JP4871173B2 - 糖尿病性腎症患者の病態把握方法 - Google Patents

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本発明は、糖尿病性腎症患者の病態、例えば、腎症の進展度(重症度)又は予後の把握方法に関する。
糖尿病性腎症は糖尿病の3大合併症のひとつである。糖尿病にかかって10年以上経過している人で、糖尿病のコントロールが悪く、高血糖状態が長い間続いていると、腎臓の糸球体の毛細血管に障害が起きてくる。そのため腎機能が低下して、尿の中に蛋白が出てきたり、高血圧やむくみなど腎炎と似た症状が起こる。進行すると、腎不全から尿毒症となり透析が必要になる。腎臓の中にある糸球体は、血液中の老廃物を尿中に排泄するろ過器の働きをしている。糖尿病で高血糖状態が続くと、糸球体を構成している細かい血管が動脈硬化を起こして固くなり、糸球体の組織の目が粗くなって、ろ過機能が低下する。するとタンパク質が糸球体の網の目を通り抜けて蛋白尿が出たり、尿をつくる働きが低下して老廃物が排泄されなくなり体内にたまり、糖尿病性腎症になる。
糖尿病性腎症は腎生検が困難なことから糖尿病に併発した持続性蛋白尿、腎機能障害、高血圧等の知見から臨床診断がなされてきた。しかし、持続性蛋白尿が出現すると治療が難しく、5〜6年の経過で末期腎不全に陥る場合が多い。そのため、通常の尿試験紙法で尿蛋白が陽性となる前に腎病変を診断して、早期治療を行うことが臨床医学の立場から強く望まれている。約30年前に、放射線免疫測定法、酵素免疫測定法、ラテックス凝集免疫比濁法、免疫沈降法により尿中の微量アルブミンの測定が行われるようになり、試験紙法による尿蛋白が陰性の早期から糖尿病性腎症患者の診断ができるようになった。しかし、尿中アルブミンは日内変動および日差変動が大きく、1回のみの検査による診断は危険である。更には、微量アルブミン尿の診断には畜尿が必要であり、また一般的には実用的な随時尿を用いての尿アルブミン指数:アルブミン・クレアチニン比が実用的表示法として多用されているが、測定物質と補正物質の排泄動態が両成分とも糸球体血圧により制御されている関係上、補正値は生データの特性を示さなくなることが知られている。
一方、フォンヴィレブランド因子(von Willebrand factor;以下、vWFと称する)切断酵素[以下、ADAMTS13(vWF切断酵素の別称)と称する]は、血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura;以下、TTPと称する)の発症に関与することが近年報告された(非特許文献1)。また血漿からADAMTS13が精製され、cDNAクローニングによりその遺伝子が決定された。TTPでは細小動脈に血小板の凝集塊(血小板血栓)が形成され、血管内に狭くなった部位を多数生じる。この部位を無理に通過した赤血球は機械的に破砕されるため溶血が起こる。これをはじめとし更には各臓器の虚血、あるいは梗塞性障害などによる多彩な症状を惹起し、TTPは非常に重篤な致死率の高い病態を形成する。現在までに先天性TTPについてはADAMTS13遺伝子変異の報告がなされ、また後天性TTPではADAMTS13に対するIgG型のインヒビターができることが報告されている。血中に放出されて間もない超巨大分子vWFマルチマー(ultra large vWF multimer;UL−vWFM)は末梢細小動脈や毛細血管などに移行すると、そこでは絶えず「高ずり応力」が生じており進展伸展構造に転じると推定されている。この進展伸展構造のvWFはADAMTS13の酵素作用を受けやすく、正常人では速やかに切断されるが、先天性あるいは後天性TTPではADAMTS13の酵素活性が欠如し、UL−vWFMを切断することができず、これを起点として血小板凝集塊が形成され、末梢での動脈血栓とともにTTPを来たすと考えられている。
近年、肝硬変、慢性腎障害、急性炎症、播種性血管内凝固症候群、全身性エリテマトーデスなど、様々な病態におけるADAMTS13の関与が報告され、臓器障害における微小血管血栓にADAMTS13が重要な役割を果たしていることが示唆されている。
すでに腎臓における最小動脈の閉塞はTTPにおいて観察されている。この原因として上記の通り、現在二通りの説がある。一つは、細小動脈の内壁が何らかの原因で障害され、血管内皮細胞の持つ抗血小板機能が失われ、同所で血小板の凝集、消費が進む場合で、もう一つは、互いの血小板をくっつける「分子糊」として知られている血漿vWFが、これを切断する肝臓由来酵素の活性ADAMTS13が無いために、非常に分子量の大きなUL−vWFMが血中に蓄積し、血管内で血小板血栓がどんどんできる状態となるものである。
また、脂質コントロールをしていない糖尿病患者ではUL−vWFMが増加しているが、3ヶ月間脂質コントロールをした患者のうち何名かはUL−vWFMが減少していることが報告されている(非特許文献2)。このことより、vWFは血管内皮で合成されるため、脂質コントロールをしていない糖尿病患者でのUL−vWFMの増加は内皮傷害更には最小動脈の閉塞を反映していることが示唆されている。このように糖尿病とvWFの関連性は報告されているが、vWFの切断酵素であるADAMTS13と糖尿病の関連性に関する報告はいまだされていない。
末期腎不全の原因疾患として、糸球体腎炎が漸減しつつあるのに反し、糖尿病性腎症患者の比率・数は年々増加しており、大きな課題となっている。透析腎症患者の予後は一般的に不良であることが多く、透析療法が必ずしも患者の生命予後、QOLの向上に大きな貢献をもたらしていない現状である。更には糖尿病性腎症のため、末期腎不全に陥り透析療法に導入される患者は年々増加していることから、腎症の進展度を早期に診断することが臨床の現場では望まれている。
ジー・ジー・レビー(G. G. Levy)ら,「ネイチャー(Nature)」,(英国),2001年,第413巻,p.488−494. パシ、ケー、ジェー(Pasi KJ)ら,「トロンボーシス リサーチ(Thromb Res.)」,(米国),1990年,第413巻,p.581−591.
