JP4887932B2 - 道路端認識装置、自動車、及び道路端認識方法 - Google Patents
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Description
本発明の課題は、コストの増大を抑制しつつ容易に道路端の認識を行うことである。
《第1実施形態》
《構成》
図1は、車両の概略構成である。自車両1には、例えば左のドアミラーに取付けられ車両側方の道路環境(ここでは、車両左前方及び側方)を撮像するCCDカメラ2と、その画像処理装置3と、車速センサ4と、操舵角センサ5と、例えばマイクロコンピュータで構成されたコントローラ6と、道路端運転席の近傍に設置されたディスプレイ7と、警報装置8と、運転者のブレーキ操作に関らずブ制動力を制御可能なブレーキアクチュエータ9と、が搭載されている。
ステップS101では、CCDカメラ2が撮像した画像データを、画像処理装置3から読込む。画像データの座標は、左上端を原点とし、右下の座標ほど大きい値を示す。
続くステップS102では、車速センサ4と操舵角センサ5との検出信号を読込む。
続くステップS103では、画像データから道路端の候補ラインを選出する(図3参照)。
CandBoundaryLineUpX[n] :ラインの上側横軸座標
CandBoundaryLineUpY[n] :ラインの上側縦軸座標
CandBoundaryLineDnX[n] :ラインの下側横軸座標
CandBoundaryLineDnY[n] :ラインの下側縦軸座標
CandBoundaryLineA[n] :ラインの傾き
CandBoundaryLineB[n] :ラインのY軸切片
CandBoundaryLineNG[n] :除外フラグ
ここで、nは選出したラインの番号であり、最後の番号をnmaxとする。そして、傾きCandBoundaryLineAと切片CandBoundaryLineBは、ライン上側の座標と下側の座標から一次方程式として一意に得られるパラメータである。また、CandBoundaryLineNGとは候補からの除外することを表すフラグであって、道路端の候補となるときに“0”にリセットし、道路端の候補から除外するときに“1”にセットする。
VertLineX[m]:下端位置の横軸座標
VertLineY[m]:下端位置の縦軸座標
ここで、mは検出したラインの番号であり、最後の番号をmmaxとする。
ステップS106では、鉛直方向ラインが存在するか否か、つまり『mmax>0』であるか否かを判定する。この判定結果が『mmax>0』であるときには、鉛直方向ラインが存在するためステップS107に移行する。一方、判定結果が『nmax=0』であるときには、鉛直方向ラインが存在しないためステップS108に移行する。
x=(VertLineY[m]−CandBoundaryLineB[n])
/(CandBoundaryLineA[n]) ………(1)
そして、下記(2)式を満たすか否かを判定する。この判定結果が『VertLineX[m]>x』であるときには、その候補ラインのCandBoundaryLineNG[n]を“0”にリセットしたまま候補として残す。一方、判定結果が『VertLineX[m]≦x』であるときには、その候補ラインのCandBoundaryLineNG[n]を“1”にセットして候補から除外する。
VertLineX[m] > x ………(2)
先ず、下記(3)式に示すように、タイヤ接地点の縦軸座標に相当する候補ラインの横軸座標xを算出する。ここで、OwnTirePosiYとOwnTirePosiXとは、画像内のタイヤ接地点を表しており、CCDカメラ2の画角、及び取付け位置や取付け角度に基づいて定まる定数である。
x=(OwnTirePosiY−CandBoundaryLineB[n])
/(CandBoundaryLineA[n]) ………(3)
OwnTirePosiX > x ………(4)
続くステップS109では、CandBoundaryLineNG[n]が“0”にリセットされたままの候補ラインの数をカウントし、カウント値ChkCntが“1”であるか否かを判定する。この判定結果が『ChkCnt=1』であるときにはステップS110に移行する。一方、判定結果が『ChkCnt>1』であるときにはステップS111に移行する。
RoadBoundaryUpX ← CandBoundaryLineUpX[n]
