JP4886679B2 - 生体分子中のメチル化の配列特異的検出 - Google Patents

生体分子中のメチル化の配列特異的検出 Download PDF

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Description

本発明は、(a)生体分子をS−アデノシル−L−メチオニン依存性メチルトランスフェラーゼと、前記メチルトランスフェラーゼの検出可能な補助因子の存在下で接触させること;および(b)前記メチルトランスフェラーゼの認識配列の修飾が前記認識配列でのメチル化の非存在を示すことである、前記メチルトランスフェラーゼの認識配列が補助因子またはその誘導体で修飾されているかどうかを検出することを含む、生体分子中の配列特異的メチル化を検出するための方法に関する。本発明はまた、アデニン環の6位または7位と結合するかまたはアジリジン環と結合するレポーター基を有するN−アデノシルアジリジン誘導体であることを特徴とする、S−アデノシル−L−メチオニン依存性メチルトランスフェラーゼに特異的な補助因子に関する。さらに、本発明は、本発明の補助因子および通常はS−アデノシル−L−メチオニン(AdoMet)を補助因子として用いるメチルトランスフェラーゼの複合体に関する。加えて、本発明は、本発明の補助因子または本発明の複合体を含む診断組成物に関する。最後に、本発明は、DNA分子中の配列特異的メチル化を検出するための本発明の補助因子または本発明の複合体の使用に関する。
いくつかの文書が本明細書の本文全体で引用される。引用される文書(仕様書、取扱説明書などを含む)の開示内容は参照により本開示に含まれる。
in vitroで実施されたおよび本明細書全体で引用された任意の組み合わせの段階(一段階のみを含む)はまた、細胞抽出物を用いてまたはin vivoで実施されうる。
本発明は、ヒトで見出されるDNAメチル化を用いて例証される。しかし、他の生物におけるDNAメチル化、およびRNAメチル化およびタンパク質メチル化を検出するのにも用いることができる。
DNAメチル化はほとんどすべての生物で見出される(イェルチ(Jeltsch),(2002) ChemBioChem 3,275−293)。DNAは、シトシン、アデニン、チミンおよびグアニンに加えて、メチル化核酸塩基5−メチルシトシン(5−mCyt)、N4−メチルシトシン(4−mCyt)またはN6−メチルアデニン(6−mAde)を含みうる。これらのメチル化核酸塩基は、補助因子S−アデノシル−L−メチオニン(AdoMet)からDNA認識配列内のシトシンのC5炭素、シトシンのN4窒素またはアデニンのN6窒素への活性化メチル基の転移を触媒するDNAメチルトランスフェラーゼ(MTアーゼ)によって形成される(チェン(Cheng),(1995) Annu.Rev.Biophys.Biomol.Struct.24,293−318)。特定のヌクレオチド配列がメチル化または非メチル化型で存在しうるため、DNAメチル化をDNAの情報量の増加と見なすことができ、それは幅広い生物学的機能を果たす。原核生物ではDNAメチル化は、内因性制限エンドヌクレアーゼからの宿主ゲノムの保護、DNAミスマッチ修復、遺伝子発現およびDNA複製の調節に関わる。真核生物ではDNAメチル化は遺伝子サイレンシング(バード(Bird),(2002) Genes Dev.16,6−21 、ゲノム刷り込み(フェイル(Feil)およびコスラ(Khosla),(1999) Trends Genet.15,431 −435)、X染色体不活性化(パニング(Panning)およびイーニッシュ(Jaenisch),(1998) Cell 93,305−308)、ゲノム内寄生体のサイレンシング(ヨダー(Yoder),(1997) Trends Genet.13,335−340)、および発がん(ベイリン(Baylin),(1998) Adv.Cancer Res.72,141−196;ジョーンズ(Jones)およびレアード(Laird),(1999) Nat.Genet.21,163−167)といった重要な調節過程に関与する。がん治療の成功は、一般的に、大体において腫瘍形成の早期診断に依存する。したがって、一般的な腫瘍形成の早期検定法を開発する重要な必要性がある。
いくつかの型のがんは遺伝子発現の調節における変化が随伴すると考えられている。多くの場合、遺伝子発現の変化は、染色体DNAのメチル化パターンの変化に遡ることができる。長い間、DNAメチル化は、遺伝子のコード機能を変化させずに遺伝子発現を変化させる機構であると知られていた。メチル化反応は、酵素DNA(シトシン−5)−メチルトランスフェラーゼの溝内のS−アデノシル−L−メチオニン(AdoMet)からのメチル基の転移の結果5−メチルシトシン(5−mCyt)を形成することを含む。興味深いことに、5−メチルシトシンは染色体DNA中で均一に分布するのでなく、CpGジヌクレオチドに位置する傾向がある。哺乳類ゲノムは、大部分メチル化されている孤立したCpGジヌクレオチドを少数しか含まない(ラーセン(Larsen),他,(1992) Genomics 13,1095−1107)。より頻繁に観察されるのは、哺乳類遺伝子の約40%のプロモーター領域およびエクソン領域に存在する、CpGのジヌクレオチドクラスターすなわち「CpG島」である(ガーディナー・ガーデン(Gardiner−Garden)およびフロマー(Frommer),(1987) J.Mol.Biol.196,261−282)。CpG島は、ゲノムと相対的にシトシンおよびグアニンに富む、典型的には長さ0.2ないし約1kbの、ゲノム中の領域である。CpG島は、すべてのハウスキーピング遺伝子および多数の組織特異的遺伝子の5’末端、および一部の組織特異的遺伝子の3’末端に随伴することが示されている。5’CpG島は5’隣接DNA、エクソンおよびイントロンを通じて広がりうるが、一方、3’CpG島の大部分はエクソンを伴うように見える。一部の注目すべき例外を除いて、CpG島は一般的に、異なる種において等価な遺伝子の転写単位と相対的に同一位置に見出される(ガーディナー・ガーデン(Gardiner−Garden)およびフロマー(Frommer),(1987) J.Mol.Biol.196,261−82)。
ある遺伝子のCpG島内に含まれるシトシン残基のメチル化は、遺伝子活性と逆相関させられている。これは、クロマチン構造の局所的凝縮、転写因子−DNA結合の阻害、またはメチル化CpGと特異的に相互作用するタンパク質を動員して転写因子結合を間接的に妨げることによる、といったさまざまな機構による遺伝子発現の低下に繋がりうることが考えられる。メチル化の増加はまた、たとえば、腫瘍抑制遺伝子のプロモーター領域に影響しうる。そのような領域でのメチル化の増加は、正常遺伝子発現の進行性低下に繋がる可能性があり、結果として選択的な増殖優位性を持つ細胞集団を生じうる。
しかし、がん細胞で観察されるのは単にDNAのメチル化の増加ではない。むしろ、DNAのメチル化パターンの明らかな変化は、細胞における遺伝子発現を変化させおよび発がんを誘導するのに十分でありうる。実際、がん細胞は、その健常前駆細胞のメチル化パターンとは異なる、CpG−メチル化の特徴的なパターンを伴うことが示されている。ゆえに、健常細胞および疾患細胞の染色体DNAの特異的メチル化パターンの知識は、がんのような疾患の検出のために使用されうるマーカーを開発するために利用できる。
DNA中のメチル化領域のマッピング(ライン(Rein)他,(1998) NUC1eic Acids Res.26,2255−2264)は、メチル化感受性制限酵素は一つ以上のメチル化CpG配列を含む配列を切断できないことに基づく、サザンハイブリダイゼーション法に主に依存してきた。この方法は、CpG島の全体的なメチル化状態の評価を、一部の定量分析を含め提供するが、しかし相対的に低感度であり、多量の試料を必要とし、およびメチル化感受性制限酵素によって認識される配列内に見出されるCpG配列についての情報しか与えることができない。
より高感度な手法は、メチル化感受性酵素およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の組み合わせを用いることによるメチル化パターンの検出に基づく。酵素によるDNAの消化後、PCRが制限配列に隣接するプライマーから、DNA切断がメチル化によって妨げられた場合に限って増幅する。サザンに基づく手法のように、この方法はメチル化感受性制限部位中のCpG−メチル化しか監視できない。制限エンドヌクレアーゼの使用を回避するもう一つの方法は、すべての非メチル化シトシンをウラシルへ変換する、DNAの亜硫酸水素塩処理である。変化したDNAを増幅および配列決定して、すべてのCpG配列のメチル化状態を示す。代替的に、増幅されたDNAをハイブリダイゼーション実験で分析できる。
先行技術の手法の主な不都合は、天然DNAの最初の修飾は検出可能な標識の組み込みに直接結びつかず、このことが以降の検出段階に適用可能な方法を強く制限することである。
近年、サーマス・アクアティカス(Thermus aquaticus)由来DNA(アデニン−6)−メチルトランスフェラーゼ(M.TaqI)のための新規に設計された蛍光補助因子を用いる、DNAの配列特異的標識化のための新規の手法が紹介されている(プルイェバリシク(Pljevaljcic)他,(2003) J.Am.Chem.Soc.125,3486−3492)。もちろん、M.TaqIは二本鎖5’−TCGA−3’DNA配列内のアデニンの環外アミノ基の、補助因子S−アデノシル−L−メチオニン(AdoMet)のメチル基への求核攻撃を触媒し、配列特異的および塩基特異的なメチル基転移に繋がる。非常に重要なことに、M.TaqIは、他のDNAメチルトランスフェラーゼ(MTアーゼ)のように、一個のメチル基を標的塩基へ転移できるだけであり、および完全にメチル化された認識配列を有するDNAはさらに修飾されない。
天然補助因子S−アデノシル−L−メチオニン(AdoMet)のメチオニン側鎖の、アジリジニル残基による置換は、M.TaqIに触媒される求核開環およびDNA中の標的アデニンへのヌクレオシド全体のカップリングに繋がる。アデノシル部分は、補助因子結合のための分子アンカーである。柔軟なリンカーを介したアデノシル部分の8位へのフルオロフォアの結合は、補助因子結合を遮断しない。新規に設計された補助因子8−アミノ[1"−(N"−ダンシル)−4"−アミノブチル]−5’−(1−アジリジニル)−5’−デオキシアデノシンは、M.TaqIに触媒される反応においてDNAを配列特異的に標識化するのに用いることができる。
DNA(シトシン−5)−メチルトランスフェラーゼによって触媒される標識化反応のための新規に設計された蛍光補助因子を、CpG島のCpGモチーフを包含する認識配列と用いることが望ましい。シトシン残基のメチル化は、標識化された補助因子の酵素的カップリングを遮断するはずであるため、標識化反応の成功は非メチル化CpG配列を示す一方、標識化された補助因子をカップリングすることの失敗はメチル化CpG配列を示す。このように、この反応を用いて染色体DNAのメチル化状態を観測できる。
ヘモフィルス・ヘモリティカス(Haemophilus haemolyticus)は、必要な特異性を有しおよび二本鎖DNA配列5’−GCGC−3’内の最初のシトシンをメチル化するDNA(シトシン−5)−メチルトランスフェラーゼM.HhaIを天然に産生する。しかし、M.HhaIの検出可能なN−アデノシル−アジリジン補助因子または誘導体は本分野で入手できない。したがって、本明細書の教示の基礎を成す技術的問題は、M.HhaIおよび他のS−アデノシル−L−メチオニン依存性メチルトランスフェラーゼのための検出可能な補助因子、およびDNAのメチル化状態における変化を検出するための方法を提供することであった。
この技術的問題への解決は、請求項に特徴づけられる実施形態を提供することによって達成される。
したがって、本発明は、N−アデノシルアジリジン誘導体が式(I)で表されることを特徴とする、(a)生体分子をS−アデノシル−L−メチオニン依存性メチルトランスフェラーゼと、前記メチルトランスフェラーゼの検出可能な補助因子の存在下で接触させること;および(b)前記メチルトランスフェラーゼの認識配列の修飾が前記認識配列でのメチル化の非存在を示すことを特徴とする、前記メチルトランスフェラーゼの認識配列が補助因子またはその誘導体で修飾されているかどうかを検出することを含む、生体分子中の配列特異的メチル化を検出するための方法に関し、
Figure 0004886679
ここで
WはNおよびCHから選択され、
XはNまたはCR1であり、
YはNH2またはNHR2であり、
ZはH、R3またはCH2CH(COOH)(NH2)であり、
ただし
XがCR1である場合、YはNH2でありおよびZはHまたはCH2CH(COOH)(NH2)であり、
XがNでありおよびYがNHR2である場合、ZはHまたはCH2CH(COOH)(NH2)であり、
XがNでありおよびYがNH2である場合、ZはR3であり、
1は−(CH2n4、−(CH=CH)m(CH2n4、−(CH2o(CH=CH)m(CH2n4、−(C≡C)m(CH2n4、−(C≡C)m(C64o(CH2n4、−(C64m(CH2n4、−CO(CH2n4および−S(CH2n4から選択され;
2は−(CH2n4、−(C64m(CH2n4、−CO(C64m(CH2n4および−CO(CH2n4から選択され;
3は−(CH2n4、−(CH=CH)m(CH2n4、−(C≡C)m(CH2n4、−(C64m(CH2n4および−CONH(CH2n4から選択され;
4は−NHR5、−NHCO(CH2pSR5、−SR5、−OR5、−0(C25O)n(C25)NHR5、−CH2NHNHR5、−NHCOCH(CH2SH)NHR5および−CONHR5から選択され;
5はフルオロフォア、アフィニティタグ、架橋剤、発色団、タンパク質、ペプチド、随意的に修飾されうるアミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、核酸、糖質、脂質、PEG、トランスフェクション試薬、ビーズ、介入剤、核酸切断試薬およびナノ粒子(たとえば金クラスター)から選択され、およびn、m、oおよびpは独立して0または1ないし5000の整数から選択される。
「配列特異的メチル化を検出する」の語句は、本発明全体で、メチルトランスフェラーゼ(MTアーゼ)の認識配列内の受容体部位がメチル基の付加によって修飾されているかどうかを評価することを意味する。好ましくは、前記受容体部位は、DNAメチルトランスフェラーゼの認識配列の一部である。より好ましくは、前記DNAメチルトランスフェラーゼはM.HhaIおよびM.TaqI、M.BseCIおよびM.SssIから選択される。DNAメチルトランスフェラーゼがM.HhaIである場合、受容体部位はM.HhaIのより大きい5’−GCGC−3’認識配列に包含される5’−CG−3’配列内のシトシンであることが好ましい。
「生体分子」の語は、DNA、RNAまたは(ポリ)ペプチドを意味する。「(ポリ)ペプチド」の語は代替的にペプチドをまたはポリペプチドをいう。ペプチドは従来、共有結合した最大30残基のアミノ酸であり、一方ポリペプチド(「タンパク質」ともいう)は31以上のアミノ酸残基を含む。好ましくは、生体分子は染色体またはゲノムDNAである。
「生体分子をメチルトランスフェラーゼと接触させる」の語は、生体分子をメチルトランスフェラーゼと接するに至らせることを意味する。一般的に、これは、生体分子を含む試料へメチルトランスフェラーゼを加えることによってなされうる。代替的に、生体分子を含む試料を、メチルトランスフェラーゼを含む溶液へ加えることができる。当業者は、特定の緩衝液条件が最適酵素活性に必要でありうることを理解している。これらの条件は、当業者に公知であるかまたは酵素活性をさまざまな検定条件下で試験することによって得ることができる。
通常、生体分子は、メチルトランスフェラーゼの補助因子の存在下で、メチルトランスフェラーゼによって接触させられる。好ましくは、前記補助因子は、式(I)のN−
アデノシルアジリジン誘導体である。
「メチルトランスフェラーゼ」の語は、S−アデノシル−L−メチオニン(AdoMet)から基質へ活性化メチルを通常転移する酵素をいう。好ましくは、メチルトランスフェラーゼDNA、RNAまたは(ポリ)ペプチドをメチル化できる酵素である。より好ましくは、メチルトランスフェラーゼは、M.HhaI、M.TaqI、M.BseCIおよびM.SssIから選択されるDNAメチルトランスフェラーゼである。
「前記メチルトランスフェラーゼの認識配列が補助因子またはその誘導体で修飾されているかどうかを検出する」の語は、式(I)の補助因子またはその誘導体が生体分子と結合しているかどうかを評価することを意味する。好ましくは、検出法は補助因子またはその誘導体で修飾された、メチルトランスフェラーゼの認識配列内の特定残基を同定することを含む。.前記誘導体は、式(I)のN−アデノシルアジリジン誘導体と生体分子との間の反応の結果として生じる任意の化合物でありうる。
「認識配列」の語は、メチルトランスフェラーゼによって認識される、生体分子内の特定の配列をいう。メチルトランスフェラーゼがDNAメチルトランスフェラーゼである場合は、認識配列は2、3、4、5、6、または8個の塩基または塩基対を含みうる。ここでは、認識配列はまた式(I)のN−アデノシルアジリジン誘導体またはその誘導体に対する受容体部位を含む。本発明の教示は、配列特異的標識化をメチル化依存的方法で可能にする。いわゆるCpG島に位置するシトシン残基のDNA標識化は、ヒト染色体DNAのメチル化状態を評価することを可能にするため、本発明の具体的な一態様である。したがって、本発明の方法は、染色体DNAのメチル化状態の変化を伴う疾患の診断に特に有用であるがそれに限定されない。他の起源由来のDNAのメチル化状態およびRNAまたは(ポリ)ペプチドのメチル化状態を入手することもまた有用なはずである。加えて、メチルトランスフェラーゼとの複合体中の式(I)の補助因子またはその誘導体を、生化学、分子生物学、遺伝子治療およびナノ生命工学におけるさまざまな用途に有用であるはずのDNA、RNAまたは(ポリ)ペプチドを配列特異的に標識化するのに用いることができる。さらに、式(I)の補助因子またはその誘導体は、メチルトランスフェラーゼのための新しいメチル化標識を見出すために用いることができる。
ここで開示される実験結果は、本発明のN−アデノシルアジリジン誘導体がM.HhaIの天然補助因子を交換しうることを証明する。本発明のN−アデノシルアジリジン誘導体はまたM.TaqI、M.BseCIおよびM.SssIのような他のS−アデノシル−L−メチオニン依存性DNAメチルトランスフェラーゼによって使用されうることが見出された。好ましくは、前記S−アデノシル−L−メチオニン依存性メチルトランスフェラーゼは、M.HhaI、M.TaqI、M.BseCI、M.SssI、M.RsrI、M.DpnM、M.PvuIIおよびM.MboIIの群のDNAメチルトランスフェラーゼ、VP39、Fts/RrmJ、NS5およびErmC’の群のRNAメチルトランスフェラーゼ、またはhPIMT、LSMT.SET7/9、HemK/PrmC、hDOT1LまたはPRMT1の群の(ポリ)ペプチドメチルトランスフェラーゼから選択される。
本発明の好ましい実施形態では、前記生体分子は核酸分子または(ポリ)ペプチドである。核酸分子は、DNAおよびRNAを包含すると理解される。好ましくは、DNAは染色体またはゲノムDNAである。生体分子は、任意の長さでありうる。「染色体DNA」の語は染色体の断片も包含する。好ましくは、前記断片は、500ヌクレオチド、1キロベース(kb)、2kb、3kb、4kb、5kb、6kb、7kb、8kb、9kb、10kb、またはそれ以上の長さまでを有する。しかし染色体DNAの語には、5nt、10nt、15nt、20nt、25nt、30nt、35nt、40nt、45nt、50nt、100nt、200nt、300nt、400nt、500ntまでの長さを有する短い断片も包含される。
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、前記段階(a)は、in vitroで、細胞抽出物を用いてまたはin vivoで実施される。一般的に、制限酵素およびDNAメチルトランスフェラーゼによる処理のための適切な反応条件は、当業者に公知であり、たとえば、分子生物学の標準的教科書中に文書化されている(サムブルック(Sambrook)他、『分子クローニング−実験の手引き』(Molecular Cloning: A Laboratory Manual);ISBN:0879695765,CSHプレス社(CSH Press),コールド・スプリング・ハーバー,2001を参照)。M.HhaIによって媒介される補助因子標識化のための適切な条件は、たとえば、80μMのN−アデノシルアジリジン誘導体、11.3nMの二本鎖プラスミドDNA、緩衝液中の380nM M.HhaIである(10mMトリス塩酸、pH7.4、50mM塩化ナトリウム、0.05mMエチレンジアミンテトラ酢酸、および2mMβ―メルカプトエタノール)。インキュベーションは、37℃にて2時間実施してもよい。
本発明の方法がin vitroで実施される場合、生物試料は分析の前に個体から単離される。「生物試料」の語は、個体から採取される標本に関する。好ましくは、前記標本は、毛髪、皮膚、粘膜表面、血液、血漿、血清、尿、唾液、痰、涙液、髄液、精液、滑液、羊水、母乳、リンパ、肺痰、気管支の分泌または糞を含む体液から採取される。
個体は、人間または動物でありうる。好ましくは個体は、シチメンチョウまたは雌鶏を含む鳥であり、または個体は、ヒト、霊長類、ラット、マウス、モルモット、ブタ、ウシ、ネコまたはウサギを含む哺乳類である。
本発明のより好ましい実施形態では、前記核酸分子はDNAである。好ましくは、前記DNAは染色体DNAである。
本発明の別のより好ましい実施形態では、本方法は段階(a)の前にDNAを制限酵素で処理する段階をさらに含む。制限酵素は、AatII、AccI、Acc65I、AciI、AcII、AfeI、AfIII、AfIIII、AgeI、AhdI、AluI、AlwI、AlwNI、ApaI、ApaLI、ApoI、AscI、AseI、AsiSI、AvaI、AvaiI、AvrII、BaeI、BamHI、BanI、BanII、BbsI、BbvI、BbvCI、BceAI、BcgI、BciVI、BcI、BfaI、BfrBI、BfuAI、BgII、BgIII、BlpI、Bme1580I、BmgBI、BmrI、BpmI、BsaI、BsaAI、BsaBI、BsaHI、BsaJI、BsaWI、BsaXI、BseRI、BsgI、BsiEI、BsiHKAI、BsiWI、BsII、BsmI、BsmAI、BsmBI、BsmFI、BsoBI、Bsp1286I、BspCNI、BspDI、BspEI、BspHI、BspMI、BsrI、BsrBI、BsrDI、BsrFI、BsrGI、BssHII、BssKI、BssSI、BstAPI、BstBI、BstEII、BstF5I、BstNI、BstUI、BstXI、BstYI、BstZ17I、Bsu36I、BtgI、BtrI、BtsI、Cac8I、ClaI、DdeI、DpnI、DpnII、DraI、DraIII、DrdI、EaeI、EagI、EarI、EciI、EcoNI、EcoO109I、EcoRI、EcoRV、FauI、Fnu4HI、FokI、FseI、FspI、HaeII、HaeIII、HgaI、HhaI、HinP1I、HincII、HindIII、HinfI、HpaI、HpaII、HphI、Hpy99I、Hpy188I、Hpy188III、HpyCH4III、HpyCH4iV、HpyCH4V、KasI、KpnI、MboI、MboII、MfeI、MluI、MlyI、MnII、MscI、MseI、MsII、MspI、MspA1I、MwoI、NaeI、NarI、NciI、NcoI、NdeI、NgoMIV、NheI、NlaIII、NlaIV、NotI、NruI、NsiI、NspI、PacI、PaeR7I、PciI、PflFI、PflMI、PleI、PmeI、PmII、PpuMI、PshAI、PsiI、PspGI、PspOMI、PstI、PvuI、PvuII、RsaI、RsrII、SacI、SacII、SaII、SapI、Sau96I、Sau3AI、SbfI、ScaI、ScrFI、SexAI、SfaNI、SfcI、SfiI、SfoI、SgrAI、SmaI、SmII、SnaBI、SpeI、SphI、SspI、StuI、StyI、SwaI、TaqI、TfiI、TliI、TseI、Tsp45I、Tsp5091、TspRI、Tth111I、XbaI、XcmI、XhoI、XmaIおよびXmnIから成る群から選択されうる。
