JP4886605B2 - 誘導加熱式アイロンシステム - Google Patents

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Description

この発明は、交流磁場中に導体を置くと電磁誘導作用により起電力が発生し、渦電流が流れて渦電流損失として発熱することを利用して、衣服などのしわを伸ばしたりして形を整えることや、アプリケ又はシールなどを熱圧着することができるアイロン本体及び対向体(以下、誘導加熱式アイロンシステムと総称す)に関する。
従来の電磁誘導加熱式アイロン台は、電磁誘導加熱コイルを内蔵しこれによってアイロン本体を誘導加熱するよう構成したアイロン台であって、電磁誘導加熱コイルは導電体の単線を間隔をあけてうず巻き状に巻回してなると共に、間隔は単線間に発生した結露がまたがらない距離としたことを特徴とする(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の誘導加熱アイロンは、上部に把手を設けた本体と、この本体の下面に固設した磁性体薄板でなる発熱プレス板と、本体に固定収容され発熱プレス板に平行に所定距離だけ離間して対向配置された加熱用コイルと、この加熱用コイルに交番電流を供給する電気回路とを含み構成する(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−10499号公報 特開平6−121899号公報
従来の電磁誘導加熱式アイロン台は、アイロン作業板上の作業面積を有効に活用するのであれば、電磁誘導加熱コイルをアイロン作業板の外周縁に沿って広範囲に設置する必要があり、電磁誘導加熱コイルに使用する導電体の単線が大量に必要となると共に、広範囲に磁界が発生するという問題点があった。
また、アイロン掛けを行なう衣服に金属製のボタンやファスナーなどが付いている場合に、この衣服を電磁誘導加熱式アイロン台に置くことで、誘導加熱によりこの金属製のボタンやファスナーなどが発熱するという問題点があった。
また、アイロン本体の被加熱体に保温効果が優れている(放熱作用が劣る)場合には、アイロン掛けを終えた直後では、被加熱体に触れると火傷の恐れがあり、被加熱体の冷却のためにある程度の冷却時間が必要であるという問題点があった。
さらに、従来の誘導加熱アイロンは、電源供給を停止しない限りは、誘導加熱アイロンをアイロン台から離したとしても、誘導加熱アイロンの発熱プレス板は高温のままであり、既存の電気アイロンと同様に、発熱プレス板に触れると火傷の恐れがあるという問題点があった。
この発明は、前述のような課題を解決するためになされたもので、アイロン本体の電源供給を停止しなくても、アイロン本体のアイロンベースは常に高温ではなく、アイロン台からアイロン本体を離すだけで、アイロン台の載置部を瞬時に冷却することができ、火傷の恐れがない誘導加熱式アイロンシステムを提供するものである。
この発明に係る誘導加熱式アイロンシステムにおいては、アイロン台が、メッシュ状体の導体である載置部と、当該載置部の裏面における前記メッシュ状体の導体を露出して支持する支持部と、を備え、アイロン本体のアイロンベースにおける掛け面をなす底部のうち、励磁コイルに対向する少なくとも一部が誘電体で形成され、アイロン本体が、磁気センサを備え、アイロン本体が、所定の時間内に磁界の変化がない場合に、ある地点にアイロン本体が停滞していると判断し、励磁コイルへの高周波電流の供給を停止する。
また、この発明に係る誘導加熱式アイロンシステムにおいては、アイロン台が、メッシュ状体の導体である載置部と、当該載置部の裏面におけるメッシュ状体の導体を露出して支持する支持部と、を備え、アイロン本体のアイロンベースにおける掛け面をなす底部のうち、励磁コイルに対向する少なくとも一部が誘電体で形成され、アイロン台が、アンテナコイル及びICチップを備えるICタグを内蔵し、アンテナコイルが、アイロン本体から発生する磁力線を受けて発電してICチップを駆動させると共に、アイロン本体とデータのやり取りをすることで、加熱させるアイロン台であることをアイロン本体に認識させる