RoadBoundaryUpY ← CandBoundaryLineUpY[n]
RoadBoundaryDnX ← CandBoundaryLineDnX[n]
RoadBoundaryDnY ← CandBoundaryLineDnY[n]
RoadBoundaryA ← CandBoundaryLineA[n]
RoadBoundaryB ← CandBoundaryLineB[n]
ステップS111では、下記の要領に従い、残った複数の候補のうち、最も自車両に近い(ここでは最も右側)の候補ラインを、最終的な道路端ラインとして認識する。
先ず、下記(5)式に示すように、残った候補ラインに対して順に、タイヤ接地点の縦軸座標に相当する候補ラインの横軸座標xを算出する。
x=(OwnTirePosiY−CandBoundaryLineB[n])
/(CandBoundaryLineA[n]) ………(5)
RoadBoundaryUpX ← CandBoundaryLineUpX[n]
RoadBoundaryUpY ← CandBoundaryLineUpY[n]
RoadBoundaryDnX ← CandBoundaryLineDnX[n]
RoadBoundaryDnY ← CandBoundaryLineDnY[n]
RoadBoundaryA ← CandBoundaryLineA[n]
RoadBoundaryB ← CandBoundaryLineB[n]
続くステップS112では、下記(6)式に示すように、タイヤ接地点から道路端までの道路横断方向の距離Dを算出する。ここで、CamParaXはCCDカメラ2の画角、及び取付け位置や取付け角度に基づいて定まる定数である。
x=(OwnTirePosiY−RoadBoundaryB)/(RoadBoundaryA)
D=(OwnTirePosiX−x)CamParaX ………(6)
D ≦ Dt ………(7)
ステップS114では、運転者に注意を喚起するために、ディスプレイ7に車両側方の画像を表示すると共に、警報装置8を作動させて警報音を報知してから所定のメインプログラムに復帰する。また、必要ならブレーキアクチュエータ9によって自動ブレーキを作動させる。
次に、上記第1実施形態の作用について説明する。
今、図3に示すように、道路の左端に寄った状態で走行しているときに、CCDカメラ2で撮像した画像内で、道路端の候補となる計5本(n=1〜5)の候補ラインが選出され(ステップS103)、且つ道路端の近傍に立設されたポールが鉛直方向ラインとして検出されたとする(ステップS104)。
このとき、先ず画像内で鉛直方向ラインの下端位置よりも道路端の候補ラインが左側を通過しているか、右側を通過しているかを判定し(ステップS107)、左側を通過しているものだけに候補を絞る。すなわち、道路の左端側に立設されたポールや電柱であれば、道路端よりも右側に存在するからであり、これにより、図3ではm=1の鉛直方向ラインに対して、道路端の候補ラインがn=1〜3に絞られる。
以上より、CCDカメラ2及び画像処理装置3が「撮像手段」に対応し、ステップS103の処理が「選出手段」に対応し、ステップS104の処理が「検出手段」に対応し、ステップS105〜S111の処理が「認識手段」に対応し、ステップS112〜S114の処理が「情報提示手段」に対応している。
このように、1台の単眼カメラで撮像した画像であっても、路面に立設されたポールや電柱などの鉛直方向ラインを検出できれば、その下端位置に基づいて道路端を正確に且つ容易に認識することができる。すなわち、2台のカメラを設けたり三次元画像を作成したりする必要が無いので、コストの増大を抑制することができる。
このように、路面に立設されたポールや電柱などの鉛直方向ラインを検出できれば、その下端位置を境にして道路端の候補が何れの側を通過するかを判定するだけで、容易に道路端の候補を絞り込むことができ、道路端の最終的な特定に役立つ。特に、路面に映る影や、路面に標示された通行区分線などを道路端の候補から除外する効果がある。
このように、画像内に映るタイヤ接地点を境にして道路端の候補が何れの側を通過するかを判定するだけで、容易に道路端の候補を絞り込むことができ、道路端の最終的な特定に役立つ。特に、路面に映る影や、路面に標示された通行区分線などを道路端の候補から除外する効果がある。
