JP4873420B2 - ガス濃度検出装置及びガス濃度検出方法 - Google Patents

ガス濃度検出装置及びガス濃度検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、電気化学式ガスセンサを用いて雰囲気中のガス濃度を検出するガス濃度検出装置及びガス濃度検出方法に関する。
従来より、雰囲気中のガス濃度を検出するガスセンサとして、接触燃焼式、電気化学式、半導体式等が用いられている。そして、例えば燃焼器具においては、燃焼状態を精度良く検出するために、燃焼排ガス中の一酸化炭素を低濃度から検出することが要求され、このように低濃度のガスを検出する用途には電気化学式ガスセンサが向いている。
しかし、電気化学式ガスセンサは、電極の消耗、電極への反応生成物の付着、開口部に設けられるガス透過膜の劣化等により、経時的に感度が次第に低下するという性質を有している。そのため、電気化学式センサを燃焼器具等に採用した場合、使用期間の経過に伴なって一酸化炭素の検出精度が低下するといる不都合がある。
そこで、電気化学式センサの経時的な感度の低下に対処するために、電気化学式ガスセンサの出力を校正する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、電気化学式ガスセンサの検知電極と対向電極間に電圧を印加して、電解液の電気分解により水素を検知電極に発生させ、そのときのセンサの出力と予め設定した基準の出力との比を補正値として、センサの出力を校正する方法が記載されている。
しかし、特許文献1に記載された方法による場合には、電気分解による電解液中の水分の消費を抑えるために校正回数が制限されるという不都合があった。また、発生する水素と酸素による電化学式センサの破損を防止する観点から、水素を発生させる時間が短時間に制限されるため、校正の精度を確保することが難しいという不都合があった。
特開平10−311815号公報
本発明は上記背景を鑑みてなされたものであり、電気化学式センサの出力を校正回数の制限を受けずに精度良く校正して、雰囲気中のガス濃度を検出することができるガス濃度検出装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、第1の開口により雰囲気と連通した第1の筐体内に、対向電極と、電解液保持層と、検知電極とを順に積層した第1の積層構成を収容した第1の電気化学式ガスセンサと、前記第1の開口よりも開口面積が大きい第2の開口により雰囲気と連通した第2の筐体内に、前記第1の積層構成と同一構成の第2の積層構成を収容して、前記第1の電気化学式ガスセンサに近接して配置された第2の電気化学式ガスセンサと、該2個の電気化学式ガスセンサの一方の出力を、該2個の電気化学式ガスセンサの出力の相違に基づいて校正する校正手段と、該校正手段により校正された出力に基づいて、雰囲気中のガス濃度を算出するガス濃度算出手段とを備えたことを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記第1の電気化学式ガスセンサの前記第1の開口よりも、前記第2の電気化学式ガスセンサの前記第2の開口の方が、開口面積が大きくなっている。そして、この開口面積の違いにより、前記第1の電気化学式ガスセンサにおける前記第1の開口を介した前記検知電極への雰囲気ガスの流通のし易さと、前記第2の電気化学式ガスセンサにおける前記第2の開口を介した前記検知電極への雰囲気ガスの流通のし易さが、相違するものとなっている。
このように、本発明では、雰囲気に対する開口部から前記検知電極への雰囲気ガスの流通のし易さが相違する2個の電気化学式ガスセンサが近接して配置される。そして、雰囲気に対する開口部から前記検知電極への雰囲気ガスの流通のし易さが相違する2個のガスセンサを近接して配置した場合、雰囲気中の各種のガスや汚染物質が電気化学式ガスセンサの開口部から電気化学式ガスセンサの内部に浸透して、電気化学式ガスセンサの劣化が進行する度合いは、開口部から前記検知電極への雰囲気ガスの流通がし易い方が大きくなる。そのため、電気化学式ガスセンサの劣化が進行して経時的に感度が低下する度合いは、開口部から前記検知電極への雰囲気ガスの流通がし易い方が大きくなり、2個の電気化学式ガスセンサの経時的な感度の低下度合いは相違する。そして、この感度の低下度合いの相違は、2個の電気化学式ガスセンサの使用期間が長くなるに従って拡大する。
