JP4886116B2 - 電界効果型の太陽電池 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、光吸収層に化合物半導体を用いた電界効果型の太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、CuInSe2,CuInGaSe2,CuInS2などのCIS系による化合物半導体を光吸収層に用いた太陽電池が開発されている。
【0003】
そのCIS系による化合物半導体は、直接遷移型のエネルギ帯構造を持ち、光吸収係数が大きく、薄膜化に適している。また、その禁止帯が1.0〜2.0eVの範囲にあるため、光電変換効率の高い太陽電池を得ることができる。そして、アモルファスシリコン太陽電池に比して光劣化がないという利点がある。
【0004】
従来の太陽電池では、そのCIS系によるp型化合物半導体を光吸収層に用いる場合、PN接合を得るために、その光吸収層に接してn型のバッファ層を設けるようにしている。
【0005】
図26は、従来のCIS系による化合物半導体を光吸収層に用いたサブストレート型による太陽電池の構造を示している。21はガラス,ポリイミド,カーボンフィルム,セラミックフィルム等からなる基板、22はMo,Ag,Au,C等からなる裏面電極、23はCuInSe2,CuInGaSe2,CuInS2等からなる光吸収層、24はCdS,ZnS,ZnO等からなるバッファ層、25はZnO等からなる窓層、26はZnOAl,ZNOB,ZnOGa,ZnOIn,ITO,IN2O3,Ag−In等からなる透明電極、27はAl,Al/Ni,Al/NiCr,Ni,Ag,Au等からなる補助電極、28はSi3N4,Ta2O5,MgF2,Ta2O5/SiO2,ZnS/SiO2,ZnS/MgF2等からなる反射防止膜である。
【0006】
また、図27は、従来のCIS系による化合物半導体を光吸収層に用いたスーパーストレート型による太陽電池の構造を示している。図中、図26と同一符号のものは同じ構成要素を示している。特にこの場合は、光の入射側に設けられる基板1にガラス等の光透過性のあるものを使用する必要がある。
【0007】
バッファ層4としては、CdS,ZnS,ZnOなどの多種の化合物半導体を用いることが検討されているが、特に近年の光電変換の高効率化が進んだ太陽電池ではすべてバッファ層4にCdSが用いられている現状である。
【0008】
CdSによるバッファ層4の形成方法としては真空蒸着法、スパッタリング法、化学析出法などがあるが、特に光電変換の高効率化が進んだ太陽電池では化学析出法によってバッファ層4を形成するようにしている。
【0009】
化学析出法は、基材を水溶液中に浸して化学反応によって基材上に膜を形成するものであり、水溶液中のイオンによる膜成長であるために均一でち密な薄膜を形成することができる。化学析出法によってバッファ層4を形成することによって太陽電池の高効率化が図られる理由としては、薄膜化による光の収集効率の改善や膜質の改善などがあげられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、CuInSe2,CuInGaSe2,CuInS2などのCIS系による化合物半導体を光吸収層に用いて光電変換効率の高い太陽電池を製造しようとするに際して、PN接合を得るためにCdSによるバッファ層を化学析出法によって形成させる必要があることである。
【0011】
したがって、バッファ層を形成させるために製造工程が煩雑になり、またカドミウム化合物(CdS)を用いなければならないものになっている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光吸収層に化合物半導体を用いて太陽電池を製造するに際して、製造工程が煩雑になるとともに、カドミウム化合物を用いたバッファ層を何ら設けることなく高効率な光発電を行わせるようにするべく、絶縁層と前記光吸収層の境界部分に取出電極を設けて、透明電極と裏面電極との間に、絶縁層側の光吸収層の表層部分の導電型を反転させるような電圧を印加することにより、光吸収層に入射した光による起電力を裏面電極または透明電極と取出電極から取り出すようにしたMIS(Metal Insulator Semiconductor)タイプによる電界効果型の太陽電池を提供するものである。
【0013】
MISは、金属製の電極に電圧を印加して、絶縁物を介して半導体表面を制御するデバイスの総称である。
