JP4888080B2 - 単一量子ドット装置 - Google Patents

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Description

本発明は、単一量子ドット装置に関し、特に真空チャンバー内の低温環境において動作する発光並びに受光デバイスである単一量子ドット素子の繰り返し使用時においても、発光波長、発光量などにおいて優れた安定特性を有する単一量子ドット装置に関するものである。
半導体量子ドットは、直径数nmから数十nmの直径を有する半導体結晶である。光励起または電流注入により、電子―正孔対または励起子が狭い空間に3次元的な閉じ込めを受けることにより、エネルギー準位が離散化するなどの原子的特性を示すようになる。
一般に量子ドットは、MBE(Molecular Beam Epitaxy、分子線エピタキシー)法あるいはMOCVD(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition、有機金属化学気相蒸着)法などにより、半導体基板上に均一に成長されるため、個々の量子ドットを抽出するには、プロセス加工などにより、微細なメサ構造などを形成する方法が一般的である。
こうして加工・抽出された少数の量子ドットは、単一量子ドットと呼ばれ、量子ドットの集団的特性とは異なる特有の現象を示すようになる。単一光子発生はその一つで、励起子の寿命に比べ十分に短い時間幅のパルス光で励起すると、パウリの排他律により、一パルスあたりただ一個の励起子が量子ドット内に生成される。一個の励起子が再結合する際に光子を放出するので、光子を一つずつ発生する単一光子発生素子が実現可能である。
この単一光子は、量子暗号における信号のキャリア、線形量子情報処理における演算の担い手などに応用することができる。
単一量子ドットの形成方法として、最近では、InP基板上のInAs量子ドットに対して微細なメサ構造を施し、通信波長帯の単一光子源を実現した報告がなされている(非特許文献1)。メサ構造ではなく、単一量子ドットを内包する微小共振器構造により単一光子発生の報告例もある(非特許文献2)。また、逆に、単一量子ドットを単一光子の受光素子として用いる提案もある(非特許文献3)。
量子ドット特有の原子的な光学特性を発現させるには、フォノン等の影響が抑えられる低温まで十分に冷却する必要がある。冷媒としては、液体He(ヘリウム)がもちいられることが多い。その冷却方式としては、次のような方法を挙げることができる。
(1)試料(量子ドット素子)を直接液体Heに漬けて冷却する方法
(2)試料(量子ドット素子)をHeガス雰囲気中に配置して冷却する方法
(3)試料(量子ドット素子)を搭載した試料ホルダーからの熱接触により冷却する方法
特に、単一量子ドットに対して光学的にアクセスする場合、振動が比較的少なく、光学窓と試料(単一量子ドット素子)との距離を短くとれる、上記の(3)の方法が用いられることが多い。
図4に、光源(発光素子)として用いられるメサ構造単一量子ドット素子の模式的な断面図を示す。単一量子ドット素子101は、基板102上に、バッファ層103を介して量子ドット104、次いでキャップ層105を、MBE法などによって均一に積層成長した後、単一量子ドット化のためにメサ構造化する目的で、図中の除去領域106をエッチングによって取り除くことによって作製される。図に示されるように、本メサ構造は、基板102の表面層を一部含んで、バッファ層103、量子ドット104、キャップ層105の除去領域106がエッチング除去される。形成されたメサ構造部107の直径は、典型的には、0.1〜1μm程度となる(非特許文献1)。
