JP4858551B2 - インクジェットヘッド - Google Patents

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本発明は、被記録媒体に対してインクを吐出するインクジェットヘッドに関する。
従来から、ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドとして、ノズルにインクを供給する共通インク室に対向するように、ダンパー室が設けられたものがある。特許文献1のインクジェットヘッドは、キャビティ室とこのキャビティ室に連通するインクマニホールド(共通インク室)とが形成されたキャビティプレートと、キャビティ室に連通するノズルを備え、キャビティプレートの下面に設けられたノズルプレートと、キャビティプレートの上面に設けられて、キャビティ室内を加圧する振動板と圧電素子板とを有する。さらに、圧電素子板には、インクマニホールドと対向するダンパー室が形成されており、このダンパー室は、圧電素子板の側面に設けられた連通孔によって外部と連通している。
特開平9−141856号公報
前記特許文献1のインクジェットヘッドにおいては、ダンパー室が連通孔を介してヘッド(圧電素子板)の側面に開口している
本発明の目的は、ダンパー室内へのインクの浸入を抑制することが可能なインクジェットヘッドを提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
第1の発明のインクジェットヘッドは、共通インク室とこの共通インク室に夫々連通する複数のノズルとを含むインク流路が形成された流路ユニットを備え、
前記流路ユニットの一表面は、前記複数のノズルが開口したインク吐出面となっており、さらに、前記流路ユニットは、前記共通インク室と対向する位置に形成されたダンパー室を含み且つ前記ダンパー室を大気に連通させる空気通路を有し、前記空気通路は、前記流路ユニットの前記インク吐出面とは反対側の面において開口し
前記流路ユニットは、前記共通インク室から複数の前記ノズルに至る複数の個別流路の途中部に夫々設けられ、且つ、前記インク吐出面とは反対側の面に沿って配置された複数の圧力室を含み、これら複数の前記圧力室の少なくとも一部は、前記共通インク室と部分的に対向するように配置され、前記一部の圧力室と対向し、且つ、前記共通インク室とは対向しない領域には、コンプライアンス調整用空間がそれぞれ形成され、前記コンプライアンス調整用空間は、前記空気通路に連通していることを特徴とするものである。
この構成によれば、空気通路の開口部が、インクを吐出するノズルから離れて位置することになるため、ダンパー室を含む空気通路内へインクが浸入しにくくなる。また、圧力室と対向するが、共通インク室とは対向しない領域に、コンプライアンス調整用空間が形成されることにより、複数の圧力室に関してコンプライアンスのばらつきを小さくすることができる。
第2の発明のインクジェットヘッドは、前記第1の発明において、前記流路ユニットに供給するインクの流路を有し、前記流路ユニットの前記インク吐出面と反対側の面と対向するように配置され、さらに、前記流路ユニットとの対向面において、前記流路の開口が形成されるとともに周囲から突出して前記流路ユニットの前記反対側の面に接触した突出領域と、前記突出領域以外の、前記反対側の面から離隔した離隔領域とを有する、ベースブロックと、前記ベースブロックの前記離隔領域と、前記流路ユニットの前記反対側の面との間に配設され、且つ、前記流路ユニットの前記反対側の面に接着されたアクチュエータユニットと、を備え、前記空気通路は、前記流路ユニットの前記反対側の面の、前記ベースブロックの前記離隔領域と対向する領域において開口していることを特徴とするものである。
第3の発明のインクジェットヘッドは、前記第2の発明において、前記流路ユニットの前記インク吐出面と反対側の面に、前記ベースブロックの前記突出領域に形成された前記流路の開口と接続されるインク供給口が形成され、前記空気通路は、前記流路ユニットの前記反対側の面において、前記インク供給口と前記アクチュエータユニットとに挟まれた位置において開口していることを特徴とするものである。
の発明のインクジェットヘッドは、前記第1〜第3の何れかの発明において、前記空気通路は、2つの前記ダンパー室と、前記2つのダンパー室に共通に接続されるとともに、前記流路ユニットの前記インク吐出面とは反対側の面において開口する1本の大気連通路を含み、前記2つのダンパー室の間で、これらダンパー室から前記大気連通路との接続部までの距離が等しいことを特徴とするものである。
この構成によれば、2つのダンパー室の間で、圧力変動の吸収特性を均一なものとすることができる。
さらに、前記コンプライアンス調整用空間は、前記一部の圧力室の前記共通インク室と対向する面積に応じた大きさを有するものであってもよい(第の発明)。
また、前記流路ユニットは、積層状の複数枚の金属プレートで構成されてその内部に少なくとも前記共通インク室を有するプレート積層体と、前記複数のノズルが形成され、前記プレート積層体の最外層に位置する2枚のプレートのうちの一方に接着されるノズルプレートを有するものであってもよく、この場合には、前記空気通路は、前記プレート積層体の最外層に位置する2枚のプレートのうちの他方において開口している(第の発明)。