【0014】
【実施例】
図1は、本発明によるCuInSe2,CuInGaSe2,CuInS2などからなる化合物半導体を光吸収層として用いたMISタイプによる電界効果型の太陽電池の一構成例を示している。
【0015】
ここでは、n型の化合物半導体による光吸収層3(n)を用いたサブストレート型のものを示している。
【0016】
1はガラス、ポリイミド、カーボンフィルム、セラミックフィルム等からなる基板、2はMo,Ag,Au,C等からなる裏面電極、3(n)はCuInSe2,CuInGaSe2,CuInS2等からなる光吸収層、4はAu、Ni、Pb等からなる取出電極、5はMgO,a−SiN:H,SiO2,Si3N4等からなる絶縁層、6はZnOAl、ZNOB、ZnOGa、ZnOIn、ITO、IN2O3、Ag−In等からなる透明電極、7はAl、Al/Ni、Al/NiCr、Ni、Ag、Au等からなる補助電極、8はSi3N4、Ta2O5、MgF2、Ta2O5/S1O2、ZnS/SiO2、ZnS/MgF2等からなる反射防止膜である。
【0017】
具体的には、ガラス基板1上に裏面電極2としてMo薄膜をスパッタリング法により形成する。そして、そのMo薄膜上に光吸収層3(n)としてCuInSe2薄膜を3元蒸着法またはスパッタリング法により形成し、そのCuInSe2薄膜上に取出電極4としてAu薄膜をマスキングを施しながらの真空蒸着法により形成する。次いで、絶縁層5としてa−SiN:H薄膜をプラズマCVDにより形成し、そのa−SiN:H薄膜上に透明電極6としてZnO:Al薄膜をスパッタリングにより形成する。そして、その上に補助電極7としてAl薄膜を真空蒸着法に形成したうえで、最後に反射防止膜8としてMgF2薄膜を形成する。
【0018】
補助電極7および反射防止膜8は、これを特に設けなくとも良い。
【0019】
なお、基板1に可撓性をもたせるためにカーボンフィルムなどの導電性を有するものを用いる場合には、裏面電極2との間に絶縁膜を介在させる必要がある。
【0020】
取出電極4の形成としては、その他に、光吸収層3(n)上に電極材を一様に成膜したうえで、エッチング等によって必要な形状に加工する方法や、スクリーン印刷による方法などが適用される。
【0021】
図4は、光吸収層3(n)上にエッチングによって取出電極4をパターン形成したときの太陽電池の構造を示している。
【0022】
図5〜図9は、その取出電極4のパターンの一例をそれぞれ示している。
【0023】
そして、この取出電極4は光吸収層3(n)に対してショットキー接合またはヘテロ接合されている。
【0024】
このように構成された太陽電池にあって、図2に示すように、透明電極6と裏面電極2との間に、光吸収層3(n)の光入射側における表層部分の導電型が反転するような電圧V(この場合は透明電極6側が負電圧となるような極性にする)を印加すると、その表層部分にp型の反転層10(p)があらわれ、その下側に空乏層11が形成される。
【0025】
この状態において、取出電極4はp型の反転層10(p)に対してオーミック接続がとれた状態になる。
【0026】
そして、図3に示すように、光Pが入射して、p型の反転層10(p)を通過して空乏層11に達すると、そこで電子−正孔対が生成され、そのうちの電子が裏面電極2に、正孔が取出電極4に集められて、取出電極4と裏面電極2との間に光起電力Eが発生する。
【0027】
このように、本発明によれば、従来のようにp型の光吸収層3(p)に接してn型のカドミウム化合物によるバッファ層を何ら設けるようなことなく、光吸収層3(n)にその表層部分の導電型を反転させる電界をかけることによってPN接合を電気的に派生させて、光起電力Eを生じさせることができるようになる。
【0028】
図10は、n型の化合物半導体による光吸収層3(n)を用いたサブストレート型の太陽電池の他の構成例を示している。
【0029】
この場合は、光吸収層3(n)の光入射の裏面側に取出電極4が配されるようにするとともに、裏面電極2との間に絶縁層5を設けるようにしている。
【0030】
そして、光吸収層3(n)上には透明電極6が形成され、その透明電極6上には補助電極7および反射防止膜8が形成されている。
【0031】
その具体的な製造に関しては、前述の場合と同様である。
【0032】
