JP4875021B2 - 電磁アクチュエータ - Google Patents

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本発明は、電磁力を利用して動力伝達の状態を切り替えるアクチュエータに関する。
車両のデファレンシャル装置として、サイドギアの背面側に噛み合い式のクラッチを配置し、そのクラッチを電磁アクチュエータで駆動することにより、デファレンシャル装置をロックする装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2004−100924号公報
特許文献1の電磁アクチュエータでは、電磁力によって駆動されるプランジャの一部を磁性材料で構成して磁路の一部に利用しつつ、そのプランジャを相手側部品としてのクラッチリングに押し当てている。従って、クラッチリングに入力されるトルクが電磁クラッチの磁路を構成する部材まで伝達される。このため、磁路構成部材の強度を補う必要から全体の構造が大型化する。また、周知のようにギヤやドグクラッチなどが動作すると、部品同士が擦れて細かい摩耗粉が発生することがある。そして、このような摩耗粉などの異物が電磁アクチュエータ内に侵入して摺動部分に入り込むと、摺動部分の摺動抵抗が増加するおそれがある。
そこで、本発明は、電磁アクチュエータ内への異物の侵入を従来よりも抑制でき、かつ小型化にも有利な電磁アクチュエータを提供することを目的とする。
本発明の電磁アクチュエータは、内部に電磁コイルが収容され、かつ磁性材料製の可動部材を介して磁路が形成されるように開口部が設けられた収容室を形成する磁性材料製の固定部材を有し、前記可動部材と前記固定部材との間に磁路を形成して電磁力により所定の動作方向に前記可動部材を駆動する電磁駆動部と、前記固定部材に対して摺動可能かつ前記開口部を覆うようにして設けられ、前記可動部材にて前記動作方向に駆動される操作部材を有する操作部と、を備えた電磁アクチュエータにおいて、前記固定部材と前記操作部材との間に配置され、前記固定部材に設けられた溝部に嵌め込まれる弾性材料製の弾性部材を備え、前記固定部材は、前記収容室を形成する本体部材と、前記本体部材に嵌め込まれて少なくとも前記溝部の底部を形成し、かつ線膨張係数が前記固定部材の線膨張係数よりも前記操作部材の線膨張係数に近い材料で構成された溝部材と、を備えていることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
本発明の電磁アクチュエータでは、固定部分と操作部材との間に弾性部材を設けたので、この弾性部材により外部から収容室内への異物の侵入を抑制できる。また、少なくとも溝部の底部を形成する溝部材を、線膨張係数が固定部材の線膨張係数よりも操作部材の線膨張係数に近い材料で構成したので、溝部材の熱膨張率が固定部材の熱膨張率よりも操作部材の熱膨張率に近くなる。そのため、電磁アクチュエータの温度が上昇して各部が熱で膨張しても弾性部材が潰され難くなる。これにより、電磁アクチュエータの温度上昇時に固定部材と操作部材との間の摺動抵抗が増加することを抑制できるので、電磁アクチュエータの小型化を図ることができる。
本発明の電磁アクチュエータの一形態において、前記操作部は、相手側部品と結合される結合位置と前記相手側部品から前記動作方向と平行な方向に離れた解放位置との間を移動可能であり、かつ前記結合位置にあるときに前記相手側部品を前記動作方向とは異なる作用方向に拘束する係合部材と、前記係合部材の前記操作部材に対する前記作用方向の相対移動が許容され、かつ前記動作方向の相対移動は規制されるようにして、前記操作部材と前記係合部材との間に介在する接続手段と、をさらに備えていてもよい(請求項2)。電磁駆動部の可動部材を電磁力によって動作方向に駆動すると、その動作が接続手段を介して係合部材にも伝達されて係合部材が結合位置と解放位置との間を移動する。係合部材が結合位置に移動したときには係合部材が相手側部品と結合されて相手側部品からの反力が係合部材に作用する。しかし、反力の作用方向に関しては、係合部材の可動部材に対する相対移動が接続手段にて許容されているため、係合部材から可動部材への反力の伝達が接続手段にて遮断され、可動部材には相手側部品から受ける反力が作用しない。従って、電磁駆動部の可動部材には反力に耐える強度を与える必要がない。一方、操作部の係合部材は磁性材料に限定されることなく、強度を優先してその材料を選択することができる。そのため、電磁駆動部及び操作部のいずれも小型化を図ることができる。