本発明の実施形態に係るインクジェットヘッドの斜視図である。 図1のII-II線断面図である。 ヘッド本体の平面図である。 図3の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。 ヘッド本体の断面図であり、(a)は図4のVA-VA線断面図、(b)は図4のVB-VB線断面図である。 流路ユニットを構成する金属プレート(ノズルプレートを除く)の積層状態を示す分解斜視図である。 カバープレートの平面図である。 サプライプレートの平面図である。 図8の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。 4枚のマニホールドプレートのうちの、図6における上から2番目のマニホールドの平面図である。 切欠部の拡大斜視図である。 (a)はアクチュエータユニットの部分拡大断面図、(b)は個別電極及びランド部の平面図である。 インクジェットヘッドの製造工程を示す工程図である。 拡散接合工程の説明図である。 変更形態の流路ユニットを構成する金属プレート(ノズルプレートを除く)の積層状態を示す分解斜視図である。 変更形態の切欠部の斜視図である。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、インクジェットヘッドの外観斜視図であり、図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。本実施形態のインクジェットヘッドは、インクジェットプリンタ(図示略)に設けられて、搬送されてきた用紙に対してインクを吐出して用紙に記録するものである。図1、図2に示すように、インクジェットヘッド1は、用紙に対してインクを吐出するための主走査方向に延在した矩形平面形状を有するヘッド本体70と、ヘッド本体70の上方に配置され且つヘッド本体70に供給されるインクの流路である2つのインク溜まり3が形成されたベースブロック71と、これらヘッド本体70とベースブロック71とを保持するホルダ72とを備えている。
ヘッド本体70は、その内部にインク流路32(図5参照)が形成された流路ユニット4と、この流路ユニット4の上面に接着された複数のアクチュエータユニット21とを含んでいる。本実施の形態では、流路ユニット4の長手方向に沿って4つのアクチュエータユニット21が配置されている。これら流路ユニット4及びアクチュエータユニット21は共に、積層状の複数の薄板を互いに接合することにより形成された薄板の積層体からなる。また、図2に示すように、各アクチュエータユニット21の上面にはフレキシブルプリント配線板(FPC:Flexible Printed Circuit)50が接着され、左右に引き出されている。ベースブロック71は、例えばステンレスなどの金属材料からなり、このベースブロック71内のインク溜まり3は、ベースブロック71の長手方向に沿って形成された略直方体の中空領域である。
ベースブロック71の下面73は、開口3bの近傍において周囲よりも下方に突出しており、ベースブロック71は、下面73の開口3bの近傍部分73aにおいてのみ流路ユニット4と接触している。そのため、ベースブロック71の下面73の開口3b近傍部分73a以外の領域は、ヘッド本体70から離隔しており、この離隔部分にアクチュエータユニット21が配設されている。
ホルダ72は、把持部72aと、把持部72aの上面から鉛直方向に延びる平板状の一対の突出部72bとを含んでいる。そして、ベースブロック71は、ホルダ72の把持部72aの下面側に形成された凹部内に接着固定されている。各アクチュエータユニット21に接着されたFPC50は、スポンジなどの弾性部材83を介してホルダ72の突出部72bの表面に沿うようにそれぞれ配置されており、FPC50上にはドライバIC80が設置されている。そして、FPC50は、ドライバIC80から出力された駆動信号をヘッド本体70のアクチュエータユニット21(後に詳述)に伝達するように、両者とハンダ付けによって電気的に接合されている。
ドライバIC80の外側表面には略直方体形状のヒートシンク82が密着状に配置されており、このヒートシンク80を介してドライバIC80で発生した熱が外部に放散される。また、ドライバIC80及びヒートシンク82の上方であって、FPC50の外側には、FPC50を介してドライバIC80と電気的に接続された基板81が配置されている。尚、ヒートシンク82の上面と基板81との間、および、ヒートシンク82の下面とFPC50との間には、インクジェットヘッド1内にゴミやインクが侵入するのを防止するためのシール部材84が介装されている。
図3はヘッド本体70の平面図である。図3に示すように、流路ユニット4は、一方向(主走査方向)に長い矩形の平面形状を有している。ベースブロック71の各インク溜まり3(図2参照)に設けられた開口3bはマニホールド5に連通し、さらに各マニホールド5の先端部は分岐している。この分岐位置からは、副マニホールド5aが流路ユニット4の長手方向に延びている。尚、マニホールド5及びマニホールド5から分岐する副マニホールド5aが、本願発明の共通インク室に相当する。
流路ユニット4には、複数の圧力室10及び複数のノズル8(図4参照)が配置された台形の領域が4つ設けられている。そして、この流路ユニット4の上面には、平面形状が台形である4つのアクチュエータユニット21が、ノズル8や圧力室10を含む4つの台形領域に夫々対応して接着されている。各アクチュエータユニット21は、開口3aを避けるように千鳥状で2列に配列されている。また、各アクチュエータユニット21は、その平行対向辺(上辺及び下辺)が流路ユニット4の長手方向に沿うように配置されている。複数の開口3aは流路ユニット4の長手方向に沿って2列に配列されており、各列5個、計10個の開口3aがアクチュエータユニット21と干渉しない位置に設けられている。そして、隣接するアクチュエータユニット21の斜辺同士が、流路ユニット4の幅方向(副走査方向)に部分的にオーバーラップしている。尚、各アクチュエータユニット21の下側には、互いに離隔した計4つの副マニホールド5aが延在している。
