JP4873854B2 - レーザ溶接部の品質判定装置および方法、並びに、レーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体 - Google Patents

レーザ溶接部の品質判定装置および方法、並びに、レーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体 Download PDF

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本発明は、レーザ溶接部の品質判定技術に関し、特に、溶接を行う2枚の鋼板の重ねギャップの大きさに依存するレーザ溶接部の品質を判定するレーザ溶接部の品質判定装置および方法、並びに、レーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体に関する。
従来、例えば、自動車の車体組み付け等においては、亜鉛メッキ鋼板等の重ね溶接が頻繁に行われており、このような亜鉛メッキ鋼板等の重ね溶接は、主としてスポット溶接が用いられていた。しかしながら、スポット溶接は、重ね溶接を行う鋼板を両側から挟んで行うため溶接可能な個所が制限されることになり、さらに、溶接の剛性を上げるには、溶接個所(スポット数)を増加させなければならず、溶接に要する時間が長くなるといった問題もある。
そこで、近年、重ね溶接を高速に行うと共に高い剛性化が可能であり、しかも、スポット溶接のように両側からではなく、重ね溶接を行う鋼板の片側のみから溶接加工が可能なものとしてレーザ溶接(レーザ重ね溶接)が注目されている。しかしながら、例えば、亜鉛メッキ鋼板のレーザ溶接において、溶接を行う鋼板の抑え機構に何らかの異常が発生して亜鉛メッキ鋼板同士の距離(重ねギャップ)が適正値からずれると、十分な溶接の剛性を得ることができない。
図1は亜鉛メッキ材同士のレーザ溶接における重ねギャップの違いによる溶接の変化の様子を概念的に示す図である。
図1に示されるように、重ね溶接の対象となる2枚の亜鉛メッキ鋼板M1,M2の間の重ねギャップ(間隙)をPGとすると、重ねギャップPGの大きさにより重ね溶接の様子が変化することが分かる。
すなわち、重ねギャップPGが過小な場合、すなわち、亜鉛メッキ鋼板M1およびM2が密着し過ぎた場合、表面の亜鉛メッキ層における亜鉛は母材よりも沸点が低いため急激に沸騰し、その溶融金属がスパッタとして飛散して重大な溶接異常(フキ:爆飛欠陥)を発生させる恐れがある(図1(a)参照)。一方、重ねギャップPGが過大な場合、すなわち、亜鉛メッキ鋼板M1およびM2が離れ過ぎた場合、蒸発反跳力および表面張力等により板間に溶融金属が引き寄せられて、溶接部が凹型状となるアンダーフィル(図1(c)および図1(d)参照)や、引き寄せられた溶融金属が溶接線方向に動的な変化を起こすことで溶け落ち(図1(e)参照)、或いは、全く溶接の効果を生じない分離ビード(分離:図1(f)参照)といった溶接異常等を発生することにもなる。
ここで、レーザ溶接(レーザ重ね溶接)において、重ねギャップPGが適正で溶接が正常なもの(十分な溶接の剛性が得られるもの)としては、図1(b)に示す場合の他に、浅いアンダーフィルの場合(図1(c)参照)も含まれる。なお、このような現象は、亜鉛メッキ鋼板以外にも、溶接面である被覆層が母材よりも沸点が低い様々な被溶接材(例えば、錫メッキ鋼板)等においても生じ得るものである。
ところで、従来、上述したような重ね溶接の品質は、溶接終了後に検査員が目視等により検査(品質判定)を行っていたが、オンラインで溶接個所の品質判定を行って生産効率を向上させると共に品質判定の精度を向上させるために、レーザ溶接システムに対して品質判定装置を設けるものが提案されている。
具体的に、従来、オンラインで溶接個所の欠陥およびその欠陥の種類の判定を行うために、溶接個所からのレーザ散乱光を検出する光検出部と、検出されたレーザ散乱光を電気信号に変換するフォトダイオードと、その電気信号のレベルから欠陥の有無を検出する欠陥検出処理装置とを備えるレーザ溶接欠陥検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来、レーザヘッド(レーザトーチ)の位置や姿勢の影響を受けることなくレーザ溶接部からの光を検出して欠陥検出を行うレーザ溶接欠陥検出装置として、レーザヘッドの筺体内に、被溶接材に照射されるレーザ光の光軸と同軸になるようにしてレーザ溶接部からの光を集光する集光レンズを設け、この集光レンズで集光された光を、レーザ光の反射光と、レーザ溶接で発生するプラズマ光とで分離して検出し、該反射光とプラズマ光の強度に基づいて溶接部の欠陥検出を行うようにしたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、従来、溶接部品質の良否を予測判定すると共に、不良の場合にはその原因を特定するために、YAG溶接部からの可視光(プラズマ光)の発光強度に加えてYAGレーザの反射光の強度を上下2個所に配設したセンサによってそれぞれ検出し、これら検出信号を低周波成分と高周波成分とに分けて測定し、これら都合8種類の信号情報に基づいて溶接部の品質を判定するYAGレーザ溶接部の品質モニタリング方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、従来、母材より沸点の低い物質の被覆層を持つ表面処理鋼材の重ね溶接における溶接部の品質判定を行うものとして、光センサにより検出されたキーホール発光信号の30Hz以下における低周波数成分強度ピーク−ピーク値SL(t)が重ねギャップ過大時の溶接異常発生時に予め設定した閾値Th1に対して関係式|SL(t)|>Th1が成立することを利用し、重ねギャップ変動量に起因する異常を精度良く検知するレーザ溶接品質モニタリング方法および装置も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開平11−058046号公報 特開平11−129082号公報 特開2000−271768号公報 特開2002−126885号公報
図2は関連技術としてのレーザ溶接部の品質判定装置の一例を概略的に示す図であり、図3は図2に示すレーザ溶接部の品質判定装置による判定の様子を説明するための図である。図2において、参照符号1はレーザヘッド、11はビームスプリッタ、2は光検出器、21はフィルタ、3は増幅器、4は処理装置を示している。また、参照符号はM1およびM2は被溶接材である亜鉛メッキ鋼板を示し、また、MPはレーザ溶接部を示し、そして、LBはレーザ光を示している。
図2に示されるように、関連技術としてのレーザ溶接部の品質判定装置は、例えば、レーザヘッド1の上端部に、該レーザヘッド1から照射されるレーザ光に対して同軸上で検出する光検出器2を備えている。レーザ光(YAGレーザ)LBは、ビームスプリッタ11により光路が変更されて亜鉛メッキ鋼板M1,M2に照射される。ここで、レーザヘッド1は、例えば、産業用ロボットに取り付けられ、溶接対象となる被溶接材(亜鉛メッキ鋼板M1,M2:例えば、自動車の車体の所定個所)に沿って移動され、レーザ重ね溶接がレーザ溶接部MPで連続的に行われる。
そして、レーザ溶接部MPからの光DLは、ビームスプリッタ11を透過し、フィルタ(干渉フィルタ)21を介して光検出器2に到達する。ここで、フィルタ21は、レーザ光LBがレーザ溶接部MPで反射される光を低減し、重ね溶接に伴ってレーザ溶接部MPから発生する光だけを透過させるためのものであり、このフィルタ21により、光検出器2は、重ね溶接に伴ってレーザ溶接部MPから発生する光だけを検出することができる。なお、光検出器2は、例えば、フォトダイオードにより構成されている。
光検出器2からの光検出信号(発光変動信号)DSは、増幅器3で増幅された後、処理装置(コンピュータ)4に供給され、レーザ溶接部MPの品質判定が行われるようになっている。
図3に示されるように、図2に示すレーザ溶接部の品質判定装置における処理装置4は、増幅器3を介して入力される光検出器2からの光検出信号DSを、例えば、帯域透過フィルタを使用して100〜500Hzの高周波成分と2〜10Hzの低周波成分とに分けて解析し、レーザ溶接部MPの品質を判定するようになっている。