本発明の電磁アクチュエータの一形態において、前記溝部材は、前記操作部材と同じ材料で構成されていてもよい(請求項3)。この場合、溝部材の熱膨張率と操作部材の熱膨張率とが同じ値になるため、電磁アクチュエータの温度上昇時に弾性部材がさらに潰され難くなる。そのため、電磁アクチュエータの温度が上昇した場合の固定部材と操作部材との間の摺動抵抗の増加をさらに抑制することができる。これにより、電磁アクチュエータの小型化をさらに図ることができる。
以上に説明したように、本発明の電磁アクチュエータによれば、固定部材と操作部材との間に弾性部材を設けたので、外部から収容室内への異物の侵入を従来よりも抑制できる。また、溝部材を、線膨張係数が固定部材の線膨張係数よりも操作部材の線膨張係数に近い材料で構成したので、電磁アクチュエータの温度上昇時に弾性部材が潰されて固定部材と操作部材との間の摺動抵抗が増加することを抑制できる。そのため、電磁アクチュエータの小型化を図ることができる。
図1は本発明の一形態に係る電磁アクチュエータが組み込まれた車両用の変速装置を、図2はその要部を拡大して示す図である。変速装置1は、車両に搭載された内燃機関(不図示)のクランク軸から入力軸2に入力される動力の一部を動力分割機構4にて発電機3へと分割しつつ出力軸5へ伝達する。出力軸5の外周にはモータ6が設けられ、その出力軸6aは不図示の減速機構を介して出力軸5と接続されている。動力分割機構4には、第1遊星歯車機構10と第2遊星歯車機構20とが設けられている。第1遊星歯車機構10は、互いに同軸的に配置されたサンギヤ11及びリングギヤ12と、これらのギヤ11、12の間に介在する複数のプラネタリギヤ13と、プラネタリギヤ13を回転(自転)自在に支持するプラネタリキャリア14とを有している。第2遊星歯車機構20は、互いに同軸的に配置されたサンギヤ21及びリングギヤ22と、これらのギヤ21、22の間に介在する複数のプラネタリギヤ23と、プラネタリギヤ23を回転(自転)自在に支持するプラネタリキャリア24とを有している。
入力軸2は第1遊星歯車機構10のプラネタリキャリア14と一体回転可能に接続される。発電機3の駆動軸3aは入力軸2と同軸の中空状に形成され、その先端は第1遊星歯車機構10のサンギヤ11と一体回転可能に接続される。第1遊星歯車機構10のリングギヤ12は第2遊星歯車機構20のプラネタリキャリア24と一体回転可能に接続され、さらにそのプラネタリキャリア24は出力軸5と一体回転可能に接続される。第2遊星歯車機構20のリングギヤ22は連結部材25を介して第1遊星歯車機構10のプラネタリキャリア14と一体回転可能に接続される。第2遊星歯車機構20のサンギヤ21は出力軸5の外周に相対回転可能に配置されている。そのサンギヤ21の軸端部にはクラッチホイール26が一体回転可能に設けられ、そのクラッチホイール26の外周にクラッチ歯26aが形成されている。動力分割機構4の外周には電磁アクチュエータ30が設けられている。この電磁アクチュエータ30をクラッチ歯26aと噛み合うことにより、サンギヤ21の回転を阻止することができる。以下、サンギヤ21の回転を電磁アクチュエータ30にて阻止する状態をロック状態と、サンギヤ21の回転を許容する状態をアンロック状態と呼ぶ。
