JP4878082B2 - 露光装置およびデバイス製造方法 - Google Patents
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- G03F7/70058—Mask illumination systems
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体デバイス等の製造に好適に用いられる露光装置およびデバイス製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路等に対する高密度化、高集積化への要求はますます高まっている。また、半導体デバイスの生産性の向上を図るため、露光時間等の短縮が要求されている。このため、回路パターンを加工するリソグラフィ技術においては、パターンの微細化および露光時間の短縮化を図るために短波長で強力な照度が得られる遠紫外線やエキシマレーザ光を光源とする露光装置を用いることが一般的となっている。
【0003】
このような露光装置においては、高強度の露光光の照射により、照明光学系や投影光学系を構成しているレンズ等光学部材周辺のガスが活性化され、このために不純物が発生しやすくなり、レンズ面等が汚染されて曇りが生じ、露光光の照度劣化等による製品歩留りの低下が問題となっている。
【0004】
そこで、照明光学系や投影光学系のレンズ等光学部材を密閉容器に収容し、該密閉容器に不活性ガス等を充填、置換、または常時流通させることで、容器内部の不純物濃度を低減させて光学レンズ等の汚染を防ぐ方法が提案されている。
【0005】
密閉容器内の光学部材、特に投影光学系に使用される個々のレンズはレンズ保持部材に固定されており、この固定方法として、押え環等金属部材を用いてレンズをレンズ保持部材に固定する押え環方式や、接着剤によってレンズをレンズ保持部材に固定する接着方式が一般的に用いられている。
【0006】
この二つの方法の中でも、高精度な光学性能が求められる半導体露光装置に使用される投影光学系等においては、押え環方式ではレンズに大きな応力を与え、レンズ面を変形させるため高精度な光学性能が得られないという理由で、レンズをレンズ保持部材に接着固定する方式が広く採用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術によれば、光学レンズ等を収容する密閉容器に導入口と排出口をそれぞれ少なくとも1つ備え、これを通じて不活性ガス等を充填、置換、または流通させることで容器内部の光学レンズ等の汚染を防止しようとするものであるが、工場設備の停止や、装置のトラブル、メンテナンス、あるいは装置搬送等のために不活性ガス等の供給が停止すると、容器の排出口側から空気中のアンモニウムイオン(NH4 +)や硫酸イオン(SO4 2− )またはそれらの化合物あるいは有機ガス等の不純物が容器内部に侵入する。このような汚染物質が、露光光の照射によって光化学反応的に容器内部のレンズ等光学部材に付着すると、これが原因でレンズ面等の汚染が経時的に進行してしまうという未解決の課題があった。
【0008】
また、不活性ガス等の供給圧力の異常上昇等が原因で密閉容器内の圧力が上昇した場合は、レンズ等の光学部材に歪みが発生して光学性能が劣化してしまうという問題もあった。
【0009】
さらに、不活性ガス等の供給停止後に装置を再稼働させる場合、再度不活性ガス等を充填、置換、または流通させて密閉容器内の不純物濃度を低減させる工程が必要であるため、リカバリータイムを多大に費やし、しかも、不活性ガス等の消費量が増大するという問題があった。
【0010】
本発明は上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであり、光学系を収容する容器の内部が不純物で汚染されるのを回避できる露光装置およびデバイス製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の露光装置は、露光光によって基板を露光するための光学系と、ガスの導入口と排出口とを有し前記光学系の光学部材を収容する容器と、前記導入口からガスを供給するガス供給手段と、前記導入口を開閉する導入口側開閉式バルブと、前記排出口を開閉する排出口側開閉式バルブと、前記供給手段により前記導入口に供給されるガスの圧力または流量の情報に基づいて前記導入口側開閉式バルブと前記排出口側開閉式バルブとを開閉制御する制御手段であって、前記ガス供給手段による前記導入口から前記容器内へのガス供給を停止させる場合、前記導入口側開閉式バルブと前記排出口側開閉式バルブとを閉じる制御を行う制御手段とを有し、前記制御手段は、前記情報に基づいて前記ガス供給を停止させる場合、前記導入口側開閉式バルブを前記排出口側開閉式バルブより先に閉じる制御を行うことを特徴とする。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0018】