すなわち、図2に示す関連技術としてのレーザ溶接部の品質判定装置においては、発光変動信号(光検出信号DS)の高周波成分(100〜500Hz)および低周波成分(2〜10Hz)から、例えば、レーザ溶接部MPにおける『フキ』、『正常』、『溶け落ち』および『穴あき』等の品質判定を行うことは可能であった。
図4は図2に示すレーザ溶接部の品質判定装置における課題を説明するための図である。
図4に示されるように、上述した関連技術のレーザ溶接部の品質判定装置において、例えば、重ねギャップPGが0.4〜0.5mmでアンダーフィル(浅いアンダーフィルまたは深いアンダーフィル)や溶け落ちが生じた場合の高周波成分の発光変動(100〜500Hzの発光変動信号)と、重ねギャップPGが0.6mm以上で分離ビードが生じた場合の高周波成分の発光変動とは、その形状はほとんど同じであるため、アンダーフィル(溶け落ち)と分離ビードの判別が困難である。さらに、フキと正常の判別も困難な場合もある。
本発明は、上述したレーザ溶接部の品質判定技術における課題に鑑み、レーザ重ね溶接における重ねギャップの大きさに起因する溶接異常を精度良く検知し、オンラインでレーザ溶接部の品質判定を行うことが可能なレーザ溶接部の品質判定装置および方法、並びに、レーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体の提供を目的とする。
本発明の第1の形態によれば、被溶接材に対してレーザ光を移動しながら照射して行う重ね溶接におけるレーザ溶接部の品質を判定するレーザ溶接部の品質判定装置であって、前記重ね溶接に伴って前記レーザ溶接部から発生する光を、前記照射されるレーザ光に対して同軸上で、且つ、前記レーザ光の移動方向における第1,第2および第3の少なくとも異なる3つの位置で検出する複数の光検出素子を含む光検出器と、前記光検出器から出力される前記レーザ光の移動方向における前記第1の位置で検出された第1の光検出信号,前記第2の位置で検出された第2の光検出信号および前記第3の位置で検出された第3の光検出信号を受け取り、前記第1の光検出信号および前記第2の光検出信号の高周波成分の強度変動値、および、前記第3の光検出信号の高周波成分および低周波数成分の強度値をそれぞれ所定の閾値と比較して前記レーザ溶接部の品質判定を行う品質判定手段と、を備えることを特徴とするレーザ溶接部の品質判定装置が提供される。
本発明の第2の形態によれば、被溶接材に対してレーザ光を移動しながら照射して行う重ね溶接におけるレーザ溶接部の品質を判定するレーザ溶接部の品質判定方法であって、前記重ね溶接に伴って前記レーザ溶接部から発生する光を、前記照射されるレーザ光に対して同軸上で、且つ、前記レーザ光の移動方向における第1,第2および第3の少なくとも異なる3つの位置で検出する光検出段階と、前記光検出段階で得られた前記レーザ光の移動方向における前記第1の位置で検出された第1の光検出信号,前記第2の位置で検出された第2の光検出信号および前記第3の位置で検出された第3の光検出信号を受け取り、前記第1の光検出信号および前記第2の光検出信号の高周波成分の強度変動値、および、前記第3の光検出信号の高周波成分および低周波数成分の強度値をそれぞれ所定の閾値と比較して前記レーザ溶接部の品質判定を行う品質判定段階と、を備えることを特徴とするレーザ溶接部の品質判定方法が提供される。
本発明の第3の形態によれば、コンピュータによって実行させるプログラムを記録した媒体であって、該プログラムは、被溶接材に対してレーザ光を移動しながら照射して行う重ね溶接に伴って前記レーザ溶接部から発生する光を、前記照射されるレーザ光に対して同軸上で、且つ、前記レーザ光の移動方向における第1列目、第3列目および第5列目の少なくとも異なる3つの位置で検出した第1列目、第3列目および第5列目の光検出信号を受け取って前記レーザ溶接部の品質判定を行わせるものであり、前記第1列目の光検出信号および前記第3列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値、および、前記第5列目の光検出信号の高周波成分および低周波数成分の強度値をそれぞれ所定の閾値と比較して前記レーザ溶接部の品質判定を行わせることを特徴とするレーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体が提供される。
本発明によれば、レーザ重ね溶接における重ねギャップの大きさに起因する溶接異常を精度良く検知し、オンラインでレーザ溶接部の品質判定を行うことが可能なレーザ溶接部の品質判定装置および方法、並びに、レーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体を提供することができる。
まず、本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置および方法、並びに、レーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体の実施例を詳述する前に、本発明の着眼点を概略的に説明する。
図5は亜鉛メッキ材同士のレーザ溶接における重ねギャップの違いによる溶接の変化の様子をレーザ溶接部の画像と共に概念的に示す図である。
図5に示されるように、レーザ光による重ね溶接は、被溶接材である亜鉛メッキ鋼板M1,M2に対してレーザ光を移動させながら照射して行う。図5(a)〜図5(h)に示されるように、レーザ溶接部から発生する光は、重ね溶接の対象となる2枚の亜鉛メッキ鋼板M1,M2の間の重ねギャップPGの大きさにより、レーザ光の移動方向(レーザ溶接が進行する方向:図5(a)〜図5(h)において矢印で示される左から右方向)に対して異なる形状となることが分かる。特に、レーザ光の移動方向に対して、レーザ溶接部MPからの光(発光部)の尾を引く様子が違うのが分かる
本発明は、重ねギャップPGに応じて変化するレーザ光の移動方向におけるレーザ溶接部から発生する光を、照射されるレーザ光に対して同軸上で、且つ、レーザ光の移動方向における異なる位置で検出し、このレーザ光の移動方向における異なる位置で検出された光検出信号を解析することでレーザ溶接部の品質判定を行うものである。
以下、本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置および方法、並びに、レーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体の実施例を、添付図面を参照して詳述する。
図6は本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置の一実施例を概略的に示す図である。図6において、参照符号1はレーザヘッド、11はビームスプリッタ、21はフィルタ、22はマウント、5はフォトダイオードアレー、51はテレコンバータ、そして、52は信号ケーブルを示している。さらに、参照符号30は増幅器、31は信号ケーブル、32は端子台、そして、4は処理装置を示している。また、参照符号はM1およびM2は被溶接材である亜鉛メッキ鋼板、PGは亜鉛メッキ鋼板M1,M2の間の重ねギャップ、MPはレーザ溶接部、そして、LBはレーザ光を示している。
図6に示されるように、本発明に係る1実施例のレーザ溶接部の品質判定装置は、例えば、レーザヘッド1の上端部に、該レーザヘッド1から照射されるレーザ光に対して同軸上で検出するフォトダイオードアレー5を備えている。レーザ光(例えば、YAGレーザ:1064nm)LBは、ビームスプリッタ11により光路が変更されて亜鉛メッキ鋼板M1,M2に照射される。ここで、レーザヘッド1は、例えば、産業用ロボットに取り付けられ、溶接対象となる被溶接材(亜鉛メッキ鋼板M1,M2:例えば、自動車の車体の所定個所)に沿って移動され、レーザ重ね溶接がレーザ溶接部MPで連続的に行われる。
レーザ溶接部MPからの光は、ビームスプリッタ11およびフィルタ(干渉フィルタまたは透過フィルタ)21を介してフォトダイオードアレー5で検出される。なお、フォトダイオードアレー5にはテレコンバータ(例えば、2倍のテレコンバータ)51が設けられ、さらに、マウント(例えば、Cマウント)22によりレーザヘッド1に体して着脱可能とされている。
