JP4862606B2 - ガス遮断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス遮断装置に関し、特に、通信手段を用いてガス配管の漏洩検査タイミングを的確に設定する手段に関するものである。
従来、この種のガス遮断装置としては、通過ガス量に対応した流量信号を出力する流量測定部と、装置から下流側のガス通路を遮断開放する遮断部と、流量信号を監視し特定調査期間の間に流量信号が存在しない無流量時間帯を検出して保持し以後無流量時間帯になると圧力検査要求信号を出力する流量無し学習部と、無流量時間帯でかつ流量信号を受信しないときに遮断部へガス通路を遮断指示し圧力の変動を検出する圧力検知部に遮断したガス通路が所定時間内に所定値以上の圧力低下をしていないかを検知指示する圧力検査部とを備えたガス遮断装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、供給側ガス配管と需要側ガス配管との間に設けられて、需要側ガス設備におけるガス漏れを検知するガス漏れ検知装置であって、ガスの流量を検出する検出手段と、需要家がガス設備を使用する可能性が低いことを判断するガス使用可能性判断手段と、ガスを遮断する自動開閉可能な遮断弁と、この遮断弁の需要側の圧力を検出するガス圧検出手段と、ガス使用可能性判断手段より、ガス使用可能性が低いとの信号を入力されたときに、遮断弁を閉とし、その後所定時間ガス圧検出手段の検出ガス圧を監視し、この間にガス圧がある程度以上低下したことが検出された場合にガス漏れ有と判断してガス漏れ信号を発し、ガス圧の低下が検出されなかった場合は遮断弁を開とする制御手段と、この制御手段よりのガス漏れ信号を入力されて需要家に警報を発する警報指令手段とを具備したガス漏れ検知装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、ガスが通過するガス流路と、このガス流路に設けられこのガス流路を遮断するためのガス遮断弁と、ガス流路に設けられこのガス流路を通過するガスの流量を計測するガス流量計と、ガス流路に設けられこのガス流路内のガスの圧力を検出するガス圧力検出センサと、所定時間以上ガス器具を使用していると判断できるガス流量がガス流量計によって計測されなかった場合にガス遮断弁を駆動してガス流路を遮断しガス圧力検出センサを用いてガスの圧力を監視しこのガスの圧力の変動量に基づいて微量のガス漏れの有無を検査する微量ガス漏れ検査手段と、この微量ガス漏れ検査手段による検査中にガス圧力検出センサによって検出されるガスの圧力の急激な変動を検出する圧力変動検出手段と、この圧力変動検出手段によってガスの圧力の急激な変動が検出されたときにガス器具が使用されたと判断して微量ガス漏れ検査手段による検査を中断しガス遮断弁を開ける検査中断手段を具備したガスメータが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平8−121763号公報 特開平8−5502号公報 特開平7−77447号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の構成は、流量無時間帯を使用パターンの学習制御により求め、この流量無時間帯に所定のガス漏洩検査を実施するというものであって、需要家の承諾を得ることなく、その需要家の器具使用パターンから器具を使用しない期間を求めて自動的にガス遮断弁を駆動してガス漏れの検査を行うというものであり、通常の生活パターンと異なる器具使用が発生した場合とガス漏洩検査の時期が一致した場合にガスの供給ができなくなる場合があり、需要家からガス事業者に対しての問い合
わせが発生する。
また、上記特許文献2に開示された従来の構成は、流量信号を一日の時間帯と関連付けて記憶し、一日の時間帯においてガス設備使用可能性が最も少ない時間帯を選定し、該時間帯に入ったことをもってガス使用可能性が低いと判断するガス使用可能性判断手段から検査開始信号が出力されたとき、所定のガス漏洩検査を実施するというものであって、本文献のものも特許文献1と同様、需要家の承諾を得ることなく、自動的に漏洩検査開始タイミングを判断して行うものであり、通常の生活パターンと異なる器具使用が発生した場合とガス漏洩検査の時期が一致した場合にガスの供給ができなくなる場合があり、需要家からガス事業者に対しての問い合わせが発生するという同種の課題を有している。
さらに、上記特許文献3に開示された従来の構成のものも、微量ガス漏れ検査手段から検査開始信号が出力されたとき、所定のガス漏洩検査を実施するというものであって、本文献のものも特許文献1、2と同様、需要家の承諾を得ることなく、自動的に漏洩検査開始タイミングを判断して行うものである。ただ、器具使用開始が検出されたとき遮断弁を開状態に復帰させる検査中断手段を備えているため、上記特許文献1、2の課題は解消することができるが、漏洩検査の開始及び完了を需要家に告知し、了解を得るという手段を備えていない点においては共通しているものである。
本発明は上記課題を解決するもので、複数の相手先と電話回線以外の通信回線を用いて直接送受信が可能な無線モジュールを搭載し、基地局を介してガス事業者から送信される漏洩検査指令を受信すると表示端末装置に漏洩検査許可確認信号を送信し、表示端末装置の画面上に要否確認を含む漏洩検査情報を表示すると共に要否確認信号を受信し、要否確認信号が要の場合、所定の漏洩確認動作を実施するようにしたことで、漏洩検査の開始及び完了を需要家に告知し、了解を得ることが容易に可能となり、ガス漏れ自動検査における需要家とのトラブルを回避できるガス遮断装置を提供するものである。
