実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。実施の形態1にかかる電圧生成回路1のブロック図を図1に示す。図1に示すように、電圧生成回路1は、複数の昇圧回路(例えば、チャージポンプ回路10〜13)、チャージポンプ制御回路20a、電圧検出部30aを有する。
チャージポンプ回路10〜13は、それぞれ外部から入力される電源電圧(不図示)に基づき動作し、電源電圧を昇圧した出力電圧を出力する。また、チャージポンプ回路10〜13の出力はそれぞれ1つの出力端子OUTに接続される。チャージポンプ回路10〜13は、それぞれチャージポンプ制御回路20aが出力する活性化制御信号Sにより活性化状態が制御される。
チャージポンプ制御回路20aは、活性化させるチャージポンプ回路の個数を記憶するレジスタを含み、電圧検出部30aが出力する検出信号に応じてレジスタに保持された値を更新し、レジスタに保持された値に応じた個数のチャージポンプ回路に対して活性化指示を与える。チャージポンプ制御回路20aの詳細については後述する。
電圧検出部30aは、出力電圧をモニタし、予め設定された第1の電圧範囲を超える出力電圧を検出して検出信号を出力する。電圧検出部30aは、抵抗分圧部31a、コンパレータ32、33を有する。抵抗分圧部31aは、抵抗R11〜抵抗R13を有する。抵抗R11〜R3は出力端子OUTと接地端子との間に直列に接続される。ここで、抵抗R11の一端が出力端子に接続され、抵抗R13の他端が接地端子に接続される。そして、抵抗R11と抵抗R12との接続ノードからは第1のモニタ電圧VC11が出力される。また、抵抗R12と抵抗R13との接続ノードからは第2のモニタ電圧VC12が出力される。
コンパレータ101は、第1のモニタ電圧VC11が負入力端子に入力され、正入力端子に基準電圧Vrefが入力される。そして、コンパレータ101は、2つの入力電圧を比較してモニタ信号LVMを出力する。モニタ信号LVMは、出力電圧の理想的な電圧値(理想電圧)に対して出力電圧が高いか低いかを示す。コンパレータ102は、第2のモニタ電圧VC12が負入力端子に入力され、正入力端子に基準電圧Vrefが入力される。そして、コンパレータ101は、2つの入力電圧を比較して第1の検出信号DNを出力する。第1の検出信号DNは、出力電圧が第1の電圧範囲の上限を上回った場合にチャージポンプ制御回路20a内のレジスタに保持される値を減ずる指示を与える。
ここで、第1の電圧範囲、抵抗R11〜R13及び基準電圧Vrefの関係を説明する。本実施の形態では、第1の電圧範囲として、上限のみを設定した電圧範囲を設定する。以下の説明では、第1の電源範囲の上限電圧値VHとして5.3Vを設定する。また、理想電圧として5.0Vを設定する。このような設定において、本実施の形態では基準電圧Vrefを1.0Vとする。また、第1のモニタ電圧VC11は出力電圧が5.0Vである場合に基準電圧Vrefと同じ電圧となる必要があり、第2のモニタ電圧VC12は出力電圧が5.3Vである場合に基準電圧Vrefと同じ電圧となる必要がある。そこで、抵抗R11〜R13の抵抗値は、第1のモニタ電圧VC11と第2のモニタ電圧VC12とが上記条件を満たすような値とする。
次に、チャージポンプ制御回路20aの詳細について説明する。チャージポンプ制御回路20aのブロック図を図2に示す。図2に示すようにチャージポンプ制御回路20aは、レジスタ21aとゲーティング回路22aを有する。本実施の形態では、レジスタ21aとしてシフトレジスタを用いる。なお、シフトレジスタを構成するDフリップフロップは、チャージポンプ回路の数に応じて4つとする。そこで、レジスタ21aで用いるDフリップフロップに210〜213の符号を付す。
Dフリップフロップ210〜213は、直列に接続される。また、Dフリップフロップ213が初段に配置され、Dフリップフロップ210が最終段に配置される。Dフリップフロップ213の入力端子Dは電源端子VDDに接続される。一方、Dフリップフロップ210の出力端子Qは他のDフリップフロップには接続されない。Dフリップフロップ210〜213は、それぞれ第1の検出信号DNの立ち下がりエッジに同期してラッチ動作を行う。また、Dフリップフロップ210〜213は、図示しない他の回路から出力されるリセット信号RSTによりリセットされる。
レジスタ21aは、リセット状態においてすべてのDフリップフロップの出力を0とする。そして、レジスタ21aは、第1の検出信号DNの立ち下がりエッジが入力される毎に1となる出力の数が増加する。本実施の形態ではレジスタ21aが保持する動作設定値は、出力が0となるDフリップフロップの数とする。そして、レジスタ21aは、第1の検出信号DNの立ち下がりエッジが入力される度に保持する動作設定値を減じる動作を行う。
ゲーティング回路22aは、モニタ信号LVMに応じてチャージポンプ回路が活性化する期間を制御する。このときゲーティング回路22aは、レジスタ21aの値を参照し、レジスタ21aに保持された動作設定値の数に応じて活性化させるチャージポンプ回路の数を設定する。本実施の形態では、ゲーティング回路22aは、チャージポンプ回路の数に応じて4つのANDゲートを有する。本実施の形態では、このANDゲートに220〜223の符号を付す。
ANDゲート220〜223は、一方の入力端子にモニタ信号LVMが入力され、他方の入力端子に対応するDフリップフロップの出力信号(本実施の形態ではF10〜F13)が入力される。また、ANDゲート220〜223の他方の入力端子は反転入力端子となっており、入力された信号の反転論理を演算対象とする。つまり、ANDゲート220〜223は、Dフリップフロップの出力信号の反転論理とモニタ信号との論理和演算結果を活性化制御信号Sとして出力する。つまり、ANDゲート220〜223は、Dフリップフロップの出力信号が0を示す場合はモニタ信号LVMの値にかかわらず活性化制御信号Sを0(例えばロウレベル)とし、Dフリップフロップの出力信号が1を示す場合はモニタ信号LVMと同一論理の活性化制御信号Sを出力する。なお、本実施の形態では、活性化制御信号Sが1(例えば、ハイレベル)であればチャージポンプ回路が活性状態となり、活性化制御信号Sがロウレベルであればチャージポンプ回路が非活性状態となる。また、活性化制御信号Sはバス信号として扱われるため、以下の説明ではSの後ろの[]内にその信号がバス信号の何ビット目に該当するかを示す数字を示す。