このように構成された太陽電池にあって、図11に示すように、裏面電極2と透明電極6との間に、n型の光吸収層3(n)の裏面側における表層部分の導電型が反転するような電圧V(この場合は透明電極6側が正電圧となるような極性にする)を印加すると、その表層部分にp型の反転層10(p)があらわれ、その上側に空乏層11が形成される。
【0033】
この状態において、取出電極4はp型の反転層10(p)に対してオーミック接続がとれた状態になる。
【0034】
このように構成された太陽電池にあって、入射光が空乏層11に達すると、そこで電子−正孔対が生成され、そのうちの電子が透明電極6に、正孔が取出電極4に集められて、取出電極4と透明電極6との間に光起電力が発生する。
【0035】
図12は、p型の化合物半導体による光吸収層3(p)を用いたサブストレート型の太陽電池の一構成例を示している。
【0036】
ここでは、取出電極4′はAl,Mn,Sn,In等からなっている。他の図1と同一符号のものは、同一の構成要素を示している。
【0037】
この場合には、具体的には、ガラス基板1上に裏面電極2としてMo薄膜をスパッタリング法により形成する。そして、そのMo薄膜上に光吸収層3(p)としてCuInSe2薄膜を3元蒸着法またはスパッタリング法により形成し、そのCuInSe2薄膜上に取出電極4′としてAl薄膜をマスキングを施しながらの真空蒸着法により形成する。次いで、絶縁層5としてa−SiN:H薄膜をプラズマCVDにより形成し、そのa−SiN:H薄膜上に透明電極6としてZnO:Al薄膜をスパッタリングにより形成する。そして、その上に補助電極7としてAl薄膜を真空蒸着法により形成したうえで、最後に反射防止膜8としてMgF2薄膜を形成する。
【0038】
補助電極7および反射防止膜8は、これを特に設けなくとも良い。
【0039】
そして、この取出電極4′は光吸収層3(p)に対してショットキー接合またはヘテロ接合されている。
【0040】
このように構成された太陽電池にあって、図13に示すように、透明電極6と裏面電極2との間に、p型の光吸収層3(p)の光入射側における表層部分の導電型が反転するような電圧V(この場合は透明電極6側が正電圧となるような極性にする)を印加すると、その表層部分にn型の反転層10(n)があらわれ、その下側に空乏層11が形成される。
【0041】
この状態において、取出電極4′はn型の反転層10(n)に対してオーミック接続がとれた状態になる。
【0042】
そして、図14に示すように、光Pが入射して、n型の反転層10(n)を通過して空乏層11に達すると、そこで電子−正孔対が生成され、そのうちの電子が取出電極4′に、正孔が裏面電極2に集められて、取出電極4′と裏面電極2との間に光起電力Eが発生する。
【0043】
このように、本発明によれば、従来のようにp型の光吸収層3(p)に接してn型のカドミウム化合物によるバッファ層を何ら設けるようなことなく、光吸収層3(p)にその表層部分の導電型を反転させる電界をかけることによってPN接合を電気的に派生させて、光起電力Eを生じさせることができるようになる。
【0044】
図15は、p型の化合物半導体による光吸収層3(p)を用いたサブストレート型の太陽電池の他の構成例を示している。
【0045】
この場合は、光吸収層3(p)の光入射の裏面側に取出電極4′が配されるようにするとともに、裏面電極2との間に絶縁層5を設けるようにしている。
【0046】
そして、光吸収層3(p)上には透明電極6が形成され、その透明電極6上には補助電極7および反射防止膜8が形成されている。
【0047】
その具体的な製造に関しては、前述の場合と同様である。
【0048】
このように構成された太陽電池にあって、図16に示すように、裏面電極2と透明電極6との間に、p型の光吸収層3(p)の裏面側における表層部分の導電型が反転するような電圧V(この場合は透明電極6側が負電圧となるような極性にする)を印加すると、その表層部分にn型の反転層10(n)があらわれ、その上側に空乏層11が形成される。
【0049】
この状態において、取出電極4′はn型の反転層10(n)に対してオーミック接続がとれた状態になる。
【0050】
このように構成された太陽電池にあって、入射光が空乏層11に達すると、そこで電子−正孔対が生成され、そのうちの電子が取出電極4′に、正孔が透明電極6に集められて、取出電極4′と透明電極6との間に光起電力が発生する。
【0051】
図17は、本発明によるCuInSe2,CuInGaSe2,CuInS2などからなる化合物半導体を光吸収層として用いたMISによる電界効果型の太陽電池の他の構成例を示している。