そこで、2個の電気化学式ガスセンサの出力の相違から、2個の電気化学式ガスセンサの感度低下の進行状況を認識することができ、前記校正手段は、前記2個の電気化学式ガスセンサの出力の相違に基づいて、一方の電気化学式センサの出力を校正することができる。そして、前記ガス濃度算出手段は、前記校正手段により校正された出力に基づいて、雰囲気中のガス濃度を精度良く算出することができる。
また、前記校正手段は、前記2個の電気化学式ガスセンサの出力の比に基づいて補正係数を決定し、前記2個の電気化学式ガスセンサの一方の出力に前記補正係数を乗じて、該一方の出力を校正することを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記2個の電気化学式ガスセンサの出力比は、前記2個の電気化学式ガスセンサの感度の低下度合いの相違を反映したものとなる。そこで、前記校正手段は、前記2個の電気化学式ガスセンサの出力の比に基づく前記補正係数を決定し、前記2個の電気化学式ガスセンサの一方の出力に前記補正係数を乗じることにより、該出力を校正することができる。
また、前記2個の電気化学式ガスセンサの出力の差又は該出力の比が所定レベルを超えたときに、前記電気化学式ガスセンサの劣化を報知する劣化報知手段を備えたことを特徴とする。
かかる本発明において、前記2個の電気化学式ガスセンサの出力の差又は該出力の比が所定値を超えたときには、各電気化学式ガスセンサの感度の低下がかなり進行して、正常なガス濃度の検出ができない状況に近付いていると判断することができる。そこで、この場合に前記劣化報知手段により報知を行うことにより、正常なガス濃度の検出ができない状況となる前に、使用者に電気化学式ガスセンサの交換を促すことができる。
また、前記2個の電気化学式ガスセンサのうちのいずれか一方の出力と雰囲気中のガス濃度との対応関係の初期値を示すセンサ感度データを保持したメモリを備え、前記校正手段は、該センサ感度データが保持された方の前記電気化学式ガスセンサの出力を校正し、前記ガス濃度算出手段は、前記校正手段により校正された出力を、前記センサ感度データに適用することによって、雰囲気中のガス濃度を算出することを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記センサ感度データが保持された方の前記電気化学式ガスセンサについて、前記校正手段による出力の校正を行い、前記ガス濃度算出手段により、該校正した出力を前記センサ感度データに適用することで、雰囲気中のガス濃度を容易に算出することができる。
また、前記2個の電気化学式ガスセンサの仕様は、前記第1の開口と前記第2の開口の開口面積が相違する点を除いて、同一であることを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記2個の電気化学式ガスセンサを、前記第1の開口と前記第2の開口の開口面積のみが相違して他の仕様は同一である構成とすることにより、検知電極への雰囲気ガスの流通のし易さの違い以外の要素によって、前記2個の電気化学式センサの劣化度合いの相違が生じることを抑制することができる。そのため、前記校正手段による前記2個の電気化学ガスセンサの出力の相違に基づく校正の精度を高めることができる。
次に、本発明のガス濃度検出方法は、第1の開口により雰囲気と連通した第1の筐体内に、対向電極と、電解液保持層と、検知電極とを順に積層した第1の積層構成を収容した第1の電気化学式ガスセンサと、前記第1の開口よりも開口面積が大きい第2の開口により雰囲気と連通した第2の筐体内に、前記第1の積層構成と同一構成の第2の積層構成を収容した第2の電気化学式センサとを、近接して配置し、該2個の電気化学式ガスセンサの一方の出力を、該2個の電気化学式ガスセンサの出力の相違に基づいて校正する校正ステップと、該校正ステップにより校正された出力に基づいて、雰囲気中のガス濃度を算出するガス濃度算出ステップとを含むことを特徴とする。
かかる本発明によれば、前記第1の電気化学式ガスセンサの前記第1の開口よりも、前記第2の電気化学式ガスセンサの前記第2の開口の方が、開口面積が大きくなっている。そして、この開口面積の違いにより、前記第1の電気化学式ガスセンサにおける前記第1の開口を介した前記検知電極への雰囲気ガスの流通のし易さと、前記第2の電気化学式ガスセンサにおける前記第2の開口を介した前記検知電極への雰囲気ガスの流通のし易さが、相違するものとなっている。