第1遊星歯車機構10のプラネタリキャリア14、及び第2遊星歯車機構20のリングギヤ22は内燃機関によって駆動される入力軸2の軸線を中心としてその入力軸2と等速で回転する。第1遊星歯車機構10のサンギヤ11は発電機3の駆動軸3aと等速で回転する。サンギヤ21がアンロック状態のときは、モータ6による出力軸5及びプラネタリキャリア24の駆動速度と、内燃機関によるプラネタリキャリア14及びリングギヤ22の駆動速度とに応じた速度でサンギヤ21が出力軸5の回りに空転し、さらに、プラネタリキャリア24と等速でリングギヤ12が回転することにより、そのリングギヤ12の回転速度とプラネタリキャリア14の回転速度とに応じた速度でサンギヤ11が回転して発電機3が駆動される。この場合、モータ6による出力軸5の駆動速度と、内燃機関による入力軸2の駆動速度とは互いに自由に設定することができ、サンギヤ21はそれらの回転速度差を吸収するように出力軸5の回りを空転する。一方、サンギヤ21をロック状態に切り替えると、第2遊星歯車機構20においてリングギヤ22又はプラネタリキャリア24のいずれか一方の回転速度が定まれば他方も定まる関係となる。この場合には、内燃機関による入力軸2の駆動速度と、モータ6による出力軸5の駆動速度とが互いに関連付けられ、かつ、それらの駆動速度の何れか一方が定まれば、サンギヤ11による発電機3の駆動速度も定まる。このロック状態は、例えば出力軸5の回転速度を高速度域に設定する場合に使用される。
次に、電磁アクチュエータ30の詳細を説明する。電磁アクチュエータ30は、予めアッセンブリ部品として組み立てられて変速機構4の外周に配置されている。このようなレイアウトを採用することにより、電磁アクチュエータ30を動力分割機構4に対して軸線方向にオフセットして配置する必要がなくなり、変速装置1を軸線方向に短縮することができる。
図3は、電磁アクチュエータ30の内部構造を拡大して示す図である。電磁アクチュエータ30は電磁駆動部31と操作部32とを備えている。電磁駆動部31は、フロントカバー33と、そのフロントカバー33の内部に収容されたアウターヨーク34と、アウターヨーク34の内部に収容された電磁コイル35と、アウターヨーク34の一端部に固定されたインナーヨーク36と、アウターヨーク34の内周に嵌め合わされた駆動対象としてのプランジャ37と、そのプランジャ37の内周に嵌め合わされたスリーブ38とを備えている。電磁駆動部31の外周において、フロントカバー33、アウターヨーク34及びインナーヨーク36はそれらの全周に亘って互いに密着しており、それにより、フロントカバー33、アウターヨーク34及びインナーヨーク36は実質的に電磁駆動部31の外周側のハウジングを形成する。図3に示したようにアウターヨーク34及びインナーヨーク36は収容室Sを形成し、電磁コイル35はその収容室S内に収容されている。収容室Sには、プランジャ37を介して磁路Cが形成されるように開口部Oが設けられており、プランジャ37は、その開口部Oを覆うように設けられている。
アウターヨーク34、インナーヨーク36の本体部材36d及びプランジャ37は磁性材料にて構成されている。電磁コイル35が励磁されると、これらのアウターヨーク34、インナーヨーク36及びプランジャ37を周回する磁路Cが形成される。一方、フロントカバー33及びスリーブ38は、非磁性材料で構成されている。アウターヨーク34の内周面34aは円筒面状に形成されている。プランジャ37は、内周面34aと同軸となるように芯出しされ、その内周面34aに沿ってプランジャ37は軸線方向に移動可能である。
プランジャ37の先端部の内周には、プランジャ37の軸線方向後端部に向かうほど内径が減少するテーパ部37bが設けられている。さらに、テーパ部37bの後端にはプランジャ37の動作方向と直交するストッパ面37cが設けられている。一方、インナーヨーク36の内周側にはプランジャ37に向かって延びる筒状部36aが設けられている。筒状部36aの外周には、プランジャ37のテーパ部37bと同一方向に傾斜するテーパ部36bが設けられている。さらに、筒状部36aの先端に、プランジャ37の動作方向と直交するストッパ面36cが設けられている。プランジャ37の後端部には半径方向内周側にリング状に突出するスリーブ受け37dが形成されている。
