JP4875423B2 - スイッチ装置 - Google Patents

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本発明は、入力されたパケットを宛先に応じて転送するスイッチ装置に関する。
近年、パーソナルコンピュータ(以下「PC」という。)やブロードバンド接続の普及に伴い、複数のPCを相互に接続したりインターネットに接続したりするため、家庭内の通信ネットワーク、いわゆるホームネットワーク(以下「HNW」という。)の普及が進んでいる。中でも、IEEE802.3で規格化されているイーサネット(登録商標)は、当該規格用の端子がPCに標準的に装備されるほど汎用性が高く、当該規格に対応する通信装置やケーブル等の機材の導入コストが他の方式によるものよりも安価なので、今後HNWの伝送メディアとして有力である。なお、IEEE802.3で規格化され、イーサネット(登録商標)又はEthernet(登録商標)と称されている伝送方式によってデータを伝送するネットワークを以下「汎用ネットワーク」という。また、一般に、データを伝送する信号の単位として、OSI(Open System Interconnection)参照モデルにおけるネットワーク層の通信ではパケット、データリンク層の通信ではフレームがそれぞれ用いられており、本明細書においては、パケットの用語を用いることとするが、パケットをフレームと読み替えてもよい。
一方、IP(Internet Protocol)通信技術の進展に伴い、現在、放送局から家庭まで電波で伝送されている放送信号を、IP通信技術を利用して有線メディアで伝送するIP放送(以下「IPTV」という。)の実現が現実味を帯びてきている。IPTVでは、デジタル放送のコンテンツ多重化方式であるMPEG(Moving Picture Experts Group)−2の規格に準拠したトランスポートストリーム(以下「MPEG−2TS」という。)のパケットをIPパケットに包み、例えばFTTH(Fiber−To−The−Home)のようなブロードバンドアクセス回線を通して家庭まで伝送する。伝送されたIPTVパケットを家庭内で分配するには、例えば、IPTVの受信機を汎用ネットワークに対応させ、HNWを介してIPTVパケットを家庭内の受信機に伝送する方法があり、この方法によれば、用途別にHNWを敷設する必要が無く効率的である。
ところで、IPTVパケットの伝送には注意が必要である。デジタル放送のコンテンツは、映像、音声、データの各要素を同期して提示する必要がある。そのため、デジタル放送の多重化方式であるMPEG−2TS方式では、各受信機がSTC(System Time Clock)と呼ばれる27MHzのクロック信号を基準に各要素の復号と提示のタイミングとを調整するようになっている。このSTCは、放送局でコンテンツをMPEG−2TSに多重化する際に埋め込まれたクロック伝送信号(Program Clock Reference、以下「PCR」)に基づいて受信機側で再生される。そのため、PCRを含むパケットが伝送中に消失したり、受信機に到着するタイミングが大きく変動して遅延ジッタが発生したりするとSTCを精度よく再生することができず、結果としてコンテンツの再生が乱れてしまう。
汎用ネットワークのような非同期ネットワークを介してMPEG−2TSを伝送する場合に遅延ジッタの発生は避けられないため、受信機のパケット受信部にバッファを用意して遅延ジッタを平滑化してから、デコーダ部にTSパケットを渡す必要がある。汎用ネットワークによる遅延ジッタの発生を抑制できれば、受信機が備える遅延ジッタの平滑化用バッファの必要容量を削減することが可能となる。なお、MPEG−2TSを規定するISO/IEC13818−1では、理想的なデコーダモデルにおける遅延ジッタの許容値として±500nsという規格がある。
通信におけるデータの損失率や伝送に要する時間、遅延ジッタ等の通信の品質を保証する技術は総称してQoS(Quality of Service)保証技術と呼ばれている。IP通信は、元来QoSを保証しないベストエフォート型の通信技術であったが、その用途の広がりに応じてQoS保証を実現する技術が提案されている。例えば、RSVP(Resource reSerVation Protocol)、IntServ(Integrated Services)、DiffServ(Differentiated Services)等の技術が挙げられる。これらの技術は、通信事業者の基幹ネットワークの構築に利用するような高機能な通信機器において採用が進んでおり、伝送帯域幅に十分な余裕のある高速回線と組み合わせて一定の範囲でQoSを保証した通信サービスを提供している事業者もある。
ここで、従来のスイッチ装置を例に挙げ、従来のQoS保証技術について図10を用いて説明する。図10に示すように、従来のスイッチ装置500は、第1入力ポート510と、第2入力ポート520と、出力ポート530と、送出パケット選択部501とを有し、第1入力ポート510は入力キュー511を備え、第2入力ポート520は入力キュー521を備えている。なお、一般に、スイッチ装置は複数の入力ポート及び出力ポートを有するが、ここでは構成を分かり易くするため簡略化している。
スイッチ装置500において、出力ポート530を転送先とするパケットが、第1入力ポート510及び第2入力ポート520に同時に到着する場合の動作を説明する。まず、第1入力ポート510及び第2入力ポート520に入力されたパケットは、それぞれ、入力キュー511及び521に格納される。ここで、入力されるパケットは、パケット長、パケット転送の優先度(以下、単に「優先度」という。)、パケットの宛先アドレス、パケットの発信元アドレス等を示す情報(以下「パケット特性情報」という。)を有している。
次いで、送出パケット選択部501は、パケット特性情報に基づいて送出すべきパケットを決定し、決定されたパケットが蓄積された入力キュー511又は521を示す情報をパケット送出部531に通知する。そして、パケット送出部531は、送出パケット選択部501が選択した入力キュー511又は521から該当パケットを取り出して出力する。
送出すべきパケットを決定するアルゴリズムとしては、例えばSPQ(Strict Priority Queuing)やWFQ(Weighted Fair Queuing)が知られている。また、パケットの優先度を表現する方法としては、パケットを生成する送信ノードがパケット内部のフィールドに予め優先度を示す情報を記述する方法、例えばIEEE802.1pやIEEE802.1Qがある。ただし、この方法は、一定期間のパケット転送スループットを優先度毎に配分するものであり、例えばパケット毎の転送遅延時間のような詳細な通信特性を保証するものではない。
また、前述のDiffsevの技術により、スイッチ装置500のパケット転送処理にQoS技術を導入しても、遅延ジッタを完全になくすことはできない。なぜならば、優先度の高いパケット(優先パケット)がスイッチ装置500に到着した正にそのとき、優先度の低いパケット(非優先パケット)が出力ポート530から送信中であれば、当該非優先パケットの送信が終了するまで優先パケットが入力キュー(例えば入力キュー511)内で出力ポート530の空きを待たざるを得ず、優先パケットの転送遅延が非優先パケットの存在に影響を受けるからである。
ところで、汎用ネットワークで通常利用されるパケットは、パケット間ギャップ、プリアンブル、誤り検出・訂正を行うためのフィールド及びIEEE802.1Q規格のタグ情報を含む場合、パケットの最大長は1542[Byte]であり、このパケットが伝送速度1[Gbps]の回線を通過するのに12.3[μs]の時間を要する。一方、優先パケットの到着時に出力ポート530が空いていれば、優先パケットは即時に転送されるので、転送遅延はゼロである。なお、実際は、パケットがスイッチ装置500の内部の回路を通過する時間がかかるが、この時間は優先パケット、非優先パケットに関わらず全てのパケットについて共通の処理時間であるので無視するものとする。
したがって、出力ポート530において、優先パケット及び非優先パケットの競合が発生する限り、優先パケット及び非優先パケットの最大パケット長と伝送速度とによって決定される遅延ジッタが、優先パケットの転送遅延に付加される可能性を排除できない。よって、優先パケットの遅延ジッタを完全になくすため、出力ポート530における優先パケットと非優先パケットとの競合を回避することができる技術が求められている。
