JP4855023B2 - ジェットノズル - Google Patents

Description

本発明は、ジェットノズルに関し、特に、割高な上水や２次処理水の使用量を低減するとともに、噴出口の詰まりを低減しながら下水や河川水をノズル水として噴出することができるジェットノズルに関するものである。

例えば、下水処理場では、除塵装置の洗浄や沈砂池の集砂用として、水を噴出するノズルが用いられている。
ところで、この種の用途に用いられるノズルとして、従来、図４（ａ−１）〜図４（ａ−２）に示すような直噴型ノズルＡ１や図４（ｂ−１）〜図４（ｂ−３）に示すような拡散噴射型ノズルＡ２があるが、いずれも噴出口９の口径が小さいことから、ノズル水に下水を使用すると噴出口９に詰まりが発生することがあり、噴出口９の定期的な清掃が必要であった。
一方、ノズルの詰まりを防ぐために、ノズル水に上水や２次処理水を使用すると、下水や河川水の使用に比べその費用が大きくなる。

本発明は、上記従来のノズルが有する問題点に鑑み、割高な上水や２次処理水の使用量を低減するとともに、噴出口の詰まりを低減しながら下水や河川水をノズル水として噴出することができるジェットノズルを提供することを目的とする。

上記目的を達成するため、本発明のジェットノズルは、下水処理・浄水処理のノズル、集砂ノズル又は河川用のノズルにおいて、圧力流体を噴出する第１ノズルと、該第１ノズルの噴出口の周囲を被覆するチャンバ状の第２ノズルと、前記噴出口の前方に形成された第２ノズルの噴出口と、前記第２ノズルに形成されたノズル水の流入口とを備え、圧力流体に上水又は２次処理水を用いるとともに、ノズル水に下水又は河川水を用いたことを特徴とする。

この場合において、圧力流体として用いる上水又は２次処理水に気体を混入することができる。

本発明のジェットノズルによれば、圧力流体を噴射することにより第２ノズル内に負圧を発生させ、この負圧によって第２ノズル内にノズル水を吸引し噴射することができ、圧力流体として上水や２次処理水を使用するとともに、ノズル水として下水や河川水を使用することにより、割高な上水や２次処理水の使用量を低減するとともに、噴出口の詰まりを低減しながら下水や河川水をノズル水として噴出することができる。

この場合、圧力流体として用いる上水又は２次処理水に気体を混入することにより、混気ジェットによって、ノズル水の吸引や移送効率をさらに向上させることができる。

以下、本発明のジェットノズルの実施の形態を、図面に基づいて説明する。

図１に、本発明のジェットノズルの一実施例を示す。
このジェットノズルは、圧力流体を噴出する第１ノズル１と、該第１ノズル１の噴出口１ａの周囲を被覆するチャンバ状の第２ノズル２と、前記噴出口１ａの前方に形成された第２ノズル２の噴出口２ａと、前記第２ノズル２に形成されたノズル水の流入口２ｂとを備えている。
圧力流体としては、上水や２次処理水の異物Ｅを含まない水又は圧縮空気を使用することができ、また、ノズル水としては、下水や河川水の異物Ｅを含んだ水を使用することができる。
この場合、圧力流体として圧力水を用いる場合は、該圧力水に気体を混入することもできる。

第１ノズル１は、先端に噴出口１ａを備え、後部は圧力水管（図示省略）に接続されている。
噴出口１ａは、ジェット水を噴出しうる小径に形成されており、これにより、割高な上水や２次処理水、圧縮空気の使用量を低減するようにしている。
また、この第１ノズル１の噴出口１ａは、第２ノズル２内の異物Ｅを圧力水や圧縮空気で吹き飛ばすことにより、第２ノズル２の異物Ｅの詰まりを低減することができる。

第２ノズル２は、第１ノズル１の噴出口１ａの周囲を被覆するチャンバ状を呈し、第１ノズル１の前方に第２ノズル２の噴出口２ａを形成するとともに、上部にノズル水の流入口２ｂを形成している。
第２ノズル２の噴出口２ａは、例えば、２ミリ幅のスクリーンを通過してきた異物Ｅを含む水が通過できるように、第１ノズル１の噴出口１ａより大径に設けられており、圧力水とノズル水を足した水量により、所定の圧力を確保した水を噴出することができる。
一方、ノズル水の流入口２ｂは、下水管等（図示省略）に接続されており、第１ノズル１から圧力水を噴射することにより第２ノズル２内を負圧にし、この負圧によって第２ノズル２内に下水を吸引し同時に噴射することができる。

