JP4882986B2 - 液圧回路 - Google Patents

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本発明は、液圧回路に係り、詳しくは回生機能を備えた液圧回路に関する。
フォークリフト、建機等のバッテリを電源としたバッテリ式産業車両においては、重力に抗して負荷を持ち上げるのに油圧が用いられるが、負荷の下降時に戻り油により駆動される油圧ポンプを使用して発電機を駆動し、バッテリの回生を行わせるものがある。(例えば、特許文献1等参照。)。負荷の下降時に流路切り換え弁を、作動油(圧油)をタンクに戻す位置、即ち油圧ポンプを使用して発電機を駆動している状態から、流路切り換え弁を急に遮断位置、即ち作動油が油圧ポンプを通過せずにタンクに戻す位置に切り換えられると、油圧ポンプの羽根(ギヤ)に衝撃荷重が加わり、耐久性が低下したり損傷したりする虞がある。特許文献1の液圧装置では、図6に示すように、リフトシリンダ61の戻り油が油圧ポンプ62を通過しない位置に切り換えられた状態において、圧油タンク63の作動油をチェック弁64が設けられた管路65を介して油圧ポンプ62に循環可能に構成されている。したがって、流路切り換え弁を急に遮断位置に移動させた状態において、油圧ポンプ62が慣性で回転を続けようとする力で、管路65を介して圧油タンク63から作動油が油圧ポンプ62に供給されるため、油圧ポンプ62の羽根に過大な衝撃荷重が加わることが抑制される。
特開2006−117406号公報
ところが、特許文献1のように、リフトシリンダ61の戻り油が油圧ポンプ62を通過しない位置に切り換えられた状態において、圧油タンク63の作動油をチェック弁64が設けられた管路65を介して油圧ポンプ62に循環する構成では、粘性の大きな作動油内で油圧ポンプ62の駆動部が回転するため、周囲の作動油にエネルギーが吸収される。その結果、作動油のエネルギーを発電機の回転エネルギーに変換するのにロスが生じるとともに、油圧ポンプ62が慣性で回転を継続する時間が短い。
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、負荷の下降時にタンクに戻される加圧された液体が、ポンプモータに供給されない状態に切り換え弁が操作された後も、ポンプモータが慣性で回転を継続する時間を従来技術に比べて延長でき、発電機の小型化を図ることができる液圧回路を提供することにある。
前記の目的を達成するため請求項1に記載の発明は、負荷を駆動するリフトシリンダと、開放状態の液体タンクと、駆動手段により駆動されるとともに前記液体タンクの液体を加圧して前記リフトシリンダのボトム室に供給する液圧ポンプと、前記ボトム室に供給された液体を前記液体タンクに戻すための戻り管路と、前記戻り管路の途中に設けられたポンプモータと、前記ポンプモータにより駆動される発電機とを備えている。また、前記ボトム室と前記液圧ポンプとの間に介装され、前記液圧ポンプと前記ボトム室とを連通させる状態と、前記ボトム室と前記戻り管路とを連通させる状態とに切り換え可能な切り換え弁と、前記戻り管路の前記ポンプモータより上流側に設けられた気体取り入れ手段とを備えている。ここで、「液圧」とは、一般の油圧回路における油圧を含み、油圧回路で使用される作動油の代わりに油以外の非圧縮性流体である水や他の液体を使用した場合に回路内に発生する圧力を意味する。「リフトシリンダ」とは、ピストンロッドが上下方向(鉛直方向)に延びるように配置されたものとは限らず、上下方向の移動成分があるように配置されたものも含む。また、「ポンプモータ」とは、流路を流れる液体のエネルギーを回転軸の回転力に変換する機構を意味する。
