JP4874384B2 - 基板カバーおよびそれを用いた荷電粒子ビーム描画方法 - Google Patents

基板カバーおよびそれを用いた荷電粒子ビーム描画方法 Download PDF

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Description

本発明は、基板カバー、詳しくは、荷電粒子ビームを用いて描画される基板の上に配置される基板カバーと、それを用いた荷電粒子ビーム描画方法に関する。
近年、半導体集積回路の高集積化に伴って、LSI(Large Scale Integration)のパターンは、より微細化および複雑化する傾向にある。パターンの転写に使用されている深紫外線光の波長は193nmであるのに対して、転写しようとするパターンのサイズは波長よりも短い。この微細化の要求に伴い、リソグラフィ技術も高度化、複雑化している。そして、LSIを大量に生産するため、原画であるマスク上に描かれたパターンをウェハ上に転写していくことが可能なリソグラフィ技術においては、製品毎に異なるマスクパターンのデザイン変更に対する自由度も必要とされる。そのため、マスクに対するパターン描画は、電子ビームリソグラフィ技術が使用されている。
電子ビームリソグラフィ技術は、利用する電子ビームが荷電粒子ビームであるために、本質的に優れた解像度を有している。また、焦点深度を大きく確保することができるので、高い段差上でも寸法変動を抑制できるという利点も有している。このため、ウェハにLSIパターンを転写する際の原版となるマスクまたはレチクルの製造現場においても、電子ビームリソグラフィ技術が広く一般に使われている。さらに、電子ビームリソグラフィ技術を用いて、ウェハ上にパターンを直接描画する電子ビーム描画装置がDRAMを代表とする最先端デバイスの開発に適用されている他、一部ASICの生産にも用いられている。
こうした電子ビームリソグラフィ技術を実現するための電子ビーム描画装置は、通常、描画対象となる基板(マスクやウェハ)を載置するステージを内蔵する描画室と、前記ステージに載置した基板に対し具備する電子銃から電子ビームを照射する電子鏡筒とを備える。そして、電子ビーム描画装置では、電子ビームを偏向制御できる範囲が限られているために、ステージ上に載置された基板を移動しながらの描画によって、基板の全面にパターンを形成する。
基板たるマスクに対して描画を行う場合、マスク上に形成された導電性材料、例えば、クロム(Cr)を用いた遮光層上に形成されたレジストが帯電する。この状態で描画を続けると、帯電したマスクが作り出す電界により電子ビームの軌道が曲げられ、所望の位置に描画することができなくなってしまう。そこで、帯電した層を接地することが行われている。
特許文献1には、電子ビームを用いて描画される基板の外周端よりも外形寸法が大きく形成され、外周端よりも小さな寸法で中央部に開口部が形成されたフレームと、フレームの下面側に設けられ、基板と接続させるアースピンとを備えた基板カバーが記載されている。そしてこの基板カバーを描画される基板の上に配置する構成が記載されている。基板カバーは、全体が導電性の金属材料から構成されるか、または、セラミックス材料等の絶縁性材料の表面に導電性材料がコーティングされたものが好適であるとされている。従って、上述の構成によれば、基板の周縁部近傍で散乱した電子が基板カバーで捕捉されるので、基板周縁部での帯電が防止される。
特開2008−058809号公報 特開2008−210951号公報
こうした基板カバーのマスク等の基板上への配置については、描画を行う描画室内部に基板を搬入する前に、描画室の外部において、その基板の上に基板カバーを載置して行うことが可能である。この場合、描画室の外部に基板カバーを収納する収納室を設け、この収納室内で基板の上に基板カバーを取り外しできるようにすることが好ましい。尚、描画室内のステージ上に基板カバーを固定しておき、描画室に基板を搬入した後、描画室内で基板の上に基板カバーを載置することも可能である。
そうして、描画室内のステージ上で基板カバーを載置した基板に対し電子ビーム描画を行う。この場合、描画室内で基板に電子ビームを照射して所望の精度で描画を行うためには、上述の収容室が設けられている場合は、収容室において基板の位置決めを行うことが好ましい。そして、さらに、描画室内においても、電子ビーム照射を行う前に描画対象である基板の位置決めを行うことが必要となる。
図11は、従来の電子ビーム描画装置に適用可能な位置検出装置の構成を示す概略図である。
従来の電子ビーム描画装置においては、描画対象であるマスク等の基板の位置決めのために、図11に示すような構成の位置検出装置210を使用することが可能である。この位置検出装置210は、照明装置211、カメラ213、照明コントローラ215、カメラコントローラ216及び制御装置220を備えている。
そして、位置検出装置210は、描画室に配置されて基板の位置検出を行い基板の位置決めを行うが、上述の基板カバーが載置されていない基板200についてその位置決め方法を説明する。
照明装置211は、位置決め対象となる基板200の上方に配置され、基板200の表面(上面)又は裏面(下面)に対して垂直な方向に光を照射することが可能とされている。そして、基板200を位置検出装置210の照明装置211とカメラ213との間に配置する。次に、基板200の上方から基板200表面のエッジ部近傍に対して照明光を照射する。具体的には、制御装置220から点灯指示を受けた照明コントローラ215が照明装置211を点灯する。
カメラ213は、照明装置211から照明光を照射した状態で、基板200のエッジ部近傍の画像を撮像する。具体的には、制御装置220から撮像指示を受けたカメラコントローラ216がカメラ213で撮像する。そして、基板200のエッジ位置を検出し、基板の位置決めを行う。
従来電子ビーム描画装置において適用可能な位置検出装置210の構成とそれを用いた基板200の位置決め方法は以上の通りであるが、これを基板カバーが載置された基板について適用しようとすると問題が生じてしまう。
すなわち、描画対象である基板200上に基板カバー(図示されない)が載置された場合、これが遮光性の庇となってその下に位置する基板200のエッジ部分に照明装置211からの照明光が照射されるのを妨げることになる。
その結果、基板200を挟んで照明装置211と対向するカメラ213では基板200のエッジ部分の撮像を行うことができず、基板エッジの位置決め、ひいては基板200の位置決めはできないことになる。
特許文献2には、基板上方の照明装置に加え、基板に対し側面方向から基板の表裏面に概略平行な方向の光を照射するためのもう一つ別の照明装置を備え、基板のエッジ位置を検出可能とした位置検出装置が記載されている。
特許文献2記載の装置では、基板上に上述の基板カバーが載置されても、側面方向からの照明光照射により基板のエッジ部分への光照射が可能となって、基板の位置決めが可能となる。
しかしながら、側面方向からの照明光照射のみで基板への照明光照射を行おうとする場合、基板側面部における形状といわゆる基板の面取りの程度によってカメラの撮影する画像が影響を受けてしまうことがある。すなわち、基板上に成膜されたレジストなどの膜が基板側面まで回り込んでいる場合、その側面部にある膜部分の形状に依存し、その部分で反射する光が基板下方にあるカメラに入射することがあり、基板エッジの撮像に影響を与えることがある。
また、基板側面でのいわゆる面取りの程度により、その部分で反射する光が基板下方にあるカメラに入射することもあり、基板エッジの撮像に影響を与えることがある。そうした場合、上方から照明光を照射する場合に比べ、正確なエッジ部分の撮像、ひいては正確な基板の位置決めはできない。
