JP4886518B2 - 瓶、特に哺乳瓶 - Google Patents

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Description

本発明は、瓶、特に哺乳瓶であって、両側で開かれた瓶ジャケットが設けられており、この場合に瓶ジャケットの底側の端部領域に、空気流入弁を有する底キャップが固定されており、底側の端部領域と反対側の乳首側の端部領域には乳首が固定されており、この乳首はシャフトと、このシャフトに唇接触領域を介して接続する乳頭とを有しており、瓶ジャケットが、基本的に円錐状の、乳首側の端部領域から底側の端部領域へ拡大する形状を有している形式のものに関する。
両側で開かれた瓶ジャケットを有するこのような哺乳瓶が、既にアメリカ特許公開第5,449,729号明細書につき公知である。この明細書では円筒状のジャケットから成る哺乳瓶が開示されており、この場合に開かれた端部には乳首を固定するためのカバーキャップがねじ止めされている。向かい合った底領域内にはエラストマの弁エレメントの形のダイアフラムをクランプ固定するための別のキャップが設けられている。このダイアフラム内には多数の開口が設けられており、これらの開口は、ダイアフラムが弛緩した状態で閉鎖位置に位置している。容器内部に負圧を加えた場合には開口は空気貫通のために解放される。この場合、哺乳瓶の底領域は比較的小さく形成されており、したがって底領域内に配置された弁エレメントも比較的小さい面のみを有している。円筒状のジャケットは、哺乳瓶において汎用のポリカーボネート材料から成っており、このポリカーボネート材料はブロー成形法により成形される。
さらに、特に哺乳瓶のための、2つの開かれた端部を有する瓶ジャケットが、アメリカ特許公開第6,142,325号につき公知であり、この場合には底側の端部区分に、弁エレメントを有する底キャップがねじ止めされている。しかしながら、ここでも比較的小さい底面、ひいては比較的小さい弁エレメントのみが設けられているので、圧力差が比較的大きい場合にはじめて哺乳瓶の内部への空気進入が可能となる。瓶ジャケットは、ガラス、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリカーボネート及びこれに類するものから成っている。
アメリカ特許公開第6,053,342号明細書につき哺乳瓶が公知である。この哺乳瓶では、円筒状の、折り曲げられた、両側で開かれた瓶ジャケットが設けられている。この場合にも端部領域内には乳首がカバーキャップにより固定されており、比較的小さい向かい合った底領域内には、空気貫通開口を備えた弾性的なダイアフラムを有するキャップが設けられており、この場合にこのダイアフラムは少なくとも1つの舌片を介してキャップに結合されている。両側で開かれた瓶ジャケットはポリカーボネートによるブロー成形法により作製される。
さらにフランス特許公開第647874号明細書につき哺乳瓶が公知である。この哺乳瓶は、瓶ジャケットと一体的に形成された特殊な飲み口を有している。円錐形状を有していてよい特殊な瓶ジャケットは、底側で開かれて形成されており、この場合に、開かれた端部区分には固定リングがねじ止めされており、この固定リングは底面を支持している。腐食を阻止するためには、この底面は有利にはアルミニウムより成っている。
さらにアメリカ特許公開第4613050号明細書につき、従来のコップ形の瓶ジャケットを有する哺乳瓶が公知であり、この場合には特殊な空気弁がねじキャップの領域内に設けられており、これにより、哺乳瓶内への空気流入が可能となる。
このような哺乳瓶による赤ちゃんの栄養摂取は、これまでは母親乳房で飲むのとは明らかに異なっている。母親乳房では極めて柔らかい乳頭がほぼ赤ちゃんのと唾液によってのみ絞られ(「ストリップされ」)、この場合に母親乳房では決して負圧(真空)が生じないので、完全に一様な吸飲が可能である。特に赤ちゃんの吸込み(真空)自体は、ミルクを口内へ取り入れ、次いで飲み込みためには用いられないか、又はほとんど用いられない。赤ちゃんの吸飲は実際には付加的な絞り運動(「ストリッピング」)を伴ったコップからの吸飲に相当する。
