JP4863179B2 - 無放流型水循環式簡易水洗トイレ、及び無放流型水循環式簡易水洗トイレにおける汚水の浄化方法 - Google Patents

無放流型水循環式簡易水洗トイレ、及び無放流型水循環式簡易水洗トイレにおける汚水の浄化方法 Download PDF

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Description

本発明は、便器等を洗浄した糞尿やトイレットペーパー等を含む汚水を、特定の分解菌を用いて処理することで浄化するとともに、当該処理水を循環させることによって便器等を洗浄するための洗浄水として再利用するようにした無放流型水循環式簡易水洗トイレ、及び無放流型水循環式簡易水洗トイレにおける汚水の浄化方法に関する。
従来の簡易水洗式トイレは、糞尿を少量の洗浄水により、直接便器の下部に設置した便槽に貯留しておき、頻繁な汲取り処理を行うもの、または水循環式水洗トイレと称されるものについては予め固液分離を行い、それぞれ異なった処理槽で分解・洗浄を行うものであった(特許文献1〜3参照)。
このうち、特許文献1記載の発明は、いわゆるBSK菌によって、し尿を分解するともに、被処理水の水量を適正化する処理槽等を具備している。
また、特許文献2記載の発明では汚水を曝気槽内で好気性の菌によって分解した後、さらに杉チップなどのバイオチップを充填した槽を通過させながら、固形有機物を微生物により分解するように構成されている。
さらに、特許文献3記載の発明は、し尿の固液分離を行った後に、固形物を分解槽内に投入し、その内部に設置されたスクリューコンベアによって固形物と菌床とを攪拌することにより分解処理を行う。
特開2008−133669号公報 特開2003−074104号公報 特開平11−293738号公報
しかしながら、従来の仮設トイレは便槽に貯留された糞尿が臭気を発生し、周囲の環境に悪影響を及ぼす問題点があった。また、頻繁に洗浄水の補給が必要であり、保守・点検など維持管理に労力を要するという課題があった。
特に、特許文献1及び2記載の発明は処理システムが複雑であるとともに、処理水の脱色を行うための脱色槽を別途設ける必要があり、構造が複雑化する難点があった。
また、特許文献3記載の発明は、し尿の分解を行う分解槽に、菌床を攪拌するスクリューコンベアの設置が必要であり、多くの電力を消費するなどの問題点を有していた。
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、保守・点検に要する作業手間を軽減するとともに、電力消費量、水使用量等を削減することが可能であり、トイレの使用者にとっても快適な使用感をもたらす無放流型水循環式簡易水洗トイレ等を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討し、上記課題を解決する方法を見出し、本発明を完成させた。本発明は次の(1)、(2)である。
(1)請求項1記載の発明は、水を用いて便器中の汚物を洗浄する洗浄手段と、分解菌を定植した多孔質材を内側底部に備え、前記洗浄手段によって便器を洗浄することで発生する前記水と前記汚物との混合物である汚水を受け入れる受入槽と、分解菌を定植した多孔質材並びに曝気手段を内部に備え、前記受入槽から流れ込む汚水を分解菌の作用によって分解する曝気槽と、前記曝気槽からオーバーフローした汚水を、分解菌を定植した多孔質材の中を通過させてろ過するろ過槽と、前記ろ過槽にて、 ろ過された後の汚水を滅菌して処理水を得る滅菌槽と、得られた処理水を、必要時に前記洗浄手段による洗浄に用いるために貯留する給水槽と、前記受入槽、前記曝気槽および前記ろ過槽からなる群から選ばれる少なくとも一つの槽に設置され、その内部の水を加温する加温手段とを具備した無放流型水循環式簡易水洗トイレにおいて、前記受入槽、前記曝気槽の内部であって、分解し難い汚物を一旦貯留するとともに、内部に分解菌を定植した多孔質材が設置されたし渣籠を、各槽の長辺方向に沿って設置し、前記受入槽、曝気槽内の該し渣籠の開口部よりも低い位置に、前記曝気手段としての散気筒を、該し渣籠と対向する各槽の長辺方向に沿って設置し、各槽内の汚水を該し渣籠側へ対流させることにより、汚水を該し渣籠の開口部へ導くように構成し、分解し難い汚物を該し渣籠内に滞留させて、該し渣籠内で分解を促進させることを特徴とする。