従来、上記競合の回避を図ることを目的とした技術としては、例えば非特許文献1に記載されたものが知られている。非特許文献1に示された従来の技術は、非優先パケットが出力中であっても、優先パケットを非優先パケットに挿入して送信し、優先パケットの遅延ジッタを低減するものである。送信されるパケットには、優先パケットの挿入位置を示すための識別符号が優先パケットの前後に付加されるようになっている。
山田義朗ほか著「ギガビットイーサネット(登録商標)の下位層リアルタイム化による時刻同期手法」、信学技報、Vol.104、No.720、CS2004−218、pp.7−12、2005年3月
しかしながら、非特許文献1に示された従来の技術では、優先パケットの挿入位置を示すための識別符号として汎用ネットワークの規格外の符号を用いる構成となっており、この技術を汎用ネットワークに適用しようとすると、優先パケットの挿入及び取り出しを行う専用装置を送信側及び受信側にそれぞれ設ける必要があるので、汎用ネットワークにおいて広く普及している機器を利用して遅延ジッタの発生を防止することができないという課題があった。
本発明は、従来の課題を解決するためになされたものであり、汎用ネットワークにおいても遅延ジッタの発生を防止することができるスイッチ装置を提供することを目的とする。
本発明のスイッチ装置は、第1パケットを入力する第1パケット入力手段と、前記第1パケットよりもパケット転送の優先度が低く、予め定められた最大パケット長以下のパケット長を有する第2パケットを入力する第2パケット入力手段と、入力された前記第1パケットの出力を、前記最大パケット長を有する第2パケットの出力予想時間よりも長い遅延時間だけ遅延させるパケット出力遅延手段と、このパケット出力遅延手段によって出力が遅延された前記第1パケット及び前記第2パケット入力手段に入力された前記第2パケットを出力するパケット出力手段と、前記第2パケット入力手段に入力された前記第2パケットの出力予想時間を算出する第2パケット出力予想時間算出手段と、前記第1パケット入力手段に前記第1パケットが入力された時点で前記第2パケット入力手段に前記第2パケットが存在するときに、前記第2パケットを前記パケット出力手段から出力できるか否かを前記遅延時間及び前記第2パケットの出力予想時間に基づいて判断する第2パケット出力判断手段とを備え、前記パケット出力手段は、前記パケット出力遅延手段によって前記第1パケットが遅延されている間において、前記第2パケット出力判断手段が前記第2パケットを出力できると判断した場合は前記第2パケットを出力し、前記第2パケット出力判断手段が前記第2パケットを出力できないと判断した場合は前記第2パケットを前記第2パケット入力手段に待機させる構成を有している。
この構成により、本発明のスイッチ装置は、第2パケット入力手段に第2パケットが入力されたか否かに関わらず、第1パケットを遅延時間毎に出力するので、従来のものとは異なり、汎用ネットワークの規格外の符号を用いずに第1パケットを送信することができ、汎用ネットワークにおいても遅延ジッタの発生を防止することができる。
また、この構成により、本発明のスイッチ装置は、最大パケット長を有する第2パケットの出力予想時間よりも大きい時間で遅延時間が設定されるので、第2パケット入力手段に第2パケットが入力されている場合でも、第1パケットを遅延時間毎に出力することができ、汎用ネットワークにおいても遅延ジッタの発生を防止することができる。
また、本発明のスイッチ装置は、前記パケット出力遅延手段に代えて、現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、前記第1パケット入力手段に前記第1パケットが入力された入力時刻を取得する第1パケット入力時刻取得手段と、前記現在時刻と前記入力時刻との差分時間を算出する差分時間算出手段とからなるパケット出力遅延手段を備え、前記第2パケット出力判断手段は、前記第1パケット入力手段に前記第1パケットが入力された時点で前記第2パケット入力手段に前記第2パケットが存在するときに、前記第2パケットを前記パケット出力手段から出力できるか否かを前記遅延時間及び前記差分時間に基づいて判断するものである構成を有するのが好ましい。
さらに、本発明のスイッチ装置は、前記第1パケット入力手段に前記第1パケットが入力された時点からの経過時間を計時し前記遅延時間から前記経過時間を減算して残時間を算出する残時間算出手段を備え、前記第2パケット出力判断手段は、前記第2パケットの出力予想時間が前記残時間未満のときは前記第2パケットを出力させると判断し、前記第2パケットの出力予想時間が前記残時間以上のときは前記第2パケットを待機させると判断する構成を有している。
この構成により、本発明のスイッチ装置は、第2パケット出力判断手段は、第2パケットの出力予想時間が残時間未満のときは第2パケットを出力させると判断し、第2パケットの出力予想時間が残時間以上のときは第2パケットを待機させると判断するので、優先度の高い第1パケットと優先度の低い第2パケットとの競合を回避することができ、汎用ネットワークにおいても遅延ジッタの発生を防止することができる。
さらに、本発明のスイッチ装置は、前記第1パケット入力手段に入力された前記第1パケットの出力予想時間を算出する少なくとも1つの第1パケット出力予想時間算出手段と、前記残時間がゼロになったとき計時を開始して計時した時間が前記第1パケットの出力予想時間と一致したときに計時を完了する計時手段とを備え、前記パケット出力手段は、前記計時手段が前記計時を開始してから完了するまでの期間に前記第1パケットを出力する構成を有している。
この構成により、本発明のスイッチ装置は、パケット出力手段は、計時手段が計時を開始してから完了するまでの期間に第1パケットを出力するので、第2パケット入力手段に第2パケットが入力されたか否かに関わらず、第1パケットを所定の遅延時間毎に出力することができ、汎用ネットワークにおいても遅延ジッタの発生を防止することができる。
さらに、本発明のスイッチ装置は、前記第2パケット入力手段は、入力された前記第2パケットを順次蓄積する第2パケット蓄積部を備え、前記残時間算出手段が前記経過時間の計時を開始してから前記残時間がゼロになるまでの期間において前記第2パケット蓄積部から前記出力予想時間が前記残時間未満である第2パケットを抽出するパケット抽出手段を備えた構成を有している。
この構成により、本発明のスイッチ装置は、第2パケット蓄積部に蓄積された第2パケットのうち、残時間未満である出力予想時間の第2パケットをパケット抽出手段が抽出するので、入力された第2パケットが第2パケット蓄積部の蓄積容量を超えて蓄積されることを回避することができ、第2パケットを効率よく出力することができる。
さらに、本発明のスイッチ装置は、前記第1パケットは、パケット転送の優先度を識別するためのパケット識別子を含み、前記第1パケット入力手段は、前記パケット識別子の情報を書き換えるパケット識別子書換部を備えた構成を有している。
この構成により、本発明のスイッチ装置は、パケット識別子の情報を書き換えることによって、自装置の後段に設けられた装置に第1パケットの優先度情報を通知することができる。
さらに、本発明のスイッチ装置は、パケット転送の優先度を識別するためのパケット識別子を含み前記優先度が互いに異なる混合パケットを入力し、入力した前記混合パケットを前記パケット識別子の情報に基づいて前記第1パケットと前記第2パケットとに判別し、前記第1パケットを前記第1パケット入力手段に出力し、前記第2パケットを前記第2パケット入力手段に入力するパケット識別子判別手段を備えた構成を有している。
この構成により、本発明のスイッチ装置は、優先度が互いに異なる混合パケットを入力する場合でも、高優先度パケットを判別して遅延時間毎に出力するので、従来のものとは異なり、汎用ネットワークの規格外の符号を用いずに高優先度パケットを送信することができ、汎用ネットワークにおいても遅延ジッタの発生を防止することができる。
さらに、本発明のスイッチ装置は、前記パケット識別子は、前記混合パケットの宛先アドレス情報及び発信元アドレス情報を含み、前記パケット識別子判別手段は、前記宛先アドレス情報及び前記発信元アドレス情報の少なくとも一方に基づいて前記混合パケットの判別を行う構成を有している。
この構成により、本発明のスイッチ装置は、宛先アドレス情報及び発信元アドレス情報の少なくとも一方に基づいた特定のパケットのみを優先パケットとし、この優先パケットを遅延時間毎に出力することができるので、汎用ネットワークにおいても遅延ジッタの発生を防止することができる。
さらに、本発明のスイッチ装置は、前記混合パケットの送信元である混合パケット送信装置に対して前記混合パケットの送受信に係る制御情報を含む制御パケットを送受信する制御パケット送受信手段を備え、前記パケット識別子判別手段は、前記制御情報に基づいて前記混合パケットの判別を行う構成を有している。