フォトダイオードアレー5で検出された光検出信号DASは、信号選2を介して増幅器30に供給され、増幅器30で増幅された後、信号線31および端子台32を介して処理装置(コンピュータ)4に供給され、処理装置4において、レーザ溶接部の判定が行われる。
図7は図6に示すレーザ溶接部の品質判定装置における光検出器の一例を示す図である。
図7に示されるように、光検出器(フォトダイオードアレー5)は、縦および横方向に5×5のフォトダイオード(光検出素子)が配列されたフォトダイオードアレーとして構成され、このフォトダイオードアレー5における各フォトダイオードの出力信号が増幅器30等を介して処理装置4へ供給される。なお、図7において、フォトダイオードアレー5は、5×5のフォトダイオードが1チップ構成として配列されているが、本発明に適用する光検出器5としては、後述するように、5×5のフォトダイオードが配列されたものに限定されるものではない。
図8は図7に示す光検出器からの検出信号の取り出し方の一例を説明するための図である。
図6〜図8に示されるように、例えば、5×5のフォトダイオードが配列された1チップ構成のフォトダイオードアレー5の出力信号52は、25チャンネルの信号線52を介して増幅器30へ供給される。増幅器30では、縦方向(列方向)の各5つのフォトダイオードa1〜e1,a2〜e2,a3〜e3,a4〜e4,a5〜e5の出力信号をそれぞれ加算器で加算すると共に、横方向(行方向)の各5つのフォトダイオードa1〜a5,b1〜b5,c1〜c5,d1〜d5,e1〜e5の出力信号をそれぞれ加算器で加算して、10チャンネルの信号線31および端子台32を介して列方向の5つの信号および行方向の5つの信号を処理装置4へ供給する。
このように、5×5のフォトダイオードアレー5からの25チャンネルの光検出信号DASを10チャンネルの信号にして処理装置4へ供給することにより、処理装置4では、例えば、16チャンネル入力のA/Dボードを使用することが可能になる。また、例えば、列方向の各5つのフォトダイオードの出力信号を加算することにより、フォトダイオードアレー5により検出されるデータをある程度平滑化することができる。
なお、以下の説明では、5×5のフォトダイオードが配列された1チップ構成のフォトダイオードアレー5における列方向の各5つのフォトダイオードの出力信号を加算した信号(レーザ光の移動方向に対して第1〜第5列目の5つの信号)を使用してレーザ溶接部の判定を行っているが、例えば、さらに、行方向の各5つのフォトダイオードの出力信号を加算した信号も使用してレーザ溶接部の判定を行うことも可能である。また、列方向に1つずつフォトダイオードを設け(1行だけのラインセンサ)、各列ごとに加算を行うことなくレーザ光の移動方向に対する第1〜第5列目の5つの信号を使用してレーザ溶接部の判定を行うことも可能である。或いは、実際に使用する列(例えば、第1列、第3列および第5列)に相当する位置にだけフォトダイオードを設けて光検出器を構成することもできる。
さらに、光検出器は、5×5に限定されるものではなく、例えば、16×16のフォトダイオードが配列されたフォトダイオードアレーであってもよく、その場合、実際に判定に使用する信号も、例えば、第1列〜第16列(或いは、その中の適切な列)の信号となるのはいうまでもない。また、本実施例では、光検出器5からの光検出信号を、例えば、5KHzでサンプリングして処理しているが、レーザ光の移動速度(レーザ溶接の処理速度)等によりサンプリング周波数を低下させても問題なければ、例えば、CCD等の撮像素子を光検出器5として使用することも可能である。
すなわち、本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置は、様々な構成の光検出器を使用することができるが、その特徴は、重ね溶接に伴ってレーザ溶接部から発生する光を、レーザ光の移動方向における異なる位置で検出してレーザ溶接部の品質判定を行うことであり、従って、本発明に適用される光検出器は、レーザ光の移動方向において複数の光検出素子を備えていればよい。
図9は図7に示す光検出器におけるレーザ溶接部の大きさの設定を説明するための図である。
図7および9に示されるように、例えば、5×5のフォトダイオードが配列された一辺が7.5mmの正方形の窓(光検出部)を有するフォトダイオードアレー5において、レーザ溶接部MPからの光(発光部)の大きさは、例えば、φ2mm程度の大きさに設定するのが好ましい。そこで、図6に示す実施例では、レーザヘッド1における光学系(例えば、レーザ溶接部MPが約2倍になる光学系)に加えて、2倍のテレコンバータ51を設け、例えば、φ0.5mm程度のビーム径のレーザ溶接部MPからの光を、フォトダイオードアレー5の光検出部において約φ2mmに拡大して検出(撮像)させるようになっている。なお、テレコンバータ51を設けるか否か、或いは、その倍率等は、レーザヘッド1における光学系およびフォトダイオードアレー(光検出器)5の構成等により変化するのはいうまでもない。
図10は図7に示す光検出器におけるレーザ溶接部の大きさの設定を説明するための図である。
図10に示されるように、本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置(方法)では、レーザ光の移動方向(レーザ溶接が進行する方向)に対して、レーザ溶接部MPからの光の形状の変化(レーザ溶接部MPの発光部が尾を引く様子の違い)を捉えて該レーザ溶接部MPの判定を行うため、レーザ溶接部MPの発光部の後端(図10における発光部の左端)がフォトダイオードアレー5の第2列目L2と第3列目L3との境界になるように位置決めされ、レーザ溶接部MPの発光部が尾を引いたときにその尾を引いた部分を第3列目L3〜第5列目L5で検出できるようになっている。
このフォトダイオードアレー5の光検出部(窓)におけるレーザ溶接部MPの発光部の位置および大きさ等は、被溶接材とレーザヘッド1との距離、被溶接材の種類や厚さ、使用するレーザ光の強度、並びに、レーザ光の移動速度(レーザ溶接の処理速度)等の様々な条件に応じて設定され、適切な位置決めを行うようになっている。なお、このフォトダイオードアレー5の光検出部に対するレーザ溶接部MPの発光部の設定処理は、例えば、レーザ溶接を開始する前等に適宜行われる。
図11〜図14は本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理(フキと正常の判定)を説明するための図である。
図11および図12は、例えば、図10に示されるように、レーザ溶接部MPから発生する光(発光部)をフォトダイオードアレー5の光検出部に設定した場合におけるフォトダイオードアレー5の第3列目L3により検出された信号の高周波成分の発光変動(第3列目L3により検出された信号における周波数成分が100〜500Hzの信号の時間に対する発光強度のピークトゥピーク(PEAK TO PEAK)の変動)を示す図である。ここで、図11(a)は被溶接材(亜鉛メッキ鋼板)M1,M2の間の重ねギャップPG=0mm『フキ』の場合を示し、図11(b)はPG=0.1mm『正常』の場合を示し、図11(c)はPG=0.2mm『正常』の場合を示し、図11(d)はPG=0.24mm『正常』の場合を示し、図12(a)はPG=0.3mm『正常(浅いアンダーフィル』の場合を示し、図12(b)はPG=0.4mm『溶け落ち』の場合を示し、図12(c)はPG=0.5mm『溶け落ち』の場合を示し、そして、図12(d)はPG=0.6mm『分離』の場合を示している。
図11(a)と、その他の図(図11(b),図11(c)および図12(a)〜図12(d))との比較から明らかなように、『フキ』の場合(PG=0mm)におけるフォトダイオードアレー5の第3列目L3により検出された信号の高周波成分の発光変動は、その他の場合(PG=0.1mm〜0.6mm)の発光変動とは明らかに異なり、発光変動(輝度変動)が非常に大きいことが分かる。すなわち、フォトダイオードアレー5の第3列目L3により検出された信号の高周波成分の発光変動から、『フキ』の場合とそれ以外の場合とを区別して判定することができる。
図13は、レーザ溶接の時間経過(レーザ光の移動)に対するレーザ溶接部MPから発生する光の変化(発光部の形状の変化)の様子を概念的に示す図であり、図13(a)は『フキ』発生時(図11(a)に示すPG=0mmの場合)におけるレーザ溶接部MPから発生する光の変化の様子を示し、また、図13(b)は『正常』時(図11(b)に示すPG=0.1mmの場合)におけるレーザ溶接部MPから発生する光の変化の様子を示している。