前記のように、糖尿病性腎症の腎障害の進展度を早期に予測できる方法は確立されていないのが現状である。本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、糖尿病性腎症患者において、ADAMTS13量(濃度)、好ましくは、ADAMTS13量(濃度)とvWF量(濃度)の組み合わせの比を用いることにより、糖尿病性腎症患者における腎の微小血管にできた血栓による腎障害の進展度及び/又は予後予測法が可能であることを見出した。このことは、臨床所見や従来のマーカーだけからでは差別化できなかった糖尿病性腎症の腎障害の進展度の予測、更には予後の改善を行う手段となることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の課題は、臨床所見や従来のマーカーだけからでは予測できなかった糖尿病性腎症患者の腎障害の進展度の予測、更には予後の改善を行う手段を行うことのできる方法及びキットを提供することにある。
前記課題は、本発明による、糖尿病性腎症患者において、フォンヴィレブランド因子切断酵素の量又は酵素活性を分析することを特徴とする、糖尿病性腎症の病態の把握方法により解決することができる。
本発明の把握方法の好ましい態様によれば、更にフォンヴィレブランド因子(vWF)の量(濃度)を分析する。
本発明の把握方法の好ましい態様によれば、糖尿病性腎症における病態の把握が、腎症の進展度及び/又は予後の把握である。
本発明の病態把握方法の別の好ましい態様によれば、フォンヴィレブランド因子切断酵素の量の分析を、フォンヴィレブランド因子切断酵素に特異的に結合する抗体又はその断片を使用する免疫学的方法により実施する。
また、本発明は、フォンヴィレブランド因子切断酵素に特異的に結合する抗体又はその断片を含むことを特徴とする、糖尿病性腎症の病態の把握用キットに関する。
本明細書において「フォンヴィレブランド因子切断酵素(vWF切断酵素)」とは、フォンヴィレブランド因子(vWF)のA2ドメインに存在するチロシン(842)とメチオニン(843)を特異的に切断し、ADAMTS13とも称されるメタロプロテアーゼである。
本明細書における用語「分析」には、分析対象物質(例えば、ADAMTS13、及びvWF)の存在の有無を判定する「検出」と、分析対象物質の量(濃度)又は活性を定量的又は半定量的に決定する「測定」とが含まれる。
糖尿病性腎症のため、末期腎不全に陥り透析療法に導入される患者は年々増加している。本発明によれば、糖尿病性腎症における腎障害の進展度の予測、更には予後の予測が可能であり、従って、患者の経済的・精神的苦痛となる透析療法への移行を減少させることが可能となることが期待される。
[1]本発明の把握方法
本発明方法では、糖尿病性腎症患者における、ADAMTS13量(濃度)及び/又はADAMTS13酵素活性、好ましくはADAMTS13の量(濃度)及び/又はその酵素活性とvWFの量(濃度)との組み合わせを用いることにより、糖尿病性腎症の病態を把握することができる。
本明細書における「糖尿病性腎症の病態の把握」には、糖尿病性腎症における腎症の進展度(重症度)の判定、あるいは、予後の予測が含まれ、更には、適切な治療方針又は治療法の決定に有用な情報となる糖尿病性腎症患者における病態の把握又はモニタリング等も含まれる。
本発明方法では、例えば、糖尿病性腎症患者におけるADAMTS13量(濃度)又はその活性とvWF量(濃度)との組合せ、例えば、ADAMTS13量(濃度)又はその活性に対するvWF量の比率の相違を指標として、腎症の進展度の判定及び予後の予測を行うことができる。比率の指標として、vWF(濃度)に対するADAMTS13量(濃度)又はその活性の閾値を設定することが可能である。
本発明方法では、糖尿病性腎症患者から、それぞれ検体を採取し、それぞれのADAMTS13濃度及び/又はその活性、及びvWF濃度を測定した後、測定値を比較することにより、腎症の進展度の判定及び予後の予測を行うことができる。
後述の実施例に示すように、例えば、以下の分類が可能である。
第1群:vWF量/ADAMTS13量が、例えば、2未満
第2群:vWF量/ADAMTS13量が、例えば、2以上
と分類することができる。なお、前記のvWF量、ADAMTS13量は、それぞれ、正常値に対する相対値であり、その比(vWF量/ADAMTS13量)は、前記相対値に基づく比である。