続いて、電圧生成回路1の動作を示すタイミングチャートを図3に示す。そして、図3を参照して電圧生成回路1の動作について説明する。まず、電圧生成回路1は、レジスタ21aに保持された動作設定値を4として動作を開始する。そのため、動作開示時点において活性化制御信号S[3:0]はすべてハイレベルとなる。そして、電圧生成回路1は、4つのチャージポンプ回路を用いて昇圧動作を行う。
そして、タイミングt1において出力信号が理想電圧値VTを上回ると、第1のモニタ電圧VC11が1.0Vを上回るためモニタ信号LVMがハイレベルからロウレベルに切り替わる。そして、また、モニタ信号LVMの立ち下がりに応じて活性化制御信号S[3:0]も立ち下がる。しかしながら、実際には、出力電圧が理想電圧値VTを上回った後、活性化制御信号Sが変化し、さらに、チャージポンプ回路10〜13が停止するまでにはコンパレータ101等の遅れにより遅延時間が発生する。そのため、出力電圧にはリップルが生じる。
そして、タイミングt2で出力電圧は、上限電圧値VHを上回る。そのため、第2のモニタ電圧VC12が1.0Vを上回り、第1の検出信号DNが立ち下がる。そして、第1の検出信号DNの立ち下がりに応じてレジスタ21aの出力F13が立ち上がるため動作設定値が4から3に減る。なお、出力電圧はその後下がりはじめ、タイミングt3で上限電圧値VHを下回る。そのため、タイミングt3において第2のモニタ電圧VC12は1.0Vを下回り、第1の検出信号DNは立ち上がる。
そして、タイミングt4において出力信号が理想電圧値VTを下回ると、第1のモニタ電圧VC11が1.0Vを下回るためモニタ信号LVMがロウレベルからハイレベルに切り替わる。そして、モニタ信号LVMの立ち上がりに応じて活性化制御信号S[2:0]も立ち上がる。このときレジスタ21aに保持されている動作設定値は3であるため、活性化制御信号S[3]はロウレベルを維持する。そのため、タイミングt4以降に活性化されるチャージポンプ回路は3つである。また、このタイミングt4においても、実際には、出力電圧が理想電圧値VTを下回った後、活性化制御信号Sが変化し、さらに、チャージポンプ回路10〜13が動作を開始するまでにはコンパレータ101等の遅れにより遅延時間が発生する。そのため、出力電圧にはリップルが生じる。
チャージポンプ回路が活性化されることで、出力電圧は上昇に転じる。そして、タイミングt5において出力信号が理想電圧値VTを上回ると、第1のモニタ電圧VC11が1.0Vを上回るためモニタ信号LVMがハイレベルからロウレベルに切り替わる。そして、モニタ信号LVMの立ち下がりに応じて活性化制御信号S[2:0]も立ち下がる。しかしながら、実際には、出力電圧が理想電圧値VTを上回った後、活性化制御信号Sが変化し、さらに、チャージポンプ回路10〜13が停止するまでにはコンパレータ101等の遅れにより遅延時間が発生する。そのため、出力電圧にはリップルが生じる。
そして、タイミングt6で出力電圧は、上限電圧値VHを上回る。そのため、第2のモニタ電圧VC12が1.0Vを上回り、第1の検出信号DNが立ち下がる。そして、第1の検出信号DNの立ち下がりに応じてレジスタ21aの出力F12が立ち上がるため動作設定値が3から2に減る。なお、出力電圧はその後下がりはじめ、タイミングt7で上限電圧値VHを下回る。そのため、タイミングt7において第2のモニタ電圧VC12は1.0Vを下回り、第1の検出信号DNは立ち上がる。
そして、タイミングt8において出力信号が理想電圧値VTを下回ると、第1のモニタ電圧VC11が1.0Vを下回るためモニタ信号LVMがロウレベルからハイレベルに切り替わる。そして、モニタ信号LVMの立ち上がりに応じて活性化制御信号S[1:0]も立ち上がる。このときレジスタ21aに保持されている動作設定値は2であるため、活性化制御信号S[3:2]はロウレベルを維持する。そのため、タイミングt6以降に活性化されるチャージポンプ回路は2つである。また、このタイミングt8においても、実際には、出力電圧が理想電圧値VTを下回った後、活性化制御信号Sが変化し、さらに、チャージポンプ回路10〜13が動作を開始するまでにはコンパレータ101等の遅れにより遅延時間が発生する。そのため、出力電圧にはリップルが生じる。
チャージポンプ回路が活性化されることで、出力電圧は上昇に転じる。そして、タイミングt9において出力信号が理想電圧値VTを上回ると、第1のモニタ電圧VC11が1.0Vを上回るためモニタ信号LVMがハイレベルからロウレベルに切り替わる。そして、モニタ信号LVMの立ち下がりに応じて活性化制御信号S[1:0]も立ち下がる。しかしながら、実際には、出力電圧が理想電圧値VTを上回った後、活性化制御信号Sが変化し、さらに、チャージポンプ回路10〜13が停止するまでにはコンパレータ101等の遅れにより遅延時間が発生する。そのため、出力電圧にはリップルが生じる。しかし、タイミングt6以降で生じるリップルの大きさは、活性化されるチャージポンプ回路の個数がタイミングt6以前の期間よりも少ないため小さい。具体的には、タイミングt6以降では出力端子OUTに接続される負荷回路において消費される電流量が減少しなければ、リップルによって出力電圧が上限電圧値VHを上回ることはない。
従って、タイミングt6以降では、出力電圧は、上限電圧値VH以下を保ちながら、理想電圧値VTの上下を往復する変動となる。また、このような出力電圧の変動に伴い、モニタ信号LVMは信号レベルを切り替える。そして、モニタ信号LVMの信号レベルの切り替わりに応じてチャージポンプ制御回路は、チャージポンプ回路10、11に活性状態と非活性状態とを切り替える指示を与える(タイミングt9〜t12)。
