JP4855039B2 - 画像表示装置 - Google Patents
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Description
また、光源についてはコストや電力効率の観点で、冷陰極管を凌ぐ代替光源はなく、また、耐光性や耐熱性の観点で、現行顔料を凌ぐ代替の着色成分もないのが実状であり、色再現性をバックライト及び着色成分の面から向上させるのは困難である。
<3> 前記吸収極大波長が585nmである前記<1>又は<2>に記載の画像表示装置である。
本発明の画像表示装置は、冷陰極管と、以下に詳述する銀微粒子を含有することで可視光域に少なくとも1つの吸収極大を有し、該吸収極大における半値幅波長範囲が575〜600nmであるフィルタ(以下、「輝線カットフィルタ」と称する。)とを設けて構成されたものであり、場合により冷陰極管と輝線カットフィルタとの間に液晶表示素子や拡散板、輝度向上板などを設けた構成とすることができる。
本発明に係る輝線カットフィルタは、可視光域に少なくとも1つの吸収極大を有し、該吸収極大における半値幅波長範囲が575〜600nmであるフィルタである。この本発明に係る輝線カットフィルタを冷陰極管から観察者までの光路の任意の位置に配置することにより、冷陰極管が有する585nmの極大発光を吸収して視覚に映る色度範囲が拡がり、表示画像の色再現性を効果的に向上させることができる。
ここで、吸収極大における半値幅波長範囲は、前記吸収極大を示すピークのピーク高さの2分の1の高さにおけるピークの広がり幅に相当する波長範囲である。
本発明の輝線カットフィルタは、可視光域に少なくとも1つの吸収極大を有し、前記吸収極大における半値幅波長範囲が575〜600nmである特定形状の銀微粒子を用いて好適に構成することができる。本発明においては、微粒子を適宜選択することで、可視光域に少なくとも1つの吸収極大を有し、該吸収極大における半値幅波長範囲が575〜600nmとなる構成とすることができる。
棒状の銀微粒子は、球形銀微粒子を種粒子としてその後、銀塩を更に添加し、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)等の界面活性剤の存在下でアスコルビン酸など比較的還元力の弱い還元剤を用いることにより、銀棒やワイヤーが得られる。これは、Advanced Materials 2002,14,80−82に記載がある。また、同様の記載が、Materials Chemistry and Physics 2004,84,197−204、Advanced Functional Materials 2004,14,183−189になされている。
棒状の粒子の形成方法は、前記記載の方法を改良(添加量調整、pH制御)しても調製できる。
[六角形平板微粒子]
六角形平板微粒子は、平板形状が六角形の微粒子であり、具体的な例として、平板粒子の形状が例えば正六角形や合同な二等辺三角形を4つ重ねた六角形等である粒子が挙げられ、中でも正六角形である金属系微粒子、特に正六角形の金属粒子が好ましい。
三角形平板微粒子は、平板形状が三角形の微粒子であり、具体的な例として、正三角形、直角三角形、二等辺三角形等である粒子が挙げられ、中でも正三角形である金属系微粒子、特に正三角形の金属粒子が好ましい。
棒状金属微粒子は、棒状の微粒子であり、具体的な例として、粒子自体の形状が針状、円柱状、直方体等の角柱状、ラグビーボール状、繊維状、又はコイル状等である粒子が挙げられ、中でも針状、円柱状、直方体等の角柱状、ラグビーボール状である金属系微粒子がより好ましい。
本発明に係る金属系微粒子は、下記の方法によって直方体として捉えられ、各寸法が測定される。すなわち、1個の金属系微粒子がちょうど(きっちりと)収まるような三軸径の直方体の箱を考え、この箱の長さの一番長いものを長軸長さLとし、厚みt、幅bをもってこの金属系微粒子の寸法と定義する。前記寸法には、L>b≧tの関係を持たせ、同一の場合以外はbとtの大きい方を幅bと定義する。具体的には、まず、平面上に金属系微粒子を、最も重心が低くて安定に静止するように置く。次に、平面に対し直角に立てた2枚の平行な平板により金属系微粒子を挟み、その平板間隔が最も短くなる位置の平板間隔を保つ。次に、前記平板間隔を決する2枚の平板に対し直角で前記平面に対しても直角の2枚の平行な平板により金属系微粒子を挟み、この2枚の平板間隔を保つ。最後に金属系微粒子の最も高い位置に接触するように天板を前記平面に平行に載せる。この方法により平面、2対の平板及び天板によって画される直方体が形成される。
