JP4865627B2 - バッテリ残存容量推定方法、バッテリ残存容量推定装置及びバッテリ電源システム - Google Patents

バッテリ残存容量推定方法、バッテリ残存容量推定装置及びバッテリ電源システム Download PDF

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Description

本発明は、負荷に電力を供給するバッテリの残存容量を安定開回路電圧に基づいて推定するバッテリ残存容量推定方法等の技術分野に関するものである。
近年電子機器における携帯化、自動車におけるハイブリッド化、アイドルストップ化等により、搭載されるバッテリ電源の充電率あるいは残容量を正確に推定することが益々強く要求されるようになりつつある。この充電率あるいは残容量を推定する方法としては、バッテリの安定開回路電圧(OCV)に基づいて推定する方法が最も簡便であり、実現手段として有効である。
しかしながら、実際の電源システムの使用環境では、バッテリから頻繁に充放電電流が流されているため、バッテリの内部では常時分極が発生している。そのため、充放電が行われていない期間でも、バッテリ電圧には分極電圧が重畳されており、バッテリ電圧がOCV電圧に一致している状態は殆ど期待できない。
このような分極による影響を考慮して安定開回路電圧を推定する方法が、例えば特許文献1〜3等に開示されている。特許文献1〜3では、バッテリの充放電分極が時間とともに緩和されて、バッテリ電圧が安定開回路電圧に収束していく電圧挙動を時間の関数として表現している。この時間関数を、バッテリ電圧を比較的短時間測定した結果を用いて学習させることで、長時間経過後の安定開回路電圧を予測する技術が提案されている。
一例として、特許文献1では、充放電が行われていないときのバッテリの電圧変化V(t)を、時間tに関する一次の逆数関数
Figure 0004865627
で表現している。上記関数を用いて特性関数F(t)=t×dV(t)/dtを定義し、これを基にF(t)を最大とするt=tmax(=a/b)を求め、さらに安定開回路電圧を係数C=2V(tmax)−V(t0)として算出している。
また、特許文献2では、充放電が行われていないときのバッテリの電圧変化V(t)を、
Figure 0004865627
として表現し、最小二乗演算により係数α及びOCVの最適値を決定し、係数であるOCVの最適値を安定開回路電圧とする方法が提案されている。
さらに、特許文献3では、充放電が行われていないときのバッテリの電圧変化V(t)を、4次以上の指数関数、
Figure 0004865627
を用いて表現し、係数Ai、Bi、V0を最小二乗演算により最適化して決定する方法が提案されている。
特開平7−98367号公報 特開2002−234408号公報 特開2005−43339号公報
しかしながら、上記従来の技術では以下のような問題があった。特許文献1では、充放電が行われていないときのバッテリの電圧変化を(式1)を用いて表現しているが、バッテリ電圧の分極緩和挙動は、上記(式1)の逆関数だけで表わせるような単純な挙動ではないことが知られており、特許文献1では十分な精度で安定開回路電圧を予測してバッテリ残存容量を推定することはできないという問題があった。
また、特許文献1では特性関数を定義し、これに基づいて安定開回路電圧を算出するようにしているが、このような方法では、最小二乗法等によって算出した最適係数を用いて電圧変化を推定する方法に比べ、高い精度で安定開回路電圧を予測することは困難であった。
特許文献2では、充放電が行われていないときのバッテリの電圧変化を(式2)を用いて表現し、べき数Dが略−0.5になるときの係数α及びOCVの値を最適値に決定しているが、このように決定した関数でも実際のバッテリ電圧の分極緩和挙動とは全くかけ離れたものになってしまうといった問題があった。
