JP4862572B2 - アンテナ装置、アンテナ集合体装置及びリーダライタ装置 - Google Patents

アンテナ装置、アンテナ集合体装置及びリーダライタ装置 Download PDF

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本発明は、非接触データキャリアとの間で通信を行うリーダライタ装置と、このリーダライタ装置に使用されるアンテナ装置及びアンテナ集合体装置に関する。
近年、物品のタグ情報のキャリアとしてICチップを使用した非接触データキャリア(例えばICタグ、無線タグ、RFID等とも言う。)が使用されている。非接触データキャリアの主たる構成要素は、データを保持するICチップと、このICチップに接続されたアンテナである。
非接触データキャリアとの間で通信を行い、保持されたデータの読み取り、データの書き込みを行う装置としてリーダライタ装置が使用される。リーダライタ装置は、アンテナを備えており、このアンテナの交信エリア内に置かれた非接触データキャリアとの間で電波を送受信することで、非接触データキャリアと通信を行うものである。
リーダライタ装置は、例えば非接触データキャリアの製造工程において、複数個繋がった状態で供給された非接触データキャリアについて、各非接触データキャリアが正常に動作するかを確認する場合に、これらを導電性のマスクで覆いリーダライタ装置のアンテナ上を移動させて各非接触データキャリアとの間で通信を行い動作確認する(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、近年の非接触データキャリアの小型化にともない、その外形サイズが例えば10mm角以下になると、リーダライタ装置のアンテナ上を、非接触データキャリアを1つずつ移動させることは、認識に時間がかかるばかりか、隣接する非接触データキャリアを誤って認識しないように移動させることは困難であり、非接触データキャリアとの情報の送受信を行える範囲や送受信方向の信頼性の向上が望まれていた。
また、リーダライタ装置用のアンテナとして、例えばφ4mm程度の磁性棒にアンテナコイルを螺旋状に巻き付けたものが提案されているが、開発リスクやコストを要する(例えば特許文献2参照)。
特開2005−174101号公報 特開2002−24776号公報
本発明の目的は、このような課題に対処するためになされたもので、低コストで容易に製造でき、一度に複数の非接触データキャリアと通信可能なリーダライタ装置、このリーダライタ装置に用いるアンテナ装置及びアンテナ集合体装置を提供することにある。
本発明の一態様に係るアンテナ装置は、絶縁性基板の主面に輻射導体層が形成されたアンテナ素子と、前記アンテナ素子の輻射導体層が形成された主面を取り囲む端面に対向する面の少なくとも一部に開口部を残して前記アンテナ素子の周囲を囲むように設けられ、磁性体層を内側とした前記磁性体層及び導体層の積層構造を有する電波遮蔽体とを具備することを特徴とする。
すなわち、非接触データキャリアとの間で通信を行うリーダライタ装置に使用されるアンテナ装置において、磁性体層を内側とした磁性体層と導体層の積層構造を有する電波遮蔽体が、アンテナ素子の周囲を取り囲んでいる。ただし、アンテナ素子の端面(輻射導体層が形成された面を取り囲む面)に対向する電波遮蔽体の面の一部又は一面を開口部として残して、アンテナ素子を取り囲む。このとき、アンテナ素子は、その輻射導体層が形成された面が、非接触データキャリアの通信面(アンテナパターンに接続されたICチップを備えた面)に対してほぼ垂直になるように位置している。
これにより、磁性体層を内側とした磁性体層と導体層の積層構造を有する電波遮蔽体で、アンテナ素子の輻射導体層から放射される電波の一部を通すように開口部を残して該素子の周囲を囲むことで、非接触データキャリアとの情報の送受信を行う範囲や送受信方向の信頼性の向上を図ることができ、優れた指向性を発揮することができる。これにより、例えば複数個連続して配置された非接触データキャリアの個々の動作を確認する場合でも、前記複数個連続して配置された非接触データキャリアの位置に対応するように、複数個配置されたアンテナ装置(アレイ化したアンテナ装置とも言う。)を使用することで、隣接する非接触データキャリアを誤って認識することなく、一度に複数の非接触データキャリアを短時間で認識することができる。