上記露光装置において、前記制御手段は、前記ガス供給手段のガス供給の開始に応じて前記導入口側開閉式バルブと前記排出口側開閉式バルブとを開く、ものでもよい。
【0019】
また、上記露光装置において、前記制御手段は、前記排出口側開閉式バルブを前記導入口側開閉式バルブより先に開く、ものでもよい。
【0020】
【作用】
ガス供給手段からのガスの供給が停止した場合に、制御手段によって両開閉式バルブを閉じることで、容器内の汚染を防ぐ。
【0021】
また、一方の開閉式バルブの開閉動作のタイミングを他方より遅らせることで、容器内部の異常な圧力上昇を回避する。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は第1の実施の形態による露光装置を示すもので、この露光装置は、露光光を発生する露光光源1と、露光光学系を構成する引き回し光学系2、照明光学系3a、3b、3c、3d、マスクとしてのレチクルR、および投影光学系4と、基板であるウエハWを搭載するウエハステージ5とを備えている。
【0024】
これらの構成各部のうち、露光光源1および引き回し光学系2を除く露光装置の本体部は、一定温度に制御されたチャンバ6内に収納されている。
【0025】
露光光源1としては、KrF(波長248nm)、ArF(波長193nm)、F2 (波長157nm)等の紫外域のパルス光を発するエキシマレーザを用いる。なお、エキシマレーザの代わりに水銀ランプのi線(波長365nm)等を露光光源として用いてもよい。
【0026】
露光光源1から発せられた露光光は引き回し光学系2を介してチャンバ6へと入射する。引き回し光学系2を介在させることで、露光光源1をチャンバ6から離れた任意の位置に設置可能となる。引き回し光学系2を出射した露光光は折り返しミラー7で折り曲げられ、ビーム整形レンズ系8を通過することにより露光に最適なビーム断面形状に整形され、再び、折り返しミラー9により折り曲げられる。次に、ズームレンズ系10により必要な大きさに拡大され、フライアイレンズ11に入射して、その出射側面に二次光源面を構成している。その後、露光光はリレーレンズ系12を通過し、折り返しミラー13で折り曲げられてレチクルRを均一に照射し、投影光学系4によりレチクルRの像をウエハステージ5に保持されたウエハWに投影露光する。
【0027】
引き回し光学系2、照明光学系3a、3b、3c、3dおよび投影光学系4は一つの密閉された容器である密閉容器14内に収容されている。密閉容器14は、容器内部にガス供給系等を導入するための導入口と、排気設備に接続された排出口を有し、それぞれ導入口側開閉式バルブと排出口側開閉式バルブである開閉式バルブ15a、15bが配設されている。
【0028】
また、ガス供給装置16から圧力調整弁17aや流量調整弁17bで圧力や流量を所定の値に調整したガスである不活性ガスを配管18を通して密閉容器14に供給するガス供給系が設けられている。
【0029】
不活性ガスとしては窒素やヘリウム、ネオン等が考えられる。もしくは、各光学系のレンズの曇りの原因となる物質を含まない清浄乾燥空気(クリーンドライエア)でもよい。
【0030】
このように、露光光の光路に配設された引き回し光学系2、照明光学系3a〜3d、投影光学系4を一つの密閉容器14内に密封し、ガス供給装置16から供給される不活性ガス等を容器内部に充填、置換あるいは常時流通させることで、露光光によって活性化される化学物質等による各光学系内のレンズ等の光学部材の汚染を防ぎ、光学性能の低下を回避する。
【0031】