これに対し、特許文献3では、充放電が行われていないときのバッテリの電圧変化を、4次以上の指数関数を用いた(式3)で表現するようにしたことから、極めて高精度に安定開回路電圧を予測することが可能となっている。しかしながら、(式3)では複雑で計算負荷の高い指数関数を多用しているために、計算負荷が極めて高くなってしまうといった問題があった。また更に、指数関数は時間変数の値の変化に従って非常に大きく値が変動し、ときにその演算過程で天文学的数値を示す場合が発生する。これは例えば自動車に搭載されるコントローラのように容量の限定された演算素子を用いる場合には数値が素子の扱える範囲を超えてしまい、安定的に演算を行なうことが困難である、という問題もあった。
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、安定開回路電圧を高精度に推定可能とすることにより、安定開回路電圧に基づいてバッテリの残存容量を極めて高精度に推定でき、計算負荷の軽いバッテリ残存容量推定方法等を提供することを目的とする。
この発明のバッテリ残存容量推定方法の第1の態様は、負荷に電力を供給するバッテリの残存容量を安定開回路電圧に基づいて推定するバッテリ残存容量推定方法であって、tを前記バッテリの電圧値取得開始からの経過時間、nを2以上の整数、Cを定数とするとき、前記バッテリで発生した充放電分極が徐々に解消して前記安定開回路電圧で安定する開回路時電圧変化を、分母が前記時間tのn次の多項式である関数(以下ではn次の逆数関数という)
Figure 0004865627
で近似し、前記n次の逆数関数の係数の値を、前記電圧値取得開始から所定時間内に前記バッテリの電圧値を前記係数の個数以上取得し、取得された前記電圧値を基に、最小二乗法又はカルマンフィルタ演算又はニューラルネットワークによって決定し、前記決定された係数の値を用いて前記n次の逆数関数から前記安定開回路電圧を算出し、前記算出された安定開回路電圧に基づいて前記残存容量を推定する ことを特徴とする。
この発明のバッテリ残存容量推定方法の他の態様は、充放電停止から前記バッテリの電圧値取得開始までの時間が、第1の基準時間以下のときは前記開回路時電圧変化を前記n次の逆数関数で近似し、前記電圧値取得開始までの時間が前記第1の基準時間を超えて第2の基準時間以下のときは前記開回路時電圧変化を(n−1)次の前記逆数関数で近似し、以下、前記電圧値取得開始までの時間が所定の基準時間を超える毎に前記逆数関数の次数を1に達するまで順次1ずつ減少させて近似することを特徴とする。
この発明のバッテリ残存容量推定装置の第1の態様は、負荷に電力を供給するバッテリの残存容量を安定開回路電圧に基づいて推定するバッテリ残存容量推定装置であって、 前記バッテリの電圧を測定する電圧センサと、前記残存容量を推定するための演算を実行制御する制御部と、を備え、前記制御部は、tを前記バッテリの電圧値取得開始からの経過時間、nを2以上の整数、Cを定数とするとき、前記バッテリで発生した充放電分極が徐々に解消して前記安定開回路電圧で安定する開回路時電圧変化を、分母が前記時間tのn次の多項式であるn次の逆数関数
Figure 0004865627
で近似し、前記n次の逆数関数の係数の値を、前記電圧値取得開始から所定時間内に前記バッテリの電圧を前記電圧センサで測定して取得した前記係数の個数以上の電圧値を基に、最小二乗法又はカルマンフィルタ演算又はニューラルネットワークによって決定し、前記決定された係数の値を用いて前記n次の逆数関数から前記安定開回路電圧を算出し、前記算出された安定開回路電圧に基づいて前記バッテリの残存容量を推定している ことを特徴とする。
この発明のバッテリ残存容量推定装置の他の態様は、前記制御部は、充放電停止から前記バッテリの電圧値取得開始までの時間が第1の基準時間以下のときは前記開回路時電圧変化を前記n次の逆数関数で近似し、前記電圧値取得開始までの時間が前記第1の基準時間を超えて第2の基準時間以下のときは前記開回路時電圧変化を(n−1)次の前記逆数関数で近似し、以下、前記電圧値取得開始までの時間が所定の基準時間を超える毎に前記逆数関数の次数を1に達するまで順次1ずつ減少させて近似していることを特徴とする。
