JP4872148B2 - クラスター包接材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクラスター包接材料に関するものであり、より詳しくは、多孔体の細孔内にクラスターが形成されたクラスター包接材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、量子井戸構造(2次元電子系)を用いた機能材料の開発が盛んに行われている。例えば、量子井戸レーザーにおいては、量子井戸構造を用いることにより、通常のダブルへテロレーザーに比べて微分利得の増大、緩和振動周波数の増大、スペクトル線幅の低減等、種々の特性が改善される。
【0003】
また、量子細線(1次元電子系)や量子箱(0次元電子系)のように、2次元電子系をさらに低次元化することによって、電子素子のさらなる特性改善を図る、あるいは新しい物理現象に基づく素子を構築しようとする試みがなされている。例えば、量子箱レーザーによれば、上記量子井戸レーザーにより改善される特性に加え、しきい値電流の減少、しきい値電流の温度依存性の緩和等が期待される。これらの状況は、「固体物理」(荒川泰彦、第22巻、第2号、71頁(1987))等に記載されている。
【0004】
このように各種特性の改善が期待できる量子箱及び量子細線を備える機能材料の一つとして、多孔体の細孔(空隙)内に金属や半導体物質等のクラスターを形成させることにより得られるクラスター包接材料が提案されている。例えば、「ジャーナル オブ アメリカン ケミカルソサイアティ」(N.Herron et al.,J.Am.Chem.Soc.vol.III,No.2,530(1989))には、ゼオライト結晶中の数nm以下の細孔内に硫化カドミウムを析出させる技術が記載されている。また、特開平7−72520号公報には、イオン交換法、ガス吸着法を利用してゼオライト結晶中の細孔内に半導体物質を埋め込んだクラスター包接材料が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなクラスター包接材料を磁性材料、電子デバイス、触媒等の分野に適用する場合、実用上十分な特性を得るためには、細孔内に形成するクラスターが均一であり、且つ多孔体中のクラスター密度が高いことが必要である。しかしながら、ゼオライトの細孔はその中心細孔直径が数nm以下(通常1nm以下)と小さいため、ゼオライト中の全細孔に対するクラスターの埋め込み率には限界がある。また、このように細孔が小さい場合には、その内部に生成するクラスターも小さくなってしまう。したがって、ゼオライト結晶をクラスターのホストとして用いる上記従来のクラスター包接材料においては、多孔体中のクラスター密度を十分に高めることができず、磁性材料、電子デバイス、触媒等において実用上要求される磁気特性、電子特性、光特性等の特性を得ることができなかった。
【0006】
本発明は、上記従来の技術に鑑みてなされたものであり、クラスターが十分に均一に且つ高密度で形成されており、磁性材料、電子デバイス、触媒等に用いた場合に優れた特性を示すクラスター包接材料を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、先ず、無機骨格を有するメソ多孔体の細孔内にクラスターを形成した場合に、多孔体中のクラスター密度が高められることを見出し、その技術を特開平10−130013号公報において開示している。しかしながら、このようにメソ多孔体をクラスター形成のホストとして用いた場合であっても、細孔内にクラスターが多く形成される部分と全く形成されない部分とが生じるという問題があった。
【0008】
また、本発明者らは、J.Am.Chem.Soc.121,9611−9614(1999);ibid.,122,5660−5661(2000)、及び特開2000−2197790号公報において、無機骨格からなる細孔の内部表面に有機基を有する有機/無機複合多孔材料を開示しているが、このような有機/無機複合多孔材料をクラスター形成のホストとして用いた場合であっても、機能材料として実用上要求される十分な特性を得ることはできなかった。
【0009】
そこで、本発明者らは、さらに鋭意研究を重ねた結果、細孔を構成する骨格中に有機基を有し、且つ中心細孔直径1〜50nmの細孔を有する多孔体をクラスター形成のホストとして用いた場合に上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明のクラスター包接材料は、炭素原子を1以上有する有機基、該有機基中の同一もしくは異なる炭素原子に結合した2以上の金属原子、並びに該金属原子に結合した1以上の酸素原子からなる骨格を有し、且つ中心細孔直径1〜50nmの細孔を有する多孔体と、前記細孔内に形成されたクラスターとを備え、前記金属原子がケイ素原子であることを特徴とするものである。
【0011】
本発明によれば、上記の構成を有する多孔体を用いることによって、多孔体の骨格を構成する有機基により細孔内部表面に疎水性が付与されてクラスター形成プロセスが安定化されるので、クラスターを細孔内に十分に均一に形成することが可能となる。また、本発明にかかる多孔体の細孔はゼオライトに比べて十分に大きいので、多孔体中のクラスター密度を十分に高めることができる。したがって、磁性材料、電子デバイス、触媒等に用いた場合に優れた特性を示すクラスター包接材料(複合クラスター包接材料)を得ることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0013】
本発明にかかる有機基は、前述の通り、炭素原子を1以上有するものであり、2以上の金属原子と結合するために2価以上の価数を有するものである。このような有機基としては、例えば、アルカン、アルケン、アルキン、ベンゼン、シクロアルカン等の炭化水素から2以上の水素原子が脱離して生じる2価以上の有機基が挙げられる。また、本発明にかかる有機基は、その水素原子の一部が、アミド基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基、スルフォン基、カルボキシル基、エーテル基、アシル基、ビニル基等の置換基で置換されたものであってもよい。また、本発明にかかる多孔体の骨格は、上記の有機基を1種のみ含むものであっても、2種以上含むものであってもよい。
