JP4888023B2 - 物体の反射特性データの作成方法および作成装置 - Google Patents
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Description
G. Muller, J. Meseth, M. Sattler, R. Sarlette and R. Klein 2004, Acquisition, Synthesis and Rendering of Bidirectional Texture Functions. In Eurographics 2004 STAR-State of The Art Report
平面上に描かれた直線で構成される基準枠の内部に、被測定面を有する物体を載置する物体載置段階と、
光源と被測定面とカメラとが所定の位置関係になるような撮影条件を、光源と被測定面との位置関係を複数m通りに変化させ、かつ、被測定面とカメラとの位置関係を複数n通りに変化させることにより、合計(m×n)通り設定する撮影条件設定段階と、
設定された(m×n)通りの撮影条件のそれぞれについて、光源によって照明されている被測定面の画像をカメラで撮影する撮影処理を実行することにより、(m×n)枚の物体撮影画像を得る物体撮影段階と、
(m×n)枚の物体撮影画像に対して、所定の画像変換方法を利用した画像変換を行い、(m×n)枚の正則画像を得る画像変換段階と、
(m×n)枚の正則画像に基づいて、物体の反射特性データを作成する反射特性データ作成段階と、
を行うようにし、
上記所定の画像変換方法として、
基準枠の内部に配置された被写体を、所定方向から撮影することにより得られる撮影画像を、平面上の基準点に立てた法線方向から見た正則画像に変換する画像変換方法であって、
撮影画像もしくはこれに所定の加工処理を施した画像を、二次元xy座標系に所定の画素値をもった画素を配列してなる画像データとして入力する画像入力段階と、
xy座標系上の任意の直線を、座標軸に対する向きを示す変数ξと原点に対する変位を示す変数ρを用いて表わす表現形式を用い、画像データを構成する個々の画素について、当該画素の基準位置を通る直線群のそれぞれについての変数(ξ,ρ)の組合わせを求め、二次元ξρ座標系上に各変数対(ξ,ρ)に対応する座標点をプロットし、これら座標点の集合により構成される線グラフμを各画素ごとにξρ座標系上に求める線グラフ演算段階と、
ξρ座標系上に、各画素が同一の初期画素値を有する積算用二次元画素配列を定義し、この積算用二次元画素配列上に、画像データを構成する第i番目の画素Piについて求められた線グラフμiを重ね合わせ、この線グラフμi上もしくはその近傍に位置する画素の画素値に、画素Piのもつ画素値を積算する処理を、第1番目の画素から第N番目の画素まで(但し、1≦i≦N、Nは画像データに含まれる画素配列上の全画素数)繰り返し実行する画素値積算段階と、
撮影画像を得る際の幾何学的な撮影条件に基づいて、xy座標系上に配置された撮影画像上に現れるであろう基準枠の像の位置を、幾何学的な演算によって予測する基準枠位置予測段階と、
予測された基準枠の像を構成する各直線を示す変数(ξ,ρ)の組合わせについて、積算用二次元画素配列上に対応する座標点をそれぞれ幾何学的予測点εとしてプロットし、各幾何学的予測点εについての所定の近傍領域に所属する画素のうちの画素値が最大もしくは最小の画素の基準位置を、対応する直線についての実測上予測点と決定する実測上予測点決定段階と、
二次元xy座標系上に、各実測上予測点の座標値(ξ,ρ)によって表わされる直線を描き、これらの直線の位置を正しい基準枠の像の位置として取り扱い、幾何学的な演算によって撮影画像を正則画像に変換する正則変換段階と、
を有する方法を行うようにしたものである。
所定領域の内部と外部とのコントラスト差による境界線からなる基準枠を用いた撮影により撮影画像が得られた場合に、
画像入力段階で、撮影画像に対して微分処理を施して得られる微分画像を画像データとして入力するようにしたものである。
線グラフ演算段階で、xy座標系上の任意の直線に、xy座標系の原点Oから垂線を下し、その足を点Fとしたときに、xy座標系の一軸と線分OFとのなす角度をξ、線分OFの長さをρで表わし、2つの変数ξ,ρにより直線を表わす表現形式を用いるようにしたものである。
画素値積算段階で、線グラフμ上に位置する画素の画素値に、画素Piのもつ画素値を積算するとともに、線グラフμから所定の近傍距離dだけ離れた画素の画素値に、画素Piのもつ画素値に近傍距離dに応じた所定割合R(0≦R≦1の範囲をとり、近傍距離dが大きくなるほど小さくなる値)を乗じた値を積算するようにしたものである。
所定割合Rを、線グラフμの位置を中心としてガウス分布をとるように設定したものである。
線グラフ演算段階で、全N個の画素のうち、所定範囲内の画素値を有する画素についてのみ線グラフを求める演算を実行し、
画素値積算段階で、全N個の画素のうち、所定範囲内の画素値を有する画素についてのみ画素値の積算処理を実行するようにしたものである。
線グラフ演算段階で、全N個の画素のうち、所定の考慮領域内に位置する画素についてのみ線グラフを求める演算を実行し、
画素値積算段階で、全N個の画素のうち、所定の考慮領域内に位置する画素についてのみ画素値の積算処理を実行するようにしたものである。
基準枠位置予測段階で、撮影画像を得る際の幾何学的な撮影条件として、基準点に立てた法線と撮影装置の光軸とのなす角θと、光軸の「基準枠が描かれた平面」への投影像と基準点を通り「基準枠が描かれた平面」に含まれる所定の基準線ζとのなす角φと、撮影装置の光学系の焦点距離と、に基づく幾何学的な演算により基準枠の像の位置を予測するようにしたものである。
