JP4864855B2 - 携帯型電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、携行性を有する携帯型電子機器に関し、特に、プロジェクタモジュールが搭載された携帯電話機、PDA、ノート型コンピュータ、携帯型ゲーム機に関する。
コンピュータを用いたミーティングやホームシアター用のツールとして、プロジェクタの普及が急速に進んでいる。最近ではノート型コンピュータとともに携帯に便利な小型プロジェクタも開発されてきており、外出先でのプレゼンテーションやミーティングも効果的に行えるようになってきている。
そういった状況の中、携帯電話端末を始めとした携帯型電子機器にプロジェクタを組み込もうとする動きも出てきている。携行性に優れた携帯型電子機器でプロジェクタ機能を利用できれば、利便性が向上するためである。
一方で、プロジェクタは相応の光出力を必要とするため、消費電力や光源の発熱といった問題が生じることとなる。
光源の発熱という問題に関しては、放熱フィンや冷却ファンなどの冷却構造を用いて温度上昇を抑える方法がある。
しかしながら、放熱フィンや冷却ファンなどの冷却構造を採用することは、携帯型電子機器の全重量の増加やサイズアップ、コスト高騰の原因となる。
また、消費電力の低減についても、冷却ファンを用いてしまうと消費電力が増加してしまうため逆効果となる。
上記の対策として、携帯型電子機器内の半導体チップで発生した熱エネルギーを熱電変換装置を用いて電気エネルギーに変換し、これを充電したり、携帯型電子機器の動作に利用することによって、半導体チップを冷却したり消費電力を低減させることに関連する技術としては特許文献1〜4が挙げられる。
特許文献1は、電源と、電源により駆動する電子部品と、電子部品を搭載する基板と、電源と基板とを支持する筐体とを少なくとも含む電子装置であって、電子部品と基板との間のうち電子部品の搭載面内に、互いに熱的に接触するように配設された、電子部品で発生する熱エネルギーを電気エネルギーに変換する手段を備え、その手段によって変換された電気エネルギーを、電源に充電することを特徴とした電子装置である。
特許文献2は、電子装置内部の発熱量が相対的に大きい部品(例えば、移動通信装置の送信電力増幅器)近傍の領域とその領域と離れた温度変動の少ない領域とに、異なる2種類の金属で構成される熱電対の接点を配置し、熱電対の熱起電力を増幅する増幅回路や二次電池の電圧を検出し充電を制御する充電制御回路を設け、発熱量の大きい部品の排熱を利用して二次電池を充電するものである。
特許文献3は、薄膜状でなおかつ積層構造からなる熱電変換装置と、熱電変換装置において変換した電気を蓄積する蓄積手段と、蓄積手段に蓄積した電気を基に駆動制御する制御手段とを有する端末装置である。
特許文献4は、薄膜状の吸熱及び放熱部を略同一面上に形成した熱電変換装置を備え、この熱電変換装置を半導体部品の上部表面に配置し、熱電変換装置で変換した電力を電池への充電用又は携帯型電子装置の動作用として供給するようにしたものである。
また、発光素子に関しては特許文献5が挙げられる。
特許文献5は、複数の接点が配置された頂面と底面とを有する基板と、基板の頂面に配置され基板の接点と接触しており、発光層と正電極と負電極とを備えており、発光層が励起されて正電極と負電極との間に印加された電流により光が放射されるようにした少なくとも一つの発光チップと、基板の底面に配置され発光チップによって生成された熱を吸収するとともにその熱を電力に移すように適合された熱電変換器と、熱電変換器の底面に配置された第1の放熱要素とを有することを特徴とする発光素子である。
しかしながら、特許文献1〜5のいずれも、プロジェクタモジュールを搭載したタイプの携帯機器に関しては何の示唆もない。
熱電変換素子を用いたプロジェクタに関連する技術として特許文献6がある。
特許文献6は、プロジェクタ装置のランプの外壁部に吸熱部材を介して熱電変換モジュールを取り付け、吸熱部材におけるランプに対向する対向面を、ランプの外壁部に沿った形状に形成するとともに、吸熱部材における下基板に対向する対向面を、下基板の下面に沿った平面状に形成し、吸熱部材を構成する材料を銅とし、さらに、吸熱部材とランプの外壁部との間に放熱用のグリース層を設け、熱電変換モジュールが発生する電力をペルチェ素子に供給してペルチェ素子を作動させることによりデジタルミラーデバイスからなる表示素子を冷却するようにしたものである。
特許第3219055号公報 特開2004−304900号公報 特開2007−42895号公報 特開2007−109819号公報 特開2006−179894号公報 特開2004−312986号公報
