JP4886557B2 - 熱処理炉のヒータの異常予測装置 - Google Patents
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Description
例えば、電流測定器に流れる電流を測定し、その測定された電流値と、予め設定されたヒータ断線検知用の閾値とを比較し、測定された電流値が閾値よりも小さいときに、断線を検知するようにしている。
上記公報の方法では、電流値の測定タイミングについて、何ら考慮されていない。しかしながら、電流値の測定のタイミング次第で、電流値が大きく異なる。したがって、精度良く異常検出を行うためには、あらゆる測定タイミングに適合するように閾値を設定しておくことが必要となるが、実際上、非常に困難である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ヒータの異常の発生を事前に予測することができる、熱処理炉のヒータの異常予測装置を提供することを目的とする。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、熱処理炉(1) を加熱するヒータ(2) と、制御信号に応じてヒータを通電制御する通電制御部(6) と、熱処理炉の扉(3) の開閉を検知する開閉検知手段(13)と、ヒータの温度を検出する温度検出手段(11)と、ヒータの抵抗値またはヒータの抵抗値と相関のある状態量を検出する状態量検出手段(14)と、ヒータの異常発生の前兆を検出する異常予測手段(10)とを備え、この異常予測手段は、開閉検出手段によって熱処理炉の扉の閉鎖が検出されたときに、通電制御部が最大出力であること、および温度検出手段により検出されたヒータの温度が所定値であることを条件として、状態量検出手段によって検出された状態量が異常発生の前兆に相当する異常前兆範囲内にある場合に、ヒータの異常を予測することを特徴とするものである。
また、上記異常予測手段は、開閉検出手段によって熱処理炉の扉の閉鎖が検出されたときに、通電制御部が最大出力であること、および温度検出手段により検出されたヒータの温度が所定値であることを条件として、状態量検出手段によって検出された状態量に基づいてヒータの異常を検出する機能を有する場合がある(請求項3)。異常の前兆を予測したにもかかわらず、万一、ヒータの異常発生に至った場合にも、これを検出することで、ヒータ交換等のメンテナンスを迅速に実施することが可能である。
なお、上記において、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
図1は本発明の熱処理炉のヒータの異常予測装置としての異常予測部を内蔵する熱処理炉用電源装置Aの概略構成図である。図1を参照して、熱処理炉1は、炉内を加熱するための複数のヒータ2を有している。また、熱処理炉1には、熱処理炉1内に被処理対象を出入りさせるための扉3が設けられている。
温度制御部9には、ヒータ2の温度を検出するヒータ温度検出手段としてのヒータ温度検出器11と、熱処理炉1内の温度を検出する炉内温度検出手段としての炉内温度検出器12と、扉3の開閉を検出する扉開閉検出手段としての扉開閉検出器13と、ヒータ2の抵抗値を検出する状態量検出手段としてのヒータ抵抗検出器14とが接続されており、これらヒータ温度検出器11、炉内温度検出器12、扉開閉検出器13およびヒータ抵抗検出器14からの信号が制御部8に入力されるようになっている。
次いで、図2を参照して、異常予測・異常検出の処理の流れについて説明する。
まず、ステップS1において、扉開閉検出器13の出力信号が読み込まれ、ステップS2において、扉3が閉鎖されているか否かが判定される(ステップS2)。扉3が開放されている(ステップS2の判定がNOである)場合には、ステップS1に戻り、扉3が閉鎖されている(ステップS2の判定がYESである)場合には、ステップS3において、電力設定部15による電力の設定値が読み込まれる。次いで、ステップS4において、読み込まれた設定値が最大値(100%:最大出力に相当)であるか否かが判定される。
次いで、ステップS6において、読み込まれたヒータ検出温度tが所定値t1(例えば800°C)であるか否かが判定される。
扉が閉鎖されると、そのタイミングgから所定時間経過したタイミングで炉内温度が上昇に転じ、タイミングhでヒータ検出温度tが所定値t1に達する。これにより、扉が閉鎖されていること、電力設定値が100%であること、およびヒータ検出温度tが所定値t1であることの3つの条件が満足されるので、このタイミングhで、状態量として、ヒータ2の抵抗値がヒータ抵抗検出器14により検出されることになる。
具体的には、ステップS8において、読み込まれた検出抵抗Rが図4に示すように非異常範囲(R1−bからR1+bまでの間)にあるか否かが判定される。すなわち、R1−b≦R≦R1+bが成立するか否かが判定される。
また、検出抵抗Rが上記非異常範囲内にある(ステップS8の判定がYESである)場合には、検出抵抗Rが図4に示す正常範囲(R1−cからR1+cまでの間:ただしc<bである)にあるか否かが判定される。すなわち、R1−c≦R≦R1+cが成立するか否かが判定される。
また、ヒータ2の異常の前兆を予測したにもかかわらず、万一、ヒータ2の異常発生に至った場合にも、これを検出することで、ヒータ2交換等のメンテナンスを迅速に実施することが可能である。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、状態量検出手段として、各ヒータ2の流れる電流を検出する電流検出器や、各ヒータ2に負荷される電圧を検出する電圧検出器を用いるようにしてもよい。その他、本発明の特許請求の範囲で種々の変更を施すことができる。
Claims (4)
- 熱処理炉を加熱するヒータと、
制御信号に応じてヒータを通電制御する通電制御部と、
熱処理炉の扉の開閉を検知する開閉検知手段と、
ヒータの温度を検出する温度検出手段と、
ヒータの抵抗値またはヒータの抵抗値と相関のある状態量を検出する状態量検出手段と、
ヒータの異常発生の前兆を検出する異常予測手段とを備え、
この異常予測手段は、開閉検出手段によって熱処理炉の扉の閉鎖が検出されたときに、通電制御部が最大出力であること、および温度検出手段により検出されたヒータの温度が所定値であることを条件として、状態量検出手段によって検出された状態量が異常発生の前兆に相当する異常前兆範囲内にある場合に、ヒータの異常を予測することを特徴とする、熱処理炉のヒータの異常予測装置。 - 請求項1において、上記異常予測手段によって異常が予測されたときに、その異常の予測を報知するための報知手段を備えることを特徴とする、熱処理炉のヒータの異常予測装置。
- 請求項1または2において、上記異常予測手段は、開閉検出手段によって熱処理炉の扉の閉鎖が検出されたときに、通電制御部が最大出力であること、および温度検出手段により検出されたヒータの温度が所定値であることを条件として、状態量検出手段によって検出された状態量に基づいてヒータの異常を検出する機能を有することを特徴とする、熱処理炉のヒータの異常予測装置。
- 請求項1ないし3の何れか1項において、上記通電制御部はサイリスタを有する電力制御回路を含むことを特徴とする熱処理炉のヒータの異常予測装置。
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