これに対して公知の哺乳瓶では、既に最初の吸飲で瓶内に負圧が生じ、この負圧に対して赤ちゃんは、より強い真空(吸込み)を形成することにより対抗する。このような吸込みは、口内から空気も吸い込まれ、飲み込まれることをもたらす。この場合にこの空気は極めて不快であり、母親及び子供にとって極めて負担となる疝痛をもたらす。このような疝痛では非常に多くの赤ちゃんが深刻に苦しむ。さらにこの場合に吸込み部は、瓶の負圧により潰れてしまい、ひいては飲むことが不可能にならないように比較的剛性があり、硬くなっている必要がある。しかしながら、このように剛性のある吸込み部分も実際には「ストリッピング」(搾り)をもたらさず、これにより、子供は実際には吸込み(真空)によってのみミルク及び不都合な空気を得る。
本発明の課題は、冒頭で述べた形式の瓶を改良して、自然の母親の乳房を介した栄養摂取をできるだけ良好に模倣しているものを提供することである。
このことは、冒頭で述べた形式の瓶において、底キャップは中央の隆起部を有しており、フラップ弁の形式の空気流入弁の形成のためにダイアフラムが円形リング状に形成されており、ダイアフラムのシールリップが、ダイアフラムの内側の端部区分に設けられており、シールリップは底キャップに適合したダイアフラムの延びに対して折り曲げられており、閉鎖位置においてダイアフラムの内側の端部区分だけがプレロード下において底キャップの中央の隆起部に接触していて、瓶内部への空気流入は瓶ジャケットと底キャップとの間のねじ山結合部又は底キャップの円形リング状の底面に設けられている少なくとも1つの空気流入開口を介して行われ、乳首のシャフトの肉厚が、乳首の唇接触領域及び乳頭の肉厚よりも大きくなっていることにより達成される。
瓶ジャケットの、基本的に円錐状の、底側の端部領域が拡大された形状により、比較的大きい底側の弁が生じ、この弁により、圧力差がわずかな場合に既に圧力補償が可能となる。さらに乳首はシャフト領域では、乳首の唇接触領域及び乳頭の肉厚よりも大きい肉厚を有しているので、実際の母親の乳房での子供の吸込みを良く模倣することができる。種々異なった肉厚を有する乳首の形成により、より大きい肉厚のシャフトによる比較的堅牢なショルダが生じ、このショルダは残りの乳首、すなわち、唇接触領域とこの唇接触領域に続く乳頭をばね弾性的に支持し、これにより、実際の母親乳房に接触している感覚が広範囲に模倣される。
底部に設けられた本発明による大きく、敏感に反応する空気流入弁により、いまや瓶内にも実際に負圧は生じず、これにより、乳首が崩壊する危険性はない。それ故、乳首は唇接触領域及び乳頭の領域では対応して薄く構成されており、これによっても搾取り(「ストリッピング」)が可能となる。すなわち、赤ちゃんは搾り運動によりミルクを哺乳瓶から得ることができ、吸い込む必要はない。底部弁と乳首との間のこのような構造的な相互作用により、いまや疝痛の形成は防止される。
比較的大きい底面に基づき、特に哺乳瓶を簡単に、瓶ブラシなしに洗浄することができ、従って食器洗い機内での洗浄のためにも極めて良く適している。
瓶ジャケットの両方の開かれた端部を簡単に閉鎖することができるように、瓶ジャケットの両方の開かれた端部領域に、カバーキャップと底キャップを固定するためのねじ山が設けられている場合には特に好都合である。
直径の大きい方の底側の端部領域と反対側の瓶ジャケット端部に乳首を簡単かつ信頼性良く固定することに関して、より小さい直径を有する乳首側の端部領域に乳首がカバーキャップにより固定されており、この場合に乳首フランジが、カバーキャップと、乳首側の端部領域の端面との間で、カバーキャップと瓶ジャケットとのねじ止めによりクランプされている場合には有利である。
