JP4867133B2 - ヒドロキシピバルアルデヒドの安定化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒドロキシピバルアルデヒド(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパナール、以下HPAと称することがある。)の安定化方法に関する。
HPAは一般に、アミン等の塩基性触媒存在下、イソブチルアルデヒド(以下IBDと称する。)とホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド水溶液(ホルマリン)をアルドール縮合反応させることにより製造される。アルドール反応は、酸性、塩基性のいずれの条件下においても進行するが、HPAはカルボニル基及び水酸基の双方を有しており、酸性条件下においてはアセタール化反応により容易に自己縮合を起こすことから、HPAの合成は一般に塩基性触媒を添加し塩基性条件下で行われる。反応終了後は未反応IBDやホルムアルデヒド等の低沸留分を、一般に蒸留により留去して反応性生成液を得る。HPAは一般に合成中間体であり、HPA合成時に副生するネオペンチルグリコール(以下NPGと称する。)や、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールヒドロキシピバリン酸モノエステル(以下ESGと称する。)等が、最終的な目的化合物である場合、本反応生成液はこれ以上精製せずにそのまま粗HPAとして次工程に用いられることが多い。
また純粋なHPAを得る目的で、IBDとホルムアルデヒドまたはホルマリンをアミン触媒存在下アルドール縮合反応させてHPAを製造し、蒸留により低沸留分を分離して粗HPAを得た後、水を添加、冷却してHPAを晶析、固液分離し、これを更に水で洗浄し精製HPAを得る方法が開示されている(特許文献1〜2参照。)。なおHPAには、単量体と二量体の間で平衡関係があることが報告されており(非特許文献1参照。)、これらの精製HPAは実際にはHPAの二量体として得られる。またHPA二量体は、HPAと同等の反応性を示すことも開示されている(特許文献3〜4参照)。
低沸留分を蒸留で除去した粗HPAを、塩基性触媒等が含まれた溶液状態でそのまま保存しておくと、短時間で副反応生成物が増加しHPAおよび/またはその二量体の濃度が低くなるという問題点がある。また上記の特許文献2等に従って晶析によりHPAおよび/またはその二量体を精製した場合、母液中に残存するHPAおよび/またはその二量体の量が多くそのままでは収率が大幅に低下するため、何らかの方法で母液中のHPAおよび/またはその二量体を回収する必要があるばかりでなく、晶析精製を行った場合であっても、HPAおよび/またはその二量体は湿潤ケーキのままでは保存安定性が悪く、純度を保って保存出来る期間はきわめて短い。従ってNPGやESG等を最終目的生成物としてHPAおよび/またはその二量体を一時的な合成中間体として用いない場合、HPAおよび/またはその二量体を使用に先立ち予め製造して貯蔵すること、或いはHPAおよび/またはその二量体を運搬して他の場所で使用することは、著しく制限されるという問題点がある。
HPAおよび/またはその二量体の純度低下を防ぐには、晶析精製で得られた湿潤ケーキを乾燥させる必要があるが、乾燥させるために55℃以上に加熱すると含水率の高い乾燥初期において溶融し、乾燥とともにHPAおよび/またはその二量体の逸散が大きくなるとともに、HPA2分子がティッシェンコ反応しESGを生成する。このような事態を防ぐためには、湿潤ケーキ乾燥時に高温に加熱することなく、55℃未満で減圧乾燥させる手段が通常とられるが、HPAは蒸気圧が高く減圧状態では昇華して失われるだけでなく、昇華したHPAによる減圧配管の閉塞などが起こる問題点がある。従って湿潤ケーキの乾燥方法としては、55℃未満で長期間加熱するか、あるいは55℃未満で乾燥した窒素等を通気させることが行われるが、ユーティリティー消費量が非常に過大となるだけでなく、晶析、分離装置等まで含めると、工業的に実施するには極めて不利である。
米国特許第4036888号明細書 特公平6−29206号公報 特開平1−299239号公報 特開平5−117187号公報 Journal of the Chemical Society,Perkin Transactions II,3巻,189ページ−192ページ(1978年).