この構成により、本発明のスイッチ装置は、優先パケットとして扱うパケットを制御情報に基づいて動的に変更することができるので、パケットの優先度変更に柔軟に対応することができる。
本発明は、汎用ネットワークにおいても遅延ジッタの発生を防止することができるという効果を有するスイッチ装置を提供することができるものである。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、本発明のスイッチ装置を、IPTVデータやその他のデータをIP通信によって伝送するデータ伝送システムに適用した例を挙げて説明する。
(第1の実施の形態)
まず、本発明に係るデータ伝送システムの第1の実施の形態における構成について説明する。
図1に示すように、本実施の形態におけるデータ伝送システム10は、データを送出するデータ送出ノード11及び12と、データを受信するデータ受信ノード13と、データ送出ノード11及び12とデータ受信ノード13とに汎用ネットワーク14〜16を介して接続されたスイッチ装置100とを備えている。ここで、データ送出ノード11及び12は、予め定められた最大パケット長以下のパケット長を有するパケットに所定のデータを組み込んで送出するようになっている。このパケットは、データの他に、パケット長、パケットの優先度、パケットの宛先アドレス、パケットの発信元アドレス等を示す情報であるパケット特性情報を含んでいる。
データ送出ノード11は、データ送信アプリケーションを稼働してIPTVデータを含むパケットをデータ受信ノード13宛に送出するようになっている。また、データ送出ノード11は、パケットを送出する際、データ送信アプリケーションが要求するスループットやネットワークが伝送可能な最大パケット長等の条件に基づいて、適当なデータパケットの送信時間間隔を算出するようになっている。
データ送出ノード12は、データ送出ノード11が送出するパケットよりも優先度が低いパケットをデータ受信ノード13宛に出力するようになっている。以下の説明において、データ送出ノード11がデータ受信ノード13宛に送出するパケットを「優先パケット」といい、データ送出ノード12がデータ受信ノード13宛に送出するパケットを「非優先パケット」という。また、優先パケット又は非優先パケットに限定しない場合は、単にパケットという。ここで、優先パケット及び非優先パケットは、それぞれ、特許請求の範囲に記載の第1パケット及び第2パケットに対応するものである。
データ受信ノード13は、スイッチ装置100を介し、データ送出ノード11及び12がそれぞれ出力する優先パケット及び非優先パケットを受信するようになっている。
スイッチ装置100は、データ送出ノード11及び12からのパケットをデータ受信ノード13に出力するようになっており、例えば図2に示すような構成を有している。
すなわち、スイッチ装置100は、データ送出ノード11が出力する優先パケットを入力する優先入力ポート110と、データ送出ノード12が出力する非優先パケットを入力する非優先入力ポート120と、データ受信ノード13に優先パケット又は非優先パケットを出力する出力ポート130と、出力ポート130が出力するパケットを選択する送出パケット選択部101とを備えている。
なお、図2において、構成を分かりやすくするため、スイッチ装置100は、優先入力ポート110及び非優先入力ポート120の2つで構成された入力ポートと、1つの出力ポート130とを備えるものとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の入力ポート及び複数の出力ポートを備える構成としてもよい。
優先入力ポート110は、優先パケットを順次入力して一時的に蓄える入力キュー111と、優先パケットの出力を所定の時間(以下「遅延時間D[s]」という。)だけ遅延させる固定遅延キュー112とを備えている。なお、優先入力ポート110は、本発明の第1パケット入力手段を構成している。
入力キュー111は、例えばFIFO(First In First Out)型のメモリで構成され、優先入力ポート110に順次入力される優先パケットを入力された順序で蓄積し、蓄積された優先パケットを入力された順序で出力するようになっている。また、入力キュー111は、入力された優先パケットからパケット特性情報を取得し、取得したパケット特性情報を送出パケット選択部101に出力するようになっている。
固定遅延キュー112は、入力された優先パケットを予め設定された遅延時間Dだけ遅延させて出力するようになっている。なお、固定遅延キュー112は、本発明のパケット出力遅延手段を構成している。
非優先入力ポート120は、非優先パケットを順次入力して一時的に蓄える入力キュー121を備えている。なお、非優先入力ポート120は、本発明の第2パケット入力手段を構成している。
入力キュー121は、例えばFIFO型のメモリで構成され、非優先入力ポート120に順次入力される非優先パケットを入力された順序で蓄積し、蓄積された非優先パケットを入力された順序で出力するようになっている。また、入力キュー121は、入力された非優先パケットからパケット特性情報を取得して送出パケット選択部101に出力するようになっている。なお、入力キュー121は、本発明の第2パケット蓄積部を構成している。
送出パケット選択部101は、優先パケットが優先入力ポート110に到着した際に計時を開始する到着タイマ101aと、優先パケットの出力可能時間を計時するゲートタイマ101bと、送出すべきパケットを選択する送出パケット選択回路101cとを備えている。
到着タイマ101aは、タイマ値Ta[s]を有し、優先パケットが優先入力ポート110に到着したときに遅延時間Dがタイマ値Taにセットされ、タイマ値Taを時間の経過と共に減算するようになっている。なお、タイマ値Taの最終値はゼロである。ここで、到着タイマ101aは、本発明の残時間算出手段を構成している。
ゲートタイマ101bは、タイマ値Tg[s]を有し、到着タイマ101aのタイマ値Taがゼロとなったときに優先パケットの出力予想時間がタイマ値Tgにセットされ、タイマ値Tgを時間の経過と共に減算するようになっている。なお、タイマ値Tgの最終値はゼロである。ここで、ゲートタイマ101bは、本発明の計時手段を構成している。
送出パケット選択回路101cは、入力キュー111及び121から取得したパケット特性情報に含まれる優先度の情報に基づき、入力された優先パケット及び非優先パケットの出力予想時間を算出し、出力ポート130が送出すべきパケットを選択するための選択情報を出力ポート130に送信するようになっている。なお、送出パケット選択回路101cは、本発明の第1パケット出力予想時間算出手段、第2パケット出力予想時間算出手段及び第2パケット出力判断手段を構成している。
なお、図2において、送出パケット選択部101は1つの到着タイマ101aを備える構成としている。この構成は、優先パケットが連続して到着しない場合、具体的には、到着タイマ101aが計時を開始してタイマ値Taがゼロになる前に新たな優先パケットが優先入力ポート110に到着しない場合を想定したものである。優先パケットが連続して到着する場合は、送出パケット選択部101が複数の独立した到着タイマ101aを備える構成とし、新たな優先パケットが到着する毎に異なる到着タイマ101aで計時を開始する構成とすることができる。
出力ポート130は、送出パケット選択部101から選択情報を受信し、この選択情報に基づいて固定遅延キュー112又は入力キュー121からパケットを取出して出力するようになっている。なお、出力ポート130は、本発明のパケット出力手段を構成している。
次に、本実施の形態におけるデータ伝送システム10の動作について図1を用いて説明する。
まず、データ送出ノード11及び12において、データ送信アプリケーションが稼働される。その結果、データ送出ノード11からは優先パケットが、データ送出ノード12からは非優先パケットが、それぞれ、スイッチ装置100に出力される。なお、データ送出ノード11及び12が同時にパケットを出力する動作に限定されるものではなく、例えばデータ送出ノード12がデータ送出ノード11よりも先に非優先パケットの送信を開始し、その後、データ送出ノード11が優先パケットの送信を開始する動作であってもよい。
データ送出ノード11は、前述のようにIPTVデータを含むパケットを送出する際に、データ送信アプリケーションが要求するスループットやネットワークが伝送可能な最大パケット長等の条件に基づき、適当なパケットの送信時間間隔を算出する。