【0014】
本発明においては、適度な架橋度の多孔体が得られることから、有機基の価数は2価であることが好ましい。2価の有機基としては、メチレン基(−CH2−)、エチレン基(−CH2CH2−)、トリメチレン基(−CH2CH2CH2−)、テトラメチレン基(−CH2CH2CH2CH2−)、1,2−ブチレン基(−CH(C25)CH−)、1,3−ブチレン基(−CH(CH3)CH2CH2−)、フェニレン基(−C64−)、ジエチルフェニレン基(−C24−C64−C24−)、ビニレン基(−CH=CH−)、プロペニレン基(−CH2−CH=CH2−)、ブテニレン基(−CH2−CH=CH−CH2−)、アミド基(−CO−NH−)、ジメチルアミノ基(−CH2−NH−CH2−)、トリメチルアミン基(−CH2−N(CH3)−CH2−)等が挙げられるが、これらの中でも、結晶性の高い多孔質粒子を得ることが可能であることから、メチレン基、エチレン基、フェニレン基が好ましい。
【0015】
上記の有機基における同一もしくは異なる炭素原子には2以上の金属原子が結合するが、この金属原子の種類は特に制限されず、例えば、ケイ素、アルミニウム、チタン、マグネシウム、ジルコニウム、タンタル、ニオブ、モリブデン、コバルト、ニッケル、ガリウム、ベリリウム、イットリウム、ランタン、ハフニウム、スズ、鉛、バナジウム、ホウ素が挙げられる。中でも、有機基及び酸素との結合性が良好なことから、ケイ素、アルミニウム、チタンが好ましい。なお、上記の金属原子は有機基と結合するとともに酸素原子と結合して酸化物を形成するが、この酸化物は2種以上の金属原子からなる複合酸化物であってもよい。
【0016】
本発明にかかる多孔体は、上述の有機基、金属原子及び酸素原子が結合することによって生じる結晶性の有機/無機複合材料からなるものであるが、この結合の種類は限定されず、例えば、共有結合、イオン結合が挙げられる。また、有機基に結合する金属原子の数や金属原子に結合する酸素原子の数によって、異なった骨格(直鎖状、梯子状、網目状、分岐状等)の有機/無機複合材料が生じる。
【0017】
本発明においては、有機基は2以上の金属原子と結合しその金属原子は1以上の酸素原子と結合するため、有機基は金属酸化物の骨格中に取り込まれる。この結果、本発明の多孔質粒子は有機/無機の両方の表面特性を示すようになる。なお、有機/無機複合材料としては、金属酸化物の表面に有機基が付加した表面修飾型多孔質材料が知られているが、クラスターを十分に均一に且つ高密度で形成することができるといった本発明の効果は、金属酸化物の骨格中に有機基が取り込まれた本発明にかかる多孔体を用いることによって初めて達成されるものである。さらに、本発明にかかる多孔体を用いることによって、加熱等による有機基の脱離が低減され、例えば吸着剤や触媒用担体として用いたときに性能劣化が抑えられる。
【0018】
本発明にかかる多孔体においては、有機基、金属原子及び酸素原子からなる骨格が、下記一般式(1):
【化2】
Figure 0004872148
で表される構成単位の少なくとも1種からなることが好ましい。
【0019】
上記式(1)中、R1は炭素原子を1以上有する有機基を表し、Mは金属原子を表す。R1及びMの具体例としては、それぞれ上記の有機基及び金属原子の説明において例示された基又は原子が挙げられる。
【0020】
上記式(1)中、R2は水素原子、水酸基又は炭化水素基を表す。R2が炭化水素基である場合その種類に制限はないが、R2としては、例えば、炭素数が1〜10のアルキル基、炭素数が1〜10のアルケニル基、フェニル基、置換フェニル基等が挙げられる。
【0021】
上記一般式(1)におけるxは金属Mの価数から1を差し引いた整数、nは1以上x以下の整数、mは2以上の整数を表す。なお、Mが結合するR1の炭素は同一でも異なっていてもよい。また、−O1/2−は、これらが2つ結合することにより−O−となる基を表す。
【0022】
上記一般式(1)において、R1、M、R2、n、mが、それぞれエチレン基、ケイ素原子、メチル基、1、2である場合は、一般式(1)は下記化学式(2):
【化3】
Figure 0004872148
で表され、上記化学式(2)の構成単位が2個連結した骨格は下記化学式(3):
【化4】
Figure 0004872148
で表される。
【0023】
また、上記一般式(1)において、R1、M、n、mが、それぞれエチレン基、ケイ素原子、3、2である場合は、一般式(1)は下記化学式(4):
【化5】
Figure 0004872148
で表され、上記化学式(4)の構成単位が複数個連結すると網状構造を形成する。下記化学式(5):
【化6】
Figure 0004872148
はその網状構造の一例として上記化学式(4)の構成単位の4個が連結した場合示すものである。
【0024】
本発明にかかる多孔体を構成する有機/無機複合材料の骨格は、上記一般式(1)において、R1、M、R2、n、mが異なる複数種の構成単位からなるものであってもよく、例えば、上記化学式(2)で表される構成単位と上記化学式(4)で表される構成単位とからなるものであってもよい。また、当該有機/無機複合材料は、上記一般式(1)で表される構成単位以外に、例えば、Si−(O1/24−、Ti−(O1/24−等の構成単位を有していてもよい。
【0025】
本発明にかかる多孔体において、細孔の中心細孔直径は、前述の通り1〜50nmであり、好ましくは2〜30nmであり、更に好ましくは2〜10nmである。中心細孔直径が1nm未満である場合は、細孔の平均の大きさが吸着の対象となる物質の大きさよりも小さくなることが多くなるために、吸着性能が低下する傾向にある。また、中心細孔直径が50nmを超す場合は、比表面積が低下して、触媒、吸着特性が低下する傾向にある。
【0026】
ここで、中心細孔直径とは、細孔容積(V)を細孔直径(D)で微分した値(dV/dD)を細孔直径(D)に対してプロットした曲線(細孔径分布曲線)の最大ピークにおける細孔直径である。なお、細孔径分布曲線は、次に述べる方法により求めることができる。すなわち、多孔体を液体窒素温度(−196℃)に冷却して窒素ガスを導入し、定容量法あるいは重量法によりその吸着量を求め、次いで、導入する窒素ガスの圧力を徐々に増加させ、各平衡圧に対する窒素ガスの吸着量をプロットし、吸着等温線を得る。この吸着等温線を用い、Cranston-Inklay法、Pollimore-Heal法、BJH法等の計算法により細孔径分布曲線を求めることができる。
