JP4888182B2 - 移動体の制御装置及びそれを備えた移動体 - Google Patents
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Description
しかし、従来技術1、2は何れも目標位置までの障害物情報が既知である必要があるため、移動体に搭載した外界センサで逐次環境を計測しながら目標位置に向かう移動体にはそのまま適用することはできない。
これに対して特許文献3では、移動体側面に配設した一または複数の指向性センサにより水平面内で移動体進行方向を中心とした放射状に環境表面までの距離を取得し、取得した距離とその方角の軌跡から導出した多項式近似式の極大点に対応する方角を一時的な回避進行方向に逐次設定することで予期せぬ障害物を安定的に回避する方法が開示されている。
本方法は、各検出方位角に対する検出距離を多項式にて近似することにより、検出距離を取得していない方位を補間することを特徴としている。不規則に分布する検出データ列であっても多項式近似で補間することにより移動体周囲の走行環境を大まかに取得することができる。このようにして導出した多項式近似式から極大点を抽出し、移動体の回避進行方位として設定するのである。
特許文献3の方法は、多項式近似式の極大点のみを回避進行方向決定の指針としているため、例えば袋小路状の環境に入り込んで停止状態に陥る危険性が高いという問題がある。図9において回避進行方位905は検出距離の多項式近似式の極大点と同一方向に設定されているが、該方位には障害物による袋小路が存在している可能性が高く、一旦袋小路に陥ってしまうと検出距離が全てステップS5の閾値を下回るため、ステップS6で回避不可能として停止せざるを得ない。特許文献3の方法は必ずしも適切な回避経路を与えるものではないのである。
このような問題点に対し、本発明は、障害物を外界センサで検出してこれを回避せしめ、最終的な目標位置にまで確実に誘導制御させるための移動体の制御装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、移動体に搭載されて前記移動体の周囲の障害物を複数の測定点で測定し、前記複数の測定点ごとに障害物までの距離と方角とを測定点情報として計測する環境計測部と、前記環境計測部で得られた前記測定点情報を用いて前記移動体が通過可能な領域を探索する経路探索部と、前記通過可能な領域内を通り、与えられた目標位置に到達するよう前記移動体を誘導制御する動作制御部と、を備えた移動体の制御装置において、前記経路探索部は、隣接する測定点間の距離をそれぞれ計算し、計算した当該測定点間距離が予め設定した測定点間閾値dthreshouldよりも小さい場合は、当該2つの測定点は同じ測定点列Ckに属するものと判断し、前記測定点間距離が測定点間閾値dthreshouldよりも大きい場合は、当該2つの測定点はそれぞれ別の測定点列Ckに属するものと判断し、前記測定点列Ckごとに、前記測定点情報に基づいて、障害物と接触することなく走行できる前記移動体の方位角度αk及びβkを求め、前記測定点列Ckごとに求められた全ての前記方位角度αkから前記方位角度βkまでの角度範囲以外を前記通過可能角度領域と判断するものである。
請求項2に記載の発明は、前記経路探索部が、前記方位角度αk及びβkを求める際、前記移動体を上から見たときの外形を円弧で近似した径を用いるものである。
請求項3に記載の発明は、前記経路探索部は、前記測定点情報のうち、前記測定点の前記距離が予め設定した距離閾値よりも小さな前記測定点だけを用いて前記測定点列Ckを判断するものである。
請求項4に記載の発明は、前記距離閾値は、前記移動体が停止するまでに必要な制動距離よりも大きな値に設定されるものである。
請求項5に記載の発明は、前記経路探索部は、前記通過可能角度領域が探索できなかった場合、前記距離閾値を小さくしてから再度前記通過可能角度領域を探索するものである。
請求項6に記載の発明は、前記経路探索部が前記距離閾値を小さくした場合、前記動作制御部は前記移動体が停止するまでに必要な制動距離が短縮されるよう前記移動体の移動速度の最高速度を制限するものである。
請求項7に記載の発明は、前記距離閾値は、前記移動体の現在位置から前記目標位置まで目標移動距離に、前記移動体を上から見たときの外半径を足した値よりも小さく設定されるものである。
請求項8に記載の発明は、前記動作制御部は、前記目標位置への方向と前記角度領域とを比較し、前記目標位置への方向が前記通過可能角度領域内であれば、前記目標位置に直線的に向かうよう前記移動体を誘導制御するものである。