また、市販のリーダライタ装置用のアンテナ素子を使用できるため、電波遮蔽体内に該素子を配置することで、低コストで容易にアンテナ装置を提供することができる。
また、本発明に係るアンテナ装置は、前記絶縁性基板の主面に輻射導体層がループ状に形成されていることを特徴とする。
これによれば、輻射導体層がループ状の形状のアンテナ素子にも適用することができる。
また、本発明に係るアンテナ装置は、前記電波遮蔽体は、四角柱状の筐体であることを特徴とする。
これによれば、例えば直方体、略直方体、立方体、略立方体等の四角柱状の筐体を使用することで、容易、かつ確実にアンテナ素子を設置することができる。
また、本発明に係るアンテナ装置は、前記電波遮蔽体は、円柱状の筐体であることを特徴とする。
これによれば、円柱状の筐体を使用することで、容易かつ確実にアンテナ素子を設置することができる。
また、本発明に係るアンテナ装置は、前記電波遮蔽体は、開口部が形成された蓋部をさらに備えることを特徴とする。
これによれば、開口部が形成された蓋部を上記筐体に設けることで、例えば10mm角以下の小型の非接触データキャリアと通信を行う場合であっても、非接触データキャリアと送受信を行う範囲や送受信方向の信頼性をさらに高めることができる。蓋部についても、磁性体層を内側とした磁性体層と導電体層との積層構造からなる。
また、本発明に係るアンテナ装置は、前記蓋部の開口部が、前記筐体内に配置された前記アンテナ素子の主面に対向する側に設けられることを特徴とする。
これによれば、アンテナ素子の輻射導体層からの電波を放射しやすい位置に開口部を形成することで、通信距離を伸ばすことができる。
また、本発明に係るアンテナ装置は、前記電波遮蔽体は、前記筐体内に配置された前記アンテナ素子の端面と、前記蓋部の対角線とがほぼ平行になるようにアンテナ素子の周囲に設けられることを特徴とする。
これによれば、アンテナ装置の小型化を図ることができ、アンテナ装置を複数個配置する場合に各アンテナ装置間の間隔を狭くすることが可能となる。
また、本発明に係るアンテナ集合体装置は、前記アンテナ装置が複数個配置され一体となっていることを特徴とする。
これによれば、アンテナ装置をアレイ化することで、例えば複数個連続して配置された非接触データキャリアの個々の動作を確認する場合でも、一度に複数の非接触データキャリアを短時間で認識することができる。
また、本発明に係るアンテナ集合体装置は、前記アンテナ装置が、一列に複数個配置されることを特徴とする。
これによれば、アンテナ装置をアレイ化することで、例えば複数個連続して配置された非接触データキャリアの個々の動作を確認する場合でも、一度に複数の非接触データキャリアを短時間で認識することができる。
また、本発明に係るアンテナ集合体装置は、前記アンテナ装置が、マトリクス状に複数個配置されることを特徴とする。
これによれば、アンテナ装置をアレイ化することで、例えば複数個連続して配置された非接触データキャリアの個々の動作を確認する場合でも、一度に複数の非接触データキャリアを短時間で認識することができる。
また、本発明に係るリーダライタ装置は、リーダライタと、前記リーダライタに接続され、絶縁性基板の主面に輻射導体層が形成されたアンテナ素子と、前記アンテナ素子の輻射導体層が形成された主面を取り囲む端面に対向する面の少なくとも一部に開口部を残して前記アンテナ素子の周囲を囲むように設けられ、磁性体層を内側として前記磁性体層及び導体層の積層構造を有する電波遮蔽体とを具備することを特徴とする。
これによれば、リーダライタに接続されたアンテナ素子を、磁性体層を内側とした磁性体層と導体層の積層構造を有する電波遮蔽体で、アンテナ素子から放射される電波の一部を通すようにその周囲を囲むことで、非接触データキャリアとの情報の送受信を行う範囲や送受信方向の信頼性の向上を図ることができる。これにより、例えば複数個連続して配置された非接触データキャリアの個々の動作を確認する場合でも、一度に複数の非接触データキャリアを短時間で認識することができる。
また、市販のリーダライタ装置用のアンテナ素子を使用できるため、電波遮蔽体内にこれを配置することで、低コストで容易にリーダライタ装置を提供することができる。
本発明によれば、低コストで容易に製造でき、一度に複数の非接触データキャリアと通信可能なリーダライタ装置、このリーダライタ装置に用いるアンテナ装置及びアンテナ集合体装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るリーダライタ装置を模式的に示す斜視図である。
