JP4870496B2 - アンテナ - Google Patents
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(例えば,特許文献1参照)
例えばアンテナの放射器を,八木・宇多式アンテナのように棒状エレメントで構成したダイポール素子の変わりに,上記従来例に示すループアンテナを用いて構成し,それに対向させて配置される反射器を前記放射器に合わせて最適化した反射板付平面アンテナを形成することが考えられる。
しかし,このように構成されたアンテナを地上ディジタル放送を含むUHF帯の信号の受信に使用する場合は,その使用周波数帯が470MHzから770MHzの広帯域の,その全域において良好な電気的特性を有するように構成する必要がある。そのためには放射器であるループアンテナの設計が重要となるのであるが,従来のような構成のアンテナのままでは広帯域特性を備えさせる事は困難であると言った問題があった。
本発明は,こうした問題に鑑みなされたものであり,その目的は,広帯域に亘って特性のよいアンテナを提供することにある。
少なくとも,放射器と反射器を備えるアンテナにおいて,
前記放射器は,
両端に給電点を有し,所定個所と所定個所を接続する少なくとも1つの第1のショートバーを備えた第1のループアンテナと,
前記第1のループアンテナと給電点が共通となるように,前記第1のループアンテナの内側に形成され,前記第1のループアンテナよりループ長が短い第2のループアンテナと,
を備え,
前記第1のループアンテナと前記第2のループアンテナとの間の所定位置を第2のショートバーで接続したことを特徴とする。
図1は本発明に係るアンテナの実施形態を示す概略斜視図であり,(a)は正面側から見た斜視図であり,(b)は背面側から見た斜視図である。図2は本発明に係るアンテナを構成する放射器の概略構成を示す正面図である。図3は本発明に係るアンテナを構成する反射器の拡大したものであり,(a)は正面図,(b)は背面図,(c)は右側面図,(d)は上面図を示す。図4(a)は反射器の一部を破断した背面部分拡大図であり,(b)は上面拡大図である。図5は本発明に係るアンテナの使用例を示す概略図である。
それに対して,図1から図4に示される放射器50と反射器60によって構成されるアンテナは,発明人が最適化実験をすることによって得られた構成例を示すものである。尚,ここに示す例はUHF帯の信号を受信するように構成されたものの実施例を示すものであるが,特に実施例の周波数帯に限定されるものではない。
図1および図2に示されるように,放射器50は水平方向に直交する方向に略平行配置される側辺51b,51cと,該側片の上下両端側に前記側片を挟むように配設される上辺51dおよび下辺51eからなる縦長形状に形成された第1の放射素子51と,その第1の放射素子51のループ内部にあって,水平方向に直交する方向に略平行配置される側辺52b,52cと,該側片の上下両端側に前記側片を挟むように配設される上辺52dおよび下辺52eからなる縦長形状に形成された第2の放射素子52とを備え,第1の放射素子と第2の放射素子は夫々の側辺の略中央から放射器50の中心に向かって対向するように突設され,その先端部に給電点50a,50aを備える共通の中辺50fによって接続されており,この第1の放射素子51と第2の放射素子52はそれぞれスケルトンスロットアンテナを多重に配置した構成としている。
本実施例における第1ショートバー53は中辺50fと略平行に側辺51bと側辺51cとの間を接続するように構成されており,中辺50fを挟んで放射器の上下対称となる位置にそれぞれ配設(53d,53e)されている。この第1のショートバー53は第1の放射素子の広帯域化を実現するためのものである。
また,第1の放射素子51と第2の放射素子52との間の所定位置には,第1の放射素子51と第2の放射素子52を接続して短絡するための第2のショートバー54が形成されている。この第2のショートバーは第1の放射素子51と第2の放射素子52とが相互に干渉して特性が悪くなるのを防止するためのものである。
尚,第1のショートバー53と第2のショートバー54は,放射器50の構成に合わせて,必要とする電気的特性が得られる所定の位置に設ければよいのであるが,本実施例における第1のショートバー53と第2のショートバー54は,それぞれ第2の放射素子52の上辺52d,下辺52eと重合される位置に配設されており,図には上下にそれぞれ一本ずつのショートバーとして示されている。
