JP4872567B2 - 配線板接続用フィルム、及び配線板接続方法 - Google Patents

配線板接続用フィルム、及び配線板接続方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4872567B2
JP4872567B2 JP2006261421A JP2006261421A JP4872567B2 JP 4872567 B2 JP4872567 B2 JP 4872567B2 JP 2006261421 A JP2006261421 A JP 2006261421A JP 2006261421 A JP2006261421 A JP 2006261421A JP 4872567 B2 JP4872567 B2 JP 4872567B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
wiring board
curing agent
curing
thermosetting resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006261421A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008084607A (ja
Inventor
英昭 年岡
正道 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2006261421A priority Critical patent/JP4872567B2/ja
Publication of JP2008084607A publication Critical patent/JP2008084607A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4872567B2 publication Critical patent/JP4872567B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
  • Combinations Of Printed Boards (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Description

本発明は、電極(電気端子)や回路等が狭ピッチで多数設けられた配線板間、例えば液晶製品内で使用されるシートやフィルム状の配線板間を接着し、かつそれぞれの配線板の表面に設けられた電極間を電気的に接続するための配線板接続用フィルムに関する。本発明は、又、この配線板接続用フィルムを用いて配線板間を接着し、2配線板の配線間を接続する配線板接続方法に関する。
基板、例えば絶縁性のシートやフィルム上に、電極や回路等が狭ピッチで多数設けられた配線板間を、接着しかつ電気的に接続する手段として、導電性粒子を含有する配線板接続用フィルムが用いられている。配線板接続用フィルムは、絶縁性の硬化性樹脂組成物に導電性粒子を分散させてなるフィルム状の接着剤シートであり、接続対象の配線板間に挟まれ、プレス等により加圧、加熱されることにより配線板間を接着する。
加圧、加熱により、配線板接続用フィルムを構成する樹脂組成物が流動して接続対象間に生じる隙間を封止して接着すると同時に、対峙する電極が直接接触することにより、又は導電性粒子の一部が電極間に噛み込まれることにより、配線板間の電気的接続が達成される。このような配線板接続用フィルムは、例えば、特開平10−273627号公報や特開平10−273628号公報に記載されており、ここでは、硬化性樹脂組成物としてエポキシ樹脂とその硬化剤からなる組成物が記載されている。
特開平10−273627号公報 特開平10−273628号公報
従来、配線板接続用フィルムは、相対峙する電極の高さの合計が30μm程度以下の配線板間の接着、接続をその対象としていた。電極の高さの合計が30μmを超えるような配線板間を、配線板接続用フィルムを用いて接続する場合は、接続対象間の隙間を完全に埋めるために厚いフィルムが必要となるので、加熱、加圧時、フィルム内部まで充分に熱が伝わりにくく、フィルム内部の硬化が不十分となり、充分な接着信頼性を得ることができなかった。
