JP4879676B2 - 塗装ブース用フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、塗装ブースに供給される空気を清浄化するための塗装ブース用フィルタに関するものである。
従来、塗装ブース用フィルタとしては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。すなわち、短繊維層が単層あるいは複数層積層されてなる不織布の片面あるいは両面に熱融着性繊維シートが被覆され、少なくとも一部が融着し接着されるものであり、短繊維層を主材とする不織布を用いることにより、初期圧損が低く、濾過性能に優れ、塵埃を充分捕集し、供給空気による塗装表面の汚染を皆無ならしめると共に、熱融着性繊維シートの併用により、その一部融着による接着効果によって繊維の脱落を防止し、表面をフラットで滑らかとして取り扱い易く、かつ塗装ブース用に適した特性をもたせるようにしたものである。
特開2005−111346号公報
しかしながら、特許文献1の従来技術には次のような問題点があった。
(1)特許文献1に開示のものは、その実施例によれば、短繊維層は配合繊維を混合してカーディング加工、ニードリングパンチ加工後に熱処理して繊維同士を結着し、該短繊維層に熱融着性繊維シートを積層して熱処理して表面被覆するため、熱処理工程が2回必要となる問題があった。
(2)また、熱処理工程を1回として製造工程を簡略化しようとすると、特許文献1の熱融着性繊維シート、具体的には、くもの巣状の如き薄層の低融点ポリエステル繊維シートであるため、加熱ローラーにより熱接着する際に、短繊維層の繊維同士の結着と短繊維層と熱融着性繊維シート同士の接着を同時に行うこととなり、短繊維層と熱融着性繊維シート同士の接着にかかる熱エネルギー以上に熱融着性繊維シートを構成する全ての繊維に熱がかかることで、熱融着性繊維シートが溶融して繊維状でなくなってしまうことがあった。逆に、繊維状態を維持できる温度で熱処理を行うと、接着が充分でないことがあった。
(3)また、短繊維層と熱融着性繊維シートの熱収縮率が異なる場合、熱収縮率の大きい層の変化に熱収縮率の小さい層が追随できず、図3に示すように、短繊維層1の方が熱融着性繊維シート2より熱収縮率が小さければ、濾材が平坦とならず波を打ったように変形する問題があり、図4に示すように、短繊維層1の方が熱融着性繊維シート2より熱収縮率が大きければ、熱融着性繊維シートにしわが発生する問題があった。
なお、図3中、A’、B’で示される矢印は、それぞれ、短繊維層1、熱融着性繊維シート2の熱収縮率を、また、図4中、A’’、B’’で示される矢印は、それぞれ、短繊維層1、熱融着性繊維シート2の熱収縮率を模式的に表すものである。
本発明は、熱処理工程を1回として製造工程を簡略化できて、溶けた樹脂の膜化現象による圧損向上を防止し、繊維層間の熱収縮率による濾材の波打ち及び熱融着性繊維シートのしわを防止した塗装ブース用フィルタを提供することを目的とする。
かかる課題を解決すべく、本発明者らは鋭意検討の結果、以下の構成を見出した。すなわち、本発明の塗装ブース用フィルタは、請求項1の記載の通り、短繊維層と熱融着性繊維シートを積層して、それぞれの繊維の一部を溶融して熱接着した塗装ブース用フィルタであって、前記短繊維層が高融点繊維と熱融着性繊維の混繊であり、前記熱融着性繊維シートが複合短繊維であって、前記熱接着前に、これら短繊維層と熱融着性繊維シートの熱収縮率の小さな方に、熱収縮率の差を相殺する程度に張力を付与するようにしたものであることを特徴とする。
また、請求項2記載の塗装ブース用フィルタは、請求項1記載の塗装ブース用フィルタにおいて、前記短繊維層の熱収縮率と前記熱融着性繊維シートの熱収縮率の差が10%以下であることを特徴とする。
本発明の塗装ブース用フィルタは、短繊維層と熱融着性繊維シートを積層して、それぞれの繊維の一部を溶融して熱接着した塗装ブース用フィルタであって、前記短繊維層が高融点繊維と熱融着性繊維の混繊であり、前記熱融着性繊維シートが複合短繊維であって、前記熱接着前に、これら短繊維層と熱融着性繊維シートの熱収縮率の小さな方に、熱収縮率の差を相殺する程度に張力を付与するようにしたものであるため、短繊維層の繊維同士の接着、短繊維層と熱融着性繊維シートの層同士の接着を同時に行うことができるため、製造工程が簡略化できる。その結果、製品のコストダウンが図れる。
