JP4885862B2 - クラミドモナスでのii型nad(p)h脱水素酵素の異種発現による水素の産生 - Google Patents
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- C12Y106/01—Oxidoreductases acting on NADH or NADPH (1.6) with NAD+ or NADP+ as acceptor (1.6.1)
Description
よって、回復可能でクリーンな一次エネルギー原料(温室効果ガスを放出しない)から水素を産生する費用効果のよい方法が所望されているようである。
これらの藻類では、水素は、強い比活性を有する鉄ヒドロゲナーゼにより産生される。この酵素は、共通の電子輸送物質であるフェレドキシンを介して、PSI光合成電子伝達鎖に連結している。水素の産生に必要な電子は、PSII活性を介するか(経路A)、又はプラストキノンの光化学的還元を介する貯蔵炭素の使用を介するか(経路B)のいずれかによりPSIに供給できる。これらの2つの経路の概略を、図1に示す。
PSI:光化学系I;PSII:光化学系II;RuBP:リブロース1,5-ビスホスフェート;LHC:集光性複合体(light harvesting complex);FNR:フェレドキシンNADPレダクターゼ;Fd:フェレドキシン;Pc:プラストシアニン;cytb6:シトクロムb6;cytf:シトクロムf;NDH:NADH-脱水素酵素;PQ(H)2:プラストキノール;Qa:キノンa;P680及びP700:それぞれPSI及びPSIIについての反応中心。
ベースの貯蔵を蓄積する。これらの貯蔵は、次いで、水素を産生するために、暗段階の間に嫌気条件下で用いられる。この方法は、嫌気生活を達成するために、窒素のパージを必要とする。また、この方法は、光の下での産生よりも1オーダーの大きさで低い暗所でのH2産生の効率にも制限される。
I型NADH脱水素酵素(NDH-I)は、14〜約50のサブユニットを含む多量体膜貫通複合体である。この種の複合体は、NADHのみを酸化し、プロトン汲み出し活性を伴う。
この実施形態の好ましい態様によると、上記の藻類は、クラミドモナス属に属する。有利には、上記の藻類は、クラミドモナス・ラインハーディ種に属する。
a) 全てのNAD(P)H脱水素酵素に共通の特徴、すなわちi) FAD又はFMNをフラビンコファクターとして用いて、NADH又はNAD(P)Hの酸化を介して電子伝達鎖のキノンの還元を触媒する能力、及びii) その配列中にコンセンサスモチーフGxGxxG (式中、「G」はグリシンを表し、「x」は任意のアミノ酸を表し、フラビンコファクター及びNAD(P)Hのための結合部位に相当する)が存在する;
b) II型NAD(P)H脱水素酵素に特異的な特徴、すなわち30〜60 kDaのモノマー又はホモダイマーの形での活性、いずれの膜貫通プロトン輸送も行わないという事実、及びロテノン非感受性活性を有するという事実
を有する任意のフラボ酵素に与えられる。
ードする配列を同定した。この配列(以下、N2Cr2という)は、添付の配列表において配列番号3の番号で表し、推定ポリペプチド配列(以下、N2Cr2という)は、配列番号4の番号で表す。
本発明者らは、Agtundh2の部位特異的突然変異誘発を行い、NADHを優先的に用いる酵素におけるピリジン-ヌクレオチド-結合ベータ-アルファ-ベータモチーフ(「ロスマン(Rossman)モチーフ」ともよばれる)の第二のベータシートの末端に位置する酸残基 (Agtundh2の場合はグルタミン酸)を、中性で極性の残基、例えばNADPHを優先的に用いる酵素の同じ位置にある残基で置換することにより、NADPHに対するその親和性を増大できることを示している。
この残基は、例えば、Agtundh2の配列(配列番号2)の位置201、及びN2Cr2の配列(配列番号4)の位置285に相当する。
緑藻類を形質転換するために用いることができる種々の手段及び方法がそれら自体で公知であり、本発明を行うために用いることができる(総説として、ROCHAIXら, The Molecular Biology of Chloroplasts and Mitochondria in Chlamydomonas, Kluwer Academic Publishers, The Netherlands, 1998を参照)。
- 核での発現のために、種々に組み合わせることができる、RUBISCO (リブロースビスホスフェートカルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ)スモールサブユニットをコードするRbcS2遺伝子(GOLDSCHMIDT-CLERMONT及びRAHIRE, J. Mol. Biol. 191: 421〜432, 1986)、葉緑体ATPシンセターゼのガンマサブユニットをコードするAtpC遺伝子(QUINN及びMERCHANT, Plant Cell 7: 623〜638, 1995; KINDLE及びLAWRENCE. Plant Physiol. 116: 1779〜1791, 1998)、及びプラストシアニンをコードするPetE遺伝子(QUINN及びMERCHANT, 1995, 上記; KINDLE, Plant Mol. Biol. 38: 365〜377, 1998)のプロモーター、ターミネーター並びに標的ペプチド;及び
が挙げられる。