請求項9に記載の発明は、前記動作制御部は、前記目標位置への方向と前記角度領域とを比較し、前記目標位置への方向が前記通過可能角度領域外であれば、前記通過可能角度領域内で前記目標位置への方向に最も近い方向を探索し、該方向に向かうよう暫定的に移動体を誘導制御するものである。
請求項10に記載の発明は、前記動作制御部は、前記経路探索部が前記通過可能角度領域を探索できなかった場合に、前記移動体を減速停止させるものである。
請求項11に記載の発明は、前記動作制御部は、前記移動体が前記通過可能角度領域外に向かっていたら停止させるものである。
請求項12に記載の発明は、前記環境計測部は、レーザーレンジファインダーを含むものである。
請求項13に記載の発明は、前記環境計測部は、超音波センサアレイを含むものである。
請求項14に記載の発明は、前記環境計測部は、三次元視覚センサを含むものである。
請求項15に記載の発明は、周囲の環境を計測しながら与えられた目標位置まで到達するよう自律移動する移動体において、前記移動体に搭載されて前記移動体の周囲の障害物を複数の測定点で測定し、前記複数の測定点ごとに障害物までの距離と方角とを測定点情報として計測する環境計測部と、前記環境計測部で得られた前記測定点情報を用いて前記移動体が通過可能な領域を探索する経路探索部と、前記通過可能な領域内を通り、与えられた目標位置に到達するよう前記移動体を誘導制御する動作制御部と、を備え、前記経路探索部は、隣接する測定点間の距離をそれぞれ計算し、計算した当該測定点間距離が予め設定した測定点間閾値dthreshouldよりも小さい場合は、当該2つの測定点は同じ測定点列Ckに属するものと判断し、前記測定点間距離が測定点間閾値dthreshouldよりも大きい場合は、当該2つの測定点はそれぞれ別の測定点列Ckに属するものと判断し、前記測定点列Ckごとに、前記測定点情報に基づいて、障害物と接触することなく走行できる前記移動体の方位角度αk及びβkを求め、前記測定点列Ckごとに求められた全ての前記方位角度αkから前記方位角度βkまでの角度範囲以外を前記通過可能角度領域と判断するものである。
請求項16に記載の発明は、前記動作制御部が前記移動体を誘導制御する際の状態を表示する状態通知部を備えたものである。
請求項17に記載の発明は、前記環境計測部の計測結果と前記通過可能角度領域とを画面表示する計測結果表示装置を前記移動体の外周面に備えたものである。
請求項18に記載の発明は、前記環境計測部が、前記移動体の上から見た中心の位置に設置されているものである。
請求項19に記載の発明は、前記環境計測部が、前記移動体の上から見た中心から偏心した位置に搭載されているとき、前記環境計測部は、前記偏心の量に基づいて、前記測定点を前記移動体の中心からの前記距離と方角に計算してから出力するものである。
請求項20に記載の発明は、前記環境計測部は、前記偏心の量を入力可能なインターフェースを備えたものである。
請求項4記載の発明により、移動体は未知障害物が出現した場合でも障害物に接触することなく安全に停止可能となる。
請求項5記載の発明により、前記経路探索部は広大な空間では無駄な動作が少なく済むような通過可能領域のみを探索出力し、狭隘路においては可能な限り多くの通過可能領域を探索出力できる。
請求項6記載の発明により、狭隘路であっても障害物に接触することなく安全に移動体を誘導制御できる。
請求項7記載の発明により、探索に要する計算量を制限できる。
請求項8記載の発明により、移動体を最短で目標位置に到達させることができる。
請求項9記載の発明により、移動体は障害物を確実に回避しつつ与えられた目標位置に最も早く到達することができる。
請求項10記載の発明により、回避不可能な障害物が存在した場合でも該障害物との接触を未然に防ぎ、安全に減速停止させられる。
請求項11記載の発明により、未知障害物が出現した場合に移動体を速やかに減速停止させ、該障害物との接触を未然に防げる。
請求項12記載の発明により、移動体周囲の環境表面までの距離と方角を広範囲にわたって正確かつ子細に取得できる。
請求項13記載の発明により、移動体周囲の環境表面が透明な物体である場合でも確実に検出できる。
請求項14記載の発明により、移動体周囲の環境を広範囲にわたって三次元的に計測でき、レーザーレンジファインダーの計測範囲外にある障害物、例えば壁面から突出あるいは浮遊している障害物など、を確実に検出できる。
請求項15記載の発明により、通過可能領域を正しく探索し、移動体を障害物に接触させることなく目標位置にまで確実に到達する移動体を提供できる。また、環境計測部、経路探索部および動作制御部を個別に設計、開発および製造できるため、移動体の構成自由度が高まるばかりか、構成に要する労力を軽減できる。