具体的には、IPTVにおいて、例えばBSデジタル高精細度テレビジョン放送に相当する画質のコンテンツを途切れなく伝送するには、24[Mbps]での一定のスループットが必要であり、IPTVのデータをペイロード長1500[Byte]の最大長パケットで送信する場合、データ送出ノード11は、優先パケットの送信時間間隔を500[μs]に設定して優先パケットを送信する。なお、この場合、この優先パケットが1[Gbps]の汎用ネットワーク回線を通過するのに要する時間は12[μs]である。
引き続き、スイッチ装置100によって、優先パケット及び非優先パケットがデータ受信ノード13に出力される。そして、データ受信ノード13によって、スイッチ装置100から出力される優先パケット及び非優先パケットが受信される。
次に、本実施の形態におけるスイッチ装置100の動作について図3及び4を用いて説明する。図3はスイッチ装置100の送出パケット選択部101における動作の各ステップを示すフローチャートであり、図4はスイッチ装置100の動作例を具体的に説明するための図である。
図4において、非優先入力ポート120に入力された非優先パケットb1〜b6(図示省略)が出力ポート130から出力された後、優先入力ポート110の入力キュー111に優先パケットa1〜a3が順次蓄積され、入力キュー111によって優先パケットa1のパケット特性情報が取得された後、優先パケットa1が固定遅延キュー112に格納された状態が示されている。また、非優先入力ポート120の入力キュー121には、非優先パケットb7〜b9が順次蓄積された状態が示されている。なお、非優先パケットのパケット最大長は予め定められているものとし、当該パケット最大長をLbmax[bit]とする。
以下、優先パケットが連続して到着しない場合におけるスイッチ装置100の動作について、図3に示されたフローチャートに基づき、図4を適宜用いて説明する。なお、図1に示す汎用ネットワーク14〜16及びスイッチ装置100を含む伝送メディアにおけるパケット伝送速度をG[bit/s]とする。
まず、送出パケット選択回路101cによって、入力キュー111が優先パケットの特性情報を取得したか否かが判断され、入力キュー111が優先パケットのパケット特性情報を取得したと判断された場合、すなわち優先入力ポート110に優先パケットが到着した場合、具体的には図4に示すように入力キュー111が優先パケットa1のパケット特性情報を取得して送出パケット選択回路101cに送信した場合は、到着タイマ101aのタイマ値Taに遅延時間Dがセットされる(ステップS11)。ここで、遅延時間Dは、最大パケット長の非優先パケットが出力される出力予想時間Lbmax/G[s]より大きい値で設定される。具体的には、汎用ネットワークのパケット最大長は1542[Byte](=12336[bit])なので、本実施形態に係る伝送メディアにおける非優先パケットの伝送速度を1[Gbit/s]とすると、遅延時間Dの最小値は12.336[μs]となる。
次いで、送出パケット選択回路101cによって、入力キュー121に蓄積された非優先パケットのうち最も出力側にあるパケット(以下「非優先先頭パケット」という。)の特性情報が入力キュー121から取得される(ステップS12)。具体的には、図4において、入力キュー121の非優先先頭パケットである非優先パケットb7の特性情報が入力キュー121から取得される。
さらに、送出パケット選択回路101cによって、非優先先頭パケットの出力予想時間Tuが算出される(ステップS13)。具体的には、図4に示された非優先先頭パケットである非優先パケットLb7のビット長をLb7[bit]とするとき、本実施形態では伝送メディアのパケット伝送速度をG[bit/s]としているので、非優先パケットLb7の出力予想時間Tu=Lb7/G[s]が得られる。
続いて、送出パケット選択回路101cによって、到着タイマ101aのタイマ値Taが非優先先頭パケットの出力予想時間Tuよりも大きいか否かが判断される(ステップS14)。
ステップS14において、到着タイマ101aのタイマ値Taが非優先先頭パケットの出力予想時間Tuよりも大きいと判断された場合(Ta>Tu)は、Tu[s]の間、送出パケット選択回路101cによって、入力キュー121から非優先先頭パケットをパケット送出部131に取り出させて出力させるための情報が生成され、この情報がパケット送出部131に通知される(ステップS15)。その結果、パケット送出部131によって、非優先先頭パケットが出力される。
一方、ステップS14において、到着タイマ101aのタイマ値Taが非優先先頭パケットの出力予想時間Tuよりも大きいと判断されなかった場合(Ta≦Tu)は、Ta[s]の間、送出パケット選択回路101cによって、非優先先頭パケットを入力キュー121に待機させるための情報が生成され、この情報がパケット送出部131に通知される(ステップS16)。その結果、パケット送出部131によって、非優先先頭パケットが入力キュー121に待機させられる。
引き続き、送出パケット選択回路101cによって、到着タイマ101aのタイマ値Taがゼロか否かが判断される(ステップS17)。
ステップS17において、到着タイマ101aのタイマ値Taがゼロと判断されなかった場合(Ta≠0)はステップS13に戻り、到着タイマ101aのタイマ値Taがゼロと判断された場合(Ta=0)はゲートタイマ101bのタイマ値TgにTg0がセットされる(ステップS18)。
このTg0は、入力キュー111から送出パケット選択回路101cに通知されるパケット特性情報に含まれる優先パケットのパケット長のデータと、優先パケットの伝送速度とで算出される優先パケットの出力予想時間である。具体的には、図4において、入力キュー111から送出パケット選択回路101cに通知された優先パケットa1のパケット長をLa1[bit]とするとき、本実施形態ではパケット伝送速度をG[bit/s]としているので、優先パケットa1の出力予想時間Tg0=La1/G[s]が得られる。
続いて、送出パケット選択回路101cによって、Tg[s]の間、固定遅延キュー112から優先パケットをパケット送出部131に取り出させて出力させるための情報が生成され、この情報がパケット送出部131に通知される(ステップS19)。
そして、パケット送出部113によって、固定遅延キュー112から優先パケットが取り出されて出力され、優先パケットの出力が完了する。具体的には、図4に示す状況においては、固定遅延キュー112によって遅延時間Dだけ遅延された優先パケットa1が、パケット送出部113によって取り出されて出力される。したがって、パケット送出部113は、優先パケットa1を構成するデータを固定遅延キュー112から順次取り出し、汎用ネットワーク16を介してデータ受信ノード13に出力する。
前述のステップS11の説明において述べたように、最大パケット長の非優先パケットが出力される出力予想時間Lbmax/G[s]よりも大きい値で遅延時間Dを設定することにより、優先入力ポート110に優先パケットが到着したときに出力ポート130から非優先パケットが出力中であったとしても、当該優先パケットが優先入力ポート110に到着したときから固定遅延キュー112より出力されるときまでには、当該非優先パケットは出力ポート130から出力されていることとなる。
その結果、本実施形態におけるスイッチ装置100は、優先入力ポート110に到着したIPTVデータを含む優先パケットを常に一定の遅延時間Dで出力ポート130から確実に出力することができる。したがって、本実施形態におけるスイッチ装置100は、出力ポート130における優先パケットと非優先パケットとの競合により発生する遅延ジッタを解消することができるので、IPTVデータを含む優先パケットを遅延ジッタが無い状態でデータ受信ノード13に送信することができる。
次に、優先パケットが連続して到着する場合におけるスイッチ装置100の動作について説明する。なお、この場合は、前述のように送出パケット選択部101が複数の独立した到着タイマ101aを備える構成となる。
優先入力ポート110に優先パケットが連続して到着した場合、送出パケット選択回路101cによって、優先パケットの到着毎に入力キュー111からパケット特性情報が取得され、それぞれの優先パケット毎に、独立した到着タイマ101aに遅延時間Dが設定される。入力キュー111の最も出力側にある優先パケット(以下「優先先頭パケット」という。)に関しては、図3に示されたステップS12〜19の処理を行う。優先先頭パケットでない優先パケットに関しては、ステップS12以降の処理を行わないが、到着タイマTaの値は時間の経過と共に減ずる。優先先頭パケットでない優先パケットが、優先先頭パケットの出力完了後に新たに優先先頭パケットとなったら、ステップS12以降の処理を実施する。
