JP4857967B2 - パワーエレクトロニクス機器 - Google Patents
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Description
図6は、従来の昇降圧コンバータを用いた車両駆動システムの概略構成を示すブロック図である。
図6において、車両駆動システムには、昇降圧コンバータ202に電力を供給する電源201、電圧の昇降圧を行う昇降圧コンバータ202、昇降圧コンバータ202から出力された電圧を3相電圧に変換するインバータ203および車両を駆動する電動機204が設けられている。なお、電源201は、架線からの給電電圧または直列接続されたバッテリーから構成することができる。
図7において、昇降圧コンバータ202には、エネルギーの蓄積を行うリアクトルL、電荷の蓄積を行うコンデンサC、インバータ203に流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子SW1、SW2、スイッチング素子SW1、SW2の導通および非導通を指示する制御信号をそれぞれ生成する制御回路211、212が設けられている。
図8において、昇圧動作では、スイッチング素子SW1のIGBT205がオン(導通)すると、IGBT205を介してリアクトルLに電流Iが流れ、LI2/2のエネルギーがリアクトルLに蓄積される。
次に、スイッチング素子SW1のIGBT205がオフ(非導通)すると、スイッチング素子SW2のフライホイールダイオードD2に電流が流れ、リアクトルLに蓄えられたエネルギーがコンデンサCに送られる。
次に、スイッチング素子SW2のIGBT206がオフ(非導通)すると、スイッチング素子SW1のフライホイールダイオードD1に電流が流れ、リアクトルLに蓄えられたエネルギーが電源201へ回生される。
VL/VH=ON Duty(%) (1)
ただし、VLは電源電圧、VHは昇降圧後の電圧、ON Dutyはスイッチング素子SW1、SW2のスイッチング周期に対する導通期間の割合である。
また、車体筐体に接地される制御回路211、212側は低圧であり、スイッチング素子SW1、SW2に接続されるアーム側は高圧となる。このため、スイッチング素子SW1、SW2の破壊などの事故が発生しても、人体が危険に晒されることがないようにするために、アーム側とは、信号伝送用絶縁トランスを用いて制御回路211、212と電気的に絶縁しながら信号の授受が行われる。
図9において、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールには、負荷へ流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子SWU、SWDおよびスイッチング素子SWU、SWDの導通および非導通を指示する制御信号をそれぞれ生成する制御回路1が設けられている。ここで、制御回路1は、CPU4または論理IC、あるいは論理ICとCPUが搭載されたシステムLSIなどで構成することができる。
すなわち、上アーム2側において、CPU4から出力されたゲートドライブ用PMW信号SU1は、絶縁トランスTU1を介して保護機能付きゲートドライバIC8に入力される。また、保護機能付きゲートドライバIC8から出力されたアラーム信号SU2は、絶縁トランスTU2を介してCPU4に入力される。また、アナログPWM変換器CUから出力されたIGBTチップ温度PMW信号SU3は、絶縁トランスTU3を介してCPU4に入力される。
なお、保護機能付きゲートドライバIC7、8は、温度センサから出力された過熱検知信号SD6、SU6および電流センサから出力された過電流検知信号SD5、SU5に基づいて、IGBTが破壊しない閾値を下回ったと判断した場合、一定の時間が経過した後にアラーム信号SD2、SU2を解除する。
図10において、絶縁トランスには、磁気コアMCが設けられ、磁気コアMCには1次巻線M1および2次巻線M2が巻かれている。なお、磁気コアMCは、フェライトやパーマロイなどの強磁性体にて構成することができる。そして、1次巻線M1に印加された電流により生成された磁束φは磁気コアMCにて集束され、磁気コアMC内を通過して第2次巻線M2を鎖交し、2次巻線M2の両端にdφ/dTなる電圧が発生する。ここで、磁気コアMCを用いることにより閉磁路を形成することができ、外部磁界の影響を軽減しつつ、1次巻線M1と2次巻線M2との間の結合係数を高くすることができる。
また、図9において、CPU4の誤動作に起因してIGBT5、6の双方が同時に導通してアーム短絡が発生するのを防止するために、絶縁トランスTU1、TD1の前段にアーム短絡防止回路を設けることがある。
図11において、アーム短絡防止回路には、論理積回路301、302および排他的論理和回路303が設けられている。そして、ゲートドライブ用PMW信号SU1は、論理積回路301および排他的論理和回路303に入力されるとともに、ゲートドライブ用PMW信号SD1は、論理積回路302および排他的論理和回路303に入力される。そして、論理積回路301からの出力はゲートドライブ用PMW信号SU1´として絶縁トランスTU1に入力され、論理積回路302からの出力はゲートドライブ用PMW信号SD1´として絶縁トランスTD1に入力される。