図13(a)に示される『フキ』の場合(PG=0mm)におけるフォトダイオードアレー5の第3列目L3により検出された信号の高周波成分の発光変動は非常に大きく、図13(b)に示される『正常』の場合(PG=0.1mm)の発光変動とは明らかに異なることが分かる。
図14は、『フキ』の判定をより一層高い精度で行う判定処理を説明するためのものである。ここで、図14(a)は、フォトダイオードアレー5の第3列目L3により検出された信号の高周波成分の発光変動が『溶け落ち』(PG=0.5mm)の場合でも『フキ』の場合と類似した変化を示すことがある様子を示す図であり、また、図14(b)は、『フキ』の場合にフォトダイオードアレー5の第5列目L5により検出された信号の高周波成分の発光強度を使用することで、より一層高い精度で『フキ』の判定が可能なことを説明するための図である。
図14(a)に示されるように、図11〜図13を参照して説明した『フキ』(PG=0mm)の判定は、フォトダイオードアレー5の第3列目L3によってレーザ溶接部MPからの光(発光部)における発光中心からレーザ光の移動方向に対してやや後方の列の光検出信号を使用するが、この第3列目L3による光検出信号では、例えば、『溶け落ち』(PG=0.5mm)の場合と上記『フキ』の場合との区別がつき難いことがある。なお、フォトダイオードアレー5の第3列目L3の光検出信号による判定は、後に詳述するが、例えば、第3列目L3における発光変動幅の移動平均(例えば、前後500点)を所定の閾値(第1の閾値Th1)と比較することで行う。
そこで、図14(b)に示されるように、『フキ』の場合と『溶け落ち』の場合とを明確に判別するために、例えば、フォトダイオードアレー5の第3列目L3の光検出信号による判定だけでなく、第5列目L5の光検出信号による判定も行うようにする。すなわち、図14(a)の右下図に示されるように、例えば、『溶け落ち』(PG=0.5mm)の場合のレーザ溶接部MPからの光はその形状が長く尾を引いているため、フォトダイオードアレー5の第5列目L5の光検出信号にも大きな発光強度として現出することになる。これに対して、図14(b)の下図から明らかなように、『フキ』(PG=0mm)の場合のレーザ溶接部MPからの光は、『溶け落ち』の場合ほど尾を引いた形状とはならないため、フォトダイオードアレー5の第5列目L5の光検出信号(例えば、発光変動幅の前後500点の移動平均)を所定の閾値(第5の閾値Th5)と比較することにより、より一層高い精度で『フキ』の判定を行うことが可能になる。
図15〜図17は本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理(正常,フキと溶け落ちの判定)を説明するための図である。
図15および図16は、例えば、図10に示されるように、レーザ溶接部MPから発生する光をフォトダイオードアレー5の光検出部に設定した場合におけるフォトダイオードアレー5の第1列目L1により検出された信号の高周波成分の発光変動(第1列目L1により検出された信号における周波数成分が100〜500Hzの信号の時間に対する発光強度のピークトゥピークの変動)を示す図である。ここで、図15(a)は被溶接材M1,M2の間の重ねギャップPG=0mm『フキ』の場合を示し、図15(b)はPG=0.1mm『正常』の場合を示し、図15(c)はPG=0.2mm『正常』の場合を示し、図15(d)はPG=0.24mm『正常』の場合を示し、図16(a)はPG=0.3mm『正常(浅いアンダーフィル』の場合を示し、図16(b)はPG=0.4mm『溶け落ち』の場合を示し、図16(c)はPG=0.5mm『溶け落ち』の場合を示し、そして、図16(d)はPG=0.6mm『分離』の場合を示している。
図15(a)〜図15(d)および図16(a)と、図16(b)〜図16(d)との比較から明らかなように、『フキ』および『正常』の場合(PG=0mm〜0.3mm)におけるフォトダイオードアレー5の第1列目L1により検出された信号の高周波成分の発光変動は、『溶け落ち』(および『分離』)の場合(PG=0.4mm〜0.6mm)の発光変動とは明らかに異なり、発光変動(輝度変動)が非常に大きいことが分かる。すなわち、フォトダイオードアレー5の第1列目L1により検出された信号の高周波成分の発光変動から、『フキ』および『正常』の場合と『溶け落ち』(および『分離』)の場合を判別することができる。なお、図11〜図14を参照して説明したように、『フキ』の場合は、既に判定がなされているため、『正常』の場合と『溶け落ち』(および『分離』)の場合とを区別して判定することが可能になる。
図17は、レーザ溶接の時間経過(レーザ光の移動)に対するレーザ溶接部MPから発生する光の変化(発光部の形状の変化)の様子を概念的に示す図であり、図17(a)は『正常』時(図15(b)に示すPG=0.1mmの場合)におけるレーザ溶接部MPから発生する光の変化の様子を示し、また、図17(b)は『溶け落ち』時(図16(c)に示すPG=0.5mmの場合)におけるレーザ溶接部MPから発生する光の変化の様子を示している。
図17(a)に示される『正常』の場合(PG=0.1mm)におけるフォトダイオードアレー5の第1列目L1により検出された信号の高周波成分の発光変動は非常に大きく、図17(b)に示される『溶け落ち』の場合(PG=0.5mm)の発光変動とは明らかに異なることが分かる。これは、例えば、『正常』の場合および『溶け落ち』の場合におけるレーザ溶接部MPの発光部の形状変化というよりは、むしろレーザ溶接部MPから発生する光の強度そのものの変化が大きいためであると考えられる。
図18〜図20は本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理(溶け落ち,フキと正常,分離の判定)を説明するための図である。
図18および図19は、例えば、図10に示されるように、レーザ溶接部MPから発生する光をフォトダイオードアレー5の光検出部に設定した場合におけるフォトダイオードアレー5の第5列目L5により検出された信号の高周波成分の発光強度(第5列目L5により検出された信号における周波数成分が100〜500Hzの信号の時間に対する発光強度の移動平均)を示す図である。
ここで、図18(a)は重ねギャップPG=0mm『フキ』の場合を示し、図18(b)はPG=0.1mm『正常』の場合を示し、図18(c)はPG=0.2mm『正常』の場合を示し、図18(d)はPG=0.24mm『正常』の場合を示し、図19(a)はPG=0.3mm『正常(浅いアンダーフィル』の場合を示し、図19(b)はPG=0.4mm『溶け落ち』の場合を示し、図19(c)はPG=0.5mm『溶け落ち』の場合を示し、そして、図19(d)はPG=0.6mm『分離』の場合を示している。
図18(b)〜図18(d)(並びに、図9(a)),図19(a)および図19(d)と、図19(b)および図19(c)との比較から明らかなように、『溶け落ち』の場合(PG=0.4mm〜0.5mm)におけるフォトダイオードアレー5の第5列目L5により検出された信号の高周波成分の発光強度は、例えば、『正常』の場合(PG=0.1mm〜0.3mm)の発光強度とは明らかに異なり、発光(輝度)が非常に大きいことが分かる。すなわち、フォトダイオードアレー5の第5列目L5により検出された信号の高周波成分の発光強度から、『溶け落ち』の場合を判定することが可能になる。
なお、後述するように、『フキ』の場合におけるフォトダイオードアレー5の第5列目L5により検出された信号の高周波成分の発光強度は、『正常』よりも『溶け落ち』の場合に近いが、後述するように、『フキ』は、このフォトダイオードアレー5の第5列目L5により検出された信号の高周波成分による判定処理の前に、既に判定されているため問題になることはない。
また、図20(a)に示される『正常』の場合(PG=0.1mm)におけるフォトダイオードアレー5の第5列目L5により検出された信号の高周波成分の発光強度は小さく、逆に、図20(b)に示される『溶け落ち』の場合(PG=0.5mm)の発光強度は大きいため、例えば、『正常』の場合と『溶け落ち』の場合を明瞭に区別して判定することができる。