なお、コイル状やループ状のものはその形状を伸ばした状態で前記測定を行なった場合の値と定義する。
棒状金属微粒子の場合など、前記長軸長さLは、10nmないし1000nmであることが好ましく、10nmないし800nmであることがより好ましく、20nmないし400nmである(可視光の波長より短い。)ことが最も好ましい。Lが10nm以上であることにより、製造上調製が簡便で、かつ耐熱性や色味も良好になる利点があり、1000nm以下であることにより、面状欠陥が少ないという利点がある。
棒状金属微粒子の場合など、幅bと厚みtとの比は、100個の棒状金属微粒子について測定した値の平均値と定義する。棒状金属微粒子の幅bと厚みtとの比(b/t)は2.0以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.3以下であることが特に好ましい。b/t比が2.0を超えると平板状に近くなり、耐熱性が低下することがある。
長軸長さLは、幅bの1.2倍以上100倍以下であることが好ましく、1.3倍以上50倍以下であることがより好ましく、1.4倍以上20倍以下であることが特に好ましい。長軸長さLが幅bの1.2倍未満となると平板の特徴が現れて耐熱性が悪化することがある。また、長軸長さLが幅bの100倍を超えると黒色濃度が低くなって薄層高濃度化ができないことがある。
長さL、幅b及び厚みtの測定は、電子顕微鏡による表面観察図(×500000)と、原子間力顕微鏡(AFM)によってすることができ、100個の棒状金属微粒子について測定した値の平均値とする。原子間力顕微鏡(AFM)には、いくつかの動作モードがあり、用途によって使い分けている。
大別すると以下の3つになる。
(1)接触方式:プローブを試料表面に接触させ、カンチレバーの変位から表面形状を測定する方式
(2)タッピング方式:プローブを試料表面に周期的に接触させ、カンチレバーの振動振幅の変化から表面形状を測定する方式
(3)非接触方式:プローブを試料表面に接触させずに、カンチレバーの振動周波数の変化から表面形状を測定する方式
前記の3つの方法を挙げることができるが、試料に合わせいずれかの方法を選択することが可能である。
本発明においては、誘電率実部が負である微粒子として、銀粒子であってアスペクト比が1.0〜1.5の三角平板粒子、又は銀粒子であってアスペクト比が4.0〜7.0の六角平板粒子が好ましい。
本発明では、上記の銀微粒子とは別に、あるいは銀微粒子と共に、顔料等その他の微粒子を用いることもできる。顔料を用いたときには、フィルタをより黒色に近い色相に構成することができる。
カーボンブラックの例としては、Pigment Black(ピグメント・ブラック)7(カーボンブラック C.I.No.77266)が好ましい。市販品として、三菱カーボンブラック MA100(三菱化学(株)製)、三菱カーボンブラック #5(三菱化学(株)製)が挙げられる。
チタンブラックの例としては、TiO2、TiO、TiNやこれらの混合物が好ましい。市販品として、三菱マテリアルズ(株)製の(商品名)12Sや13Mが挙げられる。チタンブラックの平均粒径は40〜100nmが好ましい。
黒鉛の例としては、粒子径がストークス径で3μm以下のものが好ましい。
本発明においては、更にバインダーを用いて構成することができ、既述の微粒子(好ましくは金属系微粒子)が該バインダー中に分散された形態が好ましい。分散時における微粒子の存在状態は特に限定されないが、微粒子が安定な分散状態で存在していることが好ましく、例えばコロイド状態にあることがより好ましい。
分散剤として使用可能なポリマーについては、例えば「顔料の事典」(伊藤征司郎編、(株)朝倉書院発行、2000年)の記載を参照できる。
前記式中、x:y=80:20(x,yは繰り返し単位のモル換算比率)
前記親水性高分子としては、水に溶解でき、希薄状態において実質的に溶液状態を維持できるものであればいかなるものを用いてもよい。例えば、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、フィブロネクチン、ラミニン、エラスチンなどのタンパク質及びタンパク質由来の物質;セルロース、デンプン、アガロース、カラギーナン、デキストラン、デキストリン、キチン、キトサン、ペクチン、マンナンなどの多糖類及び多糖類由来の物質などの天然高分子;ポバール(ポリビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルアミンなどの合成高分子;又はこれらに由来するゲルなどを用いることができる。ゼラチンを用いる場合には、ゼラチンの種類は特に限定されず、例えば、牛骨アルカリ処理ゼラチン、豚皮膚アルカリ処理ゼラチン、牛骨酸処理ゼラチン、牛骨フタル化処理ゼラチン、豚皮膚酸処理ゼラチンなどを用いることができる。