スリーブ38は、フロントケース33の円筒部33aの外周に嵌め合わされる円筒部38aと、その円筒部38aの先端からインナーヨーク36の端面に沿って外周側に伸ばされたフランジ部38bとを有している。フランジ部38bには、軸線方向に突出するばね保持部38cが設けられている。フロントカバー33には、円筒部33aとスリーブ38との間をシールするOリング39Aが、インナーヨーク36には、筒状部36aとスリーブ38との間をシールする弾性部材としてのOリング39Bがそれぞれ装着されている。これらのOリング39A、39Bにより、電磁駆動部31が、スリーブ38の一部を除いて外部からシールされている。図3に示したようにインナーヨーク36は、本体部材36dと、本体部材36dに嵌め込まれる溝部材36eを備えている。溝部材36eは、スリーブ38と同じ非磁性材料で構成されており、Oリング39Bが嵌め込まれる溝36fを備えている。なお、本体部材36dは、磁性材料で構成されている。この溝部材36eは、本体部材36dから外れないように本体部材36dに焼きばめなどにより嵌め込まれている。シールされたフロントカバー33の内部の空間には、電磁駆動部31の可動部材であるプランジャ37及びスリーブ38の摩擦抵抗を減少させるための適量の潤滑油が封入される。
操作部32は、リアカバー40と、そのリアカバー40の内周側に配置される操作部材としてのドグ41とを備えている。リアカバー40の内周には外側スプライン歯42が一体に形成され、ドグ41の外周にはその外側スプライン歯42と噛み合う内側スプライン歯43が形成されている。スプライン歯42、43は軸線方向に相対移動可能である。ドグ41の内周にはドグ歯44が形成されている。ドグ歯44はクラッチ歯26a(図2参照)と噛み合い可能であり、かつクラッチ歯26aに対して軸線方向に移動可能である。ドグ41とスリーブ38の円筒部38aとの間には、止め輪45が設けられている。止め輪45はドグ41及びスリーブ38に対して周方向に相対的に滑ることができる。それにより、ドグ41とスリーブ38とは、軸線方向に相対移動不能かつ周方向には相対回転可能に組み合わされている。リアカバー40とスリーブ38のばね保持部38cとの間には、リターンスプリング46が適度に圧縮された状態で保持されている。リターンスプリング46の圧縮に対する弾性復元力により、スリーブ38はプランジャ37のスリーブ受け37dに向かって押し込まれている。さらに、リアカバー40は固定手段としてのボルト47により変速装置1のハウジング(取付箇所)7に固定されている(図2参照)。この場合、リアカバー40がまず入力軸2の軸線に対して芯出しされ、そのリアカバー40の内側スプライン歯42に対してドグ41が芯出しされる。リアカバー40は操作部32の支持部材として機能する。
次に、電磁アクチュエータ30の動作を説明する。まず、電磁コイル35が非励磁状態にあるときは、リターンスプリング46の力でスリーブ38がプランジャ37に向かって押し込まれ、それによりプランジャ37のスリーブ受け37dに突き当てられる。これによりプランジャ37がフロントカバー33内に押し込まれ、その結果、プランジャ37及びスリーブ38はインナーヨーク36から離れた待機位置(図4に実線で示す位置)に保持される。ドグ41は、止め輪45を介してスリーブ38と軸線方向に相対移動不能に組み合わされているので、スリーブ38が待機位置まで後退したときは、ドグ41も同一方向に後退する。このとき、ドグ41のスプライン歯43とリアカバー40のスプライン歯42との噛み合い状態は維持されるが、ドグ歯44はクラッチ歯26aから完全に離れる(図2参照)。すなわち、ドグ歯44とクラッチ歯26aとは噛み合わない。従って、電磁アクチュエータ30が非励磁状態にあるときは、動力分割機構4のサンギヤ21がアンロック状態となる。