また、こうした特許文献2に記載された位置検出装置を上述した基板の収納室に適用しようとする場合、基板への基板カバーの載置の前後で基板の位置決めが必要となるが、基板カバーが載置される前は、基板上方からの照明により基板エッジの撮像を行い、基板カバー載置後は基板側面方向からの照明により基板エッジの撮像を行うことになる。よって、収容室では、基板カバーの載置前後で同じ方法による基板の位置決めができないことになる。その場合、基板の位置決め操作は煩雑になり、また精度の異なる二つの方法を使い分けてエッジの検出を行う必要があるため、結果的に正確な基板の位置決めはできないことになってしまう。
同様に、基板カバーとそれが載置された基板との間の位置関係についても正確に決めることはできない。すなわち、基板に対し基板カバーが所望の位置からずれて載置されても、そのずれを正確に検出することはできないことになる。
基板に対し基板カバーの載置位置がずれると、基板上における基板カバーの状態が所定のものから変化するため、基板上での描画位置が劣化する場合がある。このような描画位置の劣化を防止するためには、例えば、数μm〜数10μm程度で基板と基板カバーとの間の位置を管理する必要がある。
また、基板カバーの基板上での載置位置が所定位置からずれた場合、電子ビーム描画時における基板の表面電位が変化し、基板への描画精度への影響が無視できなくなる場合がある。
基板への描画精度は、nmオーダーが要求されており、誤差を生じさせる要因の一つとなる基板と基板カバーの相対位置ずれを低減し、基板と基板カバーとの間の位置関係を管理する必要がある。
尚、上述のように描画室内で基板上に基板カバーを載置しようとする場合、所望の精度での基板の位置決めと、基板と基板カバーとの間の位置関係を所望の精度での管理はできないことになる。
したがって、基板カバー、特に、荷電粒子ビームである電子ビームを用いて描画される基板の上に配置される基板カバーにおいて、より正確な基板の位置決めを可能とする、基板上方からの光の照射によって基板位置決めを可能とする基板カバーの開発が求められている。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、基板上方に設けられた光の照射手段によって基板のエッジ近傍への光照射を可能とし、その結果、基板下方に設けられた受光装置による基板エッジ部分の位置検出を可能とする基板カバーを提供することにある。そして、この新規な基板カバーを使用して所望の精度で描画対象である基板の位置決めを可能とし、基板と基板カバーと間の位置関係を所望の精度での管理を可能とし、所望のパターン寸法とパターン精度を実現することが可能な荷電粒子ビーム描画方法を提供することである。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、荷電粒子ビームを用いて描画される基板の上に配置される基板カバーであって、
基板の周縁領域に対応した形状の導電部を有し、
導電部の少なくとも一部は、光透過性の部材から構成されていることを特徴とする基板カバーに関する。
この第1の態様では、導電部において、光透過性の部材とそれ以外の部分との間の少なくとも一部には、隙間を埋める部材が充填されていることが好ましい。
この第1の態様において、導電部は、導電性の材料からなるか、または、絶縁性の材料の表面に導電性の材料の膜が設けられていることが好ましい。
本発明の第2の態様は、荷電粒子ビームを用いた描画の対象となる基板に対してアライメントをし、その基板上に基板カバーを載置し、光の照射手段と受光部からなる位置検出手段を用いてその基板のエッジ部の位置を検出し、その基板に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム描画方法であって、
基板カバーは、基板の周縁領域に対応した形状の導電部を有し、
その導電部の少なくとも一部は、光の照射手段から発せられる光が透過するよう構成されていて、
基板のエッジ部の位置検出は、光の照射手段と受光部との間に基板カバーの載置された基板を配置し、光の照射手段からその基板のエッジ部に向けた照射光を、基板カバーの導電部を透過させ、その基板のエッジ部を照らして行なうものであることを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法に関する。
すなわち、導電部の少なくとも一部は、光の照射手段から発せられる光が透過する部分として構成されている。そして、基板のエッジ部の位置検出は、光の照射手段と受光部との間に基板カバーの載置された基板を配置し、光の照射手段からその基板のエッジ部に向けた照射光を、基板カバーの光が透過する部分を透過させ、その基板のエッジ部を照らして行なう。
この第2の態様では、基板への基板カバーの載置は、基板への荷電粒子ビームの照射を行う描画室の外で行われることが好ましい。
本発明の第3の態様は、荷電粒子ビームを用いた描画の対象となる基板に対してアライメントをし、その基板上に基板カバーを載置して、光の照射手段と受光部からなる位置検出手段を用いてその基板のエッジ部の位置を検出し、その後さらにその基板のアライメントをし、その基板に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム描画方法であって、
基板カバーは、基板の周縁領域に対応した形状の導電部を有し、
その導電部の少なくとも一部は、光の照射手段から発せられる光が透過するよう構成されていて、
基板のエッジ部の位置検出は、光の照射手段と受光部との間に基板カバーの載置された基板を配置し、光の照射手段からその基板のエッジ部に向けた照射光を、基板カバーの導電部を透過させ、その基板のエッジ部を照らして行なうものであることを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法に関する。
すなわち、導電部の少なくとも一部は、光の照射手段から発せられる光が透過する部分として構成されている。そして、基板のエッジ部の位置検出は、光の照射手段と受光部との間に基板カバーの載置された基板を配置し、光の照射手段からその基板のエッジ部に向けた照射光を、基板カバーの光が透過する部分を透過させ、その基板のエッジ部を照らして行なう。
この第3の態様では、基板への基板カバーの載置は、基板への荷電粒子ビームの照射を行う描画室の外で行われることが好ましい。
本発明によれば、光の照射手段とその受光部とからなる位置検出装置を用いた基板のエッジ部の位置検出を基板に基板カバーを載置したまま行うことができる。特に、基板上方に光の照射手段を設けることが可能となり、基板上方に設けられた光の照射手段からの光は、基板上に載置された基板カバーの一部を透過し、それによって基板カバーを載置した状態で基板のエッジ近傍への光照射が可能となる。その結果、基板のエッジ部の形状の影響を受けることなく、上述の位置検出装置を用いた基板のエッジの決定が可能となる。
そして、基板のエッジの決定を行う同一の位置検出装置によって、基板カバーの位置決めも併せて行うことが可能となり、基板とそれに載置される基板カバーとの間の位置関係を所望の精度で管理することができる。
したがって、所望の精度で描画対象である基板の位置決めを可能とし、基板と基板カバーとの位置関係を所望の精度で管理し、荷電粒子ビーム描画を所望のパターン寸法とパターン精度で実現することが可能となる。