- 核での発現について、欠損しているのでアルギニンの栄養要求性である変異体を補完するクラミドモナスのアルギノコハク酸リアーゼをコードするArg7遺伝子(DEBUCHYら, EMBO J. 8: 2803〜2809, 1989)、欠損しているので硝酸塩を唯一の窒素源として増殖できない変異体を補完するクラミドモナスの硝酸レダクターゼをコードするNit 1遺伝子(KINDLEら, J. Cell Biol. 109: 2589〜2601, 1989)、欠損しているのでニコチンアミドの栄養要求性である変異体を補完するクラミドモナスからのニコチンアミド生合成に酸化する酵素をコードするNic7遺伝子(FERRIS, Genetics 141: 543〜549, 1995)、厳密な従属栄養変異体を補完するクラミドモナスの光化学系IIのサブユニットをコードするOee1遺伝子(MAYFIELD及びKINDLE, Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 87: 2087〜2091, 1990)、クラミドモナスの任意の株にスペクチノマイシン及びストレプトマイシン耐性を与える大腸菌からのアミノグリコシドアデニントランスフェラーゼをコードするaadA遺伝子(CERUTTIら, Genetics. 145: 97〜110, 1997)、クラミドモナスの任意の株にフレオマイシン耐性を与えるストレプトアロテイカス・ヒンドゥスタヌス(Streptoalloteichus hindustanus)からのブレオマイシン結合タンパク質をコードするble遺伝子(STEVENSら, Mol. Gen. Genet. 251: 23〜30, 1996);抗生物質耐性をコードする遺伝子は、クラミドモナスからの調節配列、例えばRbcS2のものの制御下で発現させなければならない;
本発明による緑藻類は、形質転換されていない緑藻類と同様の条件下で水素の産生のために用いることができる。これらは、例えば、上記の米国特許第4,532,210号又は米国出願2001/0053543号に記載される方法のような方法の関係において用いることができる。
I - NDH-II遺伝子の単離
アグロバクテリウム・ツメファシエンスのNDH-IIをコードするAgtundh2遺伝子(NCBIアクセッションNo.: AI2824; SWISSPROTアクセッションNo.: Q8UDU6)を、アグロバクテリウム・ツメファシエンス (C58株)のゲノムDNAから、以下のプライマーを用いて増幅した。
- 反応混合物:
1.5 mM MgCl2を含有する特異的反応バッファー
0.5μMの最終濃度のプライマー
200μMの最終濃度のdNTPミックス
300 ngのDNA
1.5単位のExpand High Fidelity Taqポリメラーゼ(Roche)
95℃で3分+80℃で1分:1サイクル
95℃で1分+70℃で1分(各サイクルで-0.5℃)+72℃で2分:20サイクル
95℃で1分+60℃で1分+72℃で2分:10サイクル
72℃で6分:1サイクル。
1 - クローニング
増幅産物は、mfeI及びPstI (New England Biolab、供給業者により推奨されるプロトコル)を用いて消化し、ライゲーション (New England Biolabからのリガーゼ、供給業者により推奨されるプロトコル) により、EcoRI及びPstIで消化した発現ベクターに導入した。
このベクターpSD80は、アンピシリン耐性カセット、強いTaqプロモーター及びLaq iQリプレッサー遺伝子を有する(PATEL及びDUNN, J. Bacteriol. 177: 3917〜3922, 1995; SMITHら, Biochem. 35: 8805〜8814, 1996)。
アンピシリン耐性形質転換体を、次いで、上記と同じプライマー及び同じ条件を用いるPCRにより、Agtundh2遺伝子の存在を確認するために、スクリーニングした。
次いで、pSD80ベクターに特異的なプライマー及びAgtundh2遺伝子の内部のプライマーを用いる配列決定により、構築物を確認した。
PSD80.R 5'-AGGACGGGTCACACGCGC-3' (配列番号8)
N2Ag.307.F 5'-TGGCCACCGGCGCGCGT-3' (配列番号9)
N2Ag.650.f 5'-TGCGAAGGAAGCGCTTGA-3' (配列番号10)
N2Ag.901.R 5'-TTCCTGATTGACCGCGG-3' (配列番号11)
アンピシリン及びクロラムフェニコールに耐性の1つの同時形質転換体を、NDH-II 6Hisタンパク質の発現及び精製のために選択した。
アンピシリン及びクロラムフェニコールの存在下での、2.5Lのエルレンマイヤーフラスコ中の1Lの容量でのLB (Luria Bertani)培地の培養に、15時間の前培養から1/50を接種し、激しく振とうしながら37℃にて、光学密度が0.5になるまでインキュベートした。
次いで、細胞を遠心分離により回収し、新しい培養培地でリンスして、−80℃にて保存した。
精製プロトコルは、BJORKLOFら(FEBS Letts., 467: 105〜110, 2000)により出版されている。
細胞を融解し、2.5 mM EDTA、0.2 mM PMSF (フェニルメチルスルホニルフルオリド)、200 mM Tris-Cl、pH 8に、10 ml当たり約1 gの濃度で再懸濁した。300μg/mlのリゾチームを加え、混合物を氷上で1時間インキュベートした。
