JP4864737B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

Description

本発明は、動力によってドアを開ける開扉補助装置を備えた冷蔵庫に関する。

一般に冷蔵庫は、省エネルギの目的で冷蔵庫本体と扉の間からの冷気漏れを小さく抑えるためにマグネットを介して扉が冷蔵庫本体に強く吸着させる手段を採っている。

このために、扉を開ける際にはマグネットの吸着力を上回る開扉力が必要となるため、力の弱い人や子供であっても容易に開けることができるように、例えば、特許文献１で示すように動力によって扉を開ける扉開放装置が採用されている。

扉開放装置の一例としては、ドアに設けられた操作スイッチのスイッチ操作によって扉を内側から押圧するよう扉開放装置が働きドアを一定量開口させる手段となっている。
特開２００１−５５８６３号公報

扉開放装置は操作スイッチからの入力信号で扉を一定量開けるようになるところから、扉を開けるための専用の取手部がないのが現状となっている。この場合、専用の取手部を設けることも可能であるが、コストアップにつながると共に、操作スイッチ及び取手部を取付ける２箇所の取付けスペースを必要とし、意匠上での制約がかかってしまう。しかも、取付け作業性の面でも望ましくない。また、電気系統のトラブルが発生した場合には、取手部がないと開けずらくなることと、特に、扉は強い吸着力をもって閉まっているため力の弱い人等は時として開けることができない等の不具合をかかえるようになる。

そこで、本発明にあっては、取手部の取付け完了と同時にスイッチの取付けも一緒に完了し、取付けスペースも取手部だけで済むようにすると共に、しかも、力の弱い人でも扉を軽く開けることができるようにした冷蔵庫を提供することを目的としている。

前記目的を達成するために、本発明の第１にあっては、冷蔵庫本体に、上下方向に連続する握り取手部を有する開閉扉と、オンの作動で前記開閉扉を開とする開扉補助装置と、前記開扉補助装置をオンとするスイッチ部とを備え、前記スイッチ部は、前記握り取手部を開閉扉に取付ける上下一対の取手取付部と、この取手取付部の一方に設けられた発光部と、他方側の取手取付部に設けられ前記発光部からの光を受光する受光部とで構成され、前記握り取手部の後ろ側において前記発光部から受光部へ向かう光を前記握り取手部を握った時に遮断し前記開扉補助装置をオンとする非接触センサとなっていることを特徴とする。

第２にあっては、前記握り取手部は、発光部から受光部へ向けて光が発射されている作動状態を表示する表示部を備えていることを特徴とする。

本発明によれば、取付けスペースは握り取手部の取付け場所一箇所で済むようになるため、すっきりとした外観の冷蔵庫を提供することができる。

本発明にあっては、最良の形態に付き好ましい実施例として、前記握り取手部に、発光部から受光部へ向けて光が発射されている作動状態を表示する表示部を備えるようにすることで、表示部の目視によって電気系トラブルの発生の有無がわかるようにする。

以下、図１乃至図２の図面を参照しながら本発明について具体的に説明する。

図１は本発明にかかる冷蔵庫の概要斜視図を示している。冷蔵庫本体１は上から順に冷蔵室３、製氷室５及び切替室７、野菜室９、冷凍室１１となっていて、各開閉扉３ａ，５ａ，７ａ，９ａ，１１ａを開けることで食品等の出し入れが可能となっている。

製氷室５から冷凍室１１までの各開閉扉５ａ，７ａ，９ａ，１１ａは引き出しタイプとなっている。冷蔵室３の開閉扉３ａはヒンジ１３を支点として開放するヒンジタイプとなっていて、上下に分割された握り取手部１５を有し、上位側握り取手部１５ａと下位側握り取手部１５ｂとの間は手又は肘が入る隙間ｄに設定されている。この場合、握り取手部１５は上下に分割された手段を採用しているが、左右（図１左右方向）に分割する手段を採用してもよい。

開閉扉３ａは、冷蔵庫本体１の天井部に設けられた開扉補助装置１７によって開方向となる前方へ押圧されることでヒンジ１３を支点として一定量開く（矢印）ようになっている。

開扉補助装置１７は、駆動装置によって各種タイプのものに分けられるが、ここでは、前記握り取手部１５に設けられたスイッチ部１９からの入力信号で作動状態となるオンと待機状態となるオフとに切換わる電磁ソレノイド２１によって構成されるソレノイドタイプとなっている。

電磁ソレノイド２１は、ソレノイド本体のコイル内にソレノイドスピン２３を有し、ソレノイドスピン２３は付勢ばね（図示していない）によるばね圧で常時は引込んだ待機位置にあって、入力信号のオンで電磁力が働き前方（矢印）へ押し出される。その時の押圧力で開閉扉３ａを内側から外側となる開方向へ向け押圧することで、開閉扉３ａは一定量の開状態が得られるようになっている。