この発明では、液圧ポンプにより加圧されてリフトシリンダのボトム室に供給された液体は、負荷の下降移動時に戻り管路から開放状態の液体タンクに戻される。そして、戻り管路を流れる加圧された液体のエネルギーによりポンプモータが回転されるとともにその回転力により発電機が駆動されて発電が行われる。切り換え弁が操作されてボトム室が戻り管路と非連通の状態になると、ボトム室から戻り管路へ加圧された液体が供給されなくなっても、ポンプモータは慣性により回転を継続する。また、気体取り入れ手段から気体が戻り管路に供給されるため、ポンプモータが慣性で回転を継続するのを抑制するように作用する流体の粘性が小さくなり、慣性で回転を継続するポンプモータの回転部の回転エネルギーが周囲の気体の運動エネルギーに変換されてロスする割合が少なくなる。その結果、ポンプモータが慣性で回転を継続する時間を従来技術に比べて延長でき、発電機の小型化を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記気体取り入れ手段は、前記戻り管路の前記切り換え弁と前記ポンプモータとの間が負圧になったときに前記戻り管路内と前記戻り管路外との圧力差により開かれて前記戻り管路外から前記戻り管路内に気体を導入する弁である。ここで、「戻り管路内と戻り管路外との圧力差により開かれて管路外から気体を導入する弁」とは、逆止め弁やリリーフ弁のように、所定圧力以上の差があると弁が開かれる構成の弁を意味する。この発明では、切り換え弁が操作されて、ボトム室が戻り管路と非連通の状態になり、その状態でポンプモータが慣性により回転を継続して、戻り管路内が負圧になると、自動的に気体取り入れ手段から気体が戻り管路に供給される状態になる。したがって、例えば、電磁弁を設けて戻り管路に気体を取り入れる構成とするのに比較して構成が簡単になる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記気体取り入れ手段は、電磁弁である。この発明では、切り換え弁が操作されて、ボトム室が戻り管路と非連通の状態になると、電磁弁が開かれて管路外から気体を導入することができる。電磁弁の場合、その開閉時期は基本的には電磁弁を制御する制御手段により決められるため、逆止め弁やリリーフ弁に比較して開閉時期の自由度が高くなる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記ポンプモータ及び前記発電機の回転系にフライホイールが設けられている。この発明では、ボトム室から戻り管路へ加圧された液体が供給されなくなった状態でポンプモータが慣性により回転を継続する際にフライホイールの慣性も加わるため、フライホイールを備えていない構成に比較して、ポンプモータが慣性で回転を継続する時間を長くすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記液圧回路はフォークリフトの荷役用の油圧回路である。フォークリフトにおいては、荷物の上昇及び下降をリフトシリンダで行うため、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において位置エネルギーを有効に利用することができる。
本発明によれば、負荷の下降時にタンクに戻される加圧された液体が、ポンプモータに供給されない状態に切り換え弁が操作された後も、ポンプモータが慣性で回転を継続する時間を従来技術に比べて延長でき、発電機の小型化を図ることができる液圧回路を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明をバッテリ式フォークリフトに具体化した第1の実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
図1に示すように、荷役部材としてのフォーク11を昇降させるリフトシリンダ12は、管路13を介して切り換え弁としてのリフト用制御弁14に接続されている。リフト用制御弁14には直動式のスプール弁が使用されている。リフト用制御弁14には手動操作の三位置切り換え弁が使用され、フォーク11の昇降及び停止を指示するリフトレバー15の上昇、中立及び下降操作位置に対応してa,b,cの3つの状態に切り換え可能となっている。
リフトシリンダ12のボトム室12aに液体タンクとしての作動油タンク16内の作動油を供給する液圧ポンプとしての油圧ポンプ17は、バッテリ(二次電池)Eを電源とする駆動手段としてのモータ18により駆動される。作動油タンク16は、大気に開放されて、大気圧と同じ圧力になっている。
油圧ポンプ17は作動油供給用管路19を介してリフト用制御弁14のポートPに接続されている。リフト用制御弁14はポートTにおいて戻り管路20に、ポートAにおいて管路13にそれぞれ接続されている。管路13はリフトシリンダ12のボトム室12aに接続されている。戻り管路20は、リフト用制御弁14の下降操作時にリフトシリンダ12のボトム室12a内の圧油(加圧された作動油)を作動油タンク16に還流する役割を果たす。