フラクション29を、限外ろ過により900μlの容量まで濃縮した。220μlの容量の純粋なグリセロールを加え、酵素を−80℃にて保存した。酵素の濃度は、BSA (ウシ血清アルブミン)の一連の標準との比較により、SDS-PAGEゲル上で評価した。
1 - 補酵素の分析
補酵素の性質を、FANG及びBEATTIE (Biochem. 41: 3065〜3072, 2002)に記載されるようにして、蛍光定量法により測定した。精製酵素は、3〜4分間ボイルし、次いで遠心分離した。
これらの結果は、アグロバクテリウム・ツメファシエンス NDH-IIのコファクターがFADであることを示す。
次に実験において、この酵素が大腸菌の呼吸鎖に電子を伝達する能力を測定した。
アグロバクテリウム・ツメファシエンスNDH-IIの活性は、NDH-I及びNDH-IIを欠損する大腸菌株(ndh::tet; nuoB::nptl)からの膜を用いて分析した。
10μlの細菌膜及び1.5μlの精製酵素(1 mg/mlで保存)を含む反応混合物は、氷中で10分間プレインキュベートし、その後、990μlの分析バッファー(50 mMのリン酸バッファー、pH 7.5及び150 mM NaCl)で希釈し、電極の分析チャンバにピペットで導入した。反応は、電子供与体としてのNADH又はNADPHの漸増濃度の存在下で、25℃にて追跡した。
アグロバクテリウムNDH-IIによるプラストキノン還元活性を、葉緑素蛍光を測定することにより分析した。弱い非光化学作用の照射の下では、葉緑素蛍光の測定は、プラストキノンの酸化還元状態の指標を提供する。
200 mlのクラミドモナス・ラインハーディ(野生型137c)培養物を、指数増殖期(約5×106細胞.ml-1)にサンプリングし、次いで遠心分離した(5分、1000×g)。細胞を35 mM HEPES-NaOHバッファー(pH 7.2)中で洗浄し、10 mlの溶解バッファー(50 mM トリシン-NaOH、pH
8、10 mM NaCl、5 mM MgCl2、1% BSA、1 mMベンズアミジン及び1 mM PMSF)に再懸濁し、次の工程のために冷暗所に保存した。
mM NaCl及び5 mM MgCl2)に再懸濁した。
光化学系IIの蛍光を、変調光蛍光計(PAM 101-103, Walz, Effeltrich, Germany)を用いて測定した。
非光化学作用の変調光(nonactinic modulated light) (650 nm、1.6 kHz)を用いて、葉緑素蛍光F0のレベルを測定した。葉緑素蛍光の最大レベルFmを、1秒間の飽和閃光(saturating flash) (約1000μmol光子.m-2.s-1)の下で測定した。プラストキノンの再酸化を防ぐために、実験は、反応混合物にグルコース(20 mM)、グルコースオキシダーゼ(2 mg.ml-1)及びカタラーゼ(1000単位.ml-1)を加えることにより、嫌気条件下で行った。
1.5μgの精製アグロバクテリウム・ツメファシエンスNDH-IIの添加は、この電子伝達を、NADPHを供与体として用いたときに20から45 nmol.min-1.mg-1葉緑素に、及びNADHを供与体として用いたときに21から67 nmol.min-1.mg-1葉緑素に刺激する。
I - プラスミドpSADN2Agの構築
Agtundh2遺伝子を、エー・ツメファシエンス(C58株)のゲノムから、次のプライマー、並びに以下の条件を用いて、PCRにより増幅した。
ndhAgTu.F
5'-TCCCCCGGGATGCAAGAACATCATGTT-3' (配列番号12)
(Tm 66.5°C)
及び
ndhAgTu.R
5'-CCGCAATTGTCAGGCCTCGTCCTTCAG-3' (配列番号13)
(Tm 69.5°C)
- 反応混合物:
1.5 mM MgCl2を含有する特異的反応バッファー
0.5μMの最終濃度のプライマー
200μMの最終濃度のdNTPミックス
300 ngのDNA
1.5単位のExpand High Fidelity Taqポリメラーゼ(Roche)
95℃で3分+80℃で1分:1サイクル
95℃で1分+60℃で1分+72℃で2分:30サイクル
72℃で6分:1サイクル。
プラスミドpGEND2 (FISHER及びROCHAIX, Mol. Genet. Genomics 265: 888〜894, 2001)を、葉緑体標的ペプチド以外のPsaDタンパク質をコードする配列を切り出すために、NaeI/EcoRIで消化した。切り出された断片を、N2Ag遺伝子増幅産物から得られたSmaI/mfeI断片で置き換えた。
pSADN2Agと呼ばれる得られたプラスミドは、よって、psaD遺伝子のプロモーターの制御下にアグロバクテリウム・ツメファシエンスNDH-IIをコードする配列を、PsaDタンパク質の葉緑体標的ペプチドとの翻訳誘導体として有する。
アルギノコハク酸リアーゼを欠損しているのでアルギニンについて栄養要求性であるクラミドモナス・ラインハーディ変異体(CC-2852 arg7 cw15 mt+, Chlamydomonas Center, Duke University, Durham, USA)を用いた。この藻類は、100 mg/lのアルギニンを補った200 mlの容量のTAP培地(HARRIS, The Chlamydomonas sourcebook, Academic Press, San Diego, 1989)での、約35μmol 光子.m2.s-1の連続光を照射する25℃における振とう培養に付す。