この発明のバッテリ電源システムの第1の態様は、前記バッテリと、上記いずれかのバッテリ残存容量推定装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、バッテリの開回路電圧の時間特性を2次以上の逆数関数で近似するようにしたので、短時間内に開回路電圧の収束値を求め、バッテリの充電率を少ない計算負荷で正確にかつ安定的に推定することが可能な充電率推定方法等を提供することが可能となる。
図面を参照して本発明の好ましい実施の形態におけるバッテリ残存容量推定方法、バッテリ残存容量推定装置及びバッテリ電源システムの構成について詳細に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
図2は、本発明の実施の形態に係るバッテリ残存容量推定装置及びバッテリ電源システムの概略の構成を示すブロック図である。本実施形態のバッテリ電源システム100は、バッテリ110 と、充電回路120と、本実施形態のバッテリ残存容量推定装置200とを含んで構成されており、バッテリ110には負荷10が接続されている。
また、バッテリ残存容量推定装置200は、制御部210と、記憶部220と電圧センサ230とから構成されるものとしている。制御部210は、本発明のバッテリ残存容量推定方法の一実施形態を用いて残存容量を推定するための演算を実行制御するものであり、さらにバッテリ電源システム100全体の動作を制御するように構成することも可能である。図2では、制御部210が充電回路120を制御してバッテリ110の充電を行わせる構成としている。
電圧センサ230は、バッテリ110の端子間電圧を測定しており、検出された電圧測定値を制御部210に送出している。記憶部220は、制御部210で処理される残存容量の推定演算等に用いられる各種パラメータや、電圧センサ230で検出された電圧測定値等を保存している。
本実施形態のバッテリ電源システム100を車両用の電源システムに適用した場合には、バッテリ110として車両用の鉛蓄電池を用い、車両に搭載されるモータ等の負荷10に電源を供給するシステムとなる。車両用の鉛蓄電池では、充電回路120としてオルタネータが備えられている。
次に、本実施形態のバッテリ電源システム100において、バッテリ110の残存容量を推定する本実施形態のバッテリ残存容量推定方法について説明する。上述したように、バッテリ110の残存容量は、バッテリ110の安定開回路電圧と強い相関関係があり、安定開回路電圧から残存容量を一意的に算出するような相関式を予め設定しておくことが可能である。このような相関式を用いることにより、バッテリ110の安定開回路電圧を高精度に推定することで、バッテリ110の残存容量を高精度に推定することが可能となる。
一方、バッテリ110の実際の運用状況では、バッテリ110からの充放電が頻繁に繰り返されているため、ほとんどの期間バッテリ110の内部で分極が発生している状況であり、バッテリ110の電圧にも分極電圧が重畳されている。このような分極の影響は、バッテリ110の充放電を停止すると徐々に減少していくが、その影響が十分小さくなるまでには、十数時間から数日といった極めて長時間を要している。そのため、分極が解消した安定時の開回路電圧を測定することは極めて困難であり、実運用においてはこれを期待することはできない。
そこで、本実施形態のバッテリ残存容量推定方法では、充放電停止後の開回路電圧の時間変動を高精度に近似できる関数を用い、これを電圧センサ230で検出した電圧測定値を用いて学習させることで、バッテリ110が安定したときの開回路電圧を高精度に推定できるようにしている。
本実施形態のバッテリ残存容量推定方法を、以下に詳細に説明する。本実施形態では、充放電停止後の開回路電圧の時間変化を高精度に近似する関数として、分母が時間tのn次の多項式である次式のような関数(以下ではn次の逆数関数という)を用いている。
Figure 0004865627
ここで、時間tをバッテリ110の電圧値取得開始からの経過時間、V(t)をバッテリ110の開回路電圧、nを2以上の整数、F(t)を時間tの任意の関数、Cを定数としている。