請求項16記載の発明により、移動体管理者は常に移動体が障害物を回避中か否かを監視できる。また、移動体管理者は回避不可能な障害物の出現を検知し、これに対応できる。
請求項17記載の発明により、移動体管理者は移動体周囲の状況を視覚的にとらえられる。
請求項18記載の発明により、移動体中心まわりの環境情報を簡単に取得でき、計算量を節約できる。
請求項19記載の発明により、移動体の環境計測部の設計自由度を高められる。
請求項20記載の発明により、前記環境計測部の設置位置を変更した場合でも正しく環境情報を取得できる。
そして、S107は現在のβiおよびαiを通過可能領域として保存し、ステップS105に始まるループを中断してステップS109に進むステップ、S108はステップS105に始まるループの終端ステップ、S109はステップS104に始まるステップの終端ステップ、ステップS110は通過可能領域探索処理を終了するステップである。
なお、この距離閾値Dthreshouldには移動体201の現在位置から目標位置までの距離に移動体の外半径を足したものに1以上の安全率をかけたものを用いてもよい。この場合、移動体が通過しない領域の情報を選択的に除去でき、通過可能領域探索処理の計算量を軽減できる。
移動体201の進行方向を方位角度範囲[αk、βk]以外とすれば、図6中の障害物301に接触することなく走行できる。
102 環境計測部
103 経路探索部
104 動作制御部
111 測定点情報信号
112 通過可能領域信号
113 動作制御信号
201 移動体
202 レーザーレンジファインダー(LRF)
210 移動体201の中心点
211 移動体の正面方向
212 座標軸x
213 座標軸y
214 LRF202の中心点
215 LRF202の中心点214のx座標xs
216 LRF202の中心点214のy座標ys
217 LRF202の計測可能範囲
501 測定点列Ck
502 測定点列Ck+1
503 測定点pk i
504 測定点pk iの方位角度φk i
505 測定点pk iの移動体中心210からの距離ρk i
506 移動体近似円
601、701 方位角度αk
602、702 方位角度βk
703 方位角度αk+1
704 方位角度βk+1
705 方位角度領域(βk、αk+1)
901 移動体
902 センサで取得した検出距離
903 多項式近似曲線
904 多項式近似式の極大点
905 回避進行方位
Claims (20)
- 移動体に搭載されて前記移動体の周囲の障害物を複数の測定点で測定し、前記複数の測定点ごとに障害物までの距離と方角とを測定点情報として計測する環境計測部と、前記環境計測部で得られた前記測定点情報を用いて前記移動体が通過可能な領域を探索する経路探索部と、前記通過可能な領域内を通り、与えられた目標位置に到達するよう前記移動体を誘導制御する動作制御部と、を備えた移動体の制御装置において、
前記経路探索部は、隣接する測定点間の距離をそれぞれ計算し、計算した当該測定点間距離が予め設定した測定点間閾値dthreshouldよりも小さい場合は、当該2つの測定点は同じ測定点列Ckに属するものと判断し、前記測定点間距離が測定点間閾値dthreshouldよりも大きい場合は、当該2つの測定点はそれぞれ別の測定点列Ckに属するものと判断し、
前記測定点列Ckごとに、前記測定点情報に基づいて、障害物と接触することなく走行できる前記移動体の方位角度αk及びβkを求め、
前記測定点列Ckごとに求められた全ての前記方位角度αkから前記方位角度βkまでの角度範囲以外を前記通過可能角度領域と判断する
ことを特徴とする移動体の制御装置。 - 前記経路探索部が、前記方位角度αk及びβkを求める際、前記移動体を上から見たときの外形を円弧で近似した径を用いる
ことを特徴とする請求項1記載の移動体の制御装置。 - 前記経路探索部は、前記測定点情報のうち、前記測定点の前記距離が予め設定した距離閾値よりも小さな前記測定点だけを用いて前記測定点列Ckを判断する
ことを特徴とする請求項1記載の移動体の制御装置。 - 前記距離閾値は、前記移動体が停止するまでに必要な制動距離よりも大きな値に設定されている
ことを特徴とする請求項3記載の移動体の制御装置。 - 前記経路探索部は、前記通過可能角度領域が探索できなかった場合、前記距離閾値を小さくしてから再度前記通過可能角度領域を探索する
