JP4882349B2 - レンズアレイシート、透過型スクリーンおよびリアプロジェクションテレビジョン - Google Patents

レンズアレイシート、透過型スクリーンおよびリアプロジェクションテレビジョン Download PDF

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Description

本発明は、液晶プロジェクションテレビジョン、ディスプレイなどの背面投射型ディスプレイに用いるレンズアレイシートおよびこれを用いた透過型スクリーンに関する。
図4は、液晶プロジェクションテレビなどに使用する従来の透過型スクリーンの構成の一例を示したものである。図中符号1はフレネルレンズであって、このフレネルレンズ1は板状の基材層1aの片面に同心円状の凹凸が形成されたレンズ層1bが設けられて構成されている。一般に液晶プロジェクションテレビ内において、プロジェクタは基材層1a側に配置される。
そして、フレネルレンズ1のレンズ層1b側に、所定の間隔をおいてレンチキュラーシート2が平行に設けられて、これらフレネルレンズ1とレンチキュラーシート2とからなる透過型スクリーンが構成されている。このレンチキュラーシート2は、順次積層されたレンチキュラー層3、感光性樹脂層5、遮光層6、粘着剤層7および拡散層8とから概略構成されており、レンチキュラー層3がフレネルレンズ1側に配され、拡散層8が観者側に配される。なお、拡散層8の観者側の面には表面保護のために必要に応じてハードコート層9が設けられている。
レンチキュラー層3は板状の基材層3aと、その片面に設けられたレンズ層3bとから構成されている。レンズ層3bは、例えば半円柱状のシリンドリカルレンズ4を複数本、その長さ方向が平行になるように配列して構成されており、その円筒面4aがフレネルレンズ1側に配置されている。
以下、このレンチキュラーシート2の構成について、その製造操作を追って説明する。まず、レンチキュラー層3の基材層3a側の面に感光性樹脂層5を塗布する。感光性樹脂層5は未露光の状態では粘着性があり、露光されると変性して粘着性が殆ど消失する特性を備えたものである。そして、実際に透過型スクリーンとして使用する場合と同様にレンズ層3b側からフレネルレンズ1を介して光を照射すると、レンチキュラー層3を介して集光したストライプ状の光線が感光性樹脂層5に照射される。すると、露光された部分の感光性樹脂層5が変性し、粘着性が消失する。そして、この感光性樹脂層5にブラックカーボンなどを含む黒色の転写層を備えた転写フィルムを押しつけると、粘着性がある未露光の部分に選択的に転写層が転移し、黒色のラインが複数並列したストライプ状の遮光層6が形成される。すなわち、遮光層6によって光線が透過しない部分が遮光される。
その後、フィルム状の粘着剤層7を積層し、さらに板状の拡散層8を積層し、強固に一体化することによりレンチキュラーシート2が得られる。なお、拡散層8は、例えばアクリル系などのプラスチックなどからなるマトリックス中に複数のガラスビーズなどからなる拡散材を混合したものである。そして、必要に応じて拡散層8の表面にハードコード層9を積層し、一体化する。
そして、この透過型スクリーンを図5に示したようにプロジェクタを備えた液晶プロジェクタなどに取り付け、プロジェクタから光線を照射すると、この光線がフレネルレンズ1を介して略平行な光線となる。そして、この光線がレンチキュラー層3を透過することによって所定の配光角度が付与され、画面の左右方向(水平方向)に適度に広がり、この方向における視野角の制御が行われる。なお、レンチキュラー層3を透過した光線は、シ
リンドリカルレンズの長さ方向と平行なストライプ状の光線となり、さらに遮光層6を経て、ついで拡散層8の作用により、画面の上下方向(垂直方向)に適度に光線が拡散し、この方向における視野角の制御が行われる。なお、遮光層6により、S/N比を向上させ、コントラストの良好な画像を提供することができる。
更に、特許文献1〜4で提案されている透過型スクリーンのいずれも、水平方向/垂直方向のレンズアレイ構造に非球面を含むレンチキュラーレンズを使用している点が共通である。
以下に特許文献を記す。
特開2002−174703号公報 特開2003−167298号公報 特開2004−246352号公報 特開2005−37761号公報
上述のように、従来のレンチキュラーシートおよび透過型スクリーンにおいては、画面の水平方向および垂直方向の視野角の制御を行うためにレンチキュラー層と拡散層とを組み合わせて用いている。しかしながら、拡散層は光の吸収による利得の低下、白色散乱の増加によるS/N比の低下を伴うという問題があった。