電磁コイル35が励磁されると、上述したように電磁駆動部31内で磁路Cが形成される。その磁路Cは、プランジャ37のテーパ部37bとインナーヨーク36のテーパ部36bとの隙間を横切るように形成される。よって、プランジャ37は、アウターヨーク34の内周面34aに案内されつつインナーヨーク36に向かって引き寄せられる。このプランジャ37の動作により、スリーブ受け37dと噛み合っているスリーブ38がリターンスプリング46に抗してリアカバー40側に突出し、その動作が止め輪45を介してドグ41にも伝わってドグ41がスプライン歯42に案内されつつリアカバー40側に前進する。これにより、ドグ歯44がクラッチ歯26aと噛み合う。これにより、サンギヤ21の回転が阻止される。なお、プランジャ37は、そのストッパ面37cがインナーヨーク36のストッパ面36cに接した位置で停止する。
上記のロック状態においては、サンギヤ21に入力されたトルクがクラッチホイール26からドグ41を経てリアカバー40へと伝達されてハウジング7で受け止められる。ドグ41とスリーブ38との間は止め輪45によって軸線方向に噛み合わされているだけで、両者は相対回転可能である。従って、ドグ41からスリーブ38へとトルクが伝達されない。すなわち、電磁駆動部31にトルクが入力されない。よって、磁路Cを構成する部材であるアウターヨーク34、インナーヨーク36及びプランジャ37に、トルクに耐え得る強度を与える必要がない。よって、電磁駆動部31を小型化することができる。また、操作部32の構成部材であるリアカバー40及びドグ41は磁路の形成に利用されないので、これらの材料を磁性材料に限定する必要がない。このため、リアカバー40及びドグ41については強度に優れた材料を優先して選択し、これらの小型化も容易である。よって、電磁アクチュエータ30の全体の小型化を図ることができる。さらに、操作部32が電磁駆動部31から分離されているので、磁路Cを構成する部材間のギャップがトルクによって変動するおそれもない。このため、プランジャ37の推力のばらつきを抑え、電磁アクチュエータ30の動作性能を安定して発揮させることができる。
さらに、本形態の電磁アクチュエータ30によれば、Oリング39A、39Bにより、電磁駆動部31をスリーブ38の一部を除いて外部からシールしているため、プランジャ37とアウターヨーク34との案内面間への異物の混入を防止し、プランジャ37の動作をさらに安定させることができる。さらに、リターンスプリング46が電磁駆動部31のシール領域外に配置されているので、リターンスプリング46の伸縮に伴って摩耗粉等の異物が発生しても、その異物の電磁駆動部31内への混入を防止することもできる。
本形態の電磁アクチュエータ30では、Oリング39Bがスリーブ38と同じ材料で構成された溝部材36eの溝36fに嵌め込まれている。溝部材36eは外気温度の変化などにより電磁アクチュエータ30の温度が上昇してもスリーブ38と同じように熱で膨張するため、溝部材36eとスリーブ38との間の隙間が詰まってOリング39Bのつぶし代が増加することを抑制できる。そのため、電磁アクチュエータ30の温度上昇時にインナーヨーク36とスリーブ38との間の摺動抵抗が増加することを抑制できる。これにより、スリーブ38を動かすための電磁力やリターンスプリング46の付勢力を低減できるので、電磁アクチュエータ30の小型化を図ることができる。そのため、電磁アクチュエータ30の搭載性を向上させたり、コストを削減したりすることができる。
以上の形態においては、プランジャ37が可動部材、アウターヨーク34及びインナーヨーク36が固定部材、ドグ41が係合部材、スリーブ38が係合部材、止め輪45が接続手段にそれぞれ相当する。また、クラッチホイール26が相手側部品に相当する。また、プランジャ37の軸線方向が動作方向に、ドグ41の周方向が作用方向にそれぞれ相当する。
図4は、本発明の他の形態に係る電磁アクチュエータが組み込まれた車両用の変速装置の要部を示す図である。なお、図4は、上述した形態の図3に相当する図である。図4に示したように、この形態では溝部材36eの形状が異なり、それ以外は上述した形態と同じである。そのため、図4において上述した形態と共通の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図4に示したようにこの形態では、溝部材36eは溝部36fの底面及びリアカバー40側の側面を形成する。そして、溝部材36eが本体部材36dに嵌め込まれることにより、溝部36fが形成される。なお、この形態においても、溝部材36eは、スリーブ38と同じ材料で構成される。