さらに、前述した図16(c)および図16(d)に示すフォトダイオードアレー5の第1列目L1により検出された信号の高周波成分の発光変動では大きな違いが現れなかった『溶け落ち』および『分離』に関しては、図19(c)と図19(d)との比較から明らかなように、フォトダイオードアレー5の第5列目L5により検出された信号の高周波成分の発光強度から、『溶け落ち』の場合と『分離』の場合を明瞭に区別して判定することが可能になる。
図21〜図23は本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理(凹凸状ビードの判定)を説明するための図である。
図21および図22は、例えば、図10に示されるように、レーザ溶接部MPから発生する光をフォトダイオードアレー5の光検出部に設定した場合におけるフォトダイオードアレー5の第5列目L5により検出された信号の低周波成分の発光強度(第5列目L5により検出された信号における周波数成分が2〜10Hzの信号の時間に対する発光強度の移動平均)を示す図である。
ここで、図21(a)は重ねギャップPG=0mm『フキ』の場合を示し、図21(b)はPG=0.1mm『正常』の場合を示し、図21(c)はPG=0.2mm『正常』の場合を示し、図21(d)はPG=0.24mm『正常』の場合を示し、図22(a)はPG=0.3mm『正常(浅いアンダーフィル』の場合を示し、図22(b)はPG=0.4mm『溶け落ち』の場合を示し、図22(c)はPG=0.5mm『溶け落ち』の場合を示し、そして、図22(d)はPG=0.6mm『分離』の場合を示している。
図21(a)〜図21(d),図22(a)および図22(d)と、図22(b)および図22(c)との比較から明らかなように、『凹凸状ビード』の場合(PG=0.4mm〜0.5mm:特に、ビードが凹凸状になる場合)におけるフォトダイオードアレー5の第5列目L5により検出された信号の低周波成分の発光強度は、例えば、『正常』の場合(PG=0.1mm〜0.3mm)の発光強度とは明らかに異なる。
図23(a)に示される『正常』の場合(PG=0.1mm)におけるフォトダイオードアレー5の第5列目L5により検出された信号の低周波成分の発光変動は小さく、逆に、図23(b)に示される『溶け落ち』の場合(PG=0.5mm)の発光変動は大きいため、例えば、『正常』の場合と『溶け落ち』(凹凸状ビード)の場合を明瞭に区別して判定することができる。
図24〜図30は本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理を説明するための図であり、ここでは、重ねギャップ(PG)を6つの分類に分けて判定する様子を示している。なお、図24はレーザ溶接部における品質の判定処理の全体を概略的に説明するための図であり、図25〜図30はレーザ溶接部における品質の判定処理をより詳細に説明するための図である。
図24は、本発明に係るレーザ溶接部における品質の判定処理を概略的に示すものであり、図24(a)は『フキ』判定処理(図25参照)を示し、図24(b)は『正常』判定処理(図26および図27参照)を示し、図24(c)は『溶け落ち』と『分離』の判定処理(図28および図29参照)を示し、そして、図24(d)は『溶け落ち』における『凹凸状ビード』の判定処理(図30参照)を示している。
すなわち、本実施例のレーザ溶接部における品質の判定処理は、まず、図24(a)に示されるように、レーザ溶接部MPの発光部を光検出部(フォトダイオードアレー)5における第3列目L3のフォトダイオードにより検出された信号の高周波成分を使用して判定し、次いで、図24(b)に示されるように、第1列目L1のフォトダイオードにより検出された信号の高周波成分を使用して判定し、さらに、図24(c)に示されるように、第5列目L5のフォトダイオードにより検出された信号の高周波成分を使用して判定し、そして、第5列目L5のフォトダイオードにより検出された信号の低周波成分を使用して判定する。
次に示す表1は、図25〜図30に示すレーザ溶接部における品質の判定処理をまとめたものである。
Figure 0004873854
表1の重ねギャップの欄において、符号(a)は重ねギャップが過小で、例えば、PG=0mm『フキ』の場合を示し、符号(b)〜(d)は重ねギャップが過大で、例えば、符号(b)はPG=0.4〜0.5mm『溶け落ち(深いアンダーフィル)』の場合を示し、符号(c)はPG=0.6mm『分離』の場合を示し、そして、符号(d)はPG=0.4〜0.5mm『凹凸状ビード』の場合を示している。さらに、表1の重ねギャップの欄において、符号(e)および(f)は重ねギャップが正常で、例えば、符号(e)はPG=0.3mm『正常(浅いアンダーフィル)』の場合を示し、また、符号(f)はPG=0.2mm『正常(適正)』の場合を示している。
なお、表1および図25〜図30において、参照符号SH-i(t)は、例えば、図10に示されるように、レーザ溶接部MPから発生する光をフォトダイオードアレー5の光検出部に設定した場合におけるフォトダイオードアレー5の第i列目(Li)により検出された信号の高周波成分の発光強度加算値(第i列目Liのフォトダイオードにより検出された信号を加算し、その周波数成分が100〜500Hzの信号である発光強度高周波成分加算値を示し、F-i(t)はこの発光強度高周波成分加算値SH-i(t)の変動値を示し、そして、SL-i(t)は、フォトダイオードアレー5の第i列目(Li)により検出された信号の低周波成分の発光強度加算値(第i列目Liのフォトダイオードにより検出された信号を加算し、その周波数成分が2〜10Hzの信号である発光強度低周波成分加算値を示している。
まず、表1の重ねギャップの欄における符号(a)および図25(a)に示されるように、光検出器(フォトダイオードアレー5)の第3番目の列L3における発光強度高周波成分加算値SH-3(t)の変動値F-3(t)を第1の閾値Th1と比較すると共に、表1の重ねギャップの欄における符号(a)および図25(b)に示されるように、第5番目の列L5における発光強度高周波成分加算値SH-5(t)を第5の閾値Th5と比較する。そして、Th1<F-3(t),且つ,SH-5(t)<Th5ならば、重ねギャップPGが過小で亜鉛(Zn)の急速蒸発による溶融金属飛散(『フキ』)と判定する。
次に、表1の重ねギャップの欄における符号(f)および図26(a)に示されるように、フォトダイオードアレー5の第3番目の列L3における発光強度高周波成分加算値SH-3(t)の変動値F-3(t)を第1の閾値Th1と比較し、また、表1の重ねギャップの欄における符号(f)および図26(b)に示されるように、第1番目の列L1における発光強度高周波成分加算値SH-1(t)の変動値F-1(t)を第2の閾値Th2と比較し、さらに、表1の重ねギャップの欄における符号(f)および図26(c)に示されるように、第5番目の列L5における発光強度高周波成分加算値SH-5(t)を第5の閾値Th5と比較する。そして、F-3(t)≦Th1,且つ,Th2<F-1(t),且つ,SH-5(t)≦Th5ならば、重ねギャップPGが適正であり溶融部安定(『正常(適正)』)と判定する。
また、表1の重ねギャップの欄における符号(e)および図27(a)に示されるように、フォトダイオードアレー5の第3番目の列L3における発光強度高周波成分加算値SH-3(t)の変動値F-3(t)を第1の閾値Th1と比較し、また、表1の重ねギャップの欄における符号(e)および図27(b)に示されるように、第1番目の列L1における発光強度高周波成分加算値SH-1(t)の変動値F-1(t)を第2の閾値Th2および第3の閾値Th3と比較し、さらに、表1の重ねギャップの欄における符号(e)および図27(c)に示されるように、第5番目の列L5における発光強度高周波成分加算値SH-5(t)を第5の閾値Th5と比較する。そして、F-3(t)≦Th1,且つ,Th3<F-1(t)≦Th2,且つ,SH-5(t)≦Th5ならば、重ねギャップPGがやや大きく溶融部安定(やや溶融部落ち込み:『正常(浅いアンダーフィル)』)と判定する。