また、開閉式バルブ15a、15bを、上記のガス供給系を制御する装置制御部等のガス制御手段から独立して制御するためのバルブ開閉制御手段であるコントローラ19が設けられており、設備電源の停止や、装置トラブル、あるいはメンテナンスや装置輸送等のためにガス供給系を停止したときに、直ちに両開閉式バルブ15a、15bを互いに連動して自動的に閉じることで、密閉容器14の不活性ガスを密封し、外部の雰囲気の化合物や有機ガス等の不純物が容器内部へ侵入するのを防ぐように構成されている。
【0032】
まず、不活性ガスの供給が停止した場合は、密閉容器14へ不活性ガスを供給する配管18内の状態を検知する検知装置20の情報をコントローラ19へ出力する。コントローラ19は検知装置20からの情報をもとに密閉容器14の導入口および排出口に配置された開閉式バルブ15a、15bを互いに連動して同時に閉じるように制御する。
【0033】
一方、不活性ガスの供給を開始する場合も同様に、検知装置20が配管18内の状態を検知して、その情報をコントローラ19へ出力し、コントローラ19は検知装置20からの情報をもとに密閉容器14の導入口および排出口に配置された開閉式バルブ15a、15bを連動して同時に開くように制御する。
【0034】
また、上記のようなガス供給装置16からの不活性ガスの供給が停止する以外に、装置の稼働中に意図的に不活性ガスの供給を停止および開始させる場合が考えられる。このような場合も、装置本体部等から直接不活性ガス等の供給停止および開始の信号をコントローラ19へ出力し、コントローラ19が密閉容器14の導入口および排出口に配置された開閉式バルブ15a、15bを連動して同時に開閉するように構成することで、各光学系のレンズ等の汚染を防止することができる。
【0035】
さらに、装置電源が落ちた場合にも、導入口および排出口の開閉式バルブ15a、15bを連動して自動で閉じるように構成するとよい。
【0036】
なお、配管18内の状態を検知する検知装置20としては、例えば配管内の不活性ガスの圧力や流量をセンサで検知するものが考えられる。また、検知装置20は配管18内に限らず、光学系が収容された密閉容器14内でもよい。
【0037】
開閉式バルブ15a、15bとしては、エアの供給により開閉動作を行なうエアオペレートバルブや、電気の給電により開閉を行なう電磁バルブ等が好適であり、いずれの場合も、所定のエアや電気を供給した時に開き、所定値以下の時は閉じるノーマルクローズタイプを用いる。
【0038】
本実施の形態によれば、工場設備の停止や、装置のトラブル、メンテナンス、装置搬送等により不活性ガス等の供給が停止する場合、あるいは、意図的に不活性ガス等の供給を停止および開始する場合に、この状態を検知して密閉容器の導入口および排出口に配置された開閉式バルブを互いに連動して同時開閉することにより、レンズ等が収容された密閉容器内の不活性ガス等を封止状態にして、外気の侵入による光学レンズ等の汚染を確実に回避できる。
【0039】
また、装置電源が落ちた場合にも、導入口および排出口の開閉式バルブを連動して自動で閉じる機能を持たせることで、停電時等の光学レンズ等の汚染を回避することができる。
【0040】
図2は第2の実施の形態を示す。これは、引き回し光学系2、照明光学系3a、3b、3c、3dおよび投影光学系4を、それぞれ分離した容器である密閉容器24a〜24fに収容し、各密閉容器に、導入口側開閉式バルブおよび排出口側開閉式バルブである開閉式バルブ25a、25bを配置したものであり、各密閉容器24a〜24fにはガス供給装置16から図示しない圧力調整弁や流量調整弁等で圧力や流量を任意に調整した不活性ガスを検知装置30を有する配管28を通して供給している。
【0041】
露光光源1、引き回し光学系2、照明光学系3a〜3d、投影光学系4、ウエハステージ5、ガス供給装置16、コントローラ19等は第1の実施の形態と同様であるので同一符号で表わし、説明は省略する。
【0042】
ここで、レンズ等の光学部品を含む引き回し光学系2、照明光学系3a、3b、3c、3dおよび投影光学系4をそれぞれ分離した密閉容器24a〜24fで収容した理由を述べる。
【0043】
装置のトラブルやメンテナンスなどで、例えば引き回し光学系2の部品を交換する場合、第1の実施の形態では引き回し光学系2を含む照明光学系3a、3b、3c、3dおよび投影光学系4のすべてがひとつの密閉容器14に収容されているため、照明光学系3a、3b、3c、3dや投影光学系4まで不活性ガスの供給が停止してしまう。その結果、レンズ等の曇りの原因となる物質が密閉容器14内へ侵入した場合に、汚染物が広範囲に拡散してしまい、被害が増大する。加えて、装置を再稼働させる時のリカバリータイムを多大に費やし、また、不活性ガス等の消費量を増大させてしまう。