本実施形態では、開回路電圧V(t)を(式4)のような逆数関数で表わすようにし、逆数関数の次数nを少なくとも2以上とすることで、バッテリ110の開回路電圧の時間変化を高精度に近似できるようにしている。(式4)では、右辺第1項の逆数関数を用いて充放電停止後の分極電圧の時間変化を近似しており、第2項のF(t)は、必要に応じて任意に設定できるようにしている。
以下では別の実施形態として、第2項のF(t)を用いない次式の逆数関数を用いたときの、バッテリ残存容量推定方法について説明する。
Figure 0004865627
バッテリ残存容量推定装置200において実行される本実施形態のバッテリ残存容量推定方法では、バッテリ110からの充放電を停止した後に、電圧センサ230を用いてバッテリ110の開回路電圧を測定し、この電圧測定値をもとに(式5)の係数A、B、Cを決定している。
(式5)の係数A、B、Cを決定する方法として、最小二乗法又はカルマンフィルタ演算又はニューラルネットワークを用いることができる。例えば最小二乗法を用いた場合には、係数A、B、Cの最適値を求めるために次式のような偏差平方和関数を定義し、これが最小となるまで係数A、B、Cの値を求める。
Figure 0004865627
ここで、Vm(k)は電圧センサ230で取得した電圧測定値を表わしており、tは充放電停止後の電圧測定点の時間を表わしている。電圧測定点は、全部でK点あるものとしている。
上記(式6)で示される偏差平方和Mを最小にする係数A、B、Cを求める方法としては、Gauss-Newton法あるいはLevenberg-Marquardt法などの予め定めた初期値から順次Mを小さくしていくように係数A、B、Cを最適値に更新していく逐次演算法を用いればよい。
2次逆数関数を例に、この関数の最適係数解をGauss-Newton法で求める例を以下に示す。2次逆数関数
Figure 0004865627
は、
Figure 0004865627
と書き替えられる。
さらに、開回路電圧V(t)をΔT間隔でサンプリングされる離散値とすると、
Figure 0004865627
と書き替えられる。
ΔT間隔で実測したバッテリ電圧実測値をVm(n)(n=1〜Ns)とし、上記数式から算出される値との差分を、
Figure 0004865627
とし、 次に、最小二乗法の適用に際し(式6)の各係数α1〜α5に関する偏微分項を下記(式11)によって各サンプリングタイミング毎に求める。
Figure 0004865627
そして、得られた各サンプリングタイミング毎の各係数α1〜α5に関する偏微分項を基に下記(式12)によって最小二乗法の連立方程式に適合する5×5の正方対称行列であるヘッセ行列B (i,j)を計算する。
Figure 0004865627
さらに、同様に得られた各サンプリングタイミング毎の各係数α1〜α5に関する偏微分項を基に、下記(式13)で示されるdR1〜dR5を計算する。
Figure 0004865627

とすると、係数α1〜α5の逐次計算における補正変分dd1〜dd5は下記(式14)によって
Figure 0004865627
と算出される。
上記dd1〜dd5が十分小さくなるまで、下記(式15)に従って係数α1〜α5を更新し、(式9)から(式15)までを繰り返し演算していく。
Figure 0004865627
上記のような最小二乗法により、(式5)の逆数関数で表わされる開回路電圧V(t)が電圧測定値Vm(k)に高精度に一致するよう近似されるとともに、長時間の開回路電圧の変化を高精度に推定することが可能となる。本実施形態のバッテリ残存容量推定方法では、上記の計算過程で指数関数を一切用いていないことから、開回路電圧の近似式の係数を最適化する演算処理の負荷が大幅に軽減されている。
開回路電圧を(式5)に示した逆数関数を用いて近似した1例を図3に示す。同図に示す近似式は、以下の2次の逆数関数を用いたものである。
Figure 0004865627
図3では、太い実線310が測定値を示しており、破線320が開回路電圧の(式16)を示している。同図に示すとおり、上記の2次の逆数関数で近似された開回路電圧の式320は、測定値310と極めてよい一致を示している。また、開回路電圧式320と測定値310との一致度を示すRは、0.99525と1に近い値を示している。