上記従来の課題を解決するために本発明のガス遮断装置は、ガスメータを経由した後の配管に接続される複数のガス器具の使用状況を監視するとともに、複数の相手先と電話回線以外の通信回線を用いて直接送受信が可能な無線モジュールを搭載したガス遮断装置であって、ガスメータには、ガス流量を計測する流量計測手段と、ガス流路の遮断及び開放動作が可能なガス遮断弁と、前記流量計測手段の計測結果に基づく各種情報を記憶する情報記憶手段と、ガス流路内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記遮断弁が遮断状態にあるときの前記圧力検出手段の出力よりガス漏洩状態を判断する漏洩判断手段と、前記流量計測手段や漏洩判断手段等を構成する制御回路と、複数の相手先と情報の送受信を行う無線モジュールとを備え、前記無線モジュールは、前記制御回路と一体的に構成して前記ガスメータ内に収納し、少なくとも基地局との通信周波数帯と表示端末装置との通信周波数帯を有し、前記基地局から送信される漏洩検査指令を受信すると前記表示端末装置に漏洩検査許可確認信号を送信し、前記表示端末装置の画面上に要否確認を含む漏洩検査情報を表示すると共に要否確認信号を受信し、要否確認信号が要の場合、所定の漏洩確認動作を実施するようにしたものである。
上記発明によれば、電話回線以外の無線通信手段を用いて基地局との通信が可能な無線モジュールと、流量計測手段の計測結果に基づく各種情報および定期的に実施するガス配管の漏洩検査情報を特定小電力無線等の無線通信手段を用いてテレビや携帯電話等の表示端末装置との通信が可能な無線モジュールとを、ガスメータ内の流量計測用制御回路基板に一体的に組み込んだ形態としているため、ガスメータを設置するだけで基地局と電話回線を用いることなく通信が可能となり、回線の混雑状況に影響を受けず基地局からの検針要求指令や異常復帰指示さらには定期的な漏洩検査指令等の情報をスムーズに伝達するこ
とができ、ガスメータからは基地局からの指令に基づく検針値データや異常発生時の情報さらには漏洩検査の許可応答信号をスムーズに伝達することができ、従来のように作業者が需要家宅まで出向いて検針を行ったり、漏洩検査の承諾を得たのち検査作業を行うという手間の必要がなく、かつガス漏れ等の異常時に回線の混雑でセンターに通報することができないという不具合を解消することができる。
また、ガスメータからは基地局に送信した検針値データに基づく所定期間毎の料金情報をテレビや携帯電話等の表示端末装置に送信することができるため、このテレビや携帯電話等を用いて表示することで、従来のようにセンターから郵送等で行っていた料金情報の送付作業を省略することができ、かつガス遮断弁が作動した場合の復帰方法に関してもテレビや携帯電話でビジュアルに表示することで復帰作業に伴う作業員の出動を低減することができ、さらには基地局から送信される漏洩検査指令を受信するとテレビや携帯電話等の表示端末装置に漏洩検査許可確認信号を送信し、テレビや携帯電話等の画面上に漏洩検査の実施が可能か否かの要否確認を含む漏洩検査情報を表示することができ、この要否確認に応答してガスメータに要否確認信号を返信することで、ガス事業者は需要家が漏洩検査の実施を承諾したことを確認することができ、合理的な情報伝達システムを構築することができる。
本発明のガス遮断装置は、ガスメータを設置するだけで基地局と電話回線を用いることなく通信が可能となり、回線の混雑状況に影響を受けず基地局からの検針要求指令や異常復帰指示さらには定期的な漏洩検査指令等の情報をスムーズに伝達することができ、ガスメータからは基地局に送信した検針値データに基づく所定期間毎の料金情報をテレビや携帯電話等の表示端末装置に送信することができるため、このテレビや携帯電話等を用いて表示することで、従来のようにセンターから郵送等で行っていた料金情報の送付作業を省略することができ、かつガス遮断弁が作動した場合の復帰方法に関してもテレビや携帯電話でビジュアルに表示することで復帰作業に伴う作業員の出動を低減することができ、さらには基地局から送信される漏洩検査指令を受信するとテレビや携帯電話等の表示端末装置に漏洩検査許可確認信号を送信し、テレビや携帯電話等の画面上に漏洩検査の実施が可能か否かの要否確認を含む漏洩検査情報を表示することができ、この要否確認に応答してガスメータに要否確認信号を返信することで、ガス事業者は需要家が漏洩検査の実施を承諾したことを確認することができ、合理的な情報伝達システムを構築することができる。
第1の発明は、ガスメータを経由した後の配管に接続される複数のガス器具の使用状況を監視するとともに、複数の相手先と電話回線以外の通信回線を用いて直接送受信が可能な無線モジュールを搭載したガス遮断装置であって、ガスメータには、ガス流量を計測する流量計測手段と、ガス流路の遮断及び開放動作が可能なガス遮断弁と、前記流量計測手段の計測結果に基づく各種情報を記憶する情報記憶手段と、ガス流路内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記遮断弁が遮断状態にあるときの前記圧力検出手段の出力よりガス漏洩状態を判断する漏洩判断手段と、前記流量計測手段や漏洩判断手段等を構成する制御回路と、複数の相手先と情報の送受信を行う無線モジュールとを備え、前記無線モジュールは、前記制御回路と一体的に構成して前記ガスメータ内に収納し、少なくとも基地局との通信周波数帯と表示端末装置との通信周波数帯を有し、前記基地局から送信される漏洩検査指令を受信すると前記表示端末装置に漏洩検査許可確認信号を送信し、前記表示端末装置の画面上に要否確認を含む漏洩検査情報を表示すると共に要否確認信号を受信し、要否確認信号が要の場合、所定の漏洩確認動作を実施するようにしたことを特徴とするものである。
そして、電話回線以外の無線通信手段を用いて基地局との通信が可能な無線モジュール
