JP4864844B2 - 回転検出装置の信号処理回路 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば車載エンジンのクランクシャフトやカムシャフト等を検出対象とする回転検出装置の信号処理回路に関する。
従来、回転検出装置の信号処理回路としては、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。この回転検出装置の信号処理回路は、基本的に、例えば自動車のタイヤと一体になって回転する回転体の外周と対向するように配置されて回転体の回転角度に応じた回転信号をそれぞれ出力する例えばMREからなる第1及び第2磁気センサと、これら第1及び第2磁気センサからそれぞれ取り込んだ回転信号を1/4の位相差をもった第1及び第2パルス信号としてそれぞれ出力する第1及び第2波形整形部と、これら第1及び第2波形整形部からそれぞれ取り込んだ第1及び第2パルス信号に基づき回転体の回転方向を判定するとともに判定した回転方向を示す方向判定信号を出力する回転方向判定部と、第1波形整形部から出力される第1パルス信号がそのまま出力される第1出力端子とを備える。また、回転検出装置の信号処理回路は、回転体の逆転を示す方向判定信号が回転方向判定部から出力されているとき、第1波形整形部から取り込んだ第1パルス信号を第2出力端子にそのまま出力する一方、回転体の正転を示す方向判定信号が回転方向判定部から出力されているとき、第1波形整形部から取り込んだ第1パルス信号に替えて一定信号を第2出力端子に出力する出力判定回路をさらに備える。これにより、回転体の回転方向が正転である場合、第1波形整形部から第1パルス信号が第1出力端子に出力されるとともに、出力判定回路から一定信号が第2出力端子に出力されることになる。一方、回転体の回転方向が逆転である場合、第1波形整形部から第1パルス信号が第1出力端子及び第2出力端子にそれぞれ出力されることになる。このように、第1出力端子及び第2出力端子に出力される信号の種類の組み合わせによって、回転体の回転方向を含む回転情報が生成され、当該回転検出装置外にそうした回転情報が出力されるようになる。
ところで、この文献に記載の技術では、第1及び第2磁気センサと第1及び第2波形整形回路との間を伝達する回転信号に重畳するノイズに対しては何ら対策が採られていない。そのため、第1及び第2磁気センサから第1及び第2波形整形回路へ第1及び第2回転信号が伝達する際に、これら第1及び第2回転信号にノイズが重畳するようなことがあると、回転方向判定回路は、そうしたノイズが重畳した第1及び第2回転信号が整形された第1及び第2パルス信号に基づき、回転体の回転方向を判定することになる。したがって、これら回転信号に重畳するノイズに起因して、回転体の回転方向の判定に係る判定精度が低下してしまうおそれがある。
そこで、例えば第1及び第2波形整形回路と回転方向判定回路との間に、例えば特許文献2に記載のノイズ除去回路をそれぞれ介在させることが考えられる。ちなみに、この特許文献2に記載のノイズ除去回路は、デジタル入力信号(ここでは、第1及び第2波形整形回路から出力される第1及び第2パルス信号)を所定時間だけ順次遅延する8つのD型フリップフロップと、これら8つのD型フリップフロップの出力信号の論理積に相当する出力信号を出力するAND回路と、これら8つのD型フリップフロップの出力信号の否定論理和に相当する出力信号を出力するNOR回路と、AND回路の出力端子及びNOR回路の出力端子がそれぞれリセット端子及びセット端子に接続されたSRフリップフロップとを備える。これにより、第1及び第2回転信号に重畳したノイズが、回転方向判定回路にて行われる回転体の回転方向に係る判定精度に与える影響を低減することができるようになる。
特開2006−234504号公報 特開2000−134070号公報
しかしながら、上述した特許文献1及び2に記載の技術を組み合わせると、次のような課題が生じることがある。
詳しくは、上記特許文献2に記載のノイズ除去回路では、D型フリップフロップ(遅延器)を用いているため、ノイズ除去回路を介してノイズが除去された回転信号の位相は、第1及び第2波形整形回路から出力される回転信号の位相に所定時間だけ遅延することになる。なお、この所定時間は、遅延器の遅延時間によって予め定められる。
ここで、第1波形整形回路から出力される第1パルス信号が論理Hに対応する信号レベルから論理Lに対応する信号レベルに変化した時点を起算点として上記所定時間が経過する前に、第1回転信号に重畳されたノイズの影響が表れ、第1パルス信号の信号レベルが論理Hに対応する信号レベルになったとする。またこのとき、第2回転信号にもそうしたノイズが重畳されたものの、第2パルス信号にはそうしたノイズの影響が表れなかったものとする。なお、こうした状況は特別な状況において生じるものではなく、第1及び第2回転信号を波形整形するために第1及び第2波形整形回路に設定された所定の閾値を用いて、本来アナログ信号である第1及び第2回転信号を第1及び第2パルス信号にそれぞれ整形するため、一方のパルス信号にのみノイズの影響が表れることは一般的に起こり得る。
こうした状況にあっては、第1波形整形回路の後段に接続されたノイズ除去回路を介してノイズが除去された第1フィルタ信号の位相は、第2波形整形回路の孔k段に接続されたノイズ除去回路を介してノイズが除去された第2フィルタ信号の位相よりも長期間遅延されることになるため、論理レベルの変化の順序が逆になってしまう。こうした第1及び第2フィルタ信号の位相関係に基づき回転体の回転方向を判定するため、論理レベルの変化の順序が逆になると、回転体の回転方向を誤判定してしまうことにもなりかねない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、検出対象の回転に伴って回転する回転体の回転方向を含む正確な回転情報を生成出力することのできる回転検出装置の信号処理回路を提供することにある。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、検出対象の回転に伴って回転する回転体の回転に応じた第1及び第2回転信号を各々異なる位相にて出力する第1及び第2センサ素子と、前記第1及び第2センサ素子からそれぞれ出力される前記第1及び第2回転信号を第1及び第2パルス信号にそれぞれ整形する第1及び第2波形整形手段と、前記第1及び第2パルス信号の各パルス信号の信号レベルに変化が無い期間が所定期間続くとき、前記所定期間経過時から、変化の無い期間内の信号レベルと同一の信号レベルにて第1及び第2フィルタ信号を出力するものであって、前記各パルス信号の信号レベルの変化が前記所定期間内にあった場合には、最後の変化の発生時から前記所定期間が経過するまで、変化前の信号レベルを保持する第1及び第2論理保持期間を前記第1及び第2フィルタ信号にそれぞれ設ける第1及び第2フィルタ手段と、前記第1及び第2フィルタ手段にて設けられる前記第1及び第2論理保持期間につき、ノイズの影響を受けたことに起因して、前記第1及び第2フィルタ信号のうちの先行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間が、後行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間よりも長い旨を判定する位相差補償判定手段と、前記位相差補償判定手段を通じて前記旨が判定されるとき、その判定時直前の前記第1及び第2フィルタ信号間の位相関係と同一の位相関係となるように、前記後行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間を、前記先行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間よりも、強制的に延長した上で、第1及び第2フィルタ信号を第1及び第2位相補償出力信号として出力する一方、前記位相差補償判定手段を通じて前記旨が判定されないとき、第1及び第2フィルタ信号をそのまま第1及び第2位相差補償出力信号として出力する位相差補償実行手段と、前記第1及び第2位相差補償出力信号の位相関係に基づいて、前記回転体の回転方向が第1方向であるか、または、この第1方向とは逆方向である第2方向であるかを繰り返し判定する回転方向判定手段と、前記回転体の回転方向に係る判定結果を含めた回転情報を出力信号として生成出力する出力手段とを備えることとした。