次に、優先パケットが未着で非優先パケットを送信する場合におけるスイッチ装置100の動作について説明する。
優先入力ポート110に優先パケットが存在しない場合、送出パケット選択回路101cによって、入力キュー121に蓄積された非優先先頭パケットの特性情報が入力キュー121から取得される。
さらに、送出パケット選択回路101cによって、非優先先頭パケットの出力予想時間Tuが算出される。具体的には、図4に示された非優先先頭パケットである非優先パケットLb7のビット長をLb7[bit]とするとき、本実施形態では伝送メディアのパケット伝送速度をG[bit/s]としているので、非優先パケットLb7の出力予想時間Tu=Lb7/G[s]が得られる。
そして、送出パケット選択回路101cによって、Tu[s]の間、非優先パケットLb7を出力するための情報がパケット送出部131に通知される。その結果、パケット送出部131によって、非優先パケットLb7を構成するデータが入力キュー121から順次取り出され、非優先先頭パケットLb7が出力される。
次に、非優先入力ポート120の入力キュー121が、順次入力される非優先パケットを収容できず、非優先パケットが入力キュー121から溢れる場合について説明する。
前述のように、スイッチ装置100は、優先入力ポート110に到着した優先パケットに常に一定の遅延時間Dを付加して出力ポート130から出力するよう動作する。一方、ゲートタイマ101bのタイマ値Tgが、Tg0>Tg>0である期間において非優先入力ポート120に到着した非優先パケットは、非優先入力ポート120の入力キュー121に順次蓄積される。入力キュー121の蓄積容量は有限なので、蓄積容量を超えて非優先パケットが到着すると非優先パケットが入力キュー121から溢れてスイッチ装置100内で廃棄されることとなる。
しかしながら、本実施の形態において想定しているIP通信は、元来ベストエフォート型の通信なので、IPの上位層プロトコルには、パケットの消失を想定して例えばパケットの再送処理のような信頼性を向上させる手法が通常組み込まれている。したがって、スイッチ装置100の内部において、前述のように非優先パケットが廃棄されても通信そのものが全く不可能になることはない。また、入力キュー121から非優先パケットが溢れたときに廃棄する非優先パケットを選択的に決定する手法、例えばRED(Random Early Detection)のようなアルゴリズムを導入することによって、非優先パケットを送信した通信アプリケーションに与える、非優先パケットの廃棄による影響を低減することもできる。
次に、非優先入力ポート120の入力キュー121においてキュー詰まりが生じた場合について説明する。
ステップS16の説明において述べたように、到着タイマ101aのタイマ値Taが、D>Ta>0である期間において、非優先入力ポート120の入力キュー121の先頭にある非優先パケットの通過予想時間Tuが、Ta≦Tuである間、送出パケット選択部101は、非優先パケットを入力キュー121内に待機させ、非優先パケットの出力を見合わせる。そのため、比較的長いパケット長を有する非優先パケットが入力キュー121の先頭に存在する場合、当該非優先パケットをいつまでも出力できないヘッドブロックと呼ばれる状態になる。このヘッドブロックの状態になると、出力ポート130が長時間使用されず、出力ポート130の利用効率が低下することとなる。
そこで、ヘッドブロックを解消するため、Ta>Tuである非優先パケットを入力キュー121の先頭から順次探索して当該非優先パケットを抽出するパケット抽出手段を設けることにより、非優先入力ポート120に到着した順序とは異なる順序でTa>Tuである非優先パケットを出力ポート130に転送するよう構成することもできる。この構成により、本発明のスイッチ装置100は、入力キュー121に蓄積された非優先パケットのうち、Ta>Tuである非優先パケットを抽出できるので、入力された非優先パケットが入力キュー121の蓄積容量を超えて蓄積されることを回避することができ、非優先パケットを効率よく出力することができる。
なお、上記説明では、非優先入力ポート120に到着した順序とは異なる順序でTa>Tuである非優先パケットを出力ポート130に転送する構成としたが、この構成としても特に問題はない。なぜならば、本実施の形態において想定しているIP通信は、元来ベストエフォート型の通信であり、IPの上位層プロトコルはパケットの順序が送信時と異なって到着することを通常想定して設計されているので、前述のように非優先パケットの出力の順序が到着した順序と異なっても通信そのものに障害を与えることはないからである。
次に、スイッチ装置100が、複数の非優先入力ポート120を備える場合について説明する。
この場合は、到着タイマ101aのタイマ値Taが、D>Ta>0である非優先パケットの送出期間において、送出パケット選択部101は、複数の非優先入力ポート120がそれぞれ有する各入力キュー121から通知されるパケット特性情報に基づいて、次回送信する非優先パケットを適当なアルゴリズムによって選択する構成とすることができる。例えば、SPQ(Strict Priority Queuing)やWFQ(Weighted Fair Queuing)等のアルゴリズムを利用することができる。
以上のように、本実施の形態におけるデータ伝送システム10によれば、データ送出ノード11は、IPTVデータを含む優先パケットを送出し、スイッチ装置100は、遅延ジッタを生じさせることなく優先パケットをデータ受信ノード13に出力する構成としたので、映像の乱れや音声の途切れ等のないIPTVのコンテンツを利用者に提供することができる。特に、データ伝送システム10は、遅延時間の絶対量よりも遅延ジッタ量に敏感な用途に適したQoS保証の通信に好適である。
また、本実施の形態におけるスイッチ装置100によれば、送出パケット選択部101は、優先パケットが優先入力ポート110に到着した際に優先パケットのパケット特性情報を取得し、入力キュー121の非優先パケットを出力するか待機させるかをパケット送出部131に通知し、パケット送出部131は、優先パケットを遅延時間毎に出力する構成としたので、遅延ジッタの発生原因である優先パケット及び非優先パケットの出力ポート130における競合を解消することができる。したがって、本実施の形態におけるスイッチ装置100は、従来のものとは異なり、汎用ネットワークの規格外の符号を用いずに優先パケットを送信することができるので、汎用ネットワークにおいても遅延ジッタの発生を防止することができる。
また、本実施の形態におけるスイッチ装置100は、以下に述べるようにHNWに適用する際の従来の課題を解決することもできる。
これまで通信機能を持たなかった家電製品も今後はHNWに接続され、多様なサービスを提供する家電製品が多数出現することが予想され、HNWにおいても多種多様な特性のデータ通信の共存が予想される。したがって、今後HNWにおいても、上記IPTVのようなQoS保証が必要な通信と、QoS保証が必要でないベストエフォート型の通信とに差別化されるものと推定される。
一部のHNW向けの通信機器では、背景技術の説明において述べたDiffServのQoS技術を流用したものが出始めているが、これらの通信機器ではそのQoS機能利用に先立って通信帯域の配分や優先データの識別方法等を利用者が設定する必要があり、通信技術の知識を持たない利用者が利用するのは困難である。一般の消費者が利用するHNW向けの通信機器においては、利用に先立って通信機器を設定する必要がなく、通信機器を通過するパケットに応じて自動的にQoSが保証された通信が容易に実現することが望まれていた。
本実施の形態で説明したように、スイッチ装置100は、優先パケットを遅延時間Dだけ遅延させ、出力ポート130における優先パケットと非優先パケットとの競合を回避することによって遅延ジッタの発生を防止するという簡単な構成としたので、利用に先立って通信機器を設定する必要がなく、スイッチ装置100内を通過するパケットに応じて自動的にQoSが保証された通信を容易に実現することができ、低コストで簡単な方式が要求されるHNWに好適である。
また、スイッチ装置100は、パケットが入力される入力ポートを、優先入力ポート110と非優先入力ポート120とに物理的に分離して備える構成としたので、スイッチ装置100をHNWに適用した場合、スイッチ装置100が有する優先制御機能をHNWの利用者に分かり易く提供することができる。