本発明のさらに別のより好ましい実施形態では、前記DNA分子は固相担体に固定化される。本発明によって使用されうる固相担体は、フィルタ材料、チップ、ウェーハ、マイクロタイタ・プレートを含む。固相担体への固定は、活性化された表面への共有結合を含む異なる手段によって、または核酸分子に対するハイブリダイゼーションによって達成されうる。
本発明の別のより好ましい実施形態では、前記DNA分子は、前記固相担体に付加されるオリゴヌクレオチドにDNA分子をハイブリダイゼーションすることによって、固相担体に結合する。ハイブリダイゼーション条件は、低度、中間、または高度な厳密度でありうる。ここで用いられる「厳密(stringent)条件」の語は当業者に公知であり、高い厳密度の条件に対応する。各配列に対する適切な厳密条件は、温度、核酸分子の組成、塩の条件などといったパラメーターを修飾することによって当業者によって設定されうる。(サムブルック(Sambrook)他,『分子クローニング−実験の手引き』(Molecular Cloning: A Laboratory Manual);CSHプレス社(CSH Press),コールド・スプリング・ハーバー,1989またはヒギンス(Higgins)およびハメス(Hames)(編),『核酸ハイブリダイゼーション、実践的アプローチ』(Nucleic acid hybridization,a practical approach),IRLプレス社(IRL Press),オックスフォード1985,特にブリテン(Britten)およびデイビッドソン(Davidson)による章『ハイブリダイゼーション戦略』(Hybridization Strategy),3から15を参照)。厳密なハイブリダイゼーション条件は、たとえば50%ホルムアミド、5×SSC(750mM塩化ナトリウム、75mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハード液、10%デキストラン硫酸、および20μg/mLの変性、せん断したサーモン精液DNAを含む溶液中で42℃にて一夜インキュベーションし、その後約65℃にて0.1×SSC中でフィルタを洗浄する:ことを含む条件である。他の厳密なハイブリダイゼーション条件は、たとえば65℃での0.2×SSC(0.03M塩化ナトリウム、0.003Mのクエン酸ナトリウム、pH7)である。加えて、さらにより低い厳密度を達成するために、厳密なハイブリダイゼーションに続いて実施される洗浄は、より高い塩濃度(たとえば5×SSC)で行ってもよい。上記の条件の変形例は、ハイブリダイゼーション実験のバックグラウンドを抑制するために用いる代替ブロッキング試薬の包含および/または置換によって達成しうることに注意されたい。典型的なブロッキング試薬としては、デンハード試薬、BLOTTO、ヘパリン、変性サーモン精液DNA、および市販の登録商標の処方が含まれるが、これらに限定されない。相溶性に関する問題を理由として、特定のブロッキング試薬の包含には、上記のハイブリダイゼーション条件の修正を必要としうる。また、より厳密度の低いハイブリダイゼーション条件も考えられる。ハイブリダイゼーションおよび信号検出の厳密度の変化は、たとえば、ホルムアミド濃度(より低いパーセンテージのホルムアミドの結果、厳密度も低下する)、塩条件または温度の操作を介して達成される。たとえば、より低い厳密度条件は、6×SSPE(20×SSPE=3M NaCI;0.2M NaH2PO4;0.02M EDTA、pH7.4)、0.5%SDS、30%ホルムアミド、100μg/mlサーモン精液ブロッキングDNAを含む溶液中で37℃にて一夜インキュベーションし、その後0.1×SSPE、0.1%SDSで約50℃にて洗浄される:ことを含む条件である。加えて、さらにより低い厳密度を達成するために、厳密なハイブリダイゼーションに続いて実施される洗浄は、より高い塩濃度(たとえば5×SSC)で行ってもよい。
本発明の別のより好ましい実施形態では、メチルトランスフェラーゼが、オーファンDNAメチルトランスフェラーゼまたは細菌制限修飾系の一部である。
本発明のさらに別のより好ましい実施形態では、細菌制限修飾系由来の前記メチルトランスフェラーゼは、M.HhaI、M.TaqI、M.BseCIおよびM.SssIから選択される。「M.HhaI」の語は、スイスポートデータベース中に登録番号P05102の下で蓄積されたDNAメチルトランスフェラーゼをいう。「M.TaqI」の語は、スイスポートデータベース中に登録番号P14385の下で蓄積されたDNAメチルトランスフェラーゼをいう。「M.TaqI」の語は、スイスポートデータベース中に登録番号P14385の下で蓄積されたDNAメチルトランスフェラーゼをいう。「M.BseCI」の語は、スイスポートデータベース中に登録番号P43423の下で蓄積されたDNAメチルトランスフェラーゼをいう。しかし、同じ配列特異性、すなわち同じ認識配列を備えた、またはM.HhaI、M.TaqIまたはM.BseCIの認識配列の一部のみを含むより低い配列特異性を有する、他の任意のメチルトランスフェラーゼも本発明の方法のために有用でありえる。
本発明の別のより好ましい実施形態では、(a)N−アデノシルアジリジン誘導体がDNAメチルトランスフェラーゼの認識配列での制限酵素切断をブロックし;および(b)N−アデノシルアジリジン誘導体によるDNAの修飾が前記認識配列での制限酵素によって媒介される切断をブロックするかどうかを試験することによってメチル化が検出される。この方法を実施する際には、本発明において言及される任意の制限酵素およびDNAメチルトランスフェラーゼを用いてもよい。
本発明の発明者によって、認識配列の受容体部位でのN−アデノシルアジリジン誘導体の存在が、重なり合うまたは同じ認識配列を有する制限酵素によるDNA切断をブロックすることが観察されてきた。ここで用いられる制限酵素切断のブロッキングは、制限酵素がDNA鎖を切断するのを防止することを意味する。理論に縛られずに、制限酵素がその標的配列と生産的な方法で結合できなくなるよう、立体障害が認識配列へのアクセスをブロックすると仮定する。この観察は、本発明のN−アデノシルアジリジン誘導体による初期標識化段階およびその後の制限酵素による切断段階を含む検定法によって利用されうる。当然制限酵素の選択は、標識化段階において使用される特定のDNAメチルトランスフェラーゼに依存する。一般的なガイドラインとして、制限酵素の認識配列は修飾塩基の近傍であるべきである。好ましくは、制限酵素の認識配列は修飾塩基を含む。より好ましくは、DNAメチルトランスフェラーゼの認識配列および制限酵素の認識配列は同一である。制限酵素およびDNAメチルトランスフェラーゼの特定の組合せの選択は当業者には自明であり、およびさらなる説明は必要としない。さらに、DNAメチルトランスフェラーゼおよび制限酵素切断によって実施された標識化反応は、標準条件下で実施してもよい。
本発明のさらに別のより好ましい実施形態では、(a)式(I)のN−アデノシルアジリジン誘導体がDNAメチルトランスフェラーゼの認識部位での核酸増幅に干渉し;および(b)メチル化は、メチルトランスフェラーゼの認識配列での核酸分子の増幅が遅延したかどうかを試験することによって検出される。
増幅の遅滞は、プライマー結合へのまたは増幅反応中の鎖伸長への干渉によって達成されうる。
「増幅」または「増幅する」の語は、コピー数の増加を意味する。当業者は核酸分子を増幅するさまざまな方法を知っており、これら方法は、本発明の診断方法で用いられうる。増幅方法は『ポリメラーゼ連鎖反応』(PCR),『リガーゼ連鎖反応』(LCR,EPA320308)、『環状プローブ反応』(CPR)、『標準置換増幅』(SDA,ウオーカー(Walker)他,(1992) Nucleic Acid Res.7, 1691−1696),『転写に基づく増幅系』(TAS,コウ(Kwoh)他,(1989) Proc. Nat. Acad. Sci. USA 86, 1173;ジンゲラス(Gingeras)他,国際出願第88/10315号)を含むが、これらに限定されない。好ましくは、DNAの増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて達成される。[『分子生物学の方法』(Methods in Molecular Biology),第226巻 (バートレット(Bartlett)およびスターリング(Stirling)編):『PCR手順』(PCR protocols),第2版;『PCR技術:原理およびDNA増幅への応用』(PCR Technology: Principles and Applications for DNA Amplification)(アーリッチ(Erlich)編),ニューヨーク1992;『PCR手順:方法および応用の手引き』(PCR Protocols: A guide to methods and applications)(インニス(Innis)他編),アカデミック・プレス社(Academic Press),サンディエゴ1990]。核酸増幅方法は、試料が微量の核酸のみを含む場合特に有用でありうる。前記核酸がRNAである場合、RT―PCRを実施してもよい。引き続き、PCRを伴う他の増幅手順を実施してもよい。代替的に、試料に含まれる前記核酸がDNAである場合PCRを実施してもよい。
PCRは、一般的に:(a)DNA分子の両方の鎖を融かす変性段階;(b)プライマーをDNA分子の融けた鎖と特異的にアニーリングさせることを目的とするアニーリング段階;および(c)テンプレート鎖によって提供される情報を用いて、アニーリングしたプライマーを伸長する伸長段階から成るサイクルの多数の反復から成る。一般的に、PCRは、たとえば、1.5mM MgCl2、200μMの各デオキシヌクレオシド三リン酸、0.5μLの各プライマー(10μM)、約10から100ngのテンプレートDNAおよび1から2.5単位のTaqDNAポリメラーゼを含む10xPCR緩衝液5μLを含む50μLの反応混合物中で実施されうる。増幅用のプライマーは標識化されていてもいなくてもよい。DNA増幅は、たとえばモデル2400サーマルサイクラー(アプライド・バイオシステムズ社(Applied Biosystems),カリフォルニア州フォスター市(Foster City))を用いて:2分間94℃にて、次いでアニーリング(30秒間50℃にて)、伸長(1分間72℃にて)、変性(10秒間94℃にて)から成る35サイクル、および最終アニーリング段階55℃にて1分間および最終伸長段階72℃にて5分間で実施されうる。しかし、当業者は、特定の核酸分子の増幅のためにこれらの条件を最適化する方法、または反応混合物の量をスケールダウンまたは増加させる方法を知っている。
核酸増幅の別の方法が「逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応」(RT−PCR)である。この方法は、増幅すべき核酸がRNAから成る場合に用いられる。「逆転写酵素」の語は、デオキシリボヌクレオシド三リン酸の重合を触媒してリボ核酸テンプレートと相補的であるプライマー伸長産物を生じる酵素をいう。逆転写酵素はプライマーの3’末端で合成を開始し、およびテンプレートの5’末端へ向かって、合成が終止するまで進む。RNA標的配列を相補的なコピーDNA(cDNA)配列へ変換する適当な重合剤の例は、トリ骨髄芽球症ウイルス逆転写酵素および、パーキン・エルマー社(Perkin Elmer)より市販されている逆転写酵素活性を有する熱安定性DNAポリメラーゼであるサーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)DNAポリメラーゼである。典型的には、ゲノムRNA/cDNA二本鎖テンプレートは、最初の逆転写段階後の一回目の変性段階中に熱変性され、DNA鎖を増幅テンプレートとして利用可能に残す。DNAテンプレートとの使用に適したポリメラーゼは、たとえば、大腸菌(E.coli)DNAポリメラーゼIまたはそのクレノー断片、T4DNAポリメラーゼ、Tthポリメラーゼ、および、サーマス・アクアティカス(Thermus aquaticus)から単離されおよびホフマン・ラ・ロシュ社(Hoffmann−La Roche)によって開発および製造されおよびパーキン・エルマー社(Perkin Elmer)より市販されている熱安定性DNAポリメラーゼであるTaqポリメラーゼを含む。後者の酵素は核酸の増幅および配列決定に幅広く用いられている。TaqDNAポリメラーゼを使用するための反応条件は本分野で公知であり、およびたとえば:『PCR技術(PCR Technology)』,エーリッヒ(Erlich)(1989,ストックトン・プレス社(Stockton Press),ニューヨーク;または:イニス(Innis),ゲルファンド(Gelfand),スニンスキー(Sninsky)およびホワイト(White).1990,『PCR手順:方法および応用の手引き(PCR Protocols: A guide to methods and applications)』.アカデミック・プレス社(AcademicPress),ニューヨークに記載されている。高温RTはより大きなプライマー特異性および改善された効率を提供する。同時係属の1991年8月15日出願の米国特許出願公開第07/746,121号明細書は、「均一RT−PCR」を記載し、そこでは同一のプライマーおよびポリメラーゼで逆転写およびPCR増幅段階の両方に足り、および反応条件は両方の反応が試薬の交換無しで起こるように最適化されている。逆転写酵素として機能しうる熱安定性DNAポリメラーゼであるサーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)DNAポリメラーゼは、テンプレートにかかわらず、すべてのプライマー伸長段階に用いることができる。両方の過程は、試薬を交換または添加するためにチューブを開ける必要なく実施されうる;温度プロファイルだけが、一回目のサイクル(RNAテンプレート)および残りの増幅サイクル(DNAテンプレート)の間で調整される。RT反応は、たとえば、下記を含む20μLの反応混合物中で実施されうる:4μLの5xANV−RT緩衝液、2μlのオリゴdT(100μg/mL)、2μLの10mM dNTP、1μL総RNA、10単位のAMV逆転写酵素、およびH2Oで終容量20μLとする。反応は、たとえば、下記の条件を用いて実施されうる:反応は70℃に15分間保たれ、逆転写を可能にする。反応温度を次いで95℃へ1分間上昇させてRNA−cDNA二本鎖を変性させる。次に、反応温度は95℃15秒間および60℃20秒間の2サイクルを受け、次いで90℃15秒間および60℃20秒間の38サイクルを受ける。最後に、最終伸長段階のために反応温度を60℃に4分間保ち、15℃へ冷却し、および増幅された試料のその後の処理までその温度に保つ。
「プライマー」または「オリゴヌクレオチド」の語は、本発明全体で、テンプレート核酸鎖と相補的なプライマー伸長産物の合成が誘導される条件下で、すなわち、4種類の異なるヌクレオシド三リン酸またはそのアナログおよび重合剤(すなわち、DNAポリメラーゼまたは逆転写酵素)の存在下で適当な緩衝液中でおよび適当な温度にて、核酸合成の開始点として作用する能力を有する、天然または合成の、長さ約8ないし約30、ないし最終的に約50ヌクレオチドの核酸低分子をいう。好ましくは、プライマーは一本鎖オリゴデオキシリボヌクレオチドである。プライマーの適当な長さはプライマーの使用目的に依存するが、しかし典型的には、配列決定反応に用いられるPCRプライマーについては10ないし25ヌクレオチドの範囲にわたる。低分子プライマーは一般的に、テンプレートと十分に安定なハイブリッド複合体を形成するためにはより低温を必要とする。プライマーはテンプレートの正確な配列を反映する必要は無いが、しかし、増幅を媒介する能力が損なわれない限り、テンプレートと特異的にハイブリダイズするのに十分なほど相補的でなければならない。「ハイブリダイズ」とは、相補塩基対形成、すなわちAとT(RNAでは:U)、GとCを介した二本の一本鎖核酸の結合をいう。「プライマー対」の語は、二本鎖核酸分子のプラス鎖およびマイナス鎖とそれぞれハイブリダイズし、およびたとえばDNA断片の、たとえばPCR反応での増幅を可能にする二つのプライマーをいう。プライマーは、必要に応じて、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、または化学的方法によって検出可能な化合物を組み込むことによって標識化されうる。たとえば、有用な標識は、蛍光色素、高電子密度試薬、ビオチン、または、抗血清またはモノクローナル抗体が入手可能な低分子ペプチを含むがそれらに限定されない。標識はまた、増幅された核酸またはその断片の選択を円滑にするため、プライマーを「捕捉」するために用いることもできる。カルボキシフルオレセイン(FAM)および6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)が好ましい標識である。しかし、他の好ましい標識は、蛍光色素、たとえばフルオレセインイソチオシアネート(FITC)、テキサスレッド、フィコエリトリン、アロフィコシアニン、6−カルボキシフルオレセイン(6−FAM)、2’,7’−ジメトキシ−4’,5’−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(JOE)、5−カルボキシフルオレセイン(5−FAM)またはN,N,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA)、放射性標識たとえば32P、35S、3H;などを含む。
標識はまた、プライマーが、たとえばアビジン、特異的抗体などのような高い親和性結合パートナーを持つ、ビオチン、ハプテンなどと結合していて、結合パートナーは検出可能な標識と結合している、二段階系でもよい。標識はプライマーの一方または両方と結合されうる。
診断のための前記方法の間に、核酸配列決定の段階が実施されうる。本分野で公知である任意の方法を配列決定に用いることができる。好ましくは、核酸配列はサンガー(Sanger)またはマキサム(Maxam)/ギルバート(Gilbert)の配列決定法に基づく方法によって決定される(たとえば: Methods in Molecular Biology,Vol.167 (グラハム(Graham)およびヒル(Hill)編):『DNA配列決定手順』第二版(DNA sequencing protocols.2nd edition),2001 ;ガラス(Galas)およびマコーマック(McCormack),『ゲノム技術:現在と未来(Genomic Technologies: Present and Future)』.ケイスター・アカデミック・プレス社(Caister Academic Press),英国ワイモンダム(Wymondham),2002)。
本発明の好ましい実施形態では、PCRはリアルタイムPCRである。本発明の別の好ましい実施形態では、核酸増幅はリアルタイムPCRによって実施される。
本発明のさらに別のより好ましい一実施形態では、(a)N−アデノシルアジリジン誘導体は蛍光標識を含み;および(b)メチル化は前記核酸分子中の蛍光の存在または量を測定することによって検出される。前記N−アデノシルアジリジン誘導体は、本発明で言及されたかまたは当業者に公知である蛍光標識の任意のものを用いて標識化されうる。本発明に従って、アレクサ(Alexa)、ボデピー(BODIPY)、フルオレセイン、ローダミン、テキサスレッド、シアニンフルオロフォアまたはその誘導体は特に好ましい標識である。
「蛍光の存在または量を測定」とは、蛍光が、またはどのくらいの蛍光が、蛍光スペクトル法によって検出されうるかを評価することを意味する。
本発明の別のより好ましい一実施形態では、(a)メチルトランスフェラーゼ認識配列で修飾された核酸分子はアフィニティ精製によって精製され;および(b)N−アデノシルアジリジン誘導体はアフィニティタグを含む。
核酸分子は、本発明のN−アデノシルアジリジン誘導体の標識と特異的に結合できる化合物を用いることによって精製されうる。その場合、標識はアフィニティタグに相当するかまたはアフィニティタグを含む。アフィニティタグは、一つ以上の蛍光標識と組み合わせることができる。好ましくは、標識またはアフィニティタグと結合できる化合物は、それらの化合物との結合が特異的である、抗体、タンパク質、ペプチドまたはアプタマーである。アフィニティタグは、flag−タグ、c−myc−タグ、HA−タグ、ジゴキシゲニンまたはジニトロフェノールといったエピトープでありうる。代替的に、アフィニティタグは、Hisタグのような人工ペプチドでありうる。「Hisタグ」は、His4、His5、His6、His7、His8、His9、His10、His11、His12、His13、His14、His15から選択されうる。さらに、アフィニティタグはビオチン、ストレプ−タグ、グルタチオン、ニッケル−ニトリロトリ酢酸(NTA)またはマルトースでありうる。アフィニティタグが「Hisタグ」である場合、固相担体にカップリングされたニッケルを精製に用いることができる。アフィニティタグがエピトープである場合、固相担体にカップリングされた抗体−アフィニティを精製に用いることができる。アフィニティタグがビオチンまたはストレプ−タグである場合、固相担体に結合したアビジンまたはストレプトアビジンなどを精製に用いることができる。アフィニティタグがグルタチオンである場合、固相担体に結合したグルタチオントランスフェラーゼ(GST)を精製に用いることができる。アフィニティタグがマルトースである場合、固相担体に結合したマルトース結合タンパク質を精製に用いることができる。アフィニティタグがニッケル−ニトリロトリ酢酸(NTA)である場合、固相担体に結合した、数個のヒスチジン残基を含むペプチドを精製に用いることができる。