【0044】
これを防ぐために、本実施の形態においては、引き回し光学系2、照明光学系3a、3b、3c、3dおよび投影光学系4をそれぞれ分離した密閉容器24a〜24fで収容し、各密閉容器の導入口および排出口に開閉式バルブ25a、25bを配置したもので、不活性ガス等の供給を停止する領域を必要最小限に抑え、その他の供給可能な領域には引き続き不活性ガス等の供給を行なうことで、レンズ等の汚染範囲を最小限に抑えるとともに、装置再稼働までのリカバリータイムを短縮し、不活性ガス等の消費量も低減することができる。
【0045】
図3ないし図5は第3の実施の形態を説明するものである。第1、第2の実施の形態では、導入口側の開閉式バルブ15a、25aと排出口側の開閉式バルブ15b、25bの同時開閉動作によって発生する密閉容器内の圧力上昇が原因で、レンズ等に歪みが発生し光学性能が劣化してしまう問題があった。
【0046】
この問題を解決するために、図3に示すように、例えば、一端にレンズRを保持する保持部材Hを有する密閉容器34の導入口および排出口に配置した開閉式バルブ35a、35bの開閉動作を、図1、図2のコントローラ19と同様の図示しないコントローラによって、図4の制御フローおよび図5に示すタイミングで制御する。
【0047】
まず、レンズRを収容する密閉容器34内へ供給する不活性ガスの配管38内の状態を検知する検知装置40がガスの圧力または流量を検知して、その情報をコントローラへ出力する(ステップS1、ステップS11)。
【0048】
コントローラは検知装置40からの情報をもとに密閉容器34の導入口および排出口に配置された開閉式バルブ35a、35bの開閉動作のタイミングを出力する(ステップS2、ステップS12)。
【0049】
この開閉動作タイミングは、密閉容器34に不活性ガス等の供給を開始する場合では、図4の(a)および図5の(a)に示すように、排出口側の開閉式バルブ35bを導入口側の開閉式バルブ35aよりもΔT1だけ早く開けるように制御する(ステップS3、ステップS4)。
【0050】
他方、不活性ガス等の供給を停止する場合では、図4の(b)および図5の(b)に示すように、導入口側の開閉式バルブ35aを排出口側の開閉式バルブ35bよりもΔT2だけ先に閉じるように制御する(ステップS13、ステップS14)。この導入口側と排出口側のバルブ開閉動作の時間差ΔT1、ΔT2は、密閉容器34内のレンズRが汚染されないように、例えば0.5秒〜1.0秒程度であることが好ましい。
【0051】
導入口側の開閉式バルブ35aと排出口側の開閉式バルブ35bの開閉動作タイミングを任意に設定する方法としては、開閉式バルブ35a、35bにエアを供給することで開閉するエアオペレートバルブを用いて、開閉式バルブを開閉させるパイロットエア配管経路中に流量調整バルブ等の可変抵抗を配置し、パイロットエアが開閉式バルブに到達するまでの時間を導入口側と排出口側で変化させることで導入口側の開閉式バルブ35aと排出口側の開閉式バルブ35bの開閉時間差ΔT1、ΔT2を任意に設定する方法や、開閉式バルブ35a、35bに電気を給電することで開閉する電磁バルブを用いて、各開閉式バルブを開閉させる電気信号を出力する調整式のタイマーをコントローラ内に設け、該タイマーにより導入口側の開閉式バルブ35aと排出口側の開閉式バルブ35bの開閉時間差ΔT1、ΔT2を任意に設定する方法等がある。
【0052】
また、上記以外に、ガス供給装置等の異常により配管内の不活性ガス等の圧力が密閉容器34内のレンズ固定に影響を及ぼす許容値以上に上昇した場合に、検知装置40がコントローラへ異常信号を出力して導入口側の開閉式バルブ35aを排出口側の開閉式バルブ35bよりもΔT2だけ先に閉じるように制御することが可能である。
【0053】
本実施の形態によれば、バルブ開閉動作時に発生する密閉容器内の圧力上昇や不活性ガス等の供給圧力の異常上昇が原因で、レンズ等に歪みが発生し光学性能が劣化してしまうという問題を簡単かつ確実に回避できる。
【0054】