この単一量子ドット素子を熱接触によって冷却し、励起光・発光の観察用光学窓を有する単一量子ドット装置の従来例を、図5に示す。図示するように、単一量子ドット素子101を、クライオスタット108中で、内部を真空チャンバー109として、この真空チャンバー109内部に設置した、液体He温度レベルに熱伝導する低温冷却部110上に、例えば、単一量子ドット素子101の基板裏面にグリース等を介して密着させて設置する。この際、単一量子ドット素子101のメサ構造部107を光学的な透過窓111の方向に向けて配置する。この様な単一量子ドット装置の構成は、発光する箇所であるメサ構造部107を光学的な透過窓111を通して観察が容易である。つまり、透過窓111から励起光Aをメサ構造部107に照射し、また、励起の結果の発光Bを光学窓111からの観察を容易に行うことができる。この装置構成は、同時に、単一量子ドット素子101の着脱が比較的容易であるという利点があるため、これまで広く用いられてきた。
Takemoto et al, Japanese Journal of Applied Physics, Vol.43, ppL993, 2004 Pelton et al, Physical Review Letters, Vol.89, pp233602, 2002 Blakesley et al, Physical Review Letters, Vol.94, pp067401, 2005
上記のような従来の単一量子ドット装置の構成は、しかしながら、図5で示すように、単一量子ドット素子101の単一量子ドットを含むメサ構造部107が、真空チャンバー109内に直接曝されている点に問題がある。通常クライオスタット109の内部は断熱性を保つため、10−6〜10−7 Torrの高真空状態に真空チャンバー109になっている。
だが、実際は、この真空チャンバー109内にはクライオスタット109の内壁からのアウトガスなどから発生した、あるいは真空チャンバー109のシール不完全性により外部から流入した汚染物質112が微量ながら存在する。この汚染物質112は、真空チャンバー109の他の箇所に比べ、より低温に冷却された単一量子ドット素子101により多く吸着され、特にメサ構造部107に吸着して形成された汚染付着物質113は、単一量子ドット素子101の発光波長の安定性や発光量に悪影響を与える可能性のあることが、最近の実験により判明した。こうした現象は、特に、単一量子ドット素子101を長時間(例えば、数時間以上)冷却し続けた際、あるいは、室温―低温―室温の温度昇降(熱サイクル)を繰り返した際、特に顕著に現れる。
図6に、従来の単一量子ドット装置の構成を用い、InP基板上に形成されたInAs単一量子ドットを有する単一量子ドット素子の発光スペクトルについて、低温(測定温度)を10Kとして室温―低温―室温の熱サイクルを、0回、1回、2回とした時の変化の様子を示す。この図で、横軸は波長(nm)、縦軸は各波長での発光量(任意単位)を表す。
この測定結果から、熱サイクルが0回、即ち最初に単一量子ドット素子を室温から10Kまで冷却した時の発光スペクトルに対して、引き続き、単一量子ドット素子を一旦室温に戻し、そして10Kに冷却したとき(熱サイクル1回)、更に、再び単一量子ドット素子を一旦室温に戻し、そして10Kに冷却したとき(熱サイクル2回)と、熱サイクルを増やすにつれて、発光スペクトルが、より多くシフトし、発光量も低下する様子がわかる。
顕微鏡を用いて素子表面を観察し続けると、熱サイクルが増えるにつれて、また真空排気時間が経つにつれ、図5に示すように、単一量子ドット素子101の、特に、メサ構造部107とその近傍に、汚染付着物質113がより顕著に付着し、更には、メサ構造部107とその近傍の見かけの形状自体が変化してしまうまでにも付着する様子が確認された。
図6に示された、発光スペクトルの変化に関する物理的原因はまだ定かではないが、可能性の一つとして、発光体であるメサ構造周囲に汚染物質が付着することによる光学特性の変化、あるいは物質の付着によって生じた機械的応力により量子ドットに歪みが加わることによる、発光波長の変化(非特許文献4)などの可能性が考えられる。