さらに、表1の重ねギャップの欄における符号(b)および図28(a)に示されるように、フォトダイオードアレー5の第3番目の列L3における発光強度高周波成分加算値SH-3(t)の変動値F-3(t)を第1の閾値Th1と比較し、また、表1の重ねギャップの欄における符号(b)および図28(b)に示されるように、第1番目の列L1における発光強度高周波成分加算値SH-1(t)の変動値F-1(t)を第3の閾値Th3と比較し、さらに、表1の重ねギャップの欄における符号(b)および図28(c)に示されるように、第5番目の列L5における発光強度高周波成分加算値SH-5(t)を第4の閾値Th4(<Th5)と比較する。そして、F-3(t)≦Th1,且つ,F-1(t)≦Th3,且つ,Th4<SH-5(t)ならば、重ねギャップPGが過大で板間溶融金属吸寄せによる溶融部落ち込み(『溶け落ち(深いアンダーフィル)』)と判定する。
また、表1の重ねギャップの欄における符号(c)および図29(a)に示されるように、フォトダイオードアレー5の第3番目の列L3における発光強度高周波成分加算値SH-3(t)の変動値F-3(t)を第1の閾値Th1と比較し、また、表1の重ねギャップの欄における符号(c)および図29(b)に示されるように、第1番目の列L1における発光強度高周波成分加算値SH-1(t)の変動値F-1(t)を第3の閾値Th3と比較し、さらに、表1の重ねギャップの欄における符号(c)および図29(c)に示されるように、第5番目の列L5における発光強度高周波成分加算値SH-5(t)を第4の閾値Th4と比較する。そして、F-3(t)≦Th1,且つ,F-1(t)≦Th3,且つ,SH-5(t)≦Th4ならば、重ねギャップPGが過大で板間溶融金属の完全分離(『分離』)と判定する。
そして、表1の重ねギャップの欄における符号(d)および図30に示されるように、フォトダイオードアレー5の第5番目の列L5における発光強度低周波成分加算値SL-5(t)を第6の閾値Th6(>Th5)と比較し、Th6<SL-5(t)ならば、重ねギャップPGが過大で板間溶融金属吸寄せによる溶着量変動(『凹凸状ビード』)と判定する。
なお、光検出器5は、5×5のフォトダイオードが配列された1チップ構成のフォトダイオードアレーに限定されるものではなく、例えば、列方向に1つずつフォトダイオードを設けたもの(ラインセンサ)、或いは、実際に使用する列(例えば、第1列、第3列および第5列)に相当する位置にだけフォトダイオードを設けたものであってもよい。さらに、光検出器5は、例えば、16×16のフォトダイオードが配列されたフォトダイオードアレーであってもよい。また、上述した説明のフォトダイオードアレーにおける第1列〜第5列も、光検出器5の構成によって様々に変化し得るものであり、また、光検出素子としてもフォトダイオードに限定されるものではないのは前述した通りである。
さらに、例えば、図1および図5等に示す欠陥の種類および分類は単なる例であり、実際には、様々な状態が組み合わされた欠陥、或いは、中間的な欠陥等も存在し、必要に応じて閾値のレベルや数等を変更して様々なレーザ溶接部の品質判定を行うように構成することができる。さらに、例えば、光検出信号の高周波成分は100〜500Hzに限定されるものではなく、また、低周波成分も2〜10Hzに限定されるものでもない。
図31は本発明に係るレーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体の例を説明するための図である。図31において、参照符号310は処理装置、320はプログラム(データ)提供者、そして、330は可搬型記憶媒体を示している。
上述した本発明に係るレーザ溶接部の品質判定方法は、例えば、図31に示すような処理装置310に対するプログラム(データ)として与えられ、処理装置310により実行される。処理装置310は、プロセッサを含む演算処理装置本体311、および、演算処理装置本体311に対してプログラム(データ)を与えたり或いは処理された結果を格納する処理装置側メモリ(例えば、RAM(Random Access Memory)やハードディスク)312等を備える。処理装置310に提供されたプログラム(データ)は、ローディングされて処理装置310のメインメモリ上で実行される。
プログラム(データ)提供者320は、プログラム(データ)を格納する手段(回線先メモリ:例えば、DASD(Direct Access Storage Device))321を有し、例えば、インターネット等の回線を介してプログラム(データ)を処理装置310に提供したり、或いは、CD−ROMや光ディスクまたはフロッピィディスク等の可搬型記憶媒体330を介して処理装置310に提供する。本発明に係るレーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体は、上記の処理装置側メモリ312、回線先メモリ321、および、可搬型記憶媒体330等の様々なものを含むのはいうまでもない。
本発明は、レーザを使用して溶接面である被覆層が母材よりも沸点が低い被溶接材(例えば、亜鉛メッキや錫メッキ鋼板等)の重ね溶接を行うレーザ重ね溶接において、レーザ溶接部の品質判定をオンラインで行う装置に利用可能なものである。
亜鉛メッキ材同士のレーザ溶接における重ねギャップの違いによる溶接の変化の様子を概念的に示す図である。 関連技術としてのレーザ溶接部の品質判定装置の一例を概略的に示す図である。 図2に示すレーザ溶接部の品質判定装置による判定の様子を説明するための図である。 図2に示すレーザ溶接部の品質判定装置における課題を説明するための図である。 亜鉛メッキ材同士のレーザ溶接における重ねギャップの違いによる溶接の変化の様子をレーザ溶接部の画像と共に概念的に示す図である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置の一実施例を概略的に示す図である。 図6に示すレーザ溶接部の品質判定装置における光検出器の一例を示す図である。 図7に示す光検出器からの検出信号の取り出し方の一例を説明するための図である。 図7に示す光検出器におけるレーザ溶接部の大きさの設定を説明するための図である。 図7に示す光検出器におけるレーザ溶接部の大きさの設定を説明するための図である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理(フキと正常の判定)を説明するための図(その1)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理(フキと正常の判定)を説明するための図(その2)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理(フキと正常の判定)を説明するための図(その3)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理(フキと正常の判定)を説明するための図(その4)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理(正常,フキと溶け落ちの判定)を説明するための図(その1)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理(正常,フキと溶け落ちの判定)を説明するための図(その2)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理(正常,フキと溶け落ちの判定)を説明するための図(その3)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理(溶け落ち,フキと正常,分離の判定)を説明するための図(その1)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理(溶け落ち,フキと正常,分離の判定)を説明するための図(その2)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理(溶け落ち,フキと正常,分離の判定)を説明するための図(その3)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理(溶け落ちの判定)を説明するための図(その1)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理(溶け落ちの判定)を説明するための図(その