そもそも、道路端に対して自車両が過度に接近することを防ぐために、道路端の認識を行っているので、残った複数の候補のうち、最も自車両に近いレーン方向ラインを最終的な道路端として特定すれば、これが仮に誤認識であったとしても、より安全側の道路端認識となる。すなわち、実際の道路端へまだ多少の余裕があるのに早めに警報を発してしまうことはあっても、少なくとも道路端に接近し過ぎるということは確実に回避することができるからである。
(5)認識手段が認識した道路端に対する自車両の接近度合に応じて情報を提示する情報提示手段を備える。
これにより、運転者の注意を喚起し、道路端への過度な接近、又は接触を防ぐことができる。
《構成》
第2実施形態は、自車両の予測進路に基づいて道路端の候補を選出すると共に、単に道路端の壁面に対して警報を発するのではなく、路面に立設されたポールや電柱に対しても警報を発するものである。
コントローラ6で実行される第2実施形態の道路端認識処理を、図4のフローチャートに従って説明する。
ステップS201、S202では、前述した第1実施形態のステップS101、S102と同様の処理を実行する。
R=(1+A×V2)L/δ ………(8)
続くステップS204では、前述した第1実施形態のステップS103の処理に加え、更に道路端の候補を選出する領域を限定する(図5参照)。
Xh=R−√(R2−Yh2) ………(9)
そして、下記(10)式に示すように、オフセット量Xofstを算出する。
Xofst=CamPixH×tan-1θ(Yh/Xh)/CamAglH ………(10)
LimitX1s=FOE_X−Xofst−D1m
LimitX1e=FOE_X+Xofst+D1m
LimitX2s=LimitX1s−D2ms
LimitX2e=LimitX1e−D2me ………(11)
続くステップS206では、前述した第1実施形態のステップS105と同様に、道路端の候補が存在するか否かを判定する。ここで、道路端の候補が存在するときには後述するステップS210に移行する。一方、道路端の候補が存在しないときにはステップS207に移行する。
一方、ステップS210では、前述した第1実施形態のステップS106と同様に、鉛直方向ラインが存在するか否かを判定する。ここで、鉛直方向ラインが存在するときにはステップS211に移行する。一方、鉛直方向ラインが存在しないときにはステップS212に移行する。
先ず、下記(12)式に示すように、鉛直方向ラインの下端位置を、自車両のタイヤ接地点を基準にして座標変換する。ここで、CamParaYは前述したCamParaXと同様な定数であるが鉛直方向に関するものである。
Xv[m]=(OwnTirePosiX−VertLineX[m])CamParaX
Yv[m]=(OwnTirePosiY−VertLineY[m])CamParaY ………(12)
先ず、最も右側に存在する鉛直方向ラインを選出する。これは、前記(12)式でXvの値が最も小さくなる鉛直方向ラインである。
そして、下記(13)式に示すように、その最も右側に存在する鉛直方向ラインの下端位置の縦軸座標に相当する候補ラインの横軸座標xを算出する。
x=(VertLineY[m]−CandBoundaryLineB[n])
/(CandBoundaryLineA[n]) ………(13)
VertLineX[m] < x ………(14)
ステップS214では、最も自車両に近い側(ここでは右側)に存在する鉛直方向ラインの下端位置に、新たな仮想道路端として候補ラインを追加する。すなわち、最も自車両に近い側(ここでは右側)に存在する候補ライン番号をrとして、下記のように、ライン番号iの新たな仮想ラインを候補に追加する。
CandBoundaryLineUpY[i]=0
CandBoundaryLineUpX[i]=−VertLineX[m]
+(VertLineY[m]−CandBoundaryLineB[r])
/CandBoundaryLineA[r]
CandBoundaryLineDnY[i]=画像の下辺(例:VGAサイズでは479)
CandBoundaryLineDnX[i]=−VertLineX[m]
+(VertLineY[m]−CandBoundaryLineB[r]−CandBoundaryLineDnY[i])
/CandBoundaryLineA[r]
CandBoundaryLineNG[i]=−1(仮想ラインであることを意味)