【0027】
本発明にかかる多孔体は、細孔径分布曲線における中心細孔直径の±40%の範囲に全細孔容積の60%以上が含まれることが好ましい。ここで、「細孔径分布曲線における最大ピークを示す細孔直径の±40%の範囲に全細孔容積の60%以上が含まれる」とは、例えば、中心細孔直径が3.00nmである場合、この3.00nmの±40%、すなわち1.80〜4.20nmの範囲にある細孔の容積の合計が、全細孔容積の60%以上を占めていることを意味する。この条件を満たす多孔体は、細孔の直径が非常に均一であることを意味する
また、本発明にかかる多孔体の比表面積については特に制限はないが、700m2/g以上であることが好ましい。比表面積は、吸着等温線からBET等温吸着式を用いてBET比表面積として算出することができる。
【0028】
更に、本発明にかかる多孔体は、そのX線回折パターンにおいて1nm以上のd値に相当する回折角度に1本以上のピークを有することが好ましい。X線回折ピークはそのピーク角度に相当するd値の周期構造が試料中にあることを意味する。したがって、1nm以上のd値に相当する回折角度に1本以上のピークがあることは、細孔が1nm以上の間隔で規則的に配列していることを意味する。
【0029】
本発明にかかる多孔体が有する細孔は、粒子の表面のみならず内部にも形成される。この細孔の形状は特に制限はないが、例えば、トンネル状に貫通したものであってもよく、また、球状もしくは多角形状の空洞が互いに連結したような形状を有していてもよい。
【0030】
更にまた、本発明にかかる多孔体の形状は、球状、六角柱状又は十八面体状の形状を有する結晶性の粒子であることが好ましい。また、本発明にかかる多孔体の平均粒径は0.01〜100μmであることが好ましく、0.01〜50μmであることがより好ましく、0.1〜50μmであることがさらに好ましい。平均粒径が0.01μm未満である場合は、粒子が飛散しやすく取り扱いが困難となる傾向にある。また、平均粒径が100μmを超える場合は、触媒等に用いたときに多孔体の細孔が十分に利用できなくなる傾向にある。なお、球状の形状を有する粒子における平均粒径とは、直径(最長の直径)の平均を意味し、六角柱状の形状を有する粒子における平均粒径とは、長手方向に垂直な六角断面の直径(最長の対角線の長さ)の平均を意味する。また、十八面体状の形状を有する粒子における平均粒径とは、直径(最長の頂点間距離)の平均を意味する。
【0031】
本発明にかかる多孔体は、例えば、下記一般式(6):
【化7】
Figure 0004872148
で表される化合物の少なくとも1種類を重縮合することにより得ることができる。
【0032】
ここで、R1、M及びR2はそれぞれ上記一般式(1)におけるR1、M、R2と同一である。また、Aは、アルコキシル基又はハロゲン原子を表し、xは金属Mの価数から1を差し引いた整数、nは1以上x以下の整数、mは1以上の整数を表す。なお、Mが結合するR1の炭素は同一でも異なっていてもよい。
【0033】
上記一般式(6)のAがアルコキシル基である場合、そのアルコキシル基中の酸素に結合した炭化水素基の種類は特に制限されず、例えば、鎖式、環式、脂環式の炭化水素を挙げることができる。この炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜5の鎖式アルキル基であり、より好ましくは、メチル基またはエチル基である。
【0034】
また、上記一般式(6)のAがハロゲン原子である場合、その種類も特に制限されず、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、ヨウ素原子を挙げることができるが、これらの中でも、塩素及び臭素が好ましい。
【0035】
上記一般式(6)において、R1、M、A、n、mがそれぞれ、エチレン基、ケイ素、メトキシ基、3、2である場合は、一般式(6)で表される化合物は、(CH3 O)3 Si−CH2 −CH2 −Si(OCH3 3 で表される1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンとなる。
【0036】
また、上記一般式(6)において、R1、M、A、n、mがそれぞれ、エチレン基、ケイ素、塩素、3、2である場合は、一般式(6)で表される化合物は、Cl3 Si−CH2 −CH2 −SiCl3 で表される1,2−ビス(トリクロロシリル)エタンとなる。
【0037】
本発明においては、一般式(6)で表される化合物に、アルコキシシラン、チタニウムアルコキシド、アルミニウムアルコキシド等を加えて重縮合してもよい。
【0038】
アルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン等を用いることができる。また、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、エポキシ基等の官能基を有するアルコキシシランを用いることもできる。
【0039】
チタニウムアルコキシドとしては、例えば、チタニウムブトキシド、チタニウムイソプロポキシド、チタニウムエトキシドを用いることができ、アルミニウムアルコキシドとしては、例えば、アルミニウムイソプロポキシドを用いることができる。また、塩素化ケイ素(SiCl4)を始めとする各種ハロゲン化金属も用いることができる。
【0040】
また、上記一般式(6)で表される化合物やアルコキシシラン等に、擬ベーマイト、アルミン酸ソーダ、硫酸アルミニウム、ジアルコキシアルミノトリアルコキシシラン等を加えて反応させることにより、SiO2−Al23の骨格を導入することができる。また、硫酸バナジル(VOSO4)、ホウ酸(H3BO3)、塩化マンガン(MnCl2)等を加えて反応させることにより、V、B、Mnを骨格に導入することができる。
【0041】
本発明にかかる多孔体を製造する際には、上記一般式(6)で表される化合物を、界面活性剤を含む水溶液に加え酸性もしくはアルカリ性条件下で重縮合することが好ましい。