次に、本実施例のジェットノズルの使用例を説明する。
このジェットノズルは、例えば、下水道向けのスクリーン移動式除塵機の脱荷ノズルとして使用することができる。
スクリーン移動式除塵機は、例えば、図２に示すように、多数のスクリーンプレートを櫛歯状に並設したスクリーンパネル３をリンクして無端状のスクリーンを形成し、該無端状スクリーンをその下部内側に水が流入するように張架配設するとともに、該無端状スクリーンを循環させ、スクリーンパネル３にて捕捉したし渣をスクリーンの上部内側に配設したシュート４に落下させるようにしている。
なお、スクリーンは、スプロケット５によりレール６に沿って駆動するコンベアチェーン７によって循環する。
ジェットノズルＡは、このスクリーン移動式除塵機の上部に複数設置されており、スクリーンで捕捉されたし渣をシュート４に洗い落とす。
この場合、ジェットノズルＡから噴出する異物Ｅを含むノズル水は、スクリーンの目幅より十分小さいので、該スクリーンを通過することができる。また、異物Ｅがスクリーンの裏側に付着したとしても、スクリーンが下降した際に水流で次工程に流される。

一方、図３は、ジェットノズルを沈砂池に設置した例を示す。
この沈砂池Ｓは、沈砂池Ｓの沈砂を揚砂する揚砂ポンプＰと、揚砂ポンプＰから搬送された砂を固形物と水とに分離する固液分離装置８とを備えている。
ジェットノズルＡは、この沈砂池Ｓの底部に集砂ノズルして複数設置されており、噴出するノズル水により、沈砂を沈砂池Ｓの底部に設置した揚砂ポンプＰ側に集める働きをする。

かくして、本実施例のジェットノズルは、圧力流体を噴出する第１ノズル１と、該第１ノズル１の噴出口１ａの周囲を被覆するチャンバ状の第２ノズル２と、前記噴出口１ａの前方に形成された第２ノズル２の噴出口２ａと、前記第２ノズル２に形成されたノズル水の流入口２ｂとを備えることから、圧力流体を噴射することにより第２ノズル２内に負圧を発生させ、この負圧によって第２ノズル２内にノズル水を吸引し噴射することができ、圧力流体として上水や２次処理水を使用するとともに、ノズル水として下水や河川水を使用することにより、割高な上水や２次処理水の使用量を低減するとともに、噴出口２ａの詰まりを低減しながら下水や河川水をノズル水として噴出することができる。
この場合、圧力流体として圧力水を用い、該圧力水に気体を混入することにより、混気ジェットによって、ノズル水の吸引や移送効率をさらに向上させることができる。

以上、本発明のジェットノズルについて、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができる。

本発明のジェットノズルは、割高な上水や２次処理水の使用量を低減するとともに、噴出口の詰まりを低減しながら下水や河川水をノズル水として噴出するという特性を有していることから、例えば、下水処理・浄水処理のノズル、集砂ノズル、河川用のノズルの用途に好適に用いることができる。

本発明のジェットノズルの一実施例を示し、（ａ）は断面図、（ｂ）は平面図、（ｃ）は左半が（ａ）のＡ矢視図、右半が同Ｂ矢視図である。 同実施例のジェットノズルをスクリーン移動式除塵機に用いた例を示す斜視図である。 同実施例のジェットノズルを沈砂池に用いた例を示す断面図である。 従来のノズルの一例を示し、（ａ）は正面図、（ｂ）は平面図である。

１ 第１ノズル
１ａ 噴出口
２ 第２ノズル
２ａ 噴出口
２ｂ ノズル水の流入口
Ａ ジェットノズル
Ｅ 異物

Claims (2)

1. 下水処理・浄水処理のノズル、集砂ノズル又は河川用のノズルにおいて、圧力流体を噴出する第１ノズルと、該第１ノズルの噴出口の周囲を被覆するチャンバ状の第２ノズルと、前記噴出口の前方に形成された第２ノズルの噴出口と、前記第２ノズルに形成されたノズル水の流入口とを備え、圧力流体に上水又は２次処理水を用いるとともに、ノズル水に下水又は河川水を用いたことを特徴とするジェットノズル。
2. 圧力流体として用いる上水又は２次処理水に気体を混入することを特徴とする請求項１記載のジェットノズル。

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