また、前記短繊維層の熱収縮率と前記熱融着性繊維シートの熱収縮率の差が10%以下とした場合、両方の層間に熱収縮率の差があるにもかかわらず前記熱収縮率差を相殺する程度熱収縮率の小さい方に予め張力を付与するため、加熱処理によるそれぞれの層の熱収縮率が異なることで発生する、濾材が平坦とならず波を打ったように変形する問題及び熱融着性繊維シートのしわの発生という問題が確実に起こらない。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
本発明の短繊維層は、高融点繊維と熱融着性繊維、特に、熱融着性複合繊維との混繊が用いられる。
高融点繊維としては、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等の合成繊維が含まれる。
熱融着性繊維、特に、熱融着性複合繊維としては、芯鞘型、サイドバイサイド型構造で、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂の何れかの熱可塑性樹脂の高融点成分と低融点成分からなる繊維が用いられる。
具体例としては、ポリエステル繊維(融点250〜270℃程度)と、低融点ポリエステル繊維(融点100〜180℃程度)の複合繊維、ポリエステル/ナイロン複合繊維、ポリエステル/ポリエチレン複合繊維、ポリプロピレン/ポリエチレン複合繊維などが挙げられ、特に、高融点ポリエステルと、低融点ポリエステルとの複合繊維は最も実用的である。
この場合、複合繊維を構成する高融点成分の融点が低融点成分の融点より50℃以上高いこと、また、低融点成分の融点が100℃〜180℃の範囲にあることが好ましい。
高融点成分の融点が低融点成分の融点より50℃未満の温度差でしか高くないと、短繊維間の接着時に高融点繊維側も軟化して所望のフィルタを得ることができない。また、低融点成分の融点が100℃未満であると、繊維間の接着を実施する処理条件が難しく、耐熱性の点から好ましくない。また、低融点成分の融点が180℃を超えると、高融点繊維の熱特性に影響し、接着を実施することでフィルタ特性が変動するので好ましくない。
また、繊度は1〜100dtexの範囲が好ましい。繊度が1dtex未満であると濾過性能を有する充分な嵩高性のあるフィルタを得ることができない。一方、繊度が100dtexを超えると繊維本数が減少し、繊維間接着点も減少して嵩高性は得られるが、所望の濾過性能を有するフィルタを得ることができない。
また、該短繊維層の目付質量が100g/m2〜500g/m2の範囲であり、かつ高融点繊維の構成が40〜85質量%(複合繊維の構成が60〜15質量%)であることが効果的である。
目付質量が100g/m2未満では満足する濾過性能を得ることができず、満足したものができても濾過寿命が短くなるので好ましくない。一方、500g/m2を超えると低初期圧損を得るのが難しい。
また、高融点繊維の構成が40質量%未満であると、すなわち、複合繊維が60質量%を超えると嵩高性(厚いものが得にくく)が乏しく、低初期圧損のフィルタが得にくい。逆に、85質量%を超えると複合繊維が少ないため、嵩高いフィルタを得てもすぐに型崩れし、へたってしまう。また、短繊維の抜けが生じ易くなり好ましくない。
そして、厚さを保持して嵩高のフィルタを得るには、厚さが15mm〜30mmの範囲がよく、この範囲で嵩高性を確保するには、単層の場合、高融点繊維と複合繊維の混繊で厚さと濾過性能を確保するために高融点繊維の繊度構成が太繊度と細繊度の組み合わせで達成し易く、太、細の繊度組み合わせによって低初期圧損で高濾過性能のフィルタを得るための条件を調整することができる。
なお、太、細繊維の混繊比率は厚さと濾過性能により適宜決められる。積層の場合は、太高融点繊維と熱融着性繊維の混繊層と、細高融点繊維と熱融着性繊維の混繊で、この太、細高融点繊維層を積層することで得られる。そして、積層にあたっては、太繊度側を粗層とし、細繊度側を密層とする。厚さと濾過性能を確保するためには太,細繊維層の比率を決めればよく、その繊度範囲は単層の場合と同じように決められる。なお、太、細繊維の積層比率は厚さと濾過性能により適宜決められる。