また、この発明に係る誘導加熱式アイロンシステムにおいては、必要に応じて、励磁コイルが、渦巻状の略円形体として形成され、前記アイロンベースの掛け面に対して当該円形体を複数並設している。
また、この発明に係る誘導加熱式アイロンシステムにおいては、必要に応じて、前記アイロン台の載置部が金属で形成され、前記アイロン本体が前記アイロン台の載置部を引き付ける一時磁石又は永久磁石を備えている。
また、この発明に係る誘導加熱式アイロンシステムにおいては、必要に応じて、前記アイロン本体が、水分を貯水するタンク、及び当該タンクに弁を介して連通し内壁が導体である気化室を備え、前記アイロンベースの掛け面に、前記気化室に連通し蒸気を噴出する噴出孔を配設している。
また、この発明に係る誘導加熱式アイロンシステムにおいては、必要に応じて、アイロン本体のアイロンベースにおける掛け面をなす底部が、励磁コイルにより発生する磁力線が通過する誘電体で形成される周縁領域と、励磁コイルにより渦電流を発生させる導体で形成される中央領域と、を備える
この発明に係る誘導加熱式アイロンシステムにおいては、アイロン台が、メッシュ状体の導体である載置部と、当該載置部の裏面における前記メッシュ状体の導体を露出して支持する支持部と、を備え、アイロン本体のアイロンベースにおける掛け面をなす底部のうち、励磁コイルに対向する少なくとも一部が誘電体で形成され、アイロン本体が、磁気センサを備え、アイロン本体が、所定の時間内に磁界の変化がない場合に、ある地点にアイロン本体が停滞していると判断し、励磁コイルへの高周波電流の供給を停止することにより、アイロン本体の電源供給を停止しなくても、アイロン本体のアイロンベースは常に高温ではなく、アイロン台からアイロン本体を離すだけで、アイロン台の載置部が板状体である場合と比較して、アイロン台の載置部を短時間で冷却することができる。
また、この発明に係る誘導加熱式アイロンシステムにおいては、必要に応じて、励磁コイルが、渦巻状の略円形体として形成され、前記アイロンベースの掛け面に対して当該円形体を複数並設していることにより、アイロンベースの掛け面における作業面積を有効に活用することができる。
また、この発明に係る誘導加熱式アイロンシステムにおいては、必要に応じて、前記アイロン台の載置部が金属で形成され、前記アイロン本体が前記アイロン台の載置部を引き付ける一時磁石又は永久磁石を備えていることにより、アイロン掛けに必要な押圧力を軽減することができる。
また、この発明に係る誘導加熱式アイロンシステムにおいては、必要に応じて、前記アイロン本体が、水分を貯水するタンク、及び当該タンクに弁を介して連通し内壁が導体である気化室を備え、前記アイロンベースの掛け面に、前記気化室に連通し蒸気を噴出する噴出孔を配設していることにより、励磁コイルにより誘導加熱される気化室によって、タンクから給水される水分を蒸気にすることができる。
また、この発明に係る誘導加熱式アイロンシステムにおいては、必要に応じて、アイロン本体のアイロンベースにおける掛け面をなす底部が、励磁コイルにより発生する磁力線が通過する誘電体で形成される周縁領域と、励磁コイルにより渦電流を発生させる導体で形成される中央領域と、を備えることで、載置部とアイロンベースとで挟持した衣服などを両面から加熱することができ、衣服などのしわを容易に伸ばすことができる。
(本発明の第1の実施形態)
図1はこの発明を実施するための第1の実施形態におけるアイロン台を説明するための斜視図、図2(a)はこの発明を実施するための第1の実施形態におけるアイロン本体を説明するための概略断面図、図2(b)は図2(a)に示すアイロン本体に内蔵される励磁コイルの掛け面における位置関係を説明するための説明図、図3(a)はこの発明を実施するための第1の実施形態におけるアイロン本体に内蔵される他の励磁コイルの掛け面における位置関係を説明するための説明図、図3(b)はこの発明を実施するための第1の実施形態におけるアイロン本体に内蔵されるさらに他の励磁コイルの掛け面における位置関係を説明するための説明図である。