リフト用制御弁14はリフトレバー15の上昇操作に基づいてa位置に配置され、a位置において作動油供給用管路19と管路13とを連通させてリフトシリンダ12を伸長させる。リフト用制御弁14はリフトレバー15の下降操作に基づいてc位置に配置され、c位置において管路13と戻り管路20とを連通させてリフトシリンダ12を収縮させる。また、リフト用制御弁14はリフトレバー15の中立操作に基づいてb位置に配置され、管路13と作動油供給用管路19及び戻り管路20との連通を遮断し、リフトシリンダ12内の作動油の移動を防止して、これを伸縮させることなく保持するようになっている。即ち、リフト用制御弁14は、リフトシリンダ12と油圧ポンプ17との間に介装され、位置切り換えによりリフトシリンダ12を伸縮させる。
戻り管路20の途中にはポンプモータとしての油圧モータ21が配設され、油圧モータ21には発電機22が連結されている。発電機22は油圧モータ21により駆動されて、蓄電手段としてのバッテリEの電力回生を行うようになっている。発電機22の端子は制御装置23を介してバッテリEに接続されている。バッテリEには、例えば、鉛蓄電池が使用されている。
制御装置23は、発電機22で発電された交流を直流に変換し、かつバッテリEに充電可能な電圧に調整する機能を有する。
戻り管路20の油圧モータ21より上流側には気体取り入れ手段としての逆止め弁24が設けられている。逆止め弁24は、戻り管路20のリフト用制御弁14と油圧モータ21との間が負圧(大気圧より低い圧力)になったときに、戻り管路20内と戻り管路20外との圧力差により開かれて戻り管路20外から気体(空気)を戻り管路20内に導入するようになっている。
次に前記のように構成された装置の作用を説明する。
リフトレバー15を上昇操作すると、リフト用スプールがa位置に配置され、油圧ポンプ17から吐出される作動油が作動油供給用管路19、管路13を介してリフトシリンダ12のボトム室12aに供給され、リフトシリンダ12が伸長してフォーク11が上昇する。リフトレバー15を下降操作すると、リフト用スプールがc位置に配置され、管路13が戻り管路20に連通されてボトム室12aの作動油が作動油タンク16へと戻される。そして、リフトシリンダ12が収縮してフォーク11が下降する。リフトレバー15の中立操作に基づいてリフト用スプールがb位置に配置され、管路13は作動油供給用管路19及び戻り管路20のいずれに対しても連通が遮断される。その結果、リフトシリンダ12内の作動油の移動が防止され、フォーク11が所望の位置に保持される。
フォーク11の下降時、ボトム室12aから排出された作動油はリフト用制御弁14を介して戻り管路20に導かれ、油圧モータ21を回転させる。そして、油圧モータ21に連結されている発電機22が駆動されて発電が行われる。即ち、作動油のエネルギーが油圧モータ21の回転エネルギー(運動エネルギー)に変換され、発電機22は油圧モータ21の運動エネルギーを電気エネルギーに変換して発電を行う。
フォーク11の下降時、ボトム室12aが戻り管路20と連通されている状態では、戻り管路20を流れる作動油により、油圧モータ21に内蔵された図示しない回転ギヤ部が回転される。そして、リフト用制御弁14が操作されてリフト用スプールがb位置に配置されると、ボトム室12aから戻り管路20への作動油の流れが遮断されるが、油圧モータ21は慣性で回転を継続しようとする。その回転方向は戻り管路20内の作動油を作動油タンク16へ送り出す方向となる。作動油の粘性は大きく油圧モータ21の回転を妨げるように作用する。
ボトム室12aから戻り管路20への作動油の流れが遮断された状態で、油圧モータ21が作動油を作動油タンク16へ送り出す方向に回転されると、戻り管路20のリフト用制御弁14と油圧モータ21との間が負圧になる。そして、逆止め弁24が、戻り管路20内と戻り管路20外との圧力差により開かれて、逆止め弁24を介して戻り管路20外から戻り管路20内に空気が導入される。その結果、油圧モータ21より上流の戻り管路20内の作動油が、戻り管路20内を油圧モータ21側へ移動し易くなる。