また、2層のレンチキュラー層を、それぞれのシリンドリカルレンズの長さ方向が直交するよう積層して用いたり、ひとつの基材層の両面に、シリンドリカルレンズをそれぞれ複数配列する際に、それぞれのシリンドリカルレンズの長さ方向が直交するように設けることにより、水平方向および垂直方向の視野角の制御を行う方法も考えられるが、シリンドリカルレンズを構成する材料が実質的に2倍となり、また微細なレンズの加工も2回行う必要があるため、材料、加工などのコストが高くなるという問題がある。
さらに、マイクロレンズアレイのように、垂直方向と水平方向の両方に配光角度を付与することができる個々の独立した複数のレンズやプリズムを、基材層の片面上に密に配置する方法も考えられるが、複雑な加工が必要となり、面積の拡大や微細化が困難であり、また、生産性も低いことから、やはりコストの上昇は避けられない。
加えて、半円柱状のシリンドリカルレンズが複数平行に配列されてなる第1のレンズアレイと長さ方向が相互に直交するように同一平面上に配置された第2のレンズアレイを一体化して構成されるレンズシートにおいては、レンズのアスペクト比、不連続形状の点から金型の生産性、レンズシートの生産性に劣る。また、光学特性についてもレンズ形状が勘合しているため、垂直方向と水平方向の視野角特性の決定においては前述の成形性と共に、設計上の大きな制約となる。
更には、第1のレンズアレイと、第2のレンズアレイのレンズ/プリズムピッチが重要である。即ち第2のレンズアレイのピッチが第1のレンズアレイのピッチと異なる構造とする事で従来のレンチキュラー方式では想定しなかった垂直方向へのモアレが生起する。設計時にはこれらを別途考慮し、光学特性以外にモアレの観点においても十分に検討しなければならず、望ましくない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、光の吸収が少なく、利得の低下が少なく、白色散乱を抑制することができるレンズアレイシートおよびリアプロジェクションテレビジョンに使用される透過型スクリーンを提供することを課題とする。さらに、加工難易
度の改善により、材料コスト、加工コストなどが安価な透過型スクリーンを提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、
請求項1に係る発明は、
半円柱状のシリンドリカルレンズが複数平行に配列されてなる第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとが、該シリンドリカルレンズの長さ方向が相互に直交するように同一平面上に配置され、一体化されたレンズ層を持つレンズアレイ層を備えており、第2のレンズアレイの断面形状が非球面形状の一部分とした弧を略V形状となる様に組み合わせた形状であることを特徴とするレンズアレイシートである。
請求項2に係る発明は、
前記レンズアレイシートにおいて、第1のレンズアレイ層の結像面近傍に、レンズアレイシートを屈折/透過した光線を通過する開口部を持つ、遮光層を備えていることを特徴とする請求項1に記載のレンズアレイシートである。
請求項3に係る発明は、
前記レンズアレイシートにおいて、第2のレンズアレイ個々のレンズ頂点近傍に、1μm以下の平坦部を持つことを特徴とする請求項1または2に記載のレンズアレイシートである。
請求項4に係る発明は、
前記第1のレンズアレイを構成しているシリンドリカルレンズの断面が、非球面形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンズアレイシートである。
請求項5に係る発明は、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のレンズアレイシートにおいて、レンズアレイ層が基材層と、その片面に設けられたレンズ層とからなり、該レンズ層が放射線硬化型樹脂からなることを特徴とするレンズアレイシートである。
請求項6に係る発明は、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のレンズアレイシートにおいて、レンズアレイ層が少なくとも、基材層とその片面に設けられたレンズ層、および、遮光層を構成要素とし、該遮光層のパターンが、一列に整列した直線パターン開口部と、その間に梯子状の短かい直線パターン開口部の組み合わせによることを特徴とするレンズアレイシートである。
請求項7に係る発明は、
請求項1〜6のいずれか1項に記載のレンズアレイシートと、フレネルレンズとを有することを特徴とする透過型スクリーンである。
請求項8に係る発明は、
前記フレネルレンズが基材層とその片面に設けられたレンズ層からなり、該レンズ層が放射線硬化型樹脂からなることを特徴とする請求項7に記載の透過型スクリーンである。
請求項9に係る発明は、
請求項7または8に記載の透過型スクリーンを用いたことを特徴とするリアプロジェクションテレビジョンである。