指数増殖期の最後に(約107細胞/mlの濃度)、この藻類を遠心分離により濃縮し、TAPに採取して、3×108細胞/mlの懸濁物を得る。
連続光(35μmol.m2.s-1)の下で25℃にて10日間インキュベートした後に、藻類を同じ培地上に植え継ぐ。2回の継代の後に、アルギニンなしで増殖する形質転換体を回収する。
コロニーは、以下のプロトコルに従って溶解する。
各コロニーを、100μlの滅菌水(milliQ (登録商標)ろ過)に採取する。5μlの10×PCRバッファー、1μlの0.01% SDS、1μlの200 mM DTT、3μlの細胞及び39μlのH2Oを、1.5 mlのチューブで混合する。
5回の凍結/融解サイクル(液体窒素及び55℃の水浴)を行う。
2μlの10μg/mlプロテイナーゼKを加え、混合物を55℃にて1時間インキュベートする。
プロテイナーゼKを、95℃にて5分間の処理により不活性化する。
- 反応混合物:
最終容量25μlについて
2.5μlの10×バッファー
2μlのdNTPミックス
1.25μlの各プライマー
2.5μlの10×BSA
3μlの細胞溶解物
0.3μlのTaqポリメラーゼ(Qiagen)
12.2μlのH2O
95℃で3分+80℃で1分:1サイクル
95℃で1分+60℃で1分+72℃で2分:30サイクル
72℃で6分:1サイクル。
ポジティブコントロールは、クラミドモナスのゲノムDNAを、形質転換に用いたプラスミドで置き換えることにより行った。
NDH-II遺伝子が組み込まれた形質転換体は、約1.2 kbのバンドを示し、これはポジティ
ブコントロールでも観察される。同時形質転換体(= 2つのプラスミドが組み込まれたもの)の割合は、約50%である。
アグロバクテリウムNDH-II遺伝子の発現は、6つの同時形質転換体においてRT-PCRにより確かめた。トータルRNAを、25 mlの指数増殖期培養物から、RNeasy (登録商標)キットを供給業者の使用説明(Qiagen)に従って用いて抽出する。供給業者により推奨されるプロトコル(Qiagen)に従ってOmniscript (登録商標)キットを用い、種々のRNAの容量を各反応において2μgを得るように調節してcDNAを調製する。
- 反応混合物:
1.5 mM MgCl2を含有する特異的反応バッファー
0.5μMの最終濃度のプライマー
200μMの最終濃度のdNTPミックス
300 ngのDNA
1.5単位のExpand High Fidelity Taqポリメラーゼ(Roche)
95℃で3分+80℃で1分:1サイクル
95℃で1分+60℃で1分+72℃で2分:30サイクル
72℃で6分:1サイクル。
増幅産物は、1%アガロースゲル泳動により分析し、ゲルをエチジウムブロミドで染色することにより視覚化した(図9)。分子量マーカーは、得られた増幅産物の大きさを判断するために、ゲル上に並行して載せた。
I - 補完-増殖試験
異種宿主でのインビボのAgtundh2タンパク質の機能を、NDH-1及びNDH-2を欠損する変異大腸菌ANN.0222株の増殖を回復させるその能力を測定することにより試験した。この株は、通常はLB培地上で増殖するが、単独炭素源としてマンニトールを補った最少培地M9では増殖できない。
ml)を含む液体LB培地中で37℃にて、指数増殖期の中間まで培養した。細胞を、単独炭素源としてマンニトールを補った滅菌M9培地(1×M9塩、2×10-3 M MgSO4、10-4 M CaCl2、0.4%マンニトール)でリンスした。次いで、細胞をM9培地/マンニトールで希釈し、アンピシリン及び種々の濃度のIPTGを含む固形のM9/マンニトール/アガー培地に接種した。ペトリ皿を37℃にて2日間インキュベートした。コントロールとして、同じ細胞を、アンピシリン及び種々の濃度のIPTGを含むLBアガー培地を含むペトリ皿に並行して接種し、次いで37℃にて一晩インキュベートした。
非形質転換変異株の増殖は、IPTG (0.1 mM)の存否に関わらず最少培地上で大きく制限される。一方、Agtundh2発現株の最少培地上での増殖は、0.1 mM IPTGでの誘導の後に回復した。変異体の部分的補完はIPTGの不在下でも観察され、このことは、タンパク質があるレベルでIPTG非依存性の発現をしていることを示唆する。
2バッチの大腸菌ANN.0222の膜画分を、コントロール株のLB培地での培養物、及びプラスミドpSDN2Ag6Hを組み込んだ株を0.1 mM IPTG存在下でLB培地で培養した培養物から調製した。培養は、600 nmでの光学密度が1になるまで行った。細胞を遠心分離(15分、3200×g)により回収し、2回リンスし、10 mlのバッファーA (200 mM Tris-Cl、pH 8、2.5 mM EDTA及び0.2 mM PMSF;(30))に再懸濁した。次いで、細胞を16000 psiでフレンチプレスに2回通すことにより、細胞を破砕した。遠心分離(30分、4℃、48500×g)により回収した膜画分を、200μlのバッファーB (50 mMリン酸バッファー、pH 7.5及び150 mM NaCl)に採取した。O2の取り込みを、1 mlのバッファーAで希釈したこれらの膜画分の2μlの一定量について、クラーク電極(DW2/2, Hansatech, King's Lynn, England)を用いて25℃にてNADHの存在下で測定した。