図4は、図3の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。図4に示すように、流路ユニット4の上面には、複数の圧力室10が平面に沿ってマトリクス状に配列されている。そして、流路ユニット4の下面は、複数の圧力室10に夫々連通する複数のノズル8がマトリクス状に配列されたインク吐出領域となっている。
図4に示すように、複数の圧力室10は、副マニホールド5aの延在方向(図4の左右方向)に複数列(圧力室列11a,11b,11c,11d)に配列されている。各圧力室10は、角部にアールが施された略菱形の平面形状を有しており、その長い方の対角線は流路ユニット4の幅方向に平行である。各圧力室10の一端はノズル8に連通しており、他端はアパーチャ12を介して共通インク室としての副マニホールド5aに連通している。平面視において各圧力室10と重なり合う位置には、圧力室10と相似でこれよりも一回り小さい平面形状を有するアクチュエータユニット21の個別電極35が配置されている。図4においては、図面を簡略にするために、多数の個別電極35の一部のみが示されている。なお、図4及び図5において、図面を分かりやすくするために、流路ユニット4内にあって破線で示されるべき圧力室10、アパーチャ12等のインク流路は実線で示されている。
次に、ヘッド本体70の断面構造について図5(a),(b)及び図6を参照して説明する。図5(a)は、図4のVA−VA線断面図であり、図5(b)は、図4のVB−VB線断面図である。図5(a),(b)に示すように、ノズル8は、圧力室10及びアパーチャ12を介して副マニホールド5aと連通している。つまり、ヘッド本体70には、マニホールド5及び副マニホールド5aから、アパーチャ12、圧力室10を経てノズル8に至るインク流路32が形成されている。
ヘッド本体70は、アクチュエータユニット21と、10枚のプレート22〜31が積層された流路ユニット4とから構成されている。
アクチュエータユニット21は、互いに積層された4枚の圧電シート41〜44(図12参照)を有する。これら圧電シート41〜44は、夫々、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなる。尚、後述するように、最上層の圧電シート41は電界が印加されて活性層となる部分を有する層(以下、単に「活性層を有する層」と記する)であるが、残りの3層の圧電シート42〜44は非活性層となっている。
一方、流路ユニット4を構成する、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャプレート24、サプライプレート25、マニホールドプレート26、27、28、29、カバープレート30及びノズルプレート31の10枚のプレートは、夫々、ステンレス鋼等からなる金属プレートである。
キャビティプレート22には、複数の圧力室10がマトリクス状に形成されている。ベースプレート23には、圧力室10とアパーチャ12との連絡孔と、圧力室10からノズル8への連絡孔とが形成されている。アパーチャプレート24には、ハーフエッチングで形成されたアパーチャ12と、圧力室10からノズル8への連絡孔が形成されている。また、サプライプレート25には、アパーチャ12と副マニホールド5aとの連絡孔と、圧力室10からノズル8への連絡孔とが形成されている。さらに、4枚のマニホールドプレート26〜29(インク室形成プレート)には、マニホールド5(図3、図4参照)及びマニホールド5から分岐した副マニホールド5aと、圧力室10からノズル8への連絡孔が形成されている。カバープレート30には、圧力室10からノズル8への連絡孔が形成されている。また、ノズルプレート31には、マトリクス状に配列された複数のノズル8が形成されている。
そして、10枚の金属プレート22〜31は、図5(a),(b)に示すようなインク流路32が形成されるように、互いに位置合わせして積層される。インク流路32は、マニホールド5から分岐した副マニホールド5aから上方へ向かい、アパーチャ12において水平に延在し、それからさらに上方に向かい、圧力室10において再び水平に延在し、さらに、アパーチャ12から離れる方向に斜め下方に向かってから垂直下方のノズル8へと向かう。そして、インク流路32は、全体的に、圧力室10を頂点として上方へ凸となる弓なりに構成されている。
図7にカバープレート30をノズルプレート31側から見た平面図を示す。この図7に示すように、カバープレート30の下面(ノズルプレート31と接合される面)の、マニホールド5が開口3a(図3参照)から連なる部分と対向する位置にはハーフエッチングにより凹部30bが設けられている。この凹部30bは、ノズルプレート31により封止されてダンパー室65を形成する。このダンパー室65は、後述のアクチュエータユニット21により圧力室10内のインクが加圧されたときに、圧力室10からマニホールド5に伝播した圧力変動を吸収するためのものである。また、カバープレート30には、ダンパー室65から夫々延びる溝30cも形成されており、各々の溝30cは、カバープレート30に形成された大気連通孔30aに連なっている。さらに、図6に示すように、大気連通孔30aには、カバープレート30よりも上方に位置する8枚のプレート22〜29に夫々形成された、大気連通孔29a,28a,27a,26a,25a,24a,23a、22aが連なっている。即ち、溝30c及び大気連通孔22a〜30aにより、ダンパー室65を含み且つこのダンパー室を大気へ連通させる空気通路66が形成されている。これにより、マニホールド5内のインクの圧力変動をダンパー室65によりさらに効果的に吸収することができるようになっている。また、空気通路66は、ノズルプレート31と反対側に位置するキャビティプレート22において開口している。そのため、空気通路66の開口部(大気連通孔22a)がインクを吐出するノズル8から離れて位置することになり、空気通路66内にインクが浸入しにくくなっている。尚、本実施の形態では、大気連通孔30aは、2つのダンパー室65からほぼ等距離の位置に形成されている。そのため、これら2つのダンパー室65の間で、圧力変動に対する吸収特性が均一なものとなっている。