回転検出装置の信号処理回路としての上記構成では、背景技術の欄に記載した従来技術と同様に、第1及び第2波形整形手段と回転判定部との間に、第1及び第2フィルタ手段を備えている。これら第1及び第2フィルタ手段は、背景技術の欄に記載した従来技術のノイズ除去回路に相当しており、これら第1及び第2フィルタ手段が第1及び第2波形整形手段と回転方向判定手段との間に介在することで、第1及び第2センサ素子からそれぞれ出力される第1及び第2回転信号にノイズが重畳されても、回転方向判定手段にて行われる回転体の回転方向に係る判定精度に与える影響は低減されてはいる。そのため、課題の欄に記載したように、第1及び第2回転信号の双方にノイズが重畳するものの、第1及び第2パルス信号のいずれか一方にのみ、ノイズの影響が表れることがあると、回転方向判定手段は、回転体の回転方向、ひいては検出対象の回転方向を誤判定してしまい、出力部は、この誤った回転体の回転方向を含む回転情報を生成出力してしまうように思われる。
しかしながら、回転検出装置の信号処理回路としての上記構成では、まず、位相差補償手段は、第1及び第2フィルタ手段にて設けられる第1及び第2論理保持期間につき、ノイズの影響を受けたことに起因して、第1及び第2フィルタ信号のうちの先行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間が、後行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間よりも長いか否かを判定する。この旨判定されるとき、位相差補償実行手段を通じて、その判定時直前の第1及び第2フィルタ信号間の位相関係と同一の位相関係となるように、後行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間を、先行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間よりも、強制的に延長した上で、第1及び第2フィルタ信号を第1及び第2位相補償出力信号として出力する。一方、この旨判定されないとき、位相差補償実行手段を通じて、第1及び第2フィルタ信号をそのまま第1及び第2位相差補償出力信号として出力する。
このように、回転方向判定手段を通じて、強制的に位相差補償された第1及び第2位相差補償出力信号の位相関係に基づいて、回転体の回転方向が判定されるようになるため、検出対象の回転に伴って回転する回転体の回転方向を含む正確な回転情報を生成出力することが可能となる。
また、上記請求項1に記載の構成において、例えば請求項2の発明のように、前記位相差補償実行手段は、前記位相差補償判定手段を通じて前記旨が判定されるとき、前記後行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の長さを延長して、前記先行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の長さと同一にした上で、第1及び第2フィルタ信号を第1及び第2位相補償出力信号として出力することとしてもよい。これによっても、上記請求項1に記載の構成に準じた効果を得ることができるようになる。
なお、上記請求項1または2に記載の構成において、例えば請求項3に記載の発明のように、前記位相差補償実行手段は、前記位相差補償判定手段を通じて前記旨が判定されるとき、前記後行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の終期が、前記先行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の終期よりも遅れるように、前記後行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の長さを延長した上で、第1及び第2フィルタ信号を第1及び第2位相補償出力信号として出力することが望ましい。
一方、上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明では、検出対象の回転に伴って回転する回転体の回転に応じた第1及び第2回転信号を各々異なる位相にて出力する第1及び第2センサ素子と、前記第1及び第2センサ素子からそれぞれ出力される前記第1及び第2回転信号を第1及び第2パルス信号にそれぞれ整形する第1及び第2波形整形手段と、前記第1及び第2パルス信号の各パルス信号の信号レベルに変化が無い期間が所定期間続くとき、前記所定期間経過時から、変化の無い期間内の信号レベルと同一の信号レベルにて第1及び第2フィルタ信号を出力するものであって、前記各パルス信号の信号レベルの変化が前記所定期間内にあった場合には、最後の変化の発生時から前記所定期間が経過するまで、変化前の信号レベルを保持する第1及び第2論理保持期間を前記第1及び第2フィルタ信号にそれぞれ設ける第1及び第2フィルタ手段と、前記第1及び第2フィルタ手段にて設けられる前記第1及び第2論理保持期間につき、ノイズの影響を受けたことに起因して、前記第1及び第2フィルタ信号のうちの先行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の終期が、後行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の終期よりも遅れる旨を判定する位相差補償判定手段と、前記位相差補償判定手段を通じて前記旨が判定されるとき、その判定時直前の前記第1及び第2フィルタ信号間の位相関係と同一の位相関係となるように、前記後行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の終期を、前記先行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の終期よりも、強制的に遅らせた上で、第1及び第2フィルタ信号を第1及び第2位相補償出力信号として出力する一方、前記判定手段を通じて前記旨が判定されないとき、第1及び第2フィルタ信号をそのまま第1及び第2位相差補償出力信号として出力する位相差補償実行手段と、前記第1及び第2位相差補償出力信号の位相関係に基づいて、前記回転体の回転方向が第1方向であるか、または、この第1方向とは逆方向である第2方向であるかを繰り返し判定する回転方向判定手段と、前記回転体の回転方向に係る判定結果を含めた回転情報を出力信号として生成出力する出力手段とを備えることとした。これにより、上記請求項1に記載の構成に準じた作用が得られ、検出対象の回転に伴って回転する回転体の回転方向を含むより正確な回転情報を生成出力することができるようになる。