図1において、アイロン台10は、メッシュ状体の導体である載置部11と、この載置部11の裏面を露出して支持する支持部12とを少なくとも備えている。なお、この第1の実施形態においては、載置部11を、メッシュ状体の導体としているが、所望の方熱作用が得られるのであれば、板状体であるベタの金属板を用いてもよい。
載置部11は、材質を導体で形成しているために、後述するアイロン本体20の励磁コイル24による交流磁場中に置くことで、電磁誘導作用により起電力が発生し、渦電流が流れて渦電流損失として発熱する。
すなわち、励磁コイル24に高周波電流を供給しているアイロン本体20を、アイロン台10の載置部11に置くことで、アイロン台10の載置部11のうち、励磁コイル24と対向する部分を瞬時に発熱させ、既存の電気アイロンのように、予熱する必要がない。また、アイロン本体20をアイロン台10上で摺動させた場合に、アイロン本体20に追従して載置部11の発熱部分が移動することになる。
なお、載置部11は、メッシュ状体の導体として、パンチングメタルなどのメッシュ状に成形した金属や、針金で編んだ金網などが挙げられる。特に、載置部11として、アルミニウムなどの電気抵抗値が小さな金属を使用すると、ジュール熱による充分な発熱が得られない場合があるために、鉄やステンレス鋼を使用することが好ましい。
また、この第1の実施形態においては、載置部11の表面が露出しており、アイロン掛けを行なう衣服を、載置部11の表面に対して直に載置する構成としているが、アイロン台10からアイロン本体20を離間した直後に、載置部11に所望の放熱作用が得られるのであれば、この構成に限られるものではなく、例えば、載置部11の表面を布製のカバーで被覆してもよい。また、誘電体の中に導体を埋設した載置部11としてもよいし、カーボンを敷設する載置部11としてもよい。
支持部12は、載置部11の裏面を露出して支持していることにより、アイロン掛けを行なう場合に、載置部11の発熱する部分が床に接触することを防止している。また、載置部11である導体における空気に触れる表面積を広げ、放熱作用を高めることができる。なお、この第1の実施形態においては、支持部12が二本の脚部を交差した構成としているが、載置部11の裏面を露出して支持することができるのであれば、この構成に限られるものではなく、例えば、載置部11の四隅を支持する四本の脚部からなる支持部12であってもよい。
図2において、アイロン本体20の外形は、大別して、アイロン掛けを行なう衣服に当接させる掛け面21aをなすアイロンベース21、アイロン本体20の使用者が手で握るための取っ手となり図示しない操作パネルを表面に配置した本体部22(複数の部材で構成される場合もある)、及び水分を貯水するためのタンク23から構成される。
アイロンベース21上には、数十本の軟銅線に絶縁用エナメルを塗装し焼き付けしたエナメル線を撚り合わせた撚り線(リッツ線)を同一平面上で渦巻状に巻回した励磁コイル24が、掛け面21aとほぼ平行となるように配設されている。
励磁コイル24は、掛け面21aの形状に対応して、正円形、楕円形、正方形、長方形、多角形又は舟形などの略円形体のコイルを、1若しくは複数の種類又は巻き数(外形の大きさ)を異ならせたコイルを適宜組み合わせて配設する。
特に、正円形のコイルは、コイルの中心から放射状に磁力線を均一に発生させることができるために、加熱する部分を制御しやすく、安定した加熱量を得られることで、励磁コイル24として使用することが好ましいが、掛け面21aが正円形でない限り(例えば、先細りした先端部分をもつ舟形の場合)、1個の正円形の励磁コイル24では、コイルにより発生する交流磁場による掛け面21aにおける磁束密度が小さい部分(例えば、舟形の掛け面21aの中央部分に配置する場合には、舟形の先端部分やコーナー部分)が生じることになる。
なお、この第1の実施形態においては、図2(b)に示すように、掛け面21aを舟形の形状とし、掛け面21aの形状に合わせて、舟形の励磁コイル24を1個だけ配設しているが、この形状及び個数の励磁コイル24に限られるものではない。