本実施の形態における電子ビーム描画装置の構成を示す概略図である。 電子ビーム描画装置に適用される位置検出装置の構成を示す概略図である。 本実施の形態における基板カバーの上面図である。 (a)および(b)は、図3のA−A’線に沿う電極部周辺の部分断面図である。 本実施の形態の基板カバーの別の一例を示す上面図である。 本実施の形態の基板カバーのさらに別の一例を示す上面図である。 本実施の形態の光の照射手段と基板カバーとマスクとの収納室における位置関係を示す模式的な平面図である。 本実施の形態の光の照射手段とカラーCCDカメラと基板カバーとマスクとの収納室における位置関係を示す模式的な断面図である。 本実施の形態の電子ビーム描画装置を示す概略図である。 電子ビームによる描画方法の説明図である。 従来の電子ビーム描画装置に適用可能な位置検出装置の構成を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、本実施の形態において、荷電粒子ビーム装置の一例である電子ビーム描画装置の構成を示す概略図である。電子ビーム描画装置100は、描画対象の基板の一例であるマスクMに荷電粒子ビームの一例である電子ビームを照射して所定のパターンを描画するものである。電子ビーム描画装置100は、マスクMにパターンの描画を行う描画室1と、描画室1に隣接する位置に配置され、搬送ロボットRを内蔵するロボット室2と、ロボット室2に描画室1と反対側で隣接する位置に配置されたロードロック室5と、ロードロック室5にロボット室2と反対側で隣接する位置に配置されたマスク投入装置7とを備えている。
また、ロボット室2と描画室1及びロードロック室5との間、並びに、ロードロック室5とマスク投入装置7との間には、それぞれゲートバルブ3、6、8が設けられている。さらに、ロボット室2の描画室1及びロードロック室5に隣接しない周囲には、マスクMの位置決めを行うアライメント室4と、このアライメント室4と対向する位置に本実施の形態である基板カバー40を収納する収納室9が配置されている。この収納室9内では、マスクMの上への基板カバー40の取り付けまたは取り外しが行われる。
マスクMは、図示省略するロボットによりマスク投入装置7からロードロック室5に投入される。そして、ゲートバルブ8を閉じ、ロードロック室5を真空にした後、ゲートバルブ6を開き、搬送ロボットRによりマスクMをロードロック室5からアライメント室4に搬送する。
アライメント室4でアライメント(位置決め)を行うと、次に、搬送ロボットRによりマスクMをアライメント室4から収納室9に搬送する。そして、収納室9内でマスクMのエッジ位置の検出を行い、所定の位置関係にあることを確認した後、収納室9に収納されていた基板カバー40をマスクM上に載置する。
マスクM上に基板カバー40を載置するとともに、またマスクMと基板カバー40の位置関係も管理する。その後、ゲートバルブ3を開き、搬送ロボットRによりマスクMを描画室1のステージSt上に搬送する。
描画室1において、必要であれば、マスクMと基板カバー40との間の位置も再び調整し、後に詳述する方法により、ステージSt上に載置されたマスクMに電子ビームを照射することで、マスクMに所定のパターンが描画される。このとき、収納室9において、基板カバー40を載置したマスクMのアライメントを行い、その後、描画室1内において、後に説明するマスクMのエッジ位置の確認をした後に、マスクMに所定のパターンを描画することも可能である。
尚、アライメント室4でマスクMのアライメントを行った後、収納室9で基板カバー40をマスクM上に載置してマスクMのエッジ位置の検出を行い、その後、基板カバー40の載置されたマスクMを描画室1内に搬入し、基板カバー40載置後のアライメントを描画室1において行うことも可能である。また、収納室9内および描画室1内で、後に説明するマスクMのエッジ位置の検出と確認を行い、さらにそれぞれにおいてアライメントも行ってから、描画室1でマスクMに所定パターンを描画するようにすることも可能である。
またさらに、アライメント室4でマスクMのアライメントをした後、後述するように、収納室9では基板カバー40のマスクMへの載置を行わず、描画室1内で基板カバー40の載置を行うようにすることも可能である。その場合、描画室1内で、後述するマスクMのエッジ位置の検出を行ってマスクMへの所定パターンの描画を行うか、または、マスクMのエッジ位置の検出を行った後にアライメントを行い、マスクMへの描画を行うことも可能である。
以上の場合において、アライメント室4でアライメントを行う際に、マスクMのエッジ位置の検出が行われるが、以下、マスクMのエッジ位置の検出について説明する。
図2は、上記電子ビーム描画装置に適用される位置検出装置の構成を示す概略図である。図2に示すように、位置検出装置10は、光の照明手段として照明装置11とサイド照明装置19とを備える。そしてその光の受光部としてカラーCCDカメラ13を備える。さらに、照明コントローラ15、カメラコントローラ16、サイド照明コントローラ17及び制御装置(演算処理部)20を備えている。
照明装置11は、マスクMの上方に配置され、マスクMの表面(上面)又は裏面(下面)に対して垂直な方向に光を照射する。そして、サイド照明装置19は、マスクMの側方であって、発光する中心部がマスクMの裏面と概ね同一となる位置に配置され、マスクMに対し側面方向からマスクMの表裏面に概ね平行な方向に光を照射することができるようになっている。マスクMの照明装置11およびサイド照明装置19として、例えば、可視光域で発光するLEDの使用が可能である。より具体的には、青色光を照射する青色LEDなどの使用が可能である。照明装置11については、マスクMのエッジ部(一辺Ma)を十分に照明する照明範囲12を有している。
尚、サイド照明装置19については、複数設けることも可能である。そうすることにより、マスクMの異なる側面方向からマスクMに対し光照射を行うことができ、より正確な基板エッジの位置検出が可能となる。
CCDカメラ13は、マスクMの下方に配置され、照明装置11やサイド照明装置19から、青色光などの可視域の光を照射した状態の画像を撮像する。CCDカメラ13は、複数の受光素子を有するものである。ここで、CCDカメラ13からマスクM裏面までの距離(撮像距離)d1は、CCDカメラ13とレンズの組み合わせから決まる焦点距離と、必要な撮像範囲(視野サイズ)14と、CCDカメラ13の素子当たりの検出分解能との関係から決定される。
尚、本実施の形態の位置検出装置10では、マスクMの照明装置11およびサイド照明装置19として、上述のように、可視域の光を発光するLEDの使用が可能であり、例えば、青色光を発光する青色LEDの使用が可能であるが、これに限ることはなく、白色や紫色や緑色や黄色やオレンジ色や赤色などの他の色の光を発光するLEDを使用することが可能である。また、LEDに限ることはなく、蛍光ランプやハロゲンランプなど、他のランプなどの使用も可能である。また、紫外域の光を発光するLEDや他のランプも使用可能である。その場合、放射される光の波長は、マスク上にある感光性高分子材料や感光性レジストが感光しない波長域にあることが好ましく、例えば、波長400nm以上であることが好ましい。
そして、その場合に受光部としてはCCDカメラの使用が可能である。さらに、レーザ光放射装置を照明装置11の代わりに使用することも可能である。その場合、受光部では、レーザ光の受光量の閾値でマスクMのエッジ位置を検出するようにすることが可能である。
照明コントローラ15は、照明装置11を制御する。具体的には、制御装置20からの指令に基づいて、CCDカメラ13の撮像タイミングに合わせて照明装置11の点灯及び消灯の指示や、照明装置11の照明光量を変更又は調整する指示等を行う。同様に、サイド照明コントローラ17は、サイド照明装置19を制御する。
カメラコントローラ16は、CCDカメラ13を制御する。具体的には、制御装置20からの指令に基づいて、撮像時間(シャッタ時間)及び撮像の指示等を行う。また、CCDカメラ13にオートフォーカス機構が装備されている場合には、フォーカス調整も行う。
制御装置20は、照明コントローラ15、サイド照明コントローラ17及びカメラコントローラ16を制御すると共に、CCDカメラ13が撮像した画像からマスクMのエッジ位置を検出し、保存する。制御装置20は、コントローラ制御部21と、位置検出部22と、位置保存部23とを備えている。
コントローラ制御部21は、照明コントローラ15、サイド照明コントローラ17及びカメラコントローラ16を制御する。位置検出部22は、後述する位置検出方法に従って、CCDカメラ13によって撮像された画像からマスクMのエッジ位置を検出する。位置保存部23は、位置検出部22により検出されたエッジ位置を保存する記憶媒体(例えば、メモリや磁気ディスク等)である。