しかし、特許文献6は携帯型電子機器にプロジェクタモジュールを搭載することに関しては何の示唆もされていない。
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、プロジェクタモジュールを搭載し、光源の発する熱を電気エネルギーに変換し、これを充電したり、機器の動作に利用することによって消費電力を低減させた携帯型電子機器を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、映像を投影するためのプロジェクタモジュールと、温度勾配に応じて起電力を発生させる熱電変換素子と、複数のバッテリと、外装を形成する外装部材とを有し、熱電変換素子の吸熱側をプロジェクタモジュールの光源部材に接触させ、プロジェクタモジュールの光源部材から発生する熱による温度勾配によって熱電変換素子に生じた電力を、バッテリのいずれかに充電する携帯型電子機器を提供するものである。
本発明においては、熱電変換素子は、複数のP型半導体とN型半導体とを交互に直列接続して形成されており、熱の移動方向及び起電力の発生方向が同一平面となるように薄膜状に形成されていることが好ましい。また、バッテリは、二つでそれぞれが独立に充放電可能であり、一方のバッテリを自器の駆動に用い、熱電変換素子による充電を他方に行うことが好ましい。また、熱電変換素子の放熱側が熱伝達部材を介して外装部材に接していることが好ましい。また、外装部材は、熱電変換素子の吸熱側又は熱伝達部材と接触する部分の外側に、可逆性感温変色材が配置されたことが好ましい。
本発明によれば、プロジェクタモジュールを搭載し、光源の発する熱を電気エネルギーに変換し、これを充電したり、機器の動作に利用することによって消費電力を低減させた携帯型電子機器を提供できる。
図1及び図2に、本発明の好適な実施の形態にかかる携帯型電子機器の概略構成を示す。図3に、この携帯型電子機器の機能構成を示す。図1に示すように、本実施形態に係る携帯型電子機器である携帯電話端末100は、ヒンジ160を備えた見開き型(折り畳み型)である。携帯電話端末100は、プロジェクタモジュール110、撮像素子120、熱電変換素子180、充電可能なバッテリ190、情報表示ディスプレイ(メイン130、サブ140)及び各種キー150を有する。
プロジェクタモジュール110は、携帯電話端末100に搭載するために超小型に構成されている。したがって、光源も小型化に対応するために、レーザダイオードやLEDなどが用いられる。また、ライトバルブとしては、透過型液晶、LCOSに代表される反射型液晶、MEMSミラー素子などが挙げられる。
携帯電話端末100の中にはプロジェクタモジュール110が搭載されている。プロジェクタモジュール110にはレーザダイオードやLEDなどの光源部材111が最低限組み込まれる。投射レンズ112は携帯型電子機器の外側に向いており、ここから外部へ画像が投射される。投射レンズ112に関しては、ライトバルブを用いたプロジェクタモジュールでは必須となる。また、近年ではレーザスキャン型のプロジェクタの開発も進んでおり、これらのタイプのものは必ずしも投射レンズを必要としないが、スキャニング補正のためのfθレンズ等の役割を持ったレンズ系を取り付ける構成であっても良い。
光源部材111が搭載されている基板と熱電変換素子180とが同一平面となるようにレイアウトされている。熱電変換素子180の詳細及び光源部材111との組み合わせに関しては後述する。
光源部材111からの熱を熱電変換素子180の吸熱側181に供給している。なお、光源部材111と熱電変換素子180とは直接接触させても良いし、伝熱部材を介して接触させても良い。また、熱電変換素子180の放熱側182は、携帯型電子機器の外壁170に接するようにレイアウトされ、外壁170から放熱する構成としている。こうすることで、熱電変換素子180内に温度勾配を形成し、発電することが可能となっている。また、外壁170の外側には、可逆性感温変色材200が設けられている。これは、シール型や塗料型などのどのような形式のものでも良い。可逆性感温変色材200は外壁170の温度を視覚的にユーザに知らせるためのものである。
熱電変換素子180によって発電された電力は、2個のバッテリ190のうちの一つに蓄えられる。このように、充電されるバッテリと、電力使用がなされるバッテリとを切り分けることによって効率的な充電が可能となる。