判定用閾値が予め決定されている場合には、予測対象である被験者に関して、vWF量/ADAMTS13量の分析を行うことにより、前記被験者における前記判定及び/又は予測を行うことができる。判定用閾値は、種々条件、例えば、基礎疾患、性別、年齢などにより変化することが予想されるが、当業者であれば、被験者に対応する適当な母集団を適宜選択して、その集団から得られたデータの統計学的処理を行うことにより、正常値範囲又は判定用閾値を決定することができる。
本発明方法において、被検試料としては、例えば、血漿または血清形態の血液が好ましいが、それ以外にも、例えば、細胞組織液、リンパ液、胸腺水、腹水、羊水、胃液、尿、膵臓液、骨髄液、又は唾液等の各種体液を用いることもできる。また、前記血漿は、クエン酸血漿又はヘパリン血漿であることが好ましい。
本発明方法において、ADAMTS13濃度を分析する方法としては、ADAMTS13量を定量的又は半定量的に決定することができるか、あるいは、ADAMTS13の存在の有無を判定することができる限り、特に限定されるものではなく、例えば、抗ADAMTS13抗体又はその断片を用いる免疫学的手法(例えば、酵素免疫測定法、ラテックス凝集免疫測定法、化学発光免疫測定法、蛍光抗体法、放射免疫測定法、免疫沈降法、免疫組織染色、又はウエスタンブロット等)、生化学的手法(例えば、酵素学的測定法)、又はmRNA量を測定する分子生物学的手法などを挙げることができる。
ADAMTS13の分析方法として免疫学的手法を用いる場合には、抗ADAMTS13抗体は、公知の方法、例えば、国際公開第2004/029242号パンフレットに記載の方法に遵って調製することができ、前記免疫学的測定も、例えば、国際公開第2004/029242号パンフレットに記載の方法に従って実施することができる。
ADAMTS13濃度を測定する方法としては、感度及び簡便性から免疫学的方法が好ましい。ここで免疫学的方法とは、ADAMTS13に対する抗体を用いて、ADAMTS13を、例えば、ELISA法、ラテックス法、又はイムノクロマトグラフ法で分析する方法である。免疫学的方法としては、例えば、ADAMTS13を標識する競合法、抗体を標識するサンドイッチ法、抗体をコートしたビーズの凝集を観察するラテックスビーズ法、あるいは、金コロイドなどの着色粒子に結合した抗体を用いる方法等、様々な方法があるが、ADAMTS13に対する抗体を用いた方法であれば、本発明の好ましい態様に含まれる。抗体は、モノクローナル抗体でも、ポリクローナル抗体でも良い。また、抗体断片、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)、又はFvを用いることもできる。
ADAMTS13の酵素活性は、例えば、SDS−アガロース電気泳動法を用いた方法[エム・フルラン(M.Furlan)ら,「ブラッド(Blood)」,(米国),1997年,第89巻,p.3097−3103]、vWFの基質であるvWFのA2ドメインの組み換え抗原を使用したELISA法[ホワイトロック・ジェーエル(Whitelock JL)ら,「ジャーナル オブトロンボーシス アンド ヘモステーシス」,(英国),2004年,第2巻,485−491]、あるいは、vWF分解酵素の基質であるvWFのA2ドメインの中のAsp1596−Arg1668の73 残基に相当する合成ペプチドに蛍光基[2-(N-methylamino)benzoyl, Nma]と消光基(2,4-dinitrophenyl, Dnp)を導入した消光性蛍光基質FRETS−VWF73を使用した方法[コカメ・ケー(Kokame K)ら「ブリティッシュ ジャーナル オブ ヘマトロジー」,(英国),2005年,第129巻,93−100]により測定することができる。また、特願2005−148793号明細書に記載の方法、具体的には、(1)ADAMTS13を含有する可能性のある被検試料と、vWF又はその断片を不溶性担体に結合させた固定化基質とを液中で接触させる工程、(2)前記液と不溶性担体とを分離する工程、並びに(3)不溶性担体に残存するvWF又はその断片、及び/又は、不溶性担体から遊離した液中のvWF断片を分析する工程を含む分析方法により測定することができる。
また、vWF濃度の測定法に関しては、例えば、ヒト血小板とリストセチンコファクターの凝集活性による活性測定方法[アライン・ジェーピー(Allain JP)ら,「ジャーナル オブ ラボラトリー アンド クリニカル メディスン(J Lab Clin Med.)」,(米国),1975年,第85巻,p.318−328]、あるいは、抗vWF抗体を使用した免疫測定法[ブラウン・ジェーイー(Brown JE)ら,「トロンボーシス リサーチ(Thromb Res.)」,(米国),1986年,第43巻,p.303−311]などを挙げることができ、感度及び簡便性から免疫学的方法が好ましい。