図6および図7は第4の実施の形態を示す。これは、図3の装置と同様に各光学系を個別に収容する容器である密閉容器54a〜54fを設けるとともに、ガス供給装置16からの配管58に圧力調整装置61を配備することで、バルブ開閉時の各密閉容器内の圧力上昇を防止する構成である。
【0055】
各圧力調整装置61は、図7に示すように、ガス供給系の圧力調整弁17aや流量調整弁17bの下流側に配設され、密閉容器54a〜54fの排出口側の開閉式バルブ55bに接続される排気系に連通しており、配管58内の不活性ガス等の圧力が密閉容器内のレンズ固定等に影響を及ぼす程の許容値以上に上昇した場合に、その余圧を排気系に排出することで、密閉容器内の圧力上昇を防止する。
【0056】
露光光源1、引き回し光学系2、照明光学系3a〜3d、投影光学系4、ウエハステージ5、ガス供給装置16、コントローラ19等は第1の実施の形態と同様であるので同一符号で表わし、説明は省略する。
【0057】
コントローラ19は第1、第2の実施の形態と同様に開閉式バルブ55a、55bの開閉動作タイミングを制御する。ガス供給装置16等の異常により配管58内の不活性ガスの圧力が異常上昇した場合は、圧力調整装置61によって密閉容器54a〜54f内の圧力上昇を防止することができる。
【0058】
また、万が一開閉式バルブ55a、55bや検知装置60、コントローラ19のトラブルにより、バルブ開閉動作ができなくなった場合でも、圧力調整装置61が密閉容器内の圧力上昇を防止するので、装置の安全性が向上するという利点がある。
【0059】
さらに、装置本体を制御する装置制御部等からの信号で圧力調整弁17aと流量調整弁17bを電気的に制御することで、ガス供給装置16からの圧力や流量が経時的に変化しても、常時所定の圧力、流量で各密閉容器内へガスを供給することが可能である。
【0060】
加えて、装置トラブル、メンテナンスや装置稼働中に意図的に不活性ガス等の供給を停止および開始する場合は、圧力調整弁17aと流量調整弁17bを用いて行なうことができるという長所もある。
【0061】
圧力調整弁と流量調整弁としては、電気的に制御を行なう電動レギュレーターやマスフローメーター等を用いるとよい。
【0062】
また、露光装置を国外等へ搬送する時は航空機を使用するのが一般的であるが、ここで問題となるのは高度差による気圧変化により密閉容器内部と外部に圧力差が生じ、密閉容器が膨張、収縮することでレンズ等の光学部材に歪みが発生し光学性能が劣化してしまうことである。
【0063】
そこで、例えば、密閉容器54aの膨張、収縮を抑制するために不活性ガスの排気系に図8に示す圧力緩和装置62を配設するとよい。圧力緩和装置62は、排出口以外に供給口、あるいは密閉容器54aの任意の場所に容器内部と外部が通じるポートを設け、そこに配置してもよい。
【0064】
圧力緩和装置62としては、例えばステンレス製のジャバラ風船等を用いる。このような圧力緩和装置を配置することで、高度が上がり密閉容器外部の気圧が低くなった場合は、密閉容器内部の膨張した不活性ガス等が圧力緩和装置に流入するためジャバラ風船が膨らむ。この状態から高度が下がると、圧力緩和装置に流入した不活性ガス等が密閉容器内部へ戻るためジャバラ風船がしぼむ。このようにして、密閉容器内部と外部の圧力差を低減することができる。
【0065】
図9は圧力緩和装置62の代わりに密閉容器54aの排出口に搬送用フィルタ63を配置したものである。搬送用フィルタ63は排出口以外に供給口、あるいは密閉容器54aの任意の場所に容器内部と外部が通じるポートを設け、そこに配置してもよい。
【0066】
搬送用フィルタ63は、密閉容器外部から侵入するアンモニウムイオン(NH4 +)や硫酸イオン(SO4 2− )、またはそれらの化合物あるいは有機ガスを除去できるフィルタである。搬送用フィルタ63を配置することで密閉容器54a内部の気密性を保持できなくなるが、密閉容器内部と外部が搬送用フィルタ63を介して通じているので、搬送中の密閉容器内部と外部の圧力差を低減することができる。
【0067】
次に上記説明した露光装置を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。図10は半導体デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、あるいは液晶パネルやCCD等)の製造フローを示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では設計した回路パターンを形成した原版であるマスクを製作する。ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組立)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0068】