油圧モータ21の回転エネルギーの減少は、発電機22による発電エネルギー及び作動油を攪拌することで損失されるエネルギーが大部分である。その際、従来技術のように作動油を循環させる構成では、油圧モータ21が攪拌するのが粘性の大きな作動油であるため、エネルギー損失が大きくなる。しかし、作動油を循環させずに逆止め弁24から空気を導入する構成では、作動油に空気が混合されることで粘性が低下し、油圧モータ21の回転エネルギー損失が少なくなり、油圧モータ21が慣性で回転を継続する時間が長くなる。
油圧モータ21が慣性で回転を継続する時間を、作動油を循環させて行う場合と、空気を導入した場合との比較を、図2に示す試験装置を用いて行った。試験装置は、モータ31により駆動されるポンプ32の吸入口に、作動油タンク33内の作動油を汲み上げる管路34が連結され、吐出口には汲み上げられた作動油を作動油タンク33内に戻す管路35が連結されている。管路34には逆止め弁36が設けられている。また、管路34には
ポンプ32の吸入口と逆止め弁36との中間部から分岐管37が設けられている。分岐管37には電磁弁38が設けられ、分岐管37から空気が導入可能に構成されている。
試験は、電磁弁38を閉じた状態でモータ31によりポンプ32を駆動させて、管路34から作動油タンク33内の作動油を汲み上げ、管路35を介して作動油タンク33に戻す状態で運転を行い、ポンプ32の回転数が所定回転数に達した時点でモータ31の運転を停止し、ポンプ32の回転が停止するまでの時間を測定した。そして、モータ31の運転を停止した後、ポンプ32の回転が停止するまで電磁弁38を閉じた状態に保持した場合と、モータ31の運転を停止した時点で電磁弁38を開状態に切り換えて、分岐管37から空気が34内に導入される状態にした場合とを比較した。
図3(a)に所定回転数を3000rpmで行った場合の結果を示す。図3(a)に示すように、作動油を循環させた場合(実線)は、空気を導入した場合(点線)に比較して、初期の状態における回転数の低下割合が大きく、また、回転継続時間も短くなった。空気を導入した場合、回転継続時間は、導入を行わない場合に比較して3割程度長くなった。また、ポンプ32の立ち下がり損失と回転数との関係を計算した結果を図3(b)に示す。図3(b)から、空気を導入した場合は、空気を導入しない場合に比較して、損失が最大3割程度減少した。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)油圧回路は、モータ18により駆動され、作動油タンク16の作動油を加圧してリフトシリンダ12のボトム室12aに供給する油圧ポンプ17と、ボトム室12aに供給された作動油を作動油タンク16に戻すための戻り管路20と、戻り管路20の途中に設けられた油圧モータ21と、油圧モータ21により回転される発電機22とを備えている。また、ボトム室12aと油圧ポンプ17との間に介装され、油圧ポンプ17とボトム室12aとを連通させる状態と、ボトム室12aと戻り管路20とを連通させる状態とに切り換え可能な切り換え弁(リフト用制御弁14)と、戻り管路20の油圧ポンプ17より上流側に設けられた気体取り入れ手段(逆止め弁24)とを備えている。したがって、フォーク11の下降移動時に切り換え弁が操作されてボトム室12aから戻り管路20へ加圧された作動油が供給されなくなっても、気体取り入れ手段から気体が戻り管路20に供給される状態、即ち油圧モータ21の回転を抑制するように作用する流体の粘性が小さな状態で油圧モータ21が慣性で回転を継続する。その結果、油圧モータ21が慣性で回転を継続する時間を従来技術に比べて延長でき、発電機22の小型化を図ることができる。発電機22を小型化できれば、油圧モータ21の回転エネルギーが小さくなった場合に、大型の発電機に比較して発電機22で有効な発電を長時間行うことができる。また、発電機22を小型化できれば、フォークリフトに搭載し易くなる。
(2)気体取り入れ手段として、戻り管路20のリフト用制御弁14と油圧モータ21との間が負圧になったときに戻り管路20内と戻り管路20外との圧力差により開かれて戻り管路20外から戻り管路20内に気体を導入する弁が使用されている。したがって、リフト用制御弁14が操作されて、ボトム室12aが戻り管路20と非連通の状態になり、その状態で油圧モータ21が慣性により回転を継続して、戻り管路20内が負圧になると、自動的に気体取り入れ手段から気体が戻り管路20に供給される状態になる。そのため、例えば、電磁弁を設けて戻り管路20に気体を取り入れる構成とするのに比較して、構成が簡単になる。