(式5)の係数A、B、Cを決定する他の方法としてはカルマンフィルタ演算とニューラルネットワークがあるが、カルマンフィルタ演算では、係数A、B、Cあるいはこの係数を含む数式を状態ベクトルXとして設定し、状態ベクトルの時系列的な一期先予測を決定するヤコビ行列と、状態ベクトルから観測値であるV(t)を算出する観測方程式を定める。これにより予め定めた係数A、B、Cの初期値とK=1の最初の実測値V(t)からスタートし、電圧実測値の観測数kが進むにつれて実測値Vm(t)と計算値V(t)の誤差が最小となるようにカルマンフィルタアルゴリズムに従ってカルマンゲイン計算、順次状態ベクトルXの更新、状態ベクトルの一期先予測を繰り返すことにより、観測を進めるに従って逐次的に係数A、B、Cを最適値化していける。
また、ニューラルネットワークを用いる場合には、多段パーセプトロンのような適切なネットワークを選択し、予め電圧の実測値とその実測値での最適化された係数A、B、Cの様々な例を十分準備しておき、これらを教師信号としてバックプロパゲーションなどの適切な方法でネットワークを教育することにより、電圧の実測値を入力としてネットワークに与えることによって、係数A、B、Cの最適値を出力として得ることが可能となる。
最小二乗法を用いた本実施形態のバッテリ残存容量推定装置200において実行されるバッテリ残存容量の推定方法を、図1に示す流れ図を用いてさらに詳細に説明する。まずステップS1においてバッテリ110からの充放電の停止が判定されると、ステップS2で電圧センサ230を用いてバッテリ110の電圧(開回路電圧)を測定する。この測定では、開回路電圧を近似する(式4)又は(式5)の逆数関数に含まれている係数の個数以上の電圧測定値を取得する。
電圧測定値の取得を終了すると、ステップS3において、最小二乗法で最適化する逆数関数の係数の初期値を設定する。ステップS4において、ステップS3で設定された係数の初期値を起点に、以降の繰り返し計算で各係数の値を更新しながら最適化を進めていく。ステップS4で近似式の各係数の最適値が決定されると、ステップS5において、これを用いた最適化された逆数関数で安定開回路電圧を算出する。
さらに、ステップS6において、ステップS5で算出した安定開回路電圧をもとに、所定の変換方法でバッテリ残存容量を算出する。安定開回路電圧からバッテリ残存容量への変換は、事前に作成して記憶部220に記憶させた変換式等を用いることができる。
本発明のバッテリ残存容量の推定方法の別の実施形態を、以下に説明する。本実施形態でも、バッテリ110の開回路電圧を近似する関数として、(式4)又は(式5)の逆数関数を用いるものとしており、以下では、1例として(式5)の逆数関数において次数nを4とした例を用いて説明する。このとき、バッテリ110の開回路電圧V(t)は次式のように表わされる。
Figure 0004865627
充放電停止後のバッテリ110の開回路電圧の変化は、例えば図3に示すように、充放電停止直後に急激な変化を示し、時間の経過とともに緩やかになっていく。図3に示すような開回路電圧の変化を、(式17)を用いることで高精度に近似することが可能である。特に、充放電停止直後の急激な変化を高精度に近似するためには、(式17)のような高次の逆数関数を用いるのが好ましい。
しかし、開回路電圧の変化は、時間の経過とともに緩やかになっており、充放電を停止してから所定時間経過後からの緩やかな開回路電圧の変化を近似するには、必ずしも高次の逆数関数を用いる必要はない。そこで、本実施形態では、充放電停止からバッテリ110の開回路電圧の測定開始までの時間の長さに応じて、開回路電圧の近似に用いる逆数関数の次数nを減少させるようにしている。
まず、バッテリ110の充放電を停止してから電圧測定値Vm(k)を取得するために電圧センサ230でバッテリ110の電圧測定を開始するまでの時間をtxとすると、時間txが第1の基準時間に達していない場合には、開回路電圧の近似式として、((式17)を用いる。また、時間txが第1の基準時間を超過している場合には、開回路電圧の近似式として、(式17)の逆数関数の次数を1つ減らした次式を用いる。