【0052】
ここでは、n型の化合物半導体による光吸収層3(n)を用いたスーパーストレート型のものを示している。
【0053】
その構成にあって、光の入射側に設けられる基板1としては透光性のあるガラス等が用いられる。他の図1と同一符号のものは、同一の構成要素を示している。
【0054】
それは、具体的には、ガラス基板1上に反射防止膜8としてMgF2薄膜を形成し、補助電極7としてAl薄膜を真空蒸着法により形成する。そして、透明電極6としてZnO:Al薄膜をスパッタリングにより形成し、その上に絶縁層5としてa−SiN:H薄膜をプラズマCVDにより形成する。次いで、そのa−SiN:H薄膜上に取出電極4としてAu薄膜をマスキングを施しながらの真空蒸着法により形成し、その上に光吸収層3(n)としてCuInSe2薄膜を3元蒸着法またはスパッタリング法により形成する。最後に、裏面電極2としてMo薄膜をスパッタリング法により形成する。
【0055】
補助電極7および反射防止膜8は、これを特に設けなくとも良い。
【0056】
そして、取出電極4は光吸収層3(n)に対してショットキー接合またはヘテロ接合されている。
【0057】
このように構成された太陽電池にあって、図18に示すように、透明電極6と裏面電極2との間に、n型の光吸収層3(n)の光入射側における表層部分の導電型が反転するような電圧V(この場合は透明電極6側が負電圧となるような極性にする)を印加すると、その表層部分にp型の反転層10(p)があらわれ、その下側に空乏層11が形成される。
【0058】
この状態において、取出電極4はp型の反転層10(p)に対してオーミック接続がとれた状態になる。
【0059】
そして、図19に示すように、光Pが入射して、p型の反転層10(p)を通過して空乏層11に達すると、そこで電子−正孔対が生成され、そのうちの電子が裏面電極2に、正孔が取出電極4に集められて、取出電極4と裏面電極2との間に光起電力Eが発生する。
【0060】
このように、本発明によれば、従来のようにn型の光吸収層3(n)に接してp型のカドミウム化合物によるバッファ層を何ら設けるようなことなく、光吸収層3(n)にその表層部分の導電型を反転させる電界をかけることによってPN接合を電気的に派生させて、光起電力Eを生じさせることができるようになる。
【0061】
図20は、n型の化合物半導体による光吸収層3(n)を用いたスーパーストレート型の太陽電池の他の構成例を示している。
【0062】
この場合は、光吸収層3(n)の光入射の裏面側に取出電極4が配されるようにするとともに、裏面電極2との間に絶縁層5を設けるようにしている。
【0063】
そして、光吸収層3(n)上には透明電極6が形成され、その透明電極6上には補助電極7および反射防止膜8が形成されている。
【0064】
その具体的な製造に関しては、前述の場合と同様である。
【0065】
このように構成された太陽電池にあって、図21に示すように、透明電極6と裏面電極2との間に、n型の光吸収層3(n)の裏面側における表層部分の導電型が反転するような電圧V(この場合は透明電極6側が正電圧となるような極性にする)を印加すると、その表層部分にp型の反転層10(p)があらわれ、その下側に空乏層11が形成される。
【0066】
この状態において、取出電極4はp型の反転層10(p)に対してオーミック接続がとれた状態になる。
【0067】
このように構成された太陽電池にあって、入射光Pが空乏層11に達すると、そこで電子−正孔対が生成され、そのうちの電子が透明電極6に、正孔が取出電極4に集められて、取出電極4と透明電極6との間に光起電力Eが発生する。
【0068】
図22は、p型の化合物半導体による光吸収層3(p)を用いたスーパーストレート型の太陽電池の一構成例を示している。
【0069】
ここでは、取出電極4′はAl,Mn,Sn,In等からなっている。他の図17と同一符号のものは、同一の構成要素を示している。
【0070】
それは、具体的には、ガラス基板1上に反射防止膜8としてMgF2薄膜を形成し、補助電極7としてAl薄膜を真空蒸着法により形成する。そして、透明電極6としてZnO:Al薄膜をスパッタリングにより形成し、その上に絶縁層5としてa−SiN:H薄膜をプラズマCVDにより形成する。次いで、そのa−SiN:H薄膜上に取出電極4としてAl薄膜をマスキングを施しながらの真空蒸着法により形成し、その上に光吸収層3(p)としてCuInSe2薄膜を3元蒸着法またはスパッタリング法により形成する。最後に、裏面電極2としてMo薄膜をスパッタリング法により形成する。