ところで、上記請求項1〜4のいずれかに記載の構成において、例えば請求項5に記載の発明のように、前記出力手段は、前記回転体の回転方向が前記第1の方向であるとの前記回転方向判定手段の判定結果であるときと、前記回転体の回転方向が前記第2の方向であるとの前記回転方向判定手段の判定結果であるときとで、パルス高さが異なる第3パルス信号を前記出力信号として生成出力することとしてもよい。あるいは、例えば請求項6に記載の発明のように、前記出力手段は、前記回転体の回転方向が前記第1の方向であるとの前記回転方向判定手段の判定結果であるとき第1の信号レベルに維持されるとともに、前記回転体の回転方向が前記第2の方向であるとの前記回転方向判定手段の判定結果であるとき前記第1の信号レベルとは異なる第2の信号レベルに維持される方向判定信号を前記出力信号として生成出力することとしてもよい。
ちなみに、回転検出装置の信号処理回路としての上記請求項5に記載の構成では、回転体の回転方向についての情報が第3パルス信号のパルス高さに含められる。そのため、回転体の回転方向を含む回転情報を単一の出力端子を介して回転検出装置外へ伝達することができるようになる。また、回転検出装置の信号処理回路としての上記請求項6に記載の構成では、回転体の回転方向を含む回転情報を各別の出力端子を介して回転検出装置外へ伝達することができるようになる。
なお、請求項1〜6のいずれかに記載の構成において、例えば請求項7に記載の発明のように、前記複数のセンサ素子は、磁気抵抗素子から構成されていることとしてもよい。これにより、磁気抵抗素子という一般的なセンサ素子を採用して、すなわち、特別なセンサ素子を採用しなくとも、上記各種効果を奏する回転検出装置の信号処理回路を実現することができる。
また、請求項1〜7のいずれかに記載の構成において、例えば請求項8に記載の発明のように、前記検出対象を、車載エンジンのカムシャフトとし、前記回転体を、前記カムシャフトにギアを介して接続されて前記カムシャフトの回転に伴って回転することとしてもよい。あるいは、例えば請求項9に記載の発明のように、前記検出対象を、車載エンジンのクランクシャフトとし、前記回転体を、クランクロータであることとしてもよい。
以下、本発明に係る回転検出装置の信号処理回路の一実施の形態について、図1〜図10を参照しつつ説明する。図1は、本実施の形態の全体構成を示すブロック図である。はじめに、この図1を参照して、本実施の形態の回転検出装置の信号処理回路(以下、単に信号処理回路とも記載する)の構成について説明する。
本実施の形態は、例えば車載エンジンのクランクシャフト(図示略)をその検出対象としており、実際には、このクランクシャフトの回転に伴って回転するクランクロータ1の回転方向を含む回転情報を生成し出力端子に出力している。そして、後段に接続される図示しない適宜の処理回路やECU等を通じて、このクランクロータ1の回転情報に基づいて、クランクシャフトの回転情報(例えばクランクシャフトの回転角度や、単位時間当たりの回転数並びに回転方向等)が取得される。なお、クランクロータ1は、例えば磁性体により構成され、クランクロータ1の外周部には、山部1a及び谷部1bが所定のピッチにて交互に形成されている。
図1に示すように、信号処理回路2は、基本的に、第1及び第2磁気センサ(センサ素子)3a及び3b、第1及び第2波形整形部4a及び4b、第1及び第2フィルタ部(フィルタ手段)を含む位相差補償部5、回転方向判定部(回転方向判定手段)6、出力部(出力手段)7等々を有する。
このうち、第1及び第2磁気センサ3a及び3bは、例えば磁気抵抗素子(MRE)を用いて構成され、既述したように、クランクロータ1の外周部と対向するように配置されている。また。これら第1及び第2磁気センサ3a及び3bの間は、山部1aのピッチの整数倍の距離に例えば「1/4」ピッチ分の距離を加算あるいは減算した距離に設定されている。そして、第1及び第2磁気センサ3a及び3bはそれぞれ、クランクロータ1の回転角度に応じた回転信号を、具体的には、クランクロータ1外周部の山部1aが対向している状態にあっては例えば「5.0[V]」の回転信号を、クランクロータ1の谷部1bが対向している状態にあっては例えば「0.0[V]」の回転信号を、後段に接続された第1及び第2波形整形部4a及び4bにそれぞれ出力する。
第1及び第2波形整形部4a及び4bは、第1及び第2磁気センサ3a及び3bからそれぞれ取り込んだ第1及び第2回転信号を第1及び第2パルス信号にそれぞれ波形整形し、例えば「1/4」の位相差をもった第1及び第2パルス信号PHA及びPHBとして出力する(例えば後述の図4(a)及び(b)参照)。なお、図1に示すように、第1及び第2波形整形部4a及び4bの出力端子は、位相差補償部5の入力端子にそれぞれ接続されている。
位相差補償部5は、第1及び第2フィルタ部50a及び50bを有しており、これら第1及び第2フィルタ部50a及び50bから出力される第1及び第2フィルタ出力信号の位相差を補償した上で、第1及び第2位相差補償出力信号PHA_R及びPHB_Rとして、後段に接続された回転方向判定部6へ出力している。なお、第1及び第2フィルタ部50a及び50bは同一の構造を有するため、説明の便宜上、第1フィルタ部50aについて主に説明し、第2フィルタ部5bについての詳細な説明を割愛する。そうした第1フィルタ部50aの回路構成の一例を図2に示す。この図2に示されるように、第1フィルタ部50aは、基本的に、第1パルス信号PHAを一定時間だけ順次遅延させる遅延器501a〜501fと、これら各遅延器501a〜501fの出力値の論理積をとるAND回路502a〜502c、同じく各遅延器501a〜501fの反転出力値の論理積をとるAND回路503a〜503c、AND回路502cの出力値がD端子に入力されるとともにAND回路502cの出力値とAND回路53cの出力値との論理和をとるOR回路504bの出力値がEN端子にそれぞれ入力されるフリップフロップ504a等々を有している。ちなみに、このフリップフロップ504aは、入力端子ENに論理Hに対応する信号レベルの信号が入力端子ENに入力されるとき、入力端子Dに入力された信号と同一の信号レベルを有する信号を出力端子Qから出力し、論理Lに対応する信号レベルの信号が入力端子ENに入力されるとき、入力端子Dに入力された信号の信号レベルを保持してこれを出力端子Qから出力する。このように構成されるため、第1フィルタ部50aは、第1パルス信号PHAの信号レベルに変化が無い期間が所定期間(本実施の形態では、上記一定期間の6倍の期間)続くとき、その所定期間経過時から、変化の無い期間内の信号レベルと同一の信号レベルにて第1フィルタ信号PHA_SORを出力する。また、第1パルス信号PHAの信号レベルの変化が所定期間T内にあった場合は、最後の変化の発生時から所定期間Tが経過するまで、変化前の信号レベルと同一の信号レベルにて第1フィルタ信号PHA_SORを出力するようになる。すなわち、論理保持期間が設けられるようになる。
具体的には、第1フィルタ部50aの動作例をタイミングチャートにて図3に示す。例えば図3(a)に示すような波形を有する第1パルス信号PHAが、第1波形整形部4aから位相差補償部5(正確には第1フィルタ部50a)に入力されたとする。詳しくは、論理Hに対応する信号レベルであった第1パルス信号PHAが例えば時刻t301において論理Lに対応する信号レベルに変化したとする。このとき、通常、第1フィルタ信号PHA_SORは、図3(b)に示すように、上記時刻t301から上記所定時間Tだけ遅れた時刻t303にて論理Hに対応する信号レベルから論理Lに対応する信号レベルに変化することになる。一方、例えば図3(a)に示すように、第1パルス信号PHAが論理Hに対応する信号レベルから論理Lに対応する信号レベルに立ち下がった時刻t301から上記所定時間Tが経過する前の例えば時刻t302と、該時刻t302から上記所定時間Tが経過する前の例えば時刻t304に、上記第1回転信号にノイズが重畳されるとともに第1パルス信号PHAにそのノイズの影響が表れたとする。このとき、図3(c)に示すように、第1フィルタ信号PHA_SORは、第1パルス信号PHAにノイズの影響が表れた時刻t304から上記所定時間Tが経過した時刻t305において、論理Hに対応する信号レベルから論理Lに対応する信号レベルに立ち下がることとなる。このように、第1回転信号に重畳されたノイズの影響が第1パルス信号PHAに表れない場合にあっては、第1パルス信号PHAの信号レベルが保持された第1論理保持期間は、時刻t301から時刻t303であるのに対し、第1回転信号に重畳されたノイズの影響が第1パルス信号PHAに表れる場合にあっては、第1パルス信号PHAの信号レベルが保持された第1論理保持期間は、時刻t301から時刻t305となり、この第1論理保持期間は延長されることになる。