【0042】
界面活性剤としては、陽イオン性、陰イオン性、非イオン性のいずれの界面活性剤も使用することができる。このような界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム[Cn2n+1N(CH33]、アルキルアンモニウム、ジアルキルジメチルアンモニウム、ベンジルアンモニウムの塩化物、臭化物、ヨウ化物あるいは水酸化物等の他、脂肪酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリエチレンオキサイド系非イオン性界面活性剤、一級アルキルアミン等が挙げられる。
【0043】
アルキルトリメチルアンモニウム[Cn2n+1N(CH33]としてはアルキル基の炭素数が8〜18のものを用いることが好ましい。
【0044】
非イオン性界面活性剤としては、疎水性成分として炭化水素基を有し、親水性成分としてポリエチレンオキサイド鎖を有するポリエチレンオキサイド系非イオン性界面活性剤が挙げられる。このような界面活性剤としては、例えば、C1633(OCH2CH22OH、C1225(OCH2CH24OH、C1633(OCH2CH210OH、C1633(OCH2CH220OH、C1837(OCH2CH210OH、C1835(OCH2CH210OH、C1225(OCH2CH223OH等が挙げられる。
【0045】
また、ソルビタン脂肪酸エステル成分とポリエチレンオキサイド成分を有した界面活性剤を使用することもできる。このような界面活性剤としては、TritonX−100(アルドリッチ)、ポリエチレンオキサイド(20)ソルビタンモノラウリレート(Tween20、アルドリッチ)、ポリエチレンオキサイド(20)ソルビタンモノパルミテート(Tween40)、ポリエチレンオキサイド(20)ソルビタンモノステアレート、ポリエチレンオキサイド(20)ソルビタンモノオリエート(Tween60)、ソルビタンモノパルミテート(Span40)等が挙げられる。
【0046】
また、界面活性剤としては、3つのポリアルキレンオキサイド鎖からなるトリブロックコポリマーも用いることができる。中でも、ポリエチレンオキサイド(EO)鎖−ポリプロピレンオキサイド(PO)鎖−ポリエチレンオキサイド(EO)鎖で表されるトリブロックコポリマーが好ましい。EO鎖の繰り返し数がx、PO鎖の繰り返し数がyである時、このトリブロックコポリマーは(EO)x(PO)y(EO)xとして表すことができる。本発明において用いられるトリブロックコポリマーの、x、yには特に制限はないが、xは5〜110、yは15〜70であることが好ましく、xは15〜20、yは50〜60であることがより好ましい。
【0047】
さらに、界面活性剤として、ポリプロピレンオキサイド(PO)鎖−ポリエチレンオキサイド(EO)鎖−ポリプロピレンオキサイド(PO)鎖のトリブロックコポリマー((PO)x(EO)y(PO)x)も好ましく使用できる。ここで、x、yには特に制限はないが、xは5〜110、yは15〜70であることが好ましく、xは15〜20、yは50〜60であることがより好ましい。
【0048】
上記のトリブロックコポリマーとしては、(EO)5(PO)70(EO)5、(EO)13(PO)30(EO)13、(EO)20(PO)30(EO)20、(EO)26(PO)39(EO)26、(EO)17(PO)56(EO)17、(EO)17(PO)58(EO)17、(EO)20(PO)70(EO)20、(EO)80(PO)30(EO)80、(EO)106(PO)70(EO)106、(EO)100(PO)39(EO)100、(EO)19(PO)33(EO)19、(EO)26(PO)36(EO)26が挙げられる。中でも、(EO)17(PO)56(EO)17、(EO)17(PO)58(EO)17を用いることが好ましい。これらのトリブロックコポリマーはBASF社等から入手可能であり、また、小規模製造レベルで所望のx値とy値を有するトリブロックコポリマーを得ることができる。上記のトリブロックコポリマーは1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0049】
また、エチレンジアミンの2個の窒素原子にそれぞれ2本のポリエチレンオキサイド(EO)鎖−ポリプロピレンオキサイド(PO)鎖が結合したスターダイブロックコポリマーも使用することができる。このようなスターダイブロックコポリマーとしては、((EO)113(PO)222NCH2CH2N((PO)22(EO)1132、((EO)3(PO)182NCH2CH2N((PO)18(EO)32、((PO)19(EO)162NCH2CH2N((EO)16(PO)192等が挙げられる。上記のスターダイブロックコポリマーは1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0050】
本発明にかかる多孔体は、上記の一般式(6)で表される化合物(及び必要によりアルコキシシラン等の無機系化合物)を、界面活性剤を含む水溶液に加え、酸性もしくはアルカリ性条件下で重縮合することにより得ることができるが、水溶液のpHは7以上であることが好ましい。
【0051】
また、有機金属化合物(及び必要により無機系化合物)を、界面活性剤の非存在下、酸性もしくはアルカリ性条件下で重縮合してオリゴマーを形成させ、このオリゴマーを含む水溶液中に界面活性剤を加え、酸性もしくはアルカリ性条件下で更に重縮合させることもできる。
【0052】
界面活性剤存在下における重縮合においては、アルカリ性条件下による重縮合と、酸性条件下による重縮合とを交互に行うこともできる。この際、アルカリ性条件と酸性条件の順序は特に制限はないが、酸性条件で重縮合を行ってアルカリ性条件で重縮合を行うと、重合度が高まる傾向にある。なお、重縮合反応においては、攪拌と静置を交互に行うことが好ましい。
【0053】
重縮合の反応温度は、0〜100℃の範囲が好ましいが、温度が低い方が生成物の構造の規則性が高くなる傾向がある。構造の規則性を高くするために好ましい反応温度は20〜40℃である。一方、反応温度が高い方が、重合度が高く構造の安定性が高くなる傾向がある。重合度を高くするために好ましい反応温度は60〜80℃である。