NADHの添加に応答してコントロール株からの膜においてO2の取り込み活性は検出されなかったが、一方、pSDN2Ag6Hで形質転換した株の膜において同じ条件下ではかなりのO2取り込みが検出された(図10B)。大腸菌の膜で発現される場合、Agtundh2は、同じオーダーの最大速度でNADH及びNADPHを酸化できるが、NADHについての親和性のほうがより大きい。
形質転換されたANN.0222株でのAgtundh2タンパク質の発現を、免疫検出により確かめた。
ウサギ血清を、精製Agtundh2タンパク質(Agro-Bio, Villeny, France)に対して作製した。可溶性画分及び膜タンパク質画分を、上記のようにして抽出した。これらのタンパク質画分、及び精製Agtundh2タンパク質の一定量を、10% SDS-PAGEゲルに載せ、電気泳動に付し、次いでニトロセルロースメンブレンにブロットした。次いで、ニトロセルロースメンブレンを、ミルク中(0.1% TBSTを加えた3%粉スキムミルク水溶液)で30分間インキュベートし、次いで0.1% TBSTでリンスし、1/10000に希釈した抗Agtundh2抗体と1時間30再びインキュベートした。次いで、メンブレンを0.1% TBSTで10分間、3回リンスし、次いで、1/10000に希釈したアルカリホスファターゼ結合抗ウサギ二次抗体と1時間インキュベートした。反応は、供給業者(Sigma)により推奨されるプロトコルに従って検出した。
物のいずれかで形質転換し、0、0.1又は0.5 mMのIPTGに曝露した大腸菌ANN0222株の可溶性(S)及び膜(Mb)タンパク質の画分の免疫検出。ゲルへのローディングは、最終的には、OD600 = 1で回収した50 mlの培養物の可溶性画分及び膜画分の1/400希釈に相当する(すなわち、膜画分に相当するレーンには2.5μgのタンパク質、及び可溶性画分に相当するレーンには30μgのタンパク質)。右のパネル:左から右へ0.1、0.2及び0.3μg/レーンでの精製Agtundh2の免疫検出。
精製Agtundh2タンパク質及び膜画分について得られたシグナルの相対的強度に基づいて、図10Bに示す実験におけるAgtundh2タンパク質の量は、0.6μgのタンパク質と判断した。これらの条件下での最大O2取り込みは、よって、13.2/0.6 = 22 nmol O2 min-1.μg-1タンパク質、すなわち44 nmol NADH min-1.μg-1タンパク質と判断される。
I - Agtundh2遺伝子の増幅
Agtundh2遺伝子は、プラスミドpSDN2Ag6Hから、次のプライマーを用いて増幅した。
- 反応混合物:
1×特異的反応バッファー
1.5μM MgSO4 最終濃度
0.5μMの最終濃度のプライマー
200μMの最終濃度のdNTPミックス
200 ngのDNA
1単位のPfxプラチナ(Invitrogen)
94℃で2分:1サイクル
94℃で30秒+55℃で1分+68℃で3分:25サイクル
68℃で10分:1サイクル
Agtundh2遺伝子のE201Q変異は、「PCR融合」部位特異的突然変異誘発法により、遺伝子の配列に導入した。第1の増幅工程に対応する断片は、鋳型としてプラスミドpSDN2Ag6Hを用いて得た。用いたプライマー対は、次のとおりである。
これらの2つのプライマーにより、E201Q変異を含む5'断片を得ることができる。
これらの2つのプライマーにより、E201Q変異を含む3'断片を得ることができる。
1×特異的反応バッファー
1.5μM MgSO4 最終濃度
0.5μMの最終濃度のプライマー
200μMの最終濃度のdNTPミックス
200 ngのDNA
1単位のプラチナPfx (Invitrogen)
94℃で2分:1サイクル
94℃で30秒+55℃で1分+68℃で3分:25サイクル
68℃で10分:1サイクル
第2の増幅工程は、前の工程で得られた2つの増幅断片を混合することにより行う。これらの2つの断片は、それらの共通配列
1×特異的反応バッファー
1.5μM MgSO4 最終濃度
0.5μMの最終濃度のプライマー
200μMの最終濃度のdNTPミックス
200 ngのN2Ag.NcoI/N2Ag.E201Q.R断片
200 ngのN2Ag.XbaI/N2Ag.E201Q.F断片
1単位のプラチナPfx (Invitrogen)
94℃で2分:1サイクル
94℃で30秒+55℃で1分+68℃で6分:30サイクル
68℃で10分:1サイクル
増幅産物を、NcoI及びXbaI (New England Biolabs、供給業者により推奨されるプロトコル)で消化し、ライゲーション(New England BiolabsからのT4 DNAリガーゼ、供給業者により推奨されるプロトコル)により、NcoI及びXbaIで消化したベクターpBAD24に導入した。このベクターは、アンピシリン耐性カセット及びアラビノース誘発性pBAD型プロモーターを有する。次いで、増幅産物を、エレクトロポレーションにより大腸菌dH10βに導入した。アンピシリン耐性形質転換体を選択し、挿入断片の存在を、プラスミドDNAの抽出とNcoI及びHindIIIでの消化により確認した。
配列決定により、所望の変異(E201Q)が実際に導入されたことが示された。プラスミドは、E201Qc1と称する。
改変タンパク質のNADH及びNADPHに対する親和性を測定した。