図1に示すように、リーダライタ装置1は、非接触データキャリア2と通信を行う装置である。非接触データキャリア2は、板状の基板の主面にICチップと、このICチップに接続されたアンテナパターンとが設けている。リーダライタ装置1は、リーダライタ3と、リーダライタ3に接続されたアンテナ装置21とを備える。
アンテナ装置21は、アンテナ素子22と、このアンテナ素子22から放射される電波の一部を遮蔽する電波遮蔽体23とを備えている。
アンテナ素子22は、絶縁性基板に、例えば銅線、銅箔からなる輻射導体層24がループ状に数ターン形成されている。また、アンテナ素子22は、その輻射導体層24が形成された主面が、非接触データキャリア2の通信を行う面(アンテナパターンに接続されたICチップを備えた面)に対してほぼ垂直になるように配置される。このアンテナ素子22の周囲を囲むように、四角柱状(直方体)の電波遮蔽体23が設けられている。
電波遮蔽体23は、四角柱状の筐体25と、この筐体25に取り付けられた蓋部26を備えている。筐体25のような箱状以外に、底面をもたない筒状の形状でもよいが、指向性に優れる点から箱状が好ましい。また、蓋部26は、必要に応じて設ければよいが、蓋部26を取り付けることで、さらに優れた指向性を発揮する。アンテナ素子22は、アンテナ素子22の端面(輻射導体層24が形成された主面を取り囲む面)と蓋部26の対角線とが、ほぼ平行になるように電波遮蔽体23内に配置されている(図2参照)。これにより、アンテナ素子22に対向する電波遮蔽体23内の有効面積を最小限に抑えることができ、アンテナ装置21の小型化を図ることができる。
蓋部26には、アンテナ素子22から放射される電波を所望の方向へ送出するための開口部27が形成されている。開口部27の位置は、本実施形態では、電波遮蔽体23内にアンテナ素子22が配置された状態において、蓋部26の四隅のうち、アンテナ素子22の輻射導体層24が形成された面と対向する側に配置されている。これにより、アンテナ素子22の輻射導体層24からの電波が放射されやすい位置に開口部27を形成することで、通信距離を伸ばすことができ、非接触データキャリア2と良好な通信を行うことができる。また、開口部27の形状は、本実施形態では矩形状であるが、所望の指向性を得られればよく、任意である。開口部27の大きさも、所望の指向性が得られればよく、任意であるが、例えば蓋部26の外形サイズが12mm角である場合には、開口部27のサイズが6mm角程度であることが好ましい。
また、電波遮蔽体23は、内側を磁性体層31とした磁性体層31と導体層32の積層構造からなる(図3参照)。アンテナ素子22に対向する側(内側)に磁性体層31を設けることで、アンテナ素子22から放射される電波が導体層32に吸収されるのを防ぐことができる。導体層32は、導電性をもつ金属粒子から構成され、例えば銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、銀、金などを使用することができる。一方、磁性体層31は、例えば軟磁性体、フェライト等の粒子から構成される。軟磁性体には、例えば軟鉄、ケイ素鋼、パーマロイ、センダストなどの高透磁率金属等が用いられ、フェライトとしては、例えばNi−Znフェライト、Mn−Znフェライト等が用いられる。導体層32と磁性体層31の厚さは、それぞれ100〜300μmの範囲であることが好ましい。
電波遮蔽体23の製造方法としては、例えば、予め合成樹脂製の容器を準備しておき、この容器の内側全体に導電性塗料を塗布して導体層32を形成し、その上に磁性材料からなる塗料を塗布して磁性体層31を積層する方法等が挙げられる。この方法以外にも、予め金属製の容器を準備しておき、この金属製の容器の内側全体に磁性体シートを貼着して磁性体層31を形成する方法等を用いることもできる。
上述したアンテナ装置21は、リーダライタ3に接続される。
リーダライタ3は、入力装置と、表示装置と、制御回路と、メモリと、送受信回路とを有する(図4参照)。送受信回路は、入出力端子を介して配線に接続されている。
入力装置は、リーダライタ装置1の操作者により種々の情報が入力される。入力装置に入力された情報(入力情報)は、制御回路に供給される。入力情報としては、例えば、リーダライタ装置1のリード/ライトの命令情報、非接触データキャリア2に書き込む情報等がある。