上記の現象の出現は、真空チャンバーの真空度のみでは判別できず、例えば壁面からの残留膜の剥離などに見られる偶発的な要因も存在するため、何らかの方法で、単一量子ドットを含むメサ構造部を真空チャンバー内の汚染物質から隔離する必要がある。熱伝導性の良い金属などで完全に隔離してしまえば汚染の可能性は低減できようが、そこへの光学的なアクセスが困難になる。光学的に透過性の物質で素子表面を覆う方法も考えられるが、余分な反射損失が生じて光学的な特性上好ましくない。
以上の点から、本発明の課題は、真空チャンバー内に余計な光学部品を追加することなしに、効果的に単一量子ドット素子のメサ構造部を真空チャンバー内の汚染物質から隔離して、繰り返しの熱サイクルや長時間排気などを経ても、発光特性などの単一量子ドット素子の光学的特性の変化が無くなる、あるいは大きく低減されるような構成を有する、単一量子ドット装置を提供することにある。
Nakaoka et al, Applied Physics Letters, Vol.84, pp1392, 2004
本発明の、単一量子ドット装置は、
基板上に形成された単一量子ドット素子と、
前記単一量子ドット素子の発光波及び受光波を透過する前記基板からなる第1の透過窓を有し、かつ前記単一量子ドット素子を内部に設置し、それぞれ熱伝導材料からなる天板と筐体とを機械的に圧着させることによって排気流路が保たれる接触構造とした試料室と、
前記試料室を内部に格納し、かつ前記第1の透過窓を外側より見通し得る位置に前記発光波及び受光波を透過する第2の透過窓を有する真空チャンバーと、
前記試料室並びに前記真空チャンバーの真空排気機構と、
前記単一量子ドット素子の冷却機構と、を有することを特徴とする。
さらに、前記単一ドット素子は、前記基板上にメサ構造をなして前記受光波に吸収帯を持つ半導体ドットからなることを特徴とする。
さらに、前記試料室は、少なくとも、熱伝導性材料からなる天板と前記天板と接触して空間をなす熱伝導性材料からなる筐体からなり、前記天板は中心近傍に所定の大きさの開口部を有し、前記単一量子ドット素子が前記空間の内部に配され、かつ前記基板の底面が前記開口部を塞ぐ様に前記天板の前記空間側面に密着されていることを特徴とする。
本発明の単一量子ドット装置の構成によって、表面部の汚染などに代表される外的条件の変化に極めて敏感な単一量子ドット素子を、クライオスタット内の汚染物質から隔離しつつ冷却することにより、長時間動作時の安定性を高めることが可能となる。また、単一量子ドット素子自身の基板を試料室の光学窓として兼用することにより、装置部品点数を抑制でき、結果として発光波の光学的損失を低減することができる。
以下に、本発明の実施の形態を、添付図を参照しつつ説明する。
(第1の実施例)
先ず、単一量子ドットを利用した光励起型発光素子に対する本発明の単一量子ドット装置の構成適用例を示す。
図1は本発明による上記の単一量子ドット装置の構成の模式的な断面図である。本図において、単一量子ドット素子1は、InPの基板2上に成長されたInAs量子ドットをエッチングによるメサ加工を施し、単一量子ドット化したメサ構造部3を有した素子(図4参照)を用いている。単一量子ドット素子1の厚さは、例えば約500μm程度、メサ構造部3の直径は、例えば約0.1〜1μm、外部からの励起光Aによって発光Bする光源であるInAs量子ドット4は、基板1からバッファ層を隔てて形成され、その上にキャップ層が形成されている(図4参照)。量子ドット4は、素子表面から、例えば100〜300nm程度離れた位置に存在し、単一量子ドット素子1の大きさ(基板サイズ)としては、例えば5〜10mm角程度となる。
図示するように、良好な熱伝導特性を有する金属材料(例えば銅など)を用いて、単一量子ドット素子1を格納する閉空間を構成する筐体5と天板6からなる試料室7を配置する。このとき筐体5の開口部位に蓋をするように接触する天板6の、例えば中心近傍に開口部8を設け、この開口部8を単一量子ドット素子1の基板2の面(メサ構造の反対側である素子裏面)側で試料室7側から塞ぐように、基板2の面の外周領域と天板6の開口部8周囲領域とを接着部9で接着する。InAs量子ドット4による発光波長である1μm以上の赤外光(図6参照)に対して、InP(またGaAsも同様)の基板2は、透明物質となるため、この様に配置された素子の基板が、この素子の波長帯における透過窓(第1の透過窓)となる。つまり、この基板2を通過して外部励起光A(波長が1μm以上)が、単一である量子ドット4を励起し、その結果、発生した発光Bが、この基板2を通過して外部にとり出される。