結果を、図12に示す。野生型タンパク質(A)は、200μM NADPHを用いて記録されたものに比べて明らかにより大きい200μM NADHとの活性を示すが、改変タンパク質(B)は、これら2つの基質に対して同程度の活性を示す。
I - 遺伝子の増幅
トータルRNAを、TAP培地でのシー・ラインハーディの培養物(1×106〜1×107細胞/mlの間で採取)から、QIAGEN RNeasy (登録商標) Plant Mini Kitを供給業者の使用説明に従って用いて単離した。cDNA合成は、Omniscript (商標) Reverse Transcriptaseシステム(QIAGEN)をoligo-dTプライマーと共に用いて行った。反応産物は、OmniGene Hybridサーモサイクラーでturbo pfuポリメラーゼ(Stratagene)を用いて、PCRにより増幅した。
94℃での変性:5分
94℃で30秒、72℃で40秒及び72℃で2分:5サイクル
94℃で30秒、68℃で40秒及び72℃で2分:5サイクル
94℃で30秒、65℃で40秒及び72℃で2分:5サイクル
94℃で30秒、62℃で40秒及び72℃で2分:15サイクル
72℃での伸長:5分。
5'-ATGCATAGCCTTGATGGCCAAAAC-3' (配列番号18)及び
5'-TCACACTCGCGAGATGTCGCG-3' (配列番号19)。
これらの2つのプライマーにより、cDNA (1662 bp)をRT-PCRにより増幅できた。このようにして同定された新しい配列は、N2Cr2と命名した。N2Cr2に対応するcDNAは、533アミノ酸で、推定質量60.5 kDaのポリペプチドをコードする。
このcDNAの配列を、シー・ラインハーディの入手可能なゲノム配列と比較すると、これが、実際に、そのN-末端で65アミノ酸が短くなったタンパク質に相当することがわかった。
1662 bp cDNA配列のN2Cr2コーディング領域を、該配列のN-末端及びC-末端に対応し、E
coRI及びSmaIの制限部位を与える追加の塩基及び6ヒスチジンコーディング配列が伸長されたプライマーを用いるPCRにより増幅した。EcoRI及びSmaI部位(下線)を、フォワード(F)及びリバース(R)のプライマーに、開始コドンの上流及び停止コドンの下流にそれぞれ挿入した。6ヒスチジンコーディング領域(斜体)は、Fプライマーに、N2Cr2コーディング領域の開始コドンの下流に挿入した。よって、オリゴヌクレオチドの配列は、次のとおりである。
N2Cr2-6Hisの単離及びニッケルアフィニティ精製は、BJORKLOFら(2000, 上記)のプロトコルに従って行った。DH10β(pSD80-N2Cr2)細胞を氷上で融解し、2.5 mM EDTA、0.2 mM PMSF及び200 mM Tris-Cl、pH 8.0を含むバッファーに、10 ml当たり約1 gで採取した。リゾチームを加え、混合物を氷上で1時間攪拌した。この後に、細胞をフレンチプレス(16000 psi)に2回通すことにより、細胞を破砕した。溶解物を12000 gで1時間遠心分離し、上清を回収して、Histrap HP樹脂(Amersham Bioscience)を用いるニッケルアフィニティクロマトグラフィーによるN2Cr2-6Hisの精製に用いた。カラムは、20 mMトリエタノールアミン、500 mM NaCl及び25 mMイミダゾール、pH = 7.5を含むバッファー(バッファーA)で予め平衡化した。サンプルを載せた後に、2カラム容量のバッファーAでカラムを2回リンスし、次いで、同様の容量の50 mM Tris-Cl、0.2% (w/v)ドデシルマルトシド、pH = 7.5 (バッファーB)でリンスし、最後に、1カラム容量の50 mM Tris-Cl、0.2% (w/v)ドデシルマルトシド、10 mM CaCl2、pH = 7.5 (バッファーC)でリンスした。この「カルシウム洗浄」の後に、カラムを3容量のバッファーB及び2容量のバッファーAで再びリンスした。N2Cr2-6Hisを、次いで、20 mMトリエタノールアミン、500 mM NaCl、300 mMイミダゾール、pH = 7.5から調製したイミダゾールの勾配を用いて溶出した。N2Cr2-6Hisは、約180 mMのイミダゾールでカラムから溶離した。対応するフラクションを、「Amicon Ultra 30 kDa」システム(Millipore)を用いる限外ろ過により濃縮した。グリセロールを最終濃度50% (v/v)に加え、酵素を-80℃にて保存した。
2 mgのタンパク質を、上記の精製プロトコルを用いて得た。タンパク質の純度は、クーマシーブルー染色したゲルで確かめ、その物質を、ウサギの免疫化によるN2Cr2に指向された血清を作製するために用いた。
全画分、ミトコンドリア画分及び可溶性画分の取得
クラミドモナス・ラインハーディ細胞内でのタンパク質の細胞内局在化を調べるために、破片画分、ミトコンドリア画分及び可溶性タンパク質画分を分けることを可能にする細胞分画を行った。このために、Yedaプレス溶解による「穏やかな」細胞分画を得ることを可能にする細胞壁減少株(cell-wall-less strain) (CW15)を用いた。
mM NaCl、5 mM MgCl2、pH = 8)に採取したペレットを、分画を行うためにYedaプレスに導入する。細胞を、プレス内でN2の下で6分間、8 barにてインキュベートし、次いで滴状で回収した。
