JP4861068B2 - 印刷物搬送装置のグリッパ - Google Patents

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Description

本発明は、新聞や雑誌等の印刷物を把持して搬送する印刷物搬送装置に使用されるグリッパに関する。
一般に、新聞や雑誌等の印刷施設においては、輪転機によって印刷された印刷物を搬送装置のグリッパで一部ずつ把持し、これを後続の発送等のラインに搬送するようにしている。
このような印刷物搬送装置のグリッパとしては、固定ブレードと可動ブレードとを有し、可動ブレードを回動させて可動ブレードの把持部と固定ブレードの把持部との間で印刷物を把持する構造のものが一般的である。また、例えば特許文献1に開示されているように、十分な把持力を発生させるために、固定ブレードと可動ブレードの把持部どうしが当接する位置を基準として、その位置からさらに圧縮スプリングを圧縮して可動ブレードを締付け方向(把持力を強める方向)に押圧する構造のものも知られている。
この特許文献1のような構造のグリッパでは、その把持力の大きさは把持される印刷物の厚さによって決まる。したがって、薄い印刷物を適切な把持力で把持するように設定すると、厚い印刷物を把持する際に把持力が大きくなり、印刷物が汚損するおそれやスプリング及びブレードが破損するおそれがあった。また、厚い印刷物を適切な把持力で把持するように設定すると、薄い印刷物を把持できなくなるおそれがあった。
特公平7−84271号公報
本発明が解決しようとする課題は、把持する印刷物の厚さが薄い又は厚い場合であっても、適切な把持力で把持することができる印刷物搬送装置のグリッパを提供することにある。
本発明は、可動ブレードと調整ブレードとを有し、可動ブレードを回動させて可動ブレードの把持部と調整ブレードの把持部との間で印刷物を把持する印刷物搬送装置のグリッパにおいて、可動ブレードの把持部と調整ブレードの把持部とによる把持力が所定値以上となったときに、可動ブレードと調整ブレードの少なくとも一方の把持部が把持力を吸収する方向に回動するようにしたことを特徴とするものである。
このような構成とすることで、印刷物が厚く過大な把持力が発生しそうなときには、可動ブレードと調整ブレードの少なくとも一方の把持部が把持力を吸収する方向に回動し、把持力を適切に保持できるので、実際に過大な把持力が発生することはない。
本発明において、可動ブレード及び/又は調整ブレードの把持部は、可動ブレードの把持部と調整ブレードの把持部とによる把持力が所定値未満のときには、弾性体により付勢されて所定位置に保持されているようにすることができる。この場合、可動ブレード及び/又は調整ブレードの把持部は、可動ブレードの把持部と調整ブレードの把持部とによる把持力が所定値以上となったときに、前記弾性体による付勢力に抗して把持力を吸収する方向に回動する。
また本発明においては、可動ブレード及び/又は調整ブレードの把持部を複数設け、それぞれの把持部を独立して回動可能とすることが好ましい。このような構成とすることで、印刷物の厚さが部位によって異なっていたとしても、それぞれの把持部において独立して把持力を適切に保持することができる。
本発明のグリッパによれば、把持する印刷物の厚さが厚い場合であっても、過大な把持力が発生することはなく、印刷物を適切に把持し、印刷物の汚損を防止することができる。
以下、図面に示す実施例に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の印刷物搬送装置のグリッパの一実施例を示す側面図、図2は図1のA方向矢視図である。
図1及び図2に示すように、グリッパ本体1には、可動ブレード2と調整ブレード3がそれぞれ回動可能に軸支されている。可動ブレード2は、把持する印刷物の幅より若干幅狭の把持部2aを有し、図示しない公知の駆動機構により回動し、また所定の開位置(2点鎖線の位置)で停止するように構成されている。調整ブレード3は、グリッパ本体1の両側部に形成した軸支部1a,1aに軸支され、把持する印刷物の両側部に対応させて2箇所に設けられており、それぞれの調整ブレード3は独立して回動可能である。また、調整ブレード3の把持部3aには滑り止め用のゴム3bが嵌着されている。
調整ブレード3の把持部3aと反対側の端部にはバネ受け部3cが設けられており、このバネ受け部3cとグリッパ本体1との間には、弾性体として圧縮されたコイルバネ4が装着されている。このコイルバネ4によって調整ブレード3は、印刷物を把持する方向に付勢されており、常時はグリッパ本体1に形成した軸支部1aのストッパ部1bに調整ブレード3を当接させることによって図1の実線の位置に保持されている。