(2)請求項2記載の発明は、上記1項であって、前記し渣籠は、その長辺方向の寸法が前記受入槽および/または前記曝気槽内部の長辺方向の寸法と、略同一の長さ寸法を有していることを特徴とする。
本発明によれば、臭気が発生し難く快適な使用感を備えているとともに、頻繁な洗浄水の補給が必要なく保守・点検に要する手間を大幅に削減することが可能である。また、従来のように多くの電力を消費する洗浄水の凍結対策を簡素化することができ、無色透明な処理水を得ることができる。
本発明の無放流型水循環式簡易水洗トイレの好適実施例の系統図である。 本発明の無放流型水循環式簡易水洗トイレの好適実施例の概略斜視図である。 図2に示した本発明の無放流型水循環式簡易水洗トイレの概略正面図である。 図2に示した本発明の無放流型水循環式簡易水洗トイレのA−A線における概略断面図である。 図2に示した本発明の無放流型水循環式簡易水洗トイレのB−B線における概略断面図である。 図2に示した本発明の無放流型水循環式簡易水洗トイレのC−C線における概略断面図である。 図2に示した本発明の無放流型水循環式簡易水洗トイレのD−D線における概略断面図である。 本発明の無放流型水循環式簡易水洗トイレの好適実施例の別の概略斜視図である。
以下、添付図面に従って本発明に係る無放流型水循環式簡易水洗トイレ、及び無放流型水循環式簡易水洗トイレにおける汚水の浄化方法ついて説明する。
本発明は、汚物を含む汚水を分解菌の作用によって分解し、得られた処理水を再利用する、無放流型水循環式簡易水洗トイレ1であって、水を用いて便器中の汚物を洗浄する洗浄手段と、前記洗浄手段によって便器を洗浄することで発生する前記水と前記汚物との混合物である汚水を受け入れる受入槽10と、分解菌を定植した多孔質材6と曝気手段7とを内部に備え、前記受入槽10から流れ込む汚水を分解菌の作用によって分解する曝気槽20と、前記曝気槽20からオーバーフローした汚水を、分解菌を定植した多孔質材6の中を通過させてろ過するろ過槽30と、前記ろ過槽30においてろ過された後の汚水を滅菌して処理水を得る滅菌槽40と、得られた処理水を前記洗浄手段による洗浄に用いるために貯留する給水槽50とを有し、さらに、前記受入槽10、前記曝気槽20および前記ろ過槽30からなる群から選ばれる少なくとも1つの槽に、その内部の水を加温する加温器を備えて構成されている。
図1は本発明の一実施形態に係る無放流型水循環式簡易水洗トイレにおける汚水処理の流れを示した系統図である。図2は本発明の無放流型水循環式簡易水洗トイレの好適実施例の前面側から見た概略斜視図である。図3は、図2に示した本発明の無放流型水循環式簡易水洗トイレの概略正面図である。そして、図4は図2に示した本発明の無放流型水循環式簡易水洗トイレのA−A線における概略断面図であり、図5はB−B線における概略断面図であり、図6はC−C線における概略断面図であり、図7はD−D線における概略断面図である。
図1及び図2に示されるように、本発明の無放流型水循環式簡易水洗トイレ1における受入槽10、曝気槽20、ろ過槽30、滅菌槽40、および給水槽50の各々は、繊維強化プラスチック(FRP)などを素材として箱状に形成され、上部から見ると矩形になっている。
<洗浄手段>
図1において、本発明の無放流型水循環式簡易水洗トイレ1(以下「水洗トイレ1」ともいう)は、水を用いて便器2の中の汚物を洗浄するとともに、水とともに受入槽10内へ導入する洗浄手段を有する。洗浄手段は、通常の水洗トイレが有する公知の洗浄手段と同様であってよい。
<受入槽10>
水洗トイレ1は、前記洗浄手段によって便器2を洗浄することで発生する水と汚物との混合物である汚水4を受け入れる受入槽10を有する。受入槽10は便器2の下部に設置されており、便器2を洗浄することで発生した水と汚物は、図示しない配管を通って受入槽10の内部に導入されるようになっている。受入槽10の内側の底部には後述する曝気槽20と同様に、多孔質材6および曝気手段7が備えられていることが好ましい。汚水4の分解をより促進することができるからである。