また、図4に示すように、複数の圧力室10は、主走査方向(図4の左右方向)に複数列に配列されている。そして、これら複数列の圧力室列のうち、圧力室列11a,11bに属する圧力室10は、その大部分が副マニホールド5aと対向しているのに対して、別の圧力室列11c,11dに属する圧力室10は、一部分しか副マニホールド5aと対向していない。つまり、圧力室列11a,11bに属する圧力室10と、圧力室列11a,11bに属する圧力室10とでは、副マニホールド5aとの対向面積が異なるため、これらの圧力室10間でコンプライアンス(剛性の逆数)に差が生じる。そして、このように、複数の圧力室10に関してコンプライアンスがばらつくと、ノズル8から吐出されるインクの液滴体積や液滴速度等の吐出特性が複数のノズル8でばらついてしまうことになり、印字品質が低下する。そこで、本実施形態の流路ユニット4においては、図5(b)に示すように、副マニホールド5aとの対向面積が少ない、圧力室列11c,11dに属する圧力室10と対向する部分に、剛性を低下させてコンプライアンスを増加させるための空間67(コンプライアンス調整用空間)が形成されている。
図8はサプライプレート25の平面図である。また、図9は図8の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。尚、図9においては、説明の利便性から、サプライプレート25よりも上方に位置する圧力室10を2点鎖線で示し、サプライプレート25よりも下側に形成されている空間67、マニホールド5及び副マニホールド5aを点線で示している。図5(b)、図9に示すように、この空間67は、マニホールドプレート26の、圧力室10と対向する部分に設けられた円形の平面形状を有する孔により形成されている。そして、複数の空間67が、複数の圧力室10と夫々対応して主走査方向(図9の左右方向)に配列されている。
ところで、本実施形態のインクジェットヘッド1においては、流路ユニット4を構成する10枚の金属プレート22〜31のうち、ノズルプレート31を除く9枚の金属プレート22〜30は、積層された状態で拡散接合により一度に接合される。その際、図14に示すように、積層状の9枚のプレート22〜30に、平面状の当接面60a,61aを夫々有する1対の治具60,61を上下両面から密着状に当接させて挟み、真空条件下で高温(1000℃程度)に加熱しながら加圧することにより、金属プレートの積層体68を作製する。
ここで、積層状の9枚の金属プレート22〜30には、容積の大きいマニホールド5、副マニホールド5a、圧力室10などを含むインク流路32が形成されているが、図5(a),(b)及び図6に示すように、このインク流路32は上端(キャビティプレート22)及び下端(カバープレート30)においてのみ開口している。これらの開口は、キャビティプレート22とカバープレート30に夫々当接する治具60,61により密閉状に塞がれることになる。すると、このインク流路32内に空気が閉じこめられることになり、拡散接合時の加熱工程及びその後の冷却工程において、空気が膨張・収縮して圧力が変動する。それに伴い、金属プレート22〜30の接合面における接合不良が生じることが心配される。同様に、下端のダンパー室65及び上端の大気連通孔22aにおいてのみ開口した空気通路66や、マニホールドプレート26に形成されたコンプライアンス調整用の空間67においても同様の状況が起こりえる。
そこで、本実施形態のインクジェットヘッド1においては、プレート積層体68を構成する9枚の金属プレート22〜30には、マニホールド5、副マニホールド5a及び圧力室10を含むインク流路32を大気に連通させる第1大気連通路46と、ダンパー室65を含む空気通路66を大気に連通させる第2大気連通路47と、コンプライアンス調整用の空間67を大気に連通させる第3大気連通路48が夫々形成されている。
図10は、マニホールドプレート27をノズルプレート31側から見た平面図である。図10に示すように、このマニホールドプレート27の下面には、マニホールド5の一部を形成する2つの孔27bからマニホールドプレート27の長手方向に沿う2つの側面(図10の左右両側面)まで夫々延びる溝27cが形成されている。これら溝27cはハーフエッチングで形成されて、2本の第1大気連通路46を構成している。即ち、第1大気連通路46は、マニホールド5から直接分岐して大気へ開口している。そのため、最も容積の大きいマニホールド5内の空気を第1大気連通路46を介して確実に排出することができるようになっている。
また、図6、図8に示すように、サプライプレート25の上面には、大気連通孔25aにおいて空気通路66から分岐してサプライプレート25の2つの側面(図8の左右両側面)まで夫々延びる2本の溝25bがハーフエッチングで形成されている。これら溝25bにより大気へ開口する2本の第2大気連通路47が形成されている。従って、ダンパー室65を含む空気通路66内の空気を第2大気連通路47を介して排出することができる。尚、本実施の形態では、流路ユニット4には4本の空気通路66が形成されている。そのため、図8に示すように、サプライプレート25の長手方向中央部に位置する、残りの2つの大気連通孔25aは、それぞれ近接する溝25eに、溝25b’を介して接続されている。