ミトコンドリア膜が混入していない葉緑体画分を得るために、パーコール勾配精製(COURNACら, J. Biol. Chem., 275, 23, 17256〜17262, 2000)を行った。
このために、指数増殖期の中間のCw15培養物600 mlを、500 gで4℃にて5分間遠心分離する。ペレットを50 mlの35 mM HEPES、pH = 7.2中で1回洗浄し、500 gで4℃にて5分間、再び遠心分離する。ペレットを12.5 mlのバッファーA (0.3 Mソルビトール、50 mM HEPES-KOH、pH 8.2、2 mM EDTA、5 mM MgCl2)に採取し、Yedaプレスに4.5 barで3分間導入する。物質をパーコール勾配(40〜60%)に載せ、4000 gで20分間遠心分離する。無傷の葉緑体に相当するリングを回収し、その容量の10倍のバッファーAで希釈する。サンプルを3220 gにて15分間遠心分離し、ペレットを3.5 mlの0.2% SDSに採取し、次いで80%アセトンで沈殿させる。
サンプルを、ビシンコニン酸法によりアッセイする。
100μgの各画分を、適切な容量を10000 rpmにて10分間遠心分離し、得られたペレットを1×ローディングバッファーに再懸濁することにより調製する。5μl (すなわち5μg)の各画分を10% SDS-PAGEゲルに載せる。コントロールとして、約0.1μgの精製タンパク質もゲルに載せる。泳動の後に、タンパク質をニトロセルロースメンブレン(Life sciences, BioTrace NT)にブロットする(セミドライブロッティング)。
最も強く反応するバンドは、チラコイド画分に存在する。これは、産生された組換えN2Cr2よりもわずかに大きいサイズである。このサイズの違いは、組換えタンパク質が、クラミドモナスでの成熟タンパク質の推定配列に比べてN-末端で短くなっていることによるのであろう。
UNDH2のクローニング
I - クローニングされる断片の構築:
クラミドモナス・ラインハーディでAgtundh2タンパク質の発現を可能にするためにクラミドモナス・ラインハーディからのrbcS2遺伝子と、アグロバクテリウム・ツメファシエンスからのAgtundh2遺伝子との融合による産物を作製した。このために、融合PCR法を用いて、輸送ペプチドrbcS2の配列をAgtundh2の開始コドンの上流に配置し、rbcS2の3' UTR領域の配列をAgtundh2の停止コドンの下流に配置した。
まず、輸送ペプチドrbcS2を、クラミドモナス・ラインハーディゲノムDNAから、次のプライマー対を用いて増幅した。
1×特異的反応バッファー
1.5μM MgSO4 最終濃度
0.5μMの最終濃度のプライマー
200μMの最終濃度のdNTPミックス
200 ngのDNA
1単位のプラチナPfx (Invitrogen)
94℃で2分:1サイクル
94℃で30秒+60℃で1分+68℃で3分:30サイクル
68℃で10分:1サイクル
Agtundh2遺伝子は、プラスミドpSDN2Ag6Hから、次のプライマー対を用いて増幅した。
1×特異的反応バッファー
1.5μM MgSO4 最終濃度
0.5μMの最終濃度のプライマー
200μMの最終濃度のdNTPミックス
200 ngのDNA
1単位のプラチナPfx (Invitrogen)
94℃で2分:1サイクル
94℃で30秒+55℃で1分+68℃で3分:30サイクル
68℃で10分:1サイクル。
rbcS2の3' UTR領域を、クラミドモナス・ラインハーディのゲノムDNAから、次のプライマーを用いて増幅した。
N2Ag.KpnIプライマーについて、KpnI酵素の制限部位(斜体)を、rbcS2の3' UTR配列の終わり(通常の文字)の下流に導入した。
1×特異的反応バッファー
1.5μM MgSO4 最終濃度
0.5μMの最終濃度のプライマー
200μMの最終濃度のdNTPミックス
200 ngのDNA
1単位のプラチナPfx (Invitrogen)
94℃で2分:1サイクル
94℃で30秒+60℃で1分+68℃で3分:30サイクル
68℃で10分:1サイクル
rbcS2輸送ペプチド及びAgtundh2遺伝子に相当する増幅断片を混合し、次のプライマー対を用いる融合断片の増幅のための鋳型として用いる(上記を参照)。
N2Ag.XhoI
rbcS2.3'.R
1×特異的反応バッファー
1.5μM MgSO4 最終濃度
0.5μMの最終濃度のプライマー
200μMの最終濃度のdNTPミックス
200 ngのrbcs 2輸送ペプチド断片
200 ngのAgtundh2遺伝子断片
1単位のプラチナPfx (Invitrogen)
94℃で2分:1サイクル
94℃で30秒+55℃で1分+68℃で6分:30サイクル
68℃で10分:1サイクル
上記のようにして得られた融合断片(rbcS2輸送ペプチド+Agtundh2遺伝子)を、rbcS2の3' UTR領域に相当する断片と混合して、次のプライマー対:N2Ag.XhoI;N2Ag.KpnIを用いる最終増幅工程での鋳型として作用するようにする。
1×特異的反応バッファー
1.5μM MgSO4 最終濃度
0.5μMの最終濃度のプライマー
200μMの最終濃度のdNTPミックス
200 ngの「輸送ペプチド+Agtundh2遺伝子」断片
200 ngのrbcS2 3' UTR断片
1単位のプラチナPfx (Invitrogen)
94℃で2分:1サイクル
94℃で30秒+55℃で1分+68℃で6分:30サイクル
68℃で10分:1サイクル。