また、受入槽10の内部には汚水4を加熱する加温手段として、加温器12が設置されており、加温器12によって汚水4を一定温度範囲に維持することにより、分解菌による汚水4の処理をより促進することができるからである。加温器12は汚水を加熱し、所望の温度に保持することができるものであれば特に限定されないが、例えば棒状のヒータを用いることができる。また、加温器12は、受入槽10の他、後述する曝気槽20や、ろ過槽30に設置されていても良い。
図1に示される水洗トイレ1では、受入槽10と、ろ過槽30とに、加温器12,32とに設置している。受入槽10、曝気槽20およびろ過槽30からなる群から選ばれる少なくとも1つの槽に、その内部の汚水を加温する加温手段を備えると、冬季に汚水が凍結することを防止できる点で好ましい。
<曝気槽20>
水洗トイレ1は、受入槽10に対し、スクリーン5を介して連通している曝気槽20を有する。受入槽10の中の汚水4は、スクリーン5を通り曝気槽20へ流れ込む。受入槽10と曝気槽20とがスクリーン5で仕切られていることにより、ある程度分解が進んだ汚物を含む汚水が曝気槽20へ流れ込む。スクリーン5は網状のものであり、例えばカーボン繊維製のもの、ステンレス製などの素材が好適に用いられる。また、スクリーン5の目的は固液分離が目的であるので、網目の大きさ(目開き)は0.5mm以下が望ましい一方、細かくし過ぎると目詰まりが生じやすくなるため、大きさの設定には注意を要する。本実施形態では、曝気ブロワ71から、パイプ72を介して送り込まれる空気量を図示しない調整弁によって調整することによって、汚水が受入槽10から曝気槽20へ流れ易くしており、スクリーン5の大きさを細かくすることが可能になっている。
また、図1に示されるように、曝気槽20は、第1の曝気槽201と第2の曝気槽202との2つに分かれている。このように、複数の曝気槽を設けることにより、汚水の分解処理をより促進することができる。第1の曝気槽201と第2の曝気槽202とは、壁によって仕切られており、第1の曝気槽201にて、ある程度以上分解された汚水が、オーバーフローすることによって第2の曝気槽202へ流れ込むようになっている。
第1の曝気槽201および第2の曝気槽202の内側底部には、分解菌を定植した多孔質材6と、曝気手段7とが備えられている。多孔質材6に定植された分解菌の作用によって、受入槽10から流れ込む汚水4を分解することができる。
ここで、多孔質材6は、分解菌を定植することができる多孔質な材料であれば特に限定されないが、活性炭であることが好ましい。分解菌については後述する。
また、曝気手段7は、曝気槽20の底部から泡状の空気を発生させ、曝気槽20の汚水を対流させることができるものであれば特に限定されない。例えば側面に多数の穴が形成された散気筒70並びに曝気ブロワ71を、パイプ72を介して繋げ、曝気ブロワ71によって発生する空気を曝気槽20内に送り込むようにした装置が好適である。
図1に示されるように、曝気槽20が複数存在するトイレ1の場合は、各曝気槽に曝気手段7を設置することが好ましい。
また、受入槽10および/または曝気槽20の内部の側壁に、分解し難い汚物を貯留できるし渣籠(しさかご)8を備えることが好ましい。し渣籠8とは、受入槽10、曝気槽20内に浮遊するトイレットペーパーや便などの固形物を留めるに、各槽内の壁面に設置されるものである。し渣籠8に、分解し難い半固体状、固体状の汚物など収容することによって、受入槽10および/または曝気槽20の内部に長時間滞留(概ね10日間程度)させることができ、短時間では分解が困難なトイレットペーパーや汚物を、時間をかけて分解するようになっている。
また、し渣籠8の下部には、曝気槽20の底部に配置するものと同様に、分解菌を定植した多孔質材6を配置することが好ましい。し渣籠8の中に貯留する汚物の分解を、より促進することができるからである。さらに、複数の曝気槽20(すなわち、第1の曝気槽201および第2の曝気槽202)は各々し渣籠を備えることが好ましい。
図3にも示されるように、し渣籠8は、その上部が開口しており、その開口部分から内部に汚物等を収容することができるようになっている。さらに、受入槽10および/または曝気槽20には、曝気手段7が設置され、この曝気手段7によって槽内部の汚水は、し渣籠8の上部の開口付近から底部へ向かう方向へ対流させるようにすることが好ましい。し渣籠8の中に分解し難い汚物を導入し、し渣籠8の内部に留めることができるからである。