[2]本発明の把握用キット
本発明のキットは、抗ADAMTS13抗体又はその断片を少なくとも含み、異なる2種類以上の抗ADAMTS13抗体を含むことが好ましい。前記抗ADAMTS13抗体は、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体のいずれであることもできる。また、異なる2種類以上の抗ADAMTS13抗体を含む場合には、いずれか一方(第2抗体)を標識抗体とすることもできるし、あるいは、標識化の代わりに、第2抗体に対する抗体に標識を結合させた標識抗体を更にキットに追加することもできる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1:糖尿病性腎症患者におけるADAMTS13の量(濃度)及びvWFの量(濃度)の測定》
糖尿病性腎症患者35名より、3.8%クエン酸加血漿、血清、及び尿を採取した。ADAMTS13の測定は、ELISAキット[(株)三菱化学ヤトロン]による抗原測定法により実施した。また、ADAMTS13の基質であるvWF抗原量の測定は、STA−LIAテスト[(株)ロッシュ]により実施した。クレアチニンは酵素法により、尿蛋白は試験紙法で測定した。なお、尿蛋白の測定法は定性法であるため、以後の統計を簡便化する目的で、+/−=0.5、+=1、++=2、+++=3、++++=4と数値化を行った。更に、超音波を用いて、頚動脈の中内膜肥厚度やプラークの状態を調べ、右内頚動脈IMT(intimal-medial thickness)、左内頚動脈IMT、プラークスコア(plaque score)を測定した。
各測定結果を表1に、vWF/ADAMTS13比と各検査結果のスピアマン相関係数を表2に、それぞれ、示す。
その結果、vWFに対するADAMTS13(vWF/ADAMTS13)の比が2未満の群(第1群)と2以上の群(第2群)で、クレアチニンクリアランス、及び尿蛋白量で2群に有意差を認めた。しかし、右内頚動脈IMT、左内頚動脈IMT、及びプラークスコアでは2群に有意差を認めなかった。
更に、表2に示すように、vWF/ADAMTS13比は、腎障害(細小血管障害)を反映するクレアチニン、クレアチニンクリアランスと強い相関を認めたが、内頚動脈IMTやプラーク肥厚(大血管障害)とは相関を認めなかった。以上のことより、vWF/ADAMTS13比が大きくなると、微小血管内でUL−vWFマルチマーが増加して、血小板凝集を介した微小血栓が細小血管を詰まらせて腎症を悪化させることが示唆された。
Figure 0004871173
Figure 0004871173
本発明は、糖尿病性腎症における腎症の進展度および予後の把握方法の用途に適用することができる。

Claims (8)

  1. 糖尿病性腎症患者において、フォンヴィレブランド因子切断酵素の量又は酵素活性と、フォンヴィレブランド因子の量を分析し、それらの組合せの比を指標として用いることを特徴とする、糖尿病性腎症の病態の把握方法。
  2. フォンヴィレブランド因子切断酵素(ADAMTS13)の量又は酵素活性に対するフォンヴィレブランド因子(vWF)の量の比(vWF/ADAMTS13)を指標とする、請求項1に記載の方法。
  3. vWF/ADAMTS13量の比に基づく判定用閾値が2である、請求項2に記載の方法。
  4. 糖尿病性腎症における病態の把握が、腎症の進展度又は予後の把握である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. フォンヴィレブランド因子切断酵素の量の分析を、フォンヴィレブランド因子切断酵素に特異的に結合する抗体又はその断片を使用する免疫学的手法により行う、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. フォンヴィレブランド因子切断酵素に特異的に結合する抗体又はその断片と、フォンヴィレブランド因子に特異的に結合する抗体又はその断片を含むことを特徴とする、糖尿病性腎症の病態の把握用キット。
  7. フォンヴィレブランド因子切断酵素の量又は酵素活性及びフォンヴィレブランド因子の量と糖尿病性腎症との関連を示す取扱説明書を更に含む、請求項6に記載のキット。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法に用いるための、請求項6又は7に記載のキット。
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