(3)気体取り入れ手段として逆止め弁24が使用されているため、リリーフ弁に比較して構成が簡単になる。逆止め弁24のクラッキング圧力を調整することにより、逆止め弁24が開放される時期を適切な時期に設定することが可能になる。
(4)油圧回路はフォークリフトの荷役用の油圧回路に適用されている。フォークリフトにおいては、荷物の上昇及び下降をリフトシリンダ12で行い、荷物の無い状態においてもフォーク11が下降する際に、位置エネルギーが作動油の運動エネルギーに変換されてそのエネルギーを利用して発電を行う。そのため、油圧回路が前記構成を備えることにより、位置エネルギーを有効に利用することができる。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態を図4を参照しながら説明する。この実施形態はポンプモータの構成、具体的にはポンプモータがフライホイールを備えている点が第1の実施形態と異なっている。その他の構成は第1の実施形態と同じであるため異なる部分について説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
図4に示すように、油圧モータ21の回転軸21aにはフライホイール25が一体回転可能に設けられている。フライホイール25の大きさや重量は、リフトシリンダ12のボトム室12aから戻り管路20を経て作動油タンク16に戻される作動油の持つエネルギーとの関係で、適宜設定される。
この実施形態の構成では、フォーク11を下降させるため、作業者によってリフト用制御弁14が、ボトム室12aが戻り管路20と連通される状態に切り換えられると、戻り管路20を流れる作動油により、油圧モータ21に内蔵された図示しない回転ギヤ部が回転され、フライホイール25も回転軸21aと一体に回転される。そして、リフト用制御弁14が操作されてリフト用スプールがb位置に配置されて、ボトム室12aから戻り管路20への作動油の流れが遮断されると、油圧モータ21は慣性で回転を継続しようとする。この実施形態では回転軸21aにフライホイール25が設けられているため、油圧モータ21は、自身の慣性だけでなくフライホイール25の慣性によっても、回転を継続する。フライホイール25の重量や径を選定することにより、ボトム室12aから戻り管路20への作動油の流れが遮断された後の発電継続時間を調整することが容易になる。
したがって、この実施形態においては、第1の実施形態における効果(1)〜(4)と同様な効果を有する他に次の効果を有する。
(5)油圧モータ21はフライホイール25を備えている。したがって、ボトム室12aから戻り管路20へ加圧された作動油が供給されなくなった状態で、油圧モータ21が慣性により回転を継続する際にフライホイール25の慣性も加わり、フライホイール25を備えていない構成に比較して、油圧モータ21が慣性で回転を継続する時間を長くすることができる。その結果、発電時間を長くすることができる。また、フライホイールを設けた場合、ボトム室12aから戻り管路20へ加圧された作動油が供給されなくなった時点において油圧モータ21及び発電機22の駆動系が持つエネルギーの状態が同じ場合、フライホイールが存在する系の方が発電量の変動が小さな状態で発電時間を長くすることができる。
(6)荷が重い状態でフォーク11を急に下降させた場合、フォーク11の下降時間のみで戻り管路20を流れる作動油によって発電機で発電された電力は電流が大きくなりすぎて、バッテリEを充電する際にバッテリに悪影響を与える場合がある。しかし、回転系にフライホイール25を設けることにより、慣性が大きくなるため、発電時間を延ばして発電電流を平準化でき、大電流でバッテリEが充電されるのを抑制することができる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ ボトム室12aから戻り管路20へ加圧された作動油が供給されなくなった状態において、油圧モータ21が回転を継続する時間を長くする方法として、図5に示すように、戻り管路20のリフト用制御弁14と油圧モータ21との間にアキュムレータ26を設けてもよい。