短繊維層に被覆される熱融着性繊維シートは、嵩高な短繊維層の表面に熱融着性繊維シートを接着し、短繊維層にある短繊維の抜けを防止するものであり、複合繊維としては、芯鞘型、サイドバイサイド型構造で、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂の何れかの熱可塑性樹脂の高融点成分と低融点成分からなる繊維が用いられる。具体例としては、ポリエステル繊維(融点250〜270℃程度)と、低融点ポリエステル繊維(融点100〜180℃程度)の複合繊維、ポリエステル/ナイロン複合繊維、ポリエステル/ポリエチレン複合繊維、ポリプロピレン/ポリエチレン複合繊維などが挙げられ、特に、高融点ポリエステルと、低融点ポリエステルとの複合繊維は最も実用的である。
この場合、複合繊維を構成する高融点成分の融点が低融点成分の融点より50℃以上、高いこと、また、低融点成分の融点が100℃〜180℃の範囲にあることが好ましい。
高融点成分の融点が低融点成分の融点より50℃未満の範囲でしか高くないと、短繊維間の接着時に高融点繊維側も軟化して所望のフィルタを得ることができない。また、低融点成分の融点が100℃未満であると、短繊維層との接着を実施する処理条件が難しく、耐熱性の点から好ましくない。低融点成分の融点が180℃を超えると、短繊維層の表面の特性が変わり、接着を実施することでフィルタ特性の変動が大きくなる。
この熱融着性繊維シートの目付質量は、10g/m2〜100g/m2の範囲が好適であり、10g/m2未満では濾過性能を損なうことはないが、短繊維層の毛抜け防止(繊維飛散防止)を充分に防止することができないので好ましくない。また、100g/m2を超えると短繊維層の毛抜け防止は充分であるが、流出側の表面の抵抗が増加するために低初期圧損を得ることが難しくなる。
あらかじめ熱融着性繊維シートを加熱しながらローラーで圧縮してやることにより、短繊維層と熱融着性繊維シートからなる濾材の表面平滑性を向上させることができる。また、短繊維層と熱融着性繊維シートの層同士の接着を行った後、熱融着性繊維シート表面を加熱ローラーや加熱板等によって加熱処理することによっても、表面平滑性を向上させることができる。
また、フィルタの難燃性を付与するため、フィルタ作製後に難燃剤を含有した樹脂液で被覆したり、繊維に窒素系、臭素系、塩素系、リン系等の難燃剤を練り込むことができる。但し、人体への影響、環境を配慮して非ハロゲン系の難燃剤を使用することが好ましい。
前記短繊維層の熱収縮率と前記熱融着性繊維シートの熱収縮率の差が10%以下であることが好ましい。熱収縮率の差が10%を超えると、熱収縮率の小さい方に予め張力を付与して前記熱収縮率差を相殺する調整が難しくなる。
熱収縮率の小さい方に予め張力を付与する方法としては、例えば、短繊維層の供給ラインと熱融着性繊維シートの供給ラインを分けて、熱収縮率の小さい方の供給ライン側のテンションを上げることで簡単に調整することができる。
例えば、前記熱融着性繊維シートの熱収縮率が小さい場合は、図1に示す通り、予め熱融着性繊維シート2に短繊維層1の熱収縮率と前記熱融着性繊維シート2の熱収縮率の差分の張力を付与することで、加熱した際に、熱収縮率の差と前記熱融着性繊維シートの復元による収縮とが相殺されて前記熱融着性繊維シートにしわが発生するのを防止できる。
なお、図1中、図4中、A、Bで示される矢印は、それぞれ、短繊維層1、熱融着性繊維シート2の熱収縮率を、また、A―Bは短繊維層1と熱融着性繊維シート2の熱収縮率の差を模式的に表すものである。
以下、本発明の具体的実施例を説明する。
(実施例1)