このような構成において、基板での光の透過性を向上させるために、基板裏面を例えば研磨処理等を行って鏡面加工をしてもよい。さらに、基板面での反射損失を抑えるために、反射防止膜10を蒸着しても良い。そのように加工された基板2の裏面と天板6との接着部9には、接着剤として、低温で使用可能で熱伝導性の良好な、例えばアピエゾングリースや銀ペーストなどを用いることができる。また、後述するように、この接着部9において導電性が要求される場合は、銀ペーストやインジウムの適用が考えられる。
そして、このような単一量子ドット素子1を内在させた試料室7は、図示するように、冷却温度の保持のためのクライオスタット11内に設置された、断熱性を確保するための真空チャンバー12内に格納される。この試料室7の格納方法は、図示するように、クライオスタット11内の冷却部と良好に熱伝導する、あるいは冷却機構に熱伝導的に直結する、例えば銅などからなる支持台13上に、試料室7の一部、例えば図示するように筐体6と密着して配置する。こうすることで、冷却機構からの冷却温度は、支持台13、筐体5、天板6を介して伝導して、単一量子ドット素子1を冷却するとともに、試料室7内で放射的に冷却できる。真空チャンバー12には外部との光学的なアクセスを可能とするために、前述の基板を用いた第1の透過窓を見通す箇所に、第2の透過窓14を設ける。
筐体5と天板6に関し、そのサイズの組合せなどで任意の大きさの試料室7の空間を設計できるが、共に熱伝導性の良好な材質(銅など)である必要がある。
また、天板6は筐体5の開口部位の接触部15で共に接触して試料室7の(例えば矩形や円筒形などの)空間を形成するが、この接触部15は、完全にシールせず、機械的圧着のみなどによって、両者間の熱伝導性を保ちつつ、真空排気上は、低コンダクタンス領域となるようにすることが、簡便でかつ有効な方法である。クライオスタット11の排気時には、真空チャンバー12と試料室7は共に排気されるが、接触部15の空気流路を十分狭くすることで、試料室7内空間と真空チャンバー12内とで圧力差が生じる。これにより、試料室7の天板6が効果的に密着され、接触部15に熱伝導性を高めるとともにシール性を高める効果が期待できる。さらに、冷却時には支持台13、筐体5、接触部15、天板6を介して単一量子ドット素子1が液体ヘリウム温度に冷却されるため、接着部9での接着剤が固化することで、さらにシール性能が高まる。
一方、接触部15は完全にシールされてはいないが、コンダクタンスを非常に低く抑えれば真空チャンバー12内の残留している汚染物質16から試料室7を事実上隔離することが可能となる。
このように、本発明の装置の構成で、励起光A入射とそれによる単一量子ドット素子1からの発光Bの観察を、合計100時間以上の冷却、10回以上の熱サイクルをかけた場合においても、残留している汚染物質16が微小なメサ構造部3の周囲に付着することなく、光学的性能劣化も全くないことが実験的に確かめられた。
(第2の実施例)
次に、単一量子ドットを利用した電流注入型発光素子に対する本発明の単一量子ドット装置の構成適用例を示す。
図2は本発明による上記の単一量子ドット装置の構成の模式的な断面図である。本図において、基本的な配置構成は図1と同様であるが、電流注入型発光素子への適用においても、本発明の装置構成が有効であることを示す。図において、励起光の代わりに、外部に電流源17を設け、そこから、配線を、絶縁性を有しかつ十分なシール性を持つ導入端子18を経由して、単一量子ドット素子1のキャップ層側電極19と基板2の電極に接続するが、本図においては、基板側配線は、先ず天板6に接続し、導電性の高い材質(例えば銀ペースト、インジウムなど)を用いた接着部9を介して基板2に接続するようにしている。