既に説明したように、瓶ジャケットの底側の端部領域に、空気流入弁を有する底キャップがねじ止めされている場合には有利である。なぜならば、瓶ジャケットの円錐状の構成により比較的大きい弁面が提供され、この弁面によっても、小児が母親乳房で吸い込む場合にしばしば生じるように、空気流入は圧力差がわずかな場合に可能となるからである。
底キャップの空気流入弁を介した信頼性良い空気流に関しては、空気流入弁を形成するためにダイアフラムが底キャップ内に収容されており、この場合にダイアフラムを確実に固定するためにはダイアフラムの固定フランジが、底側の端部領域の端面と底キャップの間でクランプされている場合には有利である。
瓶内部への空気流入は瓶ジャケットと底キャップとの間のねじ山結合部を介して既に可能であるが、空気流入を簡易化するためには、底キャップに少なくとも1つの空気流入開口設けられている。
キャップと瓶ジャケットとの間のねじ山結合部を介した、ダイアフラムの閉鎖位置での空気流入に対する良好なシールに関して、ダイアフラムが底キャップに対応した形状のコップ状の形状を有している場合には有利である。
ダイアフラムをフラップ弁の形で形成するため、ダイアフラムが円形リング状である。
圧力差がわずかな場合に既に圧力補償を保証し、ひいては瓶内部の真空の発生を阻止するためには、ダイアフラムが少なくとも15mmの内径、有利には基本的に30mmの内径を有している場合には有利である。
ダイアフラムが特に円形リング状に形成されている場合の閉鎖位置におけるダイアフラムによる良好なシールに関しては、底キャップの中央の隆起部が球欠状に形成されている場合には有利である。
円形リング状のダイアフラムの内側の端部区分が底キャップの中央の隆起部に接触している場合には、中央の隆起部には、閉じられて位置でダイアフラムのリング状のシール面がもたらされ、このシール面は瓶内に負圧が生じた場合にダイアフラムの開放により解放される。
瓶からの意図的でない液体流出を信頼性良く阻止し、かつ吸込み後にわずかな残留真空を瓶内に保持するため、ダイアフラムがプレロード下に底キャップに挿入されている。
実際の母親乳房の特に良好な模倣が、シャフトが基本的に2.00mm〜2.50mmまで、特に2.25mmの肉厚を有しており、乳頭若しくは唇接触領域が基本的に1.20mm〜1.50mmまで、特に1.35mmの肉厚を有している場合にもたらされることをテストが示している。
特に上に述べた、乳首における子供の「ストリッピング」(「搾り」)を簡易化するためには、唇接触領域内に、肉厚が残りの唇接触領域の肉厚よりもわずかになっている少なくとも1つの領域が設けられている場合にはさらに有利である。この場合にも、赤ちゃんの上に述べた「ストリッピング」のためには、前記領域が基本的に1.30mm〜1.60mmまで、特に1.45mmの肉厚を有している場合には特に有利であることをテストが示している。
よりわずかな前記肉厚の領域が乳頭内にまで延びている場合には、このよりわずかな肉厚の領域は子供の唇若しくは子供の舌の接触領域全体に設けられており、これにより、子供の「ストリッピング」はさらに簡易化される。この場合には前記領域が側面図で見て基本的に三角形になっていることが有利にはもたらされる。
よりわずかな肉厚の領域内で乳首が不都合に圧縮されるか、又は崩壊することを阻止するためには、このよりわずかな肉厚の領域が少なくとも1つの補強リブにより補強されている場合には有利である。
この場合には乳首の外側の不都合な隆起を阻止するためには、よりわずかな肉厚の領域内の補強リブが乳首の内側に設けられていると有利である。
この場合に乳頭内へのより薄い肉厚の領域の有利な延びに関して、補強リブが乳頭内へ延びている場合には特に有利である。