図11は上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記説明した露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに焼付露光する。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。本実施例の製造方法を用いれば、従来は製造が難しかった高集積度の半導体デバイスを製造することができる。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、光学系を収容する容器の内部が不純物で汚染されるのを回避できる露光装置およびデバイス製造方法を提供することができる。
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態による露光装置を示す模式図である。
【図2】 第2の実施の形態による露光装置を示す模式図である。
【図3】 第3の実施の形態による密閉容器を示す図である。
【図4】 第3の実施の形態によるバルブ開閉制御を示すフローチャートである。
【図5】 第3の実施の形態によるバルブ開閉動作のタイミングを示すグラフである。
【図6】 第4の実施の形態による露光装置を示す模式図である。
【図7】 図6の装置の圧力調整装置を説明する図である。
【図8】 航空機による搬送時のトラブルを防ぐための圧力緩和装置を示す図である。
【図9】 航空機による搬送時のトラブルを防ぐための搬送用フィルタを説明する図である。
【図10】 半導体製造工程を示すフローチャートである。
【図11】 ウエハプロセスを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 露光光源
2 引き回し光学系
3a、3b、3c、3d 照明光学系
4 投影光学系
5 ウエハステージ
6 チャンバ
14、24a〜24f、34、54a〜54f 密閉容器
15a、15b、25a、25b、35a、35b、55a、55b 開閉式バルブ
16 ガス供給装置
18、28、38、58 配管
19 コントローラ
20、30、40、60 検知装置
61 圧力調整装置
62 圧力緩和装置
63 搬送用フィルタ
Claims (3)
- 露光光によって基板を露光するための光学系と、ガスの導入口と排出口とを有し前記光学系の光学部材を収容する容器と、前記導入口からガスを供給するガス供給手段と、前記導入口を開閉する導入口側開閉式バルブと、前記排出口を開閉する排出口側開閉式バルブと、前記供給手段により前記導入口に供給されるガスの圧力または流量の情報に基づいて前記導入口側開閉式バルブと前記排出口側開閉式バルブとを開閉制御する制御手段であって、前記ガス供給手段による前記導入口から前記容器内へのガス供給を停止させる場合、前記導入口側開閉式バルブと前記排出口側開閉式バルブとを閉じる制御を行う制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記情報に基づいて前記ガス供給を停止させる場合、前記導入口側開閉式バルブを前記排出口側開閉式バルブより先に閉じる制御を行う、ことを特徴とする露光装置。 - 前記制御手段は、前記ガス供給手段による前記導入口から前記容器内へのガス供給を開始させる場合、前記導入口側開閉式バルブと前記排出口側開閉式バルブとを開く制御を行い、
前記制御手段は、前記情報に基づいて前記ガス供給を開始させる場合、前記排出口側開閉式バルブを前記導入口側開閉式バルブより先に開く制御を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。 - 請求項1または請求項2に記載の露光装置によって基板を露光する工程と、
前記工程において露光された基板を現像する工程と、
を有することを特徴とするデバイス製造方法。
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