この構成では、戻り管路20にボトム室12aから供給される加圧された作動油が流れている間に、作動油の一部がフライホイール25に貯蔵される。そして、リフト用制御弁14が切り換えられて、ボトム室12aから戻り管路20へ加圧された作動油が供給されなくなると、先ずアキュムレータ26に貯蔵されていた加圧された作動油が戻り管路20へ送り出される。そして、その作動油が油圧モータ21を回転させるのに寄与する。次に、戻り管路20のリフト用制御弁14と油圧モータ21との間の圧力が負圧になった時点で逆止め弁24が開放されて、空気が戻り管路20内に導入される。したがって、第1の実施形態の構成に比較して、ボトム室12aから戻り管路20へ加圧された作動油が供給されなくなった状態において、油圧モータ21が回転を継続する時間が長くなる。
○ フライホイール25は油圧モータ21及び発電機22の回転系に設けられていればよく、油圧モータ21と発電機22を連結する回転軸21aに設ける構成に代えて、発電機22のロータに一体回転可能に設けてもよい。
○ フライホイール25を発電機22側に設けるとともに、油圧モータ21と発電機22とを電磁クラッチを介して切り離し可能に構成し、電磁クラッチを切り離した状態においては、油圧モータ21が発電機22及びフライホイールの回転系と切り離された状態となるように構成してもよい。この場合、ボトム室12aと戻り管路20との連通が遮断された状態において、大きな衝撃が油圧モータ21に加わるのを抑制した後、電磁クラッチを非連結状態にして、その後は、油圧モータ21が切り離された状態において発電機22がフライホイール25と一体に回転を継続するようにしてもよい。油圧モータ21の回転部(ギヤ部)に作動油が存在する状態では作動油の粘性抵抗によって回転が抑制されるため、油圧モータ21を発電機22の回転系から切り離した方が、発電機22が長時間発電を継続可能になる。しかし、油圧モータ21の慣性が大きい場合は、油圧モータ21を連結したままの方が、発電時間が長くなる場合もあるため、油圧モータ21の慣性力を考慮していずれかが選択される。
○ フライホイール25が電磁クラッチを介して回転系と回転可能に構成された場合、フォーク11の下降状態によって電磁クラッチの接続、切り離しを制御してもよい。例えば、荷の無い状態や荷が軽い状態で低い揚高位置から下降動作を行う場合のように、作動油に加わるエネルギーが小さい場合は電磁クラッチを接続せずに発電を行うようにしてもよい。
○ フライホイール25を備えた構成において、アキュムレータ26を設けてもよい。
○ 戻り管路20のリフト用制御弁14と油圧モータ21との間が負圧になったときに戻り管路20内と戻り管路20外との圧力差により開かれて戻り管路20外から戻り管路20内に気体を導入する弁は逆止め弁24に限らない。例えば、リリーフ弁を設けてもよい。
○ 気体導入手段は、戻り管路20のリフト用制御弁14と油圧モータ21との間が負圧になったときに自動的に開く構成の弁に限らない。例えば、電磁弁を設けてもよい。電磁弁を設けた場合は、電磁弁が外部の気体を戻り管路20に導入可能な状態(開放状態)に切り換える時期は、例えば、リフトレバー15の位置を検知する位置センサの検出信号に基づいて行う。具体的には、制御装置が位置センサの検出信号を入力して、リフトレバー15が下降位置から中立位置に操作された時に電磁弁を開放状態に切り換えるように制御する。電磁弁は必ずしも戻り管路20のリフト用制御弁14と油圧モータ21との間が負圧になったときに開放状態に切り換えるのではなく、負圧になる前に開放状態にしてもよい。電磁弁の場合、その開閉時期は基本的には電磁弁を制御する制御装置により決められるため、逆止め弁やリリーフ弁に比較して開閉時期の自由度が高くなる。
○ リフトシリンダ12を作動油ではなく他の液体、例えば、水あるいは水を主体とした液体で作動する構成としてもよい。
○ バッテリEは、鉛蓄電池に限らず、例えば、ニッケル水素蓄電池やリチウムイオン電池等他の二次電池であってもよい。
○ 発電機22で発電された電力を蓄える蓄電手段は、バッテリ(二次電池)に限らず、例えば、キャパシタを使用してもよい。また、キャパシタに充電した後、バッテリEに再充電するようにしてもよい。キャパシタに充電する場合は、キャパシタの容量を超えない範囲では、大きな電流値で充電しても差し支えないため、発電機22で発電された電力を直接バッテリEに充電する場合に比較して、発電条件の自由度が増す。