図2に示す通り、繊度17dtex、繊維長76mmの芯鞘ポリエステル複合繊維(芯部ポリエステルの融点:265℃、鞘部ポリエステルの融点:110℃)40質量%と、繊度4.4dtex、繊維長51mmの芯鞘ポリエステル複合繊維(芯部ポリエステルの融点:265℃、鞘部ポリエステルの融点:110℃)60質量%を均一混合して得た厚さ1mm、目付質量25g/m2、熱収縮率0%の熱融着性繊維シート2を供給ロール10から巻き戻すと共に巻き取りロール11に巻き取りながら、短繊維層の熱収縮率と熱融着性繊維シートの熱収縮率の差分の張力を付与しつつ、コンベア21、22で搬送するようにした。また、同時に、繊度6.6dtex、繊維長64mm、融点265℃の難燃性ポリエステル短繊維75質量%と、繊度2.2dtex、繊維長64mmの芯鞘ポリエステル複合繊維(芯部ポリエステルの融点:265℃、鞘部ポリエステルの融点:110℃)25質量%を均一混合したものを、カーディング加工機30でカーディング加工を施し、次いで、フィルタ使用時流出側から、ニードリング機31で、ニードルパンチ加工を施し流出側を密にし粗密構造とした熱収縮率6%の短繊維層1を、前記熱融着性繊維シート2上に重ねるようにして、コンベア20、21、22で搬送するようにした。これら短繊維層1と熱融着性繊維シート2を積層した濾材を連続して熱処理機( ホットエアースルー方式)32で温度160℃、滞留時間3分間の熱処理して前記短繊維層の繊維同士を結合すると共に前記短繊維層の表面を前記熱融着性繊維シートで被覆し、厚さ20mm、目付質量325g/m2の塗装ブース用フィルタ40を得た。
(実施例2)
繊度4.4dtex、繊維長51mmの芯鞘ポリエステル複合繊維(芯部ポリエステルの融点:265℃、鞘部ポリエステルの融点:150℃)を均一混合して厚さ1mm、目付質量20g/m2、熱収縮率0%の熱融着性繊維シート2を供給ロール10から巻き戻すと共に巻き取りロール11に巻き取りながら、短繊維層の熱収縮率と熱融着性繊維シートの熱収縮率の差分の張力を付与しつつ、コンベア21、22で搬送するようにした。また、同時に、繊度6.6dtex、繊維長64mm、融点265℃のポリエステル短繊維40質量%と、繊度1.45dtex、繊維長64mm、融点265℃のポリエステル短繊維35質量%と、繊度2.2dtex、繊維長64mmの芯鞘ポリエステル複合繊維(芯部ポリエステルの融点:265℃、鞘部ポリエステルの融点:110℃)25質量%を均一混合したものを、カーディング加工機30でカーディング加工を施し、次いで、フィルタ使用時流出側から、ニードリング機31で、ニードルパンチ加工を施し流出側を密にし粗密構造とした熱収縮率6%の短繊維層を、前記熱融着性繊維シート2上に重ねるようにして、コンベア20、21、22で搬送するようにした。これら短繊維層1と熱融着性繊維シート2を積層した濾材を連続して熱処理機( ホットエアースルー方式)33で温度180℃、滞留時間3分間の熱処理して前記短繊維層の繊維同士を結合すると共に前記短繊維層の表面を前記熱融着性繊維シートで被覆し、厚さ20mm、目付質量274g/m2の塗装ブース用フィルタ40を得た。
(実施例3)
繊度4.4dtex、繊維長51mmの芯鞘ポリエステル複合繊維(芯部ポリエステルの融点:265℃、鞘部ポリエステルの融点:110℃)40質量%と、繊度13dtex、繊維長64mmの芯鞘ポリエステル複合繊維(芯部ポリエステルの融点:265℃、鞘部ポリエステルの融点:110℃)60質量%を均一混合して厚さ1mm、目付質量25g/m2、熱収縮率0%の熱融着性繊維シート2を供給ロール10から巻き戻すと共に巻き取りロール11に巻き取りながら、短繊維層の熱収縮率と熱融着性繊維シートの熱収縮率の差分の張力を付与しつつ、コンベア21、22で搬送するようにした。また、同時に、繊度33dtex、繊維長64mm、融点265℃のポリエステル短繊維30質量%と、繊度9dtex、繊維長64mm、融点265℃のポリエステル短繊維20質量%と、繊度22dtex、繊維長64mmの芯鞘ポリエステル複合繊維(芯部ポリエステルの融点:265℃、鞘部ポリエステルの融点:110℃)50質量%を均一混合したものを、カーディング加工機30でカーディング加工を施し、次いで、フィルタ使用時流出側から、ニードリング機31で、ニードルパンチ加工を施し流出側を密にし粗密構造とした熱収縮率6%の短繊維層を、前記熱融着性繊維シート2上に重ねるようにして、コンベア20、21、22で搬送するようにした。これら短繊維層1と熱融着性繊維シート2を積層した濾材を連続して熱処理機( ホットエアースルー方式)33で温度160℃、滞留時間3分間の熱処理して前記短繊維層の繊維同士を結合すると共に前記短繊維層の表面を前記熱融着性繊維シートで被覆し、厚さ18mm、目付質量430g/m2の塗装ブース用フィルタを得た。