Figure 0004865627
さらに、時間txが第2の基準時間を超過している場合には、開回路電圧の近似式として、(式18)の逆数関数の次数を1つ減らした次式を用いる。
Figure 0004865627
さらに、時間txが第3の基準時間を超過している場合には、開回路電圧の近似式として、(式19)の逆数関数の次数を1つ減らした次式を用いる。
Figure 0004865627
(式20)の次数nは1に達していることから、これ以上次数nを減少させた逆数関数は用いない。
上記のように、バッテリ110の充放電停止から電圧測定開始までの時間に従って開回路電圧を近似する逆数関数の次数nを低減することにより、逆数関数の最適近似に要する計算時間を短縮させることが可能となる。
上記の本実施形態におけるバッテリ残存容量の推定方法を、図4に示す流れ図を用いてさらに詳細に説明する。まずステップS11においてバッテリ110からの充放電の停止が判定されると、ステップS12で充放電停止からの経過時間を測定する。
充放電停止からの経過時間が所定の時間に達したか否かをステップS13で判定し、所定の時間達したと判定するとステップS14で電圧センサ230を用いてバッテリ110の電圧(開回路電圧)を測定する。この測定では、開回路電圧を近似する(式4)又は(式5)の逆数関数に含まれている係数の個数以上の電圧測定値を取得する。
電圧測定値の取得を終了すると、ステップS15でバッテリ110の電圧測定開始までの経過時間の長さに従って、開回路電圧を近似する(式4)又は(式5)の逆数関数の次数を決定する。ステップS16では、最小二乗法で最適化する逆数関数の係数の初期値を設定する。ステップS17において、ステップS16で設定された係数の初期値を起点に、以降の繰り返し計算で各係数の値を更新しながら最適化を進めていく。ステップS17で近似式の各係数の最適値が決定されると、ステップS18において、これを用いた最適化された逆数関数で安定開回路電圧を算出する。
さらに、ステップS19において、ステップS17で算出した安定開回路電圧をもとに、所定の変換方法でバッテリ残存容量を算出する。安定開回路電圧からバッテリ残存容量への変換は、事前に作成して記憶部220に記憶させた変換式等を用いることができる。
本実施形態のバッテリ残存容量推定方法でも、上記の計算過程で指数関数を一切用いていないことから、開回路電圧の近似式の係数を最適化する演算処理の負荷が大幅に軽減されている。
上記の通り、本発明に係るバッテリ残存容量推定方法では、バッテリの開回路電圧の時間特性を2次以上の逆数関数で近似するようにしたので、短時間内に開回路電圧の収束値を求め、バッテリの充電率を少ない計算負荷で正確にかつ安定的に推定することが可能となる。また、指数関数を用いた方法では、時間変数の値の変化に従って非常に大きく値が変動し、安定的に演算を行なうのが困難になることがあったが、逆数関数を用いた本発明のバッテリ残存容量推定方法では、安定的に演算を行うことが可能となっている。
本実施例は逆数関数のみで開回路電圧を近似するものとしているが、適宜他の関数、例えば指数関数等を組み合わせても全く構わない。このときの逆数関数の次数と指数関数の次数は計算負荷と要求精度を勘案して適宜選択される。この場合、一次の逆数関数、3次以下の指数関数の組み合わせであっても一向に構わない。
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係るバッテリ残存容量推定方法、バッテリ残存容量推定装置及びバッテリ電源システムの一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態におけるバッテリ残存容量推定方法等の細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明の第1の実施形態に係るバッテリ残存容量推定方法の処理の流れを示す流れ図である。 本発明の第1の実施形態に係るバッテリ残存容量推定装置及びバッテリ電源システムの概略の構成を示すブロック図である。 開回路電圧の測定値と逆数関数の近似式とを比較する図である。 本発明の第2の実施形態に係るバッテリ残存容量推定方法の処理の流れを示す流れ図である。