なお、前述の実施の形態において、優先パケットとしてIPTVデータを含むパケットを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、IPTV以外のデータを含むパケットを優先パケットとして送信する構成としても同様の効果が得られる。
(第2の実施の形態)
まず、本発明に係るデータ伝送システムの第2の実施の形態における構成について説明する。
図5に示すように、本実施の形態におけるデータ伝送システム20は、データを送出するデータ送出ノード21〜23と、データを受信するデータ受信ノード24と、データ送出ノード21及び22にそれぞれ汎用ネットワーク25及び26を介して接続されたスイッチ装置200と、スイッチ装置200、データ送出ノード23及びデータ受信ノード24にそれぞれ汎用ネットワーク27、28及び29を介して接続されたスイッチ装置300とを備えている。なお、本実施の形態におけるデータ伝送システム20は、カスケード接続された2つのスイッチ装置200及び300を備えたものであり、本発明の第1の実施の形態におけるデータ伝送システム10(図1参照)の説明と重複する構成の説明は省略する。
データ送出ノード21〜23は、パケット識別子を有するパケットにデータを組み込んでデータ受信ノード24宛に送出するようになっている。このパケットは、データの他に、パケット長、パケットの優先度、パケットの宛先アドレス、パケットの発信元アドレス等を示す情報であるパケット特性情報を含んでいる。また、パケット識別子とは、カスケード接続されたスイッチ装置200及び300が、優先パケットと非優先パケットとを区別するために用いる識別子をいう。このパケット識別子を実現する方法としては、例えばIEEE802.3で規格化されている"EtherType/Length"フィールドや、IEEE802.1Qで規格化されている"VLAN tag"フィールドに特定の値を割り当てることで実現できる。
データ送出ノード21は、データ送信アプリケーションを稼働し、IPTVデータのパケットをデータ受信ノード24宛に送出するようになっている。本実施の形態においては、データ送出ノード21が送出したパケットは、優先パケットとしてスイッチ装置200に入力されるようになっている。
データ送出ノード22及び23は、データ受信ノード24宛にデータをそれぞれ送出するようになっている。本実施の形態においては、データ送出ノード22が送出したパケットは、非優先パケットとしてスイッチ装置200に、データ送出ノード23が送出したパケットは、非優先パケットとしてスイッチ装置300に、それぞれ、入力されるようになっている。
スイッチ装置200は、優先パケットと非優先パケットとが混合されたパケット(以下「混合パケット」という。)をスイッチ装置300に出力するようになっている。
スイッチ装置300は、混合パケットと非優先パケットとをデータ受信ノード24に出力するようになっている。
次に、本実施の形態におけるスイッチ装置200の構成を説明する。
図6に示すように、スイッチ装置200は、データ送出ノード21が出力した優先パケットを入力する優先入力ポート210と、データ送出ノード22が出力した非優先パケットを入力する非優先入力ポート220と、スイッチ装置300に混合パケットを出力する出力ポート230と、出力ポート230が出力するパケットを選択する送出パケット選択部201とを備えている。ここで、優先パケット及び非優先パケットは、それぞれ、特許請求の範囲に記載の第1パケット及び第2パケットに対応するものである。
なお、本実施の形態におけるスイッチ装置200は、第1の実施の形態におけるスイッチ装置100と比べ、パケット識別子書換部212を備えている点が異なるので、その他の構成については説明を省略する。また、図6において、送出パケット選択部201は1つの到着タイマ201aを備える構成としているが、第1の実施の形態において説明したように、優先パケットが連続して到着する場合は、送出パケット選択部201が複数の独立した到着タイマ201aを備える構成とし、新たな優先パケットが到着する毎に異なる到着タイマ201aで計時を開始する構成とすることができる。
パケット識別子書換部212は、優先入力ポート210に到着したパケットのパケット識別子を優先パケットを示す値に書き換えて、固定遅延キュー213に出力するようになっている。なお、パケット識別子書換部212は、本発明のパケット識別子書換部を構成している。
本実施の形態におけるスイッチ装置200は、前述のように構成され、固定遅延キュー213が優先パケットの出力を遅延時間だけ遅延させるので、パケット識別子書換部212によってパケット識別子が優先パケットを示す値に書き換えられた優先パケットと、非優先入力ポート220に到着した非優先パケットとが、出力ポート230において競合することなく、優先パケットを遅延時間毎に、すなわち遅延ジッタが無い状態でスイッチ装置300に送信すると共に、非優先パケットをスイッチ装置300に送信することができる。
次に、本実施の形態におけるスイッチ装置300の構成を説明する。
図7に示すように、スイッチ装置300は、スイッチ装置200が出力した混合パケットを入力する混合入力ポート310と、データ送出ノード23が出力した非優先パケットを入力する非優先入力ポート320と、優先パケット又は非優先パケットをデータ受信ノード24に出力する出力ポート330と、出力ポート330が出力するパケットを選択する送出パケット選択部301とを備えている。
なお、スイッチ装置300は、前述のスイッチ装置200と比べ、パケット識別子判別部311を備えている点が異なるので、その他の構成については説明を省略する。また、図7において、送出パケット選択部301は1つの到着タイマ301aを備える構成としているが、第1の実施の形態において説明したように、優先パケットが連続して到着する場合は、送出パケット選択部301が複数の独立した到着タイマ301aを備える構成とし、新たな優先パケットが到着する毎に異なる到着タイマ301aで計時を開始する構成とすることができる。
パケット識別子判別部311は、混合入力ポート310に到着したパケットのパケット識別子を判別し、到着したパケットが優先パケットの場合は入力キュー312に転送し、到着したパケットが非優先パケットの場合は入力キュー321に転送するようになっている。
なお、パケット識別子判別部311から入力キュー312に転送される優先パケットは、特許請求の範囲に記載の高優先度パケットに対応するものである。また、パケット識別子判別部311から入力キュー321に転送される非優先パケットは、特許請求の範囲に記載の第2低優先度パケットに対応するものである。また、非優先入力ポート320に入力される非優先パケットは、特許請求の範囲に記載の第1低優先度パケットに対応するものである。第1低優先度パケット及び第2低優先度パケットにそれぞれ対応する非優先パケットの優先度は、高優先度パケットの優先度より低いものであればよい。
また、混合入力ポート310及び非優先入力ポート320は、それぞれ、本発明の混合パケット入力手段及び低優先度パケット入力手段を構成している。また、パケット識別子判別部311は、本発明のパケット識別子判別手段を構成している。
本実施の形態におけるスイッチ装置300は、前述のように構成され、固定遅延キュー314が優先パケットの出力を遅延時間だけ遅延させるので、上流にあるスイッチ装置200により優先パケットのパケット識別子が付与されたパケットが混合入力ポート310に到着したとき、当該優先パケットと、非優先入力ポート320に到着した非優先パケットとが、出力ポート330において競合することなく、優先パケットを遅延ジッタが無い状態でデータ受信ノード24に送信すると共に、非優先パケットもデータ受信ノード24に送信することができる。
以上のように、本実施の形態におけるデータ伝送システム20によれば、カスケード接続されたスイッチ装置200及び300を有し、スイッチ装置200は、優先パケット及び非優先パケットを混合して混合パケットとしてスイッチ装置300に出力し、スイッチ装置300は、混合パケットを入力する混合入力ポート310と、非優先パケットを入力する非優先入力ポート320とを備え、スイッチ装置200及び300は、スイッチ装置200に入力された優先パケットを遅延ジッタが無い状態でデータ受信ノード24に送信する構成としたので、映像の乱れや音声の途切れ等のないIPTVのコンテンツを利用者に提供することができる。
なお、前述の実施の形態において、データ伝送システム20が2つのスイッチ装置200及び300を備える構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3つ以上のスイッチ装置で優先入力ポート及び混合入力ポートを適宜備える構成としても同様の効果が得られる。