プロジェクタモジュール120からの発熱によって、熱電変換素子180で電力が発生する。その電力をバッテリA及びバッテリBのどちらに充電するかは、充電制御部300によって決定され、いずれか一方のバッテリに充電がなされる。そして、電力供給部400は、充電されていな方のバッテリを携帯電話端末100の動作に使用するバッテリとして選択し、プロジェクタモジュール110やその他の機能モジュール500へ電力を供給する。
熱電変換素子180は、吸熱側181と放熱側182との間の温度差によって発熱する。熱電変換素子180は、温度差を与えることにより両端に熱起電力が発生する熱電効果(=ゼーベック効果)を利用して熱エネルギーを直接電力に変換する素子であり、相異なる二種の金属、P型半導体とN型半導体、その他の相異なる熱電変換材料を熱的に並列に置いて電気的に直列に接続し、外部に負荷を接続して閉回路を構成することで回路に電流が流れ、電力として取り出される。
熱電変換素子において、一対の熱電変換材料で構成された素子から得られる電圧は、大まかには、同一材料であればその積層数に比例し、電力は素子の大きさに比例する。しかし、電圧については、相異なる二種の熱電変換材料の一対だけでは高々数十mVにしかならないため、複数対を組み合わせる必要がある。
例えば、熱電変換材料が半導体の場合、複数対のP型及びN型半導体が間隔をおいて交互に配置され、隣り合うP型及びN型半導体の単位が電極によって直列に連結されている。そして、吸熱側181と放熱側182とを図2に示すようにレイアウトし、それらの間に温度差ΔTを与えることで発電される。このようにして、吸熱側181と放熱側182とを完全に分離した形態でP型及びN型半導体を直列に連結して効率の高い熱電変換を実現している。
ここで、吸熱側181と放熱側182との構造は、P型及びN型半導体とを接続して電気を通す構成となっていなければならないことは言うまでもないが、ここからの漏電を防止する必要もある。吸熱側181も放熱側182もできれば熱伝導性の高い金属部材と熱伝達を行うことが望ましいため、吸熱側181と放熱側182のアウター部分には電気絶縁を施すことが望ましい。しかもできるだけ熱抵抗の低い絶縁体を用いることが望ましい。例えば、黒アルマイト処理(吸熱側と放熱側がアルミ材の場合)や、極力薄い絶縁体を用いるという方法がある。
次に、本実施形態における熱電変換素子180の形態を図4に示す。図示するように、P型半導体183、N型半導体184、金属配線186等で熱電変換素子の回路を環状に形成し、(薄膜状)熱電変換素子180の吸熱側181を環状回路の内側とし、薄膜状熱電変換素子180の放熱側182を環状回路の外側に配置している。このような配置とすることにより、回路の内側に発熱体を、回路の外側に放熱用の部材を配置できるため、熱電変換素子180が薄型でコンパクトなものとなるため、携帯電話端末100へ搭載してもサイズアップの要因とはなりにくい。
この構成の特徴は、熱の流れる方向と起電力の発生方向とが共に一つの面内にあることである。その面とは薄膜が形成されている面であることは言うまでもない。
具体的には、電気絶縁層185上にP型半導体183とN型半導体184とを一対とした薄膜状熱電変換部を複数対形成し、形成した薄膜状熱電変換部のそれぞれを、アルミニウムや銅などの金属配線で直列接続し、薄膜状の熱電変換素子180を形成する。
薄膜状に形成されているので、図5に示すように積層構造とすることも可能である。
形成した一層目の薄膜状熱電変換素子180aの上に、ポリイミド樹脂のような高耐熱性樹脂をスプレー塗布し、0.1mm程度の厚さの高耐熱性樹脂層(不図示)を形成する。このとき、一層目の薄膜状熱電変換素子180aの電力取り出し電極をマスキングし、一層目の電力取り出し電極部には高耐熱性樹脂を塗布しないようにする。
次に、形成した一層目の薄膜状熱電変換素子180aの上に、二層目の薄膜状熱電変換素子180bを一層目と同様に形成して積層し、二層積層構造の薄膜状熱電変換素子を形成する。なお、この場合、薄膜状熱電変換素子全ての出力を直列に接続し、その両端の電力取り出し電極部を配線部に接続する。
これを繰り返し、多層の積層構造の熱電変換素子180を形成する。積層構造とすることによって、直列接続を増やすことができ、その結果、熱電変換効率が向上し高い電圧を出力できる。
なお、P型半導体183とN型半導体184とに適用可能な材料としては、Bi−Te系の合金が最も代表的な例としてあげられる。また、P型半導体183やN型半導体184の代わりに高分子化合物を用いるということも可能である。
バッテリ190は、充電可能な電池であればどのような種類のものでも良い。代表的なものとしては、金属リチウムイオン式二次電池が挙げられるが、この他にも、アルカリ蓄電池、鉛酸系電池、リチウムポリマー電池などの電池やキャパシタなどを適用可能である。