と、流量計測手段の計測結果に基づく各種情報および定期的に実施するガス配管の漏洩検査情報を特定小電力無線等の無線通信手段を用いてテレビや携帯電話等の表示端末装置との通信が可能な無線モジュールとを、ガスメータ内の流量計測用制御回路基板に一体的に組み込んだ形態としているため、ガスメータを設置するだけで基地局と電話回線を用いることなく通信が可能となり、回線の混雑状況に影響を受けず基地局からの検針要求指令や異常復帰指示さらには定期的な漏洩検査指令等の情報をスムーズに伝達することができ、ガスメータからは基地局からの指令に基づく検針値データや異常発生時の情報さらには漏洩検査の許可応答信号をスムーズに伝達することができ、従来のように作業者が需要家宅まで出向いて検針を行ったり、漏洩検査の承諾を得たのち検査作業を行うという手間が必要がなく、かつガス漏れ等の異常時に回線の混雑でセンターに通報することができないという不具合を解消することができる。
また、ガスメータからは基地局に送信した検針値データに基づく所定期間毎の料金情報をテレビや携帯電話等の表示端末装置に送信することができるため、このテレビや携帯電話等を用いて表示することで、従来のようにセンターから郵送等で行っていた料金情報の送付作業を省略することができ、かつガス遮断弁が作動した場合の復帰方法に関してもテレビや携帯電話でビジュアルに表示することで復帰作業に伴う作業員の出動を低減することができ、さらには基地局から送信される漏洩検査指令を受信するとテレビや携帯電話等の表示端末装置に漏洩検査許可確認信号を送信し、テレビや携帯電話等の画面上に漏洩検査の実施が可能か否かの要否確認を含む漏洩検査情報を表示することができ、この要否確認に応答してガスメータに要否確認信号を返信することで、ガス事業者は需要家が漏洩検査の実施を承諾したことを確認することができ、合理的な情報伝達システムを構築することができる。
第2の発明は、漏洩確認動作は、基地局から送信される漏洩検査開始信号を受信すると流量計測手段で流量の有無を確認し、流量なしの場合にガス遮断弁を閉じて圧力検出手段で検出されるガス圧変化が所定範囲内にあるか否かで漏洩状態を確認し、流量ありの場合は流量なしの状態が確認されるまで待機状態としたことを特徴とするものである。
そして、基地局からの漏洩検査許可確認信号に応答して需要から承諾信号が返信された状態で漏洩検査開始信号を送信し、流量なし状態が確認されたとき所定の漏洩確認動作を行うようにしているため、需要家のガス器具使用への影響を少なくした状態で漏洩検査を実施することができ、かつ漏洩検査の実施を需要家が承諾した状態で実施することができる。
第3の発明は、漏洩確認動作が実施されたとき、経過情報を残時間あるいは完了予定時刻等で表示端末装置に表示するようにしたことを特徴とするものである。
そして、漏洩検査が実施されたとき、その状況をテレビや携帯電話等の表示端末装置で検査完了までの残時間あるいは検査が完了する予定時刻などの情報として表示することで、需要家に対して器具の使用を差し控えてもらうことが可能となり、器具使用に伴う検査の中断等のトラブルを抑制することができる。
第4の発明は、漏洩確認動作が実施され流量ありが確認されたとき、流量なし状態への待機状態であることを表示端末装置に表示するようにしたことを特徴とするものである。
そして、漏洩確認動作の開始において器具使用等により流量ありが確認されたときは器具の使用が停止されるまで待機状態とし、その状況をテレビや携帯電話等の表示端末装置で表示することで、需要家に対して器具の使用を差し控えてもらうことが可能となり、器具使用に伴う検査の中断等のトラブルを抑制することができる。
第5の発明は、漏洩確認動作の実施中に急激なガス圧変化が確認されたとき、遮断弁を開状態に復帰して漏洩確認動作を中断すると共に、中断状態であることを表示端末装置に表示するようにしたことを特徴とするものである。
そして、漏洩検査の実施中にガス圧検出手段で検出されるガス圧が急激に減少方向に変化したときガス器具が使用されたと判断して、遮断弁を開状態に復帰させてガスの供給を開始して漏洩検査を中断しガス器具の使用を優先させると共に、その状況をテレビや携帯電話等の表示端末装置で表示することで、需要家に対して器具の使用を最小限に抑えてもらうことが可能となり、器具使用に伴う検査の中断等のトラブルを抑制することができる。
第6の発明は、漏洩検査結果を基地局に通報し復帰許可指令を受信すると、遮断弁を開状態に復帰してガスの供給動作を可能にすると共に、漏洩検査結果で問題がなく正常に復帰したことを表示端末装置に表示するようにしたことを特徴とするものである。
そして、漏洩検査が完了するとその結果を基地局に送信し、異常がない場合基地局から送信される復帰許可指令に基づいて遮断弁を開状態に復帰させてガスの供給を開始すると共に、その状況をテレビや携帯電話等の表示端末装置で表示することで、需要家に対してガス漏れ等の異常がなく検査が完了したことを報知することができる。
第7の発明は、漏洩検査結果を基地局に通報し復帰禁止指令を受信すると、遮断弁を遮断状態に保持してガスの供給動作を不可にすると共に、漏洩検査結果で問題が発生し修理が必要であることを表示端末装置に表示するようにしたことを特徴とするものである。
そして、漏洩検査が完了するとその結果を基地局に送信し、異常がある場合基地局から送信される復帰禁止指令に基づいて遮断弁を閉状態に保持してガスの供給を停止すると共に、その状況をテレビや携帯電話等の表示端末装置で表示することで、需要家に対して修理が必要であること、修理完了までガスの供給が停止されることを報知することができるため、検査完了に伴うトラブルを抑制することができる。
第8の発明は、表示端末装置はテレビあるいは携帯電話とし、ガス遮断装置に内蔵の無線モジュールと同一の通信周波数帯を有する無線モジュールを内蔵あるいは一体的に取り付けたことを特徴とするものである。
そして、ガスメータに内蔵の無線モジュールと同一の通信周波数帯を有する無線モジュールをテレビあるいは携帯電話に設けることで、ガスメータから送信される各種表示情報をテレビあるいは携帯電話の表示部で表示することができ、従来の郵送等による情報伝達に代えて合理的な情報伝達システムを構築することができる。