具体的には、図1に示されるように、受入槽10の中の散気筒70は、第1の曝気槽201との境界であるスクリーン5の近くの壁側に配置されており、これに対してし渣籠8は、受入槽10におけるスクリーン5と最も遠くに位置する壁側に配置されている。散気筒70およびし渣籠8がこのように配置されていると、受入槽10の中の汚水4は対流して、し渣籠8の方向に移動しつつ、し渣籠8の付近においては上部の開口から底部へ向かう方向へ流れる。同様に、第1の曝気槽201の中の散気筒70は、受入槽10との境界であるスクリーン5の近くの壁側に配置されており、これに対して、し渣籠8は、受入槽10におけるスクリーン5と、最も遠くの壁側に位置する壁に配置されている。
また、第2の曝気槽202の中の散気筒70は、第1曝気槽201との境界である近くの壁側に配置されており、これに対してし渣籠8は、当該壁と最も遠くに位置する壁側に配置されている。散気筒70およびし渣籠8がこのように配置されていると、第1の曝気槽201および第2曝気槽202の中の汚水4は対流し、各々のし渣籠8の付近においては、し渣籠8の上部から底部へ向かう方向へ汚水が流れる。
さらに、受入槽10および第1の曝気槽201の各々の散気筒70は、スクリーン5の近くにも配置されている。この場合、スクリーン5の目詰まりを防止する効果も奏する。
<ろ過槽30>
水洗トイレ1は、第2の曝気槽202からオーバーフローした汚水4を、ろ材の中を通過させて、浮遊物をろ過するろ過槽30を有する。このろ材にも、分解菌が定植されており、ろ過中にも、汚水の分解を行うようになっている。
図1に示されるように、水洗トイレ1は、第2曝気槽202からオーバーフローした汚水4が、ろ過槽30へ上部から導入され、ろ過槽30の内部に敷き詰められたろ材33を通り下方へ導かれる。ろ過槽30を通過した汚水は、ろ過槽30の内部の分解菌および多孔質材(活性炭)の作用によって浄化されるとともに、分解不可能な浮遊物が補足される。また、前述のように、ろ過槽30は底部に加温器32を有している。この加温器32によって、汚水を加温し所望の温度に保持することができ、これによって、分解菌の働きを促進することができる。
なお、ろ材33としては、受入槽10、曝気槽20に設置されている多孔質材6を用いることができる。また、他には砂、木材チップ、セラミック担体、活性炭を使用することができる。このうち、活性炭が最も好適であるが、活性炭の場合は4〜6メッシュの造粒炭を使用することにより、ろ材としてろ過槽30へ敷き詰めたときに、砂よりも大きく木材チップよりも少ない空隙率となるので、浮遊物の補足性、透過性に優れ、最も適している。さらに、活性炭の場合は、ろ過と同時に有機物を吸着し、吸着された該有機物が分解菌のエネルギー源となるので、分解菌を活性化するという点でも優れている。
<滅菌槽40>
水洗トイレ1は、ろ過槽30においてろ過された後の汚水4を滅菌して処理水3を得る滅菌槽40を有する。
滅菌槽40の内部には滅菌器41が備えられており、この滅菌器41によって滅菌槽40内の汚水の塩素濃度を調整することができる。滅菌槽40の内部の汚水を滅菌する手段は特に限定されず、紫外線を照射して滅菌してもよいが、塩素を添加する手段であることが好ましい。塩素濃度は、後述する貯留槽50内の処理水3の塩素濃度が好ましくは0.1〜0.7ppm、より好ましくは0.3〜0.5ppm程度となるように、滅菌槽40において汚水に塩素を添加して滅菌することが好ましい。塩素濃度が0.1ppm未満の場合は大腸菌群が残る可能性がある一方、0.7ppmを超えると分解菌に悪影響を及ぼす可能性があるからである。
<給水槽50>
水洗トイレ1は、得られた処理水3を、必要時に前記洗浄手段による洗浄に用いるために貯留する給水槽50を有する。
給水槽50の内部にも、曝気槽20と同様に、曝気手段7(散気筒70、曝気ブロワ71、パイプ72)が配置されていることが好ましい。給水槽50に限らず、槽内の水分中の塩素濃度を適正な値に常時調節することは極めて困難であり、高濃度の塩素を含む水が槽内に流れ込んだ場合に、曝気することによって余分な塩素を飛散させることが可能となるからである。
給水槽50に貯留された処理水3は、給水ポンプ51によって組み上げられ、便器2を洗浄するために必要時に用いられる。
<分解菌>
次に分解菌について説明する。