電流注入によって得られた、単一量子ドット素子1からの発光は、(第1の)透過窓となっている基板2側から、反射防止膜10、(第2の)光学窓14を通して取り出す。この場合においても、試料室7内の単一量子ドット素子1のメサ構造部3は、真空チャンバー12内の残留した汚染物質16から隔離され、劣化の抑制が期待できる。
(第3の実施例)
次に、単一量子ドットを利用した光検出器(受光素子)に対する本発明の単一量子ドット装置の構成適用例を示す。
図3は本発明による上記の単一量子ドット装置の構成の模式的な断面図である。本図において、基本的な配置構成は図1、2と同様であるが、光検出器への適用においても、本発明の装置構成が有効であることを示す。図において、単一量子ドット素子1のキャップ層側電極19と、基板2の電極に導電性接着部を介して電気的に接続する天板6とが、導入端子18を経由して外部の検流計(電流計)20と配線接続される。外部の励起光Aは信号光であり、これが(第2の)透過窓14、反射防止膜10を透過して、基板2を(第1の)透過窓として、単一量子ドットを励起し、発生した電流iを検流計(電流計)20で検知する。この場合においても、試料室7内の単一量子ドット素子1のメサ構造部3は、真空チャンバー12内の残留した汚染物質16から隔離されることによる受光感度の長期安定化が期待できる。
以上述べたように、単一量子ドット素子を、外部光励起による発光素子、電流注入による発光素子そして外部光の光検出素子として適用するいずれの場合においても、本発明になる単一量子ドット装置の構成は、クライオスタット内の真空チャンバー中に残存する汚染物質によって生じる汚染物質の付着から、単一量子ドット素子、特にそのメサ構造部を保護するのにおいて、非常に有効であることが期待できる。これにより、素子を長時間、とくに発光・受光を波長スペクトル、また発光量・受光感度の点で安定的に動作せしめることが可能になる。
また、本発明の装置構成は、素子基板を光学的な透過窓として用いることで、とくに新規な光学的部品の導入などがなく、従って、装置部品点数をとくに増加させることなく構成できる点にも大きな特徴がある。
以上の実施例を含む実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
基板上に形成された単一量子ドット素子と、
前記単一量子ドット素子の発光波及び受光波を透過する前記基板からなる第1の透過窓を有し、かつ前記単一量子ドット素子を内部に設置する熱伝導性材料からなる試料室と、
前記試料室を内部に格納し、かつ前記第1の透過窓を外側より見通し得る位置に前記発光波及び受光波を透過する第2の透過窓を有する真空チャンバーと、
前記試料室並びに前記真空チャンバーの真空排気機構と、
前記単一量子ドット素子の冷却機構と、
を有することを特徴とする単一量子ドット装置。
(付記2)
前記単一ドット素子は、前記基板上にメサ構造をなして前記受光波に吸収帯を持つ半導体ドットからなることを特徴とする付記1記載の単一量子ドット装置。
(付記3)
前記基板はInPまたはGaAsからなり、前記単一量子ドット素子はInAsからなることを特徴とする付記2記載の単一量子ドット装置。
(付記4)
前記試料室は、少なくとも、熱伝導性材料からなる天板と前記天板と接触して閉空間をなす熱伝導性材料からなる筐体からなり、前記天板は中心近傍に所定の大きさの開口部を有し、前記単一量子ドット素子が前記閉空間の内部に配され、かつ前記基板の底面が前記開口部を塞ぐ様に前記天板の前記閉空間側面に密着されていることを特徴とする付記1ないし3のいずれかに記載の単一量子ドット装置。
(付記5)
前記筐体は、前記真空チャンバー内の、熱伝導性材料からなる支持台上に設置され、前記支持台は前記冷却機構の冷却部と連結されていることを特徴とする付記4記載の単一量子ドット装置。
(付記6)