表示装置は、制御回路の表示制御の下で種々の情報を表示する。例えば、リーダライタ装置1の状態を示す情報、入力装置の入力情報、非接触データキャリア2との通信情報等の情報を表示画面に表示する。
メモリは、制御回路の制御下で種々の情報を記憶する。メモリは、入力装置の入力情報、非接触データキャリア2との通信情報等を記憶する。
制御回路は、リーダライタ装置1の全体を制御するコントローラーであり、例えばマイクロコンピューターにより構成される。制御回路は、入力装置の入力情報を表示装置に供給し、入力情報を表示装置の表示画面に表示させる。また、制御回路は、メモリのアクセス制御、および、送受信回路の制御を行う。例えば、制御回路は、メモリに記憶された書き込み用の情報を読み出し、当該シリンダ情報を送受信回路に供給する。さらに、制御回路は、送受信回路の受信情報をメモリと表示装置に供給し、受信情報を表示装置の表示画面に表示させる。
送受信回路は、制御回路からの書き込み用の情報と書き込みコマンド(ライトコマンド)をアンテナ装置21を介して非接触データキャリア2に供給し、非接触データキャリア2との通信で得られた情報を制御回路に供給する。また、送受信回路は、読出しコマンド(リードコマンド)をアンテナ装置21を介して非接触データキャリア2に供給し、非接触データキャリア2との通信で得られた情報を制御回路に供給する。
アンテナ装置21は、送受信回路から配線を介して供給された電気信号を電波に変換し、この電波からなる信号を非接触データキャリア2に送出する。また、アンテナ装置21は、非接触データキャリア2から送出された電波からなる信号を電気信号に変換し、この電気信号を送受信回路に供給する。送受信回路は、アンテナ装置21から配線を介して供給された電気信号を増幅して制御回路に供給する。
次に、本実施形態に係るアンテナ装置21を複数個配置して一体とした場合のアンテナ集合体装置の一例を図5〜図6に示す。図5は、図1に示したアンテナ装置21を平面上に一列に複数個配置した場合のアンテナ集合体装置の一例を模式的に示す図である。図6は、図1に示したアンテナ装置21を平面上にマトリクス状に複数個配置した場合のアンテナ集合体装置の一例を模式的に示す図である。図5と図6は、アンテナ装置21の蓋部26と直交する方向からみた場合を示している。
図5に示すように、アンテナ装置21を平面上に一列に複数個配置することで、例えば複数個連続して配置された非接触データキャリアについて、それぞれ動作確認するような場合に、一度に複数の非接触データキャリアを短時間で認識することができる。なお、アンテナ装置を複数個配置する場合の配置は、任意であり、一定間隔をあけて配置してもよい。
図6に示すように、アンテナ装置21を平面上にマトリクス状に複数個配置することで、例えばこの装置上を、複数の非接触データキャリアを1つずつ載せたトレイを移動させることによって、各トレイに載せられたそれぞれの非接触データキャリアを一括して短時間で認識することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、内側を磁性体層31とした磁性体層31と導体層32との積層構造からなる電波遮蔽体23で、アンテナ素子22から放射される電波の一部を通すように該素子22の周囲を囲むことによって、非接触データキャリア2との情報の送受信を行える範囲や送受信方向の信頼性の向上を図ることができる。また、電波遮蔽体23を、開口部27が形成された蓋部26を筐体25に設けた構成とすることで、優れた指向性を発揮するアンテナ装置21を提供することができる。そのため、例えば非接触データキャリア2が複数個連続して配置され、各非接触データキャリア2の動作確認を行う場合であっても、アンテナ装置21をアレイ化することで、一度に複数の非接触データキャリア2を短時間で認識することができる。
また、電波遮蔽体23内に、市販のリーダライタ装置1用のアンテナ素子22を設置することで、低コストで容易に本実施形態のアンテナ装置21を得ることができる。
(その他実施形態)
以上、本発明の実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、本実施形態では、アンテナ素子22は、絶縁性基板に輻射導体層24がループ状に数ターン形成されているが、そのターン数は1回でもよい。また、その形状もループ状に限定されるものではなく、例えばダイポールアンテナ、パッチアンテナ等の種々の形状に適用することができる。