以上の構成において、印刷物を把持するときには、可動ブレード2を図1(a)において時計回り方向に回動させて、その把持部2aと調整ブレード3の把持部3aとの間で印刷物Pを把持する。このとき、調整ブレード3は上述のようにコイルバネ4によって印刷物Pを把持する方向(図1(a)において反時計回り方向)に付勢されているので、その付勢力(実施例では50Nに設定)以下では回動することはなく所定の把持力で確実に印刷物Pを把持することができる。一方、把持する印刷物P’が厚い等の理由により、把持力がコイルバネ4による付勢力を上回ると、図1(b)において2点鎖線で示すように調整ブレード3が把持力を吸収する方向(図1(b)において時計回り方向)に回動し、把持力が保持されるので、印刷物P’に過大な把持力が作用することが防止される。ここで、両側部の2つの調整ブレード3はそれぞれ独立して回動可能であるので、例えば、印刷物が折り曲げられていて、その折り曲げ部分が厚くなっている場合であっても、対応する調整ブレード3のみが回動するので、印刷物全体を適切に把持することができる。
図3は本発明の印刷物搬送装置のグリッパの別実施例を示す要部の側面図である。この実施例は、可動ブレード2に把持力の保持機構を設けたものである。
この実施例において、可動ブレード2の把持部2aは、その基部2bに回動可能に軸支されている。また、その軸支部分には弾性体としてねじりコイルバネ5が設けられている。このねじりコイルバネ5によって可動ブレード2の把持部2aは、印刷物を把持する方向(図3において時計回り方向)に付勢されており、把持部2aと基部2bの接合端面を当接させることで、常時は図示の位置に保持されている。上記接合端面は、矢印B方向から印刷物を受け入れる際に、印刷物が引っ掛からないように当接させている。
この可動ブレード2を使用すれば、把持力がねじりコイルバネ5による付勢力を上回ると把持部2aが把持力を吸収する方向(図3において反時計回り方向)に回動し、把持力が保持されるので、印刷物に過大な把持力が作用することが防止される。なお、このように可動ブレード2に把持力保持機構を設ける場合には、可動ブレード2の把持部2aは、図2に示した2つの調整ブレードの把持部3aに対応する位置に2つ設け、それぞれ独立して回動可能な構成とすることが好ましい。また、把持力保持機構を設けた可動ブレードを使用する場合には、調整ブレード側には図1のような把持力保持機構を設ける必要はなく、調整ブレードはグリッパ本体に固定することができる。
実施例では調整ブレードを2箇所に設け、それぞれ回動可能としたが、従来の固定ブレードと同様にグリッパ本体に一体的に設けてもよい。
本発明は、新聞の印刷施設に好適に利用できるほか、各種の商業印刷施設に利用でき、印刷物をクォーター折り(四つ折り)にして搬送する場合にも対応できる。
本発明の印刷物搬送装置のグリッパの一実施例を示す側面図である。 図1のA方向矢視図である。 本発明の印刷物搬送装置のグリッパに関する他の実施例を示す要部の側面図である。
符号の説明
P 印刷物
P’ 厚い印刷物
1 グリッパ本体
1a 軸支部
1b ストッパ部
2 可動ブレード
2a 把持部
2b 基部
3 調整ブレード
3a 把持部
3b 滑り止め用のゴム
3c バネ受け部
4 コイルバネ
5 ねじりコイルバネ

Claims (3)

  1. 可動ブレードと調整ブレードとを有し、可動ブレードを回動させて可動ブレードの把持部と調整ブレードの把持部との間で印刷物を把持する印刷物搬送装置のグリッパにおいて、可動ブレードの把持部と調整ブレードの把持部とによる把持力が所定値以上となったときに、可動ブレードと調整ブレードの少なくとも一方の把持部が把持力を吸収する方向に回動するようにしたことを特徴とする印刷物搬送装置のグリッパ。
  2. 可動ブレード及び/又は調整ブレードの把持部は、可動ブレードの把持部と調整ブレードの把持部とによる把持力が所定値未満のときには、弾性体により付勢されて所定位置に保持され、把持力が所定値以上となったときに、前記弾性体による付勢力に抗して把持力を吸収する方向に回動する請求項1に記載の印刷物搬送装置のグリッパ。
  3. 可動ブレード及び/又は調整ブレードの把持部が複数設けられており、それぞれの把持部が独立して回動可能である請求項1又は2に記載の印刷物搬送装置のグリッパ。
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