以上説明したように、本発明の請求項1に係る発明においては、レンズアレイ層を透過する光線について、垂直方向と水平方向の両方の配光特性(視野角)を制御することができる。したがって、2層のレンズアレイ層を用いたり、基材層の両面にレンズ層を形成する場合と比較して、材料コスト、加工コストを低く抑えることができる。また、拡散層を省略あるいは簡略化して、拡散層における光の吸収や利得の低下を少なくすることができる。その結果、拡散層によって引き起こされる白色散乱現象を抑制し、高いS/N比を実現することができる。また、非球面形状の一部分とした弧を略V形状となる様に組み合わせることで、遮光層への集光と適正な配光特性の両立が可能となり、コントラストと配光特性に優れたスクリーンとできるばかりか、緩やかに変化する断面形状とすることができ、加工性も向上させることができる。
請求項2に係る発明においては、遮光層を設けることにより、さらにS/N比を向上させ、コントラストの良好な画像を提供することができる。
請求項3に係る発明においては、第2のレンズアレイの個々要素プリズムの頂点近傍に、1μ以下の平坦部を持つことで、スクリーンの性能を維持したまま、経済的に金型及びレンズシートを経済的に生産することができる。
請求項4に係る発明においては、シリンドリカルレンズの断面形状が非球面形状であるため、結像時の収差が小さくでき、遮光層開口部へ入射する光線を精細化することができる。
請求項5に係る発明においては、レンズアレイ層のレンズ層が放射線硬化型樹脂からなるため、ファインピッチの加工を施すことができる。
請求項6に係る発明においては、遮光層のパターンをレンズ形状に適合させることにより、最大のS/N向上効果を得ることができる。
請求項7に係る発明においては、請求項1〜4のいずれか一項に記載のレンズアレイシートとフレネルレンズとを組み合わせて、上述の効果を備えた透過型スクリーンを提供することができる。
請求項8に係る発明においては、フレネルレンズのレンズ層が放射線硬化型樹脂からなるため、ファインピッチの加工を施すことができる。
図1は本発明のレンズアレイシートの一例を構成するレンズアレイ層を示した図である。このレンズアレイシートの主な特徴はレンズアレイ層の形状である。このレンズアレイ層は、板状の基材層の片面に設けられたレンズ層により構成されている。
レンズ層は、円筒面をその長さ方向が平行になるように配列した第1のレンズアレイと、その長さ方向が平行になる様に配列した、頂上部に1μの平坦部を設けたV断面形状のプリズムアレイによる第2のレンズアレイとからなる。
第1のレンズアレイは水平方向に光線を拡散する機能を持ち、そのH方向断面13に相当する形状である。第2のレンズアレイは垂直方向に光線を拡散する機能を持ち、そのV方向断面12に相当する形状である。背面投射スクリーンの配光特性は水平方向の配光特性が垂直方向の配光特性より広く設定されることが一般的なため、レンズ形状の違いにより、V側断面がH側断面より浅い形状となる。
第1のレンズアレイと第2のレンズアレイが十字に交差する交差部は、互いに咬合した形状であるが、第2のレンズアレイは低アスペクト比の為、咬合は浅くなっている。図4における勘合部19が該当するが、第1のレンズアレイの水平方向への光拡散効果はこの部分の勘合により減じられるので、その分を勘案しレンズ形状を決めることが望ましい。当然ながら、一体構造となっており、レンズアレイ層はひとつの部材から構成される。
図2にV方向断面図を示す。第1のレンズアレイと第2のレンズアレイは、長さ方向が直交するように同一平面(基材層の片面)上に配列、一体化され、ひとつのレンズ層を構成している。レンズアレイ層14で構成されるレンズの形状は、第2のレンズアレイ形状であり、非球面形状の弧を2つ重ね合わせた略V形状とし、正面より上下方向の光線配分に重点を置いた構造を持つ。レンズアレイ層14で屈折された光線は基材層15を透過し、感光性樹脂層16を経て、観光性樹脂層16射出側に設けられた遮光層の開口部を透過し、垂直側射出光17となり観察者側へと射出する。
図3にH方向断面図を示す。H方向では、レンズアレイ層14は第1のレンズアレイ形状であり、シリンドリカル形状の断面である。その断面形状は完全な半円形(球面レンズ)ではなく、半楕円形(楕円面レンズ)、放物線形(放物面レンズ)などの公知のいわゆる非半円形(いわゆる2次の非球面形状)のもの、さらには、2次以降の項を有する高次非球面形状のものなどを用いることができる。このように非球面形状のレンズを用いると結像時の収差が小さくすることができ、入射する光線を精細化することができる。
この後に設けた拡散層によりさらに広げられた光線により、観察者に映像光として光線が到達し、映像の観賞が可能となる。