アフィニティ精製は一般的に、固定材料(固相)に固定化されているリガンドとの結合相互作用における差に基づく溶液(移動相)中の分子の分離を含む。アフィニティ精製における担体すなわちマトリクスは、リガンドを共有結合させることができる任意の物質である。典型的には、アフィニティマトリクスとして使用される材料は、標的分子が見出される系において不溶性である。普通は、しかし常にとは限らないが、不溶性マトリクスは固体である。アフィニティマトリクスとして数百種類の物質が記載されおよび使用されている。有用なアフィニティ担体は、高い容量対表面積比、リガンドの共有結合のために容易に修飾される化学基、最小の非特異的結合特性、良好な流動特性、および機械的および化学的安定性を持つものである。好ましい固相担体は、アガロース、セファロースおよびポリスチレンビーズである。
好ましくは、アフィニティ精製は、ビオチン、ジゴキシゲニン、グルタチオンまたはニッケル−ニトリロトリ酢酸(NTA)を、本発明のN−アデノシルアジリジン誘導体のアフィニティタグとして用いることによって実施される。
本発明の別のより好ましい一実施形態では、N−アデノシルアジリジン誘導体はDNA中のシトシン残基に付加されおよび5−メチルシトシン残基には付加できない。
本発明の好ましい一実施形態では、本方法は段階(a)の後にDNA分子を配列決定する追加の段階を含む。配列決定には本分野で公知である任意の方法が使用されうる。好ましくは、核酸配列はサンガー(Sanger)または マキサム(Maxam)/ギルバート(Gilbert)の配列決定法に基づく方法によって決定される(たとえば: Methods in Molecular Biology,Vol.167 (グラハム(Graham)およびヒル(Hill)編):『DNA配列決定手順』第二版(DNA sequencing protocols.2nd edition),2001 ;ガラス(Galas)およびマコーマック(McCormack),『ゲノム技術:現在と未来(Genomic Technologies: Present and Future)』.ケイスター・アカデミック・プレス社(Caister Academic Press),英国ワイモンダム(Wymondham),2002を参照)。
本発明の別の好ましい一実施形態では、前記検出可能な補助因子は、(a)前記検出可能な補助因子と特異的に結合する抗体によって、または(b)前記検出可能な補助因子と特異的に結合するアビジンまたはストレプトアビジンによって検出される。
「抗体」の語は、本発明全体で、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、またはその断片をいう。好ましくは、抗体はそのエピトープに特異的である。抗体は、ヒト化抗体、合成抗体、抗体断片、たとえばFab、F(ab2)’、FvまたはscFv断片など、またはこれらのうち任意のものの化学的に修飾された誘導体でありうる。モノクローナル抗体は、たとえば、本分野によって開発された改変を伴う、免疫化哺乳類に由来する脾臓細胞へのマウスミエローマ細胞の融合を含む、ケーラー(Kohler)およびミルシュタイン(Milstein),(1975) Nature 256,495,およびガルフレ(Galfre),(1981) Meth.Enzymol.73,3によって最初に記載された方法によって調製されうる。さらに,抗体 または その断片は、たとえばハーロー(Harlow)およびレーン(Lane)『抗体、実験の手引き』(”Antibodies,A Laboratory Manual"),CSHプレス社(CSH Press),コールドスプリングハーバー(Cold Spring Harbor),1998に記載される方法を用いることによって得ることができる。前記抗体の誘導体がファージディスプレイ法によって得られる場合、BIAコアシステムに用いられるような表面プラズモン共鳴を用いて、分析すべきエピトープと結合するファージ抗体の効率を増大させることができる(シーア(Schier),(1996) Human Antibody Hybridomas 7,97−105;マルムボルク(Malmborg),(1995) J.Immunol.Methods 183,7−13)。キメラ抗体の製造は、たとえば、国際公開第89/09622号パンフレットに記載されている。
抗体は標識化でき、ここで標識は本発明で言及される標識のうち任意のものでありうる。
最後に、本発明の別の好ましい一実施形態では、前記DNA分子の同一性は、DNA配列決定、ハイブリダイゼーション、Maldi−Tofまたは、酵素断片化およびクロマトグラフィー法によるヌクレオシド組成の分析によって決定される。
本発明はまた、疾患状態ががんまたはICF症候群である、DNAメチル化の増加または減少を伴う疾患状態の診断または予測のための本発明の方法の使用に関する。好ましくは、診断は患者から入手可能な試料について実施される。
「DNAメチル化の増加または減少」の語は、健常者のDNAを疾患患者のDNAと比較する際の、染色体DNAのメチル化状態の変化をいう。本発明の教示によると、染色体DNAのメチル化状態の変化は遺伝子発現の変化を反映しうる。実際、多くの場合でDNAのメチル化状態の変化は転写の増加または減少に寄与する。メチル化パターンの変化は特定の疾患状態と密接に連動している可能性があり、そのため染色体DNA内のメチル化パターンの変化は、その疾患の診断または予防マーカーとして使用されうる。
本発明の教示を用いて診断されうるがんは、前立腺、肺、乳房、卵巣、胃、膵臓、喉頭、食道、精巣、肝臓、耳下腺、胆道、結腸、直腸、子宮頸部、子宮、子宮内膜、腎臓、膀胱、甲状腺がんを含む固形腫瘍;原発腫瘍および転移;黒色腫;膠芽細胞腫;カポジ肉腫;平滑筋肉腫;非小細胞肺がん;結腸直腸がん;進行悪性腫瘍;および白血病などの血液腫瘍を含むがそれらに限定されない。
「ICF症候群」の語は、免疫不全、動原体領域不安定性および顔面異常によって特徴づけられる疾患をいう。ICF症候群は、細胞分裂促進剤で刺激されたリンパ球での、特に第1、9および16染色体(第1および第16染色体)の動原体の近傍における染色体異常によって診断される、独特のDNAメチル化障害疾患である。これらの異常は、動原体に隣接するヘテロクロマチンの脱凝縮、最大12腕を有する多放線状染色体、および全腕欠失を含む。分子レベルでは、ICF症候群の最も一貫した特性の一つは、第1、9および16染色体上の動原体近傍反復配列の低メチル化である(ジャンピエール(Jeanpierre)他,(1993) Hum.Mol.Genet.2,731−735)。したがって、低メチル化DNA領域を分析でき、および診断方法はそれに基づくことができる。
本発明の補助因子は、式(I)で表されるN−アデノシルアジリジン誘導体であり、
Figure 0004886679
ここで
WはNおよびCHから選択され、
XはNまたはCR1であり、
YはNH2またはNHR2であり、
ZはH、R3またはCH2CH(COOH)(NH2)であり、
ただし
XがCR1である場合、YはNH2でありおよびZはHまたはCH2CH(COOH)(NH2)であり、
XがNでありおよびYがNHR2である場合、ZはHまたはCH2CH(COOH)(NH2)であり、
XがNでありおよびYがNH2である場合、ZはR3であり、
1は−(CH2n4、−(CH=CH)m(CH2n4、−(CH2o(CH=CH)m(CH2n4、−(C≡C)m(CH2n4、−(C≡C)m(C64o(CH2n4、−(C64m(CH2n4、−CO(CH2n4および−S(CH2n4から選択され;
2は−(CH2n4、−(C64m(CH2n4、−CO(C64m(CH2n4および−CO(CH2n4から選択され;
3は−(CH2n4、−(CH=CH)m(CH2n4、−(C≡C)m(CH2n4、−(C64m(CH2n4および−CONH(CH2n4から選択され;
4は−NHR5、−NHCO(CH2pSR5、−SR5、−OR5、−0(C25O)n(C25)NHR5、−CH2NHNHR5、−NHCOCH(CH2SH)NHR5および−CONHR5から選択され;
5はフルオロフォア、アフィニティタグ、架橋剤、発色団、タンパク質、ペプチド、随意的に修飾されうるアミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、核酸、糖質、脂質、PEG、トランスフェクション試薬、ビーズ、介入剤(intercalating agent)、核酸切断試薬およびナノ粒子(たとえば金クラスター)から選択され、および
n、m、oおよびpは独立して0または1ないし5000の整数から選択される。
好ましくは、R1は−(CH2n4、−(CH=CH)m(CH2n4、−(C≡C)m(CH2n4、−(C≡C)m(C64o(CH2n4、および−(C64m(CH2n4から選択され、より好ましくは、R1は−(CH2n4、または−(C≡C)m(CH2n4
2は−(CH2n4、および−(C64m(CH2n4から選択され、より好ましくは、−(CH2n4
3は−(CH2n4および−CONH(CH2n4から選択され、より好ましくは、−(CH2n4
4は−NHR5、−NHCO(CH2pSR5、および−0(C25O)n(C25)NHR5から選択され、より好ましくは、−NHR5
5はフルオロフォア、アフィニティタグ、架橋剤、ペプチド、核酸、糖質、脂質、トランスフェクション試薬、介入剤、核酸切断試薬およびナノ粒子(たとえば金クラスター)から選択される。
nは好ましくは0または1ないし100の整数、より好ましくは1、3、および4である。mは好ましくは1ないし10の整数、より好ましくは1である。oは好ましくは1ないし10の整数、より好ましくは1である。pは好ましくは1ないし10の整数、より好ましくは3である。
本発明の好ましい実施形態では、式(I)の補助因子は、
Figure 0004886679
から選択される。
本発明の好ましい実施形態では、前記フルオロフォアは、アレクサ(Alexa)、ボデピー(BODIPY)、クマリン、ダンシル、フルオレセイン、マンシル、ピレン、ローダミン、テキサスレッド、TNS、シアニンフルオロフォアまたはその誘導体、または本発明の明細書において言及される他の任意の標識である。
本発明の別の好ましい実施形態では、前記アフィニティタグは、ペプチドタグ、ビオチン、マルトース、ニッケル−ニトリロトリ酢酸(NTA)、ジゴキシゲニンまたはジニトロフェノールである。
本発明のより好ましい実施形態では、前記ペプチドタグは、His−タグまたは金属キレート特性を有するタグ、ストレプ−タグ、flag−タグ、c−myc−タグ、HA−タグ、エピトープまたはグルタチオンを有するタグである。固相担体に付加される結合パートナーは、核酸分子またはペプチド(ポリ)のアフィニティ精製のために用いられうる。好ましくは、ペプチドタグは、His−タグまたはストレプ−タグである。
「金属キレート特性を有するタグ」の語は、生体分子への共有結合後のN−アデノシルアジリジン誘導体の結合を、固定化金属イオンアフィニティークロマトグラフィー(mmobilized etal lon ffinity hromatography:IMAC)で用いられるマトリックスへに与えるタグに関する。ポラス(Porath)他によって開発されたIMAC技術(ポラス(Porath)他、(1975) Nature 258(598−599))は、特定のタンパク質表面上の残渣(ヒスチジン、システイン、およびより低級なトリプトファン中の)と、ポリカルボキシル配位子を有するキレートを形成する遷移金属由来の陽イオンとの相互作用に基づく。典型的な条件は従来技術に記載され、および当業者に公知である(ポラス(Porath),(1992)『タンパク質発現および精製3』(Protein Expression and Purification 3), 263−281; ヘムダン(Hemdan)およびポラス(Porath),(1985) Journal of Chromatography 323, 255−264; ポラス(Porath)およびハンセン(Hansen),(1991) Journal of Chromatography 550, 751−764)。
「ストレプ−タグ」の語は、8個のアミノ酸ストレプトアビジン結合配列に関する。この配列は、最適なアフィニティタグ特性を有するペプチド結合配列を同定するために、ランダムなペプチド・ライブラリの組織的スクリーニングによって見出された(シュミット(Schmidt)およびスケラ(Skerra),(1993) Prot. Engineering 6, 109−122)。本発明のN−アデノシルアジリジン誘導体に付加される場合、修飾された核酸分子または(ポリ)ペプチドは、たとえば、ストレプトアクチン、ストレプトアビジン、アビジン等を含むマトリックスを有する重力フローカラムを用いることによって、アフィニティ精製されうる。このようなマトリックスは、たとえばシグマ−ジェノシス社(Sigma−Genosys)/ウッドランド社(The Woodlands)(米国、テキサス)またはIBA/ゲッティンゲン(IBA/Goettingen)(ドイツ)から市販されている。
「flag−タグ」の語は、抗flag抗体と結合する8個のアミノ酸ペプチドに関する。本発明のN−アデノシルアジリジン誘導体に付加される場合、修飾された核酸分子または(ポリ)ペプチドは、固定化された抗flag抗体を含むマトリックスを有する重力フローカラムを用いることによって、アフィニティ精製されうる。このようなマトリックスは、たとえばシグマ−アルドリッチ社(Sigma−Aldrich)から市販されている。
「c−mycータグ」の語は、抗c−myc抗体と結合する10個のアミノ酸ペプチドに関する。本発明のN−アデノシルアジリジン誘導体に付加される場合、修飾核酸分子または(ポリ)ペプチドは、固定化された抗c−myc−タグ抗体を含むマトリックスを有する重力フローカラムを用いることによって、アフィニティ精製されうる。たとえばピアースバイオテクノロジー社(Pierce Biotechnology)から市販されている(米国、イリノイ)。
「HA−タグ」の語は、インフルエンザウイルスの表面血球凝集素から誘導され、および抗HA抗体と結合する9個のアミノ酸ペプチドに関する。本発明のN−アデノシルアジリジン誘導体に付加される場合、修飾核酸分子または(ポリ)ペプチドは、たとえば固定化された抗HA抗体を含むマトリックスを有する重力フローカラムを用いることによってアフィニティ精製されうる。
「グルタチオン」の語は、グルタチオントランスフェラーゼ(GST)と結合するトリペプチドL−γ−グルタミル−L−システイニルグリシンに関する。本発明のN−アデノシルアジリジン誘導体に付加される場合、修飾核酸分子または(ポリ)ペプチドは、たとえば固定化されたグルタチオントランスフェラーゼを含むマトリックスを有する重力フローカラムを用いることによってアフィニティ精製されうる。
本発明の別の好ましい実施形態では、前記架橋剤は、マレイミド、イオドアセトアミド、またはその誘導体、またはアルデヒド誘導体、または光架橋剤である。好ましくは架橋剤は光架橋剤である。
本発明のより好ましい実施形態では、前記光架橋剤は、アリールアジド、ジアゾ化合物、ソラーレンまたはベンゾフェノン化合物である。好ましくは、光架橋剤はソラーレンである。
本発明の別の好ましい実施形態では、前記核酸切断試薬は、鉄−EDTA、アクリジンまたはその誘導体、またはロジウム複合体である。
本発明は、本発明の補助因子および、S−アデノシル−L−メチオニン(AdoMet)を補助因子として通常使用するメチルトランスフェラーゼの複合体にも関する。
本発明の好ましい実施形態では、前記メチルトランスフェラーゼがS−アデノシル−L−メチオニン(AdoMet)のメチル残基を核酸分子または(ポリ)ペプチドへ通常転移させる。
本発明の好ましい実施形態では、前記メチルトランスフェラーゼが、オーファンDNAメチルトランスフェラーゼまたは細菌制限修飾系の一部である。
前記DNAメチルトランスフェラーゼは、M.AacDam、M.AatII、M.AbaORFDP、M.AbaORFKP、M.AbrI、M.AccI、M.AccIII、M.AciI、M.AcII、M.AcuI、M.Afa22MI、M.AfIII、M.AfIIII、M.AgeI、M.AhdI、M.AhyBP、M.AlaK2I、M.AluI、M.AlwI、M.Alw26I、M.ApaI、M.ApaLI、M.ApeKI、M.ApoI、M.AquI、M.AscI、M.AseI、M.AseII、M.AsiSI、M.AspCNI、M.AtuCI、M.AtuCORF1997P、M.AtuDORF794P、M.AtuDORF3839P、M.AvaI、M.AvaII、M.AvaIII、M.AvaIVP、M.AvaV、M.AvaVI、M.AvaVII、M.AvaVIII、M.AvaIX、M.AvaORF3700P、M.AvaORF7270P、M.AvrI、M.AvrII、M.BabI、M.BaeI、M.BaII、M.BamHI、M.BamHII、M.BanI、M.BanII、M.BanIII、M.BatAORF3814P、M.BatA581ORF3846P、M.Bbu297I、M.BbvI、M1.BbvCI、M2.BbvCI、M.BbvSI、M1.BccI、M2.BccI、M.Bce1247I、M1.BceAI、M2.BceAI、M.Bce14579ORF939P、M.BceSORF365P、M.BceSORF4605P、M1.BceSORF5606P、M2.BceSORF5606P、M.Bcep1P、M.Bcep43ORFAP、M.BchI、M.BcII、M1.BcnI、M2.BcnI、M1.BcoKI、M2.BcoKI、M.Bcs139P、M.BdiI、M.BepI、M1.BfaI、M2.BfaI、M.BfaORFC157P、M1.BfuAI、M2.BfuAI、M.BgII、M.BgIII、M1.BhaI、M2.BhaI、M.BhaII、M.BjaORF2509P、M.BloNORF564P、M.BloNORF1473P、M.BlpI、M.BmaI、M.BmaPhiE125ORF56P、M.Bme216I、M.BmeLORF1444P、M.BmeTI、M1.BmrI、M2.BmrI、M.BnaI、M.BpmI、M1.Bpu10I、M2.Bpu10I、M1.BsaI、M2.BsaI、M.BsaAI、M.BsaJI、M.BsaWI、M1.BscGI、M2.BscGI、M.Bse634I、M.BseCI、M.BseDI、BseMII、BseRI、M.BseRI、M.BseYI、BsgI、M.BsgI、M.BsiWI、M.BsII、M1.BsmI、M2.BsmI、M.BsmAI、M.BsmBI、M.BsoBI、M.BspI、M.Bsp6I、M.Bsp50I、M.Bsp98I、M.Bsp106I、M.Bsp143II、BspCNI、M.BspCNI、M.BspEI、M.BspHI、M.BspIS4I、M.BspKT6I、BspLU11III、M1.BspLU11III、M2.BspU11III、M1.BspMI、M2.BspMI、M.BspMII、M.BspRI、M.BspST5I、M1.BsrI、M2.BsrI、M1.BsrBI、M2.BsrBI、M.BsrFI、M.BssHI、M.BssHII、M.BssSI、M.BstI、M.BstEII、M.BstEIII、M1.BstF5I、M2.BstF5I、M3.BstF5I、M4.BstF5I、M.BstGII、M.BstLVI、M.BstNI、M.BstNBI、M.BstVI、M.BstXI、M.BstYI、M.Bsu15I、M.Bsu36I、M.Bsu6633I、M.BsuBI、M.BsuEII、M.BsuFI、M.Bsu1330ORF491P、M.BsuRI、M.BthIPS78、M.BthVORF4625P、M.BusLBORFC747P;M.BusLBORFC755P、M.Cac8I、M.Cac824I、M.Cac824ORF3358P、M.CauJORFC101P、M.CauJORFC102P、M.CauJORFC103P、M.CauJORFC104P、M.CauJORFC107P、M.CauJORFC110P、M.CauJ0RFC111P、M.CboI、M.CcrMI、M.Cdi630I、M.CdiCD6I、M.CdiCD6II、M.Cdi630ORFC898P、M.CefORF1493P、M.CeqI、M.CfrI、M.Cfr6I、M.Cfr9I、M.Cfr10I、M.Cfr13I、M.Cfr42I、M.CfrAI、M.CfrBI、M.CgII、M.CgIASI、M.CgILP6P、M.CjeNI、M.Cje81116ORFBP、M.Cje81116ORFCP、M.ClaI、M.Csp6I、M.Csp68KI、M.Csp68KIV、M.Csp68KV、M.CteEORF387P、M.CthORFS26P、M.CthORFS34P、M.CthORFS93P、M.CviAI、M.CviAII、M.CviAIV、M.CviBI、M.CviBII、M.CviBIII、M.CviJI、M.CviORF5P、M.CviORF2111P、M.CviPI、M.CviQI、M.CviQII、M.CviQIII、M.CviQIVP、M.CviQVP、M.CviQVI、M.CviQVII、M.CviQVIIIP、M.CviQIXP、M.CviQXP、M.CviQXI、M.CviRI、M.CviRII、M.CviSI、M.CviSII、M.CviSIII、M.CviSIVP、M.CviSVP、M.CviSVIP、M.CviTI、M.DdeI、DhaORFC135P、M1.DpnII、M2.DpnII、M.DraI、M.DraII、M.DraIII、M.DsaV、M.DvuORF19P、M.DvuORF2842P、M.EacI、M.EaeI、M.EagI、M1.EarI、M2.EarI、M.EcaI、M.Ecl18kI、M.Eco32I、M.Eco47II、M.Eco47III、M.Eco56I、Eco57I、M.Eco57I、M.Eco64I、M.Eco72I、M.Eco88I、M.Eco98I、M.Eco105I、M.Eco147I、M.Eco231I、M.Eco255I、M.Eco536P、M.Eco1639P、M.Eco1831I、M.Eco248534P、M.EcoAI、M.EcoBI、M.EcoCFTDamP、M.EcoCFTDam2P、M.EcoCFTDam3P、M.EcoCFTDcmP、M.EcoDI、M.EcoDR2、M.EcoDR3、M.EcoDXXI、M.Eco67Dam、M.EcoEI、M.EcoHI、M.EcoHK31I、M.EcoKI、M.EcoKII、M.EcoKDam、M.EcoKDcm、M.EcoKO157DamP、M.EcoKO157Dam2P、M.EcoKO157Dam3P、M.EcoKO157DcmP、M.EcoKO157ORF1953P、M.EcoLahn1P、M.EcoLahn3P、M.EcoNI、M.EcoNi12P、M.EcoO109I、M.EcoO157DamP、M.EcoO157DcmP、M.EcoO1570RF1454P、M.EcoO157ORF2389P、M.EcoO157ORF3349P、M.Eco536ORF3P、M.EcoPI、M.EcoP15I、M.EcoP1Dam、M.EcoPhi4795DamP、M.EcoRI、M.EcoRII、M.EcoRV、M.EcoR124I、M.EcoR124II、M.EcoRD2、M.EcoRD3、M.EcoStx1DamP、M.EcoStx2DamP、M.EcoT22I、M.EcoT38I、M.EcoT1Dam、M.EcoT2Dam、M.EcoT4Dam、M.EcoVIII、M.EcoVT2Dam、M.EcoWphiP、M.Eco29kI、M.EcopHSHP、M.EcopHSH2P、M.EcoprrI、M.