この形態においても、上述した形態と同様に電磁アクチュエータ30の温度が上昇しても溝部材36eとスリーブ38とが同じように熱で膨張する。そのため、電磁アクチュエータ30の温度上昇時にインナーヨーク36とスリーブ38との間の摺動抵抗が増加することを抑制できる。
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、接続手段としては止め輪に限らず、ベアリング等を用いてもよい。本発明の電磁アクチュエータは、上述した変速装置1のサンギヤ21のロックに使用される例に限らず、種々の目的で使用されてよく、さらには車両に限らず、各種の装置、機械、機構に組み込まれてよい。本発明の電磁アクチュエータは、全体として円環型に設けられる例に限らず、直動型等の異形態で設けられてもよい。
溝部材を構成する材料はスリーブと同じ材料でなくてもよい。溝部材は、線膨張係数がインナーヨークの本体部材を構成する磁性材料の線膨張係数よりもスリーブを構成する非磁性材料の線膨張係数に近い種々の材料で構成してよい。この場合も、溝部材が熱によって膨張しても本体部材よりスリーブに近い変形をするので、インナーヨークとスリーブとの摺動抵抗が増加することを抑制できる。
本発明の一形態に係る電磁アクチュエータが組み込まれた車両の変速装置の軸線方向断面図。 図1の要部を拡大して示す図。 電磁アクチュエータの軸線方向に沿った部分断面図。 本発明の他の形態に係る電磁アクチュエータが組み込まれた車両の変速装置の要部を示す図。
符号の説明
26 クラッチホイール(相手側部品)
30 電磁アクチュエータ
31 電磁駆動部
32 操作部
34 アウターヨーク(固定部材)
35 電磁オイル
36 インナーヨーク(固定部材)
36d 本体部材
36e 溝部材
36f 溝部
37 プランジャ(可動部材)
38 スリーブ(操作部材)
39B Oリング(弾性部材)
41 ドグ
45 止め輪(接続手段)
C 磁路
S 収容室
O 開口部

Claims (3)

  1. 内部に電磁コイルが収容され、かつ磁性材料製の可動部材を介して磁路が形成されるように開口部が設けられた収容室を形成する磁性材料製の固定部材を有し、前記可動部材と前記固定部材との間に磁路を形成して電磁力により所定の動作方向に前記可動部材を駆動する電磁駆動部と、前記固定部材に対して摺動可能かつ前記開口部を覆うようにして設けられ、前記可動部材にて前記動作方向に駆動される操作部材を有する操作部と、を備えた電磁アクチュエータにおいて、
    前記固定部材と前記操作部材との間に配置され、前記固定部材に設けられた溝部に嵌め込まれる弾性材料製の弾性部材を備え、
    前記固定部材は、前記収容室を形成する本体部材と、前記本体部材に嵌め込まれて少なくとも前記溝部の底部を形成し、かつ線膨張係数が前記固定部材の線膨張係数よりも前記操作部材の線膨張係数に近い材料で構成された溝部材と、を備えていることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  2. 前記操作部は、相手側部品と結合される結合位置と前記相手側部品から前記動作方向と平行な方向に離れた解放位置との間を移動可能であり、かつ前記結合位置にあるときに前記相手側部品を前記動作方向とは異なる作用方向に拘束する係合部材と、前記係合部材の前記操作部材に対する前記作用方向の相対移動が許容され、かつ前記動作方向の相対移動は規制されるようにして、前記操作部材と前記係合部材との間に介在する接続手段と、をさらに備えた請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
  3. 前記溝部材は、前記操作部材と同じ材料で構成されている請求項1又は2に記載の電磁アクチュエータ。
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