○ バッテリ式フォークリフト(バッテリ車)に限らず、エンジン式フォークリフト(エンジン車)に適用して、油圧ポンプ17をエンジンで回転する構成としてもよい。
○ フォークリフトには、カウンタバランス式とリーチ式とがあるが、リーチ式フォークリフトのように、倉庫内等の狭い範囲で移動して荷の昇降を頻繁に行うフォークリフトに適用した方が、エネルギーの回収の機会が多いため好ましい。
○ リフトシリンダは、フォークリフトに装備された荷役装置のように上下方向に延びる状態で使用されるものに限らず、斜めに配置された状態で使用されるものであってもよい。例えば、高所作業車のプラットホームを昇降させる装置やショベルローダのショベルを昇降させる装置のように、荷(作業者を含む)を積んだ状態の荷役部材をリフトシリンダにより低位置と高位置とに移動させるものを含む。
○ 導入する気体は空気に限らず、他の気体でもよい。例えば、窒素雰囲気の状態で、無人フォークリフトが運転される場合、導入される気体は空気では無く窒素ガスになる。
○ 油圧回路を開放系ではなく、密閉系としてもよい。その場合、戻り管路20に導入された気体が油圧ポンプ17に吸い込まれないように、気液分離器で気体と液体とを分離した後、液体のみを作動油タンク16に戻す構成とする。
○ 制御装置23は、発電機22で発電された交流を直流に変換するとともに、電圧センサにより発電機22の起電力を検出し、起電力がバッテリEの電圧より大きいときに、発電機22の端子をバッテリEに電気的に接続した状態に切り換えるように構成してもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明の液圧回路は、前記発電機で発電された電力を蓄える蓄電手段を備えている。
(2)前記技術的思想(1)に記載の発明において、前記蓄電手段はバッテリである。
第1の実施形態の構成図。 試験装置の模式図。 (a)は経過時間と回転数の関係を示すグラフ、(b)はポンプ立ち下がりの損失特性を示すグラフ。 第2の実施形態の構成図。 別の実施形態の構成図。 従来技術の構成図。
符号の説明
11…負荷としてのフォーク、12…リフトシリンダ、12a…ボトム室、14…切り換え弁としてのリフト用制御弁、16…液体タンクとしての作動油タンク、17…液圧ポンプとしての油圧ポンプ、18…駆動手段としてのモータ、20…戻り管路、21…ポンプモータとしての油圧モータ、22…発電機、24…気体取り入れ手段としての逆止め弁、25…フライホイール。

Claims (5)

  1. 負荷を駆動するリフトシリンダと、
    開放状態の液体タンクと、
    駆動手段により駆動されるとともに前記液体タンクの液体を加圧して前記リフトシリンダのボトム室に供給する液圧ポンプと、
    前記ボトム室に供給された液体を前記液体タンクに戻すための戻り管路と、
    前記戻り管路の途中に設けられたポンプモータと、
    前記ポンプモータにより駆動される発電機と、
    前記ボトム室と前記液圧ポンプとの間に介装され、前記液圧ポンプと前記ボトム室とを連通させる状態と、前記ボトム室と前記戻り管路とを連通させる状態とに切り換え可能な切り換え弁と、
    前記戻り管路の前記ポンプモータより上流側に設けられた気体取り入れ手段と
    を備えたことを特徴とする液圧回路。
  2. 前記気体取り入れ手段は、前記戻り管路の前記切り換え弁と前記ポンプモータとの間が負圧になったときに前記戻り管路内と前記戻り管路外との圧力差により開かれて前記戻り管路外から前記戻り管路内に気体を導入する弁である請求項1に記載の液圧回路。
  3. 前記気体取り入れ手段は、電磁弁である請求項1に記載の液圧回路。
  4. 前記ポンプモータ及び前記発電機の回転系にフライホイールが設けられている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の液圧回路。
  5. 前記液圧回路はフォークリフトの荷役用の油圧回路である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の液圧回路。
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