融合産物を、XhoI及びKpnIで消化し(New England Biolabs、供給業者により推奨されるプロトコル)、ライゲーション(T4 DNAリガーゼ、New England Biolabs、供給業者により推奨されるプロトコル)により、XhoI及びKpnIで予め消化したプラスミドpXX6に導入した。
プラスミドpXX6は、FUHRMANN Mら(Plant Mol. Biol., 55, 6, 869〜881, 2004)により記載されている。これは、アンピシリン耐性カセット、その下流に配置される遺伝子の転写を最適化するクラミドモナス・ラインハーディの強いHspプロモーター領域、クラミドモナス・ラインハーディからのrbcS2遺伝子の構成性プロモーター、及びクラミドモナス・ラインハーディからのrbcS2遺伝子の第一イントロンを有する。
ライゲーション産物は、次いで、エレクトロポレーションにより、大腸菌DH10βに導入した。
構築物を、次のプライマーを用いる配列決定により確認した:N2Ag.XhoI;N2Ag.KpnI;TP.ndh.R;TP.ndh.F;rbcS2.3'.F。
Claims (6)
- 緑藻類を、II型NAD(P)H脱水素酵素(NDH-II)をコードするポリヌクレオチドで形質転換させることを含み、NDH-IIが
a)その配列中にコンセンサスモチーフGxGxxG (式中、「G」はグリシンを表し、「x」は任意のアミノ酸を表す)の少なくとも1つのコピーを有し、
b)フラビンコファクターを用いて、NADH又はNADPHの酸化を介して電子伝達鎖のキノンの還元を触媒する能力を有し、かつ
c)30〜60kDaのモノマーとして又はホモダイマーとして作用し、
形質転換が緑藻類におけるNDH-IIの発現をもたらす
緑藻類の水素産生能力を増大させる方法。 - 前記NDH-IIが、NADHを優先的に使用するNDH-IIから、ピリジン-ヌクレオチド-結合ベータ-アルファ-ベータモチーフの第二ベータ-シートの末端に位置するグルタミン酸又はアスパラギン酸残基を、グルタミン又はアルギニンで置換することにより得られた変異型NDH-IIであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記NDH-IIが:
- 配列番号2の配列により規定されるアグロバクテリウム・ツメファシエンスからのNDH-II Agtundh2、又は配列番号2の配列の位置201のグルタミン酸残基をグルタミン残基で置換することによりAgtundh2から得られる変異型NDH-II;
- 配列番号4の配列若しくは配列番号4の配列のアミノ酸67〜619を含むその断片により規定されるクラミドモナス・ラインハーディからのNDH-II N2Cr2、又は配列番号4の配列の位置285のグルタミン酸残基をグルタミン残基で置換することによりN2Cr2から得られる変異型NDH-II
から選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。 - NDH-IIが、アシディアヌス・アムビバレンス(Acidianus ambivalens)のNDH-II (AJ489504)、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)のNDH-II (CAB41413.1)、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)のNDH-II (NP#415627)、シネコシスティス属(Synechocystis sp.)のNDH-II (HOWITTら, J. Bacteriol. 181(13): 3994-4003, 1999; ORF slr1743: BAA17783)、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)のNDH-II (AAD56918)、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)のNDH-II (NP#389111)、アゾトバクター・ビネランディイ(Azotobacter vinelandi)のNDH-II (AAK19737)、トリパノソーマ・ブルセイ(Trypanosoma brucei)のNDH-II (AAM95239.1)、ソラヌム・ツベロスム(Solanum tuberosum)のNDH-II (CAB52796.1, CAB52797.1)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)(YML120C、YMR145c、YDL085w)のNDH-II (NP#013586、NP#013865.1、NP#010198.1)、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)のNDH-II (CAB41986, EAA27430)及びヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)のNDH-II (XP#505856)から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項で規定されるNDH-IIをコードするポリヌクレオチドで形質転換された緑藻類。
- 請求項5に記載の緑藻類の、水素を産生するための使用。
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