例えば、舟形の掛け面21aの形状に合わせて、図3(a)に示すように、掛け面21aの先端部分に収まる直径(巻き数)の励磁コイル24と、掛け面21aの中央部分に収まる直径(巻き数)の励磁コイル24とを組み合わせることや、図3(b)に示すように、同一の直径(巻き数)の複数個の励磁コイル24を、掛け面21aの形状に合わせて並設することが考えられる。この場合には、励磁コイル24毎に供給する高周波電流値を異ならせ、局所的に交流磁場の強さを変えることもできる。
また、アイロンベース21の掛け面21aは舟形の形状に限られるものではなく、例えば、正円形とすることで、1個の正円形のコイルを、掛け面21aにおける作業面積を有効に活用することができる。
アイロンベース21は、励磁コイル24により発生する交流磁場によって発熱しない誘電体を材質として形成する。例えば、ポリエステル、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂若しくはポリウレタンなどの合成樹脂、ガラス繊維若しくは岩石繊維の無機繊維、マイカ、石綿、セラミックス、石英ガラス、強化ガラス又は強化プラスチックなどが挙げられる。特に、誘導加熱により発熱したアイロン台10の載置部11の表面温度(例えば、調節温度が120℃〜210℃の場合)において、衣服を介さずにアイロン台10とアイロン本体20とが接触した場合に、アイロンベース21が溶解しない耐熱性のある誘電体を選択することが好ましい。
また、前述したアイロン台10の載置部11が硬質であれば、アイロンベース21を軟質にすることで、アイロン掛けを行ないやすくできる。このため、アイロンベース21は、軟質であり、防水性が高い材質であることが好ましく、例えば、耐摩耗性、耐薬品性、耐溶剤性及び耐老化性が高いポリウレタンを原料とする多孔性の合成ゴムを使用することが考えられる。
本体部22は、励磁コイル24により発生する磁場によって発熱せず、耐熱性があり、熱伝導率が低い材質で形成されており、例えば、合成樹脂などを使用する。なお、この第1の実施形態においては、アイロンベース21と本体部22とを別部材としているが、一体成形した同一部材としてもよい。
本体部22は、ニクロム線などの電気抵抗の高い金属に電流を通して生じる熱を利用する電熱器25を内包し後述するタンク23から供給される水分を電熱器25によって気化させる気化室26と、図示しない操作パネルに接続されたスイッチや表示用LEDなどが付いた操作基板27と、電源コード28を介して電力の供給を受け配線29によって接続された励磁コイル24及び電熱器25を制御する制御基板30と、励磁コイル24や制御基板30に実装されたコンデンサなどを冷却するための図示しないファンとを内蔵している。
制御基板30は、アイロン台10の載置部11の温度変化に伴って変化する励磁コイル24の電流を検出し、その検出結果に応じインバータなどの図示しない高周波電源装置を制御して励磁コイル24に供給する高周波電流の発信周波数、電流値又は矩形波のオン/オフのデューティ比を制御することにより、アイロン台10の載置部11を所望の温度に制御する図示しない加熱温度制御装置が実装されている。また、図示しない温度センサからの信号を受け電熱器25の温度を制御する。
なお、アイロン本体20にセンサを配設させ、アイロン本体20をアイロン台10に載置した場合に、アイロン台10の載置部11とアイロンベース21の掛け面21aとの間に衣服が存在するか否かを判断し、励磁コイル24に高周波電流を供給するか否かを制御してもよい。
また、アイロン本体20に磁気センサを配設させ、所定の時間内に磁界の変化がない場合には、ある地点にアイロン本体20が停滞していると判断し、励磁コイル24に高周波電流の供給を停止するように制御してもよい。特に、アイロン台10の載置部11がメッシュ状体であることにより、アイロン本体20をアイロン台10上で摺動させた場合には、メッシュにおける貫通孔と導体部分とを横切る磁界が存在し磁界が必ず変化するために、載置部11を板状体とした場合と比較して、アイロン本体20の停滞状態を高精度で検出することができる。