バッテリ190を熱電変換素子180に接続することで、熱電変換素子180において生成した電気をバッテリ190に充電することが可能となり、バッテリ190に充電した電気を携帯電話端末100の様々な動作に利用することが可能となる。その結果、消費電力が低減され、より長時間プロジェクタモジュール110を駆動させられる。
使用状況を考えたとき、プロジェクタモジュール110を使用中の時など使用電力が高い状態のときには発熱量が多くなり、そのときに充電効率が高くなることから、バッテリ190への充電と機器使用とは同時に行われるケースが一般的である。従って、充電と電力使用とが同時に行われることとなるため、バッテリ190を複数備えることが好ましい。
すなわち、バッテリ190は、電力使用中のものと充電中のものとを区別することが好ましい。
そこで、例としてバッテリAが充電中、バッテリBが電力消費中である状態について考える。バッテリAがフル充電状態となったとき、バッテリBは電力消費が続いているので、電力が消費された状態である。この時、バッテリBは充電するべき状態となり、バッテリAは充電する必要のない状態となっているため、充電制御部300は、バッテリBを充電用、バッテリAを電力消費用に切り替える。これにより、ロスが無く効率の良い充電動作を継続的に行える。
また、バッテリBがエンプティ状態となったときも同様であり、できるだけ長時間機器を使用できるようにするためには、充電中のバッテリAを電力消費状態に切り替え、エンプティ状態となったバッテリBを充電用に切り替えることが好ましい。
充電制御部300及び電力供給部400は以上のような制御を行い、充電動作を実行する。
本実施形態に係る携帯型電子機器である携帯電話端末100は、プロジェクタモジュール110を搭載しているため、最大の熱源及び電力消費モジュールはプロジェクタモジュール110になる。
携帯型電子機器は多機能化が進んでおり、それに伴って電力消費量や発熱量も増加している。一方で、プロジェクタモジュール110はプロジェクタとしての機能を果たすためには少なくとも10ルーメン以上の明るさが必要であると考えられ、それを実現するためには相応に出力の大きい光源が必要となる。具体的には、数Wの電力が必要である。
この値は、携帯型電子機器の他の各種モジュールの消費電力と比較して極端に高い値である。一例として、プロジェクタモジュール110の無い携帯電話端末では、高機能なものでもせいぜい300mWの消費電力と言われている。
プロジェクタモジュール110の光源としては、LEDやレーザダイオードが挙げられるが、LEDは技術革新によってエネルギー利用効率が上昇してはいるものの、発散光であるがゆえに光利用効率にも限界がある。従って、発熱は依然として問題となる。また、レーザダイオードに関しては、光利用効率ではLEDよりも優れているが、発熱の問題は避けて通れない。
以上のことから、プロジェクタモジュール110が搭載された携帯電話端末100では、プロジェクタモジュール110の消費電力と発熱とが問題となる。
したがって、最大の発熱源はプロジェクタモジュール110となるため、熱電変換素子からの出力を最も大きくするためには、熱電変換素子の吸熱側をプロジェクタモジュール110に接触させればよい。さらに、プロジェクタモジュール110の中ではLEDやレーザダイオードに代表される光源が最大の発熱源であることは上記の通りである。故に、吸熱側181をできるだけ光源に近づけることが好ましい。光源に直接接することが最良であるが、レイアウト的に困難であるならば、極力体積が小さく形成された熱伝達部材210を介して接触させるようにしても良い。
また、熱電変換素子の一般的な特性として、ゼーベック係数が一定の場合、熱電変換素子からの出力は、温度勾配の二乗に比例する。従って、温度勾配が高いほど熱エネルギーから電気エネルギーへの変換効率は高くなる。上記のように、本実施形態においては、プロジェクタモジュールを搭載していない従来の携帯型電子機器と比較して非常に高い熱源(すなわちプロジェクタモジュールの光源)を有しているため、高い熱電変換効率が得られる。
図6に、熱電変換素子180と光源部材111との配置例を示す。熱電変換素子180は薄膜状であり、回路が環状に構成され、その内側が吸熱側181、外側が放熱側182となっている。図6においては光源をLEDとして示しているが、環状の熱電変換素子180の回路の内側の吸熱側181に配置される。これにより、熱電変換素子180に適正な温度勾配が形成され、発電が促される。