さらに、図5(b)、図9に示すように、サプライプレート25には、主走査方向(図9の左右方向)に配列されたコンプライアンス調整用の複数の空間67に夫々連通する複数の連通孔25cが形成されている。また、図6、図9に示すように、サプライプレート25の上面には、複数の連通孔25cに連通して主走査方向に延びる複数の溝25dと、これら複数の溝25dに連通する溝25eとがハーフエッチングで形成されている。そして、連通孔25c、溝25d、及び、溝25eにより、大気へ開口する第3大気連通路48が形成されている。従って、複数のコンプライアンス調整用の空間67内の空気を、第3大気連通路48を介して排出することができる。尚、本実施の形態では、この第3大気連通路48は第2大気連通路47とその大気への開口部付近で合流している。
尚、以上説明したように、第1大気連通路46、第2大気連通路47、及び、第3大気連通路48は、拡散接合時の空気排出のために設けられているものであるが、インクジェットヘッド1の組み立て後にこれら大気連通路46〜48が大気に開口したままだと、インク流路32から分岐した第1大気連通路46からインクが漏れることになる。また、第2大気連通路47及び第3大気連通路48からダンパー室65やコンプライアンス調整用の空間67内にインク等が浸入してしまう。そこで、これら第1大気連通路46の開口部46aと第2大気連通路47の開口部47aは、例えばエポキシ樹脂系の封止材により封止されている。
図11に示すように、第1大気連通路46と第2大気連通路47は、マニホールドプレート27とサプライプレート25の同じ側の側面に開口している。第1大気連通路46の開口部46aは、マニホールドプレート27の側部に形成された切欠部分50(第1切欠部分)を介して大気に開口している。また、第2大気連通路47の開口部47aは、サプライプレート25の側部に形成された切欠部分51(第2切欠部分)を介して大気に開口している。尚、図11に示すように、マニホールドプレート27の切欠部分50と、サプライプレート25の切欠部分51は、同じ幅に形成されている。さらに、マニホールドプレート27とサプライプレート25との間のマニホールドプレート26にも、積層状態で2つの切欠部分50,51と夫々重なる位置に、同じ幅を有する切欠部分52が形成されている。そして、これら3つの切欠部分50,51,52は互いに連通している。つまり、3つの切欠部分50,51,52からなり、2つの開口部46a,47aを互いに連通させる切欠部53がサプライプレート25とマニホールドプレート26,27の積層状の3枚のプレートに亙って形成されている。
また、図11に示すように、切欠部53の幅W1(例えば、1mm程度)や切欠部53の切欠深さB1(例えば、0.5mm程度)は、開口部46a,47aの幅W2(例えば、0.1mm程度)と比べて十分大きくなっている。即ち、切欠部53のプレート面に直交する断面における断面積(大気に対する開口部の面積)は、第1大気連通路46及び第2大気連通路47の、開口部46a,47aにおける通路面積よりも大きくなっており、切欠部53内の容積はかなり大きいものとなっている。従って、この切欠部53に封止材を充填すると、この封止材は、毛管力により切欠部53よりも通路面積の小さい第1大気連通路46及び第2大気連通路47に流れ込むことになり、開口部46a,47aを容易且つ確実に封止することができる。さらに、第1大気連通路46の開口部46aと第2大気連通路47の開口部47aを同時に封止することができる。
ここで、第2大気連通路47に封止材が流入したときに、開口部47aと空気通路66との距離にもよるが、封止材が空気通路66(大気連通孔25a)を詰まらせたり、あるいは、封止材がダンパー室65まで流入して、その圧力変動を減衰させる機能が低下してしまう虞がある。そこで、図6、図8、及び、図11に示すように、第2大気連通路47は、その開口部47a近傍の位置に配置され、その通路面積が部分的に拡大した通路拡大部47bを有する。本実施の形態では、この通路拡大部47bは矩形の平面形状に形成されており、通路拡大部47bの幅は切欠部53の幅とほぼ等しく(例えば、1mm程度)、第2大気連通路47の開口部47aの幅W2と比べて十分大きくなっている。そのため、開口部47aに比べて通路拡大部47bにおける毛管力は小さくなるため、切欠部53から第2大気連通路47の開口部47aに流入した封止材は、通路拡大部47bから先へ流入しにくくなる。さらに、図8に示すように、第3大気連通路48も、第2大気連通路47との合流部近傍の位置に配置された通路拡大部48bを有する。そのため、第2大気連通路47から第3大気連通路48内に流入した封止材が、通路拡大部48bから先へ流入しにくくなり、コンプライアンス調整用の空間67内に封止材が流入するのを防止できる。尚、第1大気連通路46は、このような通路拡大部を有していない。その理由は、仮に封止材がマニホールド内5内に浸入しても、マニホールド5の機能が損なわれることがないからである。
次に、アクチュエータユニット21の構造について図12を参照して説明する。図12(a),(b)に示すように、アクチュエータユニット21は、複数の圧力室10に跨って延在する4枚の圧電シート41〜44と、最上層の圧電シート41上において複数の圧力室10に夫々対向する位置に配置された複数の個別電極35と、複数の個別電極35と共に最上層の圧電シート41を挟む共通電極34とを有する。
