜の大きさに粉砕する。粉砕方法としては機械的な方法が一般的に用いられ、例えば数μm〜数十μmの大きさに粉砕される。
上記析出物は、真空下において60℃を超え、90℃以下となる温度範囲、好ましくは70℃以上90℃以下の温度範囲で加熱してAlHジエチルエーテル和物のジエチルエーテルを分解除去する。該加熱に際しては、AlHジエチルエーテル和物が全体で温度差が3℃を超えることがないように均一に加熱するのが望ましい。
例えば、熱伝導性が良好な銅やアルミニウムなどの粒体を粉粒状のジエチルエーテル和物に多数混合してさらに、熱伝導性の良好な銅などの容器に収納して加熱することができる。加熱に際しては容器内を適宜撹拌して加熱均一化を図る。
該加熱によってAlHジエチルエーテル和物が分解し、ジエチルエーテルが蒸発・除去される。
上記加熱によっても、AlHの他にはLiAlHが残存している。これらに対し、再度ジエチルエーテルを加えて洗浄すると、LiAlHが容易に溶解する。一方、AlHは、ジエチルエーテルには殆ど溶解せずに固体状態を維持する。これらはろ過することによりAlHを分離することができる。ただし、AlHには、上記洗浄によって使用したジエチルエーテルが付着しており、これを真空下に置くことで、ジエチルエーテルを蒸発除去することができる。
上記工程では、LiAlHの使用量が低減されており、それにも拘わらず、AlHを効果的に分離抽出することができる。また、分離されたAlHにはジエチルエーテルは殆ど含まれておらず、良質のAlHを得ることができる。
以下に、本発明の実施例を説明する。
以下の実施例では、配合する原料のモル比(LiAlH/AlCl)が3<(LiAlH/AlCl)<4となるように、従来よりもLiAlHを少なくしたとき、(LiAlH/AlCl)=4のときと同じ効果が得られるかどうかを確認した。
実施例として(LiAlH/AlCl)=3.5の結果を示し、また比較のため(LiAlH/AlCl)=3および4の結果を示した。
合成手順
(1)3.33gのAlCl(無水)を25mLのジエチルエーテルに溶かし、AlClジエチルエーテル溶液を作製した。原料の配合比(LiAlH/AlCl)によらず、AlClの量は一定とした。
(2)1M−LiAlHジエチルエーテル溶液87.5mLを、液温が30℃を超えないように(1)の溶液に徐々に加え、合成反応を起こさせた。このときLiClが沈殿した。また、比較例においては、加えるジエチルエーテルの溶液は(LiAlH/AlCl)=3のとき75mL、LiAlH/AlCl)=4のとき100mLとした。
(3)合成反応後、ろ過によりLiClを分離した。ろ過後の溶液にはAlHジエチルエーテル和物とLiAlH(過剰分)が溶けている。なお、(LiAlH/AlCl)=3のとき、過剰のLiAlHはないことになる。
(4)室温、真空排気によりAlHジエチルエーテル和物となっているエーテル以外のエーテルを全て蒸発させ、AlHジエチルエーテル和物とLiAlH(過剰分)を析出させた。
(5)析出した試料を乳鉢により細かく粉砕し、70、80、90℃で2時間の3条件で真空加熱処理を行った。このとき試料が均一に加熱されるよう銅製容器に入れ、さらにAlHの熱伝導が低いので熱が試料全体に伝わるように、直径3mm程度の良伝熱性の銅製ボールを試料全体に行き渡るように入れた。加熱中容器を定期的に振ると、この銅製ボールが試料を十分に攪拌することになり、より均一な試料を得ることができる。
(6)過剰のLiAlHを除去するため、試料をガラスフィルターにのせ、ジエチルエーテルでLiAlHを溶かし流した。加熱処理後のAlHはほとんどジエチルエーテルに溶けないが、LiAlHはジエチルエーテルに溶けやすいので、ジエチルエーテルをかけ流すと、LiAlHはエーテルとともにフィルターの下に落ちるが、AlHはフィルター上に残る。
(7)上記によりLiAlHを洗浄・除去した後、室温で1時間真空排気し、AlHに付着したジエチルエーテルを蒸発除去した。