続くステップS216では、単独で存在する鉛直方向ラインが画像範囲から外れるか否か、ここでは画像内でVertLineYが所定値よりも下になったか否かを判定する。ここで、VertLineYが所定値よりも下になっていれば、鉛直方向ラインが画像範囲から外れると判断して後述するステップS218に移行する。一方、VertLineYが所定値よりも上にあれば、まだ鉛直方向ラインが画像範囲に残ると判断してステップS217に移行する。
ステップS217では、最も右側に存在する候補ラインが仮想ラインである場合(CandBoundaryLineNG=−1)、その仮想ラインをCandBoundaryLineNG=1に切り替えて候補から除外する。
ステップS219では、保持フラグFhを“1”にセットすると共に、保持タイマThの初期値を下記のように設定する。
V>0の場合:Th ← 5/V
V=0の場合:Th ← 5
続くステップS220〜S225では、前述した第1実施形態のステップS109〜S114と同様の処理を実行する。
次に、上記第2実施形態の作用について説明する。
先ず、道路端の候補を選出する領域を、図5に示すように、車両の予測進路に基づいて設定する(ステップS204)。すなわち、車両の予測進路に応じたオフセット量Xofstを算出し、これに従って領域を限定することにより、自車両の予測進路に対して平行又は鋭角なラインだけを選出する。このように、画像の全領域を検索対象とするのではなく、所定の領域に的を絞って候補となるラインの検索を行う。
そこで、鉛直方ラインの下端位置よりも右側に道路端の候補ラインが存在しないときには(ステップS212の判定が“No”)、鉛直方向ラインの下端位置よりも左側を通過していて、且つ自車両に最も近いレーン方向の候補ラインを、その下端位置まで平行移動させた仮想ラインを生成し、生成した仮想ラインを道路端の候補に追加する(ステップS214)。この仮想ラインは実際の道路端ではないが、車両がポールや電柱などの障害物と接触することなく通行可能な有効道路端となるので、この仮想ラインを道路端として認識するときに、鉛直方向ラインとして検出された障害物にまで警報対象が拡大する。
先ず、鉛直方向ラインが周期的であると判断したら、1つの鉛直方向ラインが画像範囲から外れそうになったときに(ステップS218の判定が“Yes”)、保持フラグFhを“1”にセットする(ステップS219)。これにより、道路端として認識していた候補ラインが一時的に消失したとしても(ステップS206の判定が“No”)、保持タイマTh=0になるまでは(ステップS208の判定が“No”)、それまで道路端として認識していた候補ラインを保持して道路端として認識する(ステップS209)。すなわち、外壁と外壁の間やガードレールの切れ目に差し掛かって、一時的に候補ラインを見失ったとしても、それまで道路端として認識してきた候補ラインを保持することで、道路端を安定して認識する。
以上より、ステップS203、S204の処理が「選出手段」に対応し、ステップS212、S214の処理が「追加手段」に対応し、ステップS205の処理が「検出手段」に対応し、ステップS206〜S211、S213、S215〜S222の処理が「認識手段」に対応し、ステップS223〜S225の処理が「情報提示手段」に対応している。
(1)選出手段は、レーン方向ラインを選出する領域を、自車両の予測進路に基づいて設定する。
このように、所定の領域に的を絞って候補となるラインの検索を行うことで、演算負担を軽減することができる。
これにより、実際の道路端ではなく、車両が路上の障害物と接触することなく通行可能な有効道路端を認識することができるので、こうした路上の障害物に対しても、運転者の注意を喚起することができる。
これにより、有効道路端を容易に認識し、路面に立設されたポールや電柱などの障害物に対しても、運転者の注意を喚起することができる。
(4)認識手段は、検出手段が検出した鉛直方向ラインが周期的であるか又は非周期的であるかを判断し、判断した結果に基づいて道路端を認識する。
これにより、外壁と外壁の間やガードレールの切れ目、或いは外壁やガードレールの終端に差し掛かったときに、適切な道路端を認識することができる。
これにより、外壁と外壁の間やガードレールの切れ目に差し掛かって、一時的に候補ラインを見失ったとしても、それまで道路端として認識してきた候補ラインを保持することで、道路端を安定して認識することができる。
(6)認識手段は、検出手段が検出した鉛直方向ラインが非周期的であると判断したら、当該鉛直方向ラインを自車両が通過した時点で、追加手段が追加した仮想ラインを道路端の候補から除外する。