圧電シート41〜44は略同じ厚さ(例えば、15μm程度)を有し、これら圧電シート41〜44は、多数の圧力室10に亙って連続的に配置されて、キャビティプレート22に接着されている。そのため、スクリーン印刷技術等を用いることにより圧電シート41上に複数の個別電極35を高密度に形成することが可能となっている。尚、圧電シート41〜44は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料などの強誘電性を有する圧電材料からなる。
図12に示すように、個別電極35は、圧力室10と略相似で且つ圧力室10よりも1回り小さい菱形の平面形状を有する。各個別電極35は、最上層の圧電シート41上面の、平面視で圧力室10内に収まる領域に形成されており、圧電シート41の上面において圧力室10と同様にマトリクス状に配置されている。略菱形の個別電極35における鋭角部の一方は全て同方向に延出され、この延出部にランド部36が設けられている。ランド部36は、略160μmの径を有する円形形状を有し、例えばガラスフリットを含む金からなる。また、ランド部36はFPC50(図1及び図2参照)に設けられた接点と電気的に接合されており、ドライバIC80(図1及び図2参照)からランド部36を介して個別電極35に圧力室10の容積を変化させる為の駆動信号が入力される。
共通電極34は、最上層の圧電シート41とその下側の圧電シート42との間においてシート全面に形成されている。尚、この共通電極34の厚みは、例えば略2μm程度である。この共通電極34は、図示しない領域において接地されており、すべての圧力室10に対向する領域において等しくグランド電位に保たれている。
尚、個別電極35と共通電極34は、共に、例えばAg−Pd系などの金属材料からなる。
次に、アクチュエータユニット21の駆動方法について述べる。アクチュエータユニット21における圧電シート41の分極方向はその厚み方向である。つまり、アクチュエータユニット21は、上側(つまり、圧力室10とは離れた)1枚の圧電シート41を活性層が存在する層とし且つ下側(つまり、圧力室10に近い)3枚の圧電シート42〜44を非活性層とした、いわゆるユニモルフタイプの構成となっている。従って、個別電極35を正又は負の所定電位とすると、例えば電界と分極とが同方向であれば圧電シート41中の電極に挟まれた電界印加部分が活性層として働き、圧電横効果により分極方向と直角方向に縮む。一方、圧電シート42〜44は、電界の影響を受けないため自発的には縮まないので、上層の圧電シート41と下層の圧電シート42〜44との間で、分極方向と垂直な方向への歪みに差を生じることとなり、圧電シート41〜44全体が非活性側に凸となるように変形しようとする(ユニモルフ変形)。このとき、図12(a)に示すように、圧電シート41〜44の下面は圧力室10を区画するキャビティプレート22の上面に固定されているので、結果的に圧電シート41〜44は圧力室側へ凸になるように変形する。このため、圧力室10の容積が低下して、インクの圧力が上昇し、ノズル8からインクが吐出される。その後、個別電極35を共通電極34と同じ電位に戻すと、圧電シート41〜44は元の形状になって圧力室10の容積が元の容積に戻るので、インクをマニホールド5側から吸い込む。
なお、他の駆動方法として、予め個別電極35を共通電極34と異なる電位にしておき、吐出要求があるごとに個別電極35を共通電極34と一旦同じ電位とし、その後所定のタイミングにて再び個別電極35を共通電極34と異なる電位にすることもできる。この場合は、個別電極35と共通電極34とが同じ電位になるタイミングで、圧電シート41〜44が元の形状に戻ることにより、圧力室10の容積は初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加し、インクがマニホールド5側から圧力室10内に吸い込まれる。その後再び個別電極35を共通電極34と異なる電位にしたタイミングで、圧電シート41〜44が圧力室10側へ凸となるように変形し、圧力室10の容積低下によりインクへの圧力が上昇し、インクが吐出される。
次に、インクジェットヘッド1の製造方法について、図13のフローチャートを参照して説明する。尚、図13において、Si(i=10,11,・・・)は各ステップを示す。
まず、流路ユニット4を構成する金属プレート22〜31のうち、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャプレート24、サプライプレート25、マニホールドプレート26、27、28、29及び、カバープレート30の9枚の金属プレートに、圧力室10、マニホールド5及び副マニホールド5aを含むインク流路32、ダンパー室65を含む空気通路66(図6参照)、及び、コンプライアンス調整用の複数の空間67(図5(b)、図9参照)を、エッチング等により形成する(S10)。このとき、インク流路32から分岐する第1大気連通路46、空気通路66から分岐する第2大気連通路47、及び、コンプライアンス調整用空間67に連通して第2大気連通路47に合流する第3大気連通路48も同時に形成する(第1工程)。本実施の形態では、アパーチャプレート24のアパーチャ12、ダンパー室65及び3つの大気連通路46,47,48は、ハーフエッチングにより形成されている。さらに、マニホールドプレート27に、第1大気連通路46の開口部46aに連なる切欠部分50(図11参照)を形成するとともに、サプライプレート25に、第2大気連通路47の開口部47aに連なる切欠部分51(図11参照)を形成し、その間のマニホールドプレート26にも、積層状態で2つの切欠部分50,51に夫々連通する切欠部分52(図11参照)も形成する。