また、図1に示すように、回転方向判定部6は、主に、図示しないDタイプのフリップフロップを多数有する回路あるいはマイクロコンピュータ等によって構成されている。回転方向判定部6の入力端子は、位相差補償部5の出力端子に接続されており、第1及び第2位相差補償出力信号PHA_R及びPHB_Rを取り込んでいる。そして、回転方向判定部6は、例えば第1位相差補償出力信号PHA_Rが第2位相差補償出力信号PHB_Rに先行している、あるいは、第2位相差補償出力信号PHB_Rが第1位相差補償出力信号PHA_Rに先行している等、第1及び第2位相差補償出力信号PHA_R及びPHB_Rの位相関係に基づいて、クランクロータ1の回転方向が「正転」であるか、あるいは、この正転とは逆方向である「逆転」であるかを繰り返し判定する。なお、本実施の形態では、回転方向判定部6の「正転」及び「逆転」を、図1中において例えば時計回り及び反時計回りとしている。そして、回転方向判定部6の出力端子は、出力部7の入力端子に接続されており、回転方向に係る判定結果に対応する信号Dを出力部7の入力端子に出力している。なお、クランクロータ1の回転方向に係る具体的な判定方法については、図8を参照して後述する。
出力部7は、図1に示すように、例えばマイクロコンピュータ等によって構成されている。出力部7の入力端子は、回転方向判定部6の出力端子に接続されており、クランクロータ1の回転方向に係る判定結果に対応する信号D並びに第1及び第2位相差補償出力信号PHA_R及びPHB_Rをそれぞれ取り込んでいる。そして出力部7の出力端子は、信号処理回路2の出力端子に接続されており、出力部7は、第3パルス信号PHCを出力端子に出力している。なお、出力部7が生成出力する第3パルス信号PHCについては図9を参照しつつ後述する。
また、図1に示すように、信号処理回路2を構成する各部は、給電端子並びに接地端子に接続されている。信号処理回路2を構成する各部は給電端子に接続されているとともに、この給電端子には信号処理回路2外に設けられた図示しないバッテリーなどの外部電源の端子が接続されている。そして、これら各部に外部電源から給電されている。
ところで、例えば第1及び第2回転信号の双方に同時にノイズが重畳し、第1及び第2パルス信号PHA及びPHBの双方にノイズの影響が表れた場合にあっては、上述の第1及び第2フィルタ部50a及び50bを用いることで、後述の回転方向判定部6にて実行されるクランクロータ1の回転方向の判定にノイズが与える影響は低減されるようになる。しかしながら、例えば第1及び第2回転信号の双方に同時にノイズが重畳するものの、第1及び第2パルス信号PHA及びPHBのいずれか一方にのみ、ノイズの影響が表れる場合には、次のような事態が生じることもある。
詳しくは、図4に、第1及び第2フィルタ部50a及び50bの他の動作例をタイミングチャートにて示す。第1パルス信号PHAは、図4(a)に示すように、例えば時刻t401において論理Lに対応する信号レベルから論理Hに対応する信号レベルに立ち上がり、時刻t411において論理Hに対応する信号レベルから論理Lに対応する信号レベルに立ち下がったとする。また、第2パルス信号PHBは、図4(b)に示すように、例えば時刻t402において論理Lに対応する信号レベルから論理Hに対応する信号レベルに立ち上がり、時刻t412において論理Hに対応する信号レベルから論理Lに対応する信号レベルに立ち下がったとする。このとき、図4(c)に示すように、第1フィルタ信号PHA_SORは、上記時刻t401から上記所定時間Tだけ経過した例えば時刻t403において論理Lに対応する信号レベルから論理Hに対応する信号レベルに立ち上がる一方、図4(d)に示すように、第2フィルタ信号PHB_SORは、上記時刻t402から上記所定時間Tだけ経過した例えば時刻t404において論理Lに対応する信号レベルから論理Hに対応する信号レベルに立ち上がる。ここでは、第1及び第2フィルタ信号PHA_SOR及びPHB_SOR間の位相関係は、第1及び第2パルス信号PHA及びPHB間の位相関係と同一の位相関係となっている。換言すれば、第1パルス信号PHAが第2パルス信号PHBに先行しているのと同様、第1フィルタ信号PHA_SORも第2フィルタ信号PHB_SORに先行しており、これらの位相関係が保たれている。
しかしながら、図4(a)及び(b)に示すように、上記時刻t411から上記所定時間Tが経過する前の例えば時刻t413において、先の第1及び第2回転信号の双方に同様にノイズが重畳し、この重畳したノイズの影響が第1パルス信号PHAにのみ表れるようなことがあると、図4(c)及び(d)に示すように、第1フィルタ信号PHA_SORは先の時刻t413から上記所定時間Tが経過した例えば時刻t416において論理Hに対応する信号レベルから論理Lに対応する信号レベルに立ち下がる一方、第2フィルタ信号PHB_SORはそうした時刻t416よりも前の時刻t415において論理Hに対応する信号レベルから論理Lに対応する信号レベルに立ち下がる。このため、第1及び第2フィルタ信号PHA_SOR及びPHB_SORの位相関係は、第1及び第2パルス信号PHA及びPHBの位相関係とは異なる、逆の位相関係になってしまう。
このように、第1及び第2フィルタ部50a及び50bを用いることにより、第1及び第2回転信号に重畳するノイズがクランクロータ1の回転方向に係る判定結果に与える影響を低減することができず、クランクロータ1の回転方向を誤判定してしまうことも生じうる。
そこで、本実施の形態では、位相差補償部5は、図5に示すように、上記第1及び第2フィルタ部50a及び50bに加え、所定の位相差補償実行条件が成立するか否かを判定するとともに、この位相差補償条件が成立するとき、第1及び第2フィルタ出力信号PHA_SOR及びPHB_SORの位相差を補償する位相差補償実体部(位相差補償判定手段、位相差補償実行手段)51を備えることとした。
以下、上記第1及び第2フィルタ部50a及び50bも含め、位相差補償実体部51について図5を参照しつつ説明する。なお、位相差補償実体部51は、基本的には、遅延器、フリップフロップ、AND回路、OR回路、EX−OR回路等々が多数組み合わされて構成される回路であるが、ここでは、説明の便宜上、ブロック図として表すとともに、機能的に説明する。
図5に示されるように、位相差補償実体部51の入力端子は、第1及び第2波形整形部4a及び4b(図5では図示略)の出力端子に接続されているとともに、第1及び第2フィルタ部50a及び50bの出力端子に接続されており、第1及び第2パルス信号PHA及びPHB並びに第1及び第2フィルタ信号PHA_SOR及びPHB_SORがそれぞれ入力されている。そして、位相差補償実体部51は、これら第1及び第2パルス信号PHA及びPHB並びに第1及び第2フィルタ信号PHA_SOR及びPHB_SORに基づいて、所定の位相差補償実行条件が成立するか否かに係る位相差補償判断処理を実行する。また、位相差補償実体部51は、第1及び第2パルス信号PHA及びPHB、第1及び第2フィルタ信号PHA_SOR及びPHB_SOR並びに位相差補償判断処理の判断結果に基づいて、位相差補償実行処理を実行する。そして位相差補償実体部51は、位相差補償処理が実行された第1及び第2位相差補償出力信号PHA_R及びPHB_Rを出力する。
