JP4876615B2 - カラーフィルターの製造方法 - Google Patents
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Description
残渣やフリンジの除去方法として、現像後、粒径30〜40μm、流速約40m/sec程度のスプレーを吐出可能な高圧スプレーを1列に配置して洗浄処理する方法が取られている。しかし、この方法では基板の面内で除去性にバラツキがあり、線巾のバラツキがムラとなって見える現象があった(特許文献1参照)。
ところで、カラーフィルターに感光性樹脂を塗布、露光した後現像する際、基板上に滞留する現像液の量が増え、基板上の一部において現像液を噴射する圧力が弱くなり、残渣の除去効率が低下する問題があった。この対策として、現像時基板の搬送面に傾斜を持たせ現像液の置換性を改善する方法が知られている(特許文献2参照)。
しかし、近年カラーフィルターの高精細化が進んでおり、カラーパタンやブラックマトリクスパタンが細線化している。パタンの微細化により現像処理や洗浄処理の際にパタンが剥離しやすくなる。パタン剥離を抑制するため、感光性樹脂材料の密着性を向上させることが知られている。しかし、感光性樹脂材料の密着性を向上させると発生した残渣やフリンジが洗浄されにくくなる。基板を傾斜されるなど上記従来の方法では、現像時のフリンジや残渣の問題を十分に解決することができなかった。しかし、スプレー圧を増強しフリンジや残渣の除去を徹底しようとすると微細なパタンの剥離の問題が生じた。このため、上記従来の方法では微細なパタンを形成するに際して、残渣やフリンジを十分に除去するという要請に対応することが困難となっていた。
基板上に感光性樹脂層を形成する工程、パタン露光する工程、現像により不要部分を除去する工程と、現像後の基板を洗浄液で洗浄する工程とを含むカラーフィルターの製造方法において、前記現像後の基板を洗浄液で洗浄する工程を、この基板を少なくとも第1の洗浄ユニットと第2の洗浄ユニットをこの順に通過させることにより行い、第1の洗浄ユニットは粒子状の洗浄液をノズルから吐出し、第2の洗浄ユニットは粒子状の洗浄液をノズルから吐出し、前記第1の洗浄ユニットから吐出される粒子状の洗浄液の粒径分布が10〜50μm、かつ前記第1の洗浄ユニットから吐出される粒子状の洗浄液の流速が60m〜110m/secであり、前記第2の洗浄ユニットから吐出される粒子状の洗浄液の粒径分布が60〜100μm、かつ前記第2の洗浄ユニットから吐出される粒子状の洗浄液の流速が20〜50m/secであることを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
前記基板が第1の洗浄ユニットのノズルと前記第2の洗浄ユニットのノズルが、前記基板の搬送方向に対し千鳥状に交互に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルターの製造方法。
これにより、高品位の画像表示が可能な液晶カラーフィルターを容易に生産することが可能となる。
これはフリンジ除去に特に適した洗浄ユニットとして第1の洗浄ユニットを設け、また残渣除去に特に適した洗浄ユニットとして第2のユニットを設けたものである。
通常の洗浄用ノズルから得られる洗浄液の粒径は500μmで、流速は10m/sec程度である。このような通常の洗浄液は、その粒径が被洗浄物であるフリンジや残渣に対して過度に大きすぎるため、洗浄液粒子の衝突による除去効果が有効に得られない。
また、開口部を形成した際の現像後の残渣やフリンジを効果的に除去するには、開口部より小さい粒径の洗浄水を使用するのが望ましい。カラーフィルターで形成されるパタンの開口部は数百から数十μm程度であることを考慮すると、粒径は100μm以下であることが望ましい。但し、粒径が小さすぎると水粒子の重量が軽くなり基板に対する衝突力が低下するので、最低でも10μm以上であることが望ましい。
また同時に、40μm〜100μmの洗浄液の粒子を低い流速で吐出する事により残渣を有効に除去する事ができることを見出した。この理由として、残渣はパタン端部に溶解せずに残った樹脂成分や粒子が架橋して残った状態であり、本発明の範囲の中で粒子径の大きい洗浄液を加速してぶつける事で高い衝突力をもって残渣部に衝突し、パタンにダメージを与えず残渣の除去が可能となる為と考えられる。また、この際の洗浄液の流速は20m〜60m/secとすることが好ましい。20m/sec以下だと洗浄効果が十分でなく、60m/sec以上だと粒子径が大きい為最適な衝突力が得られない(上記粒径分布を持つ場合、流速分布が速い方向にシフトする。
上記洗浄ユニットとして、例えばポンプにより水を圧送する高圧1流体ノズル、水と気体を混合し加圧水として噴霧する高圧2流体ノズルが使用可能である。洗浄ユニットから吐出される粒子状の洗浄液の流速分布及び流速を調節する具体的な方法として、ノズルユニットの選定や、水と気体の混合比、各々の流量の調整により対応する事ができる。
また、本発明においては、複数の洗浄ユニットを配置する際に洗浄ユニットのノズルが隣合う洗浄ユニットのノズルに対して千鳥状に配置されることが望ましい。例えば第1の洗浄ユニットのノズルと第2の洗浄ユニットのノズルが、前記基板の搬送方向に対し千鳥状に交互に配置されるように、第1の洗浄ユニットと第2の洗浄ユニットを設置することが望ましい。ノズルが千鳥状に配置されることにより洗浄液が均一に到達するので、パタンの残渣及びフリンジの除去ムラなどが発生しにくくなるためである。