上記説明より、本実施の形態にかかる電圧生成回路1は、レジスタ21aに格納された動作設定値に基づき活性化させるチャージポンプ回路の個数を設定する。また、電圧生成回路1は、出力電圧をモニタする電圧検出部30aにより生成される検出信号に基づき動作設定値を更新し、出力電圧が予め定められた第1の電圧範囲を超えない範囲に収まるように動作設定値を決定する。そして、このように決定された動作設定値に基づき活性化されるチャージポンプ回路の個数によって電圧生成回路1が動作した場合、出力電圧のリップル量は、負荷電流が変動しない限り第1の電圧範囲に収まる。また、電圧生成回路1では、チャージポンプ回路の活性状態と非活性状態とを出力電圧が理想電圧値VTを超えたか否かを判定基準として切り替える。そのため、電圧生成回路1では、チャージポンプ回路の活性状態と非活性状態との切り替えに第1の電圧範囲の上限電圧値VHを参照する必要がない。つまり、電圧生成回路1によれば、出力電圧のリップル量を第1の電圧範囲内に収めることを保障することができる。また、電圧生成回路1は、従来のチャージポンプ回路よりもリップル量を低減することが可能である。
また、電圧生成回路1では、活性化するチャージポンプ回路の個数をレジスタ21aに格納された動作設定値に基づき行っているため、最適な動作設定値が決定された後は、コンパレータ等の回路特性にかかわらずリップル量を第1の電圧範囲以下とすることができる。
さらに、電圧生成回路1では、出力電圧と理想電圧値VTとの電圧関係の切り替わりに基づきチャージポンプ回路の活性状態と非活性状態との切り替えを行う。これにより、電圧生成回路1では、チャージポンプ回路の活性状態と非活性状態とを従来例よりも早期に切り替えることができる。また、早期にチャージポンプ回路の活性状態と非活性状態とを切り替えることで出力電圧のリップルを小さくすることができる。
また、本実施の形態にかかる電圧生成回路1によれば、リップル量が小さくなるように活性化させるチャージポンプ回路の個数を決定することから、従来のチャージポンプ回路よりも活性化させるチャージポンプ回路の個数を少なくすることができる。つまり、電圧生成回路1は、チャージポンプ回路において消費される電流を削減し、低消費電力を実現することができる。
また、本実施の形態にかかる電圧生成回路1によれば、負荷電流の変動量が小さく、出力電圧が第1の電圧範囲を超えない場合は、それまでに決定した動作電圧値を継続して用いる。そのため、電圧生成回路1は、負荷電流の変動が小さければ、効率よく出力電圧のリップルを低減することが可能である。
実施の形態2
実施の形態2にかかる電圧生成回路2のブロック図を図4に示す。なお、実施の形態2において実施の形態1と同一の構成要素については、実施の形態1と同じ符号を付して説明を省略する。
図4に示すように、電圧生成回路2は、電圧生成回路1におけるチャージポンプ制御回路20aをチャージポンプ制御回路20bに置き換えたものである。チャージポンプ制御回路20bは、チャージポンプ制御回路20aと同じ制御信号(例えば、リセット信号RST、モニタ信号LVM、第1の検出信号DN)を受けて動作するが、出力する活性化制御信号Sの波形が異なる。
ここで、チャージポンプ制御回路20bのブロック図を図5に示す。図5に示すように、チャージポンプ制御回路20bは、チャージポンプ制御回路20aに対してシーケンシャル制御回路23を加えたものである。シーケンシャル制御回路23は、モニタ信号LVMを受けてシーケンシャル信号SQ[0]〜SQ[3]を出力する。シーケンシャル信号SQ[0]はANDゲート220の一方の端子に入力され、シーケンシャル信号SQ[1]はANDゲート221の一方の端子に入力され、シーケンシャル信号SQ[2]はANDゲート222の一方の端子に入力され、シーケンシャル信号SQ[3]はANDゲート223の一方の端子に入力される。また、シーケンシャル信号SQ[0]〜SQ[3]は、モニタ信号LVMの立下りに応じてシーケンシャル信号SQ[3]からシーケンシャル信号SQ[0]の順で順次立ち下がる。一方、モニタ信号LVMが立ち上がった場合、この立ち上がりに応じてシーケンシャル信号SQ[3]からシーケンシャル信号SQ[0]の順で順次立ち上がる。
チャージポンプ制御回路20bが出力する活性化制御信号Sは、モニタ信号LVMの立ち上がりに応じて活性化制御信号S[3]から活性化制御信号S[0]の順で順次立ち下がり、モニタ信号LVMの立ち上がりに応じて活性化制御信号S[3]から活性化制御信号S[0]の順で順次立ち上がる。なお、活性化制御信号Sは、実施の形態1と同様にレジスタ21aで保持されている動作設定値に応じた数だけが出力される。
次に、実施の形態2にかかる電圧生成回路2の動作を示すタイミングチャートを図6に示す。そして、図6を参照して電圧生成回路2の動作について説明する。なお、図6に示すタイミングチャートは、図3において示したタイミングチャートに対応するものであり、各タイミングは図6と図3で対応している。
図6に示すように、タイミングt1において出力電圧が理想電圧値VTを上回ると、モニタ信号LVMが立ち下がる。そして、モニタ信号LVMの立下りに応じてシーケンシャル信号SQ[3]が立ち下がる。その後、シーケンシャル信号SQ[2]からシーケンシャル信号SQ[0]の順で、順に信号が立ち下がる。また、活性化制御信号S[3]〜S[0]も、シーケンシャル信号SQ[3]〜SQ[0]に応じて信号レベルが変化する。つまり、電圧生成回路2では、チャージポンプ回路は、時間の経過に従って順に非活性状態となる。
そして、タイミングt4において力電圧が理想電圧値VTを下回ると、モニタ信号LVMが立ち上がる。そして、モニタ信号LVMの立ち上がりに応じてシーケンシャル信号SQ[3]が立ち上がる。その後、シーケンシャル信号SQ[2]からシーケンシャル信号SQ[0]の順で、順に信号が立ち上がる。また、活性化制御信号S[2]〜S[0]が、シーケンシャル信号SQ[2]〜SQ[0]に応じて信号レベルが変化する。なお、タイミングt4においては動作設定値が3であるため、活性化制御信号S[3]はロウレベルを維持する。つまり、電圧生成回路2では、チャージポンプ回路は、時間の経過に従って順に活性状態となる。また、活性化されるチャージポンプ回路の個数は動作設定値により決まる。タイミングt4以降の動作は、タイミングt1〜t4までの動作を動作設定値に応じて行う。そのため、ここでは説明を省略する。