ここで、位相差補償条件について説明する。先の図4に示したように、また、既述したように、例えば上記第1及び第2回転信号の双方に同時にノイズが重畳し、この重畳したノイズの影響が第1パルス信号PHAにのみ表れる状況においては、第1パルス信号PHAの論理保持期間である第1論理保持期間(図4の動作例では時刻t411〜時刻416)及び第2パルス信号PHBの論理保持期間である第2論理保持期間(図4の動作例では時刻t412〜時刻t415)の長さが互いに異なり、且つ、論理保持期間が短い第2パルス信号PHBの論理Hに対応する信号レベルから論理Lに対応する信号レベルへの変化(図4の動作例では時刻t412において発生)が、論理保持期間が長い第1パルス信号PHAの論理保持期間内で生じている。換言すれば、第1及び第2フィルタ部50a及び50bにて設けられる第1及び第2論理保持期間につき、ノイズの影響を受けたことに起因して、第1及び第2フィルタ信号PHA_SOR及びPHB_SORのうちの先行するフィルタ信号(この場合、第1フィルタ信号PHA_SOR)に設けられた論理保持期間の終期(この場合、時刻t416)が、後行するフィルタ信号(この場合、第2フィルタ信号PHB_SOR)に設けられた論理保持期間の終期(この場合、時刻t415)よりも遅れている。そのため、上記状況が発生する条件、すなわち、位相差の補償を実行すべき条件として、本実施の形態では、「第1パルス信号PHAの論理保持期間及び第2パルス信号PHBの論理保持期間の長さが異なり、且つ、短い方のパルス信号の信号レベルの変化が長い方の論理保持期間内で生じること」を採用している。
次に、上記位相差補償処理について説明する。先の図4に示したように、また、既述したように、上記第1及び第2回転信号の双方に同時にノイズが重畳し、この重畳したノイズの影響が第1パルス信号PHAにのみ表れる状況においては、第1及び第2フィルタ信号PHA_SOR及びPHB_SORの位相関係(図4中、時刻t412〜時刻416においては、第2フィルタ信号PHB_SORが第1フィルタ信号PHA_SORに先行している)は、第1及び第2パルス信号PHA及びPHBの位相関係(図4中、時刻t411〜時刻t413においては、第1フィルタ信号PHA_SORが第2フィルタ信号PHB_SORに先行する)とは異なる、逆の位相関係になってしまっている。
しかしながら、上記位相差補償条件の成立時(図4では、時刻t416)の直前においては、第1及び第2フィルタ信号PHA_SOR及びPHB_SORの位相関係(図4中、時刻t403〜時刻404においては、第1フィルタ信号PHA_SORが第2フィルタ信号PHB_SORに先行している)は、第1及び第2パルス信号PHA及びPHBの位相関係(図4中、時刻t401〜時刻t402においては、第1フィルタ信号PHA_SORが第2フィルタ信号PHB_SORに先行する)と同一の位相関係となっている。そのため、本実施の形態では、位相差補償実体部51は、第1及び第2論理保持期間のうち長い方の論理保持期間終了時に、「位相差補償条件の成立時直前の第1及び第2位相差補償出力信号PHA_R及びPHB_R間の位相関係と同一の位相関係となるように、第1及び第2位相差補償出力信号PHA_R及びPHB間の位相関係を強制的に位相補償する」こととしている。換言すれば、位相差補償実体部51は、位相差補償判定時直前の第1及び第2フィルタ信号PHA_SOR及びPHB_SOR間の位相関係と同一の位相関係となるように、後行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の終期を、先行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の終期よりも、強制的に遅らせた上で、第1及び第2フィルタ信号を第1及び第2位相補償出力信号として出力する。
以上のようにして構成された信号処理回路2の各部の動作について、図6〜図9を併せ参照して信号処理回路2の各部の動作についてさらに詳述する。なお、図6は、本実施の形態の信号処理回路によって実行される処理手順を示すフローチャートである。また、図7は、本実施の形態を構成する位相差補償部によって実行される位相差補償処理の処理手順を示すフローチャートであり、図8は、本実施の形態を構成する回転方向判定部によって実行される回転方向判定処理の処理手順を示すフローチャートであり、図9は、本実施の形態を構成する出力部によって実行される出力信号生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
はじめに、図6に示すように、外部電源から給電端子を介して信号処理回路2の各部に電源が供給されると、位相差補償部5は、ステップS50の処理として、図7を参照しつつ後述する位相差補償処理を実行する。この位相差補償処理が実行されると、回転方向判定部6は、続くステップS60の処理として、図8を参照しつつ後述する回転方向判定処理を実行する。この回転方向判定処理が実行されると、出力部7は、続くステップS70の処理として、図9を参照しつつ後述する出力信号生成処理を実行する。なお、処理回路2は、ステップS50〜S70の一連の処理を繰り返し実行する。
位相差補償部5(正確には、位相差補償実体部51)は、図7に示すように、ステップS51の判断処理として、第1及び第2論理保持期間の長さが互いに異なるか否かを判断する。詳しくは、位相差補償実体部51は、第1パルス信号PHA及び第1フィルタ信号PHA_SORに基づき第1論理保持期間を算出するとともに、第2パルス信号PHB及び第2フィルタ信号PHB_SORに基づき第2論理保持期間を算出する。そして、位相差補償実体部51は、算出した第1及び第2論理保持期間の長さが互いに異なるか否かについて判断する。
ステップS51の判断処理において「YES」と判断されると、位相差補償実体部51は、さらに、ステップS52の判断処理として、短い方のパルス信号の信号レベルの変化が長い方の論理保持期間内に生じるか否かを判断する。詳しくは、位相差補償実体部51は、先のステップS51の判断処理において、例えば第1論理保持期間の方が第2論理保持期間よりも長いと判断すると、続くステップS52の判断処理として、第2パルス信号PHBの信号レベルの変化が第1論理保持期間内に生じたか否かを判断する。あるいは、位相差補償実体部51は、先のステップS51の判断処理において、例えば第2論理保持期間の方が第1論理保持期間よりも長いと判断すると、続くステップS52の判断処理として、第1パルス信号PHAの信号レベルの変化が第2論理保持期間内に生じたか否かを判断する。
そして、ステップS52の判断処理において「YES」と判断されると、位相差補償実体部51は、続くステップS53の処理として、位相差補償を実行する。詳しくは、位相差補償実体部51は、先のステップS51及びS52の各判断処理を通じて、第1論理保持期間の方が第2論理保持期間よりも長く、且つ、第2パルス信号PHBの信号レベルの変化が第1論理保持期間内に生じていると判断すると、第1論理保持期間終了時に、第1位相差補償出力信号PHA_Rが第2位相差補償出力信号PHB_Rよりも先行するように強制的に位相差を補償する。より具体的には、位相差補償実体部51は、上記所定期間Tの例えば「1/3」に相当する期間が第1論理保持期間終了時から経過するまで、第2論理保持期間を延長することにより、強制的に位相差を補償する。あるいは、位相差補償実体部51は、先のステップS51及びS52の各判断処理を通じて、第2論理保持期間の方が第1論理保持期間よりも長く、且つ、第1パルス信号PHAの信号レベルの変化が第2論理保持期間内に生じていると判断すると、第2論理保持期間終了時に、第2位相差補償出力信号PHB_Rが第1位相差補償出力信号PHA_Rよりも先行するように強制的に位相差を補償する。より具体的には、位相差補償実体部51は、上記所定期間Tの例えば「1/3」に相当する期間が第2論理保持期間終了時から経過するまで、第1論理保持期間を延長することにより、強制的に位相差を補償する。