次に、図14に示すように、9枚の金属プレート22〜30を積層する(S11)。このとき、図11に示すように、マニホールドプレート26,27及びサプライプレート25の3枚のプレートに夫々形成された3つの切欠部分50〜52が互いに連通するように位置合わせした状態で積層する。そして、拡散接合用の加熱炉内において、平面状の当接面60a,61aを夫々有する1対の治具60,61をキャビティプレート22とカバープレート30に夫々当接させて挟み込む(S12)。このとき、圧力室10、マニホールド5及び副マニホールド5aを含むインク流路32、及び、ダンパー室65を含む空気通路66の、キャビティプレート22及びカバープレート30における開口部が1対の治具60,61により塞がれてしまうことになる。しかし、第1大気連通路46及び第2大気連通路47を介して、インク流路32及び空気通路66は大気に連通している。また、マニホールドプレート26に形成されたコンプライアンス調整用の空間67も第3大気連通路48を介して大気に連通している。
この状態で、真空ポンプを用いて加熱炉内を排気する(S13)。すると、大気連通路46〜48を介して、インク流路32、空気通路66、及び、コンプライアンス調整用空間67内の空気が夫々排出される。そして、加熱炉内で、9枚の金属プレート22〜30を高温(例えば、1000℃程度)に加熱しながら治具60,61により加圧して、9枚の金属プレート22〜30を拡散接合する(S14:第2工程)。このように、インク流路32等の内部の空気を完全に排出してから拡散接合を行うため、空気の膨張・収縮に起因する金属プレート22〜30の変形や、接合面における接合不良を防止できる。このようにして接合されたプレート積層体68は、所定温度までさめるのを待って加熱炉から取り出される。
次に、切欠部53に封止材を充填し、切欠部53に連通する第1大気連通路46の開口部46aと第2大気連通路47の開口部47aを同時に封止する(S15:第3工程)。そして、カバープレート30にノズルプレート31を接着剤で接着し、流路ユニット4の作製を完了する(S16)。最後に、流路ユニット4(キャビティプレート22)にアクチュエータユニット21を接着剤で接着する(S17)。
以上説明したインクジェットヘッド1及びその製造方法によれば、次のような効果が得られる。
流路ユニット4を構成する金属プレートのうちの積層状の9枚の金属プレート22〜30に、マニホールド5及び副マニホールド5aを含むインク流路32から分岐して大気へ開口する第1大気連通路46と、ダンパー室65を含む空気通路66から分岐して大気へ開口する第2大気連通路47と、コンプライアンス調整用の空間67を大気に連通させる第3大気連通路48とが形成されている。そのため、9枚の金属プレート22〜30を拡散接合する前に、インク流路32、空気通路66(ダンパー室65)、及び、コンプライアンス調整用空間67内の空気を大気連通路46〜48から確実に排出することができ、拡散接合時の空気の膨張・収縮に起因するプレートの変形や接合不良を防止できる。
拡散接合が完了した後に、第1大気連通路46の開口部46aが封止されることから、インク流路32内にインクが充填されたときに、インクが第1大気連通路46を通って外部に漏れ出すことがない。また、第2大気連通路47の開口部47aも封止されることから、ダンパー室65内にインク等が浸入して、ダンパー室65による圧力変動減衰機能が低下するのを防止できる。さらに、第2大気連通路47に合流する第3大気連通路48も同時に封止されることから、コンプライアンス調整用空間67内にもインク等が浸入することがない。
第1大気連通路46と第2大気連通路47は、共に、9枚の金属プレート22〜30からなるプレート積層体68の同じ側面まで延びて開口しており、さらに、それらの開口部46a,47aは、プレート積層体68の側面に形成された切欠部53に連通している。そのため、この切欠部53に封止材を充填することにより、第1大気連通路46と第2大気連通路47とを同時に封止することができ、封止作業が簡単になる。また、第3大気連通路48は第2大気連通路47に合流していることから、この第3大気連通路48をも同時に封止することができ、封止作業がさらに簡単になる。さらに、切欠部53の断面積は開口部の通路面積と比べて十分大きいため、切欠部53に封止材を容易に充填することができる。これにより、封止材が外部に流れ出してしまい、ノズルプレート31やアクチュエータユニット21の表面にまで広がってそれぞれの機能を損なうことが防止される。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]第1大気連通路、第2大気連通路、及び、第3大気連通路の経路は、前記実施形態のものに限定されるものではない。例えば、図15、図16に示すように、マニホールド5及び副マニホールド5a(共通インク室)を形成する4枚のマニホールドプレート26A,27A,28,29(インク室形成プレート)のうち、ノズルプレート31から最も離れた位置にある、最上層のマニホールドプレート26Aに、第1大気連通路96がマニホールド5から分岐して切欠部53Aまで延びていてもよい。この場合には、第1大気連通路96の開口部96aとノズルプレート31に形成されたノズル8とがさらに離れて位置することから、封止材により第1大気連通路96の開口部96aを封止する際に、封止材がノズルプレート31の下面のノズル面に付着しにくくなる。
あるいは、第1大気連通路がインク流路32のうちのマニホールド5以外の部分から分岐して大気へ開口するように形成されていてもよい。