第9の発明は、基地局との通信用無線モジュールと表示端末装置との通信用無線モジュールをそれぞれ別々に備えたことを特徴とするものである。
そして、ガスメータへの収納形態として、基地局と表示端末装置用の無線モジュールをそれぞれ別々に組み込む構成としているため、伝達情報に対応して無線モジュールを選択するだけで基地局あるいは表示端末装置との通信を容易に行うことができ、かつ基地局と表示端末装置との通信を同時に行うことも可能となり、使い勝手の向上が図れる。
第10の発明は、基地局と表示端末装置との通信を通信周波数帯を切り替えることで1つの無線モジュールを用いて行うようにしたことを特徴とするものである。
そして、ガスメータへの収納形態として、基地局と表示端末装置を1つの無線モジュールで通信周波数帯を切り替えて行うようにしているため、基板構成の簡素化が図れると共に電池消耗を抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置と基地局及び需要家宅との通信形態の全体構成図、図2は同ガス遮断装置の外観及び構成部品を示す図、図3は同ガス遮断装置の内部構成図、図4は同ガス遮断装置の制御回路基板の構成ブロック図である。
各家庭のガス供給管1の入口部分にガスメータ2が設置され、このガスメータ2を経由した後のガス配管3から分岐して家庭で使用する種々のガス器具が設置された場所まで配管されガスが供給される。例えば、屋外にはガス給湯器4が設置され、このガス給湯器4で生成される湯が水配管を介して台所の給湯栓5、浴槽やシャワー装置が設置された風呂6、リビング等に設置された床暖房7に供給され、種々の使用形態を形成している。
また、屋内にあっては、台所に設置されたガステーブル8、リビングや寝室等に設置されたガスファンヒータ9にガスが供給され、必要に応じて適宜使用される。
そして、設置されたガス器具が使用されガスの消費が発生するとガスメータ2でその使用量が計測され、そのデータが所定期間毎に累積記憶されている。このガスメータ2に記憶されたデータはガス事業者15からの定期的なデータ要求指令に基づいて所定の情報処理を行った後、ガス料金やガス使用量あるいはガス事業者15が提供する割引サービス等の情報として需要家13及びガス事業者15に送信される。
この送信手段としては、図2に示すようにガスメータ2に内蔵された流量計測手段を構成する制御回路基板10に一体的に組み込まれた無線モジュール11を用いて行い、この無線モジュール11はコネクタ10dで着脱自在に制御回路基板10にオンボードされ、無線モジュール11を搭載せず通信機能を有しないガスメータと無線モジュール11を搭載した通信機能を有するガスメータを任意に選択できる構成とし、ガスメータ2の共通化を図り、通信機能の有無に関係なく使用できるようにしている。
また、無線モジュール11を着脱自在な構成とすることで、通信機能を有する場合であっても通信規格を取得した無線モジュールを搭載すれば、ガスメータ本体で通信機としての規格を取得する必要がなく、ガスメータを変更する場合等において規制を受けることなく比較的自由に変更が可能となる。
そして、図4に示すように無線モジュール11は、基地局14と通信するために電話回線とは異なる、例えば200MHzの通信周波数帯を有する広域通信無線モジュール11aと、需要家宅13内のテレビ12aやパソコンあるいは携帯電話12b等の表示端末装置12と通信するために、例えば429MHzの特定小電力無線通信周波数帯を有するエリア通信無線モジュール11bで構成し、流量信号やセンサ信号に基づいてガス使用量の算出あるいは地震、ガス漏れ等の異常検知を行う制御回路10aからのデータ、さらには基地局14を介してガス事業者15から送信される定期的に実施するガス配管の漏洩検査指令を受信すると、そのデータに応じて、例えばガス料金、ガス使用量あるいは地震、ガス漏れ等の異常発生に伴うガス遮断弁の作動、さらには漏洩検査の実施が可能か否かの要否確認を含む漏洩検査情報等、需要家に報知すべき内容の場合はエリア通信無線モジュー
ル11bを用いて需要家宅13内のテレビ12aあるいは携帯電話12b等の表示端末装置12に表示データを送信する。
そして、図5に示すように表示端末装置12にもガスメータ2に内蔵してあるエリア通信無線モジュール11bと同一の通信周波数帯を有する無線モジュール11cを内蔵あるいは一体的に取り付けることで、ガスメータ2から送信される表示データを受信することができ、この表示データをテレビ12aあるいは携帯電話12bの画面を通じて表示することで、ガスメータから直接需要家に対して情報の伝達を行うことができ、従来のように、ガスメータ2からガス事業者15にデータを送信し、ガス事業者15でデータ処理を行った情報、あるいはガス事業者15が定期的に行う漏洩検査情報、例えば料金通知や漏洩検査を実施する通知等の葉書を郵送等で需要家に送付するという情報伝達方法を採用する必要がなくなるため、通知作業に要する工数を削減でき、かつ通知用葉書等の郵送費用の発生もなくなり、通知業務の合理化を実現することでガス料金の低減に寄与するものである。
また、ガスメータ2から表示端末装置12に各種情報を送信した場合は、エリア通信無線モジュール11bから広域通信無線モジュール11aに報知完了信号を送り、広域通信無線モジュール11aはこの報知完了信号を基地局14に送信し、ガス事業者15に需要家への情報伝達が完了したことを通知する。なお、この場合、表示端末装置12からの応答信号を受信して報知完了信号を送信することが好ましく、特にガス事業者15が行う定期的な漏洩検査の通知に関しては、基地局から送信される漏洩検査指令を受信するとテレビ12aや携帯電話12b等の表示端末装置12に漏洩検査許可確認信号を送信し、テレビ12aや携帯電話12b等の画面上に漏洩検査の実施が可能か否かの要否確認を含む漏洩検査情報を表示し、需要家の要否確認に応答してガスメータ2に要否確認信号を返信することで、ガス事業者15は需要家が漏洩検査の実施を承諾したことを確認することができ、より確実に需要家への情報伝達を行うことができ、合理的な情報伝達システムを構築することができる。