これによれば放射器50の第1の放射素子51は,線幅15mmの金属導体で側片51b(51c)の長さ(図におけるH11)が略560mm,上辺(下辺)の長さ(図におけるW11)が略100mmの矩形となるように形成されている。第2の放射素子52は,線幅5mmの金属導体で側片52b(52c)の長さが略300mm,上辺(下辺)の長さが略30mmの矩形となるように形成されている。第1の放射素子51と第2の放射素子の左右方向の略20mm離して配設されている。中辺50fの突出寸法は略30mm,幅略10mmであり,その先端部には給電点50aを有する。尚,この実施例に係る放射器は金属材料を金型等で打ち抜き加工したものから形成される。
第1の反射器61は上述のように放射器50がなす平面の投影面の外形と同じか僅かに大きく形成されているのであるが,第2の反射器62,62を含めた寸法は次の条件に当てはまるように形成されている。即ち,第1の反射器61の短辺(図4(b)に示されるW22)と第2の反射器62の短辺(図4(b)に示されるL15)の合計寸法(図に示す経路R20の長さであり,第2の反射器62の先端から先端までのコ字状に形成された反射器の寸法)が使用周波数における最大周波数の波長λ2の0.45から1.2倍であるように構成されると共に,平行配置された1組の開口窓63の配列方向の寸法であって,前記第2の反射器の短辺寸法(図におけるL15)の合計と,前記折曲部60b,60cと前記開口窓の内の最も外側に配置された前記開口窓(図における62a,62g)の折曲部側に位置する長辺との間の寸法(図におけるL13)の合計と,隣り合う開口窓の相対向する長辺の間の寸法(図におけるL14)の合計と,全開口窓の全周の合計{7×(2×L1+2×L2)}の略2分の1の寸法(7×L1+7×L2)と,の総合計寸法(即ち,図における経路R10の長さ)が使用周波数における最小周波数の波長λ1の0.45から1.2倍となるように,前記開口窓63の開口寸法が形成されている。
これによれば反射器60は第1の反射器51の大きさが略560×100mmであり,開口窓の開口寸法は95×7mmである。また第2の反射器62の短辺の寸法は略45mmであり,この実施例に係る放射器と同様に金属材料を金型等で打ち抜き加工したものから形成される。
尚,開口窓の開口寸法,開口窓の形成数は一例を示すものであり,必要とする電気的特性が得られるのであれば,特に実施例に示されるものに限定されるものではない。
尚,本発明の実施例では放射器50と反射器60を構成する第2の反射器62の先端との間隔は略30mmである。
また,このループアンテナ若しくはスケルトンスロットアンテナに加えて,ループ内により長さの短いループアンテナ若しくはスケルトンスロットアンテナを備えさせることによってアンテナを多重化すれば,更なる広帯域化が実現できる。
そして,多重化したループアンテナ若しくはスケルトンスロットアンテナの相互間を接続する第2のショートバーを備えることによって,多重化したアンテナ同士が近接する事いよって起こる干渉を防止して,広帯域に亘り良好な特性を得ることができる。
また,放射器と反射器を偏波の方向に対して平行する方向に短辺を有し偏波面の方向に対して直交する方向に充分に長い長辺を有する外形略四角形状に構成したのでスリムであっても電気的特性の優れたアンテナを提供できる。しかも,スリム化によりアンテナの周囲に突設する部分が殆どなくなるので,小型軽量化に加えて,更に設置の省スペース化が可能となる。
そしてこのアンテナをUHF帯に対応するようにすれば,屋内であってもアンテナ支柱への取付けであっても,壁面やベランダ等への取付けであっても簡単に取付けができる地上ディジタル放送受信用に適したUHFアンテナを提供することができる。
尚,本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく,化粧ケース内部に増幅器を内蔵するなど,本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の構成を適宜に変更して実施することも可能である。
Claims (2)
- 少なくとも,放射器と反射器を備えるアンテナにおいて,
前記放射器は,
両端に給電点を有し,所定個所と所定個所を接続する少なくとも1つの第1のショートバーを備えた第1のループアンテナと,
前記第1のループアンテナと給電点が共通となるように,前記第1のループアンテナの内側に形成され,前記第1のループアンテナよりループ長が短い第2のループアンテナと,
を備え,
前記第1のループアンテナと前記第2のループアンテナとの間の所定位置を第2のショートバーで接続したことを特徴とするアンテナ。 - 前記放射器は,前記第1のループアンテナと前記第2のループアンテナとを,前記給電点を挟んで,同一平面上にそれぞれ一対形成することで,スケルトンスロットアンテナとして構成されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
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