界面活性剤の例についても、前記「界面活性剤ハンドブック」に記載がある。
本発明に係る冷陰極管には、従来公知の冷陰極管を適宜選択して用いることができる。冷陰極管は、435nm,540nm,610nmに発光ピークを持つ蛍光灯で、その波長領域で選択的に光るので高い演色性をもつ。例えば、液晶表示素子(LCD)やシャーカステンのバックライトに利用されているものが挙げられる。
液晶表示素子は、例えば、カラーフィルタを含む少なくとも2枚の基板と該基板間に設けられた液晶と該液晶に電界を印加する2枚の電極とを設けて構成することができる。
<六角平板銀粒子分散溶液の調製>
まず、J.phys.chem.B 2003,107,2466−2470に記載されている微粒子の調製方法により、六角平板形状の銀粒子分散液を調製し、得られた銀粒子分散液に遠心分離処理(10,000r.p.m.、20分間)を行ない、上澄み液を捨て適宜濃縮を行なって、六角平板銀微粒子の微粒子分散液を得た。
次に、上記より得た六角平板銀粒子分散溶液をガラス基板上に、スピンコーターを用いて乾燥膜厚が1.0μmになるように塗布して100℃で5分間乾燥させ、冷陰極管輝線カットフィルタを作製した。そして、作製した冷陰極管輝線カットフィルタを、冷陰極管(NEC(株)製)を備えた液晶ディスプレイ(メーカー:三星電子、機種:Sync Master 172X)の表示部の上に配置することで観察者と表示部との間の光路中に挿入し、表示部において赤表示、緑表示、青表示を行なった。
表示された各色の発光スペクトルを、トプコン社製の分光放射輝度計SR−3により測定し、CIE 1976 UCS色度図(u'v'色度図)にプロットして実線(三角形の実線領域)で結んだ。プロットした結果を図2〜図4に示す。
実施例1において、六角平板銀粒子分散溶液を、以下のようにして調製した三角平板銀粒子分散溶液に代えたこと以外、実施例1と同様にして、冷陰極管輝線カットフィルタを作製し、表示を行なって同様の測定、プロットを行なった。
まず、NANO LETTERS 2002 Vol.2,No.8 903−905に記載されている微粒子の調製方法により、三角平板形状の銀粒子分散液を調製し、得られた分散液に遠心分離処理(10,000r.p.m.、20分間)を行ない、上澄み液を捨て適宜濃縮を行なって、三角平板銀微粒子の微粒子分散液を得た。なお、得られた三角平板銀微粒子のアスペクト比R、球相当直径の測定を前記同様の方法で行なった結果、それぞれR=1.2、22nmであった。
Claims (6)
- 冷陰極管と、可視光域に少なくとも1つの吸収極大を有し、前記吸収極大における半値幅波長範囲が575〜600nmであるフィルタと、を備え、該フィルタが可視光域に少なくとも1つの吸収極大を有し、前記吸収極大における半値幅波長範囲が575〜600nmであり、アスペクト比が1.0〜1.5の三角平板銀微粒子を含む画像表示装置。
- 冷陰極管と、可視光域に少なくとも1つの吸収極大を有し、前記吸収極大における半値幅波長範囲が575〜600nmであるフィルタと、を備え、該フィルタが可視光域に少なくとも1つの吸収極大を有し、前記吸収極大における半値幅波長範囲が575〜600nmであり、アスペクト比が4.0〜7.0の六角平板銀微粒子を含む画像表示装置。
- 前記吸収極大の波長が585nmである請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置。
- 前記フィルタがバインダーを更に含み、前記銀微粒子がバインダー中に分散されている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
- 前記バインダーの誘電率が2〜2.5の範囲にある請求項4に記載の画像表示装置。
- 液晶表示装置である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像表示装置。
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