本発明の目的はHPAおよび/またはその二量体の安定性に存在する以上の如き問題点を解決し、安定性良く長期保存可能なHPAおよび/またはその二量体を容易に得ることにある。
本発明者らは上記の課題を解決するために、HPAおよび/またはその二量体の保存安定性を上げる目的で鋭意検討した結果、IBDおよびホルムアルデヒドまたはホルマリンに塩基性触媒を添加しアルドール縮合反応させ、低沸留分を留去するなどして得られたHPAおよび/またはその二量体を、水を一定量含んだ状態で冷却すると、水を多量に含んだ状態であるにも関わらず全体が固形物へ変化し、塩基性触媒を含んでいる場合であっても、晶析精製して純度を上げたものより、安定性良く長期の保存が可能になることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、下記(1)〜(5)記載の固形物、(6)〜(8)記載のヒドロキシピバルアルデヒドの安定化方法に関するものである。
(1)ヒドロキシピバルアルデヒドおよび/またはその二量体ならびに水を含む固形物。
(2)ヒドロキシピバルアルデヒドおよび/またはその二量体ならびに水を含む液体を冷却して得られる(1)の固形物。
(3)イソブチルアルデヒドおよびホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド水溶液を塩基性触媒存在下アルドール縮合反応させた後、低沸留分を分離して得られた、ヒドロキシピバルアルデヒドおよび/またはその二量体ならびに水を含む反応生成液を冷却して得た(1)〜(2)のいずれかに記載の固形物。
(4)ヒドロキシピバルアルデヒドおよび/またはその二量体30〜95重量%ならびに水5〜70重量%を含む(1)〜(3)のいずれかに記載の固形物。
(5)40℃以下で冷却する(2)〜(3)のいずれかに記載の固形物。
(6)ヒドロキシピバルアルデヒドおよび/またはその二量体ならびに水を含む液体を冷却して固形物を得ることによるヒドロキシピバルアルデヒドの安定化方法。
(7)ヒドロキシピバルアルデヒドおよび/またはその二量体30〜95重量%ならびに水5〜70重量%を含む液体を冷却して固形物を得ることによる(6)記載の安定化方法。
(8)40℃以下で冷却する(6)記載の安定化方法。
本発明では、水を一定量含んだ状態で冷却し、全体を均一に固形物へ変化させて保存させることにより、塩基性触媒が含まれた溶液状態あるいは湿潤ケーキ状態では変質しやすいHPAおよび/またはその二量体を、塩基性触媒を含んでいる場合であっても、長期間純度を低下させることなく保存することができる。
本発明において、HPAおよび/またはその二量体を製造するために使用するホルムアルデヒドはホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド水溶液(ホルマリン)でも良い。ただし塩基性触媒を添加したIBDとホルムアルデヒドのアルドール縮合反応は、反応系の水濃度に極めて影響を受け易く、IBDあるいはホルムアルデヒド濃度が希薄であると反応速度が緩慢となり一定の収率は得られないので、ホルマリンのホルムアルデヒド濃度は出来るだけ高い方が好ましい。原料ホルマリンとしてはホルムアルデヒド濃度37重量%以上で、メタノールを含有しないものか、またはできるだけ少ないものが好ましい。IBDは一般に市販されているものが使用可能であるが、出来るだけn−ブチルアルデヒド等の含有量の少ない、有機物純度99%以上のものが好ましい。