【0071】
補助電極7および反射防止膜8は、これを特に設けなくとも良い。
【0072】
そして、取出電極4は光吸収層3(p)に対してショットキー接合またはヘテロ接合されている。
【0073】
このように構成された太陽電池にあって、図23に示すように、透明電極6と裏面電極2との間に、p型の光吸収層3(p)の光入射側における表層部分の導電型が反転するような電圧V(この場合は透明電極6側が正電圧となるような極性にする)を印加すると、その表層部分にn型の反転層10(n)があらわれ、その下側に空乏層11が形成される。
【0074】
この状態において、取出電極4はn型の反転層10(n)に対してオーミック接続がとれた状態になる。
【0075】
そして、光Pが入射して、p型の反転層10(p)を通過して空乏層11に達すると、そこで電子−正孔対が生成され、そのうちの電子が裏面電極2に、正孔が取出電極4に集められて、取出電極4と裏面電極2との間に光起電力Eが発生する。
【0076】
このように、本発明によれば、従来のようにp型の光吸収層3(p)に接してn型のカドミウム化合物によるバッファ層を何ら設けるようなことなく、光吸収層3(p)にその表層部分の導電型を反転させる電界をかけることによってPN接合を電気的に派生させて、光起電力Eを生じさせることができるようになる。
【0077】
図24は、p型の化合物半導体による光吸収層3(p)を用いたスーパーストレート型の太陽電池の他の構成例を示している。
【0078】
この場合は、光吸収層3(p)の光入射の裏面側に取出電極4′が配されるようにするとともに、裏面電極2との間に絶縁層5を設けるようにしている。
【0079】
そして、光吸収層3(p)上には透明電極6が形成され、その透明電極6上には補助電極7および反射防止膜8が形成されている。
【0080】
その具体的な製造に関しては、前述の場合と同様である。
【0081】
このように構成された太陽電池にあって、図25に示すように、透明電極6と裏面電極2との間に、p型の光吸収層3(p)の裏面側における表層部分の導電型が反転するような電圧V(この場合は透明電極6側が負電圧となるような極性にする)を印加すると、その表層部分にn型の反転層10(n)があらわれ、その下側に空乏層11が形成される。
【0082】
この状態において、取出電極4はn型の反転層10(n)に対してオーミック接続がとれた状態になる。
【0083】
このように構成された太陽電池にあって、入射光Pが空乏層11に達すると、そこで電子−正孔対が生成され、そのうちの電子が取出電極4に、正孔が透明電極6に集められて、取出電極4と透明電極6との間に光起電力Eが発生する。
【0084】
【発明の効果】
以上、本発明による電界効果型の太陽電池は、光吸収層にCuInSe2,CuInGaSe2,CuInS2の何れかによる化合物半導体を用いたものにあって、光吸収層にその表層部分の導電型を反転させる電界をかけることによってPN接合を電気的に派生させて、光起電力を生じさせるようにしたもので、光吸収層と接してPN接合を得るためにカドミウム化合物などを用いたバッファ層を何ら設ける必要がなく、PN接合の不良による発電効率の低下をきたすようなことなく高効率な光発電を行わせることができるという利点を有している。
【0085】
そして、PN接合を用いないことから、薄膜による大面積の太陽電池の製造に適しているという利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるn型の光吸収層を用いて電圧印加用電極を光入射の表面側に設けたサブストレート型による太陽電池の第1の構成例を示す正断面図である。
【図2】その第1の構成例における太陽電池に電圧を印加したときの光吸収層の変化状態を示す正断面図である。
【図3】その第1の構成例における太陽電池に電圧を印加したときの光起電力の発生状態を示す正断面図である。
【図4】本発明によるn型の光吸収層を用いて電圧印加用電極を光入射の表面側に設けたサブストレート型による太陽電池の第2の構成例を示す正断面図である。
【図5】取出電極のパターンの一例を示す図である。
【図6】取出電極のパターンの他の例を示す図である。
【図7】取出電極のパターンの他の例を示す図である。
【図8】取出電極のパターンの他の例を示す図である。
【図9】取出電極のパターンの他の例を示す図である。