ことを特徴とする請求項3記載の移動体の制御装置。 - 前記経路探索部が前記距離閾値を小さくした場合、前記動作制御部は前記移動体が停止するまでに必要な制動距離が短縮されるよう前記移動体の移動速度の最高速度を制限する
ことを特徴とする請求項5記載の移動体の制御装置。 - 前記距離閾値は、前記移動体の現在位置から前記目標位置まで目標移動距離に、前記移動体を上から見たときの外半径を足した値よりも小さく設定されている
ことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の移動体の制御装置。 - 前記動作制御部は、前記目標位置への方向と前記角度領域とを比較し、前記目標位置への方向が前記通過可能角度領域内であれば、前記目標位置に直線的に向かうよう前記移動体を誘導制御する
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の移動体の制御装置。 - 前記動作制御部は、前記目標位置への方向と前記角度領域とを比較し、前記目標位置への方向が前記通過可能角度領域外であれば、前記通過可能角度領域内で前記目標位置への方向に最も近い方向を探索し、該方向に向かうよう暫定的に移動体を誘導制御する
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の移動体の制御装置。 - 前記動作制御部は、前記経路探索部が前記通過可能角度領域を探索できなかった場合に、前記移動体を減速停止させる
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の移動体の制御装置。 - 前記動作制御部は、前記移動体が前記通過可能角度領域外に向かっていたら停止させる
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の移動体の制御装置。 - 前記環境計測部は、レーザーレンジファインダーを含む
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の移動体の制御装置。 - 前記環境計測部は、超音波センサアレイを含む
ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の移動体の制御装置。 - 前記環境計測部は、三次元視覚センサを含む
ことを特徴とする請求項1 〜13のいずれか1項に記載の移動体の制御装置。 - 周囲の環境を計測しながら与えられた目標位置まで到達するよう自律移動する移動体において、
前記移動体に搭載されて前記移動体の周囲の障害物を複数の測定点で測定し、前記複数の測定点ごとに障害物までの距離と方角とを測定点情報として計測する環境計測部と、前記環境計測部で得られた前記測定点情報を用いて前記移動体が通過可能な領域を探索する経路探索部と、前記通過可能な領域内を通り、与えられた目標位置に到達するよう前記移動体を誘導制御する動作制御部と、を備え、
前記経路探索部は、隣接する測定点間の距離をそれぞれ計算し、計算した当該測定点間距離が予め設定した測定点間閾値dthreshouldよりも小さい場合は、当該2つの測定点は同じ測定点列Ckに属するものと判断し、前記測定点間距離が測定点間閾値dthreshouldよりも大きい場合は、当該2つの測定点はそれぞれ別の測定点列Ckに属するものと判断し、
前記測定点列Ckごとに、前記測定点情報に基づいて、障害物と接触することなく走行できる前記移動体の方位角度αk及びβkを求め、
前記測定点列Ckごとに求められた全ての前記方位角度αkから前記方位角度βkまでの角度範囲以外を前記通過可能角度領域と判断する
ことを特徴とする移動体。 - 前記動作制御部が前記移動体を誘導制御する際の状態を表示する状態通知部を備えた
ことを特徴とする請求項15記載の移動体。 - 前記環境計測部の計測結果と前記通過可能角度領域とを画面表示する計測結果表示装置を前記移動体の外周面に備えた
ことを特徴とする請求項15記載の移動体。 - 前記環境計測部が、前記移動体の上から見た中心の位置に設置されている
ことを特徴とする請求項15記載の移動体。 - 前記環境計測部が、前記移動体の上から見た中心から偏心した位置に搭載されているとき、前記環境計測部は、前記偏心の量に基づいて、前記測定点を前記移動体の中心からの前記距離と方角に計算してから出力する
ことを特徴とする請求項15記載の移動体。 - 前記環境計測部は、前記偏心の量を入力可能なインターフェースを備えた
ことを特徴とする請求項19記載の移動体。
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