実測上予測点決定段階で、幾何学的予測点εについての所定の近傍領域として、幾何学的予測点εの座標値を(ξε,ρε)としたときに、所定の偏差Δξ,Δρを用いて、ξε−Δξ≦ξ≦ξε+Δξ、ρε−Δρ≦ρ≦ρε+Δρなる条件を満たす座標値(ξ,ρ)で示される領域を設定するようにしたものである。
実測上予測点決定段階で、幾何学的予測点εについての所定の近傍領域に所属する画素のうちの画素値が最大もしくは最小の画素が複数存在した場合には、これら複数の画素の基準位置の重心位置を、対応する直線についての実測上予測点と決定するようにしたものである。
実測上予測点決定段階で、近傍領域内の最大画素値が所定のしきい値に満たない場合もしくは最小画素値が所定のしきい値を超えてしまう場合には、実測上予測点の決定を行わず、正則画像への画像変換に失敗した取り扱いを行うようにしたものである。
矩形を示す基準枠を用いた撮影により撮影画像が得られた場合に、
正則変換段階で、基準枠の像を構成する矩形の4頂点の位置に基づく幾何学的な演算により正則画像への変換を行うようにしたものである。
特定の物体撮影画像を正則画像に変換する画像変換段階における実測上予測点決定段階で、近傍領域内の最大画素値が所定のしきい値に満たない場合もしくは最小画素値が所定のしきい値を超えてしまう場合には、実測上予測点の決定を行わず、当該物体撮影画像に関する正則画像への画像変換に失敗した取り扱いを行い、
画像変換に失敗した取り扱いが行われた物体撮影画像についての正則画像を、撮影条件が近似する別な物体撮影画像についての正則画像に基づく補間により求めるようにしたものである。
上面が平面をなし、この平面上に直線で構成される基準枠が描かれている撮影用ステージと、
撮影用ステージ上に載置された物体を照明するための光源と、
撮影用ステージ上に載置された物体を撮影するためのカメラと、
光源と物体の被測定面との位置関係を複数m通りに変化させ、かつ、被測定面とカメラとの位置関係を複数n通りに変化させることにより撮影条件を設定する撮影条件設定部と、
所定の画像変換装置と、
を設け、
前記所定の画像変換装置は、
基準枠の内部に配置された被写体を、所定方向から撮影することにより得られる撮影画像を、平面上の基準点に立てた法線方向から見た正則画像に変換する画像変換装置であって、
撮影画像もしくはこれに所定の加工処理を施した画像を、二次元xy座標系に所定の画素値をもった画素を配列してなる画像データとして入力する画像入力部と、
xy座標系上の任意の直線を、座標軸に対する向きを示す変数ξと原点に対する変位を示す変数ρを用いて表わす表現形式を用い、画像データを構成する個々の画素について、当該画素の基準位置を通る直線群のそれぞれについての変数(ξ,ρ)の組合わせを求め、二次元ξρ座標系上に各変数対(ξ,ρ)に対応する座標点をプロットし、これら座標点の集合により構成される線グラフμを各画素ごとにξρ座標系上に求める線グラフ演算部と、
ξρ座標系上に、各画素が同一の初期画素値を有する積算用二次元画素配列を定義し、この積算用二次元画素配列上に、画像データを構成する第i番目の画素Piについて求められた線グラフμiを重ね合わせ、この線グラフμi上もしくはその近傍に位置する画素の画素値に、画素Piのもつ画素値を積算する処理を、第1番目の画素から第N番目の画素まで(但し、1≦i≦N、Nは画像データに含まれる画素配列上の全画素数)繰り返し実行する画素値積算部と、
撮影画像を得る際の幾何学的な撮影条件に基づいて、xy座標系上に配置された撮影画像上に現れるであろう基準枠の像の位置を、幾何学的な演算によって予測する基準枠位置予測部と、
予測された基準枠の像を構成する各直線を示す変数(ξ,ρ)の組合わせについて、積算用二次元画素配列上に対応する座標点をそれぞれ幾何学的予測点εとしてプロットし、各幾何学的予測点εについての所定の近傍領域に所属する画素のうちの画素値が最大もしくは最小の画素の基準位置を、対応する直線についての実測上予測点と決定する実測上予測点決定部と、
二次元xy座標系上に、各実測上予測点の座標値(ξ,ρ)によって表わされる直線を描き、これらの直線の位置を正しい基準枠の像の位置として取り扱い、幾何学的な演算によって撮影画像を正則画像に変換する正則変換部と、
を有し、
カメラで撮影された撮影画像が画像変換装置の画像入力部へ与えられるように構成され、
画像変換装置によって変換された正則画像に基づいて、物体の反射特性データを作成する反射特性データ作成部を更に設けるようにしたものである。
線グラフ演算部が、xy座標系上の任意の直線に、xy座標系の原点Oから垂線を下し、その足を点Fとしたときに、xy座標系の一軸と線分OFとのなす角度をξ、線分OFの長さをρで表わし、2つの変数ξ,ρにより直線を表わす表現形式を用いるようにしたものである。
画素値積算部が、線グラフμ上に位置する画素の画素値に、画素Piのもつ画素値を積算するとともに、線グラフμから所定の近傍距離dだけ離れた画素の画素値に、画素Piのもつ画素値に近傍距離dに応じた所定割合R(0≦R≦1の範囲をとり、近傍距離dが大きくなるほど小さくなる値)を乗じた値を積算するようにしたものである。
所定割合Rが、線グラフμの位置を中心としてガウス分布をとるように設定したものである。
線グラフ演算部が、全N個の画素のうち、所定範囲内の画素値を有する画素についてのみ線グラフを求める演算を実行し、