分解菌は、活性炭等の多孔質材に定植することができ、汚水中の汚物やトイレットペーパーなどの有機物を水、炭酸ガス、窒素化合物に分解する好気性発酵分解菌を主とする集合体であれば特に限定されないが、耐熱放線菌、リグニン分解菌、セルロース分解菌、繊維素分解菌、脂肪分解菌、枯草菌および乳酸菌を含むものであることが好ましい。汚水をより分解することができるからである。
耐熱放線菌としては、高温域から中温域の菌であるstreptomyces
avermitillis、好酸性古畑菌であるsulfolobus shibatae、saccharopolyspola rectivrgulaが挙げられる。
リグニン分解菌としては、白色腐朽性の担子菌、放線菌であるstreptomyces nocordia、細菌類であるpseudomonas、bacillusが挙げられる。
セルロース分解菌および繊維素分解菌としては、滑走細菌であるcytophaga、spotocytophaga、pseudomonas、bacillus、cellulomonas、streptomyces、nocordia、嫌気性有芽胞桿菌類であるclostridumが挙げられる。
脂肪分解菌としては、リパーゼを生産分泌する菌である糸状菌aspergillus、penicillium、rhizopusが挙げられる。
枯草菌としては、アミラーゼやプロテアーゼの生産菌であるbacillus subtilisが挙げられる。
乳酸菌としては、lactobacillus
plantarumが挙げられる。
分解菌を多孔質材に定植する方法については特に限定されないが、例えば、以下の方法によって行うことが可能である。具体的には各槽の水温を30°C前後に保持しながら、水に分解菌を、所定の分量添加するとともに活性液を少量添加し、その後、毎分10リットル程度の流量で12時間循環させるという方法で分解菌を多孔質材に定植することができる。
本実施形態の無放流型水循環式簡易水洗トイレ1の具体的な構成は以下の通りである。
図2、図4に示されるように、本実施形態の水洗トイレ1は前面側に便器2を備える個室を2つ有し、背面側にろ過槽30、滅菌槽40、給水タンク80、給水ポンプ51、曝気ブロワ71を有する。また、図3、図5、図6、図7に示すように、前面側に便器2を2つ有し、便器2の下側に受入槽10、曝気槽20および貯留槽50を有する。
図2〜図7に示した水洗トイレ1にて、洗浄手段によって便器2を洗浄することで発生する汚水4は下部の受入槽10に受け入れられる。そして、汚水4は背面側にあるスクリーン5から第1曝気槽201へ流れ込み、さらに第2曝気槽202へと流れ込む。そして、第2曝気槽202からオーバーフローした汚水は背面側に存するろ過槽30へ流れろ過された後、隣接する滅菌槽40へ流れて滅菌され、その後、正面側の給水槽50に貯留される。給水槽50に貯留された処理水3は、給水ポンプ51によって組み上げられ、便器2を洗浄するために必要時に用いられる。
本実施形態の無放流型水循環式簡易水洗トイレ1は、図8に示すように、さらに、雨水を集めて給水槽へ雨水を流し込む集水手段を有している。図8は本発明の無放流型水循環式簡易水洗トイレ1を背面側から見た概略斜視図である。
本実施形態の無放流型水循環式簡易水洗トイレ1は、原則的には処理水の補給は必要ないが、長期の使用に際し、温度条件、季節によっては処理水が蒸発して減少することも想定されるので、水の補給が必要となる場合がある。そこで、雨水を集めて貯めておくタンクを有すれば、処理水を容易に補給できるので好ましい。
雨水を集める集水手段は特に限定されないが、例えば図8に示すように、水洗トイレ1の建屋の屋根の一部を利用し、集水手段90として用いることができる。具体的には、屋根92は、端方向の孔94にいくにしたがって徐々に傾斜するように形成されている。孔94は、補給水タンク80を経て給水槽50へパイプなどによって接続されており、屋根92上の雨水は孔94へ導かれるようになっている。
雨水が溜まっている補給水タンク80からは、必要に応じて、雨水を給水槽50に供給することができる。
本実施形態の無放流型水循環式簡易水洗トイレ1は、各槽から発生する気体を排気する排気手段を有することが好ましい。図2〜8に示した水洗トイレ1は、各槽の上部と水洗トイレ1の外部とを繋ぐパイプ98と排気ファン96とを有している。これらによって、各槽から発生した二酸化炭素等の気体を外部へ排気することができる。