一方、先のステップS51の判断処理において「NO」と判断される、あるいは、先のステップS52の判断処理において「NO」と判断されると、位相差補償実体部51は、第1及び第2フィルタ信号PHA_SOR及びPHB_SORを、第1及び第2位相差補償出力信号PHA_R及びPHB_Rとして、後段に接続された回転方向判定部6にそのまま出力する。
このように、位相差補償部5による位相差補償処理を終えると、回転方向判定部6は、図8に示す回転方向判定処理を実行する。詳しくは、回転方向判定部6は、まず、ステップS61の判断処理として、第1フィルタ出力信号PHA_Rが第2フィルタ出力信号PHB_Rに先行しているか否かを判定する。具体的には、回転方向判定部6は、第1位相差補償出力信号PHA_Rに例えば立ち上がりのエッジを検出するとき、第2位相差補償出力信号PHB_Rの信号レベルが論理Hに対応する信号レベルに一致するか、あるいは論理Lに対応する信号レベルに一致するかについて判断する。
そして、回転方向判定部6は、第1位相差補償出力信号PHA_Rの立ち上がりエッジの検出時、第2位相差補償出力信号PHB_Rが論理Hに対応する信号レベルに一致するとき、第1位相差補償出力信号PHA_Rが第2位相差補償出力信号PHB_Rに先行しているため、先のステップS61の判断処理において「YES」と判断する一方、第2位相差補償出力信号PHB_Rが論理Lに対応する信号レベルに一致するとき、第2位相差補償出力信号PHB_Rが第1位相差補償出力信号PHA_Rに先行しているため、先のステップS61の判断処理において「NO」と判断する。
先のステップS61において「YES」と判断されると、回転方向判定部6は、続くステップS62の処理として、「クランクロータ1の回転方向は正転である」旨を判定するとともに、続くステップS63の処理として、論理Hに対応する信号レベルにて信号Dを出力部7に出力する。一方、先のステップS61において「NO」と判断されると、回転方向判定部6は、続くステップS64の処理として、「クランクロータ1の回転方向は逆転である」旨を判定するとともに、続くステップS65の処理として、論理Lに対応する信号レベルにて信号Dを出力部7に出力する。
このように、回転方向判定部6による回転方向判定処理を終えると、出力部7は出力信号生成処理を実行する。図9に示すように、出力部7は、まず、ステップS71の判断処理として、回転方向判定部6から出力される信号Dの信号レベルが論理Hに対応する信号レベルであるか否かを判断する。
ここで、信号Dの信号レベルが論理Hに対応する信号レベルであるとき(ステップS71の判断処理において「YES」)、クランクロータ1の回転方向は正転であることを意味するため、続くステップS72の処理として、信号レベル帯を例えば「0.0〜5.0[V]」に設定する。一方、信号Dの信号レベルが論理Lに対応する信号レベルであるとき(ステップS71の判断処理で「NO」)、クランクロータ1の回転方向は逆転であることを意味するため、続くステップS73の処理として、信号レベル帯を例えば「2.5〜5.0V」に設定する。
こうしてステップS72あるいはS73の処理を終えると、出力部7は、続くステップS74の処理として、先のステップS71〜S73の一連の処理を通じて設定された信号レベル帯にて、第1位相差補償出力PHA_Rを出力端子に生成出力する。
以上説明した信号処理回路2の動作例について、図10を参照しつつさらに説明する。なお、図10は、先の図4に示した動作例と同一の状況下における動作例を示している。
図10(a)に示すように、第1パルス信号PHAは、例えば時刻t1001において論理Lに対応する信号レベルから論理Hに対応する信号レベルに立ち上がり、時刻t1011において論理Hに対応する信号レベルから論理Lに対応する信号レベルに立ち下がったものとする。また、第2パルス信号PHBは、図4(b)に示すように、例えば時刻t1002において論理Lに対応する信号レベルから論理Hに対応する信号レベルに立ち上がり、時刻t1012において論理Hに対応する信号レベルから論理Lに対応する信号レベルに立ち下がったものとする。このとき、位相差補償実体部51は、これら第1及び第2パルス信号PHA及びPHB並びに第1及び第2フィルタ信号PHA_SOR及びPHB_SOR(図10では図示略)に基づき、第1及び第2論理保持期間の長さが異なるか否かを判断する(ステップS51の判断処理(図7参照))し、これら第1及び第2論理保持期間は上記所定期間Tと一致するため、位相差補償実体部51は、図10(c)及び(d)に示すように、第1及び第2フィルタ信号PHA_SOR及びPHB_SORを、第1及び第2位相差補償出力信号PHA_R及びPHB_Rとしてそのまま出力する。すなわち、図10(c)に示すように、第1位相差補償出力信号PHA_Rは、上記時刻t1001から上記所定時間Tだけ経過した例えば時刻t1003において論理Lに対応する信号レベルから論理Hに対応する信号レベルに立ち上がっており、図4(d)に示すように、第2フィルタ信号PHB_SORは、上記時刻t1002から上記所定時間Tだけ経過した例えば時刻t1004において論理Lに対応する信号レベルから論理Hに対応する信号レベルに立ち上がっている。ここでは、第1及び第2位相差補償出力信号PHA_R及びPHB_R間の位相関係は、第1及び第2パルス信号PHA及びPHB間の位相関係と同一の位相関係となっている。換言すれば、第1パルス信号PHAが第2パルス信号PHBに先行しているのと同様、第1位相差補償出力信号PHA_Rが第2位相差補償出力信号PHB_Rに先行しており、これらの位相関係は保たれている。
しかしながら、図10(a)及び(b)に示すように、上記時刻t1011から上記所定時間Tが経過する前の例えば時刻t1013において、第1及び第2回転信号の双方に同時にノイズが重畳するものの、この重畳したノイズの影響が第1パルス信号PHAにのみ表れるようなことが生じたとする。このとき、図示を割愛するが、第1フィルタ信号PHA_SORは、ノイズの影響が表れた時刻t1013から上記所定時間Tが経過した時刻t1016まで、論理Hに対応する信号レベルが保持された上で論理Hに対応する信号レベルから論理Lに対応する信号レベルに立ち下がるため、第1論理保持期間は時刻t1011から時刻t1016までの期間となる。一方、第2フィルタ信号PHB_SORは、重畳されたノイズの影響が表れないため、時刻t1012から上記所定時間Tが経過した時刻t1015において、論理Hに対応する信号レベルから論理Lに対応する信号レベルに立ち下がり、第2論理保持期間は時刻t1012から時刻1015までの期間となる。したがって、位相差実行部51は、既述した位相差補償条件が成立するため、第1論理保持期間の終了時である時刻t1016において、これも既述した位相差補償処理を実行する。すなわち、位相差補償実体部51は、通常、時刻t1012から所定期間Tが経過した時刻t1015に第2論理保持期間が終了するところ、第1論理保持期間終了時である時刻t1016を起点として上記所定期間Tの「1/3」に相当する期間が経過する時刻t1017まで第2論理保持期間を延長することにより、これら第1及び第2位相差補償出力信号PHA_R及びPHB_Rの位相差を強制的に補償する。これにより、位相差補償条件成立時(時刻t1016)における、第1及び第2位相差補償出力信号PHA_R及びPHB_Rの位相関係は、位相差補償条件が成立する直前(時刻t1003〜1004)における、第1及び第2位相差補償出力信号PHA_R及びPHB_Rの位相関係に一致するため、クランクロータ1の回転方向は、回転方向判定部7を通じて正確に判定されるようになる。