このように、本発明では、雰囲気に対する開口部から前記検知電極への雰囲気ガスの流通のし易さが相違する2個の電気化学式ガスセンサが近接して配置される。そして、雰囲気に対する開口部から前記検知電極への雰囲気ガスの流通のし易さが相違する2個のガスセンサを近接して配置した場合、雰囲気中の各種のガスや汚染物質が電気化学式ガスセンサの開口部からガスセンサの内部に浸透して、電気化学式ガスセンサの劣化が進行する度合いは、検知電極の開口部から該検知電極への雰囲気ガスの流通がし易い方が大きくなる。そのため、電気化学式ガスセンサの劣化が進行して経時的に感度が低下する度合いは、開口部から前記検知電極への雰囲気ガスの流通がし易い方が大きくなり、2個の電気化学式ガスセンサの経時的な感度の低下度合いは相違する。そして、この感度の低下度合いの相違は、2個の電気化学式ガスセンサの使用期間が長くなるに従って拡大する。
そこで、2個の電気化学式ガスセンサの出力の相違から、2個の電気化学式ガスセンサの感度低下の進行状況を認識することができ、前記校正ステップにより、前記2個の電気化学式ガスセンサの出力の相違に基づいて、一方の電気化学式センサの出力を校正することができる。そして、前記ガス濃度算出ステップにより、前記校正手段により校正された出力に基づいて、雰囲気中のガス濃度を精度良く算出することができる。
本発明の実施の形態について、図1から図4を参照して説明する。図1は本実施の形態における本発明のガス濃度検出装置の全体構成図であり、本実施の形態のガス濃度検出装置は、例えば不完全燃焼を検知するために燃焼装置に設けられて、一酸化炭素の濃度を検出するものである。
ガス濃度検出装置は、2個の電気化学式ガスセンサ10a,10b、センサインターフェース回路30a,30b、及びマイクロコンピュータ50を用いて構成される。電気化学式ガスセンサ10a(本発明の第1の電気化学式ガスセンサに相当する)は、上面に開口12a(本発明の第1の開口に相当する)が形成されたホルダ21a(本発明の第1の筐体に相当する)内に、プレフィルター11a、チャコールフィルター13a、PTFEシート14a、検知電極15a、対向電極16a、電解液保持層を兼ねたセパレータ17a、参照電極18a、及び導液シート19aを積層して構成されている。なお、この構成は、本発明の第1の積層構成を含んでいる。
また、電化学式ガスセンサ10aの底部には、硫酸(H2SO4)水溶液等の電解液20aが溜められており、導液シート19aの両端が電解液20aに浸されている。そして、導液シート19aにより吸い上げられた電解液20aが、セパレータ17aに供給される。
電気化学式ガスセンサ10b(本発明の第2の電気化学式ガスセンサに相当する)は、開口12b(本発明の第2の開口に相当する)の径が異なる点を除いて、電気化学式ガスセンサ10aと同一の仕様として構成されている。電気化学式ガスセンサ10bは、上面に開口12bが形成されたホルダ21b(本発明の第2の筐体に相当する)内に、プレフィルター11b、チャコールフィルター13b、PTFEシート14b、検知電極15b、対向電極16b、電解保持層を兼ねたセパレータ17b、参照電極18b、及び導液シート19bを積層して構成されている。なお、この構成は、本発明の第2の積層構成を含んでいる。そして、電気化学式ガスセンサ10bの底部には電解液20bが溜められており、導液シート19bにより吸い上げられた電解液20bが、セパレータ17bに供給される。
電気化学式ガスセンサ10aの検知電極15aの電位は、センサインターフェース回路30aにより一定に保たれる。そして、電気化学式ガスセンサ10aが置かれた雰囲気中の一酸化炭素(CO)は、開口12aを通過してチャコールフィルタ13bで雑ガスが除去された後に、PTFEシート14aを拡散して検知電極15aに到達する。
これにより、検知電極15aにおいては以下の式(1)による酸化反応が生じる。また、対向電極16aにおいては、セパレータ17aを透過した酸素(O2)について、以下の式(2)による還元反応が生じる。なお、全反応は以下の式(3)で表される。
CO + H2O → CO2 +2H + 2e- ・・・・・ (1)
1/2O2 + 2H+ +2e- → H2O ・・・・・ (2)
CO + 1/2O2 → CO2 ・・・・・ (3)
このとき、検知電極15aと対向電極16aとの間に流れる反応電流iは、雰囲気中の一酸化炭素濃度に比例する。
そこで、反応電流iをセンサインターフェース回路30aを介してマイクロコンピュータ50に取り込み、反応電流iのレベルを検知することで、雰囲気中の一酸化炭素の濃度を検出することができる。なお、電気化学式ガスセンサ10bの動作は電気化学式ガスセンサ10aと同様なので、説明を省略する。