【0054】
重縮合反応の後、熟成を行った後に生成した沈殿あるいはゲルを濾過し、必要に応じて洗浄を行った後に乾燥すると、細孔内に界面活性剤が充填されたままの多孔体前駆体が得られる。
【0055】
この多孔質粒子前駆体を、重縮合反応において使用したものと同じ界面活性剤を含む水溶液(典型的には重縮合反応時と同等かそれ以下の界面活性剤濃度とする)中あるいは水等の溶媒中に分散させ、当該前駆体を50〜200℃で水熱処理することができる。この場合、重縮合反応において使用した溶液をそのままあるいは希釈して加熱することができる。加熱温度は60〜100℃であることが好ましく、70〜80℃であることがより好ましい。また、この時のpHは弱アルカリ性であることが好ましく、pHは例えば8〜8.5であることが好ましい。この水熱処理の時間には特に制限はないが、1時間以上が好ましく、3〜8時間がより好ましい。
【0056】
この水熱処理後、多孔体前駆体を濾過した後に、乾燥し、余剰の処理液を取り去る。なお、多孔体前駆体を上記水溶液あるいは溶媒中に分散してpH調整後水熱処理を開始する前に、あらかじめ室温で数時間〜数十時間程度攪拌処理を行ってもよい。
【0057】
次いで、多孔体前駆体から界面活性剤を除去するが、その方法としては、例えば、焼成による方法と水やアルコール等の溶媒で処理する方法が挙げられる。
【0058】
焼成による方法においては、多孔質粒子前駆体を300〜1000℃、好ましくは400〜700℃で加熱する。加熱時間は30分程度でもよいが、完全に界面活性剤成分を除去するには1時間以上加熱することが好ましい。焼成は空気中で行うことが可能であるが、多量の燃焼ガスが発生するため、窒素等の不活性ガスを導入して行ってもよい。
【0059】
溶媒を用いて多孔質粒子前駆体から界面活性剤を除去する場合は、例えば、界面活性剤の溶解性の高い溶媒中に多孔質材料前駆体を分散させ、攪拌後固形分を回収する。溶媒としては、水、エタノール、メタノール、アセトン等を使用することができる。
【0060】
陽イオン性の界面活性剤を用いた場合は、少量の塩酸を添加したエタノールあるいは水中に多孔質材料前駆体を分散させ、50〜70℃で加熱しながら攪拌を行う。これにより、陽イオン界面活性剤がプロトンによりイオン交換され抽出される。陰イオン性の界面活性剤を用いた場合は、陰イオンを添加した溶媒中で界面活性剤を抽出することができる。また、非イオン性の界面活性剤を用いた場合は、溶媒のみで抽出することが可能である。なお、抽出時に超音波を照射することが好ましい。また、攪拌と静置とを組み合わせ、あるいは繰り返すことが好ましい。
【0061】
本発明にかかる多孔体の形状は合成条件により制御することができる。なお、多孔体の形状は粒子の細孔の配列構造を反映しており、また、結晶構造が決まることにより形状も決まる。例えば、球状の多孔体の結晶構造は三次元ヘキサゴナルであり、六角柱状の多孔質粒子の結晶構造は二次元ヘキサゴナルである。また、十八面体状の多孔質粒子の結晶構造はキュービックである。
【0062】
多孔体の形状(結晶構造)に影響する合成条件としては、反応温度と界面活性剤の長さ(炭素数)が挙げられる。例えば、界面活性剤としてアルキルトリメチルアンモニウムを用いる場合は、そのアルキル基の炭素数と反応温度が多孔体の形状に影響を与える。例えば、反応温度が95℃でアルキル基の炭素数が18である場合は、六角柱状の粒子が生成しやすく、反応温度が95℃でアルキル基の炭素数が16である場合は、十八面体状の粒子が生成しやすい。また、反応温度が25℃の場合は、アルキル基の炭素数が18と16のいずれの場合も球状粒子が生成しやすい。一方、反応温度が2℃でアルキル基の炭素数が18の時は、層状構造となり、反応温度が2℃でアルキル基の炭素数が16の時は、球状粒子が生成しやすい。
【0063】
次に、本発明にかかるクラスターについて説明する。
【0064】
本発明でいうクラスターとは、多孔体の細孔を鋳型として形成される原子集団を意味し、大きさが1〜10nmの範囲の粒状クラスター、並びに直径が1〜10nmの範囲であり且つ細孔に沿って線状に形成されたクラスター細線を包含するものである。
【0065】
ここで、本発明にかかるクラスターはクラスター細線であることが好ましく、その長さは好ましくは50〜5000nmであり、アスペクト比は好ましくは10〜1000である。クラスター細線の長さやアスペクト比が前記の範囲内であると、磁気特性、電子特性、光特性の全てにおいて非常に優れたクラスター包接材料が得られる傾向にある。
【0066】
本発明にかかるクラスターの材料は目的に応じて適宜選択されるが、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Rh)、イリジウム(Ir)、金(Au)、銀(Ag)等の金属やこれらの酸化物;シリコン、ゲルマニウム、ガリウム−ヒ素(GaAs)等の半導体物質;又はケイ酸塩等のセラミックスが好ましく用いられる。特に、クラスターが白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金、銀等の貴金属の細線であると、磁気特性、電子特性、光特性の全てにおいて非常に優れたクラスター包接材料が得られる傾向にある。
【0067】
本発明において、多孔体の細孔内にクラスターを形成する際に用いる原料化合物としては特に制限されないが、例えば、上記の貴金属のクラスターを形成する場合には上記の貴金属の塩又は錯塩を用いることができる。より具体的には、白金のクラスターの原料化合物として、H2PtCl6、Pt(NO22(NH32、[Pt(NH36]Cl4、H2Pt(OH)6、PtCl2(NH32、Pt(NH34Cl2、Pt(NH34(OH)2、Pt(NH34(OH)4、K2PtCl4、PtCl4、PtCl2等が挙げられる。
【0068】
上記のクラスターの原料化合物を多孔体の細孔内に導入する方法としては、液相法、固相法、気相法等が挙げられる。気相法においては、クラスターの原料化合物を水、エタノール、ベンゼン等の溶媒に溶解させ、その溶液中に多孔体を加えて攪拌混合することにより;固相法では、固体状のクラスターの原料化合物と多孔体(通常、粉末状である)とを固相で混合し、密閉容器中で加熱した後、過剰の原料化合物を洗浄等により除去することにより;気相法では、金属アルコキシド等の蒸気を発生するものや昇華しやすいものを原料に用い、それらの蒸気を多孔体と接触させることにより、それぞれ原料化合物が多孔体の細孔内に導入される。