EfaHGSORFHP、M.EphP10RF1P、M.EsaBC1I、M.EsaBC3I、M.EsaBC4I、M.EsaBS1I、M.EsaBS9I、M.EsaDix1I、M.EsaDix2I、M.EsaDix3I、M.EsaDix4I、M.EsaDix5I、M.EsaDix6I、M.EsaDix7I、M.EsaLHCI、M.EsaLHCIII、M.EsaRM1P、M.EsaRM13P、M.EsaRM16P、M.EsaRM17P、M.EsaRM21P、M.EsaRM38P、M.EsaRM61P、M.EsaRM63P、M.EsaRM65P、M.EsaRM67P、M.EsaRM69P、M1.EsaS1I、M2.EsaS1I、M.EsaS3I、M.EsaS4I、M.EsaS6I、M.EsaS7I、M.EsaS8I、M.EsaSS2P、M.EsaSS5P、M.EsaSS12P、M.EsaSS13P、M.EsaSS15P、M.EsaSS16P、M.EsaSS18P、M.EsaSS19P、M.EsaSS22P、M.EsaSS30P、M.EsaSS31P、M.EsaSS35P、M.EsaSS36P、M.EsaSS40P、M.EsaSS43P、M.EsaSS47P、M.EsaSS48P、M.EsaSS49P、M.EsaSS52P、M.EsaSS55P、M.EsaSS57P、M.EsaSS67P、M.EsaSS69P、M.EsaSS70P、M.EsaSS71P、M.EsaSS72P、M.EsaSS73P、M.EsaSS74P、M.EsaSS75P、M.EsaSS76P、M.EsaSS79P、M.EsaSS81P、M.EsaSS83P、M.EsaSS87P、M.EsaSS88P、M.EsaSS90P、M.EsaSS96P、M.EsaSS97P、M.EsaSS103P、M.EsaSS104P、M.EsaSS105P、M.EsaSS106P、M.EsaSS107P、M.EsaSS108P、M.EsaSS109P、M.EsaSS110P、M.EsaSS111P、M.EsaSS113P、M.EsaSS117P、M.EsaSS120P、M.EsaSS123P、M.EsaSS126P、M.EsaSS130P、M.EsaSS131P、M.EsaSS134P、M.EsaSS136P、M.EsaSS137P、M.EsaSS144P、M.EsaSS145P、M.EsaSS150P、M.EsaSS153P、M.EsaSS154P、M.EsaSS155P、M.EsaSS156P、M.EsaSS160P、M.EsaSS163P、M.EsaSS165P、M.EsaSS167P、M.EsaSS169P、M.EsaSS170P、M.EsaSS172P、M.EsaSS174P、M.EsaSS177P、M.EsaSS181P、M.EsaSS182P、M.EsaSS186P、M.EsaSS187P、M.EsaSS192P、M.EsaSS195P、M.EsaSS200P、M.EsaSS214P、M.EsaSS215P、M.EsaSS216P、M.EsaSS218P、M.EsaSS221P、M.EsaSS222P、M.EsaSS223P、M.EsaSS225P、M.EsaSS228P、M.EsaSS237P、M.EsaSS238P、M.EsaSS241P、M.EsaSS244P、M.EsaSS245P、M.EsaSS246P、M.EsaSS247P、M.EsaSS254P、M.EsaSS259P、M.EsaSS264P、M.EsaSS266P、M.EsaSS268P、M.EsaSS269P、M.EsaSS270P、M.EsaSS275P、M.EsaSS278P、M.EsaSS281P、M.EsaSS282P、M.EsaSS283P、M.EsaSS289P、
M.EsaSS297P、M.EsaSS302P、M.EsaSS303P、M.EsaSS305P、M.EsaSS315P、M.EsaSS317P、M.EsaSS318P、M.EsaSS319P、M.EsaSS323P、M.EsaSS326P、M.EsaSS328P、M.EsaSS329P、M.EsaSS334P、M.EsaSS335P、M.EsaSS336P、M.EsaSS51DamP、M.EsaSS65DamP、M.EsaSS138DamP、M.EsaSS198DamP、M.Esp3I、M.Esp1396I、M.EspRB49DamP、M.FauI、M.FnuDI、M.FnuDII、M.FnuDIII、M.Fnu4HI、M.FnuVDamP、M.FokI、M.FseI、M.FspI、M.FssI、M.GmeORFC6P、M.GmeORFC16P、M.GsuI、M.GviDamP、M.H2I、M.HaeII、M.HaeIII、M.HapII、M.HduDamP、M1.HgaI、M2.HgaI、M.HgiAI、M.HgiBI、M.HgiCI、M.HgiCII、M.HgiDI、M.HgiDII、M.HgiEI、M.HgiGI、M.HhaI、M.HhaII、M.HheORF238P、M.HheORF1050P、M.HheORF1244P、M.HheORF1445P、M.Hin1II、M.HinB231ORFDP、M.HinHP1Dam、M.HinHP2Dam、M.HinP1I、M.HincII、M.HindI、M.HindII、M.HindIII、M.HindV、M.HindDam、M.HinfI、M.HinfIII、M.HjaI、M.HpaI、M.HpaII、M1.HphI、M2.HphI、M.HpyI、M.Hpy8I、M.Hpy87AP、M.Hpy99I、M.Hpy99II、M.Hpy99III、M.Hpy99IV、M1.Hpy99V、M2.Hpy99VP、M.Hpy99VI、M.Hpy99VIII、M.Hpy99IX、M.Hpy99X、M.Hpy99XI、M.Hpy166IV、M.Hpy178IP、M.Hpy188I、M.Hpy188II、M.Hpy188III、M.Hpy788606P、M.Hpy788845P、M.Hpy788849P、M.Hpy789115P、M.Hpy789117P、M.Hpy789137P、M.Hpy789145P、M.Hpy790101P、M.Hpy959772P、M.HpyAI、M1.HpyAII、M2.HpyAII、M.HpyAIII、M.HpyAIV、M.HpyAV、M1.HpyAVI、M2.HpyAVI、M.HpyAVII、M.HpyAVIII、M.HpyAIX、M.HpyAX、M.Hpy87AI、M.HpyAORF263P、M.HpyAORF369P、M.HpyAORF481P、M.HpyAORF483P、M1.HpyC1I、M2.HpyC1I、M.HpyCH4IV、M.HpyCH4V、M.HpyCR2ORF1P、M.HpyCR2ORF3P、M1.HpyCR4RM1P、M2.HpyCR4RM1P、M.HpyCR9RM1P、M.HpyCR9RM2P、M.HpyCR14RM1P、M.HpyCR14RM2P、M.HpyCR15RM2P、M.HpyCR16RM1P、M.HpyCR29RM1P、M.HpyCR29RM2P、M.HpyCR35RM1P、M.HpyCR35RM2P、M1.HpyCR38RM1P、M2.HpyCR38RM1P、M.HpyCR38RM2P、M.HpyF17I、M.Hpy99ORF430P、M.Hpy99ORF433P、M.Hpy99ORF846P、M.Hpy99ORF1012P、M.HspNORF1543P、M.KasI、M.KpnI、M.Kpn2I、M.KpnAI、M.KpnBI、M.Kpn19097DamP、M.Kpn19097Dam2P、M.Kpn19097ORFFP、M.Kpn2kI、M.Lci22RP、M.LinFORF11323P、M.LinFORF12222P、M.LinFORF12737P、M.LinLORF903P、M.LinLORF1547P、M.LinLORF2668P、M1.LlaAI、M2.LlaAI、M.LlaBI、M.LlaCI、M.LlaDI、M.LlaDII、M1.LlaDCHI、M2.LlaDCHI、M.LlaKR2I、M.LmoAP、M.LmoEORF470P、M.LmoFORF327P、M.Lmo19115ORF1P、M.Lsp1109I、M.MamI、M1.MboI、M2.MboI、M1.MboII、M2.MboII、M.Mca43617ORFAP、M.Mca43617ORFBP、M1.Mca43617ORFDP、M2.Mca43617ORFDP、M.Mca43617ORFJP、M.MfeI、M.MjaI、M.MjaII、M.MjaIII、M.MjaIVP、M.MjaV、M.MjaVI、M.MloORFmlr7520P、M.MluI、M.MlyI、M.MmaMORFC174P、M.MmaSORF735P、M.MmeI、M.MmeII、M.MmoORF950P、M.MmoORF3450P、M.MmyIP、M.MmySCORF186P、M.MmySCORF216P、M.MmySCORF950P、M1.MnII、M2.MnII、M.MpeORF1230P、M1.MpeORF1780P、M2.MpeORF1780P、M.MpeORF4940P、M.MpeORF9800P、M.MpuCORF430P、M.MscI、M.MseI、M.MsmChe9cORF76P、M.MsmChe9cORF77P、M.MsmChe9cORF80P、M.MsmcdP、M.MsmomegaORF127P、M.MspI、M.MspA1I、M.MspSD10I、M.MthFI、M.MthTI、M.MthZI、M.MunI、M.MvaI、M.Mva1269I、M.MwoI、M.NaeI、M.NarAORFC306P、M.NcoI、M.NdeI、M.NdeII、M.Ngo18785P、M.Ngo185840P、M.Ngo185841P、M.NgoAI、M.NgoAII、M.NgoAIII、M.NgoAIV、M.NgoAV、M.NgoAVIIP、M.NgoAXIP、M.NgoAORFC708P、M1.NgoAORFC717P、M2.NgoAORFC717P、M.NgoBI、M.NgoBII、M.NgoBIIIP、M.NgoBIVP、M.NgoBV、M1.NgoBVIII、M2.NgoBVIII、M.NgoBIX、M.NgoBXII、M.NgoDIII、M.NgoEI、M.NgoFVII、M.NgoGI、M.NgoGII、M.NgoGIII、M.NgoGIVP、M.NgoGV、M.NgoHIP、M.NgoHIIP、M.NgoHIIIP、M.NgoHIVP、M.NgoHVP、M.NgoHVIP; M.NgoHVIIP、M.NgoHVIII、M.NgoKVIP、M.NgoLIP、M.NgoLII、M.NgoLIIIP、M.NgoLIVP、M.NgoLVP、M.NgoMI、M.NgoMII、M.NgoMIII、M.NgoMIV、M.NgoMV、M.NgoMVIII、M.NgoMXV、M.NgoNIP、M.NgoNII、M.NgoNIIIP、M.NgoNIVP、M.NgoNVP、M.NgoPIP、M.NgoPII、M.NgoPIII、M.NgoPIVP、M.NgoPVP、M.NgoQIP、M.NgoQIIP、M.NgoQIIIP、M.NgoQIVP、M.NgoQVP、M.NgoSIP、M.NgoSII、M.NgoSIIIP、M.NgoSIVP、M.NgoSVP、M.NgoTIP、M.NgoTII、M.NgoTIIIP、M.NgoTIVP、M.NgoTVP、M.Ngo125VIIP、M.NlaI、M.NlaIII、M.NlaIV、M.NlaX、M.NlaL17ORFAP、M.NmaPhiCh1I、M.NmeAORF1453P、M.NmeAORF1500P、M1.NmeBI、M2.NmeBI、M.NmeBF13P、M.NmeBORF1033P、M.NmeBORF1290P、M.NmeSI、M.NmeST1117ORF1P、M.NmepNLE1P、M.NpuORFC221P、M.NpuORFC222P、M.NpuORFC224P、M.NpuORFC226P、M.NpuORFC228P、M.NpuORFC230P、M.NpuORFC231P、M.NpuORFC234P、M.NsiI、M.NspI、M.NspIII、M.NspV、M.NspHI、M.OihORF3333P、M.OihORF3336P、M.OkrAI、M.Pac25I、M.PaeI、M.PaelMORF3201P、M.PaeMSHORF1P、M.Pae2164ORF7P、M.PaeR7I、M.PflMI、M.PgiI、M.PhaI、M.PhiBssHII、M.PhiMx5I、M.Phi3TI、M.Phi3TII、M.PhoI、M.PhoII、M.PhoWORFBP、M.PhsOYDam1P、M.PhsOYDam2P、M.PhsOYDam3P、M.PhsOYDam4P、M.PhsOYDam5P、M.PleI、M.PleLFBORF8P、M.PluTDamP、M.PluTDcmP、M.PluTORF600P、M.PluTORF2710P、M.PluTORF2942P、M.Pmi16525DamP、M.Pmi16525Dam2P、M.Pmi16525ORFDP、M.PmuADam、M.PmuDam、M.Ppu21I、M.Ppu111I、M.Ppu1253I、M.PpuMI、M.PshAI、M.PspGI、M.PspPI、M.PstI、M.PvuI、M.PvuII、M.PvuRts1DamP、M.PvuRts1Dam2P、M.RcoORF690P、M.ReuORF325P、M.Rho11sI、M.Rho11sII、M.Rle39BI、M.RmeADam、M.RpaORF1026P、M.RpapRPA4P、M.Rrh4273I、M.RruMORFS5P、M.RruMORFS15P、M.RsaI、M.RshI、M.RshIII、M.RsrI、M.RsrII、M.SPBetaI、M.SPRI、M.SacI、M.SacII、M.SaII、M2.SapI、M.Sau96I、M.Sau3239I、M.Sau6782I、M.Sau3AI、M.SauLPI、M.SbaI、M.SbfI、M.Sbo13I、M.ScaI、M1.ScrFI、M2.ScrFI、M.SduI、M.SenPI、M.SenPhiE15P、M.SenPhiE15DamP、M.SenpCI、M.SeqORFC57P、M.SeqORFC272P、M.SeqORFC448P、M.SfaNI、M.SfeI、M.SfiI、M.Sfl2DamP、M.Sfl2DcmP、M.Sfl2ORF3300P、M.SflSf6DamP、M.SflTDamP、M.SflTDcmP、M.SflTORF3517P、M.Sfl2aI、M.SfoI、M.Sho27844P、M.SinI、M.SmaI、M.SmaII、M.SmapR478DcmP、M.SmapR478ORF272P、M.SmeIP、M1.SmuUORF504P、M2.SmuUORF504P、M.SnaBI、M.SonDamP、M.SonORF4P、M.SpeI、M.SphI、M.Spn526P、M.Spn6BI、M1.Spn19FORF24P、M2.Spn19FORF24P、M.Spn19FORF927P、M.SpnHGORF4P、M.SpnORF1431P、M.SpnORF1849P、M.SpnRORF1287P、M.SpomI、M.SptAI、M.SscL1I、M.Sse9I、M.Ssl1I、M.SsoI、M.SsoII、M.Ssp6803I、
M.Ssp6803ORF729P、M.Ssp6803ORF1803P、M.SspPhiBt1P、M.SssI、M.SstI、M.Ssu211I、M.Ssu212I、M1.Ssu2479I、M2.Ssu2479I、M1.Ssu4109I、M2.Ssu4109I、M1.Ssu4961I、M2.Ssu4961I、M1.Ssu8074I、M2.Ssu8074I、M1.Ssu113181、M2.Ssu113181、M1.SsuDAT1I、M2.SsuDAT1I、M.Sth368I、M.SthSt8IP、M.StsI、M.StyI、M.StyCDamP、M.StyCDam2P、M.StyCDam3P、M.StyCDam4P、M.StyCDcmP、M.StyD4I、M.StyDam、M.StyDam2P、M.StyDam3P、M.Sty1344Dam、M.Sty14028Dam、M.StyHCM1ORF187P、M.StyLTI、M.StyLTIII、M.StyLT2Dam、M.StyLT2DcmP、M.StyLT2FelsDamP、M.StyR27ORF154P、M.StySJI、M.StySKI、M.StySPI、M.StySQI、M.StySopEDamP、M.StyTDamP、M.StyTDam2P、M.StyTDam3P、M.StyTDam4P、M.StyTDcmP、M.SuaI、M.TaeII、M.TaqI、M.TdeII、M.TdeIII、M.TdeORF706P、MTelBORF1578P、M.TelBORF1640P、MTelBORF1878P、M1.TerORFS1P、M2.TerORFS1P1、M.TerORFS14P、M.TerORFS18P、M.TerORFS62P、M.TerORFS122P、MTfiTok6A1I、M.Thai、M.ThaII、M.ThaIII、M.TliI、M.TmaI、M.TpaI、M.TrsKTI、M.TrsSI、M.TrsTI、M.TseI、M.Tsp32I、M.Tsp45I、M.Tsp509I、M.TspRI、M.Tth111I、Tth111II、M.TthHB8I、M.TthHB27P、M.TthHB27ORF41P、M.TvoORF849P、M.TvoORF1192P、M.TvoORF1400P、M.TvoORF1413P、M.TvoORF1416P、M.TwhORF771P、M.TwhTORF783P、M.Uba580P、M.Ucr1P、M.Van91II、M.VchADamP、M.Vch569BdamP、M.VchO395Dam、M.VchK139I、M.VpaRDamP、M.VspI、M.VvuDamP、M.VvuYDamP、M.WsuORF1405P、M.WsuORF1930P、M.XamI、M.XaxCORF2436P、M.XbaI、M.XcmI、M.XcyI、M.XfaAORFC345P、M.XfaAORFC348P、M.XfaOORFC725P、M.XfaORF1804P、M.XfaTORF577P、M.XfaTORF1062P、M.XfaTORF1607P、M.XhoI、M.XhoI、M.XmaI、M.XmaIII、M.XmnI、M.XorII、M.XphI、M.YenI、M.YenSDamP、M.YenSORFC666P、M.YenWI、M.YpeDamP、M.YpeKDamP、M.YpeKORF2224P、M.YpeKORF3792P、M.YpeMDamP、M.YpeMORF1932P、M.YpeMORF3790P、M.YpeORF391P、M.YpeORF2088P、M.YpsDamから選択されうる。
本発明のより好ましい実施形態では、メチルトランスフェラーゼはDNAメチルトランスフェラーゼM.HhaI、M.TaqI、M.BseCIおよびM.SssIから選択される。
本発明は、本発明の補助因子および本発明において定義された通りのメチルトランスフェラーゼまたは本発明の複合体を含むキットにも関する。キットのさまざまな化合物は、一つ以上の容器に詰めてもよく、保管のために適切な緩衝剤の中で随意的に溶解される。使用のための指示を記載した小冊子を追加してもよい。
本発明は、本発明の補助因子または本発明の複合体および随意的に薬学的に許容可能なキャリヤーを含む医薬品組成物にも関する。
本発明は、本発明の補助因子または本発明の複合体を含む診断組成物にも関する。
診断組成物の主な溶媒は水系である。加えて、組成物は、処方のpH、浸透圧、粘度、透明度、色、無菌性、安定性、溶解速度、または匂いを改変または維持するために、他の成分またはキャリヤーを含みうる。同様に、組成物は、診断組成物の安定性、溶解、放出、または吸収の速度を改変または維持するために、医薬品として許容されるさらに別の成分を含みうる。診断組成物はいったん処方されれば、溶液、懸濁液、ゲル、乳液、固体、または脱水または凍結乾燥された粉末として無菌バイアル中で保存されうる。そのような処方は、すぐ使用できる形で、または使用直前に再構成を必要とする形で保存されうる。
本発明は、DNA分子中の配列特異メチル化の検出のための本発明の補助因子または本発明の複合体の使用にも関する。典型的な使用は、本明細書中に記載されている方法といった本発明の教示による方法である。
本発明は、DNAメチル化の増加または減少を伴う疾患の診断のための、本発明の補助因子または本発明の複合体の使用にも関する。
本明細書中に用いられる「DNAメチル化の増加または減少を伴う疾患」の語は特にがんまたはICF症候群といった疾患をいう。
本発明は、DNAメチル化の増加または減少を伴う疾患の診断用の診断組成物の調製のための、本発明の補助因子または本発明の複合体の使用にも関する。
本発明の好ましい実施形態では、前記疾患はがんまたはICF症候群である。
好ましくは、がんは、乳がん、大腸がん、心臓腫瘍、膵がん、黒色腫、網膜芽腫、神経膠芽腫、肺がん、腸がん、精巣がん、胃がん、神経芽細胞腫、粘液腫、筋腫、リンパ腫、内皮腫、骨芽細胞腫、骨巨細胞腫または腺腫からなる群から選択される。
本発明は、実施例に制限されることなく、下記の実施例によってさらに説明される。
実施例1:ビオチン化アジリジン補助因子1(A)、2(B)および3(C)の二本鎖オリゴデオキシヌクレオチドI・IIとのM.HhaIに触媒されるカップリング
ビオチン基がアデニン環の7位に結合したアジリジン補助因子1および2またはビオチン基が6位に結合したアジリジン補助因子3は、M.HhaIの良好な基質である(スキーム1)。これは図1に示される。
アジリジン補助因子1、2または3(32nmol、80μM)、二本鎖オリゴデオキシヌクレオチドI・II(4nmol、10μM)およびM.HhaI(4.4nmol、11μM)を含む緩衝液(1OmMトリス塩酸、pH7.4、50mM塩化ナトリウム、0.05mMエチレンジアミンテトラ酢酸および2mMβ−メルカプトエタノール)の溶液(400μL)を37℃にてインキュベートした。カップリング反応の進行は陰イオン交換HPLC(ポロス(Poros)10HQ、10μm、4.6x10mm、アプライド・バイオシステムズ社(Applied Biosystems))によって監視した。化合物を塩化カリウム水溶液(0.2M5分間、次いで5分間で0.4Mへ、20分間で0.6Mへ、および5分間で1Mへの直線グラジエント)を含むトリス塩酸緩衝液(10mM、pH7.6)で流速4mL/分で溶出した。1、2または3をI・IIおよびM.HhaIと混合した直後、保持時間の短い化合物が1および2と共に、開始二本鎖I・IIに加えて観察された。異なるインキュベート時間後、三種類すべての補助因子についてこれらの新しい化合物へのほぼ完全な変換が観察され、およびM.HhaI無しの平行対照実験では新しい化合物の形成は起こらなかった(記載せず)。これらの新しい化合物は、260nmおよび280nmでの紫外吸収率に基づいて、M.HhaIとカップリング産物I1・II、I2・IIおよびI3・IIとの間の非共有タンパク質−DNA複合体が割り当てられる。カップリング産物I1・II、I2・IIおよびI3・IIは65℃で30分間のインキュベートによってタンパク質−DNA複合体から放出され、および開始二本鎖I・IIと比較して、修飾二本鎖についてわずかに短い保持時間が観察された。