加熱の温度、すなわち加熱、加圧に使用するプレスヘッドの温度を上げることにより、フィルム内部まで硬化させることが可能になる。しかし、この場合は、プレスヘッドに近い表面部分で硬化反応が急速に進み、加圧により樹脂フィルム内へ電極が押し込まれ相対峙する電極間から樹脂が排出される前に硬化物の膜が生成し、この膜が電極間に噛み込まれて接続不良を生じる。
本発明は、相対峙する電極の高さの合計が30μmを超えるような場合でも、充分な接着信頼性が得られ、かつ接続不良を生じることがない配線板接続用フィルムを提供することを課題とする。
本発明は、又、該配線板接続用フィルムを用いて、基板表面に配線を有する2配線板間を接着し、この2配線板間を接続する配線板接続方法を提供する。
本発明者は、鋭意検討の結果、配線板接続用フィルム内における硬化反応性に、フィルムの厚さ方向の勾配をもたせることにより、充分な接着信頼性を達成し、かつ接続不良が生じにくい配線板接続用フィルムが得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、その請求項1として、導電性粒子を分散する熱硬化性樹脂組成物よりなる配線板接続用フィルムであって、その硬化反応性が、フィルムの一方の表面より他方の表面に向かい増加する、又はフィルムの両表面より中央部に向かい増加することを特徴とする配線板接続用フィルムを提供する。
ここで硬化反応性とは、熱硬化性樹脂組成物の硬化しやすさを意味し、一定の加熱温度における硬化速度を意味する。本発明の配線板接続用フィルムは、この硬化反応性が、その厚さ方向で変化し、厚さ方向に勾配を有することを特徴とする。すなわち、フィルムを構成する樹脂組成物の中でも、厚さ方向の位置が異なる樹脂組成物間、例えば、フィルム表面を構成する樹脂組成物とフィルムの内部を構成する樹脂組成物とでは硬化反応性が異なる。
硬化反応性が厚さ方向に勾配を有する態様としては、(1)フィルムの一方の表面より他方の表面に向かい硬化反応性が増加する態様、及び(2)フィルムの両表面より中央部に向かい硬化反応性が増加する態様が挙げられる。
一方の表面より他方の表面に向かい硬化反応性が増加する態様の配線板接続用フィルムは、接続の際の加熱が、フィルムの一方の側(硬化反応性が小さい樹脂組成物からなる側)からのみ行われる配線板接続方法に使用される。又、両表面より中央部に向かい硬化反応性が増加する態様の配線板接続用フィルムは、接続の際の加熱が、フィルムの両面から行われる配線板接続方法に使用される。
このように、本発明の配線板接続用フィルムを使用して行われる配線板接続方法においては、硬化反応性が小さい側より加熱が行われるので、硬化反応性が小さい部分は充分に加熱され、一方、硬化反応性が大きい部分の加熱は比較的小さいので、両者間の硬化速度の差は小さくなる。その結果、不十分な硬化の発生による接着信頼性の低下を防ぐことができるとともに、急速な硬化反応による硬化物の膜の生成、それによる接続不良の発生を抑制することができる。
本発明の配線板接続用フィルムを構成する熱硬化性樹脂組成物としては、接着性を有し加熱により硬化する樹脂組成物であれば特に限定されないが、熱硬化性樹脂及び硬化剤を含有してなる樹脂組成物が、後述するように厚さ方向の硬化反応性の勾配を形成しやすいので好ましい(請求項2)。ここで用いられる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂が好ましく例示される(請求項3)。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、ハロゲン化されていてもよく水素添加されていてもよい。又、これらのエポキシ樹脂は、1種類単独で使用してもよく、又は2種類以上を組合せて使用してもよい。
エポキシ樹脂硬化剤としては、低温での貯蔵安定性に優れ室温ではほとんど硬化反応をおこさないが、加熱等により所定の条件とすると速やかに硬化反応をおこす硬化剤が好ましい。そのような硬化剤としては、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、スルホニウム塩、アミンイミド、ポリアミンの塩、ジシアンジアミド及びこれらの変性物が例示される。特にイミダゾール系硬化剤は、低温での貯蔵安定性に優れかつ速硬化性等に優れているので好ましい(請求項4)。
又、これらの硬化剤を、ポリウレタン系、ポリエステル系等の高分子物質や、Ni、Cu等の金属薄膜、又はケイ酸カルシウム等の無機物で被覆してマイクロカプセル化したものは、貯蔵安定性に特に優れるため好ましい。