これにより、外壁やガードレールの終端を通過するようなシーンで、有効道路端から実際の道路端へと切り替えて、状況に適した認識を行うことができる。
《構成》
第3実施形態は、CCDカメラ2をドアミラーではなく例えばルームミラーに取付け、それを車体前方に向けて左右両側の車体側方をも含む前景を撮像することを除いては前述した第1及び第2実施形態と同様の構成を備える。
コントローラ6で実行される第3実施形態の道路端認識処理を、図6のフローチャートに従って説明する。
ステップS301〜S311では、前述した第2実施形態のステップS201、S211と同様の処理を実行する。
自車両よりも左側のラインの場合
VertLineY[j]<VertLineY[k]、且つVertLineX[j]>VertLineX[k]
自車両よりも右側のラインの場合
VertLineY[j]<VertLineY[k]、且つVertLineX[j]<VertLineX[k]
………(15)
Xv=(VertLineX−FOE_X)CamParaX ………(16)
自車両よりも左側のラインの場合
Xv[cycl] > Xv[sepa]
自車両よりも右側のラインの場合
Xv[cycl] < Xv[sepa] ………(17)
ステップS315では、前述した第2実施形態のステップS213と同様の処理を実行する。
ステップS318では、路上に駐車された車両の位置に新たな仮想道路端として候補ラインを追加する。すなわち、最も自車両に近い側に存在する候補ライン番号をrとして、下記のように、ライン番号iの新たな仮想ラインを候補に追加する。
CandBoundaryLineUpY[i]=VertLineY[m]
CandBoundaryLineUpX[i]=VertLineX[m]
CandBoundaryLineDnY[i]=画像の下辺(例:VGAサイズでは479)
CandBoundaryLineDnX[i]=CandBoundaryLineDnX[r]
CandBoundaryLineA[i]=(画像の下辺−VertLineY[m])
/(VertLineX[m]−CandBoundaryLineDnX[r])
CandBoundaryLineNG[i]=−1(仮想ラインであることを意味)
続くステップS320では、前述した第2実施形態のステップS216と同様に、単独で存在する鉛直方向ラインが画像範囲から外れるか否かを判断する。ここで、まだ鉛直方向ラインが画像範囲に残ると判断したら後述するステップS333に移行する。一方、鉛直方向ラインが画像範囲から外れると判断したらステップS321に移行する。
ステップS321では、画像範囲から外れると判断してからの経過時間Tpsを計測し、下記(18)式を満たすか否かを判定する。ここで、Dsは所定値である(例えばDs=5)。この判定結果が『Tps×V<Ds』であるときには、画像範囲から外れた鉛直方向ラインの横をまだ自車両が通過していないと判断して、推定フラグFeを“1”にセットしてからステップS322に移行する。一方、判定結果が『Tps×V≧Ds』であるときには、画像範囲から外れた鉛直方向ラインの横を自車両は通過したと判断して推定フラグFeを“0”にリセットしてからステップS323に移行する。
Tps×V < Ds ………(18)
Yv_out=Yv_out+V・Δt・sinθ
Xv_out=Xv_out+V・Δt・cosθ ………(19)
続くステップS324〜S329では、前述した第2実施形態のステップS218〜S223と同様の処理を実行する。
続くステップS330では、下記(20)式を満たすか否かを判定する。
先ずFe=0の場合、判定結果が『D>Dt』であるときには、道路端に対して十分な距離があると判断して所定のメインプログラムに復帰する。一方、判定結果が『D≦Dt』であるときには、道路端に対して接近し過ぎであると判断してステップS331に移行する。
Fe=0の場合
D ≦ Dt
Fe=1の場合
D ≦ Dt 、又はXv_out ≦ Dt ………(20)
ステップS332では、前述した第2実施形態のステップS225と同様の処理を実行する。
ステップS333では、警報装置8は作動させずに、ディスプレイ7に左右両側の車体側方を含む車体前景を画像表示してから所定のメインプログラムに復帰する。
次に、上記第3実施形態の作用について説明する。