1・II、I2・IIおよびI3・II中のビオチン基の存在および機能性はストレプトアビジンの添加によって検証された。残存するアジリジン補助因子1、2または3が最初に、標識化二本鎖I1・II、I2・IIまたはI3・IIから、NAP−5カラム(アマシャム・バイオサイエンス社(Amersham Biosciences),ドイツ・フライブルク(Freiburg))を用いたゲル濾過によって取扱説明書に従って除去された。その後、ストレプトアビジン(25μg)を溶液(25μL,I1・II、I2・IIまたはI3・II0.25nmol)に加え、およびインキュベートを37℃にて30分間実施した。陰イオン交換HPLC(上記参照)は、ストレプトアビジンとビオチン化二本鎖I1・II、I2・IIおよびI3・IIとの間の複合体の形成に合致する、保持時間の短い新しい主要な化合物を示した。これらの複合体に加えて、少量の開始二本鎖I・IIが三例すべてで観察され、それは産物二本鎖だけがストレプトアビジンと密に相互作用できることを実証する。
スキーム1:ビオチン化アジリジン補助因子1、2および3の、低分子二本鎖オリゴデオキシヌクレオチドI・IIとのM.HhaIに触媒されるカップリング(M=5−メチル−2’−デオキシシチジン)。
Figure 0004886679
実施例2:DNAメチル化の特異的検出
アジリジン補助因子1およびM.HhaIとの反応を用いて、プラスミドDNAのDNAメチル化を特異的に検出した(図2)。実験はR.XmnI−直線化プラスミドpUC19DNA(LpUC19)を用いて実施した。LpUC19の5’−CG−3’DNA配列(CpGモチーフ)内のシトシン残基を、DNA(シトシン−5)−メチルトランスフェラーゼM.SssIおよび天然補助因子AdoMetを用いてメチル化した。非メチル化およびCpGメチル化LpUC19を、ビオチン化アジリジン補助因子1および、5’−GCGC−3’DNA配列内の最初のシトシン残基が内部のCpGモチーフのメチル化によってブロックされていなければこの残基だけをアルキル化できるM.HhaIで処理した。異なるプラスミドを次いで制限エンドヌクレアーゼR.HhaI(5’−GCGC−3’認識配列)またはストレプトアビジン(ビオチン基と密に結合)を用いた処理によって分析し、結果として断片化、無反応または電気泳動移動度シフトを生じた(図2A)。直線化プラスミドDNALpUC19のメチル化感受性酵素的ビオチン化はアガロースゲル電気泳動によって実証される(図2B)。
A.pUC19プラスミドDNAの直線化
pUC19プラスミドDNA(10μg)の直線化は、制限エンドヌクレアーゼR.XmnI(100U)を含む緩衝液(40μL、10mMトリス塩酸、pH7.9、10mM塩化マグネシウム、50mM塩化ナトリウム、1mM 1,4−ジチオスレイトールおよび1mg/mLウシ血清アルブミン)中でおよび37℃にて1時間のインキュベーションで実施した。
B.CpG−メチル化
直線化pUC19プラスミドDNALpUC19(6μg、Aから)のCpG−メチル化を、M.SssI(2.4μg)およびAdoMet(160μM)を含む緩衝液(40μL、10mMトリス塩酸、pH7.9、6mM塩化マグネシウム、50mM塩化ナトリウム、1mM 1,4−ジチオスレイトールおよび0.6mg/mLウシ血清アルブミン)を用いて37℃にて1時間実施した。反応は65℃へ20分間加熱することにより停止した。メチル化LpUC19は、キアクイック(QIAquick)PCR精製キット(キアゲン社(QIAGEN GmbH)、ドイツ・ヒルデン(Hilden))を用いて取扱説明書に従って精製し、およびトリス塩酸緩衝液(10mM、pH8.5)で溶出した。
C.アジリジン補助因子1およびM.HhaIを用いた処理
非メチル化およびCpGメチル化LpUC19プラスミドDNA(各2μg、A.またはB由来)、アジリジン補助因子1(80μM)およびM.HhaI(38pmol)を含む緩衝液(100μl、10mMトリス塩酸、pH7.4、50mM塩化ナトリウム、0.05mMエチレンジアミンテトラ酢酸および2mMβ−メルカプトエタノール)を37℃にて2時間、および次いで65℃にて20分間インキュベートした。プラスミドDNAはキアクイック(QIAquick)PCR精製キット(キアゲン社(QIAGEN GmbH)、ドイツ・ヒルデン(Hilden))を用いて精製し、およびトリス塩酸緩衝液(10mM、pH8.5)で溶出した。
D.制限エンドヌクレアーゼ保護による分析
未修飾(A.)、メチル化(B.またはC.)またはビオチン化(C.)LpUC19プラスミドDNA(200ng)を含む緩衝液(10mMトリス塩酸、pH7.9、10mM塩化マグネシウム、50mM塩化ナトリウム、1mM 1,4−ジチオスレイトールおよび1mg/mLウシ血清アルブミン)の試料(10μL)をR.HhaI(2U)と共に37℃にて1時間インキュベートした。DNA断片化をアガロースゲル電気泳動(1%アガロースゲル)によって分析した。R.HhaIによる断片化は未修飾LpUC19(A.)についてだけ起こった一方、メチル化(B.またはC.)またはビオチン化(C.)LpUC19はR.HhaIによる切断に対して保護された(図2B,レーン2)。この結果はLpUC19の完全な修飾を支持する。
E.ストレプトアビジンの結合による機能性ビオチン化分析
未修飾(A.)、メチル化(B.またはC.)またはビオチン化(C.)LpUC19プラスミドDNA(200ng)を含むトリス塩酸緩衝液(10mM、pH8.5)の試料(10μL)をストレプトアビジン(5μg)と共に37℃にて1時間インキュベートした。ストレプトアビジンの結合を、アガロースゲル電気泳動(1%アガロースゲル)を用いた電気泳動移動度シフト検定によって分析した。ストレプトアビジンの存在下で(図2B、レーン3)、ストレプトアビジンの結合によって生じた電気泳動移動度の低下はビオチン化LpUC19(C.)だけで観察された一方、未修飾LpUC19(A.)、メチル化LpUC19(B.)またはアジリジン補助因子1およびM.HhaIで処理したメチル化LpUC19(C.)は電気泳動移動度が変化しなかった。この結果は、アジリジン補助因子1およびM.HhaIを用いた標識化反応は配列特異的でありおよびCpG−メチル化によって遮断されることを明らかに支持する。したがって、この系は、非メチル化およびCpG−メチル化DNA配列を識別するのに用いることができる。
実施例3:アジリジン補助因子1の合成
補助因子1の合成はスキーム2に示す通り実施された。合成の詳細を下記に示す(プリンについてのIUPAC番号が用いられている)。
Figure 0004886679
スキーム2:アジリジン補助因子1の合成。
A.7−(5’−O−tert−ブチルジメチルシリル−2’,3’−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノシル)−4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、化合物4
水酸化カリウム粉末(280mg,5.0mmol)を含む乾燥アセトニトリル(15mL)の懸濁液へ、アルゴン雰囲気下でトリス[2−(2−メトキシエトキシ)−エチル]アミン(TDA−1)(200μL,0.6mmol)を加え、および混合物を室温にて30分間撹拌した。その後、4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(グーレイン(Gourlain)他,(2001) Nucleic Acids Res.29,1898−1905)(500mg,1.79mmol)を加え、および懸濁液をさらに30分間撹拌した。その後、5−O−(tert−ブチルジメチルシリル)−2,3−O−イソプロピリデン−α−D−リボフラノシル塩化物(ローズマイヤー(Rosemeyer)およびシーラ(Seela),(1998) Helv.Chim.Acta 71 ,1573−1585)(3.61mmol)を含むテトラヒドロフラン(8mL)の新規に調製された溶液を加え、および反応混合物を室温にて2日間撹拌した。懸濁液を、酢酸エチル(60 mL)を加えて希釈し、および濾紙を通した。溶媒を減圧下で除去し、および粗産物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン15:85で溶出)によって精製し、淡黄色のオイルとしてヌクレオシド4(431mg、43%)(Rf0.43、酢酸エチル/ヘキサン20:80)を与えた。
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ=0.12(s,3H,SiCH3a),0.12(s,3H,SiCH3b),0.92(s,9H,SiC(CH33),1.38(s,3H,イソプロピリデン−CH3a),1.65(s,3H,イソプロピリデン−CH3b),3.81(dd,2J=11.29Hz,3J=3.05Hz,1 H1 H5’a),3.92(dd,2J=11.60Hz,3J=2.75Hz,1H,H5’b),4.40(q,3J=2.75Hz,1H,H4’),4.90(dd,3J=2.44Hz,3J=6.10Hz,1H,H3’),4.94(dd,3J=3.05Hz,3J=6.10Hz,1H,H2’),6.43(d,3J=3.05Hz,1H,H1’),7.78(s,1H,H6),8.65(s,1H,H2);13C−NMR(100MHz,CDCl3):δ=−5.379(SiCH3a),−5.219(SiCH3D),18.427 (SiC(CH33),25.376(イソプロピリデン−CH3a),25.983 (SiC(CH23),27.318(イソプロピリデン−CH3b),52.125(C5),63.481(C5’,80.785(C4’,85.383(C3’,86.194(C2’,90.769(C1’),114.020(イソプロピリデン−C(CH32),117.237(C9),131.886(C6),150.252(C2),150.859(C8),152.399(C4)。
B.4−クロロ−5−ヨード−7−(2’,3’−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、化合物5
ヌクレオシド4(348mg、0.61mmol)を含むテトラヒドフランの溶液(10mL)を0℃へ冷却した。フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)(291mL、0.92mmol)を加えた後、反応混合物を0℃にて2時間撹拌した。反応混合物を室温まで温め、および溶媒を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチル(10mL)中で溶解し、有機層を水(2mL)およびおよび塩水(2ml)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、および溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン40:60で溶出)による精製によって、目的の化合物5(192mg、69%)を淡黄色の泡[Rf0.23、酢酸エチル/ヘキサン40:60)として与えた。
1H−NMR(500MHz,CDCl3):δ=1.37(s,3H,イソプロピリデン−CH3a),1.64(s,3H,イソプロピリデン−CH3b),3.81(t,2J=3J=10.68Hz,1H,H5’a),3.95(dd,2J=12.51Hz,3J=1.83Hz,1H,H5’b),4.47−4.49(m,1H,H4’),4.76(d,3J=10.07Hz,1H,5’―OH),5.09(dd,3J=2.14,3J=6.10,1H,H3’),5.19(dd,3J=4.88Hz,3J=6.10Hz,1H,H2’),5.88(d,3J=4.88Hz,1H,H1’),7.51(s,1H,H6),8.63(s,1H,H2);13C−NMR(75MHz,CDCI3):δ=25.298(イソプロピリデン−CH3a),27.542(イソプロピリデン−CH3b),51.941(C5),63.085(C5’),81.162(C4’),83.279(C3’),85.762(C2’),94.582(C1’),114.436(イソプロピリデン−(CH32),118.719(C9),134.551(C6),149.558(C2),150.597(C8),153.674(C4);ESI−MS m/z(相対強度):452.3(9)[M+H]+,280.5(100)[4−クロロ−5−ヨード−7−H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン+H]+
C.4−アミノ−5−ヨード−7−(2’,3’−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、化合物6
ヌクレオシド5(981mg、2.17mmol)を含むメタノール溶液(80mL)を0℃へ冷却し、気体アンモニアで飽和した。事前に冷却したオートクレーブに溶液を充填し、封止し、80〜85℃で一夜加熱した。オートクレーブを室温まで冷却し、溶液を除去し、および溶媒を減圧下で蒸発させた。粗産物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール/塩化メチレン5:95で溶出)によって精製し、ヌクレオシド6(557mg、59%)を淡黄色の泡(Rf0.21、メタノール/塩化メチレン5:95)として与えた。
1H−NMR(400MHz,[D6]DMSO):δ=1.31(s,3H,イソプロピリデン−CH3a),1.53(s,3H,イソプロピリデン−CH3b),3.49−3.59(m,2H,H5’),4.10−4.13(m,1H,H4’),4.90(dd,3J=3.02Hz,3J=6.32Hz,1H,H3’),5.11(dd,3J=3.29Hz,3J=6.31Hz,1H,H2’),5.16(t,3J=5.49Hz,5’−OH),6.19(d,3J=3.30Hz,1H,H1’),6.76(s,br,2H,NH2),7.69(s,1H,H6);13C−NMR(75MHz,[D6]DMSO):δ=25.678(イソプロピリデン−CH3a),27.589(イソプロピリデン−CH3b),52.837(C5),62.046(C5’),81.432(C3’),84.025(C2’),85.985(C4’),89.276(C1’),103.665(C9),113.659(イソプロピリデン−(CH32),127.810(C6),150.218(C8),152.653(C2),157.761(C4);ESI−MS m/z(相対強度):433.2(100)[M+H]+,261.5(8)[4−アミノ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン+H]+
D.4−アミノ−7−(2’,3’−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノシル)−5−[1”−(3”−トリフルオロ−アセトアミド)プロプ−1−イニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、化合物7
溶液6(295mg、0.68mmol)を含む乾燥ジメチルホルアミド中(10ml)に、アルゴン雰囲気下で、ヨウ化銅(I)(39.4mg、0.21mmol)、3−トリフルオロ−アセトアミド−プロプ−1−イン(トリブルスキ(Trybulski)他,(1993)J.Med.Chem.36,3533−3541)(1.05g、6.95mmol)、トリエチルアミン(290μL、2.08mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(118mg、0.10mmol)を加えた。反応混合物を室温にて一夜撹拌した。次いで、Dowex1×8樹脂(1.3g,炭酸水素塩を負荷)およびメタノール/塩化メチレン(1:1混合,15mL)を加えて、反応を停止した。室温にて40分間撹拌した後、混合物をセライトで濾過し、および溶媒を減圧下で除去した。粗産物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール/塩化メチレン7:93で溶出)によって精製し、ヌクレオシド7(305mg,98%)を淡黄色の泡(Rf0.23、メタノール/塩化メチレン7:93)として与えた。
1H−NMR(400MHz,[D6]DMSO):δ=1.31(s,3H,イソプロピリデン−CH3a),1.53(s,3H,イソプロピリデン−CH3b),3.51−3.57(m,2H,H5’),4.13−4.16(m,1H,H4’),4.32(dd,3J=5.22Hz,2H,H3”),4.91(dd,3J=2.75Hz,3J=6.04Hz,1H,H3’),5.12(dd,3J=3.30Hz,3J=6.05Hz,1H,H2’),5.17(t,3J=5.36Hz,1H,5’−OH),6.19(d,3J=3.30Hz,1H,H1’),7.95(s,1H,H6),8.14(s,1H,H2),10.10(t,3J=5.22Hz,1H,3”−NH);13C−NMR(100MHz,[D6]DMSO):δ=25.125(イソプロピリデン−CH3a),27.029(イソプロピリデン−CH3b),29.882(C3”),61.486(C5’),75.846(C2”),80.914(C3’),83.554(C2’),85.579(C4’),86.892(C1”),88.948(C1’),94.417(C5),102.049(C9),112.912(イソプロピリデン−(CH32),115.624(q,1J=286Hz,1H,3),126.825(C6),149.075(C8),152.717(C2),156.070(q,2J=36.4Hz,1H,OCF3),157.299(C4);19F−NMR(376MHz,[D6]DMSO):δ=−69.72(CF3);ESI−MS m/z(相対強度):456.4(12)[M+H]+,284.4(100)[4−アミノ−5−[1’−(3’−トリフルオロアセトアミド)プロプ−1−イニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン+H]+
E.4−アミノ−7−(2’,3’−O−イソプロピリデン−β−D−リボフラノシル)−5−[1”−(3”−トリフルオロ−アセトアミド)プロピル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、化合物8
ヌクレオシド7(305mg、0.67mmol)を含むメタノール(75ml)溶液に酸化白金(IV)を加え、および水素ガスを室温にて5時間溶液中で泡立てた。触媒をセライトによる濾過によって除去し、およびメタノールで洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、および粗産物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール/塩化メチレン5:95で溶出)によって精製した。ヌクレオシド8(248mg、98%)を淡黄色の固体(Rf0.30、メタノール/塩化メチレン5:95)として与えた。
1H−NMR(400MHz,[D6]DMSO):δ=1.31(s,3H,イソプロピリデン−CH3a),1.53(s,3H,イソプロピリデン−CH3b),1.75−1.82(m,2H,H2”),2.75−2.79(m,2H,H1”),3.25−3.30(m,2H,H3”),3.48−3.58(m,2H,H5’),4.06−4.09(m,1H,H4’),4.88(dd,3J=3.02Hz,3J=6.32Hz,1H,H3’),5.11(dd,3J=3.57Hz,3J=6.32Hz,1H,H2’),5.16(t,3J=5.64Hz,1H,5’−OH),6.14(d,3J=3.84Hz,1H,H1’),6.65(s,br,2H,NH2),7.14(s,1H,H6),8.04(s,1H,H2),9.43(t,3J=5.36Hz,3”−NH);13C−NMR(75MHz,[D6]DMSO):δ=23.529(C2”),25.695(イソプロピリデン−CH3a),27.622(イソプロピリデン−CH3b),29.756(C1”),29.258(C3”),62.141(C5’),81.527(C3’),83.620(C2’),85.421(C4’),89.070(C1’),102.459(C9),113.698(イソプロピリデン−(CH32),116.859(q,1J=226.7Hz,3),115.348(C5),120.051(C6),150.858(C8),151.691(C2),156.696(q,2J=35.7Hz,OCF3),157.838(C4);19F−NMR(376MHz,[D6]DMSO):δ=−74.74(CF3);ESI−MS:m/z(相対強度):460.4(88)[M+H]+,288.5(100)[4−アミノ−5−[1’−(3’−トリフルオロアセトアミド)プロリル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン+H]+
F.4−アミノ−7−(2’,3’−O−イソプロピリデン−5’−O−メシル−β−D−リボフラノシル)−5−[1”−(3”−トリフルオロアセトアミド)プロピル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、化合物9
ヌクレオシド8(72mg、157μmol)を含む乾燥塩化メチレンの溶液(7mL)へ、アルゴン雰囲気下でジメチルアミノピリジン(DMAP)(20mg、164μmol)およびトリエチルアミン(66μL、474μmol)を加え、および溶液を0℃へ氷浴中で冷却した。塩化メタンスルホニル(MesCl)(40μL、515μmol)をゆっくり加え、および反応混合物を0℃にて2時間撹拌した。次に、氷冷飽和炭酸水素ナトリウム溶液(1mL)を加えることによって反応を停止し、および有機相を除去した。水層を氷冷クロロホルム(3×2mL)で抽出し、および合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した。濾過後、溶媒を減圧下で除去し、および粗産物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール/塩化メチレン7:93)によって精製し、ヌクレオシド9(40mg、47%)を淡黄色固体[Rf0.47、メタノール/塩化メチレン10:90)として与えた。
1H−NMR(400MHz,[D6]DMSO):δ=1.33(s,3H,イソプロピリデン−CH3a),(1.54(s,3H,イソプロピリデン−CH3b),1.77−1.81(m,2H,H2”),2.77(t,3J=7.42Hz,2H,H1”),3.12(s,3H,メシル−CH3),3.24−3.32(m,2H,H3”),4.31−4.35(m,2H,H5’),4.38−4.42(m,1H,H4’),4.99(dd,3J=2.75Hz,3J=6.32Hz,1H,H3’),5.23(dd,3J=3.02Hz,3J=6.32Hz,1H,H2’),6.23(d,3J=3.02Hz,1H,H1’),6.68(s,br,2H,NH2),7.13(s,1H,H6),8.07(s,1H,H2),9.42(t,br,1H,3”−NH);19F−NMR(376MHz,[D6]DMSO):δ=−74.74(CF3