本発明の配線板接続用フィルムは、前記熱硬化性樹脂組成物に導電性粒子を含有させたものである。導電性粒子を含有させることにより、接続対象上の多数の相対峙する電極間の間隔にばらつきがあり、接続時に一部の電極間に隙間が生じても、この隙間にある導電性粒子により電極間の導通が達成され、良好な電気的接続が得られる。
導電性粒子としては、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子、カーボン粒子、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等に前記の金属やカーボン等を被覆して導電層を形成したもの、微細な金属粒子が鎖状に多数繋がった形状を有する金属粉末、該金属粉末が鎖の太さ方向に多数繋がり凝集した鎖状二次凝集体からなる金属粉末、及び針状の金属粉末が例示される。
プラスチックを核とした金属粒子等は、加熱、加圧による変形性を有するので接続時に電極との接触面積が増加し信頼性が向上するので好ましい。又、微細な金属粒子が鎖状に多数繋がった形状を有する金属粉末、該金属粉末が鎖の太さ方向に多数繋がり凝集した鎖状二次凝集体からなる金属粉末、又は針状の金属粉末を用い、これらがフィルムの厚さ方向に配向している場合は、金属粉末の充填密度をあまり高めなくても、厚さ方向の抵抗を低くし良好な電気的接続を達成できるとともに、面方向の絶縁抵抗をより高く保つことができ、隣り合う電極間の短絡を防ぐ効果が高くなるので好ましい。
導電性粒子の配合量は、配線板接続用フィルムの全体積に対して0.01〜30体積%程度の範囲から選ばれ、用途により使い分ける。過剰な導電性粒子による隣接電極間の短絡等を防止するためには、0.01〜10体積%の範囲がより好ましい。
本発明の配線板接続用フィルム中には、本発明の趣旨を損なわない範囲で、さらに充填剤、軟化剤、促進剤、酸化防止剤、着色剤、難燃剤、チキソトロピック剤等を含有することもできる。
本発明の配線板接続用フィルムは、前記の各成分を混合してフィルム状に成形することにより得ることができる。例えば、導電性粒子等を分散する溶媒中に、各成分を溶解又は均一分散して分散溶液を得た後、該分散溶液の薄い膜を形成し、その後、溶媒を乾燥等により除去することにより配線板接続用フィルムが得られる。用いられる溶媒の種類や分散溶液の濃度等は、前記の成分を溶解又は均一分散し、薄い膜を形成できる範囲であれば特に限定されない。導電性粒子が、強磁性を有する金属の単体、又は強磁性を有する金属を含む複合体からなり、かつ微細な金属粒子が鎖状に多数繋がった形状を有する金属粉末、該金属粉末が鎖の太さ方向に多数繋がり凝集した鎖状二次凝集体からなる金属粉末、又は針状の金属粉末の場合は、フィルム状に成形する際の溶媒を除去する前にフィルムの厚さ方向の磁場を加えることにより、導電性粒子を厚さ方向により配向させて、良好な電気的接続を達成するとともに隣り合う電極間の短絡を防ぐ効果を高めることができるので好ましい。
硬化反応性がその厚さ方向で変化し、硬化反応性の勾配を有するフィルムは、例えば、熱硬化性樹脂組成物を構成する硬化剤の含有量を、フィルムの厚さ方向で変化させ、厚さ方向に含有量の勾配を生じさせることにより製造することができる。すなわち、硬化剤の含有量を、フィルムの一方の表面より他方の表面に向かい増加させることにより、硬化反応性が、フィルムの一方の表面より他方の表面に向かい増加する配線板接続用フィルムが得られる。又、硬化剤の含有量を、フィルムの両表面より中央部に向かい増加させることにより、硬化反応性が、フィルムの両表面より中央部に向かい増加する配線板接続用フィルムが得られる(請求項5)。
熱硬化性樹脂組成物を構成する硬化剤の含有量を、厚さ方向に勾配が生じるようにする方法としては、前記熱硬化性樹脂組成物、すなわち熱硬化性樹脂及び硬化剤を含有し、かつ導電性粒子を分散する熱硬化性樹脂組成物よりなり、前記硬化剤の含有量がそれぞれ異なる2以上の層を積層(貼り合せ)する方法が挙げられる。請求項6は、この方法により形成されたことを特徴とする前記の配線板接続用フィルムを提供するものである。
具体的には、熱硬化性樹脂及び硬化剤を含有し、導電性粒子を分散する熱硬化性樹脂組成物よりなり、かつ該硬化剤の含有量が異なる2以上の接着剤層を、前期の配線板接続用フィルムの製造方法と同様の方法により得た後、これらを所定の硬化剤量の勾配となるように積層、一体化して所定の配線板接続用フィルムを得る。
より具体的には、