上記説明より、電圧生成回路2では、シーケンシャル制御回路23により、チャージポンプ回路の活性化又は非活性化のタイミングをずらしながら順次行う。そのため、電圧生成回路2の出力電圧の変動は実施の形態1よりも緩やかになる。これにより、電圧生成回路2では、出力電圧が第1の電圧範囲を超えるオーバーシュートを低減することができる。
実施の形態3
実施の形態3にかかる電圧生成回路3のブロック図を図7に示す。実施の形態3において実施の形態1と同一の構成要素については、実施の形態1と同じ符号を付して説明を省略する。
図3に示すように、電圧生成回路3は、電圧生成回路1における電圧検出部30aを電圧検出部30bに置き換えたものである。電圧検出部30bは、電圧検出部30aが出力するモニタ信号LVM及び第1の検出信号DNに加えて第2の検出信号(以下、リセット信号RSTと称す)を出力する。そのため、電圧検出部30bは、電圧検出部30aの抵抗分圧部31aよりも1つ多い抵抗を含む抵抗分圧部31bを有する。また、電圧検出部30bは、コンパレータ32、33に加えコンパレータ34を有する。
抵抗分圧部31bは、抵抗R31〜R34を有する。抵抗R31〜抵抗R34は、出力端子OUTと接地端子との間に直列に接続される。ここで、抵抗R31の一端が出力端子OUTに接続され、抵抗R34の他端が接地端子に接続される。そして、抵抗R31と抵抗R32との接続ノードからは第3のモニタ電圧VC33が出力される。また、抵抗R32と抵抗R33との接続ノードからは第1のモニタ電圧VC31が出力される。また、抵抗R33と抵抗R34との接続ノードからは第2のモニタ電圧VC32が出力される。なお、第1のモニタ電圧VC31及び第2のモニタ電圧VC32は、それぞれ第1のモニタ電圧VC11及び第2のモニタ電圧VC12に相当する電圧であるため、ここでは説明を省略する。第3のモニタ電圧VC33は、出力電圧が第1の電圧範囲の下限電圧値VL(例えば、4.4V)に達したときに基準電圧Vrefと同じ電圧になる。そのため、抵抗R31〜抵抗R34は、この条件を満たすように抵抗値が設定される。
第3のモニタ電圧VC33は、コンパレータ34の負入力端子に入力される。また、コンパレータ34の正入力端子には基準電圧Vrefが入力される。コンパレータ34は、2つの入力電圧を比較してリセット信号RSTを出力する。
次に、電圧生成回路3の動作を示すタイミングチャートを図8に示す。そして、図8を参照して電圧生成回路3の動作について説明する。図8に示す動作例では、電圧生成回路3は、動作設定値を2として動作している。より具体的には、レジスタ21aの出力のうちF13とF12がハイレベルであり、F11とF10はロウレベルの状態である。そのため、タイミングt20よりも前の時点では、活性化制御信号S[1]、S[0]がハイレベルであって、2つのチャージポンプ回路が活性化された状態となっている。
そして、タイミングt20において出力電圧が理想電圧値VTを上回るとモニタ信号LVMが立ち下がり、この立ち下がりに応じて活性化制御信号S[1]、S[0]が立ち下がる。その後、出力電圧は降下を開始する。そして、タイミングt21において、出力電圧が理想電圧値VTを下回るとモニタ信号LVMが立ち上がり、この立ち上がりに応じて活性化制御信号S[1]、S[0]が立ち上がる。そして、その後出力電圧は上昇を開始する。
しかし、タイミングt22において、出力端子から引き抜かれる負荷電流の増加が生じ、2つのチャージポンプ回路の動作だけでは負荷電流をまかなうことができなくなると、出力電圧は降下しはじめる。そのため、出力電圧は、タイミングt23において第1の電圧範囲の下限電圧値VLを下回る。そして、出力電圧が下限電圧値VLを下回ったことを電圧検出部30bが検出するとリセット信号RSTが立ち上がる。これにより、リセット信号RSTがハイレベルとなるため、レジスタ21aのDフリップフロップがすべてリセット状態となり、レジスタ21aの出力F13〜F10はすべてロウレベルとなる。これにより、動作設定値はリセットされて2から4へと切り替わる。
そして、動作設定値が切り替わったことで、それ以前の期間において非活性状態を示していた活性化制御信号S[3]、S[2]が活性状態に切り替わる。これにより、活性化されるチャージポンプ回路の個数は、2個から4個に切り替わる。そして、4つのチャージポンプ回路が動作することで、出力電圧が上昇に転じる。
そして、タイミングt24において、出力電圧が下限電圧値VLを上回るとリセット信号RSTは立ち下がる。その後、タイミングt25において出力電圧が理想電圧値VTを上回るとモニタ信号LVMが立ち下がり、この立ち下がりに応じて活性化制御信号S[3]〜S[0]が立ち下がる。そして、出力電圧は降下を開始する。その後、タイミングt26において、出力電圧が理想電圧値VTを下回るとモニタ信号LVMが立ち上がり、この立ち上がりに応じて活性化制御信号S[3]〜S[0]が立ち上がる。そして、出力電圧は上昇を開始する。以降、電圧生成回路3は、出力電圧が上限電圧値VH又は下限電圧値VLを超えない限りタイミングt25〜t26の動作を繰り返す。
上記説明より、電圧生成回路3は、下限電圧値VLを下回った場合は、それまでの時点で減じられていた動作設定値をリセットして動作設定値を増加させる。これにより、電圧生成回路3は、動作設定値が小さくなった状態において負荷電流が増加した場合であっても、負荷電流の増加に応じて活性化させるチャージポンプ回路の個数を増加することができる。これにより、電圧生成回路3では、出力電圧の低下を防止することができる。特に、不揮発性メモリでは、電圧生成回路3の出力電圧が低い場合に書込み不良等の不具合が生じるおそれがあるため、出力電圧の下限値を所定の電圧値に保つことは重要になる。
実施の形態4