また、アイロン台10にICタグを内蔵させ、アイロン本体20から発生する磁力線をアンテナコイルが受けて発電し、ICチップの駆動とデータのやり取りとをさせることで、アイロン本体20に、加熱させるアイロン台10であることを認識させてもよい。すなわち、アイロン本体20が、ICタグのない導体に対向した場合には、励磁コイル24に高周波電流を供給しないことで、誘導加熱式アイロンシステムの危険な使用を抑制することができる。
気化室26で気化された蒸気は、噴出路31を介して、アイロンベース21の掛け面21aに配設した噴出孔32から蒸気を噴出する。なお、気化室26の内壁を導体である金属とすることで、励磁コイル24により誘導加熱が生じて発熱させることができ、電熱器25による加熱を補助することや電熱器25を不要とすることができる。また、噴出路31を導体である金属製のパイプとすることで、励磁コイル24により誘導加熱が生じて発熱させることができる。特に、励磁コイル24の中心を通るように噴出路31である金属製のパイプを配設することで、噴出路31に対して効率よく誘導加熱を行なうことができる。この場合には、前述した複数の励磁コイル24のうち、一部の励磁コイル24の中心を通るように噴出路31を配設させることが考えられる。
タンク23は、図示しない注入口から水分を注ぎ、貯水する容器であり、必要に応じて気化室26に水分を供給する。気化室26に対する給水手段としては、例えば、図2(a)に示すように、タンク23の底面にピンホール23aを配設し、ピンホール23aに対して尖った先端を挿脱することで開閉弁とする針状のスチームボタン33を、底面方向に付勢するコイルばね33aを介してタンク23の底面にほぼ垂直に介装している。ピンホール23aは、非常に小さな孔のために、一度にわずかな水滴しか滴下できないものである。なお、図2(a)に示すような給水手段に限られるものではなく、熱膨張率の異なる二種の金属の薄板を貼り合わせ温度変化に伴い湾曲するようにしたバイメタルを用いて弁の開閉を行なってもよい。
ここで、スチーム機能がある既存の電気アイロンは、アイロンベースをヒータで加熱し、十分に加熱されたアイロンベースの熱を利用して、タンクから給水される水分を蒸気にしている。これに対し、この第1の実施形態における誘導加熱式アイロンシステムは、アイロンベース21を加熱しないために、タンク23から給水される水分を蒸気にする専用の電熱器25を配設する必要がある。そこで、この第1の実施形態における誘導加熱式アイロンシステムは、スチーム機能がなく、電熱器25を必要としない、水を加圧し霧状にして散布する噴霧器を備える構成としてもよい。
また、既存の電気アイロンは、アイロンベースをヒータで加熱し蓄熱させるために、アイロンベースが金属であり、ある程度の重量がある。これに対し、この第1の実施形態における誘導加熱式アイロンシステムは、アイロンベース21が誘電体であり、既存の電気アイロンと比較して、軽量にすることが可能である。
しかしながら、アイロン本体20が軽量であるということは、アイロン本体20の持ち運びに便利であるが、アイロン掛けを行なう場合に、衣服のシワを伸ばすために、アイロン台10にアイロン本体20の掛け面21aを押付けるためのある程度の押圧力が必要となる。さらに、励磁コイル24により発生した磁力線と、アイロン台10の載置部11に流れる渦電流で発生した磁力線とが互いに反発しあう反発力が発生する。
そこで、アイロン台10の載置部11の材質を金属(例えば、鉄)で形成し、アイロン本体20のアイロンベース21に、電磁石などの一時磁石又は永久磁石を配設することで、アイロン台10とアイロン本体20とを引き付け、使用者によるアイロン掛けに必要な押圧力を軽減する構成としてもよい。特に、アイロンベース21に電磁石を配設することで、必要に応じてアイロン台10とアイロン本体20とを吸着させることができ、アイロン本体20の操作性を高めることができる。