1)接続対象の片面から加熱、加圧する方法に用いられるフィルムの場合は、加熱される側から反対側にむけて硬化剤量が増加するように、各接着剤層を積層した後に一体化して、配線板接続用フィルムとする。
2)接続対象の両面から加熱、加圧する方法に用いられるフィルムの場合には、両表面より中央部に向けて硬化剤量が増加するよう、各接着剤層を積層した後に一体化して、配線板接続用フィルムとする。又は、上記1)で得た配線板接続用フィルムの2枚を、互いに逆にして積層した後に一体化してもよい。
この方法によれば、硬化剤量がその厚さ方向の勾配を有する配線板接続用フィルムが容易に得られるので好ましい。積層は、配線板接続用フィルムが、接続対象の配線板間に挟持される前に予め行っていてもよいし、接続対象の配線板間に挟持され、加熱、加圧される段階で行ってもよい。すなわち、接続対象の配線板間に、硬化剤の含有量の異なる2以上の接着剤層を、所定の硬化剤量の勾配となるように重ねた後、接着、接続のための加熱、加圧を行ってもよい。
前記の2以上の接着剤層としては、硬化剤を除いた配合を同一とし硬化剤量のみが異なる2以上の接着剤層が好ましい。硬化剤を除いた配合を同一とすることで、厚さ方向の硬化速度の制御を容易に行うことができる。又、配合が同一でなければ、硬化反応に伴う高分子ネットワークの形成を制御しにくい(混合の均一性を担保できない)ので、接着信頼性の低下につながる。配線板接続用フィルムを構成する各接着剤層の厚さ、接着剤層の所要数は、相対峙する電極の高さの合計や生産性を考慮して、適宜決定される。接着剤層の厚さの合計は、相対峙する電極の高さの合計の0.7〜2.0倍程度が好ましい。
本発明の配線板接続用フィルムを、接続対象の間に挟み、加圧、加熱することにより、該接続対象間を接着し、該接続対象上の相対峙する電極間を電気的に接続することができる。本発明は、基板上に配線を有する2配線板の、該配線が設けられている表面間に、本発明の配線板接続用フィルムを挟持し、該配線板接続用フィルムの硬化反応性が小さい面側より加熱し、かつ加圧することを特徴とする配線板接続方法(請求項7)も提供する。
加圧・加熱の条件は、絶縁性樹脂が硬化して充分な接着が達成されるとともに、2配線の電極間の電気的接続が充分達成される範囲から選ばれる。具体的な範囲は、電極のサイズや、樹脂組成物の配合により変動し、特に限定されない。
配線板接続用フィルムの硬化反応性が小さい面側とは、硬化反応性がフィルムの一方の表面より他方の表面に向かい増加する場合は、その一方の表面側であり、硬化反応性がフィルムの両表面より中央部に向かい増加する場合は、その両表面を意味する。この面側に、加熱するプレスヘッドを配して加熱、加圧する。この方法によれば、プレスヘッドに近い側は、温度が高くても硬化反応性が低い(硬化剤量が少ない)ので硬化反応の進行を抑制でき、一方、プレスヘッドから遠い側では、温度が充分に伝わらない状況であっても、硬化反応性が高い(硬化剤量が多い)ので、硬化反応を促進することができ、厚さ方向での硬化速度の差異が生じないように制御されている。
接続対象は、多数の電極を狭ピッチで基板表面に有する配線板等であり、該基板としては、半導体、ガラス、セラミック等の無機物、ポリイミド、ポリカーボネート等の有機物、ガラス/エポキシ等の無機物と有機物の組み合わせ等を挙げることができる。本発明の配線板接続用フィルムは、例えば、フレキシブルプリント配線板の端子、TAB(Tape Automated Bonding)テープの端子やドライバICの端子と、ガラス基板上に形成されたITO(Indium Tin Oxide)やアルミニウム、クロムの電極パターンの接続等に用いられ、接続により得られた電気部品は、高い信頼性を有するものとして、液晶製品等に使用される。
本発明の配線板接続用フィルム及び本発明の配線板接続方法は、多数の電極や回路等が狭ピッチで設けられた配線板間を接着し、かつ電気的に接続するために使用することができるが、接着のための加熱、加圧時にフィルムの厚さ方向での硬化速度の差異を生じないよう使用することが可能であり、接着信頼性が高く、接続不良のない接続信頼性の高い配線板や回路部品を提供することができる。
次に発明を実施するための最良の形態を実施例により説明する。実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
〔分散溶液Aの作製〕