G.4−アミノ−7−(5’−O−メシル−β−D−リボフラノシル)−5−[1”−(3”−トリフルオロアセトアミド)プロピル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、化合物10
ヌクレオシド9(40mg、74μmol)を含む水溶性トリフルオロ酢酸(TFA)(70%,2mL)を室温で45分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、および残留溶媒をエタノールおよび塩化メチレンで共蒸発させた。粗産物10(Rf0.22、メタノール/塩化メチレン10:90)を下記の反応において直接用いた。
19F−NMR(376MHz,[D6]DMSO):δ=−74.75(CF3
H.4−アミノ−7−(5’−N−アジリジニル−5’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−5−[1”−(3”−アミノプロピル)]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、化合物11
前段階に由来する粗ヌクレオシド10を、乾燥アジリジン(ガブリエル(Gabriel),(1888) Chem.Ber.21 ,2664−2669;ガブリエル(Gabriel)およびステルツナー(Stelzner),(1895) Chem.Ber.28,2929−2938) (1 mL、16.3mmol)およびN−エチルジイソプロピルアミン(EDIA)(300μL、1.8mmol)の混合物に、アルゴン雰囲気下で溶解し、および反応混合物を室温にて4日間撹拌した。反応進行を分析逆相HPLC(プロントシル(Prontosil)−ODS、5μm、120A、250x4.6mm、ビショフ社(Bischoff)、ドイツ・レオンベルク(Leonberg))によって監視した。化合物をアセトニトリル(7%5分間、次いで31.5%へ10分で、35%へ15分で、および70%へ5分での直線グラジエント)を含む酢酸トリエチルアンモニウム緩衝液(0.1M、pH7.0)で流速1mL/分にて溶出した。産物11を保持時間10.2分で溶出した(280nmおよび300nmにてUV検出)。揮発性化合物を減圧下で除去し、および残渣を炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(4mL、0.1M、pH8.6)に溶解した。粗産物を調製逆相HPLC(プロントシル−ODS、5μm、120A、250x8mm、ビショフ社,ドイツ・レオンベルク)によって精製した。化合物をアセトニトリル(7%5分間、次いで21%へ15分で、および70%へ5分での直線グラジエント)を含む炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(0.01M、pH8.6)で流速3mL/分にて溶出した。産物11を含む画分(保持時間16.8分、280nmおよび310nmにてUV検出)を合わせ、および−80℃で保管した。合わせた画分中の産物11(9由来の10mg,39%)の量は、4−アミノ−7−(2’−デオキシ−β−D−エリスロ−ペントフラノシル)−5−[1"−(3"−トリフルオロアセトアミド)ペンチル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの公表された吸光係数ε278=8500Lmol-1cm-1(シーラ(Seela)他,(2000)Helv.Chim.Acta 83,910−927)を用いたUVスペクトル法によって決定した。
I.4−アミノ−7−(5’−N−アジリジニル−5’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−5−[1”−(N”−ビオチニル)−3”−アミノプロピル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、化合物1
ヌクレオシド11(10mg、29μmol)を含むアセトニトリル含有炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(0.1M、pH8.6)の溶液(12mL)へ、N−ヒドロキシスクシンイミジルビオチン(NHSビオチン)(10.2mg、30μmol)を含むジメチルスルホキシド(500μL)を加えた。反応混合物を室温にて2時間撹拌した。反応の進行を分析逆相HPLC(プロントシル(Prontosil)−ODS、5μm、120A、250x4.6mm、ビショフ社(Bischoff)、ドイツ・レオンベルク(Leonberg))によって監視した。化合物をアセトニトリル(7%5分間、次いで31.5%へ10分で、35%へ15分で、および70%へ5分での直線グラジエント)を含む酢酸トリエチルアンモニウム緩衝液(0.1M、pH7.0)で流速1mL/分にて溶出した。産物1を保持時間20.8分で溶出した(280nmおよび300nmにてUV検出)。粗産物を調製逆相HPLC(プロントシル−ODS,5μm、120A、250x8mm、ビショフ社、ドイツ・レオンベルク)によって精製した。化合物をアセトニトリル(7%5分間、次いで31.5%へ5分で、35%へ10分で、および70%へ5分での直線グラジエント)を含む炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(0.01M、pH8.6)で流速3mL/分にて溶出した。産物1を含む画分(保持時間14.8分、280nmおよび300nmにてUV検出)を合わせ、および溶媒を凍結乾燥によって除去した。アジリジン補助因子1(5.2mg,32%)は白色固体として得られた。
1H−NMR(300MHz,[D6]DMSO):δ=1.10−1.15(m,2H,脂肪族ビオチン−H),1.25−1.35(m,4H,アジリジン−H),1.45−1.55(m,2H,脂肪族ビオチン−H),1.55−1.63(m,2H,脂肪族ビオチン−H),1.64−1.72(m,2H,H2”),2.04−2.06(m,2H,脂肪族ビオチン−H),2.28−2.34(m,2H,H5’a),2.46−2.50(m,2H,H5’b),2.54−2.58(m,1H,ビオチン−SCH2a),2.72−2.77(m,2H,H1”),2.77−2.83(m,1H,ビオチン−SCH2b),3.05−3.16(m,3H,ビオチン−SCH,H3”),3.89−3.94(m,1H,H4’),4.08−4.15(m,2H,ビオチン−SCHRC,H3’),4.25−4.34(m,2H,ビオチン−SCH2,H2’),6.05(d,3J=5.69Hz,1H,H1’),6.35(s,1H,ビオチン−NHa),6.42(s,1H,ビオチン−NHb),6.53(s,2H,NH2),7.10(s,1H,H6),7.79(t,3J=5.69Hz,1H,3”−NH),8.03(s,1H,H2);ESI−MS:m/z(相対強度):575.25(100)[M+H]+,418.18(7)[4−アミノ−5−[1’−(N−ビオチニル)−3’−アミノプロピル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン+H]+
実施例4:アジリジン補助因子2の合成
補助因子2の合成はスキーム3に示す通り実施された。合成の詳細を下記に示す(プリンについてのIUPAC番号が用いられている)。
Figure 0004886679
スキーム3:アジリジン補助因子2の合成。
A.4−アミノ−7−(2’,3’−O−イソプロピリデン−5’−O−メシル−β−D−リボフラノシル)−5−[1”−(3”−トリフルオロアセトアミド)プロプ−1−イニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、化合物12
ヌクレオシド7(100mg、220μmol、実施例3D)を含む乾燥塩化メチレンの溶液(10mL)へ、アルゴン雰囲気下でジメチルアミノピリジン(DMAP)(26.8mg、220μmol)およびトリエチルアミン(92μL、660μmol)を加えた。溶液を0℃へ冷却した後、塩化メタンスルホニル(MesCl)(25.2μL、330μmol)をゆっくり加え、および反応混合物を0℃にて1.5時間撹拌した。次に、氷冷飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2mL)を加えることによって反応を停止した。有機相を除去し、および水層を氷冷クロロホルム(3x4mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した。濾過後、溶媒を減圧下で除去し、および粗産物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール/塩化メチレン7:93)によって精製し、ヌクレオシド12(62mg、54%)を淡黄色泡[Rf0.39、メタノール/塩化メチレン10:90)として与えた。
1H−NMR(400MHz,[D6]DMSO):δ=1.32(s,3H,イソプロピリデン−CH3a),1.54(s,3H,イソプロピリデン−CH3b),3.13(s,3H,メシル−CH3),4.32(d,3J=5.22Hz,2H,H3”),4.33−4.37(m,2H,H5’),4.40−4.43(m,1H,H4’),5.02(dd,3J=3.03Hz,3J=6.32,1H,H3’),5.26(dd,3J=2.35Hz,3J=6.32,1H,H2’),6.25(d,3J=2.75Hz,1H,H1’),7.74(s,1H,H6),8.15(s,1H,H2),10.11(t,3J=5.22Hz,1H,3”−NH);19F−NMR(376MHz,[D6]DMSO):δ=−74.317(CF3)。
B.4−アミノ−7−(5’−O−メシル−β−D−リボフラノシル)−5−[1”−(3”−トリフルオロアセトアミド)−プロプ−1−イニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、化合物13
ヌクレオシド12(48mg、90μmol)を含む水溶性トリフルオロ酢酸(TFA)(70%、3mL)を室温で一夜撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、および残留溶媒をエタノールで2回および塩化メチレンで1回共蒸発させた。産物13(Rf0.38、メタノール/塩化メチレン10:90)を下記の反応において直接用いた。
1H−NMR(300MHz,[D6]DMSO):δ=3.19(s,3H,メシル−CH3),3.60−4.00(m,3H,H5’およびH4’),4.10−4.16(m,1H,H3’),4.33(d,3J=5.19Hz,2H,H3”),4.40−4.44(m,1H,H2’),6.11(d,3J=5.69Hz,1H,H1’),7.86(s,1H,H6),8.29(s,1H,H2),10.12(s,br,1H,3”−NH);19F−NMR(282MHz,[D6]DMSO):δ=−74.293(CF3)。
C.4−アミノ−7−(5’−N−アジリジニル−5’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−5−[1"−(3"−アミノプロプ−1−イニル)]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、化合物14
前段階に由来する粗ヌクレオシド13(41mg、83μmol)を、乾燥アジリジン(ガブリエル(Gabriel),(1888)Chem.Ber.21,2664−2669;ガブリエル(Gabriel)およびステルツナー(Stelzner),(1895) Chem.Ber.28,2929−2938)(1mL、16.3mmol)およびN−エチルジイソプロピルアミン(EDIA)(300μl、1.8mmol)の混合物に、アルゴン雰囲気下で溶解しおよび室温にて4日間撹拌した。反応進行を分析逆相HPLC(プロントシル(Prontosil)−ODS、5μm、120A、250x4.6mm、ビショフ社(Bischoff)、ドイツ・レオンベルク(Leonberg))によって監視した。化合物をアセトニトリル(7%5分間、次いで31.5%へ10分で、35%へ15分で、および70%へ5分での直線グラジエント)を含む酢酸トリエチルアンモニウム緩衝液(0.1M、pH7.0)で流速1mL/分にて溶出した。産物14は保持時間13.5分で溶出した(254nmおよび280nmにてUV検出)。揮発性化合物を減圧下で除去し、および残渣を炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(0.01M、pH8.6)に溶解した。粗産物を調製逆相HPLC(プロントシル−ODS、5μm、120A、250x8mm、ビショフ社、ドイツ・レオンベルク)によって精製した。化合物をアセトニトリル(7%5分間、次いで28%へ5分で、42%へ15分で、および70%へ5分での直線グラジエント)を含む炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(0.01M、pH8.6)で流速3mL/分にて溶出した。産物14(保持時間15.7分、280nmおよび300nmにてUV検出)を含む画分を合わせた。合わせた画分(12.5mL)中の産物14の量(2.3mg,8.1%)は、4−アミノ−7−(2’−デオキシ−β−D−エリスロペントフラノシル)−5−[1"−(3"−トリフルオロアセトアミド)プロプ−1−イニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンの公表された吸光係数ε278=14200Lmol-1cm-1(シーラ(Seela)およびズラウフ(Zulauf),(1999) Helv.Chim.Acta 82,1878−1898)を用いたUVスペクトル法によって決定した。
D.4−アミノ−7−(5’−N−アジリジニル−5’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−5−[1"−(N"−ビオチニル)−3"−アミノプロプ−1−イニル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、化合物2
ヌクレオシド14(2.3mg、6.7μmol)を含むアセトニトリル含有炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(0.01M、pH8.6)の溶液(12.5mL)へ、N−ヒドロキシスクシンイミジルビオチン(NHSビオチン)(15mg、44μmol)を含むジメチルスルホキシド(400μL)を加えた。反応混合物を室温にて2時間撹拌した。反応の進行を分析逆相HPLC(プロントシル(Prontosil)−ODS、5μm、120A、250x4.6mm、ビショフ社(Bischoff)、ドイツ・レオンベルク(Leonberg))によって監視した。化合物をアセトニトリル(7%5分間、次いで31.5%へ10分で、35%へ15分で、および70%へ5分での直線グラジエント)を含む酢酸トリエチルアンモニウム緩衝液(0.1M、pH7.0)で流速1mL/分にて溶出した。産物2は保持時間17.5分で溶出した(254nmおよび280nmにてUV検出)。粗産物を調製逆相HPLC(プロントシル−ODS、5μm、120A、250x8mm、ビショフ社、ドイツ・レオンベルク)によって精製した。化合物をアセトニトリル(7%5分間、次いで28%へ5分で、42%へ15分で、および70%へ5分での直線グラジエント)を含む炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(0.01M、pH8.6)で流速3mL/分にて溶出した。産物2を含む画分(保持時間16.0分、280nmおよび300nmにてUV検出)を含む画分を合わせ、および溶媒を凍結乾燥によって除去した。アジリジン補助因子2(1.0mg、26%)は白色固体として得られた。
ESI−MS:m/z(相対強度):571.5(100)[M+H]+
実施例5:アジリジン補助因子3の合成
補助因子3の合成はスキーム4に示す通り実施された。合成の詳細を下記に示す。
Figure 0004886679
スキーム4:アジリジン補助因子3の合成。
A.N6−[1"−(4"−アミノブチル)]−2’,3’−O−イソプロピリデンアデノシン、化合物15
1,4−ジアミノブタン(1.05g、11.9mmol)およびトリエチルアミン(1.70mL、6.92mmol)を含むエタノール(5mL)の溶液へ、6−クロロ−2’,3’−O−イソプロピリデンアデノシン(カペラー(Kappler)およびハンプトン(Hampton),(1990) J.Med.Chem.33,2545−2551)(0.97g、2.97mmol)を含むエタノール(50mL)の溶液をゆっくり添加し、および反応混合物を60℃にて18時間撹拌した。溶媒および過剰の試薬を減圧下で除去し、粗ヌクレオシド15(1.07g、95%)を白色固体として与えた。
1H−NMR(300MHz、[D6]DMSO):δ=1.33(s,3H,イソプロピリデン−CH3a),1.56(s,3H,イソプロピリデン−CH3b),1.58−1.70(m,4H,H2",H3"),2.55−2.62(m,2H1H4"),3.46−3.54(m,2H,H1"),3.54−3.60(m,2H,H5'),4.22−4.26(m,1H,H4'),4.98(dd,3J=2.48Hz,3J=6.19Hz,1H,H31),5.34(dd,3J=2.97Hz,3J=6.18Hz,1H,H2'),6.13(d,3J=2.97Hz,1H,H1'),8.00(s,br,1H,6−NH),8.23(s,1H,H8),8.37(s,1H,H2)。
B.N6−[1"−(4"−トリフルオロアセトアミド)ブチル]−2’,3’−O−イソプロピリデンアデノシン、化合物16
ヌクレオシド15(1.05g、2.77mmol)およびトリエチルアミン(0.96mL、6.92mmol)を含むメタノール(50mL)の溶液へ、トリフルオロ酢酸エチルエステル(1.9mL、16.6mmol)を添加した。反応混合物を室温にて一夜撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、および粗産物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)によって精製し、ヌクレオシド16(0.87g、66%)を白色固体(Rf0.20、酢酸エチル)として与えた。
1H−NMR(300MHz、[D6]DMSO):δ=1.33(s,3H,イソプロピリデン−CH3a),1.55(s,3H,イソプロピリデン−CH3b),1.57−1.61(m,4H,H2",H3"),3.18−3.24(m,2H,H4"),3.43−3.62(m,4H,H5’,H1"),4.20−4.24(m,1H,H4’),4.97(dd,3J=2.47Hz,3J=6.18Hz,1H,H3'),5.24(t,3J=5,57Hz,1H,5’−OH)15.34(dd,3J=2.97Hz,3J=6.19Hz,1H,H2’),6.13(d,3J=2.97Hz11H,H1r),7.92,(s,br,1H16−NH)18.23(s,1H,H8),8.34(s,1H1H2),9.41(t,3J=5.44Hz,1H、4"−NH);19F−NMR(282MHz、[D6]DMSO):δ=−74.353;ESI−MS:m/z(相対強度):475.7(100)[M+H]+,303.7(27)[N6−[1"−(4"−トリフルオロアセトアミド)ブチル]アデニン+H]+
C.N6−[1"−(4"−トリフルオロアセトアミド)ブチル]−2’,3’−O−イソプロピリデン−5’−O−メシル−アデノシン、化合物17
ヌクレオシド16(0.85g、1.79mmol)を含む乾燥塩化メチレン(60mL)の溶液へ、アルゴン雰囲気下でジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.22g、1.79mmol)およびトリエチルアミン(6.24mL、44.4mmol)を加え、および溶液を0℃へ氷浴中で冷却した。塩化メタンスルホニル(1.39mL、17.9mmol)をゆっくり加え、および反応混合物を0℃にて2時間撹拌した。氷冷飽和炭酸水素ナトリウム溶液(15mL)を加えることによって反応を停止し、および有機層を除去した。水層を氷冷クロロホルム(3x25mL)で抽出し、および合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥した。ろ過後、溶媒を減圧下で除去し、および粗産物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、メタノール/塩化メチレン5:95)によって精製し、ヌクレオシド17(0.85mg、86%)を淡黄色固体[Rf0.21、メタノール/塩化メチレン5:95)として与えた。
1H−NMR(300MHz、[D6]DMSO):δ=1.34(s,3H1イソプロピリデン−CH3a),1.56(s,3H,イソプロピリデン−CH3b),1.56−1.64(m,4H,H2",H3"),3.11(s,3H,メシル−CH3),3.16−3.23(m,2H,H4"),3.25−3.36(m,2H,H1"),4.36−4.50(m,3H,H5’,H4’),5.07−5.11(m,1H,H3’),5.45(dd,3J=2.23Hz,3J=6.43Hz,1H,H2’),6.25(d,3J=2.23Hz,1H,H1'),7.90(s,br,6−NH),8.24(s,1H,H8),8.31(s,1H,H2),9.45(t,3J=4.70Hz,1H,4"−NH);19F−NMR(282MHz、[D6]DMSO):δ=−74.35;ESI−MS:m/z(相対強度):591.1(10)[M+K]+,575.1(15)[M+Na]+,553.3(17)[M+H]+,457.5(100)[シクロヌクレオシド]。
D.N6−[1"−(4"−トリフルオロアセトアミド)ブチル]−5’−O−メシルアデノシン、化合物18
ヌクレオシド17(500mg、0.905mmol)をギ酸水溶液(50%、35mL)に溶解し、および反応混合物を室温にて3日間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、および残存する溶媒を水/メタノール(1:1、3x10mL)と共蒸発させた。高真空で乾燥後、ヌクレオシド18(447mg、96%)を白色固体(Rf0.17、メタノール/塩化メチレン5:95)として得た。
1H−NMR(400MHz,[D6]DMSO):δ=1.66−1.86(m,4H,H2",H3"),3.16(s,3H,メシル−CH3),3.18−3.24(m,2H,H4"),3.25−3.39(m,2H,H1"),4.13−4.18(m,1H,H4’),4.23−4.28(m,1H,H3’),4.40−4.55(m,2H,H5’),4.64−4.69(m,1H,H2'),5.48(s,br,1H,OH),5.63(s,br,1H,OH),5.95(d,3J=5.50Hz,1H,H1'),7.90(s,br,1H,6−NH),8.22(s,1H,H8),8.32(s,1H,H2),9.41(t,3J=5.50Hz,1H,4"−NH);19F−NMR(376MHz,[D6]DMSO):δ=−78.01;ESI−MS:m/z(相対強度):535.2(5)[M+Na]+,513.3(100)[M+H]+,417.7(9)[シクロヌクレオシド].