次に、電気化学式ガスセンサ10aの使用期間が長くなるに従って、電気化学式ガスセンサ10aを構成している部材や電気的な導通状態の経時的な劣化、及び一酸化炭素が拡散・浸透するPTFCシート14a,セパレータ17aの汚れ等の要因により、電気化学式ガスセンサ10aの感度が低下する。電気化学式ガスセンサ10bについても同様である。そこで、マイクロコンピュータ50は、このような電気化学式ガスセンサ10a,10bの感度の低下により、一酸化炭素濃度の検出精度が悪化することを防止する処理を行う。以下、かかる処理について説明する。
図1を参照して、マイクロコンピュータ50は、メモリ52を内蔵し、メモリ52に保持された一酸化炭素濃度の検出用プログラムを実行することにより、電気化学式ガスセンサ10aの出力Iaを、電気化学式ガスセンサ10aの出力Iaと電気化学式ガスセンサ10bの出力Ibの相違に基づいて校正する校正手段51、メモリ52に保持された電気化学式ガスセンサ10aの初期(使用開始時)における出力Iaと一酸化炭素濃度との関係を示すセンサ感度データ53に、校正された電気化学式ガスセンサ10aの出力Icを適用して、雰囲気中の一酸化炭素の濃度を算出するガス濃度算出手段54、及び電気化学式ガスセンサ10aの出力Iaと電気化学式ガスセンサ10bの出力Ibとの差が拡大したときに、電気化学式ガスセンサ10a,10bの劣化が進んだことを報知する劣化報知手段55として機能する。
図2(a)は、一酸化炭素の濃度が一定である雰囲気中において、電気化学式ガスセンサ10a,10bの感度(μA/ppm・CO)が、経時的にどのように変化するかを示した比較グラフであり、横軸が経過時間(T)に設定され、縦軸が感度に設定されている。図中αは開口12aの径が小さい(φ0.7mm)方の電気化学式ガスセンサ10aの感度の変化を示し、βは開口12bの径が大きい(φ1.0mm)方の電気化学式ガスセンサ10bの感度の変化を示している。
して、本実施の形態では、電気化学式ガスセンサ10aの開口12aの径(φ0.7mm)よりも電気化学式ガスセンサ10bの開口12bの径(φ1.0mm)の方が大きいため、電気化学式ガスセンサ10aの開口12aの開口面積よりも、電気化学式ガスセンサ10bの開口12bの開口面積の方が大きくなっている。
このように、電気化学式ガスセンサ10aの開口12aの径よりも、電気化学式ガスセンサ10bの開口12bの径を大きくすることにより、電気化学式ガスセンサ10aの開口12aから検知電極15aへの雰囲気ガスの流通が、電気化学式ガスセンサ10bの開口12bから検知電極15bへの雰囲気ガスの流通よりもし難くなるように構成されている。
図2(a)において、T0は電気化学式ガスセンサ10a,10bの使用を開始した時点であり、T0からの経過時間がT0→T1→T2→T3→T4と長くなるに従って、電気化学式ガスセンサ10a,10bの感度が低下しているのが分かる。これは、上述したように、電気化学式ガスセンサ10a,10bを構成している部材や電気的な導通状態の経時的な劣化、及び一酸化炭素が拡散・浸透するPTFCシート14aの汚れ等の要因によるものである。
そして、感度が低下する度合いは、βで示した開口12bの径が大きい電気化学式ガスセンサ10bの方が、αで示した開口12aの径が小さい電気化学式ガスセンサ10aよりも大きくなっている。
また、図2(b)は、電気化学式ガスセンサ10a,10bによる一酸化炭素の検出濃度と、実際の一酸化炭素の濃度との対応関係の経時的な変化を示したものであり、横軸が実際のCO濃度に設定され、縦軸が検出濃度に設定されている。
図2(b)中、α1は使用開始から1年後における電気化学式ガスセンサ10aの検出濃度と実際の濃度との関係を示し、β1は使用開始から1年後における電気化学ガスセンサ10bの検出濃度と実際の濃度との関係を示している。また、α2は使用開始から4年後における電気化学式ガスセンサ10aの検出濃度と実際の濃度との関係を示し、β2は使用開始から4年後における電気化学式ガスセンサ10bの検出濃度と実際の濃度との関係を示している。また、α3は使用開始から10年後における電気化学式ガスセンサ10aの検出濃度と実際の濃度との関係を示し、β3は使用開始から10年後における電気化学式ガスセンサ10bの検出濃度と実際の濃度との関係を示している。