導電性粒子としては、3μmから15μmまでの鎖長分布を有する直鎖状ニッケル微粒子(平均粒径200nmのニッケル微粒子が直鎖状に連結したもの)を用いた。2種類のエポキシ樹脂〔JER(株)製エピコート1256及びYL980〕と、イミダゾール系マイクロカプセル型硬化剤〔旭化成エポキシ(株)製ノバキュアHX3941〕とを、重量比で60/40/15の割合で混合し、セロソルブアセテート溶媒に溶解して樹脂濃度が50重量%の溶液を得た。この溶液に、固形分の総量(直鎖状ニッケル微粒子+エポキシ樹脂+硬化剤)に占めるニッケルの割合で表される金属充填率が0.5体積%となるように上記直鎖状ニッケル微粒子を添加した後、遠心撹拌ミキサーを用いて撹拌し、接着剤層形成用の分散溶液Aを調製した。
〔分散溶液Bの作製〕
2種類のエポキシ樹脂及び硬化剤の混合割合を重量比で60/40/40とした以外は、前記分散溶液Aの作製と同様の方法に従って接着剤層形成用の分散溶液Bを調製した。
〔配線板接続用フィルム用接着剤層の形成〕
前記で調製した分散溶液Aを、離型処理したPET(ポリエチレンテレフタレート)基材(厚さ50μm)上にドクターナイフを用いて塗布した後、磁束密度100mTの磁場中、65℃で30分間乾燥させて溶媒を除去し、フィルム中で導電性粒子が磁場方向に配向した厚さ15μmの接着剤層(A層)を形成した。この上に、分散溶液Bを塗布し、再び磁束密度100mTの磁場中、65℃で30分間乾燥させて厚さ15μmの接着剤層(B層)を形成し、その後B層上に離型処理したPET基材(厚さ25μm)をラミネートして、接着剤層(A層+B層)の総厚が30μmの配線板接続用フィルムを作製した。
〔抵抗評価(接続信頼性)〕
幅100μm、高さ18μmの回路電極が100μmの間隔をあけて60本配列されたフレキシブルプリント配線板1上に、前記で得られた配線板接続用フィルムを、B層側のPET基材を剥がした後、B層がフレキシブルプリント配線板1に接するように配置し、A層側から、0.5MPaの圧力をかけながら、60℃で3秒間加熱して仮接着した。A層側のPET基材を剥がした後、A層側に、フレキシブルプリント配線板1と同じフレキシブルプリント配線板2を、フレキシブルプリント配線板1とフレキシブルプリント配線板2の電極同士が向き合うよう位置を合わせて配置し、フレキシブルプリント配線板2側から、3MPaの圧力をかけながら、200℃で20秒間加熱して2枚の配線板を完全に接着し、フレキシブルプリント配線板接着体を得た。その後、前記配線板接続用フィルムを介して接続された電極間の、導体抵抗も含めた抵抗値(単位Ω)を、デジタルマルチメーターを用いて測定した。
〔硬化反応率の測定〕
前記のフレキシブルプリント配線板接着体において、接着したフレキシブルプリント配線板の一部を剥離し、回路電極間に存在する厚さ36μmの樹脂硬化物を取り出した。この硬化物のA層内部及びB層内部における未反応のエポキシ基の残存率をフーリエ変換赤外分光分析法によって測定し、その結果からエポキシ樹脂の硬化反応率を求めた。
〔環境試験〕
前記のフレキシブルプリント配線板接着体を、85℃−85%に設定した恒温恒湿槽内に投入し、500時間経過後に取り出し、再び前記と同様にして抵抗値を測定した。
フレキシブルプリント配線板同士の接着条件を230℃、10秒としたこと以外は実施例1と同様にしてフレキシブルプリント配線板接着体を作製し、各種評価を行った。
実施例1におけるA層の作製と同様にして、分散溶液Aから厚さ15μmの接着剤層(A1層)を作製した。又、分散溶液Bから同様にして、厚さ15μmの接着剤層(B1層とする。)を作製した。実施例1で使用したフレキシブルプリント配線板1及びフレキシブルプリント配線板2と、PETフィルムを剥がした後のA1層及びB1層を、フレキシブルプリント配線板1側にB1層が、フレキシブルプリント配線板2側にA1層が来るように、かつフレキシブルプリント配線板1とフレキシブルプリント配線板2の電極同士が向き合うよう位置を合わせて配置した後、実施例1におけるフレキシブルプリント配線板接着体の製造と同様にして配線板間を完全に接着し、フレキシブルプリント配線板接着体を得た。その後、実施例1と同様にして各種評価を行った。
〔配線板接続用フィルム用接着剤層の形成〕