実施の形態4にかかる電圧生成回路4のブロック図を図9に示す。図9に示すように、電圧生成回路4は、複数の昇圧回路(例えば、n個のチャージポンプ回路10x)、チャージポンプ制御回路20c、電圧検出部30cを有する。
チャージポンプ回路10xに含まれるチャージポンプ回路は、それぞれ外部から入力される電源電圧(不図示)に基づき動作し、電源電圧を昇圧した出力電圧を出力する。また、チャージポンプ回路10xに含まれるチャージポンプ回路の出力はそれぞれ1つの出力端子OUTに接続される。チャージポンプ回路10xは、それぞれチャージポンプ制御回路20cが出力する活性化制御信号Sにより活性化状態が制御される。
チャージポンプ制御回路20cは、実施の形態3に記載のチャージポンプ制御回路20bと実質的に同じものであるが動作設定値の更新方法がチャージポンプ制御回路20bとは異なる。チャージポンプ制御回路20bの詳細については後述する。
電圧検出部30cは、実施の形態3に記載の電圧検出部30bが出力するモニタ信号LVM、第1の検出信号DN及びリセット信号RSTに加えて第3の検出信号DNHを出力する。そのため、電圧検出部30cは、電圧検出部30bの抵抗分圧部31bよりも1つ多い抵抗を含む抵抗分圧部31cを有する。また、電圧検出部30cは、コンパレータ32〜34に加えコンパレータ35を有する。
抵抗分圧部31cは、抵抗R41〜R45を有する。抵抗R41〜抵抗R45は、出力端子OUTと接地端子との間に直列に接続される。ここで、抵抗R41の一端が出力端子OUTに接続され、抵抗R45の他端が接地端子に接続される。そして、抵抗R41と抵抗R42との接続ノードからは第3のモニタ電圧VC44が出力される。また、抵抗R42と抵抗R43との接続ノードからは第1のモニタ電圧VC43が出力される。また、抵抗R43と抵抗R44との接続ノードからは第2のモニタ電圧VC42が出力される。また、抵抗R44と抵抗R45との接続ノードからは第4のモニタ電圧VC41が出力される。なお、第1のモニタ電圧VC43、第2のモニタ電圧VC42及び第3のモニタ電圧VC44は、それぞれ第1のモニタ電圧VC11、第2のモニタ電圧VC12及び第3のモニタ電圧VC31に相当する電圧であるため、ここでは説明を省略する。第4のモニタ電圧VC41は、出力電圧が第1の電圧範囲よりも大きな電圧範囲として設定される第2の電圧範囲の上限電圧値VHH(例えば、5.6V)に達したときに基準電圧Vrefと同じ電圧になる。そのため、抵抗R41〜抵抗R45は、この条件を満たすように抵抗値が設定される。
第4のモニタ電圧VC41は、コンパレータ35の負入力端子に入力される。また、コンパレータ35の正入力端子には基準電圧Vrefが入力される。コンパレータ35は、2つの入力電圧を比較して第3の検出信号DNHを出力する。
次に、チャージポンプ制御回路20cの詳細について説明する。チャージポンプ制御回路20cのブロック図を図10に示す。図10に示すようにチャージポンプ制御回路20cは、レジスタ21c、ゲーティング回路22c、CKB制御回路24を有する。本実施の形態におけるレジスタ21cはn個のDフリップフロップ(図中の210〜21n−1)を有する。そして、Dフリップフロップ210〜21n−1は、実施の形態1と同様にシフトレジスタを構成する。つまり、レジスタ21cは、レジスタ21aのDフリップフロップの個数を増加させたものである。そのため、回路の接続についての説明はここでは省略する。なお、シフトレジスタを構成するDフリップフロップは、チャージポンプ回路の個数に応じた個数とする。
ゲーティング回路22cは、ゲーティング回路22aのANDゲートの個数をチャージポンプ回路の個数に応じて増加させたものである。そのため、ここではゲーティング回路22cの詳細な構成の説明は省略する。
CKB制御回路24は、レジスタ21cを構成するDフリップフロップのCKB端子に供給する信号CKBを第1の検出信号DN及び第3の検出信号DNHに基づき生成する。本実施の形態におけるCKB制御回路24は、例えばワンショットパルス回路である。本実施の形態におけるCKB制御回路24は、第1の検出信号DN又は第2の検出信号DNHの立ち下がりエッジに応じてワンショットパルス信号をDフリップフロップへのCKB信号とする。
続いて、電圧生成回路4の動作を示すタイミングチャートを図11に示す。そして、図11を参照して電圧生成回路4の動作について説明する。図11に示す動作例では、電圧生成回路4は、動作設定値をnとして動作している。より具体的には、レジスタ21cの出力F1n−1〜F10がすべてロウレベルの状態である。そのため、タイミングt30よりも前の時点では、活性化制御信号S[n−1]〜S[0]がハイレベルであって、n個のチャージポンプ回路が活性化された状態となっている。
そして、タイミングt30において出力電圧が理想電圧値VTを上回るとモニタ信号LVMが立ち下がり、この立ち下がりに応じて活性化制御信号S[n−1]〜S[0]が立ち下がる。その後、出力電圧はさらに上昇し、タイミングt31において第1の電圧範囲の上限電圧値VHを上回る。そのため、第2のモニタ電圧VC42が基準電圧Vrefを上回り、第1の検出信号DNが立ち下がる。そして、第1の検出信号DNの立ち下がりに応じて、CKB制御回路24はCKB信号を所定の期間の間ロウレベルとする。そして、CKB信号の立ち下がりに同期してDフリップフロップは出力F1n−1を立ち上げる。従って、タイミングt31において動作設定値はnからn−1へと減算される。
続いて、出力電圧はさらに上昇し、タイミングt32において出力電圧は第2の電圧範囲の上限電圧値VHHを上回る。そのため、第4のモニタ電圧VC41が基準電圧Vrefを上回り、第3の検出信号DNHが立ち下がる。そして、第3の検出信号DNHの立ち下がりに応じて、CKB制御回路24はCKB信号を所定の期間の間ロウレベルとする。そして、CKB信号の立ち下がりに同期してDフリップフロップは出力F1n−2を立ち上げる。従って、タイミングt32において動作設定値はn−1からn−2へと減算される。