符号の説明
10 負荷
100 バッテリ電源システム
110 バッテリ
120 充電回路
200 バッテリ残存容量推定装置
210 制御部
220 記憶部
230 電圧センサ

Claims (5)

  1. 負荷に電力を供給するバッテリの残存容量を安定開回路電圧に基づいて推定するバッテリ残存容量推定方法であって、
    tを前記バッテリの電圧値取得開始からの経過時間、nを2以上の整数、Cを定数とするとき、前記バッテリで発生した充放電分極が徐々に解消して前記安定開回路電圧で安定する開回路時電圧変化を、分母が前記時間tのn次の多項式である関数(以下ではn次の逆数関数という)
    Figure 0004865627
    で近似し、
    前記n次の逆数関数の係数の値を、前記電圧値取得開始から所定時間内に前記バッテリの電圧値を前記係数の個数以上取得し、取得された前記電圧値を基に、最小二乗法又はカルマンフィルタ演算又はニューラルネットワークによって決定し、
    前記決定された係数の値を用いて前記n次の逆数関数から前記安定開回路電圧を算出し、前記算出された安定開回路電圧に基づいて前記残存容量を推定する
    ことを特徴とするバッテリ残存容量推定方法。
  2. 充放電停止から前記バッテリの電圧値取得開始までの時間が、第1の基準時間以下のときは前記開回路時電圧変化を前記n次の逆数関数で近似し、
    前記電圧値取得開始までの時間が前記第1の基準時間を超えて第2の基準時間以下のときは前記開回路時電圧変化を(n−1)次の前記逆数関数で近似し、
    以下、前記電圧値取得開始までの時間が所定の基準時間を超える毎に前記逆数関数の次数を1に達するまで順次1ずつ減少させて近似する
    ことを特徴とする請求項1に記載のバッテリ残存容量推定方法。
  3. 負荷に電力を供給するバッテリの残存容量を安定開回路電圧に基づいて推定するバッテリ残存容量推定装置であって、
    前記バッテリの電圧を測定する電圧センサと、
    前記残存容量を推定するための演算を実行制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、tを前記バッテリの電圧値取得開始からの経過時間、nを2以上の整数、Cを定数とするとき、前記バッテリで発生した充放電分極が徐々に解消して前記安定開回路電圧で安定する開回路時電圧変化を、分母が前記時間tのn次の多項式であるn次の逆数関数
    Figure 0004865627
    で近似し、前記n次の逆数関数の係数の値を、前記電圧値取得開始から所定時間内に前記バッテリの電圧を前記電圧センサで測定して取得した前記係数の個数以上の電圧値を基に、最小二乗法又はカルマンフィルタ演算又はニューラルネットワークによって決定し、 前記決定された係数の値を用いて前記n次の逆数関数から前記安定開回路電圧を算出し、前記算出された安定開回路電圧に基づいて前記バッテリの残存容量を推定している
    ことを特徴とするバッテリ残存容量推定装置。
  4. 前記制御部は、充放電停止から前記バッテリの電圧値取得開始までの時間が第1の基準時間以下のときは前記開回路時電圧変化を前記n次の逆数関数で近似し、前記電圧値取得開始までの時間が前記第1の基準時間を超えて第2の基準時間以下のときは前記開回路時電圧変化を(n−1)次の前記逆数関数で近似し、以下、前記電圧値取得開始までの時間が所定の基準時間を超える毎に前記逆数関数の次数を1に達するまで順次1ずつ減少させて近似している
    ことを特徴とする請求項3に記載のバッテリ残存容量推定装置。
  5. 前記バッテリと、請求項3又は請求項4に記載のバッテリ残存容量推定装置と、を備える
    ことを特徴とするバッテリ電源システム。
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