つまり請求項4はこの洗浄ユニットAおよびBにおいて、近接するノズルから吐出される洗浄液の吐出のオーバーラップ部の圧力分布に係るもので、近接するノズルから吐出される洗浄液のオーバーラップする部分の圧力分布を、オーバーラップしない部分の10%以下に抑える。
図1に本発明の、現像装置及び洗浄装置の構成を示す。投入側から現像槽、通常のシャワー方式の洗浄リンス槽、本発明の洗浄ユニット、仕上げの為の通常のシャワー方式の洗浄リンス槽、乾燥槽と配置されている。図2に従来の洗浄シャワーにおける処理と、それを用いて洗浄した際の洗浄ムラの説明図を示す。基板に対してシャワーの重なり部の筋状のムラ、ノズルの吐出流量変動に伴うシャワーの斜め方向のムラとして視認される。
図3に本発明の洗浄ユニットから吐出された、シャワーの2次元的な分布のイメージ図、その搬送方向に対し幅方向の液吐出量の分布の説明図を示す。本発明はシャワーを楕円状に広げる事で、隣接するノズルからのシャワーの重なり部の圧力分布のバラツキを10%以下に制御している。従来法は、1つのノズル吐出分布をフラットにする方策を取っているが、近接するノズルとの重なり部での吐出量が増加していた。以下実施例により本発明を詳細に説明する。
透明基板として、低膨張硝子基板コーニング社製1737を使用した。
(a)この硝子上に遮光用ネガ形感光性レジストを1.5μmのスピンレスコーターにて塗布形成し、超高圧水銀灯によりパタン幅10μm、開口部100μmのストライプパタンを持つフォトマスクを介して約100mJ/cm2の露光を行った。
(b)次に、本発明の現像装置に上記基板を投入した。現像槽はアルカリ現像液をシャワー状にして基板上方から噴霧し、未露光部の感光性レジスト部分を溶解・除去した。
次にリンス槽で純水によるシャワー洗浄を行い、現像液の除去及び現像反応の停止を行った。
(c)次に、高圧2流体ノズルを2本配置したシャワー槽にて、エアーと純水を混合し、洗浄ユニットAは粒径50μm、流速60m/secに調整した洗浄水を噴霧し、洗浄ユニットBは粒径60μm、流速50m/secに調整した洗浄水を噴霧し、パタン部周辺に残ったフリンジと残渣除去を行った。
(d)次に、リンス槽で純水によるシャワー洗浄を行い、基板より剥離された残渣の除去洗浄を行った後、エアーナイフによるドライ乾燥を行い、遮光パタンを形成した基板を作製した。こうして得られた遮光パタンは、パタン寸法10μmの準テーパー形状で残渣部の線幅の面内で0.2μm以下で制御できた。カラーフィルターの検査工程で実施される白色透過光によるムラ検査にて図2に示す洗浄シャワーによる洗浄ムラの無いカラーフィルター基板を得ることができた。
洗浄ユニットAから粒径30μm、流速100m/secに調整した洗浄水を噴霧し、洗浄ユニットBから粒径80μm、流速30m/secに調整した洗浄水を噴霧した以外は実施例1と同様にカラーフィルター基板を露光、現像、洗浄した。その結果、得られた遮光パタンは、パタン寸法10μmの準テーパー形状で残渣部の線幅の面内バラツキを0.2μm以下で制御できた。カラーフィルターの検査工程で実施される白色透過光によるムラ検査にて図2に示す洗浄シャワーによる洗浄ムラの無いカラーフィルター基板を得ることができた。
洗浄ユニットA、Bから粒径500μm、流速10m/secに調整した洗浄水を噴霧する以外は実施例1と同様にカラーフィルター基板を露光、現像、洗浄した。その結果、フリンジ、残渣が残り、寸法10μmのパタンにおいて残渣の幅の面内バラツキが3μm程度と良好なパタン形状が得られなかった。
洗浄ユニットAから粒径10μm、流速40m/secに調整した洗浄水を噴霧し、洗浄ユニットBから粒径110μm、流速100m/secに調整した洗浄水を噴霧した以外は実施例1と同様にカラーフィルター基板を露光、現像、洗浄した。その結果、寸法
10μmのパタンにおいてフリンジと共にラインパタンのエッジが剥離し、なおかつ残渣が除去しきらず残り良好なパタン形状が得られなかった。
12 洗浄リンス槽
13 洗浄ユニット槽
14 洗浄リンス槽
15 乾燥槽
21 洗浄シャワー吐出分布
22 洗浄ムラ
23 基板
31 洗浄シャワー吐出分布
32 洗浄シャワー吐出量分布
Claims (2)
- 基板上に感光性樹脂層を形成する工程、パタン露光する工程、現像により不要部分を除去する工程と、現像後の基板を洗浄液で洗浄する工程とを含むカラーフィルターの製造方法において、
前記現像後の基板を洗浄液で洗浄する工程を、この基板を少なくとも第1の洗浄ユニットと第2の洗浄ユニットをこの順に通過させることにより行い、第1の洗浄ユニットは粒子状の洗浄液をノズルから吐出し、第2の洗浄ユニットは粒子状の洗浄液をノズルから吐出し、
前記第1の洗浄ユニットから吐出される粒子状の洗浄液の粒径分布が10〜50μm、かつ前記第1の洗浄ユニットから吐出される粒子状の洗浄液の流速が60m〜110m/secであり、
前記第2の洗浄ユニットから吐出される粒子状の洗浄液の粒径分布が60〜100μm、かつ前記第2の洗浄ユニットから吐出される粒子状の洗浄液の流速が20〜50m/secであることを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
- 前記基板が第1の洗浄ユニットのノズルと前記第2の洗浄ユニットのノズルが、前記基板の搬送方向に対し千鳥状に交互に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルターの製造方法。
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