前記試料室の前記天板と前記筐体の接触部は、前記真空チャンバーの真空排気時において、前記試料室の内部の真空排気が確保される空気流路を有することを特徴とする付記4または5記載の単一量子ドット装置。
(付記7)
前記基板の前記底面は鏡面加工されていることを特徴とする付記4ないし6のいずれかに記載の単一量子ドット装置。
(付記8)
前記基板の前記底面は反射防止膜を備えたことを特徴とする付記4ないし7のいずれかに記載の単一量子ドット装置。
(付記9)
前記試料室の前記天板と前記筐体の前記接触部は、前記天板と前記筐体の機械的な圧接によって構成されていることを特徴とする付記6記載の単一量子ドット装置。
(付記10)
前記基板の前記底面と前記天板の前記閉空間側面との密着部に、熱伝導性接着剤を適用することを特徴とする付記4ないし8のいずれかに記載の単一量子ドット装置。
(付記11)
前記熱伝導性接着剤は、アピエゾングリースまたは銀ペーストであることを特徴とする付記10記載の単一量子ドット装置。
(付記12)
前記単一量子ドット素子は、外部励起光による発光素子あるいは電流注入による発光素子あるいは外部光受光素子のいずれかであることを特徴とする付記1ないし3のいずれかに記載の単一量子ドット装置。
本発明の単一量子ドット装置の構成(第1の実施例)を説明する図 本発明の単一量子ドット装置の構成(第2の実施例)を説明する図 本発明の単一量子ドット装置の構成(第3の実施例)を説明する図 メサ構造の単一量子ドット素子を説明する図 従来の単一量子ドット装置を説明する図 熱サイクルによる単一量子ドット素子発光特性の変化を説明する図
符号の説明
1、101 単一量子ドット素子
2、102 基板
3、107 メサ構造部
4、104 量子ドット
5 筐体
6 天板
7 試料室
8 開口部
9 接着部
10 反射防止膜
11、108 クライオスタット
12、109 真空チャンバー
13 支持台
14 第2の透過窓
15 接触部
16、112 汚染物質
17 電流源
18 導入端子
19 キャップ層側電極
20 検流計
103 バッファ層
105 キャップ層
106 除去領域
110 低温冷却部
111 透過窓
113 汚染付着物質

Claims (5)

  1. 基板上に形成された単一量子ドット素子と、
    前記単一量子ドット素子の発光波及び受光波を透過する前記基板からなる第1の透過窓を有し、かつ前記単一量子ドット素子を内部に設置し、それぞれ熱伝導材料からなる天板と筐体とを機械的に圧着させることによって排気流路が保たれる接触構造とした試料室と、
    前記試料室を内部に格納し、かつ前記第1の透過窓を外側より見通し得る位置に前記発光波及び受光波を透過する第2の透過窓を有する真空チャンバーと、
    前記試料室並びに前記真空チャンバーの真空排気機構と、
    前記単一量子ドット素子の冷却機構と、を有することを特徴とする単一量子ドット装置。
  2. 前記単一ドット素子は、前記基板上にメサ構造をなして前記受光波に吸収帯を持つ半導体ドットからなることを特徴とする請求項1記載の単一量子ドット装置。
  3. 前記試料室は、少なくとも、熱伝導性材料からなる天板と前記天板と接触して空間をなす熱伝導性材料からなる筐体からなり、前記天板は中心近傍に所定の大きさの開口部を有し、前記単一量子ドット素子が前記空間の内部に配され、かつ前記基板の底面が前記開口部を塞ぐ様に前記天板の前記空間側面に密着されていることを特徴とする請求項1または2記載の単一量子ドット装置。
  4. 前記筐体は、前記真空チャンバー内の、熱伝導性材料からなる支持台上に設置され、前記支持台は前記冷却機構の冷却部と連結されていることを特徴とする請求項3記載の単一量子ドット装置。
  5. 前記試料室の前記天板と前記筐体の接触部は、前記真空チャンバーの真空排気時において、前記試料室の内部の真空排気が確保される空気流路を有することを特徴とする請求項3または4記載の単一量子ドット装置。
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