また、パケット識別子判別部311の機能を以下のように拡張することもできる。
例えば、複数のデータ送出ノードが混合入力ポート310に接続されている場合、パケット特性情報に含まれるパケットの宛先アドレスや発信元アドレスの情報に基づき、混合入力ポート310に到着したパケットの内、特定のパケットのみを優先パケットとして処理するよう、パケット識別子判別部311を構成することもできる。この構成により、本発明のスイッチ装置300は、宛先アドレス情報及び発信元アドレス情報の少なくとも一方に基づいた特定のパケットのみを優先パケットとし、この優先パケットを遅延時間毎に出力することができるので、汎用ネットワークにおいても遅延ジッタの発生を防止することができる。
また、例えば、複数のデータ送出ノードと混合入力ポート310との間における混合パケットの送受信に係る制御情報を含む制御パケットを送受信する制御パケット送受信手段を設け、各データ送出ノードが送信する制御パケットの内容に応じて、優先パケットとして取り扱うパケットを動的に変更するような機能をパケット識別子判別部311に持たせることもできる。ここで、複数のデータ送出ノードは、特許請求の範囲に記載の混合パケット送信装置に相当するものである。この構成により、本発明のスイッチ装置300は、優先パケットとして扱うパケットを制御情報に基づいて動的に変更することができるので、パケットの優先度変更に柔軟に対応することができる。なお、制御パケットの形式としては、例えば「IEEE802.3−2002、Section2,31章」で規定されるMAC制御プロトコルを参照して決定することができる。
(第3の実施の形態)
本発明に係るデータ伝送システムの第3の実施の形態の構成は、図1に示された第1の実施の形態におけるデータ伝送システム100と同様であり、スイッチ装置100に代えて図8に示すようなスイッチ装置400を備えるものである。したがって、本実施の形態におけるデータ伝送システムのスイッチ装置400以外の構成は、図1に示されたものと同一の符号を用いて構成の説明を省略する。
図8に示すように、スイッチ装置400は、データ送出ノード11が出力する優先パケットを入力する優先入力ポート410と、データ送出ノード12が出力する非優先パケットを入力する非優先入力ポート420と、データ受信ノード13に優先パケット又は非優先パケットを出力する出力ポート430と、出力ポート430が出力するパケットを選択する送出パケット選択部401とを備えている。
なお、本実施の形態におけるスイッチ装置400の構成は、第1の実施の形態におけるスイッチ装置100(図2参照)と比べ、スイッチ装置100の優先入力ポート110が有する固定遅延キュー110aが無い点と、スイッチ装置100の送出パケット選択部101に代わる送出パケット選択部401を有する点とが異なっているので、送出パケット選択部401以外の構成については説明を省略する。
送出パケット選択部401は、現在時刻を取得する時計401aと、時刻情報に係るデータを記憶するメモリ401bと、送出すべきパケットを選択する送出パケット選択回路401cとを備えている。なお、送出パケット選択部401は、本発明のパケット出力遅延手段を構成している。また、時計401aは、本発明の現在時刻取得手段を構成している。また、送出パケット選択回路401cは、本発明の第1パケット入力時刻取得手段及び差分時間算出手段を構成している。
次に、本実施の形態におけるスイッチ装置400の動作について説明する。
図9に示すように、まず、入力キュー411が優先パケットのパケット特性情報を取得した場合、すなわち優先入力ポート410に優先パケットが到着した場合、送出パケット選択回路401cによって、時計401aの時刻が参照され、到着した優先パケットの到着時刻Caがメモリ401bに記憶される(ステップS31)。
次いで、送出パケット選択回路401cによって、時計401aの時刻が参照され、現在時刻Ccが取得される(ステップS32)。
さらに、送出パケット選択回路401cによって、現在時刻Ccと優先パケットの到着時刻Caとの差分時間Cdiff=Cc−Caが算出され(ステップS33)、遅延時間Dと差分時間Cdiffとが比較される(ステップS34)。
ステップS34において、D>Cdiffの場合、すなわち優先パケットが到着してから遅延時間Dが経過していない場合、送出パケット選択回路401cによって、非優先先頭パケットの出力予想時間Tuが算出される(ステップS35)。
次いで、送出パケット選択回路401cによって、(D−Cdiff)とTuとが比較される(ステップS36)。
ステップS36において、(D−Cdiff)>Tuの場合、すなわち現在時刻から優先パケットの出力予想時刻までの間に非優先先頭パケットの出力を完了することが可能である場合、送出パケット選択回路401cによって、Tu[s]の間、入力キュー421から非優先先頭パケットを出力させるための情報が生成され、この情報がパケット送出部431に通知され(ステップS37)、ステップS32に戻る。その結果、パケット送出部431によって、非優先先頭パケットを構成するデータが順次取り出されて出力され、非優先パケットの出力が完了する。
一方、ステップS36において、(D−Cdiff)>Tuではない場合、すなわち現在時刻から優先パケットの出力予想時刻までの間に非優先先頭パケットの出力を完了することが不可能である場合、送出パケット選択回路401cによって、(D−Cdiff)[s]の間、非優先先頭パケットを待機させるための情報が生成され、この情報がパケット送出部431に通知され(ステップS38)、ステップS32に戻る。その結果、非優先先頭パケットの出力が一時的に待機させられる。
また、ステップS34において、D>Cdiffではない場合、すなわち現在時刻までに遅延時間Dが経過した場合、送出パケット選択回路401cによって、優先パケットの出力予想時間Tg[s]が算出される(ステップS39)。
引き続き、送出パケット選択回路401cによって、Tg[s]の間、入力キュー411から優先パケットを出力させるための情報が生成され、この情報がパケット送出部431に通知される(ステップS40)。その結果、パケット送出部431によって、優先パケットを構成するデータが順次取り出されて出力され、優先パケットの出力が完了する。
なお、連続して優先パケットが優先入力ポート410に到着する場合は、送出パケット選択回路401cは、優先パケットの到着毎に時計401aを参照し、それらの到着時刻を記録した到着時刻の線形リストC=(Ca、Ca、・・・)をメモリ401bに記憶する。前述のステップS33においては、線形リストCの先頭の優先パケットの到着時刻Caを用いてCdiffを算出し、ステップS34の比較を行う。先頭の優先パケットの出力が完了したら、線形リストCの先頭にある到着時刻Caのデータを削除し、Ca以降の到着時刻のデータを前に詰める。
以上のように、本実施の形態におけるデータ伝送システムによれば、スイッチ装置400は、現在時刻Ccと優先パケットの到着時刻Caとの差分時間Cdiffを算出し、遅延時間Dが差分時間Cdiff以下のときはTgの間優先パケットを出力し、遅延時間Dが差分時間Cdiffよりも大きいときは非優先パケットを待機させるか出力させるかを判断する構成としたので、パケット送出部431は、優先パケットを遅延時間毎に出力することができ、遅延ジッタの発生原因である優先パケット及び非優先パケットの出力ポート430における競合を解消することができる。したがって、本実施の形態におけるスイッチ装置400は、従来のものとは異なり、汎用ネットワークの規格外の符号を用いずに優先パケットを送信することができるので、汎用ネットワークにおいても遅延ジッタの発生を防止することができる。
なお、第1の実施の形態におけるスイッチ装置100(図2参照)を第2の実施の形態におけるスイッチ装置200(図6参照)及び300(図7参照)に展開したのと同様に、本実施の形態におけるスイッチ装置400を第2の実施の形態におけるスイッチ装置200及び300に相当するものに展開することができる。したがって、前述のように展開された複数のスイッチ装置400がカスケード接続されたデータ伝送システムは、第2の実施の形態のものと同様に、優先パケットを遅延ジッタが無い状態でデータ受信ノードに送信することができるので、映像の乱れや音声の途切れ等のないIPTVのコンテンツを利用者に提供することができる。
以上のように、本発明に係るスイッチ装置は、汎用ネットワークにおいても遅延ジッタの発生を防止することができるという効果を有し、入力されたパケットを宛先に応じて転送するスイッチ装置等として有用である。