なお、この第1の実施形態における誘導加熱式アイロンシステムは、アイロン台10の載置部11を発熱させる構成としているが、アイロン台10の載置部11を発熱させ、アイロン本体20のアイロンベース21を発熱及び/又は蓄熱させる構成とすることで、載置部11と掛け面21aとで挟持した衣服などを両面から加熱することができ、衣服などのしわを容易に伸ばすことができる。
この場合には、従来の誘導加熱アイロン及び電気アイロンにおける課題であった、底板が発熱又は蓄熱することによる火傷を防止するために、アイロンベース21の掛け面21aにおける最適な発熱若しくは蓄熱する部分又は温度を設定する必要がある。
まず、アイロンベース21を発熱させる場合を考える。アイロンベース21を発熱させるためには、アイロン台10の載置部11を発熱させる励磁コイル24を共用させる場合と、アイロンベース21を発熱させる専用の励磁コイルをアイロン本体20に新たに配設する場合と、アイロンベース21を発熱させる励磁コイルをアイロン台10に配設する場合とが考えられ、いずれの場合も、励磁コイル24により発生する磁力線がアイロン台10の載置部11に到達するために、アイロンベース21の掛け面21aには導体により磁力線が遮蔽されない領域が必要である。
例えば、掛け面21aは、誘電体の領域及び導体の領域を適宜設定して、誘電体及び導体の材料を組み合わせてアイロンベース21を構成してもよく、例えば、掛け面21aの周縁領域は、励磁コイル24により発生する磁力線が通過する誘電体とし、掛け面21aの中央領域は、渦電流を発生させる導体とすることで、掛け面21aの周縁領域が発熱部分とならず、アイロンベース21による火傷を抑制することができる。
また、アイロンベース21における掛け面21aをなす底部は、メッシュ状体の導体とする構成が考えられ、メッシュにおける貫通孔は、励磁コイル24により発生する磁力線を通過させ、アイロン台10の載置部11に到達させると共に、メッシュ状体の導体部分は、渦電流を発生させ発熱させる。この場合には、アイロンベース21の底部が、メッシュ状体であることにより、板状体と比較して放熱作用が高く、電源供給を停止するとアイロンベース21の掛け面21aを瞬時に冷却することができる。
つぎに、アイロンベース21を蓄熱させる場合を考える。この場合も発熱させる場合と同様に、励磁コイル24により発生する磁力線がアイロン台10の載置部11に到達するためには、アイロンベース21の掛け面21aに導体によって磁力線が遮蔽されない領域が必要である。
例えば、アイロンベース21の掛け面21aには、励磁コイル24により発生する磁力線が通過する誘電体の領域と、電熱器などによって加熱され蓄熱する導体の領域とを並存させる。なお、アイロンベースを蓄熱させるために使用する電熱器として、前述したアイロン本体20にスチーム機能を持たせるために配設した電熱器25を利用してもよい。
また、アイロンベース21の掛け面21aをなす底部に、セラミックスなどの熱伝導率の低い誘電体を使用することで、励磁コイル24により発生する交流磁場によって発熱させたアイロン台10の載置部11による輻射熱により、アイロンベース21の底部に蓄熱させてもよい。
なお、掛け面21aは、アイロン台10の載置部11の発熱温度と比較して、低温(好ましくは、火傷にならない程度)となるように、発熱温度及び蓄熱温度を設定することが好ましい。
また、この第1の実施形態においては、対向体として、アイロン台10の載置部11を用いて説明したが、導体を少なくとも一部に含有した壁やロッカーなどを対向体とすることで、この対向体の導体部分に対して、アプリケ又はシールなどを熱圧着することができる。
この発明を実施するための第1の実施形態におけるアイロン台を説明するための斜視図である。 (a)はこの発明を実施するための第1の実施形態におけるアイロン本体を説明するための概略断面図、(b)は図2(a)に示すアイロン本体に内蔵される励磁コイルの掛け面における位置関係を説明するための説明図である。 (a)はこの発明を実施するための第1の実施形態におけるアイロン本体に内蔵される他の励磁コイルの掛け面における位置関係を説明するための説明図、(b)はこの発明を実施するための第1の実施形態におけるアイロン本体に内蔵されるさらに他の励磁コイルの掛け面における位置関係を説明するための説明図である。