なお、本発明に係る回転検出装置の信号処理回路は、上記実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々に変形して実施することが可能である。すなわち、上記実施の形態を適宜変更した例えば次の形態として実施することもできる。
上記実施の形態では、出力部7は、クランクロータ1の回転方向が正転であるとの回転方向判定部6の判定結果であるときと、クランクロータ1の回転方向が逆転であるとの回転方向判定部6の判定結果であるときとで、含まれる信号レベルが異なる第3パルス信号PHCを出力していたがこれに限らない。他に例えば、先の図1に対応する図として図11に信号処理回路2aの全体構成をブロック図にて示すように、出力部7aは、先の第3パルス信号PHCの信号レベルが含まれる信号レベル帯がクランクロータ1の回転方向に拘わらず同一の信号レベル帯となった第4パルス信号PHDを出力端子に出力する。さらに、出力部7aは、クランクロータ1の回転方向が正転方向である旨回転方向判定部6を通じて判定されるとき論理Hに対応する信号レベルに維持されるとともに、クランクロータ1の回転方向が逆転方向である旨回転方向判定部6を通じて判定されるとき論理Lに対応する信号レベルに維持される方向判定信号PHEを第2出力端子に出力することとしてもよい。要は、クランクロータ1の回転方向についての情報及びクランクロータ1の回転数についての情報を各別の出力端子に出力することとしてもよい。
上記実施の形態では、位相差補償実体部51は、先の図7にステップS53の処理として示すように、第1及び第2論理保持期間のいずれか長い方の論理保持期間終了時から上記所定期間Tの例えば「1/3」に相当する期間が経過するまで、短い方の論理保持期間を延長することにより、強制的に位相差を補償していたが、「1/3」に相当する期間に限らない。他に例えば「1/2」に相当する期間を採用するなど、適宜変更可能である。さらには、第1及び第2論理保持期間のいずれか長い方の論理保持期間終了時から、短い方の論理保持期間が長い方の論理保持期間と同一の長さとなるまで、短い方の論理保持期間を延長することとしてもよい。また、位相差補償条件が成立するとき、長い方の論理保持期間終了時に、短い方の論理保持期間のみを調節することにも限らない。短い方の論理保持期間を調節することに加え、長い方の論理保持期間を極僅かに延長して調整することとしてもよい。要は、位相差補償条件が成立するとき、長い方の論理保持期間終了時に、少なくとも短い方の論理保持期間を調節すれば、上記実施の形態に準じた効果を得ることはできる。
上記実施の形態では、先の図7のステップS51及びS52の判断処理として示すように、位相差補償実体部51は、位相差補償条件として、第1及び第2論理保持期間の長さが互いに異なり、且つ、短い方のパルス信号の信号レベルの変化が長い方の論理保持期間内で生じる条件であることを採用していた。位相差補償条件としては、これに限らない。第1及び第2論理保持期間の長さが異なるとき、第1及び第2フィルタ信号PHA_SOR及びPHB_SORに表れるノイズの影響が互いに異なる可能性は高いため、位相差補償条件として、第1及び第2論理保持期間の長さが異なることのみを採用することとしてもよい。すなわち、図7中、ステップS52の判断処理を割愛することとしてもよい。要は、位相差補償条件が少なくとも第1及び第2論理保持期間の長さに基づく条件であればよい。
上記実施の形態では、クランクロータ1の回転角度に応じた複数の回転信号を各々異なる位相にて出力する複数のセンサ素子として、磁気抵抗素子(MRE)から構成される第1及び第2磁気センサ3a及び3bを採用したがこれに限らない。他に例えばホール素子から構成されるセンサ素子を採用することとしてもよい。要は、クランクロータ1の回転角度に応じた2つの回転信号を各々異なる位相にて出力することができれば、センサ素子の構成及び動作原理等は任意である。
上記実施の形態では、車載エンジンのクランクシャフトの回転方向及び回転数を検出する回転検出装置として具体化していたが、適用先についてはこれに限らない。他に例えば、車載エンジンのカムシャフトの回転方向及び回転数を検出する回転検出装置として具体化しても良い。要は、検出対象の回転に伴って回転する回転体の回転方向及び回転数に基づいて検出対象の回転方向及び回転数を検出する回転検出装置であれば、検出対象は任意である。
本発明に係る回転検出装置の信号処理回路の一実施の形態について、全体の構成を示す模式図。 同実施の形態について、第1フィルタ部の構成例を示す回路図。 同実施の形態について、(a)は、第1パルス信号PHAの波形例を示すタイミングチャート。(b)は、第1パルス信号にノイズの影響が表れていないときにおける第1フィルタ信号PHA_SORの波形例を示すタイミングチャート。(c)は、第1パルス信号にノイズの影響が表れたときにおける第1フィルタ信号PHA_SORの波形例を示すタイミングチャート。 同実施の形態について、(a)及び(b)は、第1及び第2パルス信号PHA及びPHBの波形例をそれぞれ示すタイミングチャート。(c)及び(d)は、第1及び第2フィルタ信号PHA_SOR及びPHB_SORの波形例をそれぞれ示すタイミングチャート。 同実施の形態について、位相差補償部の構成例を示すブロック図。 同実施の形態の信号処理回路が実行する処理について、その処理手順の一例を示すフローチャート。 同実施の形態の位相差補償部が実行する位相差補償処理について、その処理手順の一例を示すフローチャート。 同実施の形態の回転方向判定部が実行する回転方向判定処理について、その処理手順の一例を示すフローチャート。 同実施の形態の出力部が実行する出力信号生成処理について、その処理手順の一例を示すフローチャート。 同実施の形態について、(a)及び(b)は、第1及び第2パルス信号PHA及びPHBの波形例をそれぞれ示すタイミングチャート。(c)及び(d)は、第1及び第2位相差補償出力信号PHA_R及びPHB_Rの波形例をそれぞれ示すタイミングチャート。 本発明に係る回転検出装置の信号処理回路の変形例について、全体の構成を示す模式図。
符号の説明
1…クランクロータ(回転体)、1a…山歯、1b…谷歯、2…信号処理回路、3a…第1磁気センサ(センサ素子)、3b…第2磁気センサ(センサ素子)、4a…第1波形整形部(第1波形整形手段)、4b…第2波形整形部(第2波形整形手段)、5…位相差補償部(位相差補償手段)、50a…第1フィルタ部(第1フィルタ手段)、50b…第2フィルタ部(第2フィルタ手段)、51…位相差補償実体部(位相補償判定手段、位相補償実行手段)、6…回転方向判定部(回転方向判定手段)、7…出力部(出力手段)。

Claims (9)

  1. 検出対象の回転に伴って回転する回転体の回転に応じた第1及び第2回転信号を各々異なる位相にて出力する第1及び第2センサ素子と、
    前記第1及び第2センサ素子からそれぞれ出力される前記第1及び第2回転信号を第1及び第2パルス信号にそれぞれ整形する第1及び第2波形整形手段と、
