JP4854088B2 - 抗dnp抗体を用いたコレステロール結合剤 - Google Patents

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本発明は、コレステロール結合剤及びそれを用いたコレステロール検出キットに関する。
コレステロールは肝臓で低密度リポタンパク質LDLとして産生され、末梢組織に運ばれ、取り込まれる。コレステロールは末梢組織で生体膜の構成要素として、またステロイドホルモンの原料として使われる。生体膜からは高密度リポタンパク質HDLによってコレステロールが取り除かれ、肝臓に運ばれて再利用される。しかし、細胞内でのコレステロールの分布は簡便な染色法がないために容易には調べられない。実際には、細胞内のコレステロール動態評価は血流中のLDL、VLDL、HDLコレステロールの測定から推察しているのが現状である。
生体組織のコレステロール分布は蛍光を発する抗生物質フィリピン(Fillipin)で観察できる。しかしフィリピンの蛍光は弱く、すぐに消退してしまう。またフィリピンは細胞膜のコレステロールとは反応するが、細胞内の脂肪滴コレステロールとは反応せず、細胞内全体のコレステロール分布の観察には適していない。
ジニトロフェニル基(DNP)を認識する抗体はいくつか知られており、市販もされている(特許文献1など)。しかしながら、ジニトロフェニル基を認識する抗体がコレステロールの検出に使用できることは全く知られていなかった。
特開2002-267672号公報
本発明は、コレステロールと特異的に結合してコレステロールを効率よく検出することができる試薬を提供することを課題とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、ジニトロフェニル基を認識する抗体(抗DNP抗体)がコレステロールに特異的に結合することを見出した。そこで、抗DNP抗体とコレステロールの結合を利用することで、コレステロールを効率よく検出できることを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)ジニトロフェニル基を認識する抗体からなるコレステロール結合剤。
(2)(1)のコレステロール結合剤を含む、コレステロール検出キット。
(3)コレステロールを含む試料にジニトロフェニル基を認識する抗体を添加して試料中に含まれるコレステロールを検出することを特徴とする、コレステロール検出方法。
本発明によれば、コレステロールを簡便かつ特異的に検出することができる。特に、細胞内コレステロールを簡便に検出することができ、血液などを利用して細胞内のコレステロール分布を判定できるため、高コレステロール血症などの検査にも適している。
以下に本発明を詳しく説明する。
ジニトロフェニル基を認識する抗体(抗DNP抗体)は、例えば、ジニトロフェニル基を化学的にKLH(キーホールリンペットヘモシアニン)やBSA(ウシ血清アルブミン)などのペプチドと結合させたもの(DNP−KLHコンジュゲートまたはDNP−BSAコンジュゲート)を抗原に用いて作製することができる。これらのDNPコンジュゲートをウサギやマウスなどの哺乳動物に注入して免疫感作させ、その血清を回収し、得られた抗血清からDNPカラムなどで精製することにより抗体を得ることができる。
なお、ジニトロフェニル基としては2,4−ジニトロフェニル基が好ましい。
また、モノクローナル抗体を作製する場合は、例えば、上記のようにして得られたDNP−KLHコンジュゲートまたはDNP−BSAコンジュゲートでマウスなどの非ヒト哺乳動物を免疫し、非ヒト哺乳動物から単離したリンパ球をミエローマ細胞と融合させてハイブリドーマを作製し、得られたハイブリドーマが産生する抗体の中から、DNPを特異的に認識する抗体を選択することによって得ることができる。抗体がDNPを認識するかどうかは、ウエスタンブロットやELISAなどによって確認することができる。
なお、本発明において、モノクローナル抗体とは、モノクローナル抗体、モノクローナル抗体のフラグメント、F(ab')2化抗体、F(ab')化抗体、短鎖抗体(scFv)、ダイアボディ(Diabodies)およびミニボディ(Minibodies)を含むものとする。
抗DNP抗体として市販の抗体を使用することもできる。例えば、市販の抗DNP-BSAウサギポリクローナル抗体(SIGMA D-9656)、抗DNP-BSAヤギポリクローナル抗体(Biogenesis 3599-9594)、抗DNP-KLHウサギポリクローナル抗体(Molecular Probes A-6430)などが挙げられるが、これらには限定されない。
本発明者らにより、抗DNP抗体がコレステロールに特異的に直接結合するという性質が明らかになったため、抗DNP抗体をコレステロール結合剤として使用することができる。
コレステロール結合剤の用途としては、コレステロールの回収、検出などが挙げられる。コレステロールの回収方法としては、例えば、抗DNP抗体を適当な担体などに結合させて対象試料と接触させ、抗DNP抗体を介して担体に結合したコレステロールを回収する方法が挙げられる。
また、コレステロールを検出する方法としては、コレステロールを含む試料に抗DNP抗体を添加して抗DNP抗体と試料中のコレステロールとの複合体を形成させ、複合体中のコレステロールを標識された2次抗体などを用いて検出する方法などが挙げられる。
検出の対象はコレステロールを含有しうる試料であれば特に制限されないが、コレステロールを含有しうる生体試料が好ましく、コレステロールを含有しうる細胞や組織切片がより好ましい。
特に、コレステロールが高濃度に集積した形質膜、内分泌顆粒膜を効率よく検出することができる。
コレステロールを含有しうる細胞や組織切片におけるコレステロールの量や分布を検出する具体的方法としては、例えば、以下のような方法が挙げられる。