また、本実施形態では、筐体25の形状を直方体としたが、これ以外に、略直方体、立方体、略立方体等の四角柱、円柱、略円柱など種々の形状が例示され、また、それ以外の形状で構成されていてもよい。例えば、図7と図8に示すような円柱状の形状を適用することもできる。図7は、図1に示した電波遮蔽体の筐体25の変形例を模式的に示す斜視図である。図8は、図7に示した蓋部を模式的に示す図である。図1と同一の構成部分には、同一の符号を付す。
図7に示すように、アンテナ素子22は、筐体25に対し輻射導体層24の面積が最大となるように、前記輻射導体層24が形成された主面が、円柱状の筐体25の直径を含む面に沿って設けてある。蓋部26に形成する開口部27は、この開口部27の重心位置Gが輻射導体層24の主面の延長面と蓋部26の交差線(この場合、蓋部26の直径)から輻射導体層24の主面に対する法線nの方向に偏移した、蓋部26の周辺側の位置に設ける。このようにアンテナ素子22の輻射導体層24からの電波が放射されやすい位置に開口部27を配置することで、指向性が良好で通信距離の長いアンテナ装置21を得ることができる。
また、本実施形態では、アンテナ素子22の電波遮蔽体23に対する向きについて、アンテナ素子22の輻射導体層24が形成された主面が、電波遮蔽体23の蓋部26の対角線に沿うように配置されているが(図2参照)、アンテナ素子22の該主面と電波遮蔽体23の側面とがほぼ平行になるように配置することもできる。
また、本実施形態では、非接触データキャリア2としては、板状のものを使用して説明したが、腕時計型、コイン型等の種々の形状が適用可能である。
また、本実施形態では、アンテナ装置を複数個配置して一体とした場合のアンテナ集合体装置の一例として、図1に示したアンテナ装置21を一列に複数個配置した場合(図5参照)、図1に示したアンテナ装置21をマトリクス状に複数個配置した場合(図6参照)を示したが、配置する方法は任意である。例えば、アンテナ装置21を斜めに複数個配置したり、アンテナ装置21を1個ずつ交互に2列に配置することもできる。
[実施例]
次に、本発明を実施例により説明する。この実施例では、図1に示した一実施形態のアンテナ装置21において、アンテナ素子22を電波遮蔽体23で覆うことが好適な理由を図9〜図14を用いて説明する。
まず、アンテナ素子を電波遮蔽体で覆わない場合の指向性について評価し、その結果を図9に示した。
図9は、アンテナ素子を電波遮蔽体で覆わない場合の、アンテナ素子の指向性を示すグラフである。アンテナ素子の指向性は、52mm×15mmサイズのアンテナ素子(TR3−A401、タカヤ株式会社製)を固定した状態で、非接触データキャリア(IM0505、大日本印刷株式会社製)をアンテナ素子に対して左右に動かして、非接触データキャリアの通信距離をリーダライタ出力500mWで測定して評価した。
以下、測定方法について詳細に説明する。
アンテナ素子の輻射導体層が形成された面と、非接触データキャリアの通信面とが略垂直であって、アンテナ素子の輻射導体層が形成された面の中心線の真下にくるように非接触データキャリアを平面上に配置し、アンテナ素子を固定した。このときの非接触データキャリアの移動位置を0mmとした。
次に、アンテナ素子の前記中心線に対して右方向に非接触データキャリアを移動させた。この場合、非接触データキャリアの移動位置は、非接触データキャリアの左端面を基準にして測定した。この条件で通信距離を測定したものが、図9に示す横軸(非接触データキャリアの移動位置)のプラス側の特性である。
同様にして、アンテナ素子の前記中心線に対して左方向に非接触データキャリアを移動させた。この場合、非接触データキャリアの移動位置は、非接触データキャリアの右端面を基準にして測定した。この条件で通信距離を測定したものが、図9に示す横軸のマイナス側の特性である。
図9に示すように、非接触データキャリアを読み取り可能な範囲は40mm程度であり、通信距離は最大で13mm程度である。
次に、アンテナ素子を電波遮蔽体で覆った場合の指向性について評価し、その結果を図10に示した。