E.5’−N−アジリジニル−N6−[1"−(4"−アミノブチル)]−5’−デオキシアデノシン、化合物19
ヌクレオシド18(150mg、0.292mmol)を、乾燥アジリジン(1.1mL、17.9mmol)(ガブリエル(Gabriel),(1888)Chem.Ber.21,2664−2669; ガブリエル(Gabriel)およびステルツナー(Stelzner),(1895) Chem.Ber.28,2929−2938))およびN−エチルジイソプロピルアミン(EDIA)(3mL、18mmol)の混合物に、アルゴン雰囲気下で溶解しおよび室温にて3日間撹拌した。反応進行を分析逆相HPLC(プロントシル(Prontosil)−ODS、5μm、120A、250x4.6mm、ビショフ社(Bischoff)、ドイツ・レオンベルク(Leonberg))によって監視した。化合物をアセトニトリル(14%5分間、次いで31.5%へ10分で、35%へ10分で、および70%へ5分での直線グラジエント)を含む酢酸トリエチルアンモニウム緩衝液(0.1M、pH7.0)で流速1mL/分にて溶出した。産物19は保持時間4.4分で溶出した(280nmおよび300nmにてUV検出)。揮発性化合物を減圧下で除去し、および粗産物を、調製逆相HPLC(プロントシル−ODS、5μm、120A、250x8mm、ビショフ社、ドイツ・レオンベルク)による精製前に、炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(0.01M、pH8.6、2mL)に溶解した。化合物をアセトニトリル(7%5分、次いで21%へ15分で、および70%へ5分での直線グラジエント)を含む炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(0.01M、pH8.6)で流速3mL/分にて溶出した。産物19(保持時間17.4分、280nmおよび300nmにてUV検出)を含む画分を−80℃にて保存した。合わせた画分(30mL)中の産物19の量(10.1mg、10%)は、N6−[1"−(4"−アミノブチル]−2’,3’−O−メトキシ−エチリデンアデノシンの公表された吸光係数ε267=16000Lmol-1cm-1 (Murata et al.,(1980)J.Med.Chem.23,781−786)を用いたUVスペクトル法によって決定した。
ESI−MS:m/z(相対強度):364.3(11)[M+H]+
F.5’−N−アジリジニル−N6−[1"−(N"−ビオチニル)−4"−アミノブチル]−5’−デオキシアデノシン、化合物3
ヌクレオシド19(10.1mg、27.8μmol)を含むアセトニトリル含有炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(0.01M、pH8.6)の溶液(30mL)へ、N−ヒドロキシスクシンイミジルビオチン(NHSビオチン)(12.2mg、36μmol)を含むジメチルスルホキシド(2mL)を加えた。反応混合物を室温にて40分間撹拌した。反応進行を分析逆相HPLC(プロントシル(Prontosil)−ODS、5μm、120A、250x4.6mm、ビショフ社(Bischoff)、ドイツ・レオンベルク(Leonberg))によって監視した。化合物をアセトニトリル(14%5分間、次いで31.5%へ10分で、35%へ10分で、および70%へ5分での直線グラジエント)を含む酢酸トリエチルアンモニウム緩衝液(0.1M、pH7.0)で流速1mL/分にて溶出した。産物19は保持時間19.1分で溶出した(280nmおよび300nmにてUV検出)。調製逆相HPLC(プロントシル−ODS、5μm、120A、250x8mm、ビショフ社、ドイツ・レオンベルク)によって精製された粗産物および化合物をアセトニトリル(14%5分、次いで31.5%へ5分で、35%へ10分で、および70%へ5分での直線グラジエント)を含む炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(0.01M、pH8.6)で流速3mL/分にて溶出した。産物3(保持時間14.3分、280nmおよび300nmにてUV検出)を含む画分を合わせおよび凍結乾燥によって乾燥した。アジリジン補助因子3(3.0mg、18%)は白色固体として得られた。
1H−NMR(400MHz,[D6]DMSO):δ=1.18−1.15(m,2H,脂肪族H),1.32−1.36(m,2H,脂肪族H),1.36−1.45(m,8H,4x脂肪族H,4xアジリジン−H),1.48−1.55(m,4H,脂肪族H),1.97(t,3J=7.42Hz,2H,脂肪族H),2.60−2.72(m,2H,ビオチン−SCH2),2.84−2.99(m,2H,H5’),2.99−3.05(m,1H,ビオチン−SCH),3.18−3.22(m,2H,脂肪族H),3.80−3.91(m,1H,H4’),4.02−4.10(m,1H,ビオチン−SCHRC),4.15−4.19(m,1H,H3’),4.20−4.23(m,1H,ビオチン−SCH2),4.56−4.60(m,1H,H2’),5.20(s,br,1H,OH),5.40(s,br,1H,OH),5.79−5.83(m,1H,H1’),6.30(s,br,1H,ビオチン−NHa),6.39(s,br,1H,ビオチン−NHb),7.70(t,3J=5.49Hz,1H,14”−NH),7.75(m,1H,6−NH),8.10(s,1H,H8),8.22(s,1H,H2);ESI−MS:m/z(相対強度):612.6(53)[M+Na]+,590.5(100)[M+H]+,433.6(12)N6−[1”−(N”−ビオチニル)−4”−アミノブチル]−アデニン+H]+
実施例6:DNAの道路障壁修飾(ROAD BLOOK MODIFICATION)
A.概念
下記の実験手法は、核酸分子の立体的に過酷な修飾は前記核酸分子の増幅の減少または遮断に繋がりうるという考えに基づく。その修飾はDNA−メチルトランスフェラーゼのための特異的認識配列に導入される。その修飾の前提条件は、これらの側でのメチル化は立体的に過酷なアジリジン補助因子でのさらなる修飾を妨げるため、非メチル化認識配列の存在である。その後、非メチル化DNA鎖だけが増幅を妨げられる(立体的に過酷なアジリジン誘導体の存在によって)、一方メチル化DNA鎖(アジリジン誘導体で修飾できない)は以降のPCR反応で増幅されうる。この概念が下記のスキーム(スキーム1)に要約される。
Figure 0004886679
スキーム5:DNAのメチル化パターンを決定するための「道路障壁」概念。左:非メチル化DNA−MTアーゼ認識配列(灰色棒)はDNA−MTアーゼおよびアジリジン補助因子を用いることによって配列特異的に修飾され、そのためDNA増幅(たとえば以降のPCR反応での)が妨害または遮断される。右:メチル化DNA−Mtアーゼ認識配列はアジリジン補助因子によって修飾できず、そのため対応するDNAが増幅できる(たとえば以降のPCR反応で)。
被験DNAはヘモフィルス・ヘモリティカス(Haemophilus haemolyticus)由来DNA−MTアーゼ(M.HhaI)を用いて修飾された。M.HhaIは活性化メチル基の天然補助因子S−アデノシル−L−メチオニン(AdoMet)から二本鎖配列5’GCGC−3’内の最初のシトシン残基の5位への転移を触媒し(スキーム6)およびそれによって被験DNAの5’−GCGC−3’−配列を修飾できる。
Figure 0004886679
スキーム6:M.HhaIに触媒される反応。
加えて、本酵素は配列特異的メチルトランスフェラーゼに誘導されるDNA標識化(SMILingDNA)にかなり有用である。さらに、MQ1(M.SssI)をSMILing DNA法の範囲での有用性に関して分析した。M.SssIは5’−GCGC−3’認識配列を有する唯一公知であるシトシン特異的細菌DNA−MTアーゼであり、および潜在的に、(ヒト)DNAのCpGモチーフのメチル化状態を分析するのに用いることができる。
Figure 0004886679
スキーム7:M.SssIに触媒される反応。
M.SssIは高い酵素活性を有し、および大腸菌(Escherichia coli)における発現によって製造されうる。さらに、M.SssIは単純なアジリジン補助因子Azを用いてDNA−分子を修飾できることを実験が示している(スキーム7)。
B.M.HhaIおよび7BAzを用いることによるDNAの配列特異的標識化
被験DNAに沿った320塩基対を本文書に記載の通り調製した。この被験DNAは13個の5’−GCGC−3’M.HhaI認識配列を含み、そのうち2個は重複する(図3、左)。
被験DNA、M.HhaIおよび7BAzを3時間、緩衝液中で37度にて3時間インキュベートした。その後、熱失活した酵素および修飾DNAは市販のキットによって精製された。同時に、対照反応(M.HhaI無しまたは7BAz無し)を実施し、およびDNA試料を「リアルタイム」PCRによって分析した。
修飾は、修飾認識配列では切断できない制限エンドヌクレアーゼR.HhaIを用いることによって試験した。被験DNAをM.HhaIおよび7BAzと共にインキュベート後、DNAはR.HhaI活性に対して完全に保護されていた(図3、右)。M.HhaIおよび/または7BAz無しの2つの対照は完全に消化された(すなわち切断された)。修飾DNA上のビオチン残基の存在もまた、電気泳動移動度シフト検定を用いることによって分析された。ストレプトアビジンの添加は、修飾DNAの電気泳動移動度に対して著しい影響を有した(図4、右)。一方、M.HhaIまたは7BAz無しの対照は、この検定ではDNAの移動度に本質的に差を示さなかった。
C.M.HhaIおよび6TexAzを用いることによるDNAの配列特異的標識化
N−アデノシルアジリジン補助因子7BAzは534g/molの分子量を有する。立体的により過酷な補助因子の特性を試験するため、1065g/molの分子量を有するN−アデノシルアジリジン誘導体6TexAzが合成された(スキーム8)。
Figure 0004886679
スキーム8:立体的に過酷なN−アデノシルアジリジン補助因子6TexAz(補助因子4)の合成。
合成は、6BAzを基礎とした。6−クロロプリン−9−β−D−リボフラノシドから開始し、二次水酸基はアセトニドとして保護され、ジアミノブタン−リンカーは6位で導入され、およびリンカーの一次アミノ官能基はトリフルオラセタミドとして保護された。引き続き、5´水酸基をメシラートとして活性化し、イソプロピリデン保護基を除去し、およびアジリジン基は、求核置換によって5´位で導入した。調製中のアルカリ条件の結果、テキサスレッドのNHS−エステルとの最終反応に利用できるよう、リンカーの一次アミノ官能基の脱保護を生じる。
配列特異的DNA標識のために(図4、左)、被験DNAをM.HhaIおよび6TexAzで緩衝液中で37℃にて15時間インキュベートした。
引き続き、酵素は加熱することによって不活性化され、および修飾DNAは市販のキットによって精製した。加えて、M.HhaIの非存在下でまたは、6TexAzの非存在下で並列制御を実施した。3つのDNA試料を「リアルタイム」PCR実験で分析した。
標識化反応を確認するために、3つの試料をR.HhaIで処理した。M.HhaIおよび6TexAzで被験DNAをインキュベートした後、被験DNAは、R.HhaIによる消化から完全に保護された(図4、右)。一方では、M.HhaIまたは6TexAzのない両対照試料は、完全な消化を示した。
D.M.SssIの補助因子としてのN−アデノシルアジリジン誘導体6BAz
ヒトDNAのDNAメチル化状態を分析するためには、DNA−MTaseであるM.SssIはM.HhIと比較して、各メチル化CpG−モチーフを修飾できないため特に有用でありうる。したがって、SMILingDNA技術のためにおよびそれゆえ「障害物」概念に対して、M.SssIが原則として有用かどうかを試験した。M.SssIが非複合体アジリジン補助因子Azを基質として用い、およびDNAにそれをカップリングできることが公知であった(スキーム7)。一方では、8または7位のリンカーでビオチン基とカップリングするN−アデノシルアジリジン8BAzおよび7BAzは、DNA分子上に転移できない(スキーム9)。これは、M.SssIの補助因子結合ポケットによる好ましくない立体障害の結果でありうる。
Figure 0004886679
スキーム9:M.SssIの補助因子としてのN−アデノシルアジリジン誘導体
M.SssIによって媒介された6BAzの変換を、二本鎖オリゴデオキシヌクレオチドおよび精製されたDNA−メチルトランスフェラーゼ用いて研究した。反応条件(緩衝液のpHおよび組成物、温度、M.SssIの量)を調整および最適化した後、ヘミメチル化二本鎖オリゴデオキシヌクレオチドの60%を、2時間の反応で標識化した。非メチル化二本鎖オリゴデオキシヌクレオチドを用いた場合、約100%を標識化した。これらの結果の相違は、酵素調製中の微量の天然補助因子AdoMetの存在に起因しうる。
要約すると、DNA−MTアーゼM.HhaIを用いた被験DNAの配列特異的標識化は、アジリジン補助因子6TexAzおよび7BAzについて定量的変換を示した。標識化DNA試料および対照DNA試料が「リアルタイム」PCR反応で試験された。両方の対照と比較して、増幅反応は両方の対照と比較して明らかに損なわれた。増幅低下は6TexAz標識化被験DNAがPCRテンプレートとして用いられた際にさらにより顕著であった。これらの結果は、「道路障壁」概念がDNA−MTアーゼの非メチル化認識配列の検出に有用であることを実証する。
加えて、6BAzはDNA−MTアーゼM.SssIのためのアジリジン補助因子であり、そのためDNA中のすべての非メチル化CpGモチーフの配列特異的修飾が可能であるはずなことが示された。DNAメチル化パターンの検出にための有効な方法は、したがって、アジリジン標識化DNAの「リアルタイム」PCRを基礎とすることができる。.
E.方法
E1.M.HhaIおよび7BAzを用いた被験DNAの配列特異的標識化
被験DNA(1.2μg、320bp、M.HhaIの認識配列13個、0.6μg/M M.HhaI認識配列)、M.HhaI(1.2μM)および7BAz(80μM)を含みトリス/HCl(10mM、pH7.4)、NaCl(50mM)、EDTA(0.05mM)および2−メルカプトエタノール(2mM)から成る緩衝液(118μl)を3時間37℃にてインキュベートした。DNAをまたM.HhaIまたは7BAzの非存在下でインキュベートした(対照)。その後、試料を20分間80℃へ加熱した。DNAは、キアゲン社(QUIAGEN)(ヒルデン(Hilden))のキアクイック(QIAquick)PCR精製キットを用いて取扱説明書に従って精製し、DNAは緩衝液(40μL、10mMトリス/HCl、pH8.5)で溶出した。
制限分析は、3.3μLの精製標識化DNA(または対照)を緩衝液(7.7μL、10mMトリス/HCl、pH7.9、15mM MgCl2、75mM NaClおよび1mM 1,4−ジチオスレイトール)およびR.HhaI(8U)を含むトリス/HCl(10mM、pH7.9)、MgCl2(10mM)、NaCl(50mM)、1,4−ジチオスレイトール(1mM)およびBSA(2.2μg/μL)から成る緩衝液(9μL)と共に3時間37℃にてインキュベートすることによって実施した。その後、試料を20分間80℃にてインキュベートし、プロテイナーゼK溶液(1μL、20μg/μLを含む10mMトリス/HCl、pH7.5、キアゲン(QIAGEN)プロテイナーゼK)を加え、次いで30分間37℃にておよび20分間80℃にてインキュベートした。その後、試料を試料緩衝液(2μL、0.25%ブロモフェノールブルーおよび30%グリセロール)と混合し、および1%アガロースゲルで分析した。
電気泳動移動度シフト検定:3.3μLの精製標識化DNA(または対照)を緩衝液(7.7μL、10mMトリス/HCl、pH7.9、15mM MgCl2、75mM NaClおよび1mM 1,4−ジチオスレイトール)およびストレプトアビジン溶液(2μL、2.0μg/μL)と混合し、および3時間37℃にてインキュベートした。その後、試料を試料緩衝液(2μL、0.25%ブロモフェノールブルーおよび30%グリセロール)と混合し、および1%アガロースゲルで分析した。
E2.立体的に過酷なアジリジン補助因子6TEXAZの合成
6TexAzは本質的にスキーム8に記載の通り合成された。テキサスレッドのNHSエステル(2.2μM)をDMSO(1.2mL)に可溶化し、5’−アジリジニル−N6−[1”−(4”−アミノブチル)]−5’−デスオキシアデノシン(1.8μmolを含む10mM炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液および30%アセトニトリル)の溶液1.35mLと混合し、および30分間室温にて撹拌した。調製逆相HPLC(プロントシル−ODS、5μm、120A、250x8mm、ビショフ社(Bischoff)、レオンベルク(Leonberg))による反応の対照(HPLC対照)の後、産物を精製した。産物はアセトニトリル(21%5分間、続いて5分間で70%への直線グラジエントおよび70%定組成10分間)を含む炭酸水素トリエチルアンモニウム緩衝液(10mM、pH8.5)を用いて3mL/分にて溶出した。産物を含む画分(保持時間13.5分、280および595nmにてUV検出)を回収しおよび凍結乾燥し、赤色の固体化合物をDMSO100μLに溶解した。アジリジン補助因子6TexAzの収率(17%)はUVスペクトル法により決定した(ε595=80.000cm-1-1)。
E3.M.HhaIおよび6TexAzを用いた被験DNAの配列特異的標識化
被験DNA(1.0μg、320bp、M.HhaIの認識配列13個、0.6μg/M M.HhaI認識配列)、M.HhaI(1.2μM)および6TexAz(60μM)を含みトリス/HCl(10mM、pH7.4)、NaCl(50mM)、EDTA(0.05mM)および2−メルカプトエタノール(2mM)から成る緩衝液(100μL)を15時間37℃にてインキュベートした。平行対照として、被験DNAをM.HhaIまたは6TexAzの非存在下でインキュベートした。その後、試料を20分間80℃へ加熱した。DNAは、キアゲン社(QUIAGEN)(ヒルデン(Hilden))のキアクイック(QIAquick)PCR精製キットを用いて取扱説明書に従って精製し、DNAは緩衝液(50μL、10mMトリス/HCl、pH8.5)で溶出した。
制限分析は、5.0μLの精製標識化DNA(または対照)を緩衝液(5.0μL、20mMトリス/HCl、pH7.9、15mM MgCl2、100mM NaClおよび2mM 1,4−ジチオスレイトール)およびR.HhaI(8U)を含むトリス/HCl(10mM、pH7.9)、MgCl2(10mM)、NaCl(50mM)、1,4−ジチオスレイトール(1mM)およびBSA(2.2μg/μL)から成る緩衝液(9μL)と共に3時間37℃にてインキュベートすることによって実施した。その後、試料を20分間80℃にてインキュベートし、プロテイナーゼK溶液(1μL、20μg/μLを含む10mMトリス/HCl、pH7.5、キアゲン(QIAGEN)プロテイナーゼK)を加え、次いで30分間37℃にておよび20分間80℃にてインキュベートした。その後、試料を試料緩衝液(2μL、0.25%ブロモフェノールブルーおよび30%グリセロール)と混合し、および1%アガロースゲルで分析した。
E4.ビオチン化アジリジン補助因子3のヘミメチル化二本鎖オリゴデオキシヌクレオチドI・IIおよび非メチル化二本鎖オリゴデオキシヌクレオチドI・IIIとのM.SssIに触媒されるカップリング
ビオチン基がアデニン環の6位に結合したアジリジン補助因子3はM.SssIの基質である(スキーム10)。これは図5に示されている。
Figure 0004886679
スキーム10:ビオチン化アジリジン補助因子3のヘミメチル化二本鎖オリゴデオキシヌクレオチドI・IIとのM.SssIに触媒されるカップリング(M=5−メチル−2’−デオキシシチジン)。
ヘミメチル化二本鎖オリゴデオキシヌクレオチドI・IIの溶液(1μM、I=5’−TGTCAGCGCATGA−3’、II=5’−TCATGMGCTGACA−3’、M=5−メチル−2’−デオキシシチジン)または非メチル化二本鎖オリゴデオキシヌクレオチドI・III(1μM、I=5’−TGTCAGCGCATGA−3’、III=5’−TCATGCGCTGACA−3’)、アジリジン補助因子3(100μM)およびM.SssI(2μM)を含む緩衝液(10mMトリス塩酸、pH7.4、50mM塩化ナトリウム、10mMエチレンジアミンテトラ酢酸および2mMジチオスレイトール)を21℃にてインキュベートした。カップリング反応の進行を陰イオン交換HPLC(ポロス(Poros)10HQ、10μm、4.6x100mm、アプライド・バイオシステムズ社(Applied Biosystems))によって監視した。化合物を塩化カリウム水溶液(0.2M5分間、次いで5分間で0.5Mへ、および30分間で1Mへの直線グラジエント)を含むアジ化ナトリウム(1mM)含有トリス塩酸緩衝液(10mM、pH7.6)で流速4mL/分で溶出した。
3を二本鎖I・IIおよびM.SssIと混合直後、はるかに短い保持時間(7.9分)を有する新規化合物が観察された(図5A)。インキュベート中にこの反応産物の量は増加しおよび開始材料I・IIの量は減少した。反応産物は、260nmおよび280nmでの観察されたUV吸収比(記載せず)に基づき、M.SssIおよびカップリング産物I3・IIの間の非共有タンパク質−DNA複合体に割り当てられる。カップリング産物I3・IIは95℃で10分間のインキュベートによってタンパク質−DNA複合体から放出され、および開始材料I・IIの保持時間(20.2分)と比較して、産物二本鎖I3・IIについてわずかに短い保持時間が観察された(19.4分)。開始二本鎖I・IIの産物二本鎖I3・IIへの変換は約60%であった。3時間後のM.SssIのさらに当量の添加および1時間21℃にてのインキュベートはさらなる産物生成には繋がらず、反応は3時間後に完了したことを示した(記載せず)。この完全でない変換は、酵素調製物中に存在する天然補助因子S−アデノシル−L−メチオニンの量の少なさが原因であり、およびS−アデノシル−L−メチオニンからヘミメチル化二本鎖I・IIへのM.SssIに触媒される、二重にメチル化された二本鎖IMe・IIを生じるメチル基転移がアジリジン補助因子3との反応をブロックする。
この仮定は、非メチル化二本鎖I・IIIを、アジリジン補助因子3とのM.SssIに触媒されるカップリング反応の開始材料として用いて検証された(図5B)。この二本鎖を用いて、M.SssIおよびカップリング産物(I・III)3(保持時間5.3−9.6分)の間の非共有タンパク質−DNA複合体へのほぼ完全な変換が、3時間インキュベートの間に起こった。ここでも、カップリング産物(I・III)3は95℃で10分間のインキュベートによってタンパク質−DNA複合体から放出され、および開始二本鎖I・IIIの保持時間と比較して産物二本鎖(I・III)3についてわずかに短い保持時間が観察された。加えて、産物二本鎖(I・III)3中のビオチン基の存在および機能性はストレプトアビジンの添加によって検証された。過剰のアジリジン補助因子3が最初に、NAP−5カラム(アマシャム・バイオサイエンス社(Amersham Biosciences)、ドイツ・フライブルク(Freiburg))を用いたゲル濾過、およびトリス塩酸(10mM、pH7.4)、塩化ナトリウム(50mM)、エチレンジアミンテトラ酢酸(10mM)およびジチオスレイトール(2mM)での溶出によって除去された。その後、ストレプトアビジン(二本鎖10pmolに対1μgし)を加え、および溶液を室温にて30分間インキュベートした。陰イオン交換HPLC分析(上記参照)は、ストレプトアビジンおよびビオチン化二本鎖(I・III)3との間の複合体の形成に合致する、保持時間14.2分の新規の主要化合物を示した。この複合体に加えて、少量のおそらく二重にメチル化された二本鎖IMe・IIIMeが観察された。