本発明において、HPAおよび/またはその二量体を製造するために行うIBDとホルムアルデヒドのアルドール縮合反応は回分式および連続式のどちらでもよく、常圧下もしくは加圧下で空気しや断下もしくは窒素気流中で行う方法が好ましい。回分式の場合、IBD、ホルムアルデヒド(ホルマリン)及び触媒の供給方法に特に制限はないが、IBDまたはホルムアルデヒド(ホルマリン)と塩基性触媒を予め接触させておくと、IBDあるいはホルムアルデヒド同士のアルドール縮合反応もしくはカニッツアロ反応が起こり、HPA収率が低下するおそれがあるので、IBDとホルムアルデヒド(ホルマリン)の混合物に塩基性触媒を供給する方式が好ましい。連続式の場合も、IBD、ホルムアルデヒド(ホルマリン)及び触媒の供給方法に特に制限はないが、反応効率を良くするために2〜4段程度の多段式方法で行うことが好ましい。ホルムアルデヒドに対するIBDの仕込みモル当量は0.8〜1.6の範囲で行うが、好ましくは0.9〜1.4である。回分式の場合、反応開始より数分間は不均一系の反応となるが、HPAが生成するとともに均一系の反応に変る。反応温度は常圧下では40〜98℃、好ましくは80〜95℃である。回分式の場合、常圧下ではIBDの還流点である62〜65℃で一旦停止するが、HPAおよび/またはその二量体の生成(IBDの消費)とともに徐々に上昇し、最終的には80℃以上に制御する。80〜95℃で0.05〜2時間保持することで反応が完結する。連続式の場合、反応は均一系で進行する。反応温度は50〜98℃、好ましくは70〜95℃であり、滞留時間は0.1〜5時間、好ましくは0.3〜3時間である。反応温度の制御は、反応器に設けたジャケットやコイル等による加温/冷却、あるいは反応液を外部熱交換器に循環させることによる冷却、及び低沸分の還流による除熱により行われる。
アルドール縮合反応に添加する塩基性触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基、および第3級アミン、ピリジンなどの有機塩基が挙げられるが、塩基性が強くなりすぎるとHPAおよび/またはその二量体が未反応ホルムアルデヒドとのカニッツアロ反応を併発してHPAおよび/またはその二量体の収率が低下すること、また塩基性が弱すぎると反応が緩慢となることから、第3級アミンの使用が好ましい。第3級アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−メチルピロリジン、N−エチルピロリジンなどが挙げられるが、好ましくは安価に入手可能なトリメチルアミン、トリエチルアミンであり、さらに好ましくはトリエチルアミンである。塩基性触媒の好ましい添加量は、その種類によっても当然変動するが、IBDに対して、モル当量で0.001〜0.5、好ましくは0.01〜0.2である。
このようにアルドール縮合反応の後、未反応のIBDやホルムアルデヒド、あるいはホルマリン中に不純物として含まれるメタノール等を主成分とする低沸留分を留去することにより、HPAおよび/またはその二量体ならびに水を含む液体が得られる。HPAおよび/またはその二量体の変質は温度が高いほど加速するため、低沸留分の留去は、塔頂温度が未反応IBD等の回収に支障ない40〜80℃程度となる、25〜95kPa程度の減圧にて実施することが好ましい。また蒸留方法はバッチ、連続のいずれでも良い。低沸留分の除去を促進させるために、水を添加してから蒸留しても良い。
上記のように得られたHPAおよび/またはその二量体ならびに水を含む液体を冷却して固形物を得る。固形物を得ることによりHPAおよび/またはその二量体は変質せず安定化することができる。ただしHPAおよび/またはその二量体ならびに水を含む液体中の水分が多すぎると均一な固形物とならないで、液体を含んだスラリー状となりHPAおよび/またはその二量体の保存安定性が悪化する。また水分量を必要以上に低くしようとすると、低沸留分の留去に長時間もしくは高温を必要として、低沸留分留去中のHPAおよび/またはその二量体の変質量が多くなる。従ってHPAおよび/またはその二量体ならびに水を含む液体は、HPAおよび/またはその二量体30〜95重量%ならびに水5〜70重量%からなることが好ましく、HPAおよび/またはその二量体60〜90重量%ならびに水10〜40重量%からなることが更に好ましい。