有利には乳頭は基本的に楕円形の横断面を有しており、これに対してシャフトは円形の横断面を有している。これにより、乳首は2つの規定された位置においてのみ子供により快適に口内へ取りこまれ得るようになっており、このことは、よりわずかな肉厚の領域を乳首の正確に規定された箇所に設けることができることをもたらす。従って、よりわずかな肉厚の互いに直径上に向かい合った領域が設けられている場合にはさらに有利である。さらにこの関連では、よりわずかな肉厚の2つの領域が、乳頭のより平坦な側の領域内に配置されている場合には有利である。
さらに表面特性に関連しても母親乳房のできるだけ良好な模倣を行うためには、乳首表面の唇接触領域若しくは乳頭の乳首表面、特にわずかな肉厚の1つ又は複数の領域が、少なくとも部分的に最大100μm、特に最大50μmの高められた表面粗さを有している場合には有利である。約10μm〜約40μmまで、有利には15μm〜30μmまでの表面粗さが設けられている場合には、視覚的に柔らかく肌に類似した外観のみならず、乳首はとりわけ母親乳房に特に似ているように感じられることを特にテストが示している。
有利には乳首は射出成形部分の形で設けられており、この場合には、乳首の表面の粗い領域が、射出成形型の、対応して粗い領域により作製される。この粗い領域は、例えば射出成形型の成形面の火花浸食(Funkenerosion)又は化学的なエッチングにより作製することができる。
健康上の理由から、最初の6ヶ月の間の子供の授乳、ひいては母乳による栄養摂取はほとんど義務であるが、母親は子供の傍にいないので多くの場合には子供に4〜6時間毎に乳房を与えることができないということが今日では根本的な問題であるみなすことができることにも言及しておきたい。特にアメリカ合衆国では通常では母親は既に子供の誕生の6週間後には再び職場に戻らなければならない。
いまや母親は乳房ポンピングによりミルクを吐出し、次いでこのミルクは母親の不在中にほかの誰かにより子供に瓶で与えられる。いまや子供たちは実際には毎日瓶乳首と母親乳房との間で交換しなければならない。このようなことは、これらの生後数週間の多くの子供の場合には極めて頻繁に大きい問題をもたらす。たいていの場合には、母親は授乳をやめ、子供に人工的な栄養を与えなければならない。このことは医学的な観点から見て全く好ましいことではない。アメリカの小児科医は、子供は1歳の誕生日まで授乳することを公的にさえ奨励しているが、このことは上に述べたように著しい技術的な問題に突き当たる。確かに瓶乳首ではできるだけ小さい吸込み開口により、子供が母親乳房と同じ吸込み及び作業を行うことに慣れるよう試みられているが、しかしながら、多くの場合にはこのことは不十分であることが明らかとなった。「味」もゴム又はシリコーン乳首の粘着性も子供にとって母親乳房で生じる感覚とは完全に異なっている。ミルクを瓶乳首から吸い込む形式も、母親乳房における吸飲運動とは完全に異なっている。
ここで個々に説明した肉厚変化、粗さによる表面構成及び上に述べた底側の空気流入弁と結びついた前記特性の特別な調整により、いまや「母親乳房」方向に大きいステップがなされ、母親には遙かに長い授乳時間が可能となった。
有利には乳首は熱硬化性のエラストマ又はシリコーン、ラテックス又はこれに類するエラストマ材料より成っている。
冒頭で述べた形式の方法は、瓶ジャケットがポリエチレン、特にポリプロピレンより射出成形されることにより特徴づけられている。
これまでは主にポリカーボネート瓶が使用されているが、しかしながら、材料が比較的高く、とりわけ射出圧延ブロー成形による作製は比較的手間がかかる。
さらに、ポリプロピレンより成る中空体ブロー成形された瓶も公知である。しかしながら、この場合にこれらの瓶は、瓶は使用後には汚れ除去のために煮沸されることが望ましいので、いわゆる「メモリー効果」により約5%だけ収縮してしまい、これにより、ジャケットに取り付けられたスケールに狂いが生じる。これに対抗するためにはこの中空体ブロー成形された瓶は第2の作製段階で延ばされる。ポリオレフィン、特にポリプロピレンより成る瓶ジャケットを射出成形法で作製する場合には、これにより、哺乳瓶のための比較的安価な瓶ジャケットを作製することができ、この哺乳瓶は別の作製ステップで後処理する必要がない。