レンズアレイ層14の材料としてはガラス、プラスチックなどの透明な材料であって、光学用部材に使用するものを特に制限なく用いることができ、生産効率などを考慮するとプラスチックを用いると好ましい。プラスチックとしては、例えばポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系樹脂、ポリカーボネート、アクリル−スチレン共重合体、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどを例示することができる。また、ファインピッチの微細な加工を行うことができるため、レンズ層の材料としては紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂などの放射線硬化型樹脂を用いると好ましい。
放射線硬化型樹脂としては、例えばウレタン(メタ)アクリレートおよび/またはエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーに反応希釈剤、光重合開始剤、光増感剤などが添加された組成物などを用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、特に限定するものではないが、例えばエチレングリコール、1,4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオール類と、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンイソシアネートなどのポリイソシアネート類とを反応させて得ることができる。エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、特に限定するものではないが、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加物の末端グリシジルエーテル、フルオレンエポキシ樹脂などのエポキシ樹脂類と、(メタ)アクリル酸とを反応させて得ることができる。
レンズアレイ層は、例えば以下のようにして製造することができる。すなわち、好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックからなる基材層の上に、放射線硬化型樹脂を未硬化の状態で塗布し、その表面に成型用スタンパを押しつけて型押しするとともに、所定の放射線を照射して硬化させることによ
り、レンズ層を形成する。
前記成型用スタンパは、例えば以下のようにして製造することができる。すなわち、従来のレンチキュラー用の成型用スタンパの製造においては、例えば表面が銅などからなる円筒状のシリンダの表面に、刃先の形状が円形となっている切削バイトを用いて、このシリンダの円周方向にそって切り込みを形成する。この切り込みを平行に複数、形成すると、レンチキュラー用のスタンパを得ることができる。さらに、この円周方向の切り込みと直交方向に、同様にして切り込みを複数、平行に形成すると、本発明のレンズアレイ層の製造に用いる成型用スタンパを得ることができる。したがって、本発明のレンズアレイ層の製造用の成型用スタンパは、従来の技術を利用して容易に製造することができ、生産性が良好なものである。このように、レンズアレイ層は、従来レンチキュラーの製造などに用いられている方法と同様の方法によって製造することができる。
また、図1に示すように、前記基材層の他方の面(結像面側)には感光性樹脂層が設けられ、さらに遮光層が設けられている。感光性樹脂層15と遮光層は、以下のようにして製造するものである。パターンの露光プロセスの一例としては、図4に示したように、実際に透過型スクリーンとして使用する状態と同様にしてフレネルレンズ1を平行に配置し、このフレネルレンズ1を介してレンズ層13b側から光線を照射すると、図1に示したようにレンズアレイ層を透過して露光された部分の感光性樹脂層が変性し、粘着性が消失する。そして、この感光性樹脂層にブラックカーボンなどを含む黒色の転写層を備えた転写フィルムを押しつけることで、粘着性がある未露光の部分に選択的に転写層が転移し、遮光層が形成される。
この場合、第1のレンズアレイ(シリンドリカルレンズ)によって光線が集光することによるストライプ状の第1の結像パターンと、第2のレンズアレイによって光線が略集光することによる、この第1の結像パターンと直交するストライプ状の第2の略結像パターンとから格子状の結像パターンが形成される。すなわち、レンズ層側から照射された光線は、第1および第2のレンズアレイによって、垂直方向と水平方向の両方の視野角が一度に制御される。遮光層は、光線が透過しない部分を遮光するために設けられているものである。よって、この結像パターンにしたがって複数の略正方形の遮光部が所定の間隔で、垂直、および水平方向にそれぞれ配列した形状となる。