符号の説明
10 アイロン台
11 載置部
12 支持部
20 アイロン本体
21 アイロンベース
21a 掛け面
22 本体部
23 タンク
23a ピンホール
24 励磁コイル
25 電熱器
26 気化室
27 操作基板
28 電源コード
29 配線
30 制御基板
31 噴出路
32 噴出孔
33 スチームボタン
33a コイルばね

Claims (6)

  1. 高周波電流を供給され磁束を発生させる励磁コイルを内蔵するアイロン本体及び当該アイロン本体と対向してプレスするアイロン台からなり、前記磁束による磁場中に導体を置くことにより誘導加熱を生じる誘導加熱式アイロンシステムにおいて、
    前記アイロン台が、メッシュ状体の導体である載置部と、当該載置部の裏面における前記メッシュ状体の導体を露出して支持する支持部と、を備え、
    前記アイロン本体のアイロンベースにおける掛け面をなす底部のうち、前記励磁コイルに対向する少なくとも一部が誘電体で形成され、
    前記アイロン本体が、磁気センサを備え、
    前記アイロン本体が、所定の時間内に磁界の変化がない場合に、ある地点にアイロン本体が停滞していると判断し、前記励磁コイルへの高周波電流の供給を停止することを特徴とする誘導加熱式アイロンシステム。
  2. 高周波電流を供給され磁束を発生させる励磁コイルを内蔵するアイロン本体及び当該アイロン本体と対向してプレスするアイロン台からなり、前記磁束による磁場中に導体を置くことにより誘導加熱を生じる誘導加熱式アイロンシステムにおいて、
    前記アイロン台が、メッシュ状体の導体である載置部と、当該載置部の裏面における前記メッシュ状体の導体を露出して支持する支持部と、を備え、
    前記アイロン本体のアイロンベースにおける掛け面をなす底部のうち、前記励磁コイルに対向する少なくとも一部が誘電体で形成され、
    前記アイロン台が、アンテナコイル及びICチップを備えるICタグを内蔵し、
    前記アンテナコイルが、前記アイロン本体から発生する磁力線を受けて発電して前記ICチップを駆動させると共に、前記アイロン本体とデータのやり取りをすることで、加熱させるアイロン台であることを前記アイロン本体に認識させることを特徴とする誘導加熱式アイロンシステム。
  3. 前記請求項1又は2に記載の誘導加熱式アイロンシステムにおいて、
    前記励磁コイルが、渦巻状の略円形体として形成され、前記アイロンベースの掛け面に対して当該円形体を複数並設していることを特徴とする誘導加熱式アイロンシステム。
  4. 前記請求項1乃至3のいずれかに記載の誘導加熱式アイロンシステムにおいて、
    前記アイロン台の載置部が金属で形成され、前記アイロン本体が前記アイロン台の載置部を引き付ける一時磁石又は永久磁石を備えていることを特徴とする誘導加熱式アイロンシステム。
  5. 前記請求項1乃至4のいずれかに記載の誘導加熱式アイロンシステムにおいて、
    前記アイロン本体が、水分を貯水するタンク、及び当該タンクに弁を介して連通し内壁が導体である気化室を備え、
    前記アイロンベースの掛け面に、前記気化室に連通し蒸気を噴出する噴出孔を配設していることを特徴とする誘導加熱式アイロンシステム。
  6. 前記請求項1乃至5のいずれかに記載の誘導加熱式アイロンシステムにおいて
    前記アイロン本体のアイロンベースにおける掛け面をなす底部が、前記励磁コイルにより発生する磁力線が通過する誘電体で形成される周縁領域と、前記励磁コイルにより渦電流を発生させる導体で形成される中央領域と、を備えることを特徴とする誘導加熱式アイロンシステム。
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