分散溶液Aを、離型処理したPET基材(厚さ50μm)上にドクターナイフを用いて塗布した後、磁束密度100mTの磁場中、65℃で30分間乾燥させて溶媒を除去し、フィルム中で導電性粒子が磁場方向に配向した厚さ10μmの接着剤層(A2層)を形成した。この上に、分散溶液Bを塗布し、再び磁束密度100mTの磁場中、65℃で30分間乾燥させて厚さ10μmの接着剤層(B2層)を形成した。さらにB2層上に、分散溶液Aを塗布し、再び磁束密度100mTの磁場中、65℃で30分間乾燥させて厚さ10μmの接着剤層(A3層)を形成した。その後A3層上に離型処理したPET基材(厚さ25μm)をラミネートして、接着剤層(A2層+B2層+A3層)の総厚が30μmの配線板接続用フィルムを作製した。
この配線板接続用フィルムと、実施例1で使用したフレキシブルプリント配線板1及びフレキシブルプリント配線板2を用いて、フレキシブルプリント配線板1及びフレキシブルプリント配線板2の両方の側から加圧、加熱した以外は、実施例1と同様にしてフレキシブルプリント配線板接着体を得、各種評価を行った。
(比較例1)
分散溶液Aのみから厚さ30μmの配線板接続用フィルムを作製し、このフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にしてフレキシブルプリント配線板接着体を得、各種評価を行った。
(比較例2)
フレキシブルプリント配線板同士の接着条件を230℃、10秒としたこと以外は比較例1と同様にして各種評価を行った。
各実施例、及び比較例における測定結果を、表1に示す。
Figure 0004872567
なお、比較例における硬化反応率は、実施例1における測定箇所と同じ厚さ方向の位置で測定し、実施例1のA層内部、B層内部に対応する位置で測定した値を、それぞれ、A層内部、B層内部とした。
表1より明らかなように、配線板接続用フィルムの厚さ方向に硬化剤含有量の勾配を持たせ、含有量の低い側から加熱して配線板間の接着を行った実施例1、実施例2、実施例4のいずれにおいても、厚さ方向の硬化反応率の差異は小さく、環境試験中の抵抗値の上昇も小さい。厚さ方向に硬化剤含有量の勾配を持つ配線板接続用フィルムを、加圧、加熱のときに形成し、含有量の低い側から加熱して配線板間の接着を行った実施例3でも、同様な優れた効果が得られている。
一方、厚さ方向での硬化剤含有量に変化のない1層フィルムによる比較例1、比較例2においては、A層内部とB層内部との硬化反応率の差は大きく、環境試験中の抵抗値の上昇も大きい。

Claims (5)

  1. 導電性粒子を分散する熱硬化性樹脂組成物よりなり、前記熱硬化性樹脂組成物が、熱硬化性樹脂及び硬化剤を含有する配線板接続用フィルムであって、硬化剤の含有量が、フィルムの一方の表面より他方の表面に向かい増加する又はフィルムの両表面より中央部に向かい増加するとともに、硬化剤の含有量を除いた配合をフィルムの一方の表面より他方の表面の間で同一とすることにより、その硬化反応性が、フィルムの一方の表面より他方の表面に向かい増加する、又はフィルムの両表面より中央部に向かい増加することを特徴とする配線板接続用フィルム。
  2. 導電性粒子を分散する熱硬化性樹脂組成物よりなり、前記熱硬化性樹脂組成物が熱硬化性樹脂及び硬化剤を含有するものである層を、2以上積層して形成され、前記2以上の層が、その硬化剤の含有量がそれぞれ異なりかつ硬化剤の含有量を除いた配合は同一であることを特徴とする請求項1に記載の配線板接続用フィルム。
  3. 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の配線板接続用フィルム。
  4. 前記硬化剤が、イミダゾール系硬化剤であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の配線板接続用フィルム。
  5. 基板上に配線を有する2配線板の、該配線が設けられている表面間に、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の配線板接続用フィルムを挟持し、該配線板接続用フィルムの硬化反応性が小さい面側より加熱し、かつ加圧することを特徴とする配線板接続方法。
JP2006261421A 2006-09-26 2006-09-26 配線板接続用フィルム、及び配線板接続方法 Expired - Fee Related JP4872567B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006261421A JP4872567B2 (ja) 2006-09-26 2006-09-26 配線板接続用フィルム、及び配線板接続方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006261421A JP4872567B2 (ja) 2006-09-26 2006-09-26 配線板接続用フィルム、及び配線板接続方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008084607A JP2008084607A (ja) 2008-04-10