図10は、アンテナ素子を電波遮蔽体で覆った場合(図1参照)の、指向性を示すグラフである。測定方法は、リーダライタ出力300mWで測定した以外は、図9で上述したとおりである。なお、電波遮蔽体の筐体の外形サイズは、幅12mm×奥行き12mm×高さ35mmであり、導体層と磁性体層の厚みは、これらを合わせた厚みが0.5mmである。蓋部に形成された開口部のサイズは、6mm×6mmである。図10に示すように、非接触データキャリアを読み取り可能な範囲は5mm程度であり、通信距離は最大で4mm程度である。
図10に示すように、アンテナ素子の周囲を電波遮蔽体で覆った場合には、その指向性について、非接触データキャリアの読み取り可能な範囲を5mmまで短くすることができ、最大通信距離を4mmまで短くすることができる。
したがって、これらの測定結果から、図1に示した電波遮蔽体でアンテナ素子を覆ったアンテナ装置を使用した場合には、読み取り可能な範囲(送受信の有効範囲)と、通信距離を短くすることができ、優れた指向性が得られるのは明らかである。よって、このアンテナ装置をアレイ化することで、例えば10mm角以下の非接触データキャリアが複数個連続して配置された状態であっても、誤って隣接する非接触データキャリアを認識することなく、一度に短時間で複数の非接触データキャリアを認識することができると考えられる。
以下に、アンテナ装置をアレイ化したアンテナ集合体装置の指向性について評価し、その結果を図11と図12に示した。
図11は、図1に示したアンテナ装置を平面上に、開口部のピッチが12.5mmになるように横一列に10個配置した場合の指向性について示した図である。アンテナ装置の指向性は、横一列に10個配置されたトレイ上にそれぞれ非接触データキャリアを載置し、これを各アンテナ装置の開口部に対して左右に動かして、各トレイに載せられたそれぞれの非接触データキャリアと一度に通信を行い、リーダライタ出力500mWで通信距離を測定した。なお、各アンテナ装置を構成する電波遮蔽体の外形サイズ、蓋に形成された開口部のサイズは、図10で説明したとおりである。
図11に示すように、通信距離を6mm以下にすることができる。また、誤って隣接する非接触データキャリアを認識することがなく、各アンテナ装置の受信有効範囲を分離することができる。
図12は、図1に示したアンテナ装置を平面上に横一列に10個配置し、リーダライタ出力300mWと500mWでそれぞれ測定した場合の指向性について示した図である。リーダライタ出力500mWにおける指向性については、図11に示したものと同様である。
図12に示すように、リーダライタ出力300mWの場合にも、各アンテナ装置の受信有効範囲を分離できる。リーダライタ出力が500mWの場合は、通信距離を伸ばすことができるが、リーダライタ出力が300mWの方が、通信距離のピーク値が安定している。
次に、アンテナ素子を電波遮蔽体で覆った場合の指向性を、通信距離の面内分布で図13と図14に示した。図13と図14は、電波遮蔽体(アンテナ装置)の底面(蓋部)と直交する方向からみた場合を示している。
図13は、アンテナ素子を電波遮蔽体で覆った場合の指向性を通信距離の面内分布で示した図である。ただし、電波遮蔽体には、図1に示したような蓋部が設けられてなく、図10で説明した幅12mm×奥行き12mm×高さ35mmの筐体のみである。アンテナ素子の外形サイズは上述したとおりである。
通信距離の面内分布は、筐体(電波遮蔽体)の非接触データキャリアと対向する面の四隅のうち、左下の角を基準点(0,0)とし、この基準点から1mmずつ非接触データキャリアをX軸方向、Y軸方向に移動させたときの通信距離を測定した。
図13に示すように、アンテナ素子の周囲を電波遮蔽体で覆うことにより、アンテナ素子から放射される電波の一部が電波遮蔽体で遮断されている。また、この電波遮蔽体には、蓋部を備えていないため、通信距離のピーク値(7.0〜8.0)が2箇所形成されている。
以下に、この電波遮蔽体に開口部を有する蓋部を取り付けることで、さらに、より優れた指向性が発揮されることを図14を用いて説明する。
図14は、図1に示したアンテナ装置を使用した場合の指向性を通信距離の面内分布で示した図である。アンテナ装置を構成する電波遮蔽体の外形サイズ、蓋部に形成された開口部のサイズは、図10で説明したものと同様である。
図14に示すように、アンテナ装置の開口部付近に、通信距離のピーク値(6.0〜7.0)が形成されており、この付近で非接触データキャリアとの良好な通信が可能となる。