また、特許文献1には、アーム短絡を抑制して高速スイッチングを可能とし、回路の簡素化と低価格化を図るために、2石式ハーフブリッジ形レギュレータのアーム部に半導体スイッチと直列にビーズ形コアを挿入し、半導体スイッチのゲート駆動回路は、極性の異なる2つの2次側コイルを備えたパルストランスからのパルスを入力し、交互にオン・オフ制御させる方法が開示されている。
そこで、本発明の目的は、高圧側と低圧側との電気的な分離を図りつつ、アーム側に設けられたスイッチング素子に流れる主回路電流の監視結果に基づいてアーム短絡を防止することが可能なパワーエレクトロニクス機器を提供することである。
また、請求項4記載のパワーエレクトロニクス機器によれば、前記絶縁トランスを介して伝送される伝送信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス電流を前記絶縁トランスの1次巻線に流す1次側回路と、前記絶縁トランスの2次巻線に発生する電圧パルスのレベルに基づいて前記伝送信号を復元する2次側回路とを備えることを特徴とする。
図1は、本発明の一実施形態に係るパワーエレクトロニクス機器が適用される昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの概略構成を示すブロック図である。
図1において、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールには、負荷へ流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子SWU2、SWD2およびスイッチング素子SWU2、SWD2の導通および非導通を指示する制御信号をそれぞれ生成する制御回路51が設けられている。
また、下アーム53側には、抵抗RD11、RD12にて検出された主回路電流を監視しながら、IGBT19の制御端子を駆動するためのゲート信号を生成するIGBTドライバIC16が設けられている。
そして、絶縁トランスTR11の2次巻線には抵抗R13が並列接続されるとともに、抵抗R13には、電界効果型トランジスタFU12と抵抗R14との直列回路が並列接続されている。そして、抵抗RU11、RU12による分圧値はIGBTドライバIC15に入力されるとともに、電界効果型トランジスタFU12のゲートに入力される。
また、絶縁トランスTR11の1次巻線の一端は、抵抗R11を介して電界効果型トランジスタFU11のソースに接続されるとともに、抵抗R12を介して発振源17に接続され、さらにローパスフィルタ13を介してコンパレータPU11の反転入力端子に接続されている。
そして、コンパレータPU11、PD11の正転入力端子には、基準電圧Vf1、Vf2がそれぞれ接続され、電界効果型トランジスタFU11、FD11のゲートには、否定論理積回路11、12の出力がそれぞれ接続されている。そして、否定論理積回路11、12の一方の入力には、ゲートドライブ用PMW信号SU11、SD11がそれぞれ供給されるとともに、否定論理積回路11、12の他方の入力には、コンパレータPD11、PU11の出力がそれぞれ接続されている。
図3において、理想トランスTR13には1次巻線M11および2次巻線M12が設けられている。そして、理想トランスTR13の1次側から見た入力インピーダンスZ1は、2次側に接続された回路のインピーダンスZ2に対して、以下の式で示すように、2次側に接続された回路のインピーダンスの巻き数比の2乗に比例する。
V2=n2/n1×V1 ・・・(11)
I2=n1/n2×I1 ・・・(12)
また、理想トランスTR13の2次側に接続された回路のインピーダンスZ2は、以下の(13)式で表される。
Z2=V2/I2 ・・・(13)
従って、理想トランスTR13の1次側と2次側のインピーダンスの関係は、以下の(14)式で表すことができる。
Z1=n1 2/n2 2Z2 ・・・(14)
図4において、図1のローパスフィルタ13として、ダイオード21、コンデンサ22および抵抗23が設けられ、ダイオード21は、絶縁トランスTR11の1次巻線に直列接続されるとともに、コンデンサ22および抵抗23は、絶縁トランスTR11の1次巻線に並列接続されている。ここで、絶縁トランスTR11が図3の理想トランスTR13とみなせるものとする。そして、例えば、周波数が数10MHz、振幅がV0の発振源17からの信号が抵抗R12を介して絶縁トランスTR11の1次側に入力されると、絶縁トランスTR11の1次側に発生する電圧V1は、以下の(15)式で表される。
V1=(V0×Z1)/(R12+Z1) ・・・(15)
ただし、R12は抵抗R12の抵抗値である。
(15)式において、R12≫Z1とすれば、電圧V1はインピーダンスZ2に比例し、R14≪Rds_on、R13≫R14+Rds_onという関係を適用すれば、電圧V1は主回路電流ISWに反比例する。