図1に、析出後の試料の昇温過程(5K/min)における質量数分析の結果を示した。質量数分析は、四重極型の質量数分析装置を用いて行った。
分析結果におけるMassNo.2は水素、MassNo.31はエーテルを示す。(LiAlH/AlCl)=3では、水素とエーテルの脱離が何れも400K付近から開始し、ジエチルエーテルの脱離温度と水素放出温度が重なっているので、AlHのみを得ることが非常に難しいことを示唆している。この結果は、前記したF.M.Browerらの報告に沿ったものである。
(LiAlH/AlCl)=4では、ジエチルエーテルの脱離は350K過ぎから380K程度で終了し、水素放出は395Kから始まっている。したがって、従来の報告通り(LiAlH/AlCl)=4ではジエチルエーテルを脱離しAlHのみを得ることが可能であることが確認された。
本願発明のモル比範囲内の(LiAlH/AlCl)=3.5では、ジエチルエーテルの脱離は360Kから385K程度で終了し、水素放出は400K以上で起こり、(LiAlH/AlCl)=4の場合と同様の現象が起こっていた。
図2は析出後の試料を70℃、80℃及び90℃で等温保持したときの熱重量分析の結果を示す。熱重量分析は、水平作動トリプルコイル天秤を用いて行った。
(LiAlH/AlCl)=4および3.5では、70、80、90℃で脱エーテルし、AlHを得ることが可能であるが、90℃で150min以上保持すると、徐々に水素が放出してしまう。
(LiAlH/AlCl)=3では、全温度においてジエチルエーテル脱離速度が遅く、ジエチルエーテルのみの脱離も困難であることがわかる。
図3に、前記真空加熱による析出後、70℃、80℃、90℃で2時間熱処理した後の試料のXRDプロファイルを示す。(LiAlH/AlCl)=3では、90℃で脱離した試料にα−AlH相が見られるものの、全ての熱処理温度においてジエチルエーテル和物特有のブロードなパターンを示した。
(LiAlH/AlCl)=3.5では、析出した後の試料は(LiAlH/AlCl)=3で合成したときと同様に、ジエチルエーテル和物の回折パターンを示すが、熱処理後はエーテル和物の回折ピークは見られない。70℃で熱処理した後はγ相、80℃および90℃で熱処理した後はα相とγ相の回折パターンが見られる。
(LiAlH/AlCl)=4では、90℃でのαとγ相の構成比が異なるが、(LiAlH/AlCl)=3.5の場合と同じく、析出後はジエチルエーテル和物、70〜80℃ではγ相の回折パターンを示した。
以上の結果から、モル比が3<(LiAlH/AlCl)<4でも、上記のように試料を均一に加熱することにより、従来の方法(LiAlH/AlCl)=4と同様に、エーテルが水素より低温で脱離するようになるので、エーテルをほとんど含有しないAlHが得られることが分かった。また、LiAlHの使用量を大幅に低減できるので、製造コストを削減することが可能となる。
本発明の実施例における供試材の質量数分析結果を示す図である。 同じく、熱量分析の結果を示す図である。 同じく、XRDプロファイルを示す図である。

Claims (3)

  1. ジエチルエーテル中でLiAlHとAlClとを、3<(LiAlH/AlCl)<4の配合モル比で反応させてAlHを合成し、該反応によって得られたAlHを含むジエチルエーテル和物を真空下において、60℃超、90℃以下の温度で加熱してAlHを分離回収することを特徴とする水素貯蔵材料の製造方法。
  2. 前記加熱は、前記AlHを含むジエチルエーテル和物が全体での温度差が3℃以内となるように均一に行われることを特徴とする請求項1記載の水素貯蔵材料の製造方法。
  3. 前記均一での加熱は、粉末化されたAlHを含むジエチルエーテル和物に良伝熱性の材料を混合して加熱することにより行われることを特徴とする請求項2記載の水素貯蔵材料の製造方法。
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