    前記第1及び第2パルス信号の各パルス信号の信号レベルに変化が無い期間が所定期間続くとき、前記所定期間経過時から、変化の無い期間内の信号レベルと同一の信号レベルにて第1及び第2フィルタ信号を出力するものであって、前記各パルス信号の信号レベルの変化が前記所定期間内にあった場合には、最後の変化の発生時から前記所定期間が経過するまで、変化前の信号レベルを保持する第1及び第2論理保持期間を前記第1及び第2フィルタ信号にそれぞれ設ける第1及び第2フィルタ手段と、
    前記第1及び第2フィルタ手段にて設けられる前記第1及び第2論理保持期間につき、ノイズの影響を受けたことに起因して、前記第1及び第2フィルタ信号のうちの先行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間が、後行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間よりも長い旨を判定する位相差補償判定手段と、
    前記位相差補償判定手段を通じて前記旨が判定されるとき、その判定時直前の前記第1及び第2フィルタ信号間の位相関係と同一の位相関係となるように、前記後行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間を、前記先行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間よりも、強制的に延長した上で、第1及び第2フィルタ信号を第1及び第2位相補償出力信号として出力する一方、前記位相差補償判定手段を通じて前記旨が判定されないとき、第1及び第2フィルタ信号をそのまま第1及び第2位相差補償出力信号として出力する位相差補償実行手段と、
    前記第1及び第2位相差補償出力信号の位相関係に基づいて、前記回転体の回転方向が第1方向であるか、または、この第1方向とは逆方向である第2方向であるかを繰り返し判定する回転方向判定手段と、
    前記回転体の回転方向に係る判定結果を含めた回転情報を出力信号として生成出力する出力手段とを備えることを特徴とする、回転検出装置の信号処理回路。
  2. 前記位相差補償実行手段は、前記位相差補償判定手段を通じて前記旨が判定されるとき、前記後行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の長さを延長して、前記先行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の長さと同一にした上で、第1及び第2フィルタ信号を第1及び第2位相補償出力信号として出力することを特徴とする、請求項1に記載の回転検出装置の信号処理回路。
  3. 前記位相差補償実行手段は、前記位相差補償判定手段を通じて前記旨が判定されるとき、前記後行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の終期が、前記先行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の終期よりも遅れるように、前記後行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の長さを延長した上で、第1及び第2フィルタ信号を第1及び第2位相補償出力信号として出力することを特徴とする、請求項1または2に記載の回転検出装置の信号処理回路。
  4. 検出対象の回転に伴って回転する回転体の回転に応じた第1及び第2回転信号を各々異なる位相にて出力する第1及び第2センサ素子と、
    前記第1及び第2センサ素子からそれぞれ出力される前記第1及び第2回転信号を第1及び第2パルス信号にそれぞれ整形する第1及び第2波形整形手段と、
    前記第1及び第2パルス信号の各パルス信号の信号レベルに変化が無い期間が所定期間続くとき、前記所定期間経過時から、変化の無い期間内の信号レベルと同一の信号レベルにて第1及び第2フィルタ信号を出力するものであって、前記各パルス信号の信号レベルの変化が前記所定期間内にあった場合には、最後の変化の発生時から前記所定期間が経過するまで、変化前の信号レベルを保持する第1及び第2論理保持期間を前記第1及び第2フィルタ信号にそれぞれ設ける第1及び第2フィルタ手段と、
    前記第1及び第2フィルタ手段にて設けられる前記第1及び第2論理保持期間につき、ノイズの影響を受けたことに起因して、前記第1及び第2フィルタ信号のうちの先行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の終期が、後行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の終期よりも遅れる旨を判定する位相差補償判定手段と、
    前記位相差補償判定手段を通じて前記旨が判定されるとき、その判定時直前の前記第1及び第2フィルタ信号間の位相関係と同一の位相関係となるように、前記後行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の終期を、前記先行するフィルタ信号に設けられた論理保持期間の終期よりも、強制的に遅らせた上で、第1及び第2フィルタ信号を第1及び第2位相補償出力信号として出力する一方、前記判定手段を通じて前記旨が判定されないとき、第1及び第2フィルタ信号をそのまま第1及び第2位相差補償出力信号として出力する位相差補償実行手段と、
    前記第1及び第2位相差補償出力信号の位相関係に基づいて、前記回転体の回転方向が第1方向であるか、または、この第1方向とは逆方向である第2方向であるかを繰り返し判定する回転方向判定手段と、
    前記回転体の回転方向に係る判定結果を含めた回転情報を出力信号として生成出力する出力手段とを備えることを特徴とする、回転検出装置の信号処理回路。
  5. 前記出力手段は、前記回転体の回転方向が前記第1の方向であるとの前記回転方向判定手段の判定結果であるときと、前記回転体の回転方向が前記第2の方向であるとの前記回転方向判定手段の判定結果であるときとで、パルス高さが異なる第3パルス信号を前記出力信号として生成出力することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転検出装置の信号処理回路。
  6. 前記出力手段は、前記回転体の回転方向が前記第1の方向であるとの前記回転方向判定手段の判定結果であるとき第1の信号レベルに維持されるとともに、前記回転体の回転方向が前記第2の方向であるとの前記回転方向判定手段の判定結果であるとき前記第1の信号レベルとは異なる第2の信号レベルに維持される方向判定信号を前記出力信号として生成出力することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転検出装置の信号処理回路。
  7. 前記複数のセンサ素子は、磁気抵抗素子から構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の回転検出装置の信号処理回路。
  8. 前記検出対象は、車載エンジンのカムシャフトであり、
    前記回転体は、前記カムシャフトにギアを介して接続されて前記カムシャフトの回転に伴って回転することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の回転検出装置の信号処理回路。
  9. 前記検出対象は、車載エンジンのクランクシャフトであり、
    前記回転体は、クランクロータであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の回転検出装置の信号処理回路。
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