以上のように、本実施形態の電子ビーム描画装置100に適用される位置検出装置10は、上方からマスクMに光照射する照明装置11と、側方からマスクMに光照射するサイド照明装置19とを備える。従って、マスクM上方からの照明のみによるマスクMのエッジ位置の検出、マスクM側方からの照明のみによるマスクMのエッジ位置の検出、およびそれら二つの方法の併用の何れも行うことが可能であり、マスクMの形状や側面の状態に合わせ、適宜それらを選択してマスクMのエッジ位置の検出を行うことが可能である。
このとき、上述したように、マスクMのエッジ位置の検出精度は、マスクM側方からの照明のみによる場合において低くなるため、マスクM上方からの照明を行ってマスクMのエッジ位置の検出を行うことが望ましい。
そして、本実施形態の電子ビーム描画装置100では、以上説明した位置検出装置10が収納室9と描画室1にも設けられており、それぞれにおいても、マスクMのエッジ位置検出と、マスクMのアライメントが可能となっている。
このとき、収納室9でのアライメントでは、基板カバーが載置される前であれば問題は無いが、マスクMに従来の基板カバーを載置した場合、基板カバーによって遮光されるため、その下のマスクMのエッジ部分に照明装置11からの光が照射されるのを妨げることになる。したがって、サイド照明装置19を使用して側方からマスクMに光照射し、CCDカメラ13でマスクMのエッジ部分の撮像を行うことになるが、高精度のマスクMのエッジ位置の検出、ひいてはマスクMの高精度のアライメントはできないことになる。
同様に、描画室1においても、従来の基板カバーを使用している場合、それによって遮光されるため、サイド照明装置19を使用して側方からマスクMに光照射することになり、高精度のエッジ位置の検出、ひいてはマスクMの高精度のアライメントはできないことになる。
しかしながら、本実施の形態の基板カバーは、マスクM上に載置された状態で、マスクMのエッジ部分に向けて照明装置11からの光が照射された場合に、これを実質的に遮光してしまうことはない。したがって、CCDカメラ13でのマスクMのエッジ部分の撮像ができないようにすることは無い。以下、本実施の形態の基板カバーについて説明する。
図3は、基板カバーの上面図である。また、図4(a)および(b)は、図3のA−A’線に沿う電極部周辺の部分断面図である。
図3および図4に示すように、基板カバー40は、マスクMの周縁領域に対応した形状の、導電性を備えた導電部41を有する。ここで、マスクMとしては、例えば、石英基板上にクロム(Cr)を用いた遮光層が基板表面に形成されており、基板端面(および一部縁部)にクロム層が形成されていないものを想定することができる。導電部41は、マスクMの周縁部に対応するように、中央部に開口部42を有する額縁状に形成されている。
すなわち、基板カバー40は、マスクMの外周端よりも外形寸法が大きく形成され、その外周端より小さな寸法で中央部に開口部42が形成されている。
この基板カバー40の導電部41は、少なくともその全体の表面が導電性を有するよう構成される。そして、電子ビームを遮断可能な材料であって、非磁性で耐熱性の材料を用いて構成される。例えば、導電性の金属材料から構成されるか、または、セラミックス材料等の絶縁性材料の表面に導電性材料がコーティングされた部材から構成される。
そして、この導電部41は、その一部において、その他の部分と異なる性質の部材によって構成された透過部47を有している。本実施の形態の基板カバー40では、額縁状の導電部41の一部であって、開口部42を包囲する内側壁部において、開口部42と連続する直方体形状の切り欠けが設けられており、その切り欠け部分に所望の波長の光を透過するよう選択された部材がはめ込まれ、導電部41における透過部47を構成している。
そして、導電部41の透過部47については、導電部41の他の部分と同様に少なくともその表面が導電性を備えるが、その他の部分と光に対する透過性能が異なるよう構成部材が選択されている。すなわち、透過部47はそれを構成する部材が光透過性能(透光性)に着目され選択されており、その結果、所望の性質の光が透過部47を透過するように構成されている。
その場合、透過部47を透過する光について明確にする必要があるが、上述の照明装置11によって照射される光が対象とされ、それに対する透過性能が重要となる。例えば、本実施の形態の位置検出装置10では、照明装置11に可視域の光を発光するLEDの使用が可能であり、そのようなLEDから発光する光に対する透過特性が重要となる。より具体的には、青色LEDを用い、青色LEDからの青色光を照明光に使用する場合には、青色光に対する透過特性が重要となる。すなわち、照明装置11からの光の少なくとも一部を透過させ、マスクMへの光照射を可能とし、さらに、透過部47を透過した光が下方のCCDカメラ13に到達して、マスクMのエッジ部分の撮像が可能となればよい。
そして、照明装置11から発せられる光が、上述のように白色光や緑色光や赤色光などの青色と異なる色の異なる波長域の可視光である場合、これら可視光に対し適度な透過性能を備え、透過部47を透過した光がマスクMの下方の受光部、例えばCCDカメラに到達して、マスクMのエッジ部分の撮像が可能となればよい。
以上のように、透過部47の構成に適する部材としては、透光性と導電性を兼ね備えた特性があれば良く、例えば、合成石英ガラスやサファイヤガラスなどのガラス材料の表面にITO(酸化インジウムスズ)などの透明導電性膜をコーティングした部材や、Cr(クロム)膜などの他の金属の薄膜をコーティングした部材を適用することが可能である。また、イオンをドーピング或いはイオン注入し、キャリアの導入により導電性を付与したガラス材料やイオン導電性ガラス等も適正な透光性があるものを使用可能である。
ガラス材料には、合成石英ガラスやサファイヤガラスの他に、溶融石英ガラス、超低膨張ガラス、耐熱性ガラス、および複合ガラスも適度な透光性を備えて光学的に使用可能であれば用いることができ、これに透明導電性膜をコーティングすることにより適用が可能となる。特にサファイヤガラスは機械的強度が強いため、その表面にITO膜を設けて構成された部材が本実施形態においては好適である。
なお、ITO膜は、可視光透過率85%程度、表面抵抗100〜1000Ω/□程度であり、実用的な産業用透明電極材料として一般的に使用されている。近年、ITO膜の代替としてインジウムのような稀少金属を使わない透明電極材料の開発が盛んに行われており、各種の透明電極材料が実用化されている。また、透光性のあるナノポーラス構造を有した光透過型金属膜の開発も行われている。何れも、適正な透光性があるものであれば、上述のガラス材料への透明導電性膜としてのコーティング材料として使用可能である。
ここで、透過部47の部材構成について、さらに詳しく説明する。
上述したように、合成石英ガラスやサファイヤガラスのような、透光性を有した非晶質若しくは結晶性材料に透明性と導電性を付与することにより、本実施形態に好適な透過部47を作製することが可能となる。透明性と導電性を付与する方法には、大きく2種類があり、ITOなどの透明導電性膜や透光性と導電性とを兼ね備えた材料をコーティングする方法と、ガラス材料自体に金属イオンをドーピング或いはイオン注入し、キャリアの導入により導電性を付与する方法とが適用可能である。
上記コーティングする方法に使用可能なコーティング材料には、SnO(酸化錫)膜にSb(アンチモン)をドープしたアンチモンドープ酸化錫膜やF(フッ素)をドープしたフッ素ドープ酸化錫膜、Cd−Sn−O系やGa−Zn−O系やIn−Ga−Zn−O系などの導電膜、そして、In(酸化インジウム)−SnO系の複合的酸化物積層薄膜などがあり、各種ディスプレイやタッチパネル、太陽電池用の電極材料に使用される酸化物系の透明導電膜を適用することが可能である。更に、酸化チタンにNbをドープした酸化チタン系の透明導電膜も使用できる。