その後、出力電圧は、降下を開始する。そして、タイミングt33において、出力電圧が第2の電圧範囲の上限電圧値VHHを下回ることで第3の検出信号DNHが立ち上がる。そして、タイミングt34において、出力電圧が第1の電圧範囲の上限電圧値VHを下回ることで、第1の検出信号DNが立ち上がる。続いて、タイミングt35で出力電圧が理想電圧値VTを下回るとモニタ信号LVMが立ち上がり、この立ち上がりに応じて活性化制御信号S[n−3]〜S[0]が立ち上がる。一方、活性化制御信号S[n−1]、S[n−2]については、タイミングt35以前の段階で動作設定値がn−2となっているためロウレベルを維持し、チャージポンプ回路に対して非活性状態を指示する。その後出力電圧は上昇を開始する。
続いて、タイミングt36において出力電圧が理想電圧値VTを上回るとモニタ信号LVMが立ち下がり、この立ち下がりに応じて活性化制御信号S[n−3]〜S[0]が立ち下がる。その後、出力電圧はさらに上昇し、タイミングt37において第1の電圧範囲の上限電圧値VHを上回る。そのため、第2のモニタ電圧VC42が基準電圧Vrefを上回り、第1の検出信号DNが立ち下がる。そして、第1の検出信号DNの立ち下がりに応じて、CKB制御回路24はCKB信号を所定の期間の間ロウレベルとする。そして、CKB信号の立ち下がりに同期してDフリップフロップは出力F1n−3を立ち上げる。従って、タイミングt37において動作設定値はn−2からn−3へと減算される。
その後、出力電圧はさらに上昇するが、タイミングt35〜t36の期間に活性化されるチャージポンプ回路の個数は、タイミングt30以前において活性化されるチャージポンプ回路の個数より2個少ない。そのため、タイミングt37以降の出力電圧の上昇は抑制され、出力電圧は第2の電圧範囲の上限電圧値VHHを上回ることなく降下に転じる。
そして、タイミングt38において、出力電圧が第1の電圧範囲の上限電圧値VHを下回ることで、第1の検出信号DNが立ち上がる。続いて、タイミングt39で出力電圧が理想電圧値VTを下回るとモニタ信号LVMが立ち上がり、この立ち上がりに応じて活性化制御信号S[n−4]〜S[0]が立ち上がる。一方、活性化制御信号S[n−1]〜S[n−3]については、タイミングt39以前の段階で動作設定値がn−3となっているためロウレベルを維持し、チャージポンプ回路に対して非活性状態を指示する。その後出力電圧は上昇を開始する。
そして、タイミングt40において、出力電圧が理想電圧値VTを上回るとモニタ信号LVMが立ち下がり、この立ち下がりに応じて活性化制御信号S[n−3]〜S[0]が立ち下がる。そして、出力電圧は降下を開始する。その後、タイミングt41において、出力電圧が理想電圧値VTを下回るとモニタ信号LVMが立ち上がり、この立ち上がりに応じて活性化制御信号S[n−3]〜S[0]が立ち上がる。そして、出力電圧は上昇を開始する。以降、電圧生成回路4は、出力電圧が上限電圧値VH又は下限電圧値VLを超えない限りタイミングt40〜t41の動作を繰り返す。
上記説明より、実施の形態4にかかる電圧生成回路4によれば、第1の電圧範囲よりもさらに大きな電圧範囲を有する第2の電圧範囲に対して出力電圧をモニタする第3の検出信号DNHを設ける。そして、第1の検出信号DNと第3の検出信号DNHとにより動作設定値の減算を指示する。これにより、電圧生成回路4では、第1の電圧範囲を大きく超えるリップルを早期に検出し、動作設定値をより早く減ずることが可能になる。つまり、電圧生成回路4では、大きなリップルを実施の形態1〜3の例よりも早期に減少させることができる。特に、大きなリップルは、電圧生成回路4が出力する出力電圧を受けるトランジスタの劣化を早める。そのため、リップルの大きさを早期に減少させることは、トランジスタの劣化を防止するために大きな効果がある。
実施の形態5
実施の形態5にかかる電圧生成回路5のブロック図を図12に示す。図12に示すように、電圧生成回路5は、実施の形態4にかかる電圧生成回路4のチャージポンプ制御回路20c及び電圧検出部30cの変形例となるチャージポンプ制御回路20d及び電圧検出部30dを有する。
チャージポンプ制御回路20dは、実施の形態4に記載のチャージポンプ制御回路20cと実質的に同じものであるが動作設定値の更新方法がチャージポンプ制御回路20cとは異なる。チャージポンプ制御回路20dの詳細については後述する。
電圧検出部30dは、実施の形態3に記載の電圧検出部30bが出力するモニタ信号LVM、第1の検出信号DN及びリセット信号RSTに加えて第4の検出信号UPを出力する。そのため、電圧検出部30dは、電圧検出部30bの抵抗分圧部31bよりも1つ多い抵抗を含む抵抗分圧部31dを有する。また、電圧検出部30dは、コンパレータ32〜34に加えコンパレータ36を有する。
抵抗分圧部31dは、抵抗R51〜R55を有する。抵抗R51〜抵抗R55は、出力端子OUTと接地端子との間に直列に接続される。ここで、抵抗R51の一端が出力端子OUTに接続され、抵抗R55の他端が接地端子に接続される。そして、抵抗R51と抵抗R52との接続ノードからは第3のモニタ電圧VC54が出力される。また、抵抗R52と抵抗R53との接続ノードからは第5のモニタ電圧VC53が出力される。また、抵抗R43と抵抗R44との接続ノードからは第1のモニタ電圧VC52が出力される。また、抵抗R44と抵抗R45との接続ノードからは第2のモニタ電圧VC51が出力される。なお、第1のモニタ電圧VC52、第2のモニタ電圧VC51及び第3のモニタ電圧VC54は、それぞれ第1のモニタ電圧VC11、第2のモニタ電圧VC12及び第3のモニタ電圧VC33に相当する電圧であるため、ここでは説明を省略する。第5のモニタ電圧VC53は、出力電圧が第1の電圧範囲よりも小さな電圧範囲として設定される第2の電圧範囲の下限電圧値VLL(例えば、4.7V)に達したときに基準電圧Vrefと同じ電圧になる。そのため、抵抗R51〜抵抗R55は、この条件を満たすように抵抗値が設定される。
第5のモニタ電圧VC53は、コンパレータ36の負入力端子に入力される。また、コンパレータ36の正入力端子には基準電圧Vrefが入力される。コンパレータ36は、2つの入力電圧を比較して第4の検出信号UPを出力する。