2)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理(溶け落ちの判定)を説明するための図(その3)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理を説明するための図(その1)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理を説明するための図(その2)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理を説明するための図(その3)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理を説明するための図(その4)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理を説明するための図(その5)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理を説明するための図(その6)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定装置における判定処理を説明するための図(その7)である。 本発明に係るレーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体の例を説明するための図である。
符号の説明
1 レーザヘッド
4 処理装置(コンピュータ)
5 光検出器(フォトダイオードアレー)
11 ビームスプリッタ
21 フィルタ(干渉フィルタ)
22 マウント
30 増幅器
31,52 信号ケーブル
32 端子台
51 テレコンバータ
310 処理装置
311 演算処理装置本体
312 処理装置側メモリ
320 プログラム(データ)提供者
330 可搬型記憶媒体
CAM1 第1のビデオカメラ
CAM2 第2のビデオカメラ
LB レーザ光(YAGレーザ)
M1,M2 被溶接材(亜鉛メッキ鋼板)
MP レーザ溶接部
PG 重ねギャップ

Claims (26)

  1. 被溶接材に対してレーザ光を移動しながら照射して行う重ね溶接におけるレーザ溶接部の品質を判定するレーザ溶接部の品質判定装置であって、
    前記重ね溶接に伴って前記レーザ溶接部から発生する光を、前記照射されるレーザ光に対して同軸上で、且つ、前記レーザ光の移動方向における第1,第2および第3の少なくとも異なる3つの位置で検出する複数の光検出素子を含む光検出器と、
    前記光検出器から出力される前記レーザ光の移動方向における前記第1の位置で検出された第1の光検出信号,前記第2の位置で検出された第2の光検出信号および前記第3の位置で検出された第3の光検出信号を受け取り、前記第1の光検出信号および前記第2の光検出信号の高周波成分の強度変動値、および、前記第3の光検出信号の高周波成分および低周波数成分の強度値をそれぞれ所定の閾値と比較して前記レーザ溶接部の品質判定を行う品質判定手段と、を備えることを特徴とするレーザ溶接部の品質判定装置。
  2. 請求項1に記載のレーザ溶接部の品質判定装置において、前記光検出器は、前記レーザ光が照射される光路に対してビームスプリッタを介して同軸上となる位置に設けられることを特徴とするレーザ溶接部の品質判定装置。
  3. 請求項1に記載のレーザ溶接部の品質判定装置において、
    前記光検出器は、前記レーザ光が前記レーザ溶接部で反射される光を低減するフィルタを介して、前記重ね溶接に伴って前記レーザ溶接部から発生する光を検出することを特徴とするレーザ溶接部の品質判定装置。
  4. 請求項1に記載のレーザ溶接部の品質判定装置において、
    前記光検出器は、複数のフォトダイオードがアレー状に配置されたフォトダイオードアレーを備えることを特徴とするレーザ溶接部の品質判定装置。
  5. 請求項4に記載のレーザ溶接部の品質判定装置において、
    前記光検出器は、5×5のフォトダイオード素子が配列されたフォトダイオードアレーを備え、
    前記第1、第2および第3光検出信号は、前記フォトダイオードアレーの第1列目、第3列目および第5列目の各フォトダイオード素子の出力を加算した第1列目、第3列目および第5列目の光検出信号であることを特徴とするレーザ溶接部の品質判定装置。
  6. 請求項1に記載のレーザ溶接部の品質判定装置において、前記高周波成分は周波数が100〜500Hzの信号成分であり、且つ、前記低周波成分は周波数が2〜10Hzの信号成分であることを特徴とするレーザ溶接部の品質判定装置。
  7. 被溶接材に対してレーザ光を移動しながら照射して行う重ね溶接におけるレーザ溶接部の品質を判定するレーザ溶接部の品質判定方法であって、
    前記重ね溶接に伴って前記レーザ溶接部から発生する光を、前記照射されるレーザ光に対して同軸上で、且つ、前記レーザ光の移動方向における第1,第2および第3の少なくとも異なる3つの位置で検出する光検出段階と、
    前記光検出段階で得られた前記レーザ光の移動方向における前記第1の位置で検出された第1の光検出信号,前記第2の位置で検出された第2の光検出信号および前記第3の位置で検出された第3の光検出信号を受け取り、前記第1の光検出信号および前記第2の光検出信号の高周波成分の強度変動値、および、前記第3の光検出信号の高周波成分および低周波数成分の強度値をそれぞれ所定の閾値と比較して前記レーザ溶接部の品質判定を行う品質判定段階と、を備えることを特徴とするレーザ溶接部の品質判定方法。
  8. 請求項7に記載のレーザ溶接部の品質判定方法において、前記光検出段階は、前記重ね溶接に伴って前記レーザ溶接部から発生する光を、前記レーザ光が照射される光路に対してビームスプリッタを介して同軸上となる位置で検出することを特徴とするレーザ溶接部の品質判定方法。
  9. 請求項7に記載のレーザ溶接部の品質判定方法において、
    前記光検出段階は、前記レーザ光が前記レーザ溶接部で反射される光を低減するフィルタを介して、前記重ね溶接に伴って前記レーザ溶接部から発生する光を検出することを特徴とするレーザ溶接部の品質判定方法。
  10. 請求項7に記載のレーザ溶接部の品質判定方法において、
    前記光検出段階は、複数のフォトダイオードがアレー状に配置されたフォトダイオードアレーにより、前記重ね溶接に伴って前記レーザ溶接部から発生する光の検出を行うことを特徴とするレーザ溶接部の品質判定方法。
  11. 請求項10に記載のレーザ溶接部の品質判定方法において、
    前記光検出段階は、5×5のフォトダイオード素子が配列されたフォトダイオードアレーにより前記重ね溶接に伴って前記レーザ溶接部から発生する光を検出し、
    前記第1、第2および第3光検出信号は、前記フォトダイオードアレーの第1列目、第3列目および第5列目の各フォトダイオード素子の出力を加算した第1列目、第3列目および第5列目の光検出信号であることを特徴とするレーザ溶接部の品質判定方法。
  12. 請求項11に記載のレーザ溶接部の品質判定方法において、前記品質判定段階は、
    前記第3列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値が第1の閾値よりも大きく、且つ、前記第5列目の光検出信号の高周波成分の発光強度値が第5の閾値以下であれば、前記レーザ溶接部を『フキ』であると判定することを特徴とするレーザ溶接部の品質判定方法。
  13. 請求項12に記載のレーザ溶接部の品質判定方法において、前記品質判定段階は、
    前記第3列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値が第1の閾値以下であり、且つ、前記第1列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値が第2の閾値よりも大きく、且つ、前記第5列目の光検出信号の高周波成分の発光強度値が第5の閾値以下であれば、前記レーザ溶接部を『正常(適正)』であると判定することを特徴とするレーザ溶接部の品質判定方法。
  14. 請求項13に記載のレーザ溶接部の品質判定方法において、前記品質判定段階は、