HPAおよび/またはその二量体ならびに水を含む液体を冷却する温度は50℃以下、好ましくは40℃以下である。50℃を超える温度ではHPAおよび/またはその二量体ならびに水を含む液体の固形物への変化が極めて遅く、固形物への変化が完了するまでに起こるHPAおよび/またはその二量体の変質量が多くなる。冷却する温度に特に下限はないが、10〜40℃程度で十分である。冷却する時間に制限はないが、1時間以上が好ましく、10時間以上がさらに好ましい。固化を促進させるために、HPAおよび/またはその二量体ならびに水を含む液体を入れた容器を振とうする等の方法を使用しても良い。
本発明において、HPAおよび/またはその二量体ならびに水を含む液体を缶状密閉容器に入れて冷却して固形物へ変化させてしまうと、缶状密閉容器の器壁と固形物が密着してしまい、缶状密閉容器を破壊せずに取り出すことが困難となる。また取り出すために加熱して再溶解させると、溶解させた部分でHPAおよび/またはその二量体の変質が速やかに進行する。固形物を取り扱いやすくする目的で、HPAおよび/またはその二量体ならびに水を含む液体をバット等に受けて冷却し、固形物へ変化した後に粉砕することも行われるが、多量の処理には不向きである。従ってHPAおよび/またはその二量体ならびに水を含む液体を冷却して固形物へ変化させるには、袋状樹脂製容器等を使用するのが好ましい。密閉が可能でありかつ低廉な容器、例えばポリエチレン製等の袋状樹脂製容器等を使用することにより、HPAおよび/またはその二量体ならびに水を含む液体を入れて冷却して固形物へ変化させた後に、簡便に保管、あるいは運搬することができ、さらに使用時は容器を破って取り出すだけで、使用可能である。袋状樹脂製容器等を用いてHPAおよび/またはその二量体ならびに水を含む液体を冷却して固形物へ変化させた後は、HPAおよび/またはその二量体を反応原料として使用する際に反応が進行し易くなるよう粉砕等を実施することも可能である。
以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。以下の例において、%および部は、特にことわらない限り、それぞれ重量%および重量部を意味する。
なお、HPAおよび/またはその二量体ならびに水を含む固形物のガスクロマトグラフィー分析では、固形物をアセトン溶液に調製して分析した。HPAおよび/またはその二量体はHPAとして観測される。
<合成例1>
<HPAおよび/またはその二量体の合成>
反応容器にIBD595部と37%ホルマリン657部を仕込み、40℃、窒素気流下で攪拌しながら、トリエチルアミン(以下TEAと称する。)33部を5分間かけて加えた。TEA添加開始と同時に反応は始まり、TEA添加終了時、反応液温度は65℃に達した。ここから、適宜加温を継続しながら反応温度を徐々に上げ、30分後には反応液温度は90℃に達した。90℃で5分間反応を継続させた後、外部冷却によって、60℃まで冷却し、反応を停止させた。続いて、60〜70℃、圧力53kPaで、未反応のIBD、TEA、メタノール等の低沸留分を留去した。この低沸留分留去後の反応生成液(以下、粗HPAと称する。)組成をガスクロマトグラフィー(以下、GCと称する。)を用いて分析した結果、HPAおよび/またはその二量体 62.4%、IBD0.3%、ホルムアルデヒド2.4%、TEA0.3%、NPG0.6%、ESG2.0%、イソ酪酸ネオペンチルグリコールモノエステル(以下BNEと称する。)0.2%、および水28.5%であった。
<実施例1>
合成例1で得られた粗HPAを60℃の溶液状態で、容量18Lのポリエチレン製スクリュー蓋付容器(小泉製麻株式会社製バロンボックス 規格18A)に充填して満液とした後、密閉して20℃で48時間冷却したところ、全体が固形物に変化した。そのまま20℃に保ち、3週間後の固形物の組成をGCで分析したところ、HPAおよび/またはその二量体 62.2%、IBD0.3%、ホルムアルデヒド2.3%、TEA0.3%、NPG0.7%、ESG2.1%、BNE0.2%および水28.5%であった。更に3ヶ月後の固形物の組成をGCで分析したところ、HPAおよび/またはその二量体 62.1%、IBD0.3%、ホルムアルデヒド2.2%、TEA0.3%、NPG0.7%、ESG3.0%、BNE0.2%および水28.6%であった。
<実施例2>