次に、チャージポンプ制御回路20dの詳細について説明する。チャージポンプ制御回路20dのブロック図を図13に示す。図13に示すようにチャージポンプ制御回路20dは、レジスタ21c、ゲーティング回路22c、リセット制御回路25を有する。ここで、レジスタ21c及びゲーティング回路22cは、チャージポンプ制御回路21cと同じものであるため説明を省略する。
リセット制御回路25は、Dフリップフロップのリセット信号を個別に制御する。Dフリップフロップの個数に応じた個数のANDORゲート250〜25n−1を有する。そして、ANDORゲート250〜25n−1は、それぞれ対応するDフリップフロップに対してリセット信号を出力する。ANDORゲート250〜25n−1は、電圧検出部30dからリセット信号RSTと第4の検出信号UPとを受ける。さらに、ANDORゲート250〜25n−1は、対応して設けられるDフリップフロップの出力Qに入力Dが接続されるDフリップフロップの出力(この出力をFx+1と称す)を参照する。そして、ANDORゲート250〜25n−1は、出力Fx+1がロウレベルであって、かつ、第4の検出信号UPがハイレベルとなると対応して設けられるDフリップフロップをリセットする。また、ANDORゲート250〜25n−1は、リセット信号RSTがハイレベルとなると、Dフリップフロップの出力Fx+1の値にかからずDフリップフロップをリセット状態とする。なお、シフトレジスタの最終段となるDフリップフロップ210に対応して設けられるANDORゲート250のANDゲートの反転入力端子は接地端子GNDに接続される。
つまり、リセット制御回路25は、レジスタ21cを構成するシフトレジスタにおいて最も後ろのハイレベル出力を、第4の検出信号UPの立ち上がりに応じてロウレベルにする。言い換えると、リセット制御回路25は、第4の検出信号UPの立ち上がりに応じてレジスタ21cにおいて保持されている動作設定値に1を加算する動作を行う。
次に、電圧生成回路5の動作を示すタイミングチャートを図14に示す。そして、図14を参照して電圧生成回路5の動作について説明する。図14に示す動作例では、電圧生成回路5は、動作設定値をn−3として動作している。より具体的には、レジスタ21cの出力のうちF1n−1〜F1n−3ハイレベルであり、F1n−4〜F10はロウレベルの状態である。そのため、タイミングt5よりも前の時点では、活性化制御信号S[n−1]〜S[n−3]がハイレベルであって、n−3個のチャージポンプ回路が活性化された状態となっている。
そして、タイミングt50において出力電圧が理想電圧値VTを上回るとモニタ信号LVMが立ち下がり、この立ち下がりに応じて活性化制御信号S[n−4]〜S[0]が立ち下がる。その後、出力電圧は降下を開始する。そして、タイミングt51において、出力電圧が理想電圧値VTを下回るとモニタ信号LVMが立ち上がり、この立ち上がりに応じて活性化制御信号S[n−4]〜S[0]が立ち上がる。そして、その後出力電圧は上昇を開始する。
しかし、タイミングt52において、出力端子から引き抜かれる負荷電流の増加が生じ、n−3個のチャージポンプ回路の動作だけでは負荷電流をまかなうことができなくなると、出力電圧は降下しはじめる。そのため、出力電圧は、タイミングt53において第2の電圧範囲の下限電圧値VLLを下回る。そして、出力電圧が下限電圧値VLLを下回ったことを電圧検出部30dが検出すると第4の検出信号UPが立ち上がる。これにより、第4の検出信号UPがハイレベルとなるため、レジスタ21cの出力F1n−3がリセット状態となり、レジスタ21cの出力F1n−3〜F10はすべてロウレベルとなる。また出力F1n−1〜F1n−2はハイレベルを維持す。これにより、動作設定値は1が加算されn−3からn−2になる。
そして、動作設定値が切り替わったことで、それ以前の期間において非活性状態を示していた活性化制御信号S[n−3]が活性状態に切り替わる。これにより、活性化されるチャージポンプ回路の個数は、n−3個からn−2個に増加する。そして、n−2個のチャージポンプ回路が動作することで、出力電圧が上昇に転じる。
そして、タイミングt54において、出力電圧が下限電圧値VLLを上回ると第4の検出信号UPは立ち下がる。その後、タイミングt55において出力電圧が理想電圧値VTを上回るとモニタ信号LVMが立ち下がり、この立ち下がりに応じて活性化制御信号S[n−3]〜S[0]が立ち下がる。そして、出力電圧は降下を開始する。その後、タイミングt56において、出力電圧が理想電圧値VTを下回るとモニタ信号LVMが立ち上がり、この立ち上がりに応じて活性化制御信号S[n−3]〜S[0]が立ち上がる。そして、出力電圧は上昇を開始する。以降、電圧生成回路5は、出力電圧が上限電圧値VH又は下限電圧値VLLを超えない限りタイミングt55〜t56の動作を繰り返す。
上記説明より、実施の形態5にかかる電圧生成回路5は、動作設定値をリセットにより戻すのでなく、減算された動作設定値に1を加算することが可能である。これにより、電圧生成回路5では、負荷電流が増加した場合に、上側にリップルが大きくなることを防止する。つまり、減算された動作設定値をリセットにより大きくした場合、リセット後にすべてのチャージポンプ回路が動作するため、チャージポンプ回路が負荷電流に対して過剰な電流供給能力となる場合がある。このような場合、出力電圧に大きなオーバーシュートが生じ、出力電圧が過剰に大きくなる危険がある。しかしながら、電圧生成回路5では、動作設定値を徐々に戻すことができるため、出力電圧が過剰に大きくなることを防止することが可能になる。このような、出力電圧の過剰な上昇を防止することは、出力電圧が印加されるトランジスタの信頼性を向上させることに効果がある。
実施の形態6
実施の形態6にかかる電圧生成回路6のブロック図を図15に示す。なお、実施の形態6において実施の形態5と同一の構成要素については、実施の形態5と同じ符号を付して説明を省略する。