本発明に係るデータ伝送システムの第1の実施の形態における構成を示すブロック図 本発明に係るデータ伝送システムの第1の実施の形態におけるスイッチ装置の構成を示すブロック図 本発明に係るデータ伝送システムの第1の実施の形態におけるスイッチ装置の各ステップのフローチャート 本発明に係るデータ伝送システムの第1の実施の形態におけるスイッチ装置の動作説明図 本発明に係るデータ伝送システムの第2の実施の形態における構成を示すブロック図 本発明に係るデータ伝送システムの第2の実施の形態において、優先入力ポートを備えたスイッチ装置の構成を示すブロック図 本発明に係るデータ伝送システムの第2の実施の形態において、混合入力ポートを備えたスイッチ装置の構成を示すブロック図 本発明に係るデータ伝送システムの第3の実施の形態におけるスイッチ装置の構成を示すブロック図 本発明に係るデータ伝送システムの第3の実施の形態におけるスイッチ装置の各ステップのフローチャート 従来のスイッチ装置の構成を示すブロック図
符号の説明
10、20 データ伝送システム
11、12、21〜23 データ送出ノード
13、24 データ受信ノード
14〜16、25〜29 汎用ネットワーク
100 スイッチ装置
101 送出パケット選択部(第1パケット出力予想時間算出手段、第2パケット出力予想時間算出手段、第2パケット出力判断手段)
101a 到着タイマ(残時間算出手段)
101b ゲートタイマ(計時手段)
101c 送出パケット選択回路
110 優先入力ポート(第1パケット入力手段)
111 入力キュー
112 固定遅延キュー(パケット出力遅延手段)
113 パケット送出部
120 非優先入力ポート(第2パケット入力手段)
121 入力キュー(第2パケット蓄積部)
130 出力ポート(パケット出力手段)
131 パケット送出部
200 スイッチ装置
201 送出パケット選択部(第1パケット出力予想時間算出手段、第2パケット出力予想時間算出手段、第2パケット出力判断手段)
210 優先入力ポート(第1パケット入力手段)
212 パケット識別子書換部
213 固定遅延キュー(パケット出力遅延手段)
220 非優先入力ポート(第2パケット入力手段)
230 出力ポート(パケット出力手段)
300 スイッチ装置
301 送出パケット選択部
310 混合入力ポート(混合パケット入力手段)
311 パケット識別子判別部(パケット識別子判別手段)
312 入力キュー
313 パケット識別子書換部
314 固定遅延キュー(パケット出力遅延手段)
320 非優先入力ポート(低優先度パケット入力手段)
321 入力キュー
330 出力ポート(パケット出力手段)
400 スイッチ装置
401 送出パケット選択部(パケット出力遅延手段)
401a 時計(現在時刻取得手段)
401b メモリ
401c 送出パケット選択回路(第1パケット入力時刻取得手段、差分時間算出手段)
410 優先入力ポート
411 入力キュー
420 非優先入力ポート
421 入力キュー
430 出力ポート
431 パケット送出部

Claims (9)

  1. 第1パケットを入力する第1パケット入力手段と、
    前記第1パケットよりもパケット転送の優先度が低く、予め定められた最大パケット長以下のパケット長を有する第2パケットを入力する第2パケット入力手段と、
    入力された前記第1パケットの出力を、前記最大パケット長を有する第2パケットの出力予想時間よりも長い遅延時間だけ遅延させるパケット出力遅延手段と、
    このパケット出力遅延手段によって出力が遅延された前記第1パケット及び前記第2パケット入力手段に入力された前記第2パケットを出力するパケット出力手段と
    前記第2パケット入力手段に入力された前記第2パケットの出力予想時間を算出する第2パケット出力予想時間算出手段と、
    前記第1パケット入力手段に前記第1パケットが入力された時点で前記第2パケット入力手段に前記第2パケットが存在するときに、前記第2パケットを前記パケット出力手段から出力できるか否かを前記遅延時間及び前記第2パケットの出力予想時間に基づいて判断する第2パケット出力判断手段とを備え、
    前記パケット出力手段は、前記パケット出力遅延手段によって前記第1パケットが遅延されている間において、前記第2パケット出力判断手段が前記第2パケットを出力できると判断した場合は前記第2パケットを出力し、前記第2パケット出力判断手段が前記第2パケットを出力できないと判断した場合は前記第2パケットを前記第2パケット入力手段に待機させることを特徴とするスイッチ装置。
  2. 前記パケット出力遅延手段に代えて、
    現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、
    前記第1パケット入力手段に前記第1パケットが入力された入力時刻を取得する第1パケット入力時刻取得手段と、
    前記現在時刻と前記入力時刻との差分時間を算出する差分時間算出手段とからなるパケット出力遅延手段を備え、
    前記第2パケット出力判断手段は、前記第1パケット入力手段に前記第1パケットが入力された時点で前記第2パケット入力手段に前記第2パケットが存在するときに、前記第2パケットを前記パケット出力手段から出力できるか否かを前記遅延時間及び前記差分時間に基づいて判断するものであることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
  3. 記第1パケット入力手段に前記第1パケットが入力された時点からの経過時間を計時し前記遅延時間から前記経過時間を減算して残時間を算出する残時間算出手段を備え、
    前記第2パケット出力判断手段は、前記第2パケットの出力予想時間が前記残時間未満のときは前記第2パケットを出力させると判断し、前記第2パケットの出力予想時間が前記残時間以上のときは前記第2パケットを待機させると判断することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
  4. 前記第1パケット入力手段に入力された前記第1パケットの出力予想時間を算出する少なくとも1つの第1パケット出力予想時間算出手段と、前記残時間がゼロになったとき計時を開始して計時した時間が前記第1パケットの出力予想時間と一致したときに計時を完了する計時手段とを備え、
    前記パケット出力手段は、前記計時手段が前記計時を開始してから完了するまでの期間に前記第1パケットを出力することを特徴とする請求項3に記載のスイッチ装置。
  5. 前記第2パケット入力手段は、入力された前記第2パケットを順次蓄積する第2パケット蓄積部を備え、
    前記残時間算出手段が前記経過時間の計時を開始してから前記残時間がゼロになるまでの期間において前記第2パケット蓄積部から前記出力予想時間が前記残時間未満である第2パケットを抽出するパケット抽出手段を備えたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のスイッチ装置。
  6. 前記第1パケットは、パケット転送の優先度を識別するためのパケット識別子を含み、前記第1パケット入力手段は、前記パケット識別子の情報を書き換えるパケット識別子書換部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のスイッチ装置。
  7. パケット転送の優先度を識別するためのパケット識別子を含み前記優先度が互いに異なる混合パケットを入力し、入力した前記混合パケットを前記パケット識別子の情報に基づいて前記第1パケットと前記第2パケットとに判別し、前記第1パケットを前記第1パケット入力手段に出力し、前記第2パケットを前記第2パケット入力手段に入力するパケット識別子判別手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
  8. 前記パケット識別子は、前記混合パケットの宛先アドレス情報及び発信元アドレス情報を含み、
    前記パケット識別子判別手段は、前記宛先アドレス情報及び前記発信元アドレス情報の少なくとも一方に基づいて前記混合パケットの判別を行うことを特徴とする請求項7に記載のスイッチ装置。
  9. 前記混合パケットの送信元である混合パケット送信装置に対して前記混合パケットの送受信に係る制御情報を含む制御パケットを送受信する制御パケット送受信手段を備え、
    前記パケット識別子判別手段は、前記制御情報に基づいて前記混合パケットの判別を行うことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のスイッチ装置。
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