このような酸化物系の透明導電膜以外にも、金属の超薄膜(数nm〜数10nm程度)や低抵抗の金属合金薄膜をコーティング材料として使用することにより、透光性を得ることが可能であることはいうまでも無い。金属の超薄膜としては、例えば、Crのほかに、アルミ、金、銀、およびパラジウム等も使用できる。但し、金属の超薄膜では、酸化物系の透明導電膜に比べると、概して可視光透過率が低くなる傾向があり、可視光透過率の向上に関しては成膜方法に依存する面が見られる。
しかしながら、図2に示す本実施の形態の電子ビーム描画装置に適用される位置検出装置10においては、例えば、Crの20nm薄膜を用いた場合、透過率は80%程度であり、コーティング材料として十分に使用可能であることがわかっている。従って、金属材料を適宜選択し、適用する位置検出装置において所定の検出精度が得られる程度に、検出波長での透過率を実現するよう膜厚や組成を調整することによって、その金属材料をコーティング材料に適用することができる。
また、金属の極薄膜では、島状構造の膜になって高抵抗になることが知られている。これも成膜方法などに依存するが、例えば、20nm膜厚のCrの表面抵抗は1MΩ/□程度となる。しかしながら、透過部47に必要となる帯電防止の用途では、必ずしも良導体である必要はなく、一般的に1×10〜1013Ω/□程度であれば、帯電した電荷をアースに短時間で逃がすことができる。このために、帯電防止機能を備えたコーティング材料として使用することが可能である。当然、より低抵抗であっても良い。
また、ナノポーラス構造により可視光透過率を得るようにした光透過型金属膜を、ガラス材料にコーティングして透明導電膜として使用することも可能である。このような光透過型金属膜の例は、特開2009−76361号公報に記載されている。ナノポーラス構造であれば、ポーラス部分に露呈した絶縁体のガラス材料への帯電量も極めて少なく、帯電した電荷を網目上の金属導体によりアースに逃がすことができる。
以上のように、上述した各種コーティング材料については、所定の透明性や導電性を有していれば、その成膜方法や組成は特に限定されるものではなく、透過部47の部材に適用できる。
透明性導電膜の成膜方法や透光性と導電性とを兼ね備えた材料をコーティングする方法は、真空蒸着、マグネトロンスパッタリング法、常圧CVD法、プラズマCVD法、MOCVD法などの公知技術を利用することができ、その他にも、ゾル・ゲル法、イオンプレーティング法、塗布法、スプレーコーティング法などの一般的な手法を適用可能である。但し、特に膜の剥がれや発塵に関係する密着性、耐久性などを確保することが必要であり、その点を十分に考慮した条件の選択が必要となることは言うまでもない。透明性導電膜の形成の詳細については、例えば、公知文献である「透明性導電膜の技術」(オーム社、日本学術振興会透明酸化物光・電子材料第166委員会編)などに記載された技術を適用することが可能である。
次に、ガラス材料自体に金属イオンをドーピング或いはイオン注入し、キャリアの導入により導電性を付与する方法について説明する。
イオン注入またはイオンドーピングによりガラス材料自体に導電性を付与する場合について、金属イオンとしては、Sn、In、P、As、B、Zn、Ti、Cu、Pb、およびAgなどの金属元素のうちの1つ、または、複数を使用することができる。
イオンビームによるイオン注入では、加速エネルギーによってガラス表面での作用が異なり、低エネルギーの場合には表面粗さを引き起こすことが知られているため、適切な加速電圧を使用する必要がある。通常、数10keV以上のエネルギーであれば、イオンは表面には変化を与えずに内部に注入され、注入されたイオンの分布(注入深さ)はガラス材料とイオン種に依存するため、イオンの加速エネルギーによって制御可能である。
注入深さとエネルギーの関係は、100keVのエネルギーで100nm程度の深さが目安になる。イオンのドーズ量についても材料に応じて適正値があり、極端に大きな場合には照射損傷を引き起こすことがある。ガラス材料の着色や屈折率変化などが、その例であり、透光性を確保する上では注意が必要になる。例えば、イオン注入を行った後に熱処理を施すことでガラス中に注入されたイオンを所定の深さで拡散させて、導電層を形成することにより、イオン注入による透明性を極端に犠牲にすることなく導電性を付与させることができる。このために、透過部47の部材の製作において、ガラス材料にイオン注入する際には、これらの方法を使用できることは言うまでも無い。
尚、高ドーズでイオン注入した場合に発生するような着色の問題については、更に異なる条件でイオン注入を行うことや、熱処理をすることが有用であることが知られている。これらの方法で着色を緩和できるため、イオンの注入を使用して透明導電性ガラス材料を形成する際に適用できる。
また、ガラス材料の表層部にドーピングによりキャリアの導入を行う方法として、金属元素を熱拡散法により形成することも可能である。熱拡散法では、金属元素が濃度の高い領域から低い領域へ熱拡散により金属熱平衡状態になるまで移動することを利用するものであり、公知の気相拡散法と固層拡散法を適用することができる。
気相拡散法では、Siウェハへの不純物ドープを行う手法と同様の方法が使用できる。初めに、適当な蒸気圧にドーピングする金属元素を気化させた金属ガスを生成させ、例えば金属元素としてボロン(B)を使用し、キャリアガスに不活性ガスである塩素ガス(Cl)を使用し、酸素ガス(O)を加えて反応をさせ、金属ガスとガラスとを所定の温度で反応させることにより、金属元素がガラス内部に熱拡散するようにして導電性を付与することができる。
また、固層拡散法では、例えば、ドーピングする金属元素を含んだ拡散用基板ターゲットを用意し、これをガラスと対向設置し、拡散炉に設定し、所定の温度で加熱することにより、拡散用基板ターゲットより、金属元素を揮発ガスとして発生させ、ガラスと反応をさせる。これにより、金属元素をドープする。拡散用基板ターゲットとしては、ボロンナイトライド板が汎用的である。この方法では、均一なドープが可能であり、ガラスの全方位面に導電性を付与するのに好適な手段になる。
また、別の固層拡散法として、例えば、イオン注入をしたポリシリコン層を別途ガラス上に形成し、これを拡散ソースとして使用することも可能である。拡散処理後にポリシリコン層を剥離して、ガラスに導電性を付与する製造方法であるので、工程は複雑になる。しかしながら、この手法の場合には、表層部分の浅い部分にイオンを分布させることが可能であるために、低抵抗化を実現しやすく、更に極表層部分のみが改質されるにとどまるので、ガラスの屈折率変化や着色、表面粗さ等のイオン注入による影響が極めて小さくなるメリットがある。
同様に、固層拡散法としては、SOG(spin−on−glass)膜にドープされた金属イオンを拡散して、ガラスに導電性を付与することも可能である。その他、集束イオンビーム、レーザービームなどの公知の技術を使用しても、ガラス材料に導電性の付与を実現でき、透過部47を構成できることは言うまでもない。また、イオン注入またはイオンドーピングによりガラス材料自体に導電性を付与する場合には、製造プロセスが複雑になるが、コーティング膜のように膜の剥がれや発塵の懸念が極めて少ないという特徴があり、この点が有利な点となる。
なお、透過部47の構成部材としては、サファイヤや合成石英ガラスのほかに、溶融石英ガラス、超低膨張ガラス材料や、結晶性材料からなるフッ化カルシウムガラスや、複合ガラスも使用できる。一般的に結晶性ガラスの場合には、非晶質材料に比べてドーピングにより導電性を付与しやすい特徴がある。
また、ガラス材料に、Ni、Cu、Cu−Ag、およびAg等の金属微粒子や、カーボン等をフィラーとして混入させて、ガラス材料自体に導電性を付与することも可能である。比較的簡便に製造できる特徴がある。但し、透過率が低下する問題があるために、帯電防止性能を満足しつつ適正な透光性を確保する必要がある。