【0069】
このようにして多孔体の細孔内に導入された原料化合物は、熱、光、γ線等を用いて処理することによって、クラスターに変換される。本発明において、原料化合物からクラスターへの変換処理の方法及び条件は原料化合物の種類に応じて適宜選択されるが、例えば、H2PtCl6を用いた場合には、空気、窒素、水素等の気流中もしくは真空中、200〜600℃で1〜5時間加熱することによって好適に処理することができる。また、光を用いて処理を行う場合には、試料を透明容器に入れて真空脱気した後、冷却しながら高圧水銀ランプ等を用いて10分〜3時間光照射を行うことが好ましい。また、光照射の際には、2−プロパノール等のアルコール蒸気、水蒸気、一酸化炭素(CO)等を透明容器に導入すること好ましい。さらにまた、γ線を用いる場合は、試料を透明容器に入れて真空脱気した後、1〜100時間γ線照射を行うことが好ましく、また、γ線照射に際し、透明容器中に一酸化炭素を導入することが好ましい。これらの中でも、光を用いて処理する方法を用いると、クラスター細線をより均一に且つ高密度で形成させることができるので特に好ましい。
【0070】
このようにして得られる本発明のクラスター包接材料は、クラスターが十分に均一且つ高密度で形成されたものであり、磁気特性、電子特性、光特性等に優れるので、磁性材料や電子デバイス等の機能材料、あるいはナフサ改質、クラッキング、軽油中の芳香族化合物の水素化、ガソリンへの軽質化等の触媒として好適に用いることができる。
【0071】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0072】
実施例1
(1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタンの合成)
窒素ガス環流下、1000mLの三口フラスコに200gのNaOCH3 −HOCH3 溶液(約28%濃度)と102gの無水CH3 OHを入れ、氷−水の冷却下で攪拌しながら1,2−ビス(トリクロロシリル)エタンを50g滴下した。常圧蒸留で溶剤のメタノールを除去してから、減圧蒸留によって生成物を得た。さらに、生成物を減圧蒸留で純化させた。純化させた生成物の構造をガスクロマトグラフィーマススペクトル(GC−MS)と 1H−NMR,13C−NMR,29Si−NMRにより同定したところ、生成物は1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン[(CH3 O)3 Si−CH2 −CH2 −Si(OCH3 3 ](以下、BTMeと略す)であることがわかった。GC−MSによると、生成物中のBTMeの含有量は95%以上で、収率は84mol%であった。
【0073】
(多孔体前駆体の合成)
100mLのビーカーに、1.152g(3.6mmol)の界面活性剤(n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド[C1633N(CH3 3 Cl])と、30gのイオン交換水と、1.5gの6規定NaOH水溶液(7.5mmolのNaOHを含有)とを導入した。この混合物を室温で激しく攪拌させつつ、BTMeを2.03g(7.5mmol)加え、3時間攪拌した。これを室温で14時間静置後に、12.5時間攪拌し、さらに14時間静置後に6.9時間攪拌し、内容物を濾過した。沈殿は300mLのイオン交換水で2回洗い、風乾後に、1.90gの固形物を得た。この固形物は多孔質粒子前駆体であり、細孔内に上記界面活性剤を有するものである。
【0074】
(多孔体の生成)
上記の固形物1.0gを150mL無水エタノールと3.8g濃塩酸の混合物に加え、50℃で6時間攪拌し、その後濾過した。沈殿物を回収しこの処理をもう1度繰り返した。最終的に得られた沈殿物を150mL無水エタノールで2回洗い、風乾することにより多孔質粒子を得た。
【0075】
上記の多孔体を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ、得られた多孔体が球状粒子であり、その平均粒径が5μmであることが分かった。また、電子線回折測定の結果、上記の多孔体の細孔構造は三次元ヘキサゴナル構造であると推察された。さらに、X線回折測定の結果、上記の多孔体の構造は三次元ヘキサゴナル構造であることが確認された。
【0076】
また、上記の多孔体についてCranston-Inklay法により細孔径分布曲線を求めたところ、中心細孔直径は2.3nmであり、中心細孔直径の±40%の細孔径範囲に全細孔容積の70%が含まれており、細孔径分布が均一であることが確認された。
【0077】
さらに、上記の多孔体について元素分析を行ったところ、C:14.5質量%、H:4.4質量%、N:0質量%、SiO2:76.6質量%となり、界面活性剤が完全に除去されているとともに、C/Siのモル比が1となり、炭素理論通り多孔体の骨格中に取り込まれていることがわかった。このことは、熱重量分析の結果からも確認された。
【0078】
(クラスター原料の多孔体への導入)
上記の多孔体200mgをシュレンク管に入れて100℃に加熱し、10-3Torrで2時間真空脱気を行った。その後、多孔体を200mlナス型フラスコに移し、水20mlを加えて分散液を調製した。
【0079】
一方、50mlナス型フラスコに塩化白金酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)30mg(5.8×10-2mmol)と水5mlとを入れて混合し、塩化白金酸水溶液を調製した。
【0080】
このようにして得られた分散液と塩化白金酸水溶液とを混合して24時間攪拌した(Pt担持量:5重量%)。その後、40℃に加熱しながらエバポレータを用いて水を留去し、さらに25℃、10-3Torrの条件下で24時間真空脱気して水を完全に除去した。
【0081】
(クラスターへの変換処理)