図2(b)から、使用開始時からの経過時間が長くなるに従って、一酸化炭素の実際の濃度に対する電気化学式ガスセンサ10a,10bの検出濃度の誤差が大きくなっていることがわかる。また、使用開始時からの経過時間が長くなるに従って、電気化学式ガスセンサ10aの検出濃度と電気化学式ガスセンサ10bの検出濃度との乖離が拡大していることがわかる。
そこで、校正手段51は、図3に示したように、電気化学式ガスセンサ10aの出力Iaと電気化学式ガスセンサ10bの出力Ibの比(Ib/Ia)に基づいて、電気化学式ガスセンサ10a用の補正係数Kaを決定する。そして、校正手段51は、電気化学式ガスセンサ10aの出力Iaに補正係数Kaを乗じて校正する。なお、電気化学式ガスセンサ10bの出力Ibを校正する場合は、電気化学式ガスセンサ10b用の補正係数Kbを決定する。
なお、校正手段51により、このように電気化学式ガスセンサ10aの出力を校正する処理が、本発明の校正ステップに相当する。
ガス濃度算出手段54は、校正手段51により校正された出力Ic(=Ia×Ka)をセンサ感度データ53に適用して対応する一酸化炭素の濃度を算出し、これにより、雰囲気中の一酸化炭素の濃度が精度良く検出される。
なお、ガス濃度算出手段54により、校正された出力Icに基づいて雰囲気中の一酸化炭素の濃度を算出する処理が、本発明のガス濃度算出ステップに相当する。
また、劣化報知手段55は、電気化学式ガスセンサ10aの出力Iaと電気化学式ガスセンサ10bの出力Ibとの差を監視し、IaとIbの差が所定値を超えたときに図示しないランプやブザーにより報知を行う。そして、これにより、使用者に対して電気化学式ガスセンサ10a,10bの交換を促す。なお、IaとIbの差に代えて、IaとIbの比が所定値を超えたときに、報知を行うようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、検知電極の開口面積が小さい電気化学式ガスセンサ10aのセンサ感度データ53をメモリ52に保持して、電気化学式ガスセンサ10aの出力を2個の電気化学式ガスセンサ10a,10bの出力を補正係数Kaを用いて校正したが、開口面積が大きい電気化学式ガスセンサ10bのセンサ感度データをメモリ52に保持して、電気化学式ガスセンサ10bの出力を補正係数Kbを用いて校正するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、電気化学式ガスセンサ10a,10bの出力比から決定した補正係数Kaを用いて、電気化学式ガスセンサ10aの出力を校正したが、電気化学式ガスセンサ10a,10bの出力の差に基づいて電気化学式ガスセンサ10の出力を校正してもよい。
また、本実施の形態では、劣化報知手段55を備えて、電気化学式ガスセンサ10a,10bの劣化が進んだときに報知を行ったが、劣化報知手段55を備えない場合であっても本発明の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、雰囲気中の一酸化炭素の濃度を検出する電気化学式ガスセンサの出力を校正するガス濃度検出装置を示したが、他の種類のガスの濃度を検出する場合でも、電気化学式ガスセンサを用いたものであれば、本発明の適用が可能である。
また、本実施の形態では、図1に示したように、電気化学式ガスセンサ10aの開口12aよりも、電気化学式ガスセンサ10bの開口12bの径を大きくして、開口12bの開口面積を開口12aの開口面積よりも大きくすることにより、電気化学式ガスセンサ10aにおける開口12aから検知電極15aへの雰囲気ガスの流通のし易さと、電気化学式センサ10bにおける開口12bから検知電極15bへの雰囲気ガスの流通のし易さが相違するようにしたが、他の構成として、例えば図4に示した構成を採用してもよい。
図4に示した構成では、開口61a,61bの断面積についても同一である同一仕様の2個の電気化学式ガスセンサ60a,60bが、筐体70a,70bに収容されている。この場合、筐体70aが本発明の第1の筐体に相当し、筐体70aの開口71aが本発明の第1の開口に相当する。また、筐体70bが本発明の第2の筐体に相当し、筐体70bの開口71bが本発明の第2の開口に相当する。
そして、筐体70bの開口71bの断面積が筐体70aの開口71aの断面積よりも大きく設定されており、これにより、筐体70aの開口71aから電気化学式ガスセンサ60aの検知電極への雰囲気ガスの流通が、筐体70bの開口71bから電気化学式ガスセンサ60bの検知電極への雰囲気ガスの流通よりもし難くなる。そのため、図1に示した電気化学式ガスセンサ10a,10bと同様に、電気化学式ガスセンサ60a,60bの感度が低下する度合いを相違させることができる。