一方、スイッチ部１９は発光部２５と、発光部２５からの光を受光する受光部２７とで構成されると共に、発光部２５から受光部２７へ向かう光を遮断した時に前記開扉補助装置１７をオンとする非接触センサとなっている。

発光部２５は、赤外線のＬＥＤ発光装置を備えた構造となっていて、上位側握り取手部１５ａの分割面となる下部に一体に組込まれている。受光部２７は、発光部２５からＬＥＤの光を受光するフォトトランジスタを備えた構造となっていて、下位側握り取手部１５ｂの分割面となる上部に一体に組込まれ発光部２５と対向配置された構造となっている。

発光部２５及び受光部２７は各握り取手部１５ａ，１５ｂ内に組込まれたユニット構造となっていて、握り取手部１５の各取手取付け部２９，３１を開閉扉３ａに取付けることでスイッチ部１９の取付けも同時に完了するようになっている。

発光部２５及び受光部２７の作動状態は上位側握り取手部１５ａに設けられたＬＥＤランプからなる表示部３３によって電気系統のトラブルがない場合、点灯状態となるため目視による確認が可能となっている。

このように構成された開扉補助装置１７のスイッチ部１９によれば、握り取手部１５の取付け完了と同時にスイッチ部１９の取付けも一緒に完了するようになると共にスイッチ取付け用の専用スペースが不要となる。

一方、発光部２５から受光部２７へ向かう光を手で、あるいは、両手がふさがっている時には肘等で遮断することで、大きい力が必要となる初期開扉力を開扉補助装置１７によって得られるため、力の弱い人や子供であっても軽く開けることができる。また、握り取手部１５と開扉補助装置１７を作動させるスイッチ部１９が一体に形成されているため、すっきりとした外観意匠の冷蔵庫を提供することができる。

図３と図４はスイッチ部１９を構成する発光部２５と受光部２７を取付ける取付け位置の変形例を示したものである。

即ち、握り取手部１５を上下に連続し合う形状とする一方、開閉扉３ａに取付ける上位側取手取付け部２９に発光部２５を、下位側取手取付け部３１に前記発光部２５からの光を受光する受光部２７をそれぞれ対向して設けるものである。

発光部２５と受光部２７は、握り取手部１５を図４で示すように扉を開けようとする動作、すなわち、手で握った時に発光部２５から受光部２７へ向かう光を遮断する位置に配置された構造となっている。このため、単に冷蔵庫の前を人が通り過ぎたり、あるいは、開扉する意図がなく単に握り取手部１５に触れたとしても光が遮断されて開扉補助装置が誤作動してしまうというようなことが抑制される。

なお、他の構成要素は、図２に示す実施形態と同一のため同一符号を符して詳細な説明を省略する。

したがって、この実施形態によれば、開閉扉３ａを開けるために握り取手部１５を握ると開扉補助装置１７が働き、大きな力が必要となる初期開扉力が確保され、力の弱い人や子供であっても軽く開けることができる。

また、部品点数も握り取手部１５の一点で済むメリットがあるため、すっきりとした外観意匠の冷蔵庫を提供することができると共に、取り付け性の面でも大変好ましいものとなる。

本発明にかかる開扉補助装置とそのスイッチ部を実施した冷蔵庫全体の概要斜視図。 スイッチ部を握り取手部に設けた状態を示す要部の概要斜視図。 開扉補助装置とそのスイッチ部を実施した別の実施形態の冷蔵庫全体の概要斜視図。 スイッチ部を握り取手部を取付ける取手取付け部に設けた要部の概要側面図。

符号の説明

１ 冷蔵庫本体
３ 冷蔵室
３ａ 開閉扉
１５ 握り取手部
１５ａ 上位側握り取手部
１５ｂ 下位側握り取手部
１７ 開扉補助装置
１９ スイッチ部
２５ 発光部
２７ 受光部
３３ 表示部

Claims (2)

1. 冷蔵庫本体に、上下方向に連続する握り取手部を有する開閉扉と、オンの作動で前記開閉扉を開とする開扉補助装置と、前記開扉補助装置をオンとするスイッチ部とを備え、
   前記スイッチ部は、
   前記握り取手部を開閉扉に取付ける上下一対の取手取付部と、
   この取手取付部の一方に設けられた発光部と、
   他方側の取手取付部に設けられ前記発光部からの光を受光する受光部と
   で構成され、前記握り取手部の後ろ側において前記発光部から受光部へ向かう光を前記握り取手部を握った時に遮断し前記開扉補助装置をオンとする非接触センサとなっていることを特徴とする冷蔵庫。
2. 前記握り取手部は、発光部から受光部へ向けて光が発射されている作動状態を表示する表示部を備えていることを特徴とする請求項１記載の冷蔵庫。

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