熱電変換素子180は、薄膜状でさらに半導体を用いて構成されていることから半導体プロセスで形成することが可能である。同時に光源部材111にLEDなどを用いた場合には、それも半導体プロセスで形成できる。したがって、図のように薄膜状の熱電変換素子180と光源部材111とを同一基板上に半導体プロセスで形成できる。これにより、熱電変換素子180及び光源部材111をコンパクトな1ユニットとして低コストで容易に製造できる。
すなわち、光源であるLEDと熱電変換素子とを1枚の基板上に構成することによって、熱伝達率の向上や製造コストの低減、コンパクト化の実現が可能となり、特許文献3や特許文献4に記載の発明と比べて優位である。
熱電変換素子180からの電気出力は、温度勾配で決まってくるので、放熱側182はできるだけ温度が低いものに接触させることが好ましい。ペルチェ素子などを用いない限り、外気温よりも温度の低い状態を作り出すことはできないため、放熱側182はできるだけ外気温に近づけることが望ましい。
放熱側182をそのまま外気に晒してもよいが、放熱側182と気体との熱伝達率は低く、さらに省スペースのためには熱電変換素子180自体もコンパクトに形成することが望ましい。よって、放熱側182の面積もさほど大きく取れないため、放熱効率を高めることは難しい。このため、放熱側182をそのまま外気に晒すと放熱側182の温度を効率的に下げられず、熱電変換素子内での温度勾配が小さくなってしまう。
このため、携帯電話端末100内で最も外気温に近い固体に放熱側182を接触させることが好ましい。すなわち、携帯電話端末の外壁170に接触させると良い。従って、外壁170には熱伝導率の高い金属系の材料を用いることが望ましい。外壁170の外気と接している部分は放熱側182の面積よりも十分広いため、熱抵抗が低くなるために効果的な放熱が可能となる。
また、外壁170において放熱領域を限定する必要がある場合も考えられる。通常、ユーザの手が触れる部分には極力熱が伝わってないことが望まれる。このため、熱電変換素子180の放熱側182からの熱を、外壁170の適切な部分へガイドすることが必要なケースも出てくる。このような場合には、図7に示すように、放熱側182と外壁170との間に熱伝達部材210を配置して熱をガイドすればよい。熱伝達部材210を配置することにより、外壁170の任意の位置で放熱させることが可能となる。
熱伝達部材210としては、熱伝導率の高い材質であればどのようなものでも良いが、最も効率的なものとしてはヒートパイプがあげられる。銅やアルミニウム系の金属も熱伝導率が高いのでそれらを用いても良いが、ヒートパイプは銅やアルミニウムと比較して桁違いに高い熱伝導率を持ち瞬時に熱を伝達できる。また、ヒートパイプを始めとした熱伝達部材210を用いて、より大きい面積で外壁170と接触させることもできるため、効果的な放熱が可能となる。
以上のような構成とすることにより、熱電変換素子に最大限の温度勾配を与えることができるため、熱電変換素子から効率的に電力を得られる。
上記の構成では、携帯電話端末100の機器自体の放熱は、最終的には外壁170で行われるため、端末の外壁170の温度が高くなっていることをユーザに認識させることが好ましい。このため、外壁170の温度が高くなる可能性のある部分には可逆性感温変色材200を設ける。外壁170の温度が高くなる可能性のある部分とは、熱電変換素子180の放熱側182や熱伝達部材210と接触する部分であることは言うまでもない。
可逆性感温変色材200とは、温度によって色が変化し、繰り返し温度を上下させても変色が再現される材料である。可逆性感温変色材200としては公知のものを適用可能であり、シート状のものや塗料状のものなどが市販されている。例えば、温度範囲に応じて黄→オレンジ→赤に変色し、温度範囲を設計によって変更できるものがある。
図8に示すように、外壁170の温度が高くなる可能性のある部分に可逆性感温変色材200を配置することにより、外壁170の温度が高い部分をユーザが視覚的に認識できるため、温度が高くなっている外壁に不用意に触れてやけどすることがなくなる。
〔第2の実施形態〕
本発明を好適に実施した第2の実施形態について説明する。
本実施形態においては、熱電変換素子180として、図9に示すコンベンショナル型のものを用いる。熱電変換素子180’の微視的な構造は、第1の実施形態と同様である。
図10に、本実施形態に係る放熱構造を示す。コンベンショナル型の熱電変換素子180’は、素子の一方の面が吸熱側181、他方の面が放熱側182となっているため、図示するようなレイアウトとなる。