次に、得られた残留物を石英製光学セルに移し、25℃で20Torrの水蒸気及び100Torrのメタノール蒸気にそれぞれ2時間曝した後、高圧水銀ランプ(波長:300〜600nm、出力:100W)を用いて24時間光照射を行った。その後、10-3Torrで24時間真空脱気して、目的のクラスター包接材料を得た。
【0082】
このようにして得られたクラスター包接材料の透過型電子顕微鏡写真を図1〜3に示す。得られたクラスター包接材料においては、得られたクラスター包接材料においては、直径(平均値)3nm、長さ(平均値)50nmの白金の細線が形成されていることが確認された。
【0083】
実施例2
実施例1における塩化白金酸水溶液の代わりに、塩化白金酸六水和物4.6mg(8.9×10-3mmol)と塩化ロジウム2.4mg(8.9×10-3mmol)とを水5mlに溶解させた水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、クラスター包接材料を作製した(Pt:Rh(モル比)=1:1、PtとRhとの合計担持量:2.5質量%)。
【0084】
このようにして得られたクラスター包接材料の透過型電子顕微鏡写真を図4、5に示す。得られたクラスター包接材料においては、直径(平均値)3nm、長さ(平均値)30nmの白金−ロジウム合金の細線が形成されていることが確認された。
【0085】
実施例3
先ず、塩化パラジウム0.7mg(3.9×10-3mmol)を50mlナス型フラスコに入れ、水5mlと濃塩酸10mlとを加えて溶解させた後、40℃に加熱しながらエバポレータを用いて水を留去した。このようにして得られた茶褐色の固体を水10mlに溶解させ、さらに塩化白金酸六水和物14mg(2.7×10-2mmol)を加えて10分間攪拌して水溶液を調製した。
【0086】
次に、上記の水溶液を実施例1における塩化白金酸水溶液の代わりに用いたこと以外は実施例1と同様にして、クラスター包接材料を作製した(Pt:Pd(モル比)=6.1:1、PtとPdとの合計担持量:5質量%)。
【0087】
このようにして得られたクラスター包接材料の透過型電子顕微鏡写真を図6〜8に示す。得られたクラスター包接材料においては、直径(平均値)3nm、長さ(平均値)100nmの白金−パラジウム合金の細線が形成されていることが確認された。
【0088】
実施例4
実施例1と同様にしてクラスター原料の導入までの工程を行った後、水を除去した後の残留物を酸素気流中、300℃で2時間加熱した後、水素気流中、300℃で2時間加熱することによってクラスターへの変換処理を行い、目的のクラスター包接材料を得た。
【0089】
このようにして得られたクラスター包接材料について透過型電子顕微鏡観察を行ったところ、直径(平均値)3nmの粒状クラスターが形成されていることが確認された。
【0090】
実施例5
先ず、実施例1と同様にして多孔体の生成を行った。
【0091】
このようにして得られた多孔体を20℃、10-3Torrで24時間真空脱気した後、水20mlに分散させ、さらに塩化ロジウム三水和物(RhCl3・3H2O)24mgを含む水溶液10mlを加えて室温で24時間攪拌した(Rh担持量:3重量%)。その後、エバポレータを用いて水を留去し、室温、10-3Torrで真空乾燥した。
【0092】
次に、乾燥後の残留物を石英製光学セルに入れ、室温、10-3Torrで24時間真空脱気した後、室温で水蒸気20Torrに2時間曝した。その後、高圧水銀ランプ(波長:250〜600nm、出力:100W)を用いて24時間光照射を行った。光照射中、3〜4時間毎にバイブレータを用いて内容物を攪拌した。その後、10-3Torrで24時間真空脱気して、目的のクラスター包接材料を得た。
【0093】
このようにして得られたクラスター包接材料の透過型電子顕微鏡写真を図9〜10に示す。得られたクラスター包接材料においては、直径(平均値)3nm、長さ(平均値)80nmのロジウムの細線が形成されていることが確認された。
【0094】
比較例1
粉末ケイ酸ソーダ(SiO2/Na2O=2.00)を700℃で6時間、空気中で焼成してジケイ酸ソーダ(δ−Na2Si25)の結晶とし、この結晶50gを水500ml中に分散させて3時間攪拌した後、濾過により固形分を回収してカネマイト結晶を得た。このカネマイト結晶の乾燥重量換算で50g相当を、乾燥させずに0.1Mヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液1000mlに加えて分散させ、70℃で3時間加熱攪拌した(分散液のpH:12.3)。その後、2規定の塩酸を用いて分散液のpHを8.5とし、さらに70℃で3時間加熱攪拌した。分散液を室温まで放冷した後、分散液中の固形分を濾取し、1000mlのイオン交換水に分散させて攪拌した。この濾過と分散・攪拌とを5回繰り返した後、固形分を60℃で24時間乾燥し、窒素ガス中、450℃で3時間加熱し、さらに空気中、550℃で6時間焼成することによりシリカ多孔体を得た。
【0095】
次に、上記のシリカ多孔体を実施例1の多孔体の代わりに用いたこと以外は実施例1と同様にして、クラスター包接材料を作製した。
【0096】
比較例2
1000mlビーカーに6N水酸化ナトリウム水溶液15.1g、イオン交換水298g及びヘキサデシルトリメリルアンモニウムクロライド(C1633H(CH33Cl)5.7g(18mmol)を入れ、室温で激しく攪拌しながらエチルトリメトキシシラン(C25Si(OCH33)30mmolとテトラメトキシシラン(Si(OCH34)120mmolとの混合物を加えた。室温で12時間攪拌した後、14時間放置し、さらに12時間攪拌してから濾過により沈殿を採取した。得られた沈殿をイオン交換水500mlで3回洗浄し、風乾して多孔体前駆体を得た。
【0097】
次に、上記の多孔体前駆体1.0gを濃塩酸3.8gとエタノール150mlとの混合溶液に加え、50℃で6時間攪拌した後、濾過により沈殿を回収し、封緘した。この塩酸処理及び濾過をさらに1回行い、細孔の内部表面に有機基を有する多孔体を得た。
【0098】
このようにして得られた多孔体を用いたこと以外は実施例1と同様にして、クラスター包接材料を作製した。
【0099】
(磁気特性評価試験)