なお、以上の実施形態では具体的なトイレの発明として説明したが、トイレにおける汚水を浄化する方法の発明として捉えることも可能である。
具体的には、水を用いて便器中の汚物を洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程によって便器を洗浄することで発生する、前記処理水と前記汚物との混合物である汚水を受け入れ、その汚水を加温手段により加温する受入工程と、分解菌を定植した多孔質材と曝気手段とを内部に備え、前記受入工程に供した汚水を分解菌の作用によって分解する曝気工程と、前記曝気工程に供した汚水を、加温手段により加温しつつ、分解菌を定植した多孔質材の中を通過させてろ過するろ過工程と、前記ろ過工程によってろ過された後の汚水を滅菌して処理水を得る滅菌工程と、前記処理水を、必要時に前記洗浄工程による洗浄に用いるために貯留する給水工程とを具備する汚水の浄化方法である。
このような本発明の汚水の浄化方法は、図2〜7を用いて説明した水洗トイレ1によって、実現することができる。
図1に示した水洗トイレ1を2カ月間使用し、処理水の成分などを分析した。2カ月の間には1日平均15人が約50回使用した。
具体的には、図1の受入槽10においてサンプリングした汚水(表1においては「原水」と記す)および図1の給水槽50においてサンプリングした処理水(表1においては「処理水」と記す)について、水素イオン濃度(pH)、浮遊物質量(ss、mg/L)、生物化学的酸素要求量(BOD、mg/L)、化学的酸素要求量(COD、mg/L)、大腸菌群数(個/cm3)、および水温(℃)を測定した。
測定結果を表1に示す。
Figure 0004863179
表1に示すように、処理水の測定値は、いずれも下水道排除基準値および水質汚濁防止法による基準値を満たすものであることを確認できた。
1 水洗トイレ
2 便器
3 処理水
4 汚水
5 スクリーン
6 多孔質材
7 曝気手段
70 散気筒
71 曝気ブロワ
72 パイプ
8 し渣籠
10 受入槽
12 加温器
20 曝気槽
21 壁
201 第1の曝気槽
202 第2の曝気槽
30 ろ過槽
32 加温器
33 ろ材
40 滅菌槽
41 滅菌器
50 給水槽
51 給水ポンプ
80 補給水タンク
90 集水手段
92 屋根
94 孔
96 排気ファン
98 パイプ

Claims (2)

  1. 水を用いて便器中の汚物を洗浄する洗浄手段と、
    分解菌を定植した多孔質材を内側底部に備え、前記洗浄手段によって便器を洗浄することで発生する前記水と前記汚物との混合物である汚水を受け入れる受入槽と、
    分解菌を定植した多孔質材並びに曝気手段を内部に備え、前記受入槽から流れ込む汚水を分解菌の作用によって分解する曝気槽と、
    前記曝気槽からオーバーフローした汚水を、分解菌を定植した多孔質材の中を通過させてろ過するろ過槽と、
    前記ろ過槽にて、ろ過された後の汚水を滅菌して処理水を得る滅菌槽と、
    得られた処理水を、必要時に前記洗浄手段による洗浄に用いるために貯留する給水槽と、
    前記受入槽、前記曝気槽および前記ろ過槽からなる群から選ばれる少なくとも一つの槽に設置され、その内部の水を加温する加温手段とを具備した無放流型水循環式簡易水洗トイレにおいて、
    前記受入槽、前記曝気槽の内部であって、分解し難い汚物を一旦貯留するとともに、内部に分解菌を定植した多孔質材が設置されたし渣籠を、各槽の長辺方向に沿って設置し、
    前記受入槽、曝気槽内の該し渣籠の開口部よりも低い位置に、前記曝気手段としての散気筒を、該し渣籠と対向する各槽の長辺方向に沿って設置し、各槽内の汚水を該し渣籠側へ対流させることにより、汚水を該し渣籠の開口部へ導くように構成し、分解し難い汚物を該し渣籠内に滞留させて、該し渣籠内で分解を促進させることを特徴とする無放流型水循環式簡易水洗トイレ。
  2. 前記し渣籠は、その長辺方向の寸法が前記受入槽および/または前記曝気槽内部の長辺方向の寸法と、略同一の長さ寸法を有していることを特徴とする請求項1に記載の無放流型水循環式簡易水洗トイレ。
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