ここで、情報伝達の一例を説明すると、まずガス事業者15からの検針指示が基地局14を介して広域通信周波数帯(200MHz)で送信された場合、ガスメータ2に内蔵してある広域通信無線モジュール11aが受信し、その検針指示情報が同一基板に搭載してある制御回路10aに送られる。制御回路10aには流量計測手段で計測された流量データが所定期間毎に累積され、その累積データ、あるいは料金データに変換した情報が情報記憶手段10bに記憶されており、ガス事業者15からの検針指示情報が入力されると制御回路10aは情報記憶手段10bの流量累積データ、あるいは料金データに変換した情報を通信切替手段10cを介してエリア通信無線モジュール11b及び広域通信無線モジュール11aに送り、広域通信無線モジュール11aは広域通信周波数帯(200MHz)で基地局14に送信し、基地局14から専用回線を用いてガス事業者15に検針情報が伝達される。また、エリア通信無線モジュール11bは特定小電力無線通信周波数帯(429MHz)でテレビ12a等の表示端末装置12に一体的に取り付けた無線モジュール11cに送信し、画面上に例えば、図6(a)に示すような料金情報や使用量を表示する。そして、表示端末装置12への送信が完了すると、上記した如く、報知完了信号をガス事業者15に送信し、需要家への情報伝達が完了したことを通知する。
また、地震や衝撃等で遮断弁が作動した場合において原因究明がなされ、ガス事業者15からの復帰指示が基地局14を介して広域通信周波数帯(200MHz)で送信された場合、ガスメータ2に内蔵してある広域通信無線モジュール11aが受信し、その復帰指示情報が同一基板に搭載してある制御回路10aに送られる。制御回路10aは復帰指示情報が入力されると、情報記憶手段10bに記憶されている復帰作業に関する情報を通信切替手段10cを介してエリア通信無線モジュール11bに送り、エリア通信無線モジュ
ール11bは特定小電力無線通信周波数帯(429MHz)でテレビ12a等の表示端末装置12に一体的に取り付けた無線モジュール11cに送信し、画面上に例えば、図6(b)に示すような復帰作業の手順を表示する。そして、表示端末装置12への送信が完了すると、上記した如く、報知完了信号をガス事業者15に送信し、需要家への情報伝達が完了したことを通知する。
以上のように、制御回路10aには伝達する情報に応じて通信する相手先に対応して通信周波数帯の異なる無線モジュールを選択すべく通信切替手段10cを有しており、例えば、ガス事業者15からの検針指示の場合は、ガス事業者15と表示端末装置12に情報記憶手段10bの記憶情報を伝達する必要があり、この場合は、例えば200MHzの通信周波数帯を有する広域通信無線モジュール11aと、例えば429MHzの特定小電力無線通信周波数帯を有するエリア通信無線モジュール11bを選択し、ガス事業者15からの復帰指示の場合は、表示端末装置12に情報記憶手段10bの記憶情報を伝達するだけでよく、この場合は、例えば429MHzの特定小電力無線通信周波数帯を有するエリア通信無線モジュール11bを選択すればよい。
なお、広域通信無線モジュール11aとエリア通信無線モジュール11bはそれぞれ別々に設けてもよく、共通の無線モジュールとし通信周波数帯を広域通信周波数帯と特定小電力無線通信周波数帯で切替えるようにしてもよいもので、前者の場合、通信切替手段10cは広域通信無線モジュール11aとエリア通信無線モジュール11bを選択する必要があり、同時通信が可能というメリットがある反面、設置スペース大やコスト高というデメリットを有している。後者の場合、通信切替手段10cは通信相手先に応じて通信周波数帯を切替える必要があり、設置スペース小やコスト安というメリットがある反面、同時通信ができず交互通信になるというデメリットを有している。
次に、制御回路10aに内蔵されたガス流量を計測する流量計測手段について簡単に説明すると、ガスメータ2には図2、図3に示すように、ガス入口2aとガス出口2bを有し、その間のガス流路内に異常時にガスを遮断する遮断弁2cとガス流量を計測する一対の超音波センサ17が設けられ、その下流側にガス圧を検出する圧力センサ2dが配置されている。また、超音波センサ17からの信号でガス流量を算出する制御回路10aを搭載した制御回路基板10がガスメータ2の表示部2eに液晶表示器10eを臨ますように配置され、さらに、制御回路10aを駆動させるための電池2fが収納されている。また、遮断弁2cが作動した後の復帰動作を手動で行う手段として復帰ボタン2gが配置されている。
そして、ガス流量を計測する流量計測部17と制御回路10aは、例えば図7に示すように、ガス流路に一対の超音波センサを配置し流路を流れる流量に応じて変化する伝播時間を計測することで流量を測定するものがある。以下、その構成を説明すると、超音波を送信または受信する第1送受信器17Aと受信または送信する第2送受信器17Bが流れ方向に配置され、制御回路10aを構成する切換手段を有する計測制御部18によって送受信の切り換えが可能になっており、ガス等の流体の流れ状態を検出している。この第1送受信器17Aと第2送受信器17Bの信号を処理して流量を計測するもので、具体的には、まず計測制御部18により第1送受信器17Aを駆動し、第2送受信器17Bに向け、すなわち上流から下流に超音波を送信する。そして第2送受信器17Bで受信した信号を計測制御部18に設けた増幅手段により増幅し、この増幅された信号は基準信号と比較され、基準信号以上の信号が検出された後、計測制御部18に設けた繰り返し手段により上記の送受信を所定の回数を繰り返し、それぞれの時間値を計測制御部18に設けたタイマカウンタのような計時手段で計測する。