実施例7:道路障壁概念のリアルタイムPCRアプリケーション
核酸分子の共有結合による配列特異的標識化は、N−アデノシルアジリジン誘導体およびメチルトランスフェラーゼといったN−アデノシル−メチオニン類似体を用いて実現できる。しかし、標識化はDNA基質の非メチル化塩基でのみ可能であり、メチル化塩基は標識化できない(図6A)。大きなアジリジン側鎖によるDNA基質の標識化は、その後のPCR増幅反応に対して抑制効果を有すると考えられうる(図6B)。しかし、メチル化DNA基質は効果がないままであろう。この差はリアルタイムPCR(ライトサイクラー)で検出されうる。
(A)DNA基質の調製
「DNAモデル基質」として、ヒトGSTP1遺伝子のプロモーターおよびエキソン1範囲の一部を選択した。このDNA基質はいわゆる重複伸長PCRによって合成した。この方法では、長さが約100bpの各オリゴヌクレオチドを約20bpの重複範囲でハイブリダイズし、およびその後のポリメラーゼ反応で増殖して二本鎖を与えた(図7)。十分な量の基質を引き続く標準PCRで処理した(順方向プライマー:5´−GACCTGGGAAAGAGGGAAAGGC―3’;逆方向プライマー:5´−CTGCGGGTTGGCCCCATGC―3´;変性:96℃にて30秒、アニーリング:59℃にて60秒;増幅:72℃にて30秒;30サイクル)。引き続き配列分析によって合成したDNA基質の正確さを調べた(図8)。
(B)DNA基質のメチル化
その後の標識化実験では、非メチル化およびメチル化(対照目的のため)基質を用いた。完全または部分メチル化DNA基質を調製するために、DNAは、取扱説明書に従って天然メチル基ドナーS−アデノシルメチオニン(SAM)を用いて、メチラーゼM.SssI(認識配列CG)、M.HhaI(認識配列GCGC)およびM.Hpall(認識配列CCGG)で、インキュベートした。引き続き、完全なメチル化または精製の検討を、対応する制限エンドヌクレアーゼHhaIおよびHpaII(メチル化配列が加水分解されていない)を用いて実施し(図9A)、およびその後調製アガロースゲル電気泳動によって精製した(図9B)。
(C)DNA基質の標識化
「道路障壁」概念を検討するために、最初に非メチル化基質のみを用いて、アジリジン誘導体7−BAzで標識した(7−BAzでの標識化に関する実験の詳細は上記実施例6を参照)。引き続き、対応している処理されたDNA基質を、ライトサイクラーでの対照目的のためにRCDへと戻した。
(D)ライトサイクラー中の標識DNA基質の検査
ポリメラーゼ反応に対する7―BAz標識化の影響の可能性を調べるために、対応している標識DNAおよび2つの非標識対照を、ライトサイクラー中でのリアルタイムPCR反応で試験した。この文脈において、DNA基質を前もって希釈し、各反応バッチにつきDNA希釈度1.5ng、150pg、15pg、1.5pgおよび150fgで用いた。全PCRバッチをそれぞれ二回分析した。増幅または検出のために、下記のプライマー/プローブの対を用いた:
順方向プライマー:5’−GACCTGGGAAAGAGGGAAAGGC−3’
逆方向プライマー:5’−CTGCGGGTTGGCCCCATGC−3’
ハイブリダイゼーションプローブ:5’−LC レッド640−GGCGCAGCGGGGCGGG−3’
フルオレセイン−プローブ:5’−CGCCGTGACTCAGCACT―フルオレセイン−3’
さらに予備試験では、2mMの最適MgCl2濃度を決定できた。ライトサイクラーでのすべてのPCR反応は、取扱説明書に従って「ファーストスタートDNAマスターハイブリダイゼーションプローブ」キット(ロシュ社(Roche)、発注番号第2239272号)を用いて実施した。
各反応バッチ:H2O、PCRグレード 7.2μl
MgCl2原液 0.8μl 2mM
順方向プライマー 2.0μl 5μM
逆方向プライマー 2.0μl 5μM
ハイブリダイゼーションプローブ 2.0μl 0.3μM
フルオレセインプローブ 2.0μl 0.3μM
ファーストスタート混合物 2.0μl
DNAテンプレート 2.0μl (150fgから1.5ng)
PCR反応のための陰性対照として、DNAテンプレートではなく、H2O、PCRグレードを用いたバッチ(二重決定)を用いた。
ライトサイクラープログラム:
1.「プレインキュベーション」 10分、95℃
Figure 0004886679
3.「冷却」 1分、37℃
各実施の後、「ライトサイクラーソフトウェア4.0」を用いて評価を実施した。後者によって、PCR中に検出された蛍光信号は、いわゆる「クロッシングポイント」へと変換される。これによって、増幅方向またはポリメラーゼ反応の効率に対して結論を導き出すことができる。
(E)結果および結論
上述のライトサイクラーを用いたリアルタイムPCRを、いくつかの複製バッチで繰り返した。それぞれのバッチを比較する場合、アジリジン標識DNA基質を用いた場合(すなわち後の「クロッシングポイント」)のほうが、非標識DNAテンプレートを用いた対照よりも、反応過程がより遅かったことを示しうる(図10A〜D)。このことは、非メチル化DNA基質のアジリジン標識塩基によってポリメラーゼ反応が遅延したことを意味する。
要約すると本実験の結果は、「道路障壁」概念が非メチル化およびメチル化DNAの識別に使用できることを明確に実証している。
ビオチン化アジリジン補助因子1(A)、2(B)および3(C)の、反応開始時(a)、Aでは3時間、Bでは1.5時間、Cでは6.25時間後(b)、65℃へ30分間追加加熱後(c)およびストレプトアビジンのさらなる追加後(d)に陰イオン交換HPLCで分析した、二本鎖オリゴデオキシヌクレオチドI・IIとのM.HhaIに触媒されるカップリング。 アジリジン補助因子1およびM.HhaIを用いたCpG−メチル化の検出。A:反応スキーム(灰色丸=ストレプトアビジン);B:未修飾(a)、CpGメチル化(b)、CpGメチル化ならびに1およびM.HhaI処理(c)およびビオチン標識化(d)直線化pUC19プラスミドDNA(LpUC19)の電気泳動後のアガロースゲル。レーン1:プラスミドDNA(a)、(b)、(c)または(d);レーン2:プラスミドDNA(a)、(b)、(c)または(d)R.HhaIとインキュベート;レーン3:プラスミドDNA(a)、(b)、(c)、または(d)ストレプトアビジンとインキュベート。 M.HhaIおよび7BAzを用いた被験DNAの配列特異的標識化。左:反応スキーム。右:R.HhaIに対応するストレプトアビジンの添加による標識化反応の試験、その後のアガロースゲル上の電気泳動。 M.HhaIおよび6TexAzを用いた被験DNAの配列特異的標識化。左:反応スキーム。右:R.HhaIの添加による標識化反応の試験、その後のアガロースゲル上の電気泳動。 ビオチン化アジリジン補助因子3の、反応開始時(a)、1時間後(b)、2時間後(c)、3時間後(d)、95℃へ10分間追加加熱後(e)およびストレプトアビジンのさらなる追加後(f)に陰イオン交換HPLCで分析した、ヘミメチル化二本鎖オリゴデオキシヌクレオチドI・II(A)および非メチル化二本鎖オリゴデオキシヌクレオチドI・III(B)とのM.SssIに触媒されるカップリング。 (A)DNA−メチルトランスフェラーゼおよびアジリジン誘導体を用いたDNA標識化の原理;(B)アジリジン標識DNAテンプレートによってPCR増幅を阻害する原理。 (A)DNA−メチルトランスフェラーゼおよびアジリジン誘導体を用いたDNA標識化の原理;(B)アジリジン標識DNAテンプレートによってPCR増幅を阻害する原理。 重複伸長PCRによる基質の合成。 DNA基質の配列分析。 (A)メチル化/部分メチル化DNA基質の産生;(B)メチル化/部分メチル化DNA基質の分析。 (A)メチル化/部分メチル化DNA基質の産生;(B)メチル化/部分メチル化DNA基質の分析。 ライトサイクラー−PCRによる非標識およびアジリジン標識DNA基質の比較(A=1.5ngテンプレートDNA);(B=150pgテンプレートDNA);(C=15pgテンプレートDNA);(D=1.5pgテンプレートDNA)。 ライトサイクラー−PCRによる非標識およびアジリジン標識DNA基質の比較(A=1.5ngテンプレートDNA);(B=150pgテンプレートDNA);(C=15pgテンプレートDNA);(D=1.5pgテンプレートDNA)。 ライトサイクラー−PCRによる非標識およびアジリジン標識DNA基質の比較(A=1.5ngテンプレートDNA);(B=150pgテンプレートDNA);(C=15pgテンプレートDNA);(D=1.5pgテンプレートDNA)。 ライトサイクラー−PCRによる非標識およびアジリジン標識DNA基質の比較(A=1.5ngテンプレートDNA);(B=150pgテンプレートDNA);(C=15pgテンプレートDNA);(D=1.5pgテンプレートDNA)。

Claims (37)

  1. (a)生体分子をS−アデノシル−L−メチオニン依存性メチルトランスフェラーゼとしてのM.HhaIと、前記メチルトランスフェラーゼの検出可能な補助因子の存在下で接触させること、但し、本工程(a)がin vivoにおいて実施される場合にはヒトを除く生物を用いる;および
    (b)前記メチルトランスフェラーゼの認識部位が補助因子またはその誘導体で修飾されているかどうかを検出すること、但し、前記メチルトランスフェラーゼの認識部位の修飾が前記認識部位でのメチル化の非存在を示す、
    を含む、生体分子中の配列特異的メチル化を検出するための方法であって、
    補助因子が式(I)で表されるN−アデノシルアジリジン誘導体である、
    Figure 0004886679
    ここで
    WはNおよびCHから選択され、
    XはNまたはCR1であり、
    YはNH2またはNHR2であり、
    ZはHまたはCH2CH(COOH)(NH2)であり、
    ただし
    XがCR1である場合、YはNH2であり、
    YがNHR2である場合、XはNであり、
    1は−(CH2n4、−(CH=CH)m(CH2n4、−(CH2o(CH=CH)m(CH2n4、−(C≡C)m(CH2n4、−(C≡C)m(C64o(CH2n4、−(C64m(CH2n4、−CO(CH2n4および−S(CH2n4から選択され;
    2は−(CH2n4、−(C64m(CH2n4および−CO(CH2n4から選択され;
    4は−NHR5、−NHCO(CH2pSR5、−SR5、−OR5、−0(C25O)n(C25)NHR5、−CH2NHNHR5、−NHCOCH(CH2SH)NHR5および−CONHR5から選択され;
    5はフルオロフォア、アフィニティタグ、架橋剤、発色団、タンパク質、ペプチド、随意的に修飾されうるアミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、核酸、糖質、脂質、PEG、トランスフェクション試薬、ビーズ、介入剤、核酸切断試薬およびナノ粒子から選択され、および
    n、m、oおよびpは独立して0または1ないし5000の整数から選択される、
    前記方法。
  2. (a)生体分子をS−アデノシル−L−メチオニン依存性メチルトランスフェラーゼとしてのM.SssIと、前記メチルトランスフェラーゼの検出可能な補助因子の存在下で接触させること、但し、本工程(a)がin vivoにおいて実施される場合にはヒトを除く生物を用いる;および
    (b)前記メチルトランスフェラーゼの認識部位が補助因子またはその誘導体で修飾されているかどうかを検出すること、但し、前記メチルトランスフェラーゼの認識部位の修飾が前記認識部位でのメチル化の非存在を示す、
    を含む、生体分子中の配列特異的メチル化を検出するための方法であって、
    補助因子が式(I)で表されるN−アデノシルアジリジン誘導体である、
    Figure 0004886679
    ここで
    WはNおよびCHから選択され、
    XはNであり、
    YはNHR2であり、
    ZはHまたはCH2CH(COOH)(NH2)であり、
    2は−(CH2n4、−(C64m(CH2n4および−CO(CH2n4から選択され;
    4は−NHR5、−NHCO(CH2pSR5、−SR5、−OR5、−0(C25O)n(C25)NHR5、−CH2NHNHR5、−NHCOCH(CH2SH)NHR5および−CONHR5から選択され;
    5はフルオロフォア、アフィニティタグ、架橋剤、発色団、タンパク質、ペプチド、随意的に修飾されうるアミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、核酸、糖質、脂質、PEG、トランスフェクション試薬、ビーズ、介入剤、核酸切断試薬およびナノ粒子から選択され、および
    n、m、oおよびpは独立して0または1ないし5000の整数から選択される、
    前記方法。
  3. 前記生体分子が核酸分子または(ポリ)ペプチドである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 段階(a)がin vitroで、細胞抽出物を用いて、またはヒトを除く生物を用いてin vivoにおいて実施される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記核酸分子がDNAである、請求項3または4の方法。
  6. 段階(a)の前に、DNAを制限酵素で処理する段階をさらに含む、請求項5の方法。
  7. DNA分子が固相担体に固定化されている、請求項5または6の方法。
  8. 固相担体に付加されるオリゴヌクレオチドにDNA分子をハイブリダイゼーションすることによって、DNA分子が固相担体に結合する、請求項7の方法。
  9. (a)式(I)のN−アデノシルアジリジン誘導体がDNAメチルトランスフェラーゼの認識部位での制限酵素切断をブロックし;および
    (b)N−アデノシルアジリジン誘導体によるDNAの修飾が前記認識部位での制限酵素によって媒介される切断をブロックするかどうかを試験することによってメチル化が検出される、
    請求項1〜8のいずれか一つの方法。
  10. (a)式(I)のN−アデノシルアジリジン誘導体がメチルトランスフェラーゼの認識部位での核酸増幅に干渉し;および
    (b)メチル化は、メチルトランスフェラーゼの認識部位での核酸分子の増幅が遅延したかどうかを試験することによって検出される、
    請求項1〜8のいずれか一つの方法。
  11. (a)式(I)のN−アデノシルアジリジン誘導体は蛍光標識を含み;および
    (b)メチル化は、前記核酸分子中の蛍光の存在または量を測定することによって検出される、
    請求項1〜10のいずれか一つの方法。
  12. (a)メチルトランスフェラーゼ認識部位で修飾された核酸分子は、アフィニティ精製によって精製され;および
    (b)式(I)のN−アデノシルアジリジン誘導体、は、アフィニティタグを含む、
    請求項1〜11のいずれか一つの方法。
  13. 式(I)のN−アデノシルアジリジン誘導体は、シトシン残基に付加され、および
    DNA中の5―メチルシトシン残基には付加できない、請求項1〜12のいずれか一つの方法。
  14. 段階(a)の後、DNA分子を配列決定する追加的な段階を含む、請求項1〜13のいずれか一つの方法。
  15. 前記検出可能な補助因子が、(a)前記検出可能な補助因子と特異的に結合する抗体によって、または、(b)前記検出可能な補助因子と特異的に結合するアビジンまたはストレプトアビジンによって、検出される、請求項1〜14のいずれか一つの方法。
  16. 前記DNA分子の同一性は、DNA塩基配列決定、ハイブリダイゼーション、Maldi−Tofまたは、酵素の断片化およびクロマトグラフィーによるヌクレオシド組成物の分析によって決定される、請求項1〜14のいずれか一つの方法。
  17. N−アデノシルアジリジン誘導体が、
    Figure 0004886679
    から選択される、請求項1の方法。
  18. N−アデノシルアジリジン誘導体が、
    Figure 0004886679
    である、請求項9〜11のいずれか一つの方法。
  19. DNAメチル化の増加または減少を伴う疾患状態の検査のための請求項1〜18のいずれか一つの方法の使用であって、前記疾患状態は、がんまたはICF症候群である、前記使用。
  20. 式(I)を有し、
    Figure 0004886679
    ここで
    WはNおよびCHから選択され、
    XはNまたはCR1であり、
    YはNH2またはNHR2であり、
    ZはHまたはCH2CH(COOH)(NH2)であり、
    ただし
    XがCR1である場合、YはNH2であり、
    YがNHR2である場合、XはNであり、
    1は−(CH2n4、−(CH=CH)m(CH2n4、−(CH2o(CH=CH)m(CH2n4、−(C≡C)m(CH2n4、−(C≡C)m(C64o(CH2n4、−(C64m(CH2n4、−CO(CH2n4および−S(CH2n4から選択され;
    2は−(CH2n4、−(C64m(CH2n4、−CO(C64m(CH2n4および−CO(CH2n4から選択され;
    4は−NHR5、−NHCO(CH2pSR5、−SR5、−OR5、−0(C25O)p(C25)NHR5、−CH2NHNHR5、−NHCOCH(CH2SH)NHR5および−CONHR5から選択され;
    5はフルオロフォア、アフィニティタグ、架橋剤、発色団、タンパク質、ペプチド、随意的に修飾されうるアミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、核酸、糖質、脂質、PEG、トランスフェクション試薬、ビーズ、介入剤、核酸切断試薬およびナノ粒子から選択され、および
    n、m、oおよびpは独立して0または1ないし5000の整数から選択される、
    生体分子中の配列特異的メチル化の検出に用いるための、S−アデノシル−L−メチオニン依存性メチルトランスフェラーゼとしてのM.HhaIの補助因子。
  21. 式(I)を有し、
    Figure 0004886679
    ここで
    WはNおよびCHから選択され、
    XはNであり、
    YはNHR2であり、
    ZはHまたはCH2CH(COOH)(NH2)であり、
    2は−(CH2n4、−(C64m(CH2n4、−CO(C64m(CH2n4および−CO(CH2n4から選択され;
    4は−NHR5、−NHCO(CH2pSR5、−SR5、−OR5、−0(C25O)p(C25)NHR5、−CH2NHNHR5、−NHCOCH(CH2SH)NHR5および−CONHR5から選択され;
    5はフルオロフォア、アフィニティタグ、架橋剤、発色団、タンパク質、ペプチド、随意的に修飾されうるアミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、核酸、糖質、脂質、PEG、トランスフェクション試薬、ビーズ、介入剤、核酸切断試薬およびナノ粒子から選択され、および
    n、m、oおよびpは独立して0または1ないし5000の整数から選択される、
    生体分子中の配列特異的メチル化の検出に用いるための、S−アデノシル−L−メチオニン依存性メチルトランスフェラーゼとしてのM.SssIの補助因子。
  22. フルオロフォアがアレクサ(Alexa)色素、ジピロメテンボロンジフルオリド色素、クマリン、ダンシル、フルオレセイン、マンシル、ピレン、ローダミン、テキサスレッド、2−(p−トルイジニル)−6−ナフタレンスルホネート、シアニンフルオロフォア又はその誘導体である、請求項20または21の補助因子。
  23. 前記アフィニティタグは、ペプチドタグ、ビオチン、ニッケル−ニトリロトリ酢酸(NTA)、マルトース、ジゴキシゲニンまたはジニトロフェノールである、請求項20または21の補助因子。
  24. 前記ペプチドタグは、His−タグまたは金属キレート特性を有するタグ、ストレプ−タグ、flag−タグ、c−myc−タグ、HA−タグ、エピトープまたはグルタチオンである、請求項23の補助因子。
  25. 前記架橋剤は、マレイミド、イオドアセトアミド(iodacetamide)、または、その誘導体、またはアルデヒド誘導体、または光架橋剤である、請求項20または21の補助因子。
  26. 前記光架橋剤は、アリルアジド、ジアゾ化合物、ソラーレンまたはベンゾフェノン化合物である、請求項25の補助因子。
  27. 前記核酸切断試薬は、鉄−EDTA、アクリジンまたはその誘導体、またはロジウム複合体である、請求項20または21の補助因子。
  28. N−アデノシルアジリジン誘導体が、
    Figure 0004886679
    から選択される、請求項20の補助因子。
  29. (a)請求項20で定義された通りの補助因子と、
    (b)S−アデノシル−L−メチオニン依存性メチルトランスフェラーゼとしてのM.HhaIとの複合体であって、生体分子中の配列特異的メチル化の検出に用いるための複合体。
  30. (a)請求項21で定義された通りの補助因子と、
    (b)S−アデノシル−L−メチオニン依存性メチルトランスフェラーゼとしてのM.SssIとの複合体であって、生体分子中の配列特異的メチル化の検出に用いるための複合体。
  31. 請求項20の補助因子およびS−アデノシル−L−メチオニン依存性メチルトランスフェラーゼとしてのM.HhaI、または請求項29の複合体を含むキット。
  32. 請求項21の補助因子およびS−アデノシル−L−メチオニン依存性メチルトランスフェラーゼとしてのM.SssI、または請求項30の複合体を含むキット。
  33. 請求項20もしくは21の補助因子または請求項29もしくは30の複合体を含む診断組成物。
  34. DNA分子中の配列特異的メチル化の検出のための、請求項20もしくは21の補助因子または請求項29もしくは30の複合体の使用、但し、ヒトのin vivoにおける前記使用は除く
  35. DNAメチル化の増加または減少を伴う疾患の検査のための、請求項20もしくは21の補助因子または請求項29もしくは30の複合体の使用、但し、ヒトのin vivoにおける前記使用は除く
  36. DNAメチル化の増加または減少を伴う疾患の診断用の診断組成物の調製のための、請求項20もしくは21の補助因子または請求項29もしくは30の複合体の使用、但し、ヒトのin vivoにおける前記使用は除く
  37. 前記疾患ががんまたはICF症候群である、請求項36の使用。
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