さらに、透過部47の部材としては、透光性のある窒化物、炭化物及び硫化物系セラミックスを使用することも可能である。その場合、本実施の形態の電子ビーム描画装置の位置検出装置に適用されて、必要な光透過率を得られる材料を選択し、その材料の厚さを適正にして用いることが好ましい。イオン伝導性ガラスについては、AgI−AgO系の開発が多くなされ、LiやNaイオン伝導性ガラスなどが知られている。これらについても透過率は低いものの、材料を薄くすることにより、適用できる可能性がある。
次に、照明装置11の代わりに紫外光を放射する光照射手段を用い、マスクM下方に紫外光を検知する受光部が設けられている場合、導電部41の透過部47は、紫外光に対し適度な透過性能を備えていることが好ましい。その場合、透過部47の紫外光に対する透過特性については、透過部47を透過した紫外光が下方の受光部に到達して、マスクMのエッジ部分の検出が可能となるレベルであればよい。
尚、紫外域の光を発光するLEDや他のランプなどの紫外光を放射する光照射手段を用いた場合、放射される光の波長は、マスク上にある感光性高分子材料や感光性レジストが感光しない波長域にあることが好ましく、例えば、波長400nm以上であることが好ましい。
また、照明装置11の代わりに赤外光を放射する光照射手段を用い、マスクM下方に赤外光を検知する受光部が設けられている場合、導電部41の透過部47は、赤外光に対し適度な透過性能を備えていることが好ましい。その場合、透過部47の赤外光に対する透過特性については、透過部47を透過した赤外光が下方の受光部に到達して、マスクMのエッジ部分の検出が可能となるレベルであればよい。
このとき、透過部47は導電部41の一部に設けられた切り欠け部分に選択された特性の部材をはめ込んで形成することが可能であるが、その透過部47を設ける場合に、導電部41の他の部分との接合部分に隙間ができてしまう場合がある。そのような隙間が形成された場合、描画室1内での電子ビーム照射の際に電子ビームがそこから漏れてマスクMに到達し、マスクMの周縁部を帯電させてしまうことがある。よって、こうした接合部分の隙間がなくなるように構成することが好ましい。
すなわち、導電部41の他の部分との接合部分の少なくとも一部に、隙間を埋める部材を配置することが可能である。例えば、形成された隙間の少なくとも一部隙間を埋める適当な形状の部材を詰めたり、接着性の材料を詰めたりなどして、電子ビーム漏れの原因となる隙間を埋める方法が好適である。
また、図5は、本実施の形態の基板カバーの別の一例を示す上面図である。図5に示すように、導電部41’の切り欠け部分49より大きな面積を有し、所望の光を透過させることが可能な板状部材46を作成し、これを用いて切り欠け部分49全体を上方から覆ってしまう方法も好ましい。この場合、この板状部材46は、所望の光に対する透過性能を備えたイオン導電性ガラスや、合成石英やサファイヤの表面にITOなどの透明導電性膜を設けて構成された部材から導電部を構成することが可能である。
なお、図6に示すように基板カバー140の有する額縁状の導電部141を異なる性質の部材からなる二重構造とすることも好ましい。図6は、本実施の形態の基板カバーのさらに別の一例を示す上面図である。
図6に示すように、二重構造を有する基板カバー140の外側部分143aを構成する部材に導電性と耐熱性と機械的強度を備えた部材を選択し、開口部142を包囲する内側部分143bを構成する部材に導電性と耐熱性とを備え、所望の性質の光が透過可能な部材を選択し、導電部141全体を構成することも可能である。このように構成すれば、描画室1内で電子ビームが照射される部分において、上述の接合部による隙間はできない。この場合、その内側部分143bを所望の光に対する透過性能を備えたイオン導電性ガラスや、合成石英やサファイヤの表面にITOなどの透明導電性膜を設けて構成された部材から導電部を構成することが可能である。
また、さらに、基板カバーを構成するマスクの周縁領域に対応した形状の、導電性を備えた導電部において、図3に示すような切り欠け部分を設けることなく、導電部全体を所望の光に対する光透過性能を備えた部材から構成することも可能である。その場合、所望の光に対する透過性能を備えたイオン導電性ガラスや、合成石英やサファイヤの表面にITOなどの透明導電性膜を設けて構成された部材から導電部を構成することが可能である。そして、機械的強度や製造コストなどを考慮して導電部を構成する部材を選択することが好ましい。
また、図4に示すように、導電部41には、一端に針状の電極43が設けられ、他端に断面がかまぼこ状の形状を有する支持部44が設けられた電極部45a、45b、45cを有する。支持部44は、収納室9内で基板カバー40を支持する機能を有する。収納室9側に、支持部44の有する形状に対応するように、すり鉢状の基板カバー40の設置箇所が設け、支持部44を断面がかまぼこ状の形状にすることで、基板カバー40が描画室1から搬出され収納室9に戻る際に、基板カバー40が前後左右の方向にずれても正規の位置に自動的に戻るようにできる。
電極部45a、45b、45cは、基板カバー40を支持する機能も有するため、導電部41の荷重が略等分布となるように3箇所に配置されていることが好ましい。これにより、描画室1内でステージStが移動する際に、基板カバー40がずれるのを防ぐことができる。また、導電部41を略水平に支持することが可能となる。尚、電極部45a、45b、45cを4箇所以上に配置した場合には、マスクMに接しない箇所が生じ得ることから好ましくない。
電極部45a、45b、45cは、いずれも、針状の電極43が導電部41の開口部42から露出するように、また、球状の支持部44が導電部41の外部に露出するように、導電部41に取り付けられている。
図7は、本実施の形態の電子ビーム描画装置の有する収納室において、光の照射手段と基板カバーとマスクとの位置関係を示す模式的な平面図である。そして、図8は、本実施の形態の電子ビーム描画装置の有する収納室において、光の照射手段と受光部であるCCDカメラと基板カバーとマスクとの位置関係を示す模式的な断面図である。
図7および図8に示すように、収容室9内には基板カバー40が収納されており、ここで収納室9内に搬送され支柱48上で支持されたマスクMの上に基板カバー40を載置して取り付けたり、または、取り外したりすることが可能となっている。
そして、本実施形態の収納室9には位置検出装置10が設けられており、マスクMのアライメントが可能となっている。位置検出装置10は光の照明手段として照明装置11と二つのサイド照明装置19を有する。サイド照明装置19は、位置検出精度の向上とマスク側面の形状に対応して光照射側面の選択が可能となるよう、二つ設けられている。すなわち、マスクMの異なる側面におけるエッジ位置検出が可能となるよう、二つの異なる方向からの光照射を可能とする二つのサイド照明装置19が設けられている。
そして、照明装置11によるマスクMのエッジ位置検出と、サイド照明装置19によるマスクMのエッジ位置検出と、照明装置11とサイド照明装置19との併用によるマスクMのエッジ位置検出とが可能となっている。よって、基板カバー40の載置前にマスクMのアライメントが可能であり、同様にマスクMに基板カバー40が載置された後でも照明装置11によるマスクM上方からのマスクMへの照明が可能である。したがって、高精度のマスクMのエッジ位置検出が可能でマスクMのアライメントが可能となっている。そして、基板カバー40の載置の有無や、マスクMの側面部の状態などを考慮して、適宜最適な手法によるマスクMのエッジ位置検出が可能となっている。その結果、マスクMのアライメントが可能となっている。
また、マスクMのエッジ位置の検出と同様に、位置検出装置10を用い、マスクM上に載置された基板カバー40の位置検出を行い、マスクMと基板カバーとの間の位置関係も管理することが可能となっている。