次に、切換手段を有する計測制御部18で第1送受信器17Aと第2送受信器17Bの
送受信を切換えて、第2送受信器17Bから第1送受信器17A、すなわち下流から上流に向かって超音波信号を送信し、この送信を前述のように繰り返し、それぞれの時間値を計測する。そして、第1送受信器17Aと第2送受信器17Bとの超音波の伝搬時間差から流路16の大きさや流体の流れ状態を考慮して信号処理手段19で流量値を求める。求められた流量データは情報記憶手段10bで累積され、所定期間毎の累積データとして記憶される。
また、流量計測部17が配置された流路16内には異常時等にガスの流れを遮断する遮断弁2cが設けられ、信号処理手段19で求められる流量値が異常に多い場合や通常考えられる使用時間を超えて流量値が検出されるような場合に異常と判断して遮断弁2cを作動させてガス流路16を遮断する。また、振動センサや圧力センサ2dから地震や衝撃、あるいは異常なガス圧の信号が入力されると、情報記憶手段10bを介して遮断弁2cを作動させてガス流路16を遮断する。
次に、ガス事業者15が定期的に実施するガス配管の漏洩検査について説明する。
ガス事業者15は漏洩検査の実施時期がくると、基地局14を介して電話回線以外の通信回線、例えば広域通信周波数帯(200MHz)で直接ガスメータ2に漏洩検査指令情報を送信する。この漏洩検査指令をガスメータ2に内蔵の広域通信無線モジュール11aが受信すると、制御回路10aは通信切替手段10cによりエリア通信無線モジュール11bを用いてテレビ12aや携帯電話12b等の表示端末装置12に漏洩検査許可確認信号を送信し、テレビ12aや携帯電話12b等の画面上に漏洩検査の実施が可能か否かの要否確認を含む漏洩検査情報を表示する、例えば図7(a)に示すように、「定期ガス漏れ検査を実施します」「○○日の実施が可能か否か応答してください」というメッセージと共に、「可」または「否」の選択表示を行い、リモコンの特定キーを操作することでどちらかが選択でき、その選択信号を表示端末装置12に一体的に取り付けた無線モジュール11cよりガスメータ2のエリア通信無線モジュール11bに応答信号として送信する。
エリア通信無線モジュール11bが表示端末装置12から「可」の応答信号を受信すると、制御回路10aは通信切替手段10cにより広域通信無線モジュール11aを用いて基地局14に「可」の応答信号を送信する。この応答信号よりガス事業者15は需要家が漏洩検査の実施を承諾してくれたと判断して、基地局14を介してガスメータ2に漏洩検査開始信号を送信し、ガスメータ2は所定の漏洩確認動作モードに入る。
また、エリア通信無線モジュール11bが表示端末装置12から「否」の応答信号を受信するか、応答信号を受信しない場合は、制御回路10aは通信切替手段10cにより広域通信無線モジュール11aを用いて基地局14に「否」の応答信号を送信する。この応答信号よりガス事業者15は指定した日の漏洩検査は需要家にとって都合が悪いと判断して、再度検査日を変更して上記同様の漏洩検査指令情報を送信する。この情報伝達を繰り返して需要家から「可」の応答信号が送信された時点でガスメータ2を所定の漏洩確認動作モードに設定する。
ガスメータ2が漏洩確認動作モードに設定されると、予め求めてある一日のうち比較的ガス器具の使用が少ない時間帯に漏洩検査開始信号を出力し、まず流量計測手段17によりガス流路内にガスの流れが存在するか否かを計測する。流量計測手段17により流量ありが検出された場合はガス器具が使用されていると判断して、ガス器具の使用が停止され流量なしが検出されるまで待機モードとして漏洩確認動作を一時中断する。
そして、流量なしが検出されるとガス遮断弁2cを強制的に遮断してガス遮断弁2cの
下流側に設けたガス圧検出手段である圧力センサ2dで検出されるガス流路内のガス圧を制御回路10aに設けた漏洩判断手段25で監視し、所定期間内のガス圧変化が所定の範囲を超えて低下する場合にガス漏れが有りと判断してガス遮断弁2cの復帰動作を禁止する。また、所定期間内のガス圧変化が所定の範囲内の場合はガス漏れ無しと判断してガス遮断弁2cの復帰動作を行う。
また、漏洩確認動作が開始されるとガスメータ2に内蔵のエリア通信無線モジュール11bを用いてテレビ12a等の表示端末装置12にその経過情報を表示するようにしており、例えば図7(b)に示すように、「ガス漏れ検査実施中です」「あと、○○分で完了します」というメッセージと共に、残時間をビジュアルに表示する。なお、経過情報の表示形態としては上記に限定されるものではなく、完了予定時刻を表示してもよく、単に検査中であることだけを表示するようにしてもよい。
また、他の表示形態としては、漏洩確認動作が実施され流量ありが確認されたとき、流量なし状態への待機状態であることを表示端末装置に表示するようにしてもよく、これにより需要家に検査開始段階であることを通知し、需要家に対して器具の使用を差し控えてもらうことが可能となり、器具使用に伴う検査の中断等のトラブルを抑制することができる。
また、上記漏洩確認動作中に圧力センサ2dが急激な低下方向の圧力変化を検出したときは器具栓が開放され使用開始状態にあると判断して、ガス遮断弁2cを開放状態にしてガスの供給動作を開始し、漏洩確認動作を一時的に中断する。そして、このときも表示端末装置12の画面上に漏洩確認動作を一時中断したことを表示するようにし、これにより需要家に検査中であることを通知し、器具の使用を最小限に抑えてもらうことが可能となり、器具使用に伴う検査の中断等のトラブルを抑制することができる。