2]前記実施形態では、9枚の金属プレート22〜30を一度に拡散接合で接合しているが、本発明を適用可能な形態はこのようなものに限られるものではない。即ち、拡散接合される複数枚の金属プレート内に、少なくとも、マニホールド5及び副マニホールド5a(共通インク室)が形成されている場合であれば、本発明を適用することにより、前記実施形態と同様に、容積の大きいマニホールド5及び副マニホールド5a内の空気を確実に排出することができる。もちろん、少なくとも接合時において、積層体内部に閉塞されることになる空間が形成されているのであれば、本発明を適用することにより、その容積の大小に係わらず、接合不良のない良好な積層体を得ることができる。
あるいは、ノズルプレート31も含めた10枚の金属プレート22〜31を一度に拡散接合により接合してもよい。
3]前記実施形態では、コンプライアンスが小さい、圧力室列11c,11d(図4参照)に属する圧力室と対向する領域にのみコンプライアンス調整用の空間67が設けられているが(図9参照)、特に、副マニホールド5aとの対向面積が圧力室10によってばらついている場合には、コンプライアンス調整用の空間が、例えば、副マニホールド5aとの対向面積が大きい圧力室10ほど小さく設定されるなど、圧力室10の副マニホールド5aとの対向面積に応じた大きさに設定されていてもよい。
1 インクジェットヘッド
4 流路ユニット
5 マニホールド
5a 副マニホールド
8 ノズル
10 圧力室
21 アクチュエータユニット
22 キャビティプレート
23 ベースプレート
24 アパーチャプレート
25 サプライプレート
26,26A マニホールドプレート
27,27A マニホールドプレート
28 マニホールドプレート
29 マニホールドプレート
30 カバープレート
31 ノズルプレート
32 インク流路
65 ダンパー室
66 空気通路

Claims (6)

  1. 共通インク室とこの共通インク室に夫々連通する複数のノズルとを含むインク流路が形成された流路ユニットを備え、
    前記流路ユニットの一表面は、前記複数のノズルが開口したインク吐出面となっており、
    さらに、前記流路ユニットは、前記共通インク室と対向する位置に形成されたダンパー室を含み且つ前記ダンパー室を大気に連通させる空気通路を有し、
    前記空気通路は、前記流路ユニットの前記インク吐出面とは反対側の面において開口し
    前記流路ユニットは、前記共通インク室から複数の前記ノズルに至る複数の個別流路の途中部に夫々設けられ、且つ、前記インク吐出面とは反対側の面に沿って配置された複数の圧力室を含み、
    これら複数の前記圧力室の少なくとも一部は、前記共通インク室と部分的に対向するように配置され、
    前記一部の圧力室と対向し、且つ、前記共通インク室とは対向しない領域には、コンプライアンス調整用空間がそれぞれ形成され、
    前記コンプライアンス調整用空間は、前記空気通路に連通していることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記流路ユニットに供給するインクの流路を有し、前記流路ユニットの前記インク吐出面と反対側の面と対向するように配置され、さらに、前記流路ユニットとの対向面において、前記流路の開口が形成されるとともに周囲から突出して前記流路ユニットの前記反対側の面に接触した突出領域と、前記突出領域以外の、前記反対側の面から離隔した離隔領域とを有する、ベースブロックと、
    前記ベースブロックの前記離隔領域と、前記流路ユニットの前記反対側の面との間に配設され、且つ、前記流路ユニットの前記反対側の面に接着されたアクチュエータユニットと、を備え、
    前記空気通路は、
    前記流路ユニットの前記反対側の面の、前記ベースブロックの前記離隔領域と対向する領域において開口していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット。
  3. 前記流路ユニットの前記インク吐出面と反対側の面に、前記ベースブロックの前記突出領域に形成された前記流路の開口と接続されるインク供給口が形成され、
    前記空気通路は、
    前記流路ユニットの前記反対側の面において、前記インク供給口と前記アクチュエータユニットとに挟まれた位置において開口していることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記空気通路は、
    2つの前記ダンパー室と、前記2つのダンパー室に共通に接続されるとともに、前記流路ユニットの前記インク吐出面とは反対側の面において開口する1本の大気連通路を含み、
    前記2つのダンパー室の間で、これらダンパー室から前記大気連通路との接続部までの距離が等しいことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記コンプライアンス調整用空間は、前記一部の圧力室の前記共通インク室と対向する面積に応じた大きさを有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記流路ユニットは、
    積層状の複数枚の金属プレートで構成されてその内部に少なくとも前記共通インク室を有するプレート積層体と、
    前記複数のノズルが形成され、前記プレート積層体の最外層に位置する2枚のプレートのうちの一方に接着されるノズルプレートを有し、
    前記空気通路は、前記プレート積層体の最外層に位置する2枚のプレートのうちの他方において開口していることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載のインクジェットヘッド。
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