簡単に大きい底面、ひいては同時に大きい弁面を形成するためには、瓶ジャケットの円錐状の瓶ジャケットを形成するために、円錐台状の射出成形型により作製されている場合には有利である。射出成形型を円錐台状に形成することにより、瓶ジャケットの簡単な型外しももたらされる。なぜならば、瓶ジャケットは、より小さい直径の方向に射出成形型から簡単に取り外すことができるからである。
瓶の内容を見ることを可能にするためには、瓶ジャケットが透明なポリプロピレン、特にランダム共重合体ポリプロピレン、メタロセン触媒ポリプロピレン又はこれに類するものより射出成形される場合には有利である。
次に本発明の実施の形態を図面につきさらに詳しく説明する。しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1には、円錐状の瓶ジャケット2を有する哺乳瓶1が示されている。瓶ジャケット2は両方の端部領域3,4でそれぞれ開かれており、カバーキャップ7若しくは底キャップ8を固定するためのねじ山5,6設けられている。
ここでは瓶ジャケット2はポリプロピレン材料より成っており、射出成形法により成形されるので、円錐状の射出成形型を用いて瓶ジャケット2の円錐状の形状を簡単に作製することができる。ポリプロピレンより成る射出成形された瓶ジャケット2の型外しは、この場合には円錐状の射出成形型(図示していない)から瓶ジャケット2を射出成形型のより小さい直径の方向に引き下ろすことにより簡単に行うことができる。
直径の小さい方の上側の端部領域3内にはカバーキャップ7により乳首9が固定されており、このためには乳首フランジ10がカバーキャップ7と、上側の端部領域3の端面3′との間にクランプされる。使用していない状態で瓶1から液体が流出することを阻止するためには、カバーキャップ7に保護キャップ11が被せ嵌められており、この保護キャップ11は、図1に示した位置では乳首9の液体流出開口12を覆っており(図5参照)、この場合に保護キャップ11は被せ嵌められた位置で乳首9をわずかに下方へ押圧する。
直径の大きい方の、底側の端部領域4には、空気流入弁13を有する底キャップ8がねじ山6を介してねじ止めされている。空気流入弁13は、主に底キャップ8と、この底キャップ8内に挿入されたダイアフラム14とから組み立てられており、例えばこのことは特に図2、図3及び図4から判る。この場合にコップ状の底キャップ8には瓶ジャケット2の雄ねじ山6にねじ込むための雌ねじ山15が設けられており、中央の隆起部16を有しており、この隆起部16はダイアフラム14のための接触面として設けられている。
特に図2から判るように、底キャップ8の円形リング状の底面17内には周にわたって分配されて複数の空気流入開口18が設けられており、これにより、吸込み時には瓶1の内部に生じる負圧と周囲との間の圧力補償が、圧力差がわずかな場合に既に簡易化される。しかしながら、択一的には空気流入開口18なしの構成も可能であり、この構成ではねじ山結合部16を介してのみ空気流入が得られる。
図3から判るように、ダイアフラム14は底キャップ8のコップ形状に基本的に対応した形状を有しており、固定フランジ19を設けられており、この固定フランジ19は、底キャップ8と、開かれた端部領域4の端面4′との間でダイアフラム14を固定するためにクランプされる。ダイアフラム14は特に円形リング状に形成されており、この場合に内側の端部領域内にはシールリップ20が設けられており、このシールリップ20は、ダイアフラム14の、底キャップ8に適合された延びに対して折り曲げられている。
特に図4から判るように、ダイアフラム14はシールリップ20のプレロード下に底キャップ8内へ挿入され、これにより、わずかな真空が吸込み後に瓶1内に残留する。
これにより、圧力補償のためには空気が空気流入開口18若しくはねじ山結合部6,15を介して進入し、次いでシールリップ20が底キャップ8の中央の隆起部16から持ち上げられることにより瓶1の内部へ到達することができる。
図5、図6及び図7には、図1に見られる乳首9が詳細に示されている。特にこの乳首9は、既にわずかな圧力差で圧力補償を可能にする底部弁13と協働して、母親母乳における吸込みを上手に模倣する子供の吸込み若しくは「ストリッピング」を可能にする。
このためには乳首9のシャフト21が、このシャフト21に接続した唇接触領域22並びにこの唇接触領域22に隣接した乳頭23よりも大きい肉厚を有している。これにより、よりわずかな肉厚を有する唇接触領域22並びに乳頭23を支持しているシャフト21の、矢印方向24に作用するばね力が生じる。
子供の「ストリッピング」をさらに簡易化し、母親の乳房における吸込みを良好に模倣するためには、唇接触領域22内に2つの領域25が設けられており、これらの領域25は、特に図7から判るように、残りの唇接触領域に対してさらに薄くなった肉厚を有している。
乳首9は、この場合にはシャフト21の領域内では回転対称的に形成されている、すなわち、横断面図で見て円形になっており、しかしながら、乳頭23は横断面図で見て楕円形になっており、これにより、乳頭23は2つの位置でのみ、つまり長い方の軸線により横方向にのみ小児により快適に口内へ取り込まれ得る。横断面形状は唇接触領域22では乳頭23の大円形の形状からシャフト21の円形へ移行し、これにより、赤ちゃんが乳頭で吸い込んでいる、若しくは絞っている間は乳頭の形状はできるだけ広範囲に自然な乳頭の形状に対応している。
この場合に、わずかな肉厚の両方の領域25が、乳首9の両方の広幅側、すなわち、乳頭23の楕円形の横断面の長い方の軸線に対して平行に延びる側で、互いに直径上に向かい合って配置されており、見かけはほぼ三角形に形成されており、これにより、この領域25の広幅のベース領域が唇接触領域22内に延びており、より挟幅な先端領域が乳頭23内にまで延びている。
それぞれの領域25の内側には、4つの凹状リブ26が設けられており、これにより、乳首9の剛性が、特にわずかな肉厚の領域25内で高められ、これにより、乳首9のために柔らかい材料を使用した場合に乳首9の唇接触領域を意図せずに強く押し込むことはない。従って、凹状リブ26により、乳首9の崩壊、これにより、飲料液、特にミルクの後漏れがブロックされ、信頼性良く阻止される。
さらに、唇接触領域22内並びに乳頭23では、乳首9の表面が、母親乳房の性質をさらに良く模倣することができるように残りの乳首9に対してより高い表面荒さを有している。この場合、図5〜図7に示した乳首9では、輪郭線27′により取り囲まれた領域27は最大で約100μm、特に最大で50μmの高められた表面荒さを備えており、この場合に10μm〜40μmまでの間、有利には15μm〜30μmまでの間の最適な荒さが小児によって特に良いと受け止められることをテストが示した。
従って本発明による哺乳瓶により、安価に簡単に作製できる哺乳瓶がはじめて形成される。この哺乳瓶は底部弁を有しており、この底部弁は既にわずかな圧力差で圧力補償を可能にし、この場合に種々異なった肉厚に基づき母親乳房を特に良好に模倣した乳首と協働した、圧力差がわずかな場合の圧力補償により、本発明による哺乳瓶により、母親乳房を介した栄養摂取を特に良好に模倣することができる。
ポリプロピレンより成る円錐状の瓶ジャケットを有する哺乳瓶の横断面図である。 底キャップの斜視図である。 底側の空気弁のダイアフラムの横断面図である。 挿入されたダイアフラムを有する底キャップの横断面図である。 よりわずかな肉厚の領域を有する乳首の斜視図である。 図5のVI−VI線に沿った断面図である。 図6のVII−VII線に沿った断面図である。

Claims (10)

  1. 瓶(1)、特に哺乳瓶であって、該哺乳瓶に、両側で開かれた瓶ジャケット(2)が設けられており、瓶ジャケット(2)の底側の端部領域(4)に、空気流入弁(13)を有する底キャップ(8)が固定されており、前記底側の端部領域(4)と反対側の乳首側の端部領域に乳首(9)が固定されており、該乳首(9)が、シャフト(21)と、該シャフト(21)に唇接触領域(22)を介して接続する乳頭(23)とを有しており、前記瓶ジャケット(2)が、基本的に円錐状の、前記乳首側の端部領域から前記底側の端部領域(4)へ拡大する形状を有している形式のものにおいて、
    前記底キャップ(8)は中央の隆起部(16)を有しており、フラップ弁の形式の前記空気流入弁(13)の形成のためにダイアフラム(14)が円形リング状に形成されており、前記ダイアフラム(14)のシールリップ(20)が、前記ダイアフラム(14)の内側の端部区分に設けられており、前記シールリップ(20)は前記底キャップ(8)に適合した前記ダイアフラム(14)の延びに対して折り曲げられており、閉鎖位置において前記ダイアフラム(14)の内側の端部区分だけがプレロード下において前記底キャップ(8)の中央の隆起部(16)に接触していて、前記瓶内部への空気流入は前記瓶ジャケット(2)と前記底キャップ(8)との間のねじ山結合部(6,15)又は前記底キャップ(8)の円形リング状の底面(17)に設けられている少なくとも1つの空気流入開口(18)を介して行われ、前記乳首(9)のシャフト(21)の肉厚が、前記乳首(9)の前記唇接触領域(22)及び前記乳頭(23)の肉厚よりも大きくなっていることを特徴とする、瓶(1)、特に哺乳瓶。
  2. 前記瓶ジャケット(2)の両方の開かれた端部領域(3,4)に、カバーキャップ(7)と前記底キャップ8)固定するためのねじ山(5,6)が設けられている、請求項1記載の瓶。
  3. よりわずかな直径を有する前記乳首側の端部領域(3)に、前記乳首(9)が前記カバーキャップ(7)により固定されており、乳首フランジ(10)が、前記カバーキャップ(7)と、前記乳首側の端部領域(3)の端面(3′)との間で、前記カバーキャップ(7)と前記瓶ジャケット(2)とのねじ止めによりクランプされている、請求項2記載の瓶。
  4. 前記瓶ジャケット(2)の底側の端部領域(4)に、前記空気流入弁(13)を有する前記底キャップ(8)がねじ止めされている、請求項2又は3記載の瓶。
  5. 前記空気流入弁(13)を形成するために、前記ダイアフラム(14)が前記底キャップ(8)内に収容されており、前記ダイアフラム(14)の固定フランジ(19)が、前記底側の端部領域(4)の端面(4′)と、前記底キャップ(8)との間でクランプされている、請求項1から4までのいずれか1項記載の瓶。
  6. 前記ダイアフラム(14)が、前記底キャップ(8)のコップ状の構成に対応した形状を有している、請求項5記載の瓶。
  7. 前記ダイアフラム(14)が、基本的に30mmの内径を有している、請求項1から6までのいずれか1項記載の瓶。
  8. 前記底キャップ(8)の中央の隆起部(16)が球欠状に形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の瓶。
  9. 前記瓶ジャケット(2)はポリオレフィンより射出成形されていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の瓶。
  10. 前記瓶ジャケット(2)は、透明なポリプロピレン、特にランダム共重合体ポリプロピレン、メタロセン触媒ポリプロピレン又はこれに類するものより射出成形されている、請求項9記載の瓶。
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