【図10】本発明によるn型の光吸収層を用いて電圧印加用電極を光入射の裏面側に設けたサブストレート型による太陽電池の第3の構成例を示す正断面図である。
【図11】その第3の構成例における太陽電池に電圧を印加したときの光吸収層の変化状態を示す正断面図である。
【図12】本発明によるp型の光吸収層を用いて電圧印加用電極を光入射の表面側に設けたサブストレート型による太陽電池の第4の構成例を示す正断面図である。
【図13】その第4の構成例における太陽電池に電圧を印加したときの光吸収層の変化状態を示す正断面図である。
【図14】その第4の構成例における太陽電池に電圧を印加したときの光起電力の発生状態を示す正断面図である。
【図15】本発明によるp型の光吸収層を用いて電圧印加用電極を光入射の裏面側に設けたサブストレート型による太陽電池の第5の構成例を示す正断面図である。
【図16】その第5の構成例における太陽電池に電圧を印加したときの光吸収層の変化状態を示す正断面図である。
【図17】本発明によるn型の光吸収層を用いて電圧印加用電極を光入射の表面側に設けたスーパーストレート型による太陽電池の第6の構成例を示す正断面図である。
【図18】その第6の構成例における太陽電池に電圧を印加したときの光吸収層の変化状態を示す正断面図である。
【図19】その第6の構成例における太陽電池に電圧を印加したときの光起電力の発生状態を示す正断面図である。
【図20】本発明によるn型の光吸収層を用いて電圧印加用電極を光入射の裏面側に設けたスーパーストレート型による太陽電池の第7の構成例を示す正断面図である。
【図21】その第7の構成例における太陽電池に電圧を印加したときの光吸収層の変化状態を示す正断面図である。
【図22】本発明によるp型の光吸収層を用いて電圧印加用電極を光入射の表面側に設けたスーパーストレート型による太陽電池の第8の構成例を示す正断面図である。
【図23】その第8の構成例における太陽電池に電圧を印加したときの光吸収層の変化状態を示す正断面図である。
【図24】本発明によるp型の光吸収層を用いて電圧印加用電極を光入射の裏面側に設けたスーパーストレート型による太陽電池の第9の構成例を示す正断面図である。
【図25】その第9の構成例における太陽電池に電圧を印加したときの光吸収層の変化状態を示す正断面図である。
【図26】従来の化合物半導体を光吸収層に用いたサブストレート型による太陽電池の構成を示す正断面図である。
【図27】従来の化合物半導体を光吸収層に用いたスーパーストレート型による太陽電池の構成を示す正断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 裏面電極
3(n) n型光吸収層
3(p) p型光吸収層
4 取出電極
4′ 取出電極
5 絶縁層
6 透明電極
7 補助電極
8 反射防止膜
Claims (2)
- 裏面電極と、CuInSe2、CuInGaSe2、CuInS2の何れかによる化合物半導体薄膜からなる光吸収層と、絶縁層と、透明電極とが順次積層された太陽電池において、
前記太陽電池は前記絶縁層と前記光吸収層の境界部分に取出電極を設けてなり、
前記透明電極と前記裏面電極との間に、前記絶縁層側の前記光吸収層の表層部分の導電型を反転させるような電圧を印加することにより、前記光吸収層に入射した光による起電力を前記裏面電極と前記取出電極から取り出すとともに、
前記取出電極は、前記光吸収層がn型であるときにはAu、Ni、Pbの何れかからなり、前記光吸収層がp型であるときにはAl、Mn、Sn、Inの何れかからなることを特徴とする電界効果型の太陽電池。 - 裏面電極と、絶縁層と、CuInSe2、CuInGaSe2、CuInS2の何れかによる化合物半導体薄膜からなる光吸収層と、透明電極とが順次積層された太陽電池において、
前記太陽電池は前記絶縁層と前記光吸収層の境界部分に取出電極を設けてなり、
前記透明電極と前記裏面電極との間に、前記絶縁層側の前記光吸収層の表層部分の導電型を反転させるような電圧を印加することにより、前記光吸収層に入射した光による起電力を前記透明電極と前記取出電極から取り出すとともに、
前記取出電極は、前記光吸収層がn型であるときにはAu、Ni、Pbの何れかからなり、前記光吸収層がp型であるときにはAl、Mn、Sn、Inの何れかからなることを特徴とする電界効果型の太陽電池。
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