先ず、全ての鉛直方向ラインのうち、下端位置が相対的に画像内の下方にあるほど道路端側に位置する鉛直方向ラインだけを、周期的な鉛直方向ラインとして判断する(ステップS312)。すなわち、相対的に画像内の下方にあるのにレーン中央側に位置するような鉛直方向ラインは、誤検出である、又は道路端を特定する上で無用なラインであるため、これを検出した配列から排除することで、有効な鉛直方向ラインだけをピックアップする。
このとき、先ず自車両に最も近い鉛直方向ラインに対する自車両の接近度合に応じて、その鉛直方向ラインが路面に立設されたポールや電柱であるのか、又は路上に駐車された車両であるのかを判断する(ステップS316)。
上記の第3実施形態では、鉛直方向ラインの下端位置と自車両との距離が所定値を上回っているか否かで、仮想ラインの生成手法を変えているが、勿論、何れかの手法だけで仮想ラインを生成してもよい。これによれば、ステップS316の判定処理を省略することができる。
以上より、ステップS303、S304の処理が「選出手段」に対応し、ステップS314、S316〜S318の処理が「追加手段」に対応し、ステップS305の処理が「検出手段」に対応し、ステップS306〜S313、S315、S319〜S328の処理が「認識手段」に対応し、ステップS329〜S333の処理が「情報提示手段」に対応している。
(1)追加手段は、最も自車両に近いレーン方向ラインの画像内における下端位置と鉛直方向ラインの下端位置とを結ぶ仮想ラインを生成する。
これにより、駐車車両等、幅の広い障害物を回避するようなシーンで、より滑らかなステアリング操作を促す段差のない有効道路端を認識することができる。
このように、幅の狭い障害物(ポールや電柱等)を回避するようなシーンと、幅の広い障害物(駐車車両等)を回避するようなシーンとで仮想ラインの生成方法を切り分けることで、シーンに合った最適な有効道路端を認識することができる。
これにより、誤検出したラインや道路端を特定する上で無用なラインを排除して、有効な鉛直方向ラインだけをピックアップすることができるので、演算負担を軽減することができる。
(4)認識手段は、周期的に存在する鉛直方向ラインの下端位置の配列よりも、自車両から遠い側に存在する鉛直方向ラインを除外する。
これにより、有効道路端を特定する上で無用なラインを排除して、有効な鉛直方向ラインだけをピックアップすることができるので、演算負担を軽減することができる。
このように、画像範囲から外れてしまっても、その下端位置に基づいて道路端の特定を続行することができる。
(6)情報提示手段は、認識手段が限定した道路端の候補が複数あるときには、情報提示を抑制する。
これにより、実際の道路端よりもレーン中央側のラインを道路端として誤認してしまっているような場合でも、運転者に与える違和感を最小限に抑制することができる。
2 CCDカメラ
3 画像処理装置
4 車速センサ
5 操舵角センサ
6 コントローラ
7 ディスプレイ
8 警報装置
9 ブレーキアクチュエータ
Claims (18)
- 車体前方及び側方の道路環境を撮像する撮像手段と、該撮像手段が撮像した画像内の所定領域で全てのレーン方向ラインを道路端の候補として選出する選出手段と、前記撮像手段が撮像した画像内に鉛直方向ラインが存在するときに当該鉛直方向ラインの下端位置を検出する検出手段と、前記検出手段が検出した鉛直方向ラインの下端位置に基づいて前記選出手段が選出した候補を1つに特定し、特定した候補を道路端として認識する認識手段と、を備え、
前記認識手段は、前記選出手段が選出した道路端の候補のうち、前記検出手段が検出した鉛直方向ラインの下端位置よりも自車両から遠い側を通過しているレーン方向ラインだけに限定して候補を特定することを特徴とする道路端認識装置。 - 前記認識手段は、前記選出手段が選出した道路端の候補のうち、自車両のタイヤ接地点よりも外側を通過しているレーン方向ラインだけに限定して候補を特定することを特徴とする請求項1に記載の道路端認識装置。
- 前記認識手段は、限定した道路端の候補のうち、最も自車両に近いレーン方向ラインを道路端として特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の道路端認識装置。
- 前記選出手段は、レーン方向ラインを選出する領域を、自車両の予測進路に基づいて設定することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の道路端認識装置。