JP4872567B2 true JP4872567B2 (ja) 2012-02-08

Family

ID=39355254

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006261421A Expired - Fee Related JP4872567B2 (ja) 2006-09-26 2006-09-26 配線板接続用フィルム、及び配線板接続方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4872567B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3871083B2 (ja) * 1997-03-28 2007-01-24 日立化成工業株式会社 フィルム状接着剤及び回路板の製造法
JP4706142B2 (ja) * 2001-07-31 2011-06-22 日立化成工業株式会社 回路接続用接着剤及びそれを用いた回路接続方法、接続構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008084607A (ja) 2008-04-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5151902B2 (ja) 異方導電性フィルム
JP4816750B2 (ja) プリント配線基板の接続方法
KR102467618B1 (ko) 접착제 조성물
CN104106182B (zh) 各向异性导电连接材料、连接结构体、连接结构体的制造方法和连接方法
JP2008094908A (ja) 電極接続用接着剤
US11319466B2 (en) Adhesive film
TWI797225B (zh) 連接結構體及其製造方法
JP5200744B2 (ja) 接着剤およびこれを用いた電極接続方法
JP4572562B2 (ja) フィルム状接着剤
JP2007317563A (ja) 回路接続用接着剤
KR102193813B1 (ko) 이방성 도전 필름, 접속 방법 및 접합체
JP2010024416A (ja) 電極接続用接着剤
TW201807054A (zh) 含導電性粒子之樹脂組成物及含該樹脂組成物之電子裝置
JP4867805B2 (ja) 電極接続用接着剤
JP4872567B2 (ja) 配線板接続用フィルム、及び配線板接続方法
JP5440478B2 (ja) 異方導電性接着剤、電極の接続構造及び電子機器
JP5273514B2 (ja) 電極接続用接着剤とその製造方法
JP4918908B2 (ja) 異方導電性フィルム
TWI795388B (zh) 接著劑膜
JP2005294086A (ja) フィルム状接着剤
JP2009004603A (ja) 基板の製造方法
JP2010135576A (ja) プリント配線板およびプリント配線板の製造方法
JP2021089894A (ja) 異方導電性フィルム及び接続構造体
JP2009111070A (ja) 配線板の接続方法
JP2008084545A (ja) 電極接続用接着剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110311

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110322

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111025

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111107

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141202

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees