JP4865370B2 - ロールヘミング方法及び溶接構造物 - Google Patents

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本発明は、アウタパネルのフランジを折り曲げて、突起を有するインナパネルを挟み込むロールヘミング方法及び該方法で加工されたパネルを溶接した溶接構造物に関する。
車両のドア等のパネル材は、インナパネルとアウタパネルとを組み合わせて構成されている場合がある。インナパネルとアウタパネルとを組み合わせる場合には、アウタパネルのフランジを折り曲げるヘミング加工を行ってインナパネルを挟み込んだ上で、さらにスポット溶接を行って接合強度を確保することが行われている。
スポット溶接を確実に行うためにはインナパネルに突起を設けておき、該突起の上にフランジが当接するように折り曲げた後、フランジの表面から突起を押圧するように溶接電極を押し当ててスポット溶接を行うとよい。これにより、突起部に電流が集中して確実な溶融が得られ、溶接強度が向上する。
この場合、フランジを折り曲げる際に該フランジの裏面で突起を押しつぶしてしまうとスポット溶接時に電流を集中させる効果が低減してしまうため、突起を残しながらフランジを折り曲げる方策が望まれている。
パネル材の突起等を押しつぶさないためには、表面がゲル状のヘミングローラを用いることにより、凹凸に追従させながら転動を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ヘミング加工ではフランジを複数回に分けて段階的に折り曲げると、高精度な折り曲げ部が得られて好適である。本出願人は、ヘミング加工を少なくとも2回に分けて行う方法について特許文献2及び特願2005−180611号等において提案している。
実用新案登録第2561596号公報 特開2005−349471号公報
ところで、前記の特許文献1記載のヘミングローラでは、全面がゲル材で構成されており、突起等の凹凸部に対して追従することができるが、それ以外の箇所もゲル材を介して押圧をするため、十分な加圧力が得られない。また、ゲル材は突起等を乗り越える度に変形を繰り返すことから低寿命となり、実用的ではない。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、パネル材に設けられた突起を潰すことなくフランジを折り曲げ可能なロールヘミング方法、及び該方法で加工されたパネルを高い強度で溶接した溶接構造物を提供することを目的とする。
本発明に係るロールヘミング方法は、同軸上且つ同径の第1円柱及び第2円柱と、前記第1円柱と前記第2円柱との間に設けられた環状凹部と、を有するヘミングローラを用い、アウタパネルのフランジを折り曲げて、突起を有するインナパネルを挟み込むロールヘミング方法であって、前記第1円柱をフランジの外面端部に当接して押圧するとともに、前記第2円柱を前記フランジの外面基部に当接して押圧し、前記環状凹部が前記突起の上部を通過するように前記ヘミングローラを前記フランジの延在する第1方向に転動させる工程と、前記第1円柱及び前記第2円柱を前記フランジに当接して押圧し、前記環状凹部が前記突起の上部を通過するように、前記ヘミングローラを第1方向と交差する第2方向に転動させる工程とを有することを特徴とする。
このように、フランジの延在する第1方向にヘミングローラを転動させる際、折り曲げるフランジ上で、環状凹部を突起の上部を通過させると、該突起が潰れることがない。また、第1方向に交差する第2の方向に向かって再度ヘミングローラを転動させ、この際にも環状凹部を突起の上部を通過させると、フランジ上で突起を中心として第1方向に沿って中空の膨らみとして残っている部分が押圧される。これにより、フランジはインナパネルの突起を中心とした層状突起となる。この層状突起は中空部分のほとんどない小さい突起であり、その後のスポット溶接時に電流を集中させることができる。
また、本発明に係るヘミングローラは、フランジの外面端部を押圧する第1円柱と、前記第1円柱と同軸上且つ同径で、前記フランジの外面基部を押圧する第2円柱と、前記第1円柱と前記第2円柱との間に設けられた環状凹部とを有することを特徴とする。このようなヘミングローラは、上記のロールヘミング方法に対して好適に用いられ、インナパネルの突起を押し潰すことがない。また、該突起を交点とする異なる2方向に転動することにより、突起を中心としたフランジに中空の膨らみがほとんどなくなり、その後のスポット溶接時に電流を集中させることができる。
この場合、前記環状凹部は、断面円弧形状であってもよい。このような断面円弧形状によれば、環状凹部と第1円柱との境界部、及び環状凹部と第2円柱との境界部によるフランジに対する加圧痕が付きにくい。
さらに、本発明に係る溶接構造物は、同軸上且つ同径の第1円柱及び第2円柱と、前記第1円柱と前記第2円柱との間に設けられた環状凹部と、を有するヘミングローラを用い、アウタパネルのフランジを折り曲げて、突起を有するインナパネルを挟み込み、前記突起を交点とする異なる2方向に、前記環状凹部が前記突起の上部を通過するように前記ヘミングローラを転動させて、前記突起を中心とした層状突起を設け、前記層状突起に溶接電極を当接してスポット溶接をしたことを特徴とする。このような溶接構造物は、スポット溶接を行う際に層状突起における二層間に集中的に流れ込み、十分に発熱を起こして確実な溶融が得られ、高い溶接強度が得られる。
本発明に係るロールヘミング方法によれば、フランジの延在する第1方向にヘミングローラを転動させる際、折り曲げるフランジ上で、環状凹部を突起の上部を通過させることから、該突起が潰れることがない。また、第1方向に交差する第2の方向に向かって再度ヘミングローラを転動させ、この際にも環状凹部を突起の上部を通過させることから、フランジ上で突起を中心として第1方向に沿って中空の膨らみとして残っている部分が押圧される。これにより、フランジはインナパネルの突起を中心として中空部分のほとんどない小さい層状突起となり、その後のスポット溶接時に電流を集中させることができる。
また、本発明に係るヘミングローラによれば、上記のロールヘミング方法に対して好適に用いられ、インナパネルの突起を押し潰すことがない。また、該突起を交点とする異なる2方向に転動することにより、突起を中心とした膨出部に中空の膨らみがほとんどなくなって層状突起が得られ、その後のスポット溶接時に電流を集中させることができる。
さらに本発明に係る溶接構造物は、スポット溶接を行う際に層状突起における二層間に集中的に流れ込み、十分に発熱を起こして確実な溶融が得られ、高い溶接強度が得られる。
以下、本発明に係るロールヘミング方法及びヘミングローラについて実施の形態を挙げ、添付の図1〜図16を参照しながら説明する。本実施の形態に係るヘミングローラ10は、図1に示すロールヘミング加工装置11で用いられ、本実施の形態に係るロールヘミング方法はロールヘミング加工装置11で行われる。また、本実施の形態に係る溶接構造物は、ロールヘミング加工装置11を用いて製造される。
図1に示すように、ロールヘミング加工装置11は、アウタパネル12とインナパネル14からなるワーク(溶接構造物)Wの縁部をロールヘミング加工するための装置であって、ワークWを支持する加工テーブル16と、ロボット18と、該ロボット18の先端に設けられた加工ツール20とを有する。ワークWは、加工テーブル16上で金型21を介して支持されている。ワークWは所定のワーク自動交換手段によって加工テーブル16に搬入、搬出されるようにしてもよい。
ロボット18は産業用の多関節型であり、加工ツール20を稼動範囲内の任意の位置において任意の姿勢となるように移動可能である。また、ロボット18は、図示しないティーチングペンダントの操作により、実際に動作を行わせながら動作ティーチングを行うことができる。さらに、3次元CAD(Computer Aided Design)等を用いたオフライン処理によって、実際のロボット18を動作させることなく動作ティーチングを行うことも可能である。ロボット18は所定のコントローラの作用下に動作する。
加工ツール20は、アウタパネル12の縁部から略直角に起立した形状のフランジ30をアウタパネル12の内側方向へ折り曲げるためのツールであって、インナパネル14の縁部14aを挟み込んで一体化することができる(図7参照)。ワークWは、アウタパネル12が下でインナパネル14が上となるように組み合わされて金型21の上に仮固定されており、インナパネル14の縁部14aは、アウタパネル12の屈曲部に沿って配置されている。このときフランジ30は上方に向かって延在している。
インナパネル14の縁部14aにはプレス成形された複数の突起32が設けられている。これらの突起32は、折り曲げられるフランジ30に挟み込まれる位置に設けられており、具体的には、フランジ30の略中間高さ部分によって挟み込まれる位置に設けられている。突起32は、例えば、所定の等間隔に設けられている。
図2及び図3に示すように、加工ツール20は、ヘミングローラ10と、該ヘミングローラ10の両端を回転自在に保持するアーチ部材34とを有する。アーチ部材34は、ロボット18の最先端軸に接続されている。加工ツール20はロボット18に対して着脱自在である。
ヘミングローラ10は、フランジ30の外面端部30aを押圧する第1円柱40と、該第1円柱40と同軸上且つ同径で、フランジ30の外面基部30bを押圧する第2円柱42と、これらの第1円柱40と第2円柱42との間に設けられた浅い環状凹部44とを有する。ヘミングローラ10の幅はフランジ30の高さHに略等しい(図5参照)。
次に、このように構成されるロールヘミング加工装置11を用いて、ワークWのロールヘミング方法を行う手順について図4〜図14を参照しながら説明する。以下の説明では、表記したステップ番号順に処理が実行されるものとする。
図4のステップS1において、先ず、ワークWをアウタパネル12が下、インナパネル14が上となるように加工テーブル16上に固定する。このとき、フランジ30は上方に向かって起立しているものとする。
ステップS2において、ロボット18を動作させ、加工ツール20を移動させる。このとき、ヘミングローラ10の第1円柱40をフランジ30の外面端部30aに当接して押圧するとともに、第2円柱42をフランジ30の外面基部30bに当接して押圧しながら、ヘミングローラ10を45°傾斜させ、フランジ30の側面を押圧する。これにより、フランジ30は図5の矢印Aの方向に押圧され、曲げ基点Pを略中心として45°傾斜するように適切に折り曲げられる。
ステップS3において、ロボット18の動作作用下に、第1回目のロールヘミング加工(プリヘミング加工とも呼ばれる。)を行う。つまり、図5に示すように、ワークWに対するヘミングローラ10の姿勢を保持しながら加工ツール20をフランジ30の延在する方向に転動させことにより、フランジ30を内側方向へ45°折り曲げるロールヘミング加工を連続的に行う。なお、フランジ30が延在する方向をX方向(第1方向)とし、インナパネル14に平行でX方向に直交する方向をY方向(第2方向)とし、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向とする。
第1回目のロールヘミング加工はフランジ30の一端から他端の全長に亘って行う。なお、図5及び後述する図7、図10及び図13では、理解を容易にするためにフランジ30の延在方向を直線状に図示しているが、該フランジ30の延在方向は2次元的又は3次元的な曲線状であってもよいことはもちろんである。フランジ30の延在方向が曲線状であるときには、ヘミングローラ10の軸がフランジ30の方向(X方向)に対して直角となる向きを保持しながらロボット18の作用下に転動させる。
ステップS4において、ロボット18の作用下にヘミングローラ10の向きをさらに45°傾斜させ、回転軸がインナパネル14の表面と平行となるように移動し、第1円柱40及び第2円柱42と金型21とにより、アウタパネル12、インナパネル14の縁部14a及びフランジ30の3枚を挟み込む。これにより、アウタパネル12、インナパネル14の縁部14a及びフランジ30がプレスされて一体化される。
ステップS5において、第2回目のロールヘミング加工(本ヘミング加工とも呼ばれる。)を行う。つまり、ロボット18の動作によって、加工ツール20が屈曲部の全長に沿って移動してロールヘミング加工が行われてアウタパネル12、インナパネル14の縁部14a及びフランジ30の3枚が一体化する(図7参照)。
図6及び図7に示すように、この第2回目のロールヘミング加工においては、第1回目のロールヘミング加工と同様に、第1円柱40をフランジ30の外面端部30aに当接して押圧するとともに、第2円柱42をフランジ30の外面基部30bに当接して押圧させて矢印X方向に転動させる。また、環状凹部44は第1円柱40と第2円柱42との間に設けられていることから、突起32の上部を通過するように移動することになり、突起32を潰すことがない。
なお、図7(及び図10)においては、加工部位が視認可能となるように加工ツール20を二点鎖線の透明状に図示している。
第2回目のロールヘミング加工においては、図7及び図8に示すように、矢印X方向に延在する細長い膨出部50が残る。膨出部50は平面視で突起32の位置を中心とした中央部のY方向幅は環状凹部44の幅Bと略等しく、X方向両端は鋭角状であって、突起32以外の部分は中空構造となっている。また、膨出部50は突起32の位置が頂部となっており矢印X延在方向に沿って左右に低くなる形状となっている。
膨出部50が形成されるのは、フランジ30の面のうち、ヘミングローラ10では第1円柱40及び第2円柱42に当接する部分は押圧されるが、Y方向で突起32が設けられる中央位置は環状凹部44通過することから押圧されず、該突起32の反力によって塑性変形を起こして相対的に膨出するためである。
次に、ステップS6において、ロボット18の作用下に、Z方向を基準としてヘミングローラ10の向きを90°回転させた後、図9及び図10に示すように、環状凹部44が突起32の上部を通過する位置で、第1円柱40及び第2円柱42をフランジ30に当接して押圧してY方向に転動させる。
このステップS6では、環状凹部44が突起32の上部を通過することから、該突起32を潰すことがない。また、第1円柱40及び第2円柱42は膨出部50のうち中空構造部分の上を通り、押圧することから、中空部分のみが押しつぶされ、結果として層状突起56が形成される。層状突起56は、インナパネル14の突起32と、アウタパネル12の膨出部50のうち左右に延在する中空部分がなくなって突起32の上層を覆うようにして残った部分によって二層からなる突起を形成しているものである。
図11に示すように、層状突起56の形状は、概略的に、X方向に延在する平行な一対の仮想線60、60と、Y方向に延在する平行な一対の仮想線62、62を底面の4辺とする四角錐台であって、より詳細には、該四角錐台を形成する各面が滑らかにつながっており、頂部は略半球形状となっている。仮想線60、60は、前記のステップS5において環状凹部44の両端部が通過した幅Bの経路であり、同様に、仮想線62、62は前記のステップS6において環状凹部44の両端部が通過した幅Bの経路である。
なお、浅い環状凹部44は、断面円弧形状であることから、幅Bの両端部において第1円柱40及び第2円柱42との面とのなす角度θ(図6参照)が鈍角になっており、ヘミングローラ10によってヘミング加工を行う際に、経路となる仮想線60、60及び62、62に対する加圧力が鈍角形状に基づいて適度に分散され、加圧痕が付きにくい。
ステップS6の層状突起56を形成する工程は、全ての突起32に対して順に行う。このようにヘミング加工がなされたワークWでは、複数の層状突起56に対してそれぞれ突起32がほとんど隙間なく係合しているため、アウタパネル12とインナパネル14は相当強固に接続されているが、次のステップS7の溶接工程により一層強固に接続されることになる。
なお、ステップS5におけるヘミングローラ10の転動方向と、ステップS6におけるヘミングローラ10の転動方向は直交する方向が望ましいが、設計条件によっては突起32の位置を交点とする異なる2方向に転動させればよい。
ステップS7において、図12及び図13に示すように、層状突起56の上面から溶接電極70を押し当てながら電圧を印加し、スポット溶接を行う。この際、ワークWを接地しておく。
溶接電極70に電圧を印加することにより、図14に示すように、主に、フランジ30とインナパネル14との間の部分が溶融してナゲット72が形成される。また、層状突起56は加熱により軟化し、溶接電極70の加圧力によって押しつぶされる。したがって、通電を停止して冷却・凝固してスポット溶接が完了した部分の溶接痕74は、略平面状になる。ステップS7のスポット溶接工程は、全ての層状突起56に対して順に行う。ステップS7のスポット溶接工程は、ワークWを加工テーブル16以外の場所に移して行ってもよい。
上述したように、本実施の形態に係るロールヘミング方法によれば、フランジの延在するX方向にヘミングローラ10を転動させる際、折り曲げるフランジ30上で、環状凹部44を突起32の上部を通過させることから、該突起32が潰れることがない。また、X方向に直交するY方向に向かって再度ヘミングローラ10を転動させ、この際にも環状凹部44を突起32の上部を通過させることから、膨出部50のうち突起32を中心としてX方向に沿って中空の膨らみとして残っている部分が押圧される。これにより、フランジ30はインナパネル14の突起32を覆う小さい層状突起56となり、その後のスポット溶接時に電流を集中させることができる。
また、本実施の形態に係るヘミングローラ10によれば、上記のロールヘミング方法に対して好適に用いられ、インナパネル14の突起32を押し潰すことがない。また、該突起32を交点とする異なる2方向に転動することにより、突起を中心とした膨出部50に中空の膨らみがほとんどなくなって層状突起56が得られ、その後のスポット溶接時に電流を集中させることができる。
また、ヘミングローラ10はゲル材等の変形する材質を用いていないため高寿命である。
さらに本実施の形態に係る溶接構造物は、ワークWをヘミング加工及びスポット溶接を行って得られ、スポット溶接時に層状突起56における二層間に集中的に流れ込み、十分に発熱を起こして確実に溶融し、凝固後には高い溶接強度が得られる。このようにして加工された溶接構造物は、溶接痕74の周りに僅かに残った層状突起56の一部や、仮想線60、60及び62、62の部分の僅かな加圧痕等によって特定が可能である。
なお、本実施の形態に係るヘミング方法及び溶接構造物は、ヘミングローラ10以外にも以下のような変形例に係るヘミングローラ80及び90等を用いてもよい。
図15に示すように、ヘミングローラ80は、同軸上且つ同径の第1円柱82及び第2円柱84と、これらの第1円柱82と第2円柱84との間に設けられた小径のスペーサ86とを有する。図15から明らかなように、ヘミングローラ80における第1円柱82と第2円柱84との間には環状凹部88が形成されている。このようなヘミングローラ80は、2つの円柱体を第1円柱82及び第2円柱84として用いて、その間にスペーサ86を挿入するだけの簡便な構成であり、組立工程だけで、加工工程がなく廉価に製作することができる。
図16に示すように、ヘミングローラ90は、ヘミングローラ10と同様の第1円柱40、第2円柱42及び環状凹部44と、第1円柱40よりも先に設けられた傾斜角45°の円錐部92とを有する。円錐部92と第1円柱40との間には僅かな段差94が設けられている。このようなヘミングローラ90によれば、第1回目のロールヘミング加工の際には、第1円柱40を金型に当接させるとともに、円錐部92をフランジ30に当接させて45°の屈曲加工を行うことができる。また、第2回目のロールヘミング加工の際には、仮想線で示すように、第1円柱40をフランジ30の外面端部30aに当接して押圧するとともに、第2円柱42をフランジ30の外面基部30bに当接して押圧し、環状凹部44が突起32の上部を通過するように転動して屈曲加工を行うことができる。したがって、第1回目及び第2回目のロールヘミング加工で、ヘミングローラ90の向きを変える必要がない。また、ヘミングローラ90に対して軸が平行な状態で一体的に移動する構成で円盤状のガイドローラ96を設けるとともに、金型21の裏面にガイドローラ96が係合してX方向に延在する第1ガイド溝98a及び第2ガイド溝98bを設けておくとよい。第1ガイド溝98aは、第1回目のロールヘミング加工の際にガイドローラ96が係合・転動し、ヘミングローラ90の円錐部92がフランジ30を45°屈曲させるように案内する。第2ガイド溝98bは、第2回目のロールヘミング加工の際にガイドローラ96が係合・転動し、ヘミングローラ90の第1円柱40及び第2円柱42がフランジ30を押圧するとともに環状凹部44が突起32の上部を通過するように案内する。
本発明に係るロールヘミング方法、ヘミングローラ及び溶接構造物は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成乃至工程を採り得ることはもちろんである。
ロールヘミング加工装置の概略構成図である。 ヘミングローラを有する加工ツールの斜視図である。 ヘミングローラの正面図である。 本実施の形態に係るロールヘミング方法の手順を示すフローチャートである。 第1回目のロールヘミング加工の際のワーク及び加工ツールの一部断面斜視図である。 第2回目のロールヘミング加工の際のワーク及び加工ツールの断面側面図である。 第2回目のロールヘミング加工の際のワーク及び加工ツールの一部断面斜視図である。 突起及び該突起を中心に形成される膨出部の断面正面図である。 膨出部の中空部を潰し、層状突起を形成する工程におけるワーク及び加工ツールの断面正面図である。 膨出部の中空部を潰し、層状突起を形成する工程におけるワーク及び加工ツールの一部断面斜視図である。 層状突起の拡大斜視図である。 スポット溶接工程の際のワーク及び加工ツールの断面側面図である。 スポット溶接工程の際のワーク及び加工ツールの一部断面斜視図である。 スポット溶接によって得られる溶接構造物の断面側面図である。 第1変形例に係るヘミングローラ及びワークの側面図である。 第2変形例に係るヘミングローラ及びワークの側面図である。
符号の説明
10、80、90…ヘミングローラ 11…ロールヘミング加工装置
12…アウタパネル 14…インナパネル
18…ロボット 30…フランジ
30a…外面端部 30b…外面基部
32…突起 40、82…第1円柱
42、84…第2円柱 44、88…環状凹部
50…膨出部 56…層状突起
70…溶接電極 86…スペーサ
W…ワーク X…方向(第1方向)
Y…方向(第2方向)

Claims (2)

  1. 同軸上且つ同径の第1円柱及び第2円柱と、
    前記第1円柱と前記第2円柱との間に設けられた環状凹部と、
    を有するヘミングローラを用い、アウタパネルのフランジを折り曲げて、突起を有するインナパネルを挟み込むロールヘミング方法であって、
    前記第1円柱をフランジの外面端部に当接して押圧するとともに、前記第2円柱を前記フランジの外面基部に当接して押圧し、前記環状凹部が前記突起の上部を通過するように前記ヘミングローラを前記フランジの延在する第1方向に転動させる工程と、
    前記第1円柱及び前記第2円柱を前記フランジに当接して押圧し、前記環状凹部が前記突起の上部を通過するように、前記ヘミングローラを第1方向と交差する第2方向に転動させる工程と、
    を有することを特徴とするロールヘミング方法。
  2. 同軸上且つ同径の第1円柱及び第2円柱と、
    前記第1円柱と前記第2円柱との間に設けられた環状凹部と、
    を有するヘミングローラを用い、
    アウタパネルのフランジを折り曲げて、突起を有するインナパネルを挟み込み、前記突起を交点とする異なる2方向に、前記環状凹部が前記突起の上部を通過するように前記ヘミングローラを転動させて、前記突起を中心とした層状突起を設け、前記層状突起に溶接電極を当接してスポット溶接をしたことを特徴とする溶接構造物。
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