画素値積算部が、全N個の画素のうち、所定範囲内の画素値を有する画素についてのみ画素値の積算処理を実行するようにしたものである。
線グラフ演算部が、全N個の画素のうち、所定の考慮領域内に位置する画素についてのみ線グラフを求める演算を実行し、
画素値積算部が、全N個の画素のうち、所定の考慮領域内に位置する画素についてのみ画素値の積算処理を実行するようにしたものである。
基準枠位置予測部が、撮影画像を得る際の幾何学的な撮影条件として与えられた、基準点に立てた法線と撮影装置の光軸とのなす角θと、光軸の「基準枠が描かれた平面」への投影像と基準点を通り「基準枠が描かれた平面」に含まれる所定の基準線ζとのなす角φと、撮影装置の光学系の焦点距離と、に基づく幾何学的な演算により基準枠の像の位置を予測するようにしたものである。
実測上予測点決定部が、幾何学的予測点εについての所定の近傍領域として、幾何学的予測点εの座標値を(ξε,ρε)としたときに、所定の偏差Δξ,Δρを用いて、ξε−Δξ≦ξ≦ξε+Δξ、ρε−Δρ≦ρ≦ρε+Δρなる条件を満たす座標値(ξ,ρ)で示される領域を用いるようにしたものである。
実測上予測点決定部が、幾何学的予測点εについての所定の近傍領域に所属する画素のうちの画素値が最大もしくは最小の画素が複数存在した場合には、これら複数の画素の基準位置の重心位置を、対応する直線についての実測上予測点と決定するようにしたものである。
実測上予測点決定部が、近傍領域内の最大画素値が所定のしきい値に満たない場合もしくは最小画素値が所定のしきい値を超えてしまう場合には、実測上予測点の決定を行わず、正則画像への画像変換に失敗した旨のメッセージを提示するようにしたものである。
撮影用ステージの上面に、物体を載置するための矩形を形成し、この矩形の内部領域と外部領域とはコントラストに差が生じるように構成し、両領域の境界線によって基準枠が構成されるようにし、
カメラで撮影された撮影画像に対して微分処理を実行する微分処理部を更に設け、微分処理後の画像が画像入力部へ与えられるように構成し、
正則変換部が、基準枠の像を構成する矩形の4頂点の位置に基づく幾何学的な演算により正則画像への変換を行うようにしたものである。
実測上予測点決定部が、近傍領域内の最大画素値が所定のしきい値に満たない、もしくは最小画素値が所定のしきい値を超えてしまうと判断した場合には、正則画像への画像変換に失敗した旨のエラー信号を出力し、
反射特性データ作成部が、エラー信号が出力されたために画像変換装置からは得られなかった正則画像を、撮影条件が近似する別な物体撮影画像についての正則画像に基づく補間により求めるようにしたものである。
本発明は、被写体を斜め方向から撮影することにより得られた撮影画像を、真上から見た状態の正則画像に変換する画像変換技術に係る発明であるが、ここでは、この画像変換技術をレンダリング用の高次元テクスチャデータ(反射特性データ)を作成するプロセスで利用した実施形態を述べることにする。そこで、説明の便宜上、まず、従来の一般的なレンダリング処理の基本概念を説明しておく。
I(V)=K・I(L)
なる式で求める方法である。ここで、I(L)は照明光Lのサンプル点Qの位置における強度であり、Kは反射係数である。照明光Lの強度I(L)は、光源Gの輝度、光源Gとサンプル点Qとの距離、サンプル点Qが所属するポリゴンに対する照明光の入射角といったパラメータによって決定される。これに対して、反射係数Kは、テクスチャデータ20によって決定される。まず、テクスチャデータ20を仮想物体10の表面に所定のマッピング態様でマッピングした場合に、サンプル点Qの位置が、テクスチャデータ20のどの座標に対応するかを定め、当該対応座標(u,v)に位置する画素T(u,v)を決定する。そして、この対応画素T(u,v)の画素値として定義されている値が、サンプル点Qの位置における反射係数Kになる。
Ir(V)=Kr・Ir(L)
なる式で求めることができる。
§1では、テクスチャデータ20として、二次元画像を用いた例を示した。このような二次元画像をマッピングするモデルでは、サンプル点Qの反射特性が、照明光の入射角や反射光の反射角に依存しないものとして取り扱っているが、パイル地のような三次元構造をもった繊維シートを物体表面に張り付けた場合、厳密には、照明光の入射角や反射光の反射角に依存した異方性反射の特性を考慮した取り扱いをしなければならない。
I(V)=K(θL,φL,θV,φV)・I(L)
なる式で求めるのが、BRDFモデルである。このBRDFモデルの特徴は、反射係数Kを、入射照明光Lの向きを示すパラメータ「θL,φL」および反射光Vの向きを示すパラメータ「θV,φV」の関数として与える点にある。
I(V)=K(θL,φL,θV,φV,u,v)・I(L)
なる式で与えられる。すなわち、図2に示す反射光Vの強度I(V)は、入射照明光Lがどの方向からサンプル点Qに照射され、反射光Vがサンプル点Qからどの方向に射出するか、という角度に関するパラメータに依存して定まるとともに、サンプル点Qの位置にも依存して定まるファクターということになる。
続いて、§2で述べたような高次元画像として表現される反射特性データを、実在の物体についての実測により作成する方法を説明する。たとえば、図1に示すレンダリング処理において、物体データ10の表面に、パイル地のような三次元構造をもった繊維シートを張り付けた状態をBTFモデルによって表現したい場合、表面にマッピングするテクスチャデータ20としては、図3に示すような6次元画像として表現される反射特性データを用意する必要がある。実在の物体に基づく測定により、このような高次元の反射特性データを作成するには、たとえば、実在のパイル地の生地を用意し、この生地の表面の反射特性を様々な幾何学的な撮影条件下で撮影し、得られた複数の撮影画像に基づいて、反射特性データを作成すればよい。