なお、発振源17からの信号によって絶縁トランスTR11の1次側を励磁する電流値を、ゲートドライブ用PMW信号SU11に起因して絶縁トランスTR11の1次側に励磁される電流値よりも十分小さくすることにより、昇降圧コンバータ用インテリジェントパワーモジュールの誤動作を防止しつつ、発振源17からの信号を絶縁トランスTR11の1次側に重畳することができる。
図5において、排他的論理和回路102の一方の入力端子には、図1のゲートドライブ用PMW信号SU11、SD11として制御信号S1が遅延素子101を介して入力されるとともに、排他的論理和回路102の他方の入力端子には制御信号S1が直接入力される。また、否定論理積回路104の一方の入力端子には、排他的論理和回路102からの出力が入力されるとともに、否定論理積回路104の他方の入力端子には、制御信号S1が直接入力される。さらに、論理積回路105の一方の入力端子には、排他的論理和回路102からの出力が入力されるとともに、論理積回路105の他方の入力端子には、制御信号S1がインバータ103を介して入力される。
具体的には、絶縁トランス110の2次側巻線の一方の端子は電源電圧Vcc2の1/2に固定され、2次側巻線の他方の端子の電圧は、電源電圧Vcc2の1/2の電圧を中心として、制御信号S1の立上りでは+方向に変化するとともに、制御信号S1の立下りでは−方向に変化することができる。そして、この2次巻線側の出力は、Vcc2/2+αの閾値に設定されたコンパレータ115と、Vcc2/2−αの閾値に設定されたコンパレータ116に導かれる。なお、αはノイズなどで誤動作しないような値に設定することが好ましい。
52 上アーム
53 下アーム
TR11、TR12 絶縁トランス
DU11、DD11 ダイオード
RU11、RU12、RD11、RD12、R11〜R14、R21〜R24 抵抗
FU11、FU12、FD11、FD12 電界効果型トランジスタ
PD11、PU11 コンパレータ
11、12 否定論理積回路
13、14 ローパスフィルタ
15、16 IGBTドライバIC
17 発振源
18、19 IGBT
101 遅延素子
102 排他的論理和回路
103 インバータ
104、105 論理積回路
108 Pチャンネル電界効果型トランジスタ
109 Nチャンネル電界効果型トランジスタ
115、116 コンパレータ
117 フリップフロップ
Claims (4)
- 負荷へ流入する電流を通電および遮断するスイッチング素子と、
前記スイッチング素子の導通および非導通を指示する制御信号を生成する制御回路と、
前記制御信号に基づいて前記スイッチング素子の制御端子を駆動する駆動回路と、
前記制御回路と前記駆動回路とが絶縁されるように制御側の1次巻線および駆動側の2次巻線が設けられた絶縁トランスと、
前記スイッチング素子に流れる電流値に基づいて前記絶縁トランスの2次側のインピーダンスを制御するインピーダンス制御手段と、
前記絶縁トランスの2次側のインピーダンスに基づいて変化する1次側の入力インピーダンスを検出するインピーダンス検出手段とを備えることを特徴とするパワーエレクトロニクス機器。 - 上アーム用および下アーム用としてそれぞれ作動するように互いに直列に接続され、負荷へ流入する電流を通電および遮断する1対のスイッチング素子と、
前記スイッチング素子の導通および非導通を指示する制御信号を生成する制御回路と、
前記制御信号に基づいて前記スイッチング素子の制御端子を駆動する駆動回路と、
前記制御回路と前記駆動回路とが絶縁されるように制御側の1次巻線およびアーム側の2次巻線が前記スイッチング素子ごとに設けられた絶縁トランスと、
前記スイッチング素子に流れる電流値に基づいて前記絶縁トランスの2次側のインピーダンスを制御するインピーダンス制御手段と、
前記絶縁トランスの2次側のインピーダンスに基づいて変化する1次側の入力インピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、
前記インピーダンス検出手段にて検出された一方のスイッチング素子に流れる電流値に基づいて、他方のスイッチング素子の導通を指示する制御信号を遮断する制御信号遮断手段とを備えることを特徴とするパワーエレクトロニクス機器。 - 前記制御信号よりも周波数の高いインピーダンス検出用信号を前記絶縁トランスの1次側に重畳する重畳回路をさらに備えることを特徴とする請求項1または2記載のパワーエレクトロニクス機器。
- 前記絶縁トランスを介して伝送される伝送信号の立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに応じたパルス電流を前記絶縁トランスの1次巻線に流す1次側回路と、
前記絶縁トランスの2次巻線に発生する電圧パルスのレベルに基づいて前記伝送信号を復元する2次側回路とを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のパワーエレクトロニクス機器。
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