コンベンショナル型の熱電変換素子180’は体積が大きいため、小型の携帯型電子機器(携帯電話端末など)には不向きであるが、比較的大きい携帯型電子機器(ノート型コンピュータなど)には適用可能である。コンベンショナル型の熱電変換素子180’は、薄膜状のものと比較して高出力であり、また、図からも明らかなように、大きな面積で吸熱及び放熱ができるため、発電効率が高い。よって、比較的大きい携帯型電子機器には本実施形態の放熱構造を採用することが好ましい。
なお、上記各実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定されることはなく、様々な変形が可能である。
本発明を好適に実施した第1の実施形態に係る携帯型電子機器である携帯電話端末の外観を示す図である。 第1の実施形態に係る携帯電話端末の要部の構成を示す図である。 第1の実施形態に係る携帯電話端末の機能構成を示す図である。 薄膜状熱電変換素子の構成を示す図である。 積層構造の薄膜状熱電変換素子の構成を示す図である。 薄膜状熱電変換素子に光源を配置した状態を示す図である。 熱伝達部材を用いた携帯電話端舞の要部の構成を示す図である。 可逆性感温変色材の配置例及び作用を示す図である。 コンベンショナル型の熱電変換素子の構成を示す図である。 本発明を好適に実施した第2の実施形態に係る携帯型電子機器の要部の構成を示す図である。
符号の説明
100 携帯電話端末
110 プロジェクタモジュール
111 光源部材
112 投射レンズ
120 撮像素子
130 情報表示ディスプレイ(メイン)
140 情報表示ディスプレイ(サブ)
150 各種キー
160 ヒンジ
170 外壁
180 熱電変換素子
181 吸熱側
182 放熱側
183 P型半導体
184 N型半導体
185 電気絶縁層
186 金属配線
190 バッテリ
200 可逆性感温変色材
210 熱伝達部材(ヒートパイプ)
300 充電制御部
400 電力供給制御部

Claims (11)

  1. 映像を投影するためのプロジェクタモジュールと、
    温度勾配に応じて起電力を発生させる熱電変換素子と、
    複数のバッテリと、
    外装を形成する外装部材とを有し、
    前記熱電変換素子の吸熱側を前記プロジェクタモジュールの光源部材に接触させ、
    前記プロジェクタモジュールの光源部材から発生する熱による温度勾配によって前記熱電変換素子に生じた電力を、前記バッテリのいずれかに充電する携帯型電子機器。
  2. 前記熱電変換素子の吸熱側と前記プロジェクタモジュールの光源部材とを伝熱部材を介して接触させたことを特徴とする請求項1記載の携帯型電子機器。
  3. 前記熱電変換素子は、複数のP型半導体とN型半導体とを交互に直列接続して形成されており、熱の移動方向及び起電力の発生方向が同一平面となるように薄膜状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の携帯型電子機器。
  4. 薄膜状の前記熱電変換素子と前記プロジェクタモジュールの光源部材とが、同一基板上に形成されたことを特徴とする請求項3記載の携帯型電子機器。
  5. 薄膜状の前記熱電変換素子が複数個、積層構造に配置され、それぞれが直列に接続されたことを特徴とする請求項3又は4記載の携帯型電子機器。
  6. 前記バッテリは、二つでそれぞれが独立に充放電可能であり、一方のバッテリを自器の駆動に用い、前記熱電変換素子による充電を他方に行うことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の携帯型電子機器。
  7. 充電されている方の前記バッテリがフル充電状態になったとき、又は、自器の駆動に用いている方の前記バッテリがエンプティ状態となったとき、前記熱電素子による充電を行うバッテリと自器の駆動に用いるバッテリとを切り替える手段を有することを特徴とする請求項6記載の携帯型電子機器。
  8. 前記熱電変換素子の放熱側が前記外装部材に接していることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の携帯型電子機器。
  9. 前記熱電変換素子の放熱側が熱伝達部材を介して前記外装部材に接していることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の携帯型電子機器。
  10. 前記熱伝達部材はヒートパイプであることを特徴とする請求項9記載の携帯型電子機器。
  11. 前記外装部材は、前記熱電変換素子の吸熱側又は前記熱伝達部材と接触する部分の外側に、可逆性感温変色材が配置されたことを特徴とする請求項8から10のいずれか1項記載の携帯型電子機器。
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