そして、この遮光層の上に、必要に応じて粘着剤層、拡散層、およびハードコード層などを設けることにより、レンズアレイシートとすることができる。このようにこのレンズアレイシートにおいては、第1のレンズアレイと第2のレンズアレイによって、レンズアレイ層を透過する光線について、垂直方向と水平方向の両方の配光特性(視野角)を制御することができる。したがって、2層のレンズアレイ層を用いたり、基材層の両面にレンズ層を形成する場合と比較して、材料コスト、加工コストを低く抑えることができる。また、拡散層を省略あるいは簡略化して、拡散層における光の吸収や利得の低下を少なくすることができる。その結果、拡散層によって引き起こされる白色散乱現象を抑制し、高いS/N比を実現することができる。なお、拡散層を設けない構成とする場合は、遮光層の上に直接ハードコード層を設けてレンズアレイシートとすると好ましい。なお、本発明のレンズアレイシートの各層の厚さ、レンズ層のピッチなどは特に限定せず、用途などに応じて適宜変更可能である。
そして、図5に示したように、レンチキュラーシートにかえて、本発明のレンズアレイシートを配置し、さらにフレネルレンズとを平行に配置して透過型スクリーンを構成することができる。なお、フレネルレンズの構成は特に限定せず、公知のものを用いることができるが、微細な加工が可能となり、ファインピッチのものを得ることができるため、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどプラスチックからな
る基材層の上に放射線硬化型樹脂を未硬化の状態で塗布し、その上に成型用スタンパを押しつけて型押するとともに、所定の放射線を照射して硬化させることにより、レンズ層を形成したものが好ましい。
以下、実施例を示して本発明の効果を説明する。
図1〜図3に示したレンズアレイシートはレンズ形状設計に基づき作成した形状図である。本実施例において、設計パラメータは以下のように決定した。
(設計パラメータ)
(1)レンズアレイ層の基材層において、材料はポリエチレンテレフタレート、厚さは75μmとした。
(2)レンズアレイ層のレンズ層において、材料はUV感光性樹脂、レンズの形状はピッチ98μmで楕円面を基準面とし、高次項により補正を加えた非球面形状とした。
(3)感光性樹脂層には、厚さ20μmのクロマリンフィルム(商品名:デュポン社製)を用いた。
また、既述のように、従来のレンチキュラーシートにおいてはレンチキュラーレンズによって水平方向のみの視野角付与が可能であり、垂直方向の視野角を付与することができない。本実施例においては、垂直方向にもレンズにより視野角付与を行えるため、従来よりも拡散層に用いる拡散材を減量しても従来と同等の効果を得ることが容易である。
レンズシート成型時においても、金型の第2のレンチキュラーレンズ部分が鈍角に開いた形状となる事もあり、従来のレンチキュラーレンズと同等の成型性を得ることが出来る。また、第2のレンズアレイ部のプリズム形状の頂上部分に約1μの平坦面(糸面)を付けることにより、金型切削用バイトの耐久性、切削性が向上し、安定した金型を得ることが出来たと共に、レンズシート成型時においても、レンズ版に樹脂が残る「版取られの現象」を防ぐことが可能となる。
更に、レンズアレイ層の基材層の厚さが188μmの場合は200〜180μmのレンズピッチで、基材層の厚さが100μmの場合は160〜140μmのレンズピッチで、基材層の厚さが75μmの場合は115〜75μmのレンズピッチで、基材層の厚さが50μmの場合は100〜60μmのレンズピッチで、良好な結果を得る事ができ、レンズピッチや基材層の厚みに選定の幅がある事が確認できた。
本発明のレンズアレイシートの一例を構成するレンズアレイ層を示した図である。 本発明のレンズアレイシートの一例におけるV方向断面図である。 本発明のレンズアレイシートの一例におけるH方向断面図である。 従来の透過型スクリーンの一例を示した概略構成図である。
符号の説明
1‥フレネルレンズ
1a‥基材層
1b‥レンズ層
2‥レンチキュラーシート
3‥レンチキュラー層
3a‥基材層
3b‥レンズ層
4‥シリンドリカルレンズ
4a‥円筒面
5‥感光性樹脂層
6‥遮光層
7‥粘着剤層
8‥拡散層
9‥ハードコート層
11‥本発明のレンズシートの上面図
12‥V方向断面
13‥H方向断面
14‥レンズアレイ層
15‥基材層
16‥感光性樹脂層
17‥垂直側射出光
18‥水平側射出光
19‥勘合部

Claims (2)

  1. 半円柱状のシリンドリカルレンズが複数平行に配列されてなる第1のレンズアレイと第2のレンズアレイとが、該シリンドリカルレンズの長さ方向が相互に直交するように同一平面上に配置され、一体化されたレンズ層を持つレンズアレイ層を備えており、第2のレンズアレイの断面形状が、非球面形状の一部分である弧を略V形状となる様に組み合わせた形状であるレンズアレイシートであって、第2のレンズアレイ個々のレンズ頂点近傍に、1μm以下の平坦部を持つことを特徴とするレンズアレイシート。
  2. 前記レンズアレイシートにおいて、第1のレンズアレイ層の結像面近傍に、レンズアレイシートを屈折/透過した光線を通過する開口部を持つ、遮光層を備えていることを特徴とする請求項1に記載のレンズアレイシート。
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