そして、このように、電気化学式ガスセンサ60a,60bの感度が低下する度合いを相違させることによって、上述した電気化学式ガスセンサ10a,10bを用いる場合と同様に、校正手段51により電気化学式ガスセンサ60a又は電気化学式ガスセンサ60bの出力を校正することができる。図4に示した構成によれば、電気化学式ガスセンサ60a,60bは一般的な仕様のものを用意すればよい。そのため、2個の電気化学式ガスセンサの一方を特殊な仕様として、感度が低下する度合い相違させる場合に生じる電気化学式ガスセンサのコスト増を回避することができる。
ガス濃度検出装置の全体構成図。 電気化学式ガスセンサの経時的な感度の低下、及び電気化学式ガスセンサの経時的な検出誤差の拡大の説明図。 電気化学式ガスセンサの出力を校正するための補正係数の決定方法の説明図。 2個の電気化学式ガスセンサの経時変化の度合いを相違させるための他の構成例の説明図。
符号の説明
10a…(検知電極の開口面積が小さい方の)電気化学式ガスセンサ、10b…(検知電極の開口面積が大きい方の)電気化学式ガスセンサ、12a,12b…開口、15a,15b…検知電極、16a,16b…対向電極、50…マイクロコンピュータ、51…校正手段、52…メモリ、53…センサ感度データ、54…ガス濃度算出手段、55…劣化報知手段

Claims (6)

  1. 第1の開口により雰囲気と連通した第1の筐体内に、対向電極と、電解液保持層と、検知電極とを順に積層した第1の積層構成を収容した第1の電気化学式ガスセンサと、
    前記第1の開口よりも開口面積が大きい第2の開口により雰囲気と連通した第2の筐体内に、前記第1の積層構成と同一構成の第2の積層構成を収容して、前記第1の電気化学式ガスセンサに近接して配置された第2の電気化学式ガスセンサと、
    該2個の電気化学式ガスセンサの一方の出力を、該2個の電気化学式ガスセンサの出力の相違に基づいて校正する校正手段と、
    該校正手段により校正された出力に基づいて、雰囲気中のガス濃度を算出するガス濃度算出手段とを備えたことを特徴とするガス濃度検出装置。
  2. 前記校正手段は、前記2個の電気化学式ガスセンサの出力の比に基づいて補正係数を決定し、前記2個の電気化学式ガスセンサの一方の出力に前記補正係数を乗じて、該一方の出力を校正することを特徴とする請求項1記載のガス濃度検出装置。
  3. 前記2個の電気化学式ガスセンサの出力の差又は該出力の比が所定レベルを超えたときに、前記電気化学式ガスセンサの劣化を報知する劣化報知手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のガス濃度検出装置。
  4. 前記2個の電気化学式ガスセンサのうちのいずれか一方の出力と雰囲気中のガス濃度との対応関係の初期値を示すセンサ感度データを保持したメモリを備え、
    前記校正手段は、該センサ感度データが保持された方の前記電気化学式ガスセンサの出力を校正し、
    前記ガス濃度算出手段は、前記校正手段により校正された出力を、前記センサ感度データに適用することによって、雰囲気中のガス濃度を算出することを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項記載のガス濃度検出装置。
  5. 前記2個の電気化学式ガスセンサの仕様は、前記第1の開口と前記第2の開口の開口面積が相違する点を除いて、同一であることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項記載のガス濃度検出装置。
  6. 第1の開口により雰囲気と連通した第1の筐体内に、対向電極と、電解液保持層と、検知電極とを順に積層した第1の積層構成を収容した第1の電気化学式ガスセンサと、
    前記第1の開口よりも開口面積が大きい第2の開口により雰囲気と連通した第2の筐体内に、前記第1の積層構成と同一構成の第2の積層構成を収容した第2の電気化学式センサとを、近接して配置し、
    該2個の電気化学式ガスセンサの一方の出力を、該2個の電気化学式ガスセンサの出力の相違に基づいて校正する校正ステップと、
    該校正ステップにより校正された出力に基づいて、雰囲気中のガス濃度を算出するガス濃度算出ステップとを含むことを特徴とするガス濃度検出方法。
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