そして、上記漏洩検査結果は広域通信無線モジュール11aを用いて基地局14に送信され、ガス事業者15はこの漏洩検査結果より異常がないと判断した場合は復帰許可指令を送信し、広域通信無線モジュール11aがこの指令を受信すると、制御回路10aはガス遮断弁2cを開状態に復帰してガスの供給を開始すると共に、通信切替手段10cによりエリア通信無線モジュール11bを用いてテレビ12a等の表示端末装置12に検査完了信号を送って、画面上に検査が完了したこと、異常がなかったことを表示する。
また、上記検査結果において異常があると判断された場合は復帰禁止指令を送信し、広域通信無線モジュール11aがこの指令を受信すると、制御回路10aはガス遮断弁2cを閉状態に保持してガスの供給を停止すると共に、通信切替手段10cによりエリア通信無線モジュール11bを用いてテレビ12a等の表示端末装置12に検査異常信号を送って、画面上にガス漏れが確認されたこと、修理が必要なこと、ガス供給ができないこと等を表示するようにしている。
以上のように本発明のガス遮断装置は、複数の相手先と電話回線以外の通信回線を用いて直接送受信が可能な無線モジュールを搭載し、基地局を介してガス事業者から送信される漏洩検査指令を受信すると表示端末装置に漏洩検査許可確認信号を送信し、表示端末装置の画面上に要否確認を含む漏洩検査情報を表示すると共に要否確認信号を受信し、要否確認信号が要の場合、所定の漏洩確認動作を実施するようにしたことで、漏洩検査の開始及び完了を需要家に告知し、了解を得ることが容易に可能となり、ガス漏れ自動検査における需要家とのトラブルを回避できるものである。
また近年、超音波センサを用いたガスメータにあっては瞬時流量が簡単に測定できるため、ガス漏れ等の保安機能以外に、器具判別機能を利用して各種サービスの提供が検討さ
れている。
その一例を示すと、使用器具や用途に応じてガス料金の割引率を設定しようとするもので、超音波センサによる瞬時流量計測機能を用いた器具判別手段で使用ガス器具あるいは用途を特定し、器具別或いは用途別に使用量を求め、予め定めた割引率を適用してガス料金を算出することで、ガス利用の促進と需要家へのサービス提供を行うものである。
その具体的手段の一例として、使用するガス器具の種類を特定する器具信号を設定し登録する器具信号登録手段21と、使用するガス器具の用途別に使用形態を特定する用途別信号登録手段22と、この器具信号登録手段21及び用途別信号登録手段22の登録情報より予め定めた分類毎に家庭内の使用ガス器具を分類する器具分類手段23とを有する器具判別手段24が設けられている。
ここで、器具信号登録手段21は、例えば下表(表1)のように、器具の種類に応じて信号を設定登録する。
また、用途別信号登録手段22は、例えば下表(表2)のように、器具の用途別に使用形態を特定する信号を設定登録する。
また、器具分類手段23は、ガス事業者がガス器具の種類及び使用形態等からガス料金の割引対象分野を予め設定し分類したものに、上記(表1)及び(表2)で得られる情報より家庭内で使用するガス器具を当てはめ分類するもので、例えば下表(表3)のように、給湯器を用いて床暖房を行っている場合は割引Aとし、ガスファンヒータ等で温風暖房を行っている場合は割引Bとし、それ以外は標準として分類し、家庭内で使用しているガス器具を設定登録する。
そして、器具信号登録手段21、用途別信号登録手段22、器具分類手段23で構成される器具判別手段24からの登録信号に基づいてガス器具の使用状況に応じたガス使用量を監視する情報記憶手段10bを有している。この情報記憶手段10bは、流量計測部17の信号処理手段19で求められるガス流量値を入力し、器具分類手段23で分類された分野に該当するガス器具の登録情報と共に管理され、ガス事業者15から定期的に要求される検針指示情報を無線モジュール11、詳細には広域通信無線モジュール11aが受信すると、情報記憶手段10bの所定期間毎の累積流量データや割引率を反映した料金データ等の情報を取り出し、無線モジュール11、詳細には広域通信無線モジュール11aとエリア通信無線モジュール11bから基地局14と表示端末装置12に送信し、基地局14から専用回線を用いてガス事業者15に通知すると共に、表示端末装置12の画面を用いて需要家に所定期間のガス料金情報を通知する。
また、上記情報記憶手段10bで行う器具判別について概略を説明すると、器具判別手段24に記憶する登録データとして、例えば図8に示すような流量パターンを用いる。実際の登録データとしては、器具スタート時から例えば0.2秒毎の流量値のデータを所定時間分記憶したものである。なお、データの時間間隔としては0.2秒に限定する必要はなく、要求される器具判別能力により任意に設定できるものである。
流量計測部17では一定間隔毎にガス流量を計測し、新たに計測されたガス流量値が直前の値から所定値以上増加すると、新たな器具が使用されたと判断し、その流量変化と器具判別手段24に登録された器具のコードに対応する流量パターンと比較を行い、使用されている器具の判別を行う。
なお、本実施の形態では情報記憶手段10bは、分類された項目毎にガス器具の使用登録が有るか否かの情報と、トータルのガスの使用量を所定期間毎に管理するようにし、例えば冬場の暖房期間中は表3に示すように、床暖房と温風暖房の使用器具が登録された状態でガス使用量が管理され、夏場は割引対象分野の使用登録器具がない状態でガス使用量が管理されることになるが、これ以外にも、例えば、情報記憶手段10bに器具判別手段24で分類されたガス器具毎にガス使用量を求める機能を付加することで、より細かな分類が可能となり、多様なサービスの提供ができ、保安面においても充実させることができる。
また、本実施の形態では器具判別手段24の分類項目として、料金割引サービスを対象としたが、これに限定されるものではなく、保安サービス等、ガス事業者等が必要と考えるサービスを対象に器具別の監視方法を採用することができるものである。