次に、本実施の形態の電子ビーム描画装置100の描画室1で行うマスクMへの電子ビームによる描画についてより詳細に説明する。
図9は、本実施の形態の電子ビーム描画装置を示す概略図である。
図9において、電子ビーム描画装置100の描画室1内には、電子ビームによる描画の対象である基板としてマスクMが設置されたステージStが設けられている。マスクMの上には、本発明の実施形態である基板カバー40が載置されている。ステージStは、ステージ駆動回路104によりX方向(紙面における左右方向)とY方向(紙面における垂直方向)に駆動される。ステージStの移動位置は、レーザ測長計等を用いた位置回路105により測定される。
描画室1の上方には、電子ビーム光学系110が設置されている。この電子ビーム光学系110は、電子銃106、各種レンズ107、108、109、111、112、ブランキング用偏向器113、成形偏向器114、ビーム走査用の主偏向器115、ビーム走査用の副偏向器116、および、2個のビーム成形用アパーチャ117、118等から構成されている。
図10は、電子ビームによる描画方法の説明図である。この図に示すように、マスクM上に描画されるパターン51は、短冊状のフレーム領域52に分割されている。電子ビーム54による描画は、ステージStが一方向(例えば、X方向)に連続移動しながら、フレーム領域52毎に行われる。フレーム領域52は、さらに副偏向領域53に分割されており、電子ビーム54は、副偏向領域53内の必要な部分のみを描画する。尚、フレーム領域52は、主偏向器115の偏向幅で決まる短冊状の描画領域であり、副偏向領域53は、副偏向器116の偏向幅で決まる単位描画領域である。
副偏向領域53内での電子ビーム54の位置決めは、主偏向器115で行われ、副偏向領域53内での描画は、副偏向器116によって制御される。すなわち、主偏向器115によって、電子ビーム54が所定の副偏向領域53に位置決めされ、副偏向器116によって、副偏向領域53内での描画位置が決められる。さらに、成形偏向器114とビーム成形用アパーチャ117、118によって、電子ビーム54の形状と寸法が決められる。そして、ステージStを一方向に連続移動させながら、副偏向領域53内を描画し、1つの副偏向領域53の描画が終了したら、次の副偏向領域53を描画する。フレーム領域52内の全ての副偏向領域53の描画が終了したら、ステージStを連続移動させる方向と直交する方向(例えば、Y方向)にステップ移動させる。その後、同様の処理を繰り返して、フレーム領域52を順次描画して行く。
図9で、記憶媒体である磁気ディスク121には、マスクMの描画データが格納されている。磁気ディスク121から読み出された描画データは、フレーム領域52毎にパターンメモリ122に一時的に格納される。パターンメモリ122に格納されたフレーム領域52毎のパターンデータ、すなわち、描画位置や描画図形データ等で構成されるフレーム情報は、データ解析部であるパターンデータデコーダ123と描画データデコーダ124に送られる。
パターンデータデコーダ123からの情報は、ブランキング回路125とビーム成形器ドライバ126に送られる。具体的には、パターンデータデコーダ123で上記データに基づいたブランキングデータが作成され、ブランキング回路125に送られる。また、所望とするビーム寸法データも作成されて、ビーム成形器ドライバ126に送られる。そして、ビーム成形器ドライバ126から、電子ビーム光学系110の成形偏向器114に所定の偏向信号が印加されて、電子ビーム54の寸法が制御される。
制御計算機120には、偏向制御部132が接続している。偏向制御部132は、セトリング時間決定部131に接続し、セトリング時間決定部131は、副偏向領域偏向量算出部130に接続し、副偏向領域偏向量算出部130は、パターンデータデコーダ123に接続している。また、偏向制御部132は、ブランキング回路125と、ビーム成形ドライバ126と、主偏向器ドライバ127と、副偏向器ドライバ128とに接続している。
描画データデコーダ124の出力は、主偏向器ドライバ127と副偏向器ドライバ128に送られる。そして、主偏向器ドライバ127から、電子ビーム光学系110の主偏向器115に所定の偏向信号が印加されて、電子ビーム54が所定の主偏向位置に偏向走査される。また、副偏向器ドライバ128から、副偏向器116に所定の副偏向信号が印加されて、副偏向領域53内での描画が行われる。
次に、制御計算機120による描画制御について説明する。
制御計算機120は、記憶媒体で磁気ディスク121に記録されたマスク基板の描画データを読み出す。読み出された描画データは、フレーム領域52毎にパターンメモリ122に一時的に格納される。
パターンメモリ122に格納されたフレーム領域52毎の描画データ、つまり、描画位置や描画図形データ等で構成されるフレーム情報は、データ解析部であるパターンデータデコーダ123と描画データデコーダ124を介して、副偏光領域偏向量算出部130、ブランキング回路125、ビーム成形器ドライバ126、主偏向器ドライバ127、副偏向器ドライバ128に送られる。
パターンデータデコーダ123では、描画データに基づいてブランキングデータが作成されてブランキング回路125に送られる。また、描画データに基づいて所望とするビーム形状データが作成されて副偏向領域偏向量算出部130とビーム成形器ドライバ126に送られる。
副偏向領域偏向量算出部130は、パターンデータデコーダ123により作成したビーム形状データから、副偏向領域53における、1ショットごとの電子ビームの偏向量(移動距離)を算出する。算出された情報は、セトリング時間決定部131に送られ、副偏向による移動距離に対応したセトリング時間が決定される。
セトリング時間決定部131で決定されたセトリング時間は、偏向制御部132へ送られた後、パターンの描画のタイミングを計りながら、偏向制御部132より、ブランキング回路125、ビーム成形ドライバ126、主偏向器ドライバ127、副偏向器ドライバ128のいずれかに適宜送られる。
ビーム成形器ドライバ126では、電子ビーム光学系110の成形偏向器114に所定の偏向信号が印加されて、電子ビーム54の形状と寸法が制御される。
描画データデコーダ124では、描画データに基づいて副偏向領域53の位置決めデータが作成され、このデータは主偏向器ドライバ127に送られる。次いで、主偏向器ドライバ127から主偏向器115へ所定の偏向信号が印加されて、電子ビーム54は、副偏向領域53の所定位置に偏向走査される。
描画データデコーダ124では、描画データに基づいて、副偏向器116の走査のための制御信号が生成される。制御信号は、副偏向器ドライバ128に送られた後、副偏向器ドライバ128から副偏向器116に所定の副偏向信号が印加される。副偏向領域53内での描画は、設定されたセトリング時間が経過した後、電子ビーム54を繰り返し照射することによって行われる。
次に、電子ビーム描画装置の描画室で行う電子ビーム照射による描画の方法についてより詳細に説明する。
まず、描画室1の外部に設けられた収納室9内でマスクM上に基板カバー40が載置され、その基板カバー40の載置されたマスクMを描画室1の内部に搬入する。
但し、本実施の形態では、収納室9内での基板カバー40の載置を行わず、ステージSt上に基板カバー40を固定しておき、描画室1にマスクMを搬入した後、描画室1内でマスクMの上に基板カバー40を載置してもよい。
そして、マスクMをステージSt上に設置する。この際、基板カバー40の載置されたマスクMは、基板カバー40の電極43により接地されている。接地により、描画時のレジストの帯電やマスクMの周縁部での帯電を防止し、帯電した電荷をアースに逃がすことができるようにしている。そして、ステージStの位置検出を位置回路105により行い、制御計算機120からの信号に基づいて、ステージ駆動回路104によりステージStを描画可能な位置まで移動させる。