このようにして得られた実施例1〜5及び比較例1〜2のクラスター包接材料について磁気特性の測定を行い、磁化曲線、並びに磁化(又は磁化率)と温度との関係を求めた。磁気特性の測定は、Quantum社製MPMS SQUIDを用い、試料を反磁性の紙に包んで直径約5mmのストロ−ホルダーに固定して測定した。なお、各試料の測定においては、予め、試料を含まないストローホルダーと紙とのみについての測定を行い、得られた結果をバックグラウンドとして各試料の測定結果から差し引いた。
【0100】
実施例1、3のクラスター包接材料の磁化曲線をそれぞれ図11、12に、実施例1、4及び比較例1のクラスター包接材料について得られた磁化と温度との相関を図13に、実施例1、3のクラスター材料について得られた磁化率と温度との相関を図14に示す。
【0101】
本発明にかかる実施例のクラスター包接材料は、常磁性体としての振る舞いを維持しながら超常磁性体への転移が防止されているといった、従来のクラスター包接材料では得られなかった特異な磁気特性を示すことが確認された。すなわち、実施例1、3及び4のクラスター包接材料においては、実質的に常磁性体としての温度依存性を示すが、ともに1次元量子細線に特有の低温でのcurieからのずれが認められ、超常磁性体の特徴である低温での磁化の急激な減少は見られなかった。特に、白金−パラジウム合金の細線が形成された実施例3のクラスター包接材料では、図12に示すように、磁化曲線において若干の強磁性的な振る舞いが見られ、また、磁化率の絶対値として全測定温度領域にわたってバルクの白金及びパラジウムの磁化率から予測される値の10倍に増大していることがわかった。なお、図には示していないが、ロジウムの細線が形成された実施例5のクラスター包接材料においては実施例1と同様の結果が得られ、白金−ロジウム合金の細線が形成された実施例2のクラスター包接材料については実施例3と同様の結果が得られた。これらの結果は、本発明のクラスター包接材料が、超高速高周波デバイス等の軟磁性材料として優れた特性を有することを示唆するものである。
【0102】
これに対して、比較例1のクラスター包接材料においては、図13に示すように、従来より超常磁性体の特徴として知られている量子綴じ込めによる磁化の増大が見られるのみであり、上記実施例のような特殊な磁気特性は認められなかった。なお、図には示していないが、比較例2のクラスター包接材料についても同様の結果が得られた。
【0103】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、クラスターが十分に均一に且つ高密度で形成されており、磁性材料、電子デバイス、触媒等に用いた場合に優れた特性を示すクラスター包接材料を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるクラスター包接材料の走査型電子顕微鏡写真(倍率400,000倍)を示す図である。
【図2】実施例1におけるクラスター包接材料の走査型電子顕微鏡写真(倍率400,000倍)を示す図である。
【図3】実施例1におけるクラスター包接材料の走査型電子顕微鏡写真(倍率700,000倍)を示す図である。
【図4】実施例2におけるクラスター包接材料の走査型電子顕微鏡写真(倍率320,000倍)を示す図である。
【図5】実施例2におけるクラスター包接材料の走査型電子顕微鏡写真(倍率220,000倍)を示す図である。
【図6】実施例3におけるクラスター包接材料の走査型電子顕微鏡写真(倍率320,000倍)を示す図である。
【図7】実施例3におけるクラスター包接材料の走査型電子顕微鏡写真(倍率400,000倍)を示す図である。
【図8】実施例3におけるクラスター包接材料の走査型電子顕微鏡写真(倍率320,000倍)を示す図である。
【図9】実施例5におけるクラスター包接材料の走査型電子顕微鏡写真(倍率500,000倍)を示す図である。
【図10】実施例5におけるクラスター包接材料の走査型電子顕微鏡写真(倍率400,000倍)を示す図である。
【図11】実施例1におけるクラスター包接材料の磁化曲線を表すグラフである。
【図12】実施例3におけるクラスター包接材料の磁化曲線を表すグラフである。
【図13】実施例1、4及び比較例1におけるクラスター包接材料の磁化と温度との相関を示すグラフである。
【図14】実施例1及び3におけるクラスター包接材料の磁化率と温度との相関を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 炭素原子を1以上有する有機基、該有機基中の同一もしくは異なる炭素原子に結合した2以上の金属原子、並びに該金属原子に結合した1以上の酸素原子からなる骨格を有し、且つ中心細孔直径1〜50nmの細孔を有する多孔体と、
    前記細孔内に形成されたクラスターと
    を備え、前記金属原子がケイ素原子であることを特徴とするクラスター包接材料。
  2. 前記クラスターが金属、半導体物質又はセラミックスのうちのいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載のクラスター包接材料。
  3. 前記クラスターが貴金属の細線であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のクラスター包接材料。
  4. 前記骨格が、下記一般式(1):
    Figure 0004872148
    (式中、R1は炭素原子を1以上有する有機基を表し、Mは金属原子を表し、R2は水素原子、水酸基又は炭化水素基を表し、xは前記金属原子Mの価数から1を差し引いた整数を表し、nは1以上x以下の整数を表し、mは2以上の整数を表し、Mが結合するR1中の炭素は同一でも異なっていてもよい)
    で表される構成単位の少なくとも1種からなることを特徴とする、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のクラスター包接材料。
  5. 前記多孔体の中心細孔直径の±40%の範囲内の細孔容積の総和が全細孔容積の60%以上であることを特徴とする、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のクラスター包接材料。
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