上述したとおり、図7(a) 〜(f) に示されている個々の撮影画像を、それぞれ図8(a) 〜(f) に示されている正則画像に変換する手法として、従来は、幾何学的な撮影条件(角度θVs,φVs,カメラ60の焦点距離)に基づく幾何学的な演算手法(射影的正規化変換)が利用されてきた。しかしながら、このような幾何学的な演算手法を、実在の物体についてのカメラ撮影で得られた実測画像データに適用しても、精度の高い変換を行うことはできない。その原因は、既に述べたとおり、予め所定の幾何学的な撮影条件を設定し、実在の物体に対して当該撮影条件下で撮影を行ったとしても、実際には、設定どおりの正確な撮影条件下での撮影を行うことが困難なためである。すなわち、図6に示す撮影系では、物体40に対するカメラ60の相対位置や向きに関する誤差、カメラ60の光軸のずれ、レンズの収差などの要因が関与してくるため、図7(a) 〜(f) に示す実際の撮影画像は、幾何学的な撮影条件(角度θVs,φVs,カメラ60の焦点距離)の下で得られる理想的な撮影画像に合致しないのである。
ここでは、ハフ変換の基本原理を簡単に説明する。ハフ変換(Hough transform)は、不完全な画像情報から線の抽出を行うための方法であり、たとえば、「イメージプロセッシング<画像処理標準テキストブック>」 監修:画像処理標準テキストブック編集委員会、発行所:財団法人画像情報教育振興協会、発行日:平成9年2月25日、187〜190頁などに詳細な説明がなされている。
続いて、本発明に係る反射特性データの作成方法の基本手順を、図16の流れ図を参照しながら説明する。この図16に示す方法の概要は、既に§3で述べたとおりであり、その目的は、実在の物体の被測定面の所定位置に所定の入射方向から照明光を当てたときに、当該所定位置から所定の射出方向に向かう反射光の反射率を、被測定面の個々の位置ごとに、それぞれ複数m通りの入射方向および複数n通りの射出方向の組み合わせによる(m×n)通りの場合について定義したデータを、被測定面についての反射特性データとして作成することにある。
ここでは、図16の流れ図におけるステップS4の画像変換段階の基本手順、すなわち、本発明の特徴となる正則画像への画像変換方法の基本手順を詳述する。図17は、この画像変換段階の詳細な手順を示す流れ図であり、平面上に描かれた直線で構成される基準枠の内部に配置された被写体を、所定方向から撮影することにより得られる撮影画像を、当該平面上の基準点に立てた法線方向から見た正則画像に変換するための処理手順である。この図17の各ステップに示されている処理は、実用上、コンピュータによって実行されることになる。
(1)基準点Sに立てた法線Nと撮影装置(図6のカメラ60)の光軸とのなす角θ(図6のθVs)、
(2)この光軸の「基準枠が描かれた平面」(図6の撮影用ステージ30の上面)への投影像(図6のVs′)と基準点Sを通り「基準枠が描かれた平面」に含まれる所定の基準線ζ(図6のζs)とのなす角φ(図6のφVs)、
(3)撮影装置(図6のカメラ60)の光学系の焦点距離、
を与えることが可能である。そこで、ステップS18の基準枠位置予測段階では、上記幾何学的な撮影条件に基づく幾何学的な演算により(実際には、この他にも、カメラの撮影倍率やCCD素子上の画素ピッチなどのカメラ側の撮影条件も考慮した演算がなされる。)、ステップS11で画像データとして入力された撮影画像上に現れるであろう基準枠35の像の位置を予測することが可能である。
上述した§7では、本発明の特徴となる正則画像への画像変換方法の基本概念を単純な実例モデルを用いて説明した。ここでは、本発明のより実用的な実施形態をいくつか述べることにする。
これまで述べた基本的な実施形態では、図17の流れ図におけるステップS11で入力される撮影画像が二値画像である単純な例を示した。たとえば、図18に示す撮影画像は、図にハッチングを施して示す黒画素とそれ以外の白画素との2種類の画素から構成される二値画像であった。しかしながら、物体の反射特性データを求めることを目的とした撮影では、通常、階調をもった撮影画像が利用される。このように、撮影画像が階調画像である場合にも、これまで述べてきた基本的な実施形態をそのまま適用した取り扱いが可能である。
これまで述べてきた基本的な実施形態では、図10に示す例のように、撮影用ステージ30の上面に、矩形からなる基準枠35が描かれている例を示した。しかしながら、本発明で用いる基準枠は、必ずしも4辺を有する矩形図形にする必要はない。本発明における基準枠の役割は、図9(a) に示すように、斜めから撮影したときに像として得られる四角形ABCDの幾何学的な形状に基づいて、これを図9(b) に示すような正則四角形に戻すための幾何学的変換(射影的正規化変換など)を特定するための手掛かりを与えることにある。このような幾何学的変換は、四角形の4頂点A,B,C,Dの位置が特定されていれば実施可能であるので、基準枠35は、必ずしも図形的な四角形である必要はない。
これまで述べた基本的な実施形態の場合、図17の流れ図におけるステップS14の線グラフ演算段階で、xy座標上の第i番目の画素Piに対応させて、ξρ座標上に図19に示すような線グラフμiを求め、続くステップS15の画素値積算段階で、図20に示すように、ξρ座標上の積算用二次元画素配列上に線グラフμiを重ね合わせ、この線グラフμi上に位置する画素(図20にハッチングを施して示す画素)の画素値に、画素Piのもつ画素値を積算する処理を行った。
これまで述べた基本的な実施形態の場合、図17の流れ図におけるステップS21の実測上予測点決定段階では、幾何学的予測点εの近傍領域内で「最大画素値」を有する画素を探し、当該画素の基準位置を実測上予測点と決定していた。しかしながら、ここで「最大画素値」を有する画素を探したのは、xy座標上の画像上において、「基準枠の像を構成する画素の画素値が、その背景となる画素の画素値よりも大きい」という設定がなされていることを前提としたためである。
図17の流れ図におけるステップS13〜S17の処理は、パラメータiを1ずつ増加させながら繰り返し実行される手順であり、その意味するところは、xy座標上に入力された画像を構成する全N個の画素の1つ1つについて、ξρ座標上に線グラフを求め、当該線グラフ上もしくはその近傍に位置するξρ座標上の画素を被積算対象画素として、画素値の積算を行うことにある。したがって、この流れ図の手順によれば、xy座標上の第1番目の画素から第N番目の画素に至るまで、全N個の画素すべてを対象として、ステップS14,S15の処理が実行されることになる。
これまで述べてきた変形例の内容も踏まえると、図17のステップS21では、幾何学的予測点εについての所定の近傍領域に所属する画素のうちの画素値が最大もしくは最小の画素の基準位置を、実測上予測点と決定することになる。しかしながら、実際には、このような方法で実測上予測点を決定すると、基準枠を構成する直線の像とは全く無関係な直線に対応する点が、実測上予測点として誤検出されてしまう事態が生じやすい。特に、§3で述べたような反射特性データの作成を目的として、様々な撮影条件で多数の撮影画像が得られた場合、何枚かの撮影画像においては、照明光の反射像の影響を受け、ステップS21で誤検出が生じる可能性がある。
最後に、本発明に係る物体の反射特性データの作成装置の基本構成を、図30に示すブロック図を参照しながら説明する。この装置は、図16の流れ図に示す反射特性データの作成手順を実施するために利用可能な装置であり、物体の被測定面の所定位置に所定の入射方向から照明光を当てたときに、当該所定位置から所定の射出方向に向かう反射光の反射率を、被測定面の個々の位置ごとに、それぞれ複数m通りの入射方向および複数n通りの射出方向の組み合わせによる(m×n)通りの場合について定義したデータを、被測定面についての反射特性データとして作成する機能を有している。
15:二次元投影画像
20:テクスチャデータ(原テクスチャデータ)
30:撮影用ステージ
35:基準枠
35A〜35D:基準枠の4辺
38:矩形領域
40:被写体(物体)
50:光源
51:代表点
60:カメラ
100:画像変換装置
110:画像入力部
120:線グラフ演算部
130:画素値積算部
140:実測上予測点決定部
150:正則変換部
160:基準枠位置予測部
210:撮影条件設定部
220:微分処理部
230:反射特性データ作成部
A〜D:矩形の4頂点
d:近傍距離(線グラフμと画素Tの基準位置との距離)
E:視点
F:垂線の足
G:光源
H:投影平面
I(L):照明光の強度
I(V):反射光の強度
K:反射係数
K(θL,φL,θV,φV):反射係数
K(θL,φL,θV,φV,u,v):反射係数
L:照明光/xy座標上の直線
L1〜L6:照明光
La〜Lc:xy座標上の直線
L′:照明光の投影像
Ls:基準照明光
Ls′:基準照明光の投影像
N:法線
O:xy座標系の原点
P:投影平面上の画素/xy座標上の点
P1〜P4,Pi,P(i+1),PN:xy座標上の点/xy座標上の画素
Q:サンプル点/画像上の1点
R:画素値に乗じる割合
S:基準点
S1〜S24:流れ図の各ステップ
Td:ξρ座標上の画素
T(u,v):uv座標上の画素
u,v:テクスチャを定義する二次元座標系の各座標軸
V:反射光
V′:反射光の投影像
Vs:基準反射光
Vs′:基準反射光の投影像
W:基準面/被測定面
X,Y,Z:三次元座標系の各座標軸
α,β:投影平面H上の二次元座標系の各座標軸
γ:複数の線グラフの交点/最大画素値をもつ画素
γ1,γ2,γ3:ξρ座標上の画素
θL:照明光Lの入射角
θL1〜θL6:照明光の入射角
θLs:基準照明光Lsの入射角
θV:反射光Vの反射角
θVs:基準反射光Vsの反射角
ζ,ζs:基準線
λa,λb,λc:ξρ座標上の点
φL:照明光Lの方位角
φL1〜φL12:照明光Lの方位角
φLs:基準照明光Lsの方位角
φV:反射光Vの方位角
φVs:基準反射光Vsの方位角
μ,μ1〜μ4,μi,μ(i+1):ξρ座標上の線グラフ
ξ,ρ:ハフ変換用の座標系の各座標軸
ξa:x軸と垂線OFとのなす角
ρa:垂線OFの長さ
ξγ:x軸と垂線OFとのなす角/ξ座標軸上の座標値
ργ:垂線OFの長さ/ρ座標軸上の座標値
ξε:ξ座標軸上の座標値
ρε:ρ座標軸上の座標値
Δξ,Δρ:偏差
Claims (25)
- 物体の被測定面の所定位置に所定の入射方向から照明光を当てたときに、前記所定位置から所定の射出方向に向かう反射光の反射率を、前記被測定面の個々の位置ごとに、それぞれ複数m通りの入射方向および複数n通りの射出方向の組み合わせによる(m×n)通りの場合について定義したデータを、前記被測定面についての反射特性データとして作成する物体の反射特性データの作成方法であって、
平面上に描かれた直線で構成される基準枠の内部に、被測定面を有する物体を載置する物体載置段階と、
光源と前記被測定面とカメラとが所定の位置関係になるような撮影条件を、前記光源と前記被測定面との位置関係を複数m通りに変化させ、かつ、前記被測定面と前記カメラとの位置関係を複数n通りに変化させることにより、合計(m×n)通り設定する撮影条件設定段階と、
設定された(m×n)通りの撮影条件のそれぞれについて、前記光源によって照明されている前記被測定面の画像を前記カメラで撮影する撮影処理を実行することにより、(m×n)枚の物体撮影画像を得る物体撮影段階と、
前記(m×n)枚の物体撮影画像に対して、所定の画像変換方法を利用した画像変換を行い、(m×n)枚の正則画像を得る画像変換段階と、
前記(m×n)枚の正則画像に基づいて、物体の反射特性データを作成する反射特性データ作成段階と、
を有し、
前記所定の画像変換方法は、
前記基準枠の内部に配置された被写体を、所定方向から撮影することにより得られる撮影画像を、前記平面上の基準点に立てた法線方向から見た正則画像に変換する画像変換方法であって、
前記撮影画像もしくは前記撮影画像に所定の加工処理を施した画像を、二次元xy座標系に所定の画素値をもった画素を配列してなる画像データとして入力する画像入力段階と、
前記xy座標系上の任意の直線を、座標軸に対する向きを示す変数ξと原点に対する変位を示す変数ρを用いて表わす表現形式を用い、前記画像データを構成する個々の画素について、当該画素の基準位置を通る直線群のそれぞれについての変数(ξ,ρ)の組合わせを求め、二次元ξρ座標系上に各変数対(ξ,ρ)に対応する座標点をプロットし、これら座標点の集合により構成される線グラフμを各画素ごとに前記ξρ座標系上に求める線グラフ演算段階と、
前記ξρ座標系上に、各画素が同一の初期画素値を有する積算用二次元画素配列を定義し、この積算用二次元画素配列上に、前記画像データを構成する第i番目の画素Piについて求められた線グラフμiを重ね合わせ、この線グラフμi上もしくはその近傍に位置する画素の画素値に、前記画素Piのもつ画素値を積算する処理を、第1番目の画素から第N番目の画素まで(但し、1≦i≦N、Nは前記画像データに含まれる画素配列上の全画素数)繰り返し実行する画素値積算段階と、
前記撮影画像を得る際の幾何学的な撮影条件に基づいて、前記xy座標系上に配置された撮影画像上に現れるであろう前記基準枠の像の位置を、幾何学的な演算によって予測する基準枠位置予測段階と、
予測された前記基準枠の像を構成する各直線を示す変数(ξ,ρ)の組合わせについて、前記積算用二次元画素配列上に対応する座標点をそれぞれ幾何学的予測点εとしてプロットし、各幾何学的予測点εについての所定の近傍領域に所属する画素のうちの画素値が最大もしくは最小の画素の基準位置を、対応する直線についての実測上予測点と決定する実測上予測点決定段階と、
前記二次元xy座標系上に、前記各実測上予測点の座標値(ξ,ρ)によって表わされる直線を描き、これらの直線の位置を正しい基準枠の像の位置として取り扱い、幾何学的な演算によって前記撮影画像を前記正則画像に変換する正則変換段階と、
を有することを特徴とする物体の反射特性データの作成方法。 - 請求項1に記載の反射特性データの作成方法において、
所定領域の内部と外部とのコントラスト差による境界線からなる基準枠を用いた撮影により撮影画像が得られた場合に、
画像入力段階で、撮影画像に対して微分処理を施して得られる微分画像を画像データとして入力することを特徴とする物体の反射特性データの作成方法。 - 請求項1または2に記載の反射特性データの作成方法において、
線グラフ演算段階で、xy座標系上の任意の直線に、前記xy座標系の原点Oから垂線を下し、その足を点Fとしたときに、前記xy座標系の一軸と線分OFとのなす角度をξ、線分OFの長さをρで表わし、2つの変数ξ,ρにより前記直線を表わす表現形式を用いることを特徴とする物体の反射特性データの作成方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の反射特性データの作成方法において、
画素値積算段階で、線グラフμ上に位置する画素の画素値に、画素Piのもつ画素値を積算するとともに、線グラフμから所定の近傍距離dだけ離れた画素の画素値に、画素Piのもつ画素値に前記近傍距離dに応じた所定割合R(0≦R≦1の範囲をとり、近傍距離dが大きくなるほど小さくなる値)を乗じた値を積算することを特徴とする物体の反射特性データの作成方法。 - 請求項4に記載の反射特性データの作成方法において、
所定割合Rを、線グラフμの位置を中心としてガウス分布をとるように設定することを特徴とする物体の反射特性データの作成方法。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の反射特性データの作成方法において、
線グラフ演算段階で、全N個の画素のうち、所定範囲内の画素値を有する画素についてのみ線グラフを求める演算を実行し、
画素値積算段階で、全N個の画素のうち、所定範囲内の画素値を有する画素についてのみ画素値の積算処理を実行することを特徴とする物体の反射特性データの作成方法。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の反射特性データの作成方法において、
線グラフ演算段階で、全N個の画素のうち、所定の考慮領域内に位置する画素についてのみ線グラフを求める演算を実行し、
画素値積算段階で、全N個の画素のうち、所定の考慮領域内に位置する画素についてのみ画素値の積算処理を実行することを特徴とする物体の反射特性データの作成方法。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の反射特性データの作成方法において、
基準枠位置予測段階で、撮影画像を得る際の幾何学的な撮影条件として、基準点に立てた法線と撮影装置の光軸とのなす角θと、前記光軸の「基準枠が描かれた平面」への投影像と前記基準点を通り前記「基準枠が描かれた平面」に含まれる所定の基準線ζとのなす角φと、前記撮影装置の光学系の焦点距離と、に基づく幾何学的な演算により基準枠の像の位置を予測することを特徴とする物体の反射特性データの作成方法。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の反射特性データの作成方法において、
実測上予測点決定段階で、幾何学的予測点εについての所定の近傍領域として、幾何学的予測点εの座標値を(ξε,ρε)としたときに、所定の偏差Δξ,Δρを用いて、ξε−Δξ≦ξ≦ξε+Δξ、ρε−Δρ≦ρ≦ρε+Δρなる条件を満たす座標値(ξ,ρ)で示される領域を設定することを特徴とする物体の反射特性データの作成方法。 - 請求項1〜9のいずれかに記載の反射特性データの作成方法において、
実測上予測点決定段階で、幾何学的予測点εについての所定の近傍領域に所属する画素のうちの画素値が最大もしくは最小の画素が複数存在した場合には、これら複数の画素の基準位置の重心位置を、対応する直線についての実測上予測点と決定することを特徴とする物体の反射特性データの作成方法。 - 請求項1〜10のいずれかに記載の反射特性データの作成方法において、
実測上予測点決定段階で、近傍領域内の最大画素値が所定のしきい値に満たない場合もしくは最小画素値が所定のしきい値を超えてしまう場合には、実測上予測点の決定を行わず、正則画像への画像変換に失敗した取り扱いを行うことを特徴とする物体の反射特性データの作成方法。 - 請求項1〜11のいずれかに記載の反射特性データの作成方法において、
矩形を示す基準枠を用いた撮影により撮影画像が得られた場合に、
正則変換段階で、前記基準枠の像を構成する矩形の4頂点の位置に基づく幾何学的な演算により正則画像への変換を行うことを特徴とする物体の反射特性データの作成方法。 - 請求項1〜12のいずれかに記載の反射特性データの作成方法において、
特定の物体撮影画像を正則画像に変換する画像変換段階における実測上予測点決定段階で、近傍領域内の最大画素値が所定のしきい値に満たない場合もしくは最小画素値が所定のしきい値を超えてしまう場合には、実測上予測点の決定を行わず、当該物体撮影画像に関する正則画像への画像変換に失敗した取り扱いを行い、
画像変換に失敗した取り扱いが行われた物体撮影画像についての正則画像を、撮影条件が近似する別な物体撮影画像についての正則画像に基づく補間により求めることを特徴とする物体の反射特性データの作成方法。 - 物体の被測定面の所定位置に所定の入射方向から照明光を当てたときに、前記所定位置から所定の射出方向に向かう反射光の反射率を、前記被測定面の個々の位置ごとに、それぞれ複数m通りの入射方向および複数n通りの射出方向の組み合わせによる(m×n)通りの場合について定義したデータを、前記被測定面についての反射特性データとして作成する物体の反射特性データの作成装置であって、
上面が平面をなし、この平面上に直線で構成される基準枠が描かれている撮影用ステージと、
前記撮影用ステージ上に載置された物体を照明するための光源と、
前記撮影用ステージ上に載置された物体を撮影するためのカメラと、
前記光源と前記物体の被測定面との位置関係を複数m通りに変化させ、かつ、前記被測定面と前記カメラとの位置関係を複数n通りに変化させることにより撮影条件を設定する撮影条件設定部と、
所定の画像変換装置と、
を備え、
前記所定の画像変換装置は、
前記基準枠の内部に配置された被写体を、所定方向から撮影することにより得られる撮影画像を、前記平面上の基準点に立てた法線方向から見た正則画像に変換する画像変換装置であって、
前記撮影画像もしくは前記撮影画像に所定の加工処理を施した画像を、二次元xy座標系に所定の画素値をもった画素を配列してなる画像データとして入力する画像入力部と、
前記xy座標系上の任意の直線を、座標軸に対する向きを示す変数ξと原点に対する変位を示す変数ρを用いて表わす表現形式を用い、前記画像データを構成する個々の画素について、当該画素の基準位置を通る直線群のそれぞれについての変数(ξ,ρ)の組合わせを求め、二次元ξρ座標系上に各変数対(ξ,ρ)に対応する座標点をプロットし、これら座標点の集合により構成される線グラフμを各画素ごとに前記ξρ座標系上に求める線グラフ演算部と、
前記ξρ座標系上に、各画素が同一の初期画素値を有する積算用二次元画素配列を定義し、この積算用二次元画素配列上に、前記画像データを構成する第i番目の画素Piについて求められた線グラフμiを重ね合わせ、この線グラフμi上もしくはその近傍に位置する画素の画素値に、前記画素Piのもつ画素値を積算する処理を、第1番目の画素から第N番目の画素まで(但し、1≦i≦N、Nは前記画像データに含まれる画素配列上の全画素数)繰り返し実行する画素値積算部と、
前記撮影画像を得る際の幾何学的な撮影条件に基づいて、前記xy座標系上に配置された撮影画像上に現れるであろう前記基準枠の像の位置を、幾何学的な演算によって予測する基準枠位置予測部と、
予測された前記基準枠の像を構成する各直線を示す変数(ξ,ρ)の組合わせについて、前記積算用二次元画素配列上に対応する座標点をそれぞれ幾何学的予測点εとしてプロットし、各幾何学的予測点εについての所定の近傍領域に所属する画素のうちの画素値が最大もしくは最小の画素の基準位置を、対応する直線についての実測上予測点と決定する実測上予測点決定部と、