次に、電子銃106より電子ビーム54を出射する。出射された電子ビーム54は、照明レンズ107により集光される。そして、ブランキング用偏向器113により、電子ビーム54をマスクMに照射するか否かの操作を行う。
第1のアパーチャ117に入射した電子ビーム54は、第1のアパーチャ117の開口部を通過した後、ビーム成形器ドライバ126により制御された成形偏向器114によって偏向される。そして、第2のアパーチャ118に設けられた開口部を通過することにより、所望の形状と寸法を有するビーム形状になる。このビーム形状は、マスクMに照射される電子ビーム54の描画単位である。
電子ビーム54は、ビーム形状に成形された後、縮小レンズ111によって縮小される。そして、マスクM上における電子ビーム54の照射位置は、主偏向器ドライバ127によって制御された主偏向器115と、副偏向器ドライバ128によって制御された副偏向器116とにより制御される。主偏向器115は、マスクM上の副偏向領域53に電子ビーム54を位置決めする。また、副偏向器116は、副偏向領域53内で描画位置を位置決めする。
マスクMへの電子ビーム54による描画は、ステージStを一方向に移動させながら、電子ビーム54を走査することにより行われる。具体的には、ステージStを一方向に移動させながら、各副偏向領域53内におけるパターンの描画を行う。そして、1つのフレーム領域52内にある全ての副偏向領域53の描画を終えた後は、ステージStを新たなフレーム領域52に移動して同様に描画する。
上記のようにして、マスクMの全てのフレーム領域52の描画を終えた後は、基板カバー40が載置された状態でマスクMを描画室1から搬出する。そして、収納室9に搬入し、収納室9内でマスクM上に載置された基板カバー40はマスクM上から取り外される。
尚、ステージSt上に基板カバー40が固定されている場合には、描画室1内でマスクMから基板カバー40を外した後、マスクMを描画室1から搬出する。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施の形態においては、図3に示すように、基板カバー40の導電部41に透明部47が二か所設けられる例が示されているが、マスクMのエッジ位置検出する箇所に対応して、透明部47を設ける数を適宜増減させることや、その設置位置を対応する所望の位置に変更することが可能である。
また、本実施の形態の基板カバーは、マスクM上の感光性高分子材料や感光性レジストが感光するなどの劣化や変性が起きないようであれば、可視光以外の光をマスクの位置検出用に用いる位置検出装置にも適用が可能である。
さらに、本実施の形態では、収納室又は描画室で基板カバーをマスク上に載置することが可能である。その場合、収納室が設けられていない電子ビーム描画装置においても、本実施の形態の適用が可能となる。
また、例えば、上記実施の形態では電子ビームを用いたが、本発明はこれに限られるものではなく、イオンビームなどの他の荷電粒子ビームを用いた場合にも適用可能である。
M マスク
R 搬送ロボット
St ステージ
1 描画室
2 ロボット室
3、6、8 ゲートバルブ
4 アライメント室
5 ロードロック室
7 マスク投入装置
9 収納室
10、210 位置検出装置
11、211 照明装置
12 照明範囲
13 CCDカメラ
14 撮像範囲
15、215 照明コントローラ
16、216 カメラコントローラ
17 サイド照明コントローラ
19 サイド照明装置
20、220 制御装置
21 コントローラ制御部
22 位置検出部
23 位置保存部
40、140 基板カバー
41、41’、141 導電部
42、42’、142 開口部
43 電極
44 支持部
45a、45b、45c 電極部
46 板状部材
47 透過部
48 支柱
49 切り欠け部分
51 描画されるパターン
52 フレーム領域
53 副偏向領域
54 電子ビーム
100 電子ビーム描画装置
104 ステージ駆動回路
105 位置回路
106 電子銃
107、108、109、111、112 レンズ
110 電子ビーム光学系
113 ブランキング用偏向器
114 成形偏向器
115 主偏向器
116 副偏向器
117 第1のアパーチャ
118 第2のアパーチャ
120 制御計算機
121 磁気ディスク
122 パターンメモリ
123 パターンデータデコーダ
124 描画データデコーダ
125 ブランキング回路
126 ビーム成形器ドライバ
127 主偏向器ドライバ
128 副偏向器ドライバ
130 副偏向領域偏向量算出部
131 セトリング時間決定部
132 偏向制御部
143a 外側部分
143b 内側部分
200 基板
213 カメラ

Claims (7)

  1. 荷電粒子ビームを用いて描画される基板の上に配置される基板カバーであって、
    前記基板の周縁領域に対応した形状の導電部を有し、
    前記導電部の少なくとも一部は、光透過性の部材から構成されていることを特徴とする基板カバー。
  2. 前記導電部において、前記光透過性の部材とそれ以外の部分との間の少なくとも一部には、隙間を埋める部材が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の基板カバー。
  3. 前記導電部は、導電性の材料からなるか、または、絶縁性の材料の表面に導電性の材料の膜が設けられてなることを特徴とする請求項1または2に記載の基板カバー。
  4. 荷電粒子ビームを用いた描画の対象となる基板に対してアライメントをし、前記基板上に基板カバーを載置し、光の照射手段と受光部からなる位置検出手段を用いて前記基板のエッジ部の位置を検出し、前記基板に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム描画方法であって、
    前記基板カバーは、前記基板の周縁領域に対応した形状の導電部を有し、
    前記導電部の少なくとも一部は、前記光の照射手段から発せられる光が透過するよう構成されていて、
    前記基板のエッジ部の位置検出は、前記光の照射手段と前記受光部との間に前記基板カバーの載置された基板を配置し、前記光の照射手段から前記基板のエッジ部に向けた照射光を、前記基板カバーの前記導電部を透過させ、前記基板のエッジ部を照らして行なうものであることを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
  5. 前記基板への前記基板カバーの載置は、前記基板への荷電粒子ビームの照射を行う描画室の外で行われることを特徴とする請求項4に記載の荷電粒子ビーム描画方法。
  6. 荷電粒子ビームを用いた描画の対象となる基板に対してアライメントをし、前記基板上に基板カバーを載置して、光の照射手段と受光部からなる位置検出手段を用いて前記基板のエッジ部の位置を検出し、その後さらに前記基板のアライメントをし、前記基板に荷電粒子ビームを照射する荷電粒子ビーム描画方法であって、
    前記基板カバーは、前記基板の周縁領域に対応した形状の導電部を有し、
    前記導電部の少なくとも一部は、前記光の照射手段から発せられる光が透過するよう構成されていて、
    前記基板のエッジ部の位置検出は、前記光の照射手段と前記受光部との間に前記基板カバーの載置された基板を配置し、前記光の照射手段から前記基板のエッジ部に向けた照射光を、前記基板カバーの前記導電部を透過させ、前記基板のエッジ部を照らして行なうものであることを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
  7. 前記基板への前記基板カバーの載置は、前記基板への荷電粒子ビームの照射を行う描画室の外で行われることを特徴とする請求項4に記載の荷電粒子ビーム描画方法。
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