- 前記検出手段が検出した鉛直方向ラインの下端位置よりも自車両に近い側にレーン方向ラインが存在しない場合、少なくとも当該鉛直方向ラインの下端位置を通過する仮想ラインを生成し、生成した仮想ラインを前記選出手段が選出した道路端の候補に追加する追加手段を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の道路端認識装置。
- 前記追加手段は、最も自車両に近いレーン方向ラインを、少なくとも前記下端位置まで移動させた仮想ラインを生成することを特徴とする請求項5に記載の道路端認識装置。
- 前記追加手段は、最も自車両に近いレーン方向ラインの画像内における下端位置と前記鉛直方向ラインの下端位置とを結ぶ仮想ラインを生成することを特徴とする請求項5に記載の道路端認識装置。
- 前記追加手段は、前記鉛直方向ラインの下端位置と自車両との距離が所定値を上回っているときには、最も自車両に近いレーン方向ラインを、少なくとも前記下端位置まで移動させた仮想ラインを生成し、前記鉛直方向ラインの下端位置と自車両との距離が所定値を下回っているときには、最も自車両に近いレーン方向ラインの画像内における下端位置と前記鉛直方向ラインの下端位置とを結ぶ仮想ラインを生成することを特徴とする請求項5に記載の道路端認識装置。
- 前記認識手段は、前記検出手段が検出した鉛直方向ラインが周期的であるか又は非周期的であるかを判断し、判断した結果に基づいて道路端を認識することを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の道路端認識装置。
- 前記認識手段は、前記検出手段が検出した鉛直方向ラインが周期的であると判断したら、特定した候補を所定時間だけ保持して道路端として認識することを特徴とする請求項9に記載の道路端認識装置。
- 前記認識手段は、前記検出手段が検出した鉛直方向ラインが非周期的であると判断したら、当該鉛直方向ラインを自車両が通過した時点で、前記追加手段が追加した仮想ラインを道路端の候補から除外することを特徴とする請求項9又は10に記載の道路端認識装置。
- 前記認識手段は、前記検出手段が検出した複数の鉛直方向ラインのうち、下端位置が相対的に画像内の下方にあるものほど道路端側に位置する鉛直方向ラインだけを、周期的な鉛直方向ラインとして判断することを特徴とする請求項9〜11の何れか一項に記載の道路端認識装置。
- 前記認識手段は、周期的に存在する鉛直方向ラインの下端位置の配列よりも、自車両から遠い側に存在する鉛直方向ラインを除外することを特徴とする請求項9〜12の何れか一項に記載の道路端認識装置。
- 前記認識手段は、前記検出手段が検出した鉛直方向ラインを自車両が通過するまでは、画像範囲から外れても前記鉛直方向ラインの下端位置を推定し保持することを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の道路端認識装置。
- 前記認識手段が認識した道路端に対する自車両の接近度合に応じた情報を提示する情報提示手段を備えることを特徴とする請求項1〜14の何れか一項に記載の道路端認識装置。
- 前記情報提示手段は、前記認識手段が限定した道路端の候補が複数あるときには、情報提示を抑制することを特徴とする請求項15に記載の道路端認識装置。
- 道路端認識装置を備えた自動車において、
前記道路端認識装置は、
車体側方の道路環境を撮像した画像内の所定領域で全てのレーン方向ラインを道路端の候補として選出し、前記画像内に鉛直方向ラインが存在するときに、当該鉛直方向ラインの下端位置に基づいて前記候補を1つに特定し、特定した候補を道路端として認識し、
前記候補を特定する際、前記鉛直方向ラインの下端位置よりも自車両から遠い側を通過しているレーン方向ラインだけに限定することを特徴とする自動車。 - 車体側方の道路環境を撮像した画像内の所定領域で全てのレーン方向ラインを道路端の候補として選出し、前記画像内に鉛直方向ラインが存在するときに、当該鉛直方向ラインの下端位置に基づいて前記候補を1つに特定し、特定した候補を道路端として認識し、
前記候補を特定する際、前記鉛直方向ラインの下端位置よりも自車両から遠い側を通過しているレーン方向ラインだけに限定することを特徴とする道路端認識方法。
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