前記二次元xy座標系上に、前記各実測上予測点の座標値(ξ,ρ)によって表わされる直線を描き、これらの直線の位置を正しい基準枠の像の位置として取り扱い、幾何学的な演算によって前記撮影画像を前記正則画像に変換する正則変換部と、
を備え、
前記カメラで撮影された撮影画像が前記画像変換装置の前記画像入力部へ与えられるように構成され、
前記画像変換装置によって変換された正則画像に基づいて、物体の反射特性データを作成する反射特性データ作成部を更に有することを特徴とする物体の反射特性データの作成装置。 - 請求項14に記載の反射特性データの作成装置において、
線グラフ演算部が、xy座標系上の任意の直線に、前記xy座標系の原点Oから垂線を下し、その足を点Fとしたときに、前記xy座標系の一軸と線分OFとのなす角度をξ、線分OFの長さをρで表わし、2つの変数ξ,ρにより前記直線を表わす表現形式を用いることを特徴とする物体の反射特性データの作成装置。 - 請求項14または15に記載の反射特性データの作成装置において、
画素値積算部が、線グラフμ上に位置する画素の画素値に、画素Piのもつ画素値を積算するとともに、線グラフμから所定の近傍距離dだけ離れた画素の画素値に、画素Piのもつ画素値に前記近傍距離dに応じた所定割合R(0≦R≦1の範囲をとり、近傍距離dが大きくなるほど小さくなる値)を乗じた値を積算することを特徴とする物体の反射特性データの作成装置。 - 請求項16に記載の反射特性データの作成装置において、
所定割合Rが、線グラフμの位置を中心としてガウス分布をとるように設定されていることを特徴とする物体の反射特性データの作成装置。 - 請求項14〜17のいずれかに記載の反射特性データの作成装置において、
線グラフ演算部が、全N個の画素のうち、所定範囲内の画素値を有する画素についてのみ線グラフを求める演算を実行し、
画素値積算部が、全N個の画素のうち、所定範囲内の画素値を有する画素についてのみ画素値の積算処理を実行することを特徴とする物体の反射特性データの作成装置。 - 請求項14〜18のいずれかに記載の反射特性データの作成装置において、
線グラフ演算部が、全N個の画素のうち、所定の考慮領域内に位置する画素についてのみ線グラフを求める演算を実行し、
画素値積算部が、全N個の画素のうち、所定の考慮領域内に位置する画素についてのみ画素値の積算処理を実行することを特徴とする物体の反射特性データの作成装置。 - 請求項14〜19のいずれかに記載の反射特性データの作成装置において、
基準枠位置予測部が、撮影画像を得る際の幾何学的な撮影条件として与えられた、基準点に立てた法線と撮影装置の光軸とのなす角θと、前記光軸の「基準枠が描かれた平面」への投影像と前記基準点を通り前記「基準枠が描かれた平面」に含まれる所定の基準線ζとのなす角φと、前記撮影装置の光学系の焦点距離と、に基づく幾何学的な演算により基準枠の像の位置を予測することを特徴とする物体の反射特性データの作成装置。 - 請求項14〜20のいずれかに記載の反射特性データの作成装置において、
実測上予測点決定部が、幾何学的予測点εについての所定の近傍領域として、幾何学的予測点εの座標値を(ξε,ρε)としたときに、所定の偏差Δξ,Δρを用いて、ξε−Δξ≦ξ≦ξε+Δξ、ρε−Δρ≦ρ≦ρε+Δρなる条件を満たす座標値(ξ,ρ)で示される領域を用いることを特徴とする物体の反射特性データの作成装置。 - 請求項14〜21のいずれかに記載の反射特性データの作成装置において、
実測上予測点決定部が、幾何学的予測点εについての所定の近傍領域に所属する画素のうちの画素値が最大もしくは最小の画素が複数存在した場合には、これら複数の画素の基準位置の重心位置を、対応する直線についての実測上予測点と決定することを特徴とする物体の反射特性データの作成装置。 - 請求項14〜22のいずれかに記載の反射特性データの作成装置において、
実測上予測点決定部が、近傍領域内の最大画素値が所定のしきい値に満たない場合もしくは最小画素値が所定のしきい値を超えてしまう場合には、実測上予測点の決定を行わず、正則画像への画像変換に失敗した旨のメッセージを提示することを特徴とする物体の反射特性データの作成装置。 - 請求項14〜23のいずれかに記載の反射特性データの作成装置において、
撮影用ステージの上面に、物体を載置するための矩形が形成されており、前記矩形の内部領域と外部領域とはコントラストに差が生じるように構成され、両領域の境界線によって基準枠が構成されており、
カメラで撮影された撮影画像に対して微分処理を実行する微分処理部が更に設けられており、微分処理後の画像が画像入力部へ与えられるように構成されており、
正則変換部が、前記基準枠の像を構成する矩形の4頂点の位置に基づく幾何学的な演算により正則画像への変換を行うことを特徴とする物体の反射特性データの作成装置。 - 請求項14〜24のいずれかに記載の反射特性データの作成装置において、
実測上予測点決定部が、近傍領域内の最大画素値が所定のしきい値に満たない、もしくは最小画素値が所定のしきい値を超えてしまうと判断した場合には、正則画像への画像変換に失敗した旨のエラー信号を出力し、
反射特性データ作成部が、前記エラー信号が出力されたために画像変換装置からは得られなかった正則画像を、撮影条件が近似する別な物体撮影画像についての正則画像に基づく補間により求めることを特徴とする物体の反射特性データの作成装置。
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