そこで、上記器具判別機能を用いた一日の時間帯における使用器具別の分類または使用形態別の分類で、その家庭におけるガスの使用パターンを詳細に把握し、その使用パターンから不在等によるガス使用がないことを判断し、この不在判断からガスの漏洩検査を行うタイミングを設定することにも利用でき、また、器具判別機能を用いた季節判断によりガスの使用頻度が比較的多い冬場はガスの漏洩検査を行わず、ガスの使用頻度が比較的少ない夏場にガスの漏洩検査を行うというタイミング設定にも利用できるものである。
以上のように、本発明に係るガス遮断装置は、複数の相手先と電話回線以外の通信回線を用いて直接送受信が可能な無線モジュールを搭載し、基地局を介してガス事業者から送信される漏洩検査指令を受信すると表示端末装置に漏洩検査許可確認信号を送信し、表示端末装置の画面上に要否確認を含む漏洩検査情報を表示すると共に要否確認信号を受信し、要否確認信号が要の場合、所定の漏洩確認動作を実施するようにしたことで、漏洩検査の開始及び完了を需要家に告知し、了解を得ることが容易に可能となり、ガス漏れ自動検
査における需要家とのトラブルを回避できるもので、定期検査を必要とする各種メータにも適用できるものである。
本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置の通信形態を示す全体構成図 同ガス遮断装置の外観及び構成部品を示す図 同ガス遮断装置の内部構成図 同ガス遮断装置の制御回路基板の構成ブロック図 同ガス遮断装置と表示端末装置の通信形態を示す図 (a)同表示端末装置における料金情報表示形態を示す図(b)同表示端末装置における復帰情報表示形態を示す図 (a)同表示端末装置における漏洩検査情報表示形態を示す図(b)同表示端末装置における別の漏洩検査情報表示形態を示す図 同ガス遮断装置の制御ブロック図 同ガス遮断装置における器具判別用の流量パターンの一例を示す図
符号の説明
2 ガスメータ
2c ガス遮断弁
2d 圧力センサ(圧力検出手段)
10 制御回路基板
10a 制御回路
10b 情報記憶手段
10c 通信切替手段
11 無線モジュール
11a 広域通信無線モジュール
11b エリア通信無線モジュール
12 表示装置
12a テレビ
12b 携帯電話
14 基地局
17 流量計測手段
25 漏洩判断手段

Claims (10)

  1. ガスメータを経由した後の配管に接続される複数のガス器具の使用状況を監視するとともに、複数の相手先と電話回線以外の通信回線を用いて直接送受信が可能な無線モジュールを搭載したガス遮断装置であって、
    ガスメータには、ガス流量を計測する流量計測手段と、ガス流路の遮断及び開放動作が可能なガス遮断弁と、前記流量計測手段の計測結果に基づく各種情報を記憶する情報記憶手段と、ガス流路内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記遮断弁が遮断状態にあるときの前記圧力検出手段の出力よりガス漏洩状態を判断する漏洩判断手段と、前記流量計測手段や漏洩判断手段等を構成する制御回路と、複数の相手先と情報の送受信を行う無線モジュールとを備え、
    前記無線モジュールは、前記制御回路と一体的に構成して前記ガスメータ内に収納し、少なくとも基地局との通信周波数帯と表示端末装置との通信周波数帯を有し、
    前記基地局から送信される漏洩検査指令を受信すると前記表示端末装置に漏洩検査許可確認信号を送信し、前記表示端末装置の画面上に要否確認を含む漏洩検査情報を表示すると共に要否確認信号を受信し、要否確認信号が要の場合、所定の漏洩確認動作を実施するようにしたガス遮断装置。
  2. 漏洩確認動作は、基地局から送信される漏洩検査開始信号を受信すると流量計測手段で流量の有無を確認し、流量なしの場合にガス遮断弁を閉じて圧力検出手段で検出されるガス圧変化が所定範囲内にあるか否かで漏洩状態を確認し、流量ありの場合は流量なしの状態が確認されるまで待機状態とした請求項1記載のガス遮断装置。
  3. 漏洩確認動作が実施されたとき、経過情報を残時間あるいは完了予定時刻等で表示端末装置に表示するようにした請求項1または2記載のガス遮断装置。
  4. 漏洩確認動作が実施され流量ありが確認されたとき、流量なし状態への待機状態であることを表示端末装置に表示するようにした請求項1または2記載のガス遮断装置。
  5. 漏洩確認動作の実施中に急激なガス圧変化が確認されたとき、遮断弁を開状態に復帰して漏洩確認動作を中断すると共に、中断状態であることを表示端末装置に表示するようにした請求項1〜4のいずれか1項記載のガス遮断装置。
  6. 漏洩検査結果を基地局に通報し復帰許可指令を受信すると、遮断弁を開状態に復帰してガスの供給動作を可能にすると共に、漏洩検査結果で問題がなく正常に復帰したことを表示端末装置に表示するようにした請求項1〜5のいずれか1項記載のガス遮断装置。
  7. 漏洩検査結果を基地局に通報し復帰禁止指令を受信すると、遮断弁を遮断状態に保持してガスの供給動作を不可にすると共に、漏洩検査結果で問題が発生し修理が必要であることを表示端末装置に表示するようにした請求項1〜5のいずれか1項記載のガス遮断装置。
  8. 表示端末装置はテレビあるいは携帯電話とし、ガス遮断装置に内蔵の無線モジュールと同一の通信周波数帯を有する無線モジュールを内蔵あるいは一体的に取り付けた請求項1〜7のいずれか1項記載のガス遮断装置
  9. 基地局との通信用無線モジュールと表示端末装置との通信用無線モジュールをそれぞれ別々に備えた請求項1〜8のいずれか1項記載のガス遮断装置。
  10. 基地局と表示端末装置との通信を通信周波数帯を切り替えることで1つの無線モジュールを用いて行うようにした請求項1〜8のいずれか1項記載のガス遮断装置。
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