(比較例1)
熱融着性繊維シートに短繊維層の熱収縮率と熱融着性繊維シートの熱収縮率の差分の張力を付与をしないことを除いて、実施例1と同様にして、厚さ20mm、目付質量311g/m2の塗装ブース用フィルタを得た。
(従来例)
繊度6.6dtex、繊維長64mm、融点265℃のポリエステル短繊維80質量%と、繊度2.2dtex、繊維長64mmの芯鞘ポリエステル複合繊維(芯部ポリエステルの融点:265℃、鞘部ポリエステルの融点:110℃)20質量%を均一混合して、カーディング加工を施し、次いでフィルタ使用時流出側からニードルパンチ加工を施し流出側を密にし粗密構造とし熱収縮率6%の短繊維層を用意した。
また、くもの巣状融点115℃のスパンボンド不織布製の目付質量25g/m2のポリエステル繊維シートからなる熱融着性繊維シートを用意した。
次に、前記短繊維層の表面(ニードルパンチ加工時、針の進入した面)に前記熱融着性繊維シートを積層した濾材を連続して熱処理機( ホットエアースルー方式)で温度160℃、滞留時間3分間の熱処理して前記短繊維層の繊維同士を結合すると共に前記短繊維層の表面を前記熱融着性繊維シートで被覆し、厚さ20mm、目付質量320g/m2の塗装ブース用フィルタを得た。
以上の実施例、比較例及び従来例の短繊維層及び熱融着性繊維シートの特性を次の方法により測定した。すなわち、繊度はJIS L1015、繊維長はJIS L1015、融点はJIS L1015に従いそれぞれ測定し、厚さはJIS L1096の8.5.1記載方法に従い荷重0.13kPaで測定し、目付はJIS L1096の8.4.2記載方法に準拠して測定した。また、熱収縮率は、試料を熱処理と同温度のオーブン中に滞留時間と同じ時間静置した後、幅方向(生産時に幅方向となる方)の寸法を測定し、元の寸法に対する収縮による寸法変化の割合を求め、熱収縮率(%)とした。
以上の実施例、比較例及び従来例で得られたフィルタの濾材平滑性(しわ、波打ち現象の有無)は、目視により、熱処理後のしわ、波打ちの発生の有無により評価した。
実施例1〜3は、いずれも、しわ、波打ち現象が生じず、濾材平滑性に優れるものであった。これに対して、従来例は熱融着性繊維シートの繊維が全体的に溶けて繊維状でなくなってしまい、比較例は熱融着性繊維シートのしわが発生し、濾材平滑性に劣るものであった。
本発明は、使用時に繊維脱落による繊維飛散が防止され、製造工程を簡略化してもしわ発生、波打ち変形等のフィルタの外観不良のないエアフィルタであるので、特に、塗装ブース等の自動車空調用に使用する際に利点を有する点で、産業上の利用可能性を有する。
本発明のエアフィルタの加熱前後の状態を示す断面図 本発明のエアフィルタの製造工程を示す概要図 従来のエアフィルタの加熱前後の状態を示す断面図 従来のエアフィルタの加熱前後の状態を示す断面図
符号の説明
1 短繊維層
2 熱融着性繊維シート
10 供給ロール
11 巻き取りロール
20 コンベア
21 コンベア
22 コンベア
30 カーディング加工機
31 ニードリング機
32 熱処理機
40 塗装ブース用フィルタ
A 短繊維層の熱収縮率
B 熱融着性繊維シートの熱収縮率
A−B 短繊維層と熱融着性繊維シートの熱収縮率の差

Claims (2)

  1. 短繊維層と熱融着性繊維シートを積層して、それぞれの繊維の一部を溶融して熱接着した塗装ブース用フィルタであって、前記短繊維層が高融点繊維と熱融着性繊維の混繊であり、前記熱融着性繊維シートが複合短繊維であって、前記熱接着前に、これら短繊維層と熱融着性繊維シートの熱収縮率の小さな方に、熱収縮率の差を相殺する程度に張力を付与するようにしたものであることを特徴とする塗装ブース用フィルタ。
  2. 前記短繊維層の熱収縮率と前記熱融着性繊維シートの熱収縮率の差が10%以下であることを特徴とする請求項1に記載の塗装ブース用フィルタ。
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