図15に示すように、電圧生成回路6は、電圧生成回路5におけるチャージポンプ制御回路20dをチャージポンプ制御回路20eに置き換えたものである。チャージポンプ制御回路20eは、チャージポンプ制御回路20dと同じ制御信号(例えば、リセット信号RST、モニタ信号LVM、第1の検出信号DN、第4の検出信号UP)を受けて動作するが、動作設定値の更新方法が異なる。
チャージポンプ制御回路20eのブロック図を図16に示す。図16に示すようにチャージポンプ制御回路20eは、ゲーティング回路22c、Pレジスタ26、Nレジスタ27を有する。ゲーティング回路22cは、チャージポンプ制御回路20dのゲーティング回路22cと同じものである。チャージポンプ制御回路20eでは、Pレジスタ26とNレジスタ27とにより動作設定値を保持する。以下、Pレジスタ26とNレジスタ27とについて説明する。
Pレジスタ26はモニタ信号LVM及び第4の検出信号UPに応じて信号FP[n−1:0]を出力する。信号FP[n−1:0]はn本の信号から構成される。そして、この信号はゲーティング回路22cのANDゲート220〜22n−1の一方の端子にそれぞれ入力される。また、Pレジスタ26は、モニタ信号LVMと同一論理の信号を出力するが、このとき第4の検出信号UPの立ち上がりに応じて信号FP[n−1:0]のうち1つをモニタ信号LVMの論理レベルにかかわらずチャージポンプ回路の非活性状態を示す状態とする。そして、Pレジスタ26は、第4の検出信号UPの立ち上がりが入力される度に非活性状態を示す信号FPの数を増加させる。なお、Pレジスタ26において保持される動作設定値をここでは活性化最低回路数と称す
Nレジスタ27は、レジスタ21aにおいてDフリップフロップの個数をn個としたものである。また、第1の検出信号DN及びリセット信号RSTに応じて出力される信号FN[n−1:0]は、レジスタ21aの出力Fの数をn個としたものと同じである。
続いて、図17に電圧生成回路6の動作を示すタイミングチャートを示す。図17に示す動作例においては、まず、Pレジスタ26に活性化最低回路数として0が設定され、Nレジスタ27に動作設定値としてnが設定されている。そのため、タイミングt60以前の段階では、活性化制御信号S[n−1]〜S[0]はすべて活性化を指示するハイレベルとなる。そして、タイミングt60において出力電圧が理想電圧値VTを上回ると、モニタ信号LVMが立ち下がる。このとき、Pレジスタ26に保持されている活性化最低回路数は0であるため、このモニタ信号LVMの立ち下がりに応じて活性化制御信号S[n−1]〜S[0]が立ち下がる。その後、出力電圧は降下を開始する。その後、タイミングt61において出力電圧が理想電圧値VTを下回ると、モニタ信号LVMが立ち上がる。そして、モニタ信号LVMの立ち上がりに応じて活性化制御信号S[n−1]〜S[0]が立ち上がる。しかし、負荷電流が大きく出力電圧の降下が大きくなるとタイミングt63で出力電圧が下限電圧値VLを下回る。そのため、第4の検出信号UPがタイミングt62において立ち上がる。そして、第4の検出信号UPの立ち上がりに応じてPレジスタ26に保持されている活性化最低回路数が0から1に増加する。
その後、出力電圧は上昇に転じる。そして、タイミングt63で下限電圧値VLを出力電圧が上回ることで第4の検出信号UPは立ち下がる。そして、出力電圧は上昇を続ける。そして、タイミングt64で出力電圧が理想電圧値VTを上回る。従って、この出力電圧に応じてモニタ信号LVMが立ち下がる。このとき、Pレジスタ26に保持されている活性化最低回路数は1である。そのため、タイミングt64においてモニタ信号LVMの立ち下がりに応じて非活性状態を示す活性化制御信号Sは[n−1]〜[1]のn−1個である。
そして、出力電圧は降下に転じる。このとき、出力電圧の降下速度は、チャージポンプ回路が1つ動作しているため、タイミングt62以前の期間よりも遅くなる。そして、タイミングt65で出力電圧は、理想電圧値VTを下回り、モニタ信号LVMが立ち上がる。そして、モニタ信号LVMの立ち上がりに応じて活性化制御信号S[n−1]〜[1]が立ち上がる。このとき、活性化制御信号S[0]は、チャージポンプ回路に活性化を指示する状態(例えば、ハイレベル)を維持する。
そして、出力電圧は上昇に転じる。このとき、出力電圧の降下速度が遅くなっているため、出力電圧が下限電圧値VLを下回る前に、出力電圧の上昇が開始される。そして、タイミングt66で出力電圧が理想電圧値VTを上回り、この出力電圧に応じてモニタ信号LVMが立ち下がる。そして、モニタ信号LVMの立ち下がりに応じて活性化制御信号Sは[n−1]〜[1]は立ち下がる。このタイミングt66においても、Pレジスタ26の活性化最低回路数は1であるため、活性化制御信号S[0]はハイレベルを維持する。これ以降の期間は、タイミングt64〜t65の動作を繰り返し行う。
上記説明より、電圧生成回路6は、モニタ信号LVMの論理レベルにかかわらず活性化状態となるチャージポンプ回路の個数を活性化最低回路数により設定することができる。この活性化最低回路数に応じてチャージポンプ回路を動作させることで出力電圧の降下速度を緩やかにすることができる。これにより、出力電圧が理想電圧値VTを下回ってからチャージポンプ回路が活性化され、出力電圧が上昇に転じるまでに生じる電圧降下量を少なくすることができる。電圧生成回路6は、特に負荷電流が大きな場合に有効である。つまり、負荷電流が大きな場合、出力電圧が理想電圧値VTを下回ってから上昇に転じるまでの間に発生する電圧降下が大きくなる。しかし、この電圧降下の速度を遅くすることで出力電圧が理想電圧値VTを下回ってからチャージポンプ回路が実際に動作を開始するまでに発生する出力電圧の電圧降下量を小さくすることができる。つまり、負荷電流が大きい場合において、電圧生成回路6は、出力電圧の電圧降下を効率よく防止することができる。また、このような電圧生成回路6を不揮発性メモリに適用することで、不揮発性メモリにおける誤動作の防止に大きな効果を得ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、動作設定値の更新方法は、電圧生成回路が適用されるシステムの使用に応じて適宜変更することができる。