ホルマリン等で固定化された細胞または組織切片に抗DNP抗体を反応させる。洗浄後、標識された2次抗体を反応させ、その標識に基づいて検出する。抗DNP抗体の添加量は抗体の検出感度(力価)によって調整される。
標識された2次抗体としては、蛍光標識抗体や酵素標識抗体を使用することができる。蛍光標識抗体を用いた場合、蛍光顕微鏡などを用いて検出することができる。一方、酵素標識抗体を用いたときは、酵素の基質を添加して基質分解反応によって生じる発光や発色に基づいて検出することができる。
また、抗DNP抗体自身が標識されていてもよい。例えば、細胞に蛍光物質などで標識された抗DNP抗体を添加し、蛍光顕微鏡等で蛍光を測定することにより細胞内のコレステロールの分布を調べることもできる。
あらかじめ既知量のコレステロールで検量線を作成しておくことにより、コレステロールの定量も可能である。
本発明は、また、抗DNP抗体を含むコレステロール検出キットを提供する。該キットは、それがコレステロールの検出に使用するためのものである旨、及びその検出方法に関するプロトコルを記載した使用説明書を含むキットであることが好ましい。また、本発明のキットは2次抗体などのその他の試薬を含むものであってもよい。
本発明のコレステロール検出キットは研究目的のみならず、高コレステロール血症などの診断目的に使用することもできる。例えば、抗DNP抗体を用いたELISAによって血中のコレステロール濃度を測定することができる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
0、0.02、0.2、2.0、および20μgのコレステロールの溶液を、それぞれ膜(Protoran:Schleicher & Schuell BioScience Inc)にドットブロットした。また、比較対照として、それぞれ20μgのフォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジルセリンおよびスフィンゴミエリンを膜にブロットした。得られた膜に1%BSA(ウシ血清アルブミン)/PBSを加えて30分間ブロッキングを行った。次に、1%BSA/PBSで1000倍に希釈した10μg/mlの抗DNP抗体(抗DNP-BSAウサギポリクローナル抗体(SIGMA D-9656)、抗DNP-BSAヤギポリクローナル抗体(Biogenesis 3599-9594)、抗DNP-KLHウサギポリクローナル抗体(Molecular Probes A-6430)のそれぞれ)を加えて4℃で一晩インキュベートした。次に、PBSで5分間洗浄する操作を3回繰り返した後、1%BSA/PBSで1:500に希釈したペルオキシダーゼ標識2次抗体(抗ウサギ二次抗体:Jackson社、または抗ヤギ二次抗体:Jackson社)を添加して室温で2時間インキュベートした。PBSで5分間洗浄する操作を3回繰り返した後、発光基質(ECL Western Blotting Detection kit; Amersham Biosciences社)を加えて検出を行った。結果を図1に示した。それによると、いずれの抗DNP抗体もコレステロールに濃度依存的に結合することがわかった。一方、抗DNP抗体は比較対照の脂質のいずれにも反応せず、抗DNP抗体が特異的にコレステロールに結合することがわかった。
[実施例2]
次に、抗DNP抗体を用いて蛍光組織染色を行い、インスリンの蛍光パターンと比較した。
MIN6細胞(マウス膵β細胞由来)を2日間培養後、ホルムアミドを用いて固定化し、1%BSA/PBSを加えて30分間ブロッキングを行った。次に、1%BSA/PBSで1000倍に希釈した抗DNP抗体(抗DNP-BSAウサギポリクローナル抗体(SIGMA D-9656)、もしくは抗DNP-KLHウサギポリクローナル抗体(Molecular Probes A-6430))、または1%BSA/PBSで500倍に希釈した抗インスリン抗体(SIGMA社)を加えて4℃で一晩インキュベートした。次に、PBSで5分間洗浄し、これを3回繰り返した。次に、1%BSA/PBSで1:500に希釈したDNPに対する2次抗体(Redx anti-rabbit IgG:Jackson社)、1:1000に希釈したインスリンに対する2次抗体(Alexa488 anti-guinea pig IgG: Molecular Probes社)を添加して室温で2時間インキュベートした後、蛍光顕微鏡で蛍光を観察した。結果を図2に示した。
それによると、抗DNP抗体による染色パターンはインスリンの染色パターンと類似し
ており、コレステロールが細胞内の内分泌小胞に存在していることが確認できた。
各濃度のコレステロール(左)、および各脂質(右)に対する抗DNP抗体の結合を示す図。略語は以下のとおりである。PC:フォスファチジルコリン、PE:フォスファチジルエタノールアミン、PI:フォスファチジルイノシトール、PS:フォスファチジルセリン、SM:スフィンゴミエリン。 MIN6細胞のコレステロールの検出結果を示す図。左から、抗DNP抗体、抗インスリン抗体、両者を重ね合わせた像を示す。上段が抗DNP-BSAウサギポリクローナル抗体、下段が抗DNP-KLHウサギポリクローナル抗体。

Claims (3)

  1. ジニトロフェニル基を認識する抗体からなるコレステロール結合剤。
  2. 請求項1に記載のコレステロール結合剤を含む、コレステロール検出キット。
  3. コレステロールを含む試料にジニトロフェニル基を認識する抗体を添加して試料中に含まれるコレステロールを検出することを特徴とする、コレステロールの検出方法。
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