    前記第3列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値が第1の閾値以下であり、且つ、前記第1列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値が第3の閾値よりも大きく第2の閾値以下であり、且つ、前記第5列目の光検出信号の高周波成分の発光強度値が第5の閾値以下であれば、前記レーザ溶接部を『正常(浅いアンダーフィル)』であると判定することを特徴とするレーザ溶接部の品質判定方法。
  15. 請求項14に記載のレーザ溶接部の品質判定方法において、前記品質判定段階は、
    前記第3列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値が第1の閾値以下であり、且つ、前記第1列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値が第3の閾値以下であり、且つ、前記第5列目の光検出信号の高周波成分の発光強度値が第4の閾値よりも大きければ、前記レーザ溶接部を『溶け落ち(深いアンダーフィル)』であると判定することを特徴とするレーザ溶接部の品質判定方法。
  16. 請求項15に記載のレーザ溶接部の品質判定方法において、前記品質判定段階は、
    前記第3列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値が第1の閾値以下であり、且つ、前記第1列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値が第3の閾値以下であり、且つ、前記第5列目の光検出信号の高周波成分の発光強度値が第4の閾値以下であれば、前記レーザ溶接部を『分離』であると判定することを特徴とするレーザ溶接部の品質判定方法。
  17. 請求項16に記載のレーザ溶接部の品質判定方法において、前記品質判定段階は、前記第5列目の光検出信号の高周波成分の発光強度値が第6の閾値よりも大きければ、前記レーザ溶接部を『凹凸状ビード』であると判定することを特徴とするレーザ溶接部の品質判定方法。
  18. 請求項7に記載のレーザ溶接部の品質判定方法において、前記高周波成分は周波数が100〜500Hzの信号成分であり、且つ、前記低周波成分は周波数が2〜10Hzの信号成分であることを特徴とするレーザ溶接部の品質判定方法。
  19. コンピュータによって実行させるプログラムを記録した媒体であって、該プログラムは、被溶接材に対してレーザ光を移動しながら照射して行う重ね溶接に伴って前記レーザ溶接部から発生する光を、前記照射されるレーザ光に対して同軸上で、且つ、前記レーザ光の移動方向における第1列目、第3列目および第5列目の少なくとも異なる3つの位置で検出した第1列目、第3列目および第5列目の光検出信号を受け取って前記レーザ溶接部の品質判定を行わせるものであり、
    前記第1列目の光検出信号および前記第3列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値、および、前記第5列目の光検出信号の高周波成分および低周波数成分の強度値をそれぞれ所定の閾値と比較して前記レーザ溶接部の品質判定を行わせることを特徴とするレーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体。
  20. 請求項19に記載のレーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体において、前記第3列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値が第1の閾値よりも大きく、且つ、前記第5列目の光検出信号の高周波成分の発光強度値が第5の閾値以下であれば、前記レーザ溶接部を『フキ』であると前記レーザ溶接部の品質判定を行わせることを特徴とするレーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体。
  21. 請求項20に記載のレーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体において、前記第3列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値が第1の閾値以下であり、且つ、前記第1列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値が第2の閾値よりも大きく、且つ、前記第5列目の光検出信号の高周波成分の発光強度値が第5の閾値以下であれば、前記レーザ溶接部を『正常(適正)』であると前記レーザ溶接部の品質判定を行わせることを特徴とするレーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体。
  22. 請求項21に記載のレーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体において、前記第3列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値が第1の閾値以下であり、且つ、前記第1列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値が第3の閾値よりも大きく第2の閾値以下であり、且つ、前記第5列目の光検出信号の高周波成分の発光強度値が第5の閾値以下であれば、前記レーザ溶接部を『正常(浅いアンダーフィル)』であると前記レーザ溶接部の品質判定を行わせることを特徴とするレーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体。
  23. 請求項22に記載のレーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体において、前記第3列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値が第1の閾値以下であり、且つ、前記第1列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値が第3の閾値以下であり、且つ、前記第5列目の光検出信号の高周波成分の発光強度値が第4の閾値よりも大きければ、前記レーザ溶接部を『溶け落ち(深いアンダーフィル)』であると前記レーザ溶接部の品質判定を行わせることを特徴とするレーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体。
  24. 請求項23に記載のレーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体において、前記第3列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値が第1の閾値以下であり、且つ、前記第1列目の光検出信号の高周波成分の強度変動値が第3の閾値以下であり、且つ、前記第5列目の光検出信号の高周波成分の発光強度値が第4の閾値以下であれば、前記レーザ溶接部を『分離』であると前記レーザ溶接部の品質判定を行わせることを特徴とするレーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体。
  25. 請求項24に記載のレーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体において、前記第5列目の光検出信号の高周波成分の発光強度値が第6の閾値よりも大きければ、前記レーザ溶接部を『凹凸状ビード』であると前記レーザ溶接部の品質判定を行わせることを特徴とするレーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体。
  26. 請求項19に記載のレーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体において、前記高周波成分は周波数が100〜500Hzの信号成分であり、且つ、前記低周波成分は周波数が2〜10Hzの信号成分であることを特徴とするレーザ溶接部の品質判定プログラムを記録した媒体。
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