合成例1で得られた粗HPAを60℃の溶液状態で、容量200Lのポリエチレン製スクリュー蓋付容器(藤森工業株式会社製バックインボックス フジライナー200)に充填して満液とした後、密閉して20℃で48時間保管したところ、全体が固形物に変化した。そのまま20℃に保ち、3週間後の固形物の組成をGCで分析したところ、HPAおよび/またはその二量体 62.0%、IBD0.3%、ホルムアルデヒド2.3%、TEA0.3%、NPG0.7%、ESG2.5%、BNE0.2%および水28.6%であった。更に3ヶ月後の固形物の組成をGCで分析したところ、HPAおよび/またはその二量体 61.8%、IBD0.3%、ホルムアルデヒド2.1%、TEA0.3%、NPG0.7%、ESG3.0%、BNE0.2%および水28.8%であった。
<比較例1>
合成例1で得られた粗HPAを60℃の溶液状態のまま、密閉して60℃で保管した。1週間後の溶液の組成をGCで分析したところ、HPAおよび/またはその二量体 56.2%、IBD0.2%、ホルムアルデヒド1.8%、TEA0.3%、NPG0.8%、ESG8.0%、BNE0.3%および水28.7%であった。
<比較例2>
粗HPA100重量部に対し、HPAおよび/またはその二量体の濃度が16.5%になるように278重量部の水を添加し、35℃まで冷却した。次に1時間攪拌下で保存した後上排型の遠心分離機を用いて固液分離を行った。このとき315.6重量部の母液が排出され、HPAケーキ 62.4重量部を得た。HPAケーキは125重量部の真水で洗浄した。このとき127.6重量部の洗浄液が排出され、洗浄された湿潤HPA 60重量部を得た。この洗浄された湿潤HPAの組成をGC分析した結果、HPAおよび/またはその二量体61.4%、水38.6%であり、他の成分は検出されなかった。そのまま20℃に保ち、3週間後の洗浄された湿潤HPAの組成の組成をGCで分析したところ、HPAおよび/またはその二量体 58.3%、ESG2.0%、および水38.7%であった。
HPAは分子内に水酸基とカルボニル基の双方を有する化合物で、ネオペンチルグリコール、パントテン酸カルシウム、スピログリコール、ヒドロキシピバリン酸及びそのエステル、ピバロラクトン等の原料として有用な物質である。本発明では、IBDと、ホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒドの水溶液を塩基性触媒存在下アルドール縮合反応させ、蒸留して低沸留分を分離した後、水を一定量含んだ状態で冷却し、全体を固形物へ変化させて保存させることにより、塩基性触媒を含んだ溶液状態及び湿潤ケーキ状態では変質しやすいHPAおよび/またはその二量体を、長期間純度を低下させることなく保存することができる。本発明によりHPAを容易に保管、運搬、及び使用することが可能となり、本発明の意義は大きい。

Claims (4)

  1. イソブチルアルデヒドに、ホルムアルデヒドまたはホルマリン、塩基性触媒を添加しアルドール縮合反応させ、低沸留分を留去して、ヒドロキシピバルアルデヒドおよび/またはその二量体と水を含む液体を得て、該液体全体を冷却して該液体全体を均一に固形物へ変化させることにより得られた、ヒドロキシピバルアルデヒドおよび/またはその二量体30〜95重量%ならびに水5〜70重量%を含む固形物。
  2. 40℃以下で冷却する請求項に記載の固形物。
  3. イソブチルアルデヒドに、ホルムアルデヒドまたはホルマリン、塩基性触媒を添加しアルドール縮合反応させ、低沸留分を留去して、ヒドロキシピバルアルデヒドおよび/またはその二量体と水を含む液体を得て、該液体全体を冷却して該液体全体を均一に固形物へ変化させることにより、ヒドロキシピバルアルデヒドおよび/またはその二量体30〜95重量%ならびに水5〜70重量%を含む固形物を得るヒドロキシピバルアルデヒドの安定化方法。
  4. 40℃以下で冷却する請求項記載の安定化方法。
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