したがって、これらの測定結果から、アンテナ素子の周囲を磁性体層と導体層からなる電波遮蔽体で所定部位を覆うことで、アンテナ素子から放射される電波の一部を遮断して、非接触データキャリアとの受信有効範囲や、受信方向の信頼性の向上を図ることが可能なアンテナ装置を提供することができる。また、開口部が形成された蓋部を設けることで、さらに優れた指向性を発揮する。これにより、例えば非接触データキャリアが複数個連続して配置され、各非接触データキャリアの動作確認を行う場合であっても、アンテナ装置をアレイ化して使用することで、一度に複数の非接触データキャリアを短時間で認識することができる。
本発明の一実施形態に係るリーダライタ装置を模式的に示す斜視図。 図1に示した電波遮蔽体の蓋部を模式的に示す図。 図1に示した電波遮蔽体の構造を模式的に示す側断面図。 図1に示したリーダライタ装置のブロック図。 図1に示したアンテナ装置を平面上に一列に複数個配置した場合のアンテナ集合体装置の一例を模式的に示す図。 図1に示したアンテナ装置を平面上にマトリクス状に複数個配置した場合のアンテナ集合体装置の一例を模式的に示す図。 図1に示した電波遮蔽体の変形例を模式的に示す斜視図。 図7に示した蓋部を模式的に示す図。 アンテナ素子のみを使用した場合の指向性を示すグラフ図。 図1に示したアンテナ装置を使用した場合の指向性を示すグラフ図。 図1に示したアンテナ装置を平面上に横一列に10個配置した場合の指向性を示す図。 図1に示したアンテナ装置を平面上に横一列に10個配置した場合の指向性を示す図。 アンテナ素子を電波遮蔽体の筐体で覆った場合の、指向性を通信距離の面内分布で示した図。 図1に示したアンテナ装置を使用した場合の、指向性を通信距離の面内分布で示した図。
符号の説明
1…リーダライタ装置、2…非接触データキャリア、3…リーダライタ、21…アンテナ装置、22…アンテナ素子、23…電波遮蔽体、24…輻射導体層、25…筐体、26…蓋部、27…開口部、31…磁性体層、32…導体層。

Claims (10)

  1. 絶縁性基板に輻射導体層が形成されたアンテナ素子と、
    記アンテナ素子の周囲を囲むように設けられ、磁性体層を内側として前記磁性体層及び導体層の積層構造を有する電波遮蔽体と、
    を具備するアンテナ装置であって、
    前記電波遮蔽体は、前記アンテナ素子と前記電波遮蔽体の外側に配置された非接触データキャリア間の通信に用いられる開口部が形成された蓋部を備える、アンテナ装置
  2. 前記アンテナ素子は、前記絶縁性基板の主面に輻射導体層がループ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記電波遮蔽体は、四角柱状の筐体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記電波遮蔽体は、円柱状の筐体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
  5. 前記蓋部の開口部は、前記筐体内に配置された前記アンテナ素子の主面に対向する側に設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  6. 前記電波遮蔽体は、前記筐体内に配置された前記アンテナ素子の端面と、前記蓋部の対角線とがほぼ平行になるようにアンテナ素子の周囲に設けられることを特徴とする請求項に記載のアンテナ装置。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のアンテナ装置が複数個配置され一体となっていることを特徴とするアンテナ集合体装置。
  8. 前記アンテナ装置が、一列に複数個配置されることを特徴とする請求項に記載のアンテナ集合体装置。
  9. 前記アンテナ装置が、マトリクス状に複数個配置されることを特徴とする請求項に記載のアンテナ集合体装置。
  10. リーダライタと、
    前記リーダライタに接続され、絶縁性基板に輻射導体層が形成されたアンテナ素子と、
    記アンテナ素子の周囲を囲むように設けられ、磁性体層を内側として前記磁性体層及び導体層の積層構造を有する電波遮蔽体と
    を具備するリーダライタ装置であって、
    前記電波遮蔽体は、前記アンテナ素子と前記電波遮蔽体の外側に配置された